JPH0714143A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH0714143A
JPH0714143A JP15753293A JP15753293A JPH0714143A JP H0714143 A JPH0714143 A JP H0714143A JP 15753293 A JP15753293 A JP 15753293A JP 15753293 A JP15753293 A JP 15753293A JP H0714143 A JPH0714143 A JP H0714143A
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magnetic recording
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magnetic
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Masaaki Futamoto
正昭 二本
Atsushi Nakamura
敦 中村
Yoshiyuki Hirayama
義幸 平山
Nobuyuki Inaba
信幸 稲葉
Yoshifumi Matsuda
好文 松田
Mikio Suzuki
幹夫 鈴木
Yukio Honda
幸雄 本多
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度磁気記録に適するように改良された面
内磁気記録媒体を提供する。 【構成】 ベース基板101上にミクロな起伏102,
103を設け、グラフォエピタキシ成長により(10
0)配向したNaCl型結晶構造を持つ第1下地膜10
4を形成し、さらにbcc構造を持つ第2下地膜105
を設けその上にCo基合金からなるhcp構造を持つ磁
性膜106を形成する。又は、第2下地膜を形成しない
で第1下地膜の上に直接Co基合金からなるhcp構造
を持つ磁性膜を形成する。又は、NaCl構造を持つ材
料の(100)単結晶基板を用いてその上にbcc構造
を持つ下地膜を設け、その上にCo基合金からなるhc
p構造を持つ磁性膜を形成する。又は、NaCl構造を
持つ材料の(100)単結晶基板を用いてその上にCo
基合金からなるhcp構造を持つ磁性膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に関し、
特に磁性膜の結晶粒の結晶学的配向性が高密度磁気記録
に適するように改良された磁気記録媒体及びその製造方
法に関する。
【0002】
【外1】
【0003】
【従来の技術】高密度磁気記録を実現するために、連続
磁性膜を磁気記録媒体に用いる研究開発が進められてい
る。これらの磁気記録媒体は、高分子フィルム、NiP
膜を被覆したアルミニウム、ガラスなどの非磁性材料よ
りなる基板上に、強磁性金属のCoやCo合金からなる
薄膜を、高周波スパッタリング法、イオンビームスパッ
タ法、真空蒸着法、電気メッキ法、あるいは化学メッキ
法などで形成して作製されている。このようにして作製
された磁気記録媒体において、磁性膜の微細構造と磁気
特性との間には密接な関係があり、磁気記録の記録密度
や再生出力を高めるために磁性膜の改良が種々試みられ
ている。
【0004】面内磁気異方性をもつ磁性膜の微細構造を
改良し記録再生特性を向上させるために、従来から基板
と磁性膜の間に下地層を設ける方法が検討されている。
例えば、特開昭62−257617号公報にはCo−P
t系磁性膜の下地層としてW,Mo,Nb又はVの膜を
用いることが、特開昭62−257618号公報には下
地層としてV−Cr,Fe−Cr合金材料を用いること
が記載され、特開昭63−106917号公報にはC
o,Ni,Cr及びPtからなる磁性膜の下地層として
Cr,Ho,Ti,Ta等の非磁性材料の膜を形成する
方法が記載され、特開昭63−187414号公報には
Co−Pt−Cr磁性膜の下地層としてCr又はCr−
V合金が有効であることが記載されている。
【0005】基板上に下地層としてCr又はCr合金を
スパッタ法等で形成すると(100)又は(110)配
向膜が得られ、Co合金磁性膜を(100)配向膜上に
形成すると磁化容易軸は基板と平行になり、一方、(1
10)配向膜上に形成すると磁化容易軸は基板表面から
約30度傾いてはいるが基板とほぼ平行になるため、面
内磁気記録媒体として望ましいことが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高密度磁気記録が可能
で再生出力の大きい面内磁気記録媒体としては、磁性膜
の保磁力(Hc)、飽和磁化(Ms)が大きいことに加
えて、残留磁化率(Mr/Ms)が大きいこと、磁気異
方性の分散が小さいことが必要である。上記の公知技術
は、HcとMsが大きい磁気記録媒体を形成することは
ある程度可能であるが、残留磁化率が大きくてしかも磁
気異方性の分散が小さい磁気記録媒体を形成するには不
十分である。
【0007】残留磁化率、磁気異方性の分散は磁性薄膜
を構成する結晶粒の粒径分布、磁化容易軸分布と相関が
あり、大きな残留磁化率及び小さな磁気異方性の分散を
実現するためには、結晶粒径が揃っていて、かつ、結晶
粒の磁化容易軸がほぼ面内方向に揃っていることが必要
である。さらに望ましくは磁化容易軸が記録再生の際に
用いられる磁気ヘッドの走行方向に揃っているほうが良
い。
【0008】本発明は、磁性膜の磁化容易軸が面内を向
き、かつ磁気異方性の分散が小さい、高密度磁気記録に
適した面内磁気記録媒体及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の方法に
より達成できることが、本発明者等の実験の結果明らか
になった。すなわち、基板もしくは下地層としてNaC
l型結晶構造を持つ(100)単結晶膜もしくは[00
1]方位が基板に対して一定の方向を向くように制御さ
れた(100)優先配向膜を用いて、その上に体心立方
構造(bcc)を持つ下地層を形成すると、(100)
面が基板と平行な単結晶膜もしくは配向膜が得られる。
この膜上に六方最密構造(hcp)を持つCo基合金磁
性膜を形成すると、磁性膜は(11−20)面が基板と
平行な単結晶もしくは配向膜が得られる。この場合、磁
性膜の磁化容易軸である[0001]軸は基板と平行に
なり、bcc(100)配向膜の上に形成すると[00
01]軸も基板に対して一定の方向を向くように制御で
きる。
【0010】また、NaCl型結晶構造を持つ(10
0)単結晶もしくは(100)配向膜の上に直接hcp
構造を持つCo基合金磁性膜を形成しても、磁性膜の磁
化容易軸である[0001]軸は基板と平行になる。b
cc構造の膜を用いた場合、成膜条件を制御することに
より(100)配向性を保った状態で結晶粒径や結晶粒
間の距離を調整できるので、磁気記録媒体の微細構造を
調整できるという特徴があるため、磁気記録媒体の使用
目的に応じて利用すれば良い。
【0011】ベースとなる基板上にNaCl構造をもつ
材料の(100)優先配向膜を形成する方法として、例
えば基板上にグレーティングあるいはテクスチャと呼ば
れるミクロな起伏を形成し、この上にグラフォエピタキ
シャル成長を利用して(100)配向膜を成長させるこ
とが可能である。グラフォエピタキシャル成長に関して
は、例えば、「固体物理」第20巻、第10号(198
5)、第815〜820頁に記載されている。グレーテ
ィングやテクスチャを円板状の基板の周方向に沿って同
心円状あるいはスパイラル状に形成しておけば、NaC
l構造をもつ材料の[010]もしくは[001]方向
も同心円状に分布し、この結果Co基合金磁性膜の磁化
容易軸を揃えることが可能となる。
【0012】hcp構造を持つCo基合金の磁化容易軸
[0001]は、bcc(100)配向膜の[011]
もしくは[01−1]方向と平行になる。(100)配
向した1個のbcc構造を持つ材料の結晶上には、磁化
容易軸が互いに直交するhcp結晶構造を持つCo基合
金結晶が混在して成長するため、円板状の基板に対して
磁化容易軸は円周方向と半径方向の2種類が混在するこ
とになる。ミクロな起伏を円板状のベース基板の半径方
向に沿って2種類の模様が互いに逆向きに円弧を描くよ
うに、かつ互いに綾目状に交叉するように形成すれば、
NaCl型結晶構造を持つ材料結晶の[011]方向を
ほぼ円板状の基板の周方向に揃えることができるので、
hcp構造を持つCo基合金結晶の磁化容易軸の向きを
円周方向から内外周向きに45度傾いた2つの方向に揃
えることができる。
【0013】上記の方法を用いれば、磁性膜の磁化容易
軸を基板面と平行に制御でき、さらに円板状の基板では
円周方向に対して磁化容易軸を特定の方向に揃えること
ができるので、磁気記録の際の磁気ヘッドの走行方向と
同一にでき、この結果、面内磁気記録媒体の性能が向上
する。磁性膜の結晶粒の分布を制御することもできるの
で、高密度磁気記録に適した記録媒体を提供することが
できる。
【0014】さらに磁気ヘッドと組み合わせて磁気記録
媒体を使用する場合、高いトラック密度を実現すること
を考慮して、上記方法で作製した磁気記録媒体に溝や窪
みを設けたり、非磁性領域や光反射率の異なる領域を設
けても良い。NaCl型結晶構造を持つ材料としては、
MgO,CaO,TiO,VO,MnO,CoO,Ni
Oのいずれか又はこれらを主成分とする混晶、あるいは
LiCl,NaCl,KClのいずれか又はこれらを主
成分とする混晶、あるいはLiF、あるいはTiC,Z
rC,HfC,NbC,TaCのいずれか又はこれらを
主成分とする混晶が適当である。膜厚は、10nm以上
100μm以下が望ましい。10nm以下になるとベー
ス基板がbcc構造を持つ膜の成長に及ぼす影響を遮断
し難くなり、100μm以上になると、膜形成に要する
時間が長くなり、さらに配向膜の結晶粒の粗大化などの
望ましくない現象が生ずる。
【0015】bcc構造を持つ膜としては、Cr,V,
Nb,Moもしくはこれらの元素を主成分とする合金が
利用可能である。膜厚は1μm以下が望ましく、スパッ
タ法などの成膜法で形成することを考慮すると、経済的
かつ実用的には200nm以下がさらに望ましい。hc
p構造を持つCo基合金磁性膜としては、Coをベース
として、Cr,Ni,Fe,V,Ti,Zr,Hf,M
o,W,Ta,Re,Ru,Rh,Ir,Pt,Pd,
Au,Ag,Cu,B,Al,C,Si,P,Nの少な
くとも1元素を含んだ合金膜が利用可能である。例え
ば、Co−Cr,Co−Ni,Co−Fe,Co−V,
Co−Mo,Co−Ta,Co−Re,Co−Pt,C
o−Pd等の2元系合金、あるいはこれらの2元系合金
に第3元素を加えたCo−Cr−Ta,Co−Cr−P
t,Co−Cr−Mo,Co−Cr−W,Co−Cr−
Re,Co−Ni−Zr,Co−Pt−Ta,Co−P
t−B等の3元系合金、又は第4元素を加えたCo−C
r−Ta−B,Co−Cr−Ta−Si,Co−Cr−
Ta−C,Co−Cr−Ta−P,Co−Cr−Ta−
N,Co−Cr−Pt−B等である。Coの比率が最大
でしかも結晶構造がhcpとなるなら、本発明で対象と
するCo基合金磁性膜となりうる。また、磁性膜は単層
に限らず多層膜あるいは膜厚方向に組成傾斜を持たせた
膜でも利用可能である。膜厚は、2nm以上100nm
以下、望ましくは5nm以上50nm以下が良い。
【0016】成膜法としては、高周波スパッタ法、高周
波マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、
イオンビームプレーティング法、真空蒸着法等の物理蒸
着法がいずれも利用可能である。
【0017】
【作用】図1は、本発明の一実施形態による円板状の磁
気ディスクの一部の断面模式図である。この図を参照し
て説明する。外形が円板状の非磁性基板101の表面
に、この断面図に示すような谷部102と山部103か
ら成る起伏を設ける。山部に比べ谷部の面積が大きくな
るように形成するのが望ましい。この上にNaCl型結
晶構造を持つ材料をグラフォエピタキシャル成長させる
と、谷部には表面が(100)を持つ配向膜104が得
られる。山部にも(100)面を持つ結晶が成長する可
能性は高いが、他の面方位を持つ結晶も成長し得る。
【0018】グレーティングもしくはテクスチャの方向
は、円板の周方向又は半径方向に揃えるのが有効であ
る。この場合、グレーティングもしくはテクスチャは全
周連続している必要性は必ずしもなく、断続していても
良い。NaCl型結晶構造を持つ材料は{100}面が
発達する傾向があり、図1に示すような底部が平坦な溝
では、{100}面が底部と平行になり、かつ起伏の山
部の壁と接する面も{100}となりやすく、NaCl
型結晶の〈100〉方位も基板に対して規定される。
【0019】図2(a)に示すように、グレーティング
を同心円状、スパイラル状あるいはこれらと同様にすれ
ば、NaCl型結晶構造をもつ結晶の〈100〉方位は
同心円状に分布する。一方、図2(b)に示すように、
円板状のベース基板の半径方向に沿って2種類の模様が
互いに逆向きに円弧を描くように、かつ綾目状に交叉す
るように形成すれば、NaCl型結晶構造をもつ結晶の
〈110〉方向をほぼ同心円状に分布させることができ
る。
【0020】このような構造を持つ膜の上に、bcc構
造を持つ膜を形成すると、エピタキシャル現象により、
(100)面がベース基板と平行な配向膜105が成長
する。ついで、hcp構造を持つCo基合金磁性膜を形
成すると、エピタキシャル現象により、(11−20)
面がベース基板と平行な配向膜106が成長する。磁性
膜の磁化容易軸[0001]は基板と平行になり、bc
c配向結晶の〈110〉方向と平行、NaCl型結晶構
造を持つ配向結晶の〈100〉方向と平行になる。
【0021】すなわち、グレーティングもしくはテクス
チャの筋の方向の向きによって磁性膜の磁化容易軸の方
向を制御することができ、かつ、図2に示したグレーテ
ィングもしくはテクスチャの筋の方向の向きは、磁気記
録媒体として望ましい磁化容易軸分布を与えるものであ
る。この上に保護膜107を形成することにより、磁気
記録媒体が得られる。
【0022】グレーティングもしくはテクスチャの深さ
は、その上に形成されるNaCl型結晶構造を持つ配向
膜の個々の結晶粒の大きさと関係があり、成膜条件が同
じ場合、深さが小さくかつ起伏のピッチが小さいほど小
さな結晶粒が形成される。磁性膜を構成するhcp構造
を持つ材料の結晶粒の望ましい大きさの範囲は、2nm
以上100nm以下である。このような磁性膜を形成す
るためには、グレーティングもしくはテクスチャの深さ
も2nm以上1μm以下、ピッチは1nm以上500n
m以下であるのが望ましい。ピッチが1nm以下になる
とグラフォエピタキシャル成長が起こり難くなり、50
0nm以上になると磁性膜の磁化容易軸が円板の周方向
に揃い難くなる。
【0023】図3に示すように、上記の磁気記録媒体の
構成膜のうちbcc結晶構造を持つ材料を省いても、C
o基合金からなるhcp構造を持つ磁性膜の磁化容易軸
が基板と平行であり、かつその分布が基板に対して上記
と同様に制御された磁気記録媒体を得ることができる。
図4は、(100)面を基板面に持つNaCl型結晶構
造をもつ材料の単結晶基板を用いた場合である。bcc
構造の膜は(100)面がエピタキシャル成長し、hc
p構造の膜は(11−20)面がエピタキシャル成長す
るため、磁化容易軸は基板と平行になる。基板とbcc
結晶構造を持つ材料の間に通常格子定数のミスマッチが
あり、このミスマッチを緩和するためbcc及びhcp
結晶構造を持つ材料膜には亜粒界が形成される。膜の形
成条件、例えば基板温度や成膜速度を調整することによ
り、この亜粒界で分割される結晶粒の大きさを磁気記録
に望ましい5〜100nmに制御することができる。
【0024】図5は、図4においてbcc構造からなる
材料膜を省いて、(100)面からなるNaCl型結晶
構造を持つ単結晶基板の上に直接hcp構造を持つCo
基合金磁性膜を形成した構成からなる磁気記録媒体の断
面構造模式図である。この場合も磁性膜の磁化容易軸は
基板と平行になり、図4の場合と類似の効果が生ずる。
【0025】図4及び図5に示した単結晶基板を用いた
磁気記録媒体は、円板状の磁気ディスクとして磁気記録
に用いることができる。この場合、磁気記録媒体におけ
る磁化容易軸の磁気ヘッドに対する向きは円板の方向に
よって変化し、例えば再生出力に変化が生ずる。しか
し、この変化は円板の結晶方位に対して周期をもって生
ずる変化であり、記録再生の際に補正することは可能で
ある。また、矩形状の単結晶基板に形成した磁気記録媒
体と基板上で単振動運動をする磁気ヘッドとを組み合わ
せれば新しい磁気記録系として用いることができる。磁
気ヘッドの動きと直交する方向に磁気記録媒体を動かせ
ば、矩形状の磁気記録媒体に記録再生することができ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 〔実施例1〕直径1.8インチの石英ガラス基板101
の表面にフォトレジストを用いたパターンエッチング法
で深さ50nm、ピッチ100nmの同心円状のグレー
ティングを形成した。山部103の幅は20nm、谷部
102の幅は80nmとした。この基板を用いて、図1
に示す構造を持つ磁気記録媒体を以下の手順で作製し
た。
【0027】高周波スパッタ法で基板101を高温度に
保って、NaCl構造を持つLiF膜104を100n
mの厚さに形成した。膜の形成後、不活性ガス雰囲気に
保った電気炉中で熱処理した。X線回折法でLiF膜を
調べた結果、LiF膜は、(100)面が基板とほぼ平
行になった配向多結晶膜であり、さらに結晶粒の[00
1]方向はほぼ同心円状に分布していることが分かっ
た。走査型電子顕微鏡でLiF膜の微細構造を調べたと
ころ、粒子径50〜100nmの結晶粒からなってお
り、さらに表面には30〜100nmの起伏が存在する
ことが確認された。
【0028】表面を研磨して平坦化した後、高周波マグ
ネトロンスパッタ法によって、bcc結晶構造を持つ厚
さ50nmのCr膜105、厚さ30nmのhcp結晶
構造を持つCo−Cr−Pt膜106を形成した。磁性
膜用にはCo−18at%Cr−6at%Ptターゲッ
トを用いた。Cr膜形成時の基板温度は400゜C、C
o−Cr−Pt磁性膜形成時の基板温度は180゜Cと
した。スパッタのArガス圧力は10mTorr、スパ
ッタパワーは6W/cm2とした。さらに、保護膜10
7として膜厚10nmのカーボン膜を形成し、磁気記録
媒体を作製した。X線回折で膜構造を調べ、Cr膜は
(100)配向を、Co−Cr−Pt膜は(11−2
0)配向をした多結晶膜であることを確認した。
【0029】上記と同様の条件で、Crの代わりにV,
Nb,Mo,Cr−5at%Ti,Cr−2at%Z
r,Cr−20at%V,Cr−1at%Bを用いた磁
気記録媒体をそれぞれ作製した。その結果、bcc構造
を持つ下地膜、hcp構造をもつ磁性膜ともに上記と類
似の組織が実現されていることをX線回折法によって確
認した。
【0030】比較試料として、グレーティングを形成し
ない石英ガラス基板上に直接Cr膜、Co−Cr−Pt
磁性膜、C保護膜を上記と同様な条件で形成した磁気記
録媒体を作製した。X線回折による分析の結果、Cr膜
は(100)と(110)の2種類が混ざった配向を示
し、磁性膜の磁化容易軸は基板と平行な結晶粒と磁化容
易軸が基板から約30度傾いた結晶粒が混在しており、
磁化容易軸の方向は基板の面内で不規則に分布している
ことが分かった。
【0031】これらの磁気記録媒体の記録再生特性の評
価を、薄膜磁気ヘッドを用いて行なった。磁気ヘッドト
ラック幅は5μm、ギャップ長さは0.2μm、測定時
の磁気ヘッドと磁気記録媒体の距離は0.06μm、相
対速度は10m/sとした。評価項目として、記録密度
特性、S/N比、オフトラック特性を選んだ。記録密度
特性は低周波の再生出力の半分になる出力半減記録密度
(D50)、S/N比は比較試料のS/N比を基準とした
相対値、オフトラック特性はトラックエッジ部の記録に
じみの距離を比較試料と比べた相対値として測定した。
S/N比は値が大きいほど、オフトラック特性は値が小
さいほど高密度磁気記録に適することを示す。
【0032】
【表1】
【0033】本実施例の磁気記録媒体は、記録密度特
性、S/N比及びオフトラック特性がいずれも比較例に
比べて改善されており、高密度磁気記録媒体として望ま
しい特性をもつことが確認された。また、NaCl型結
晶構造を持つ材料としてLiFの代わりにLiCl,N
aCl,KCl,MgO,CaO,TiO,VO,Mn
O,CoO,NiO,TiC,ZrC,HfC,Nb
C,TaCのいずれかの材料からなる(100)配向膜
を用いた実験も行なった。材料が異なるとグラフォエピ
タキシ成長の条件が変化し、材料に適した成膜法あるい
は成膜時の基板温度、成膜後の熱処理などの条件を選択
する必要があったが、いずれの(100)優先配向膜を
用いた場合も、上記と同様に高密度磁気記録媒体として
望ましい特性を持つことがわかった。
【0034】〔実施例2〕実施例1において、bcc結
晶構造からなる材料の膜形成を省いた以外は同様な手順
で、深さ50nm、ピッチ100nmの同心円状のグレ
ーティングを形成した直径1.8インチの石英ガラス基
板301の表面上に、NaCl構造の配向膜302、h
cp構造の配向膜303及び保護膜304を順次形成し
て、図3に示す構造を有する磁気記録媒体を作製した。
【0035】磁性膜としては、Co−18at%Cr,
Co−12at%Ni,Co−18at%Fe,Co−
20at%V,Co−20atMo,Co−16at%
Ta,Co−20at%Re,Co−16at%Pt,
Co−15at%Pdからなる2元合金、Co−18a
t%Cr−2at%Ta,Co−21at%Cr−3a
t%Mo,Co−19at%Cr−1.5at%W,C
o−15at%Cr−7at%Re,Co−14at%
Ni−1at%Zr,Co−16at%Pt−2at%
Ta,Co−18at%Pt−0.8at%Bからなる
3元合金、Co−18at%Cr−2at%Ta−2a
t%B,Co−20at%Cr−1.5at%Ta−
0.3at%Si,Co−19at%Cr−2.5at
%Ta−0.8at%C,Co−22at%Cr−1.
6at%Ta−0.2at%P,Co−21at%Cr
−1at%Ta−0.2at%N,Co−12at%C
r−8at%Pt−0.7at%Bからなる4元合金を
用いた。
【0036】比較試料として、平坦な石英ガラス基板上
に下地膜として50nmのCr膜を形成した上に上記の
磁性膜を形成し、次いでC保護膜を形成した磁気記録媒
体をそれぞれ準備した。NaCl結晶構造をもつ材料と
してNiOの(100)配向膜を用いて得られた磁気記
録媒体の記録再生特性のうち線記録密度(D50:kFC
I)は、以下の通りであった。
【0037】
【表2】
【0038】線記録密度以外のS/N比、オフトラック
特性においても、本実施例に基づく磁気記録媒体は、従
来のCr下地を用いて形成した同じ組成の磁性膜を持つ
比較試料に比べて10%以上の性能改善が確認され、高
密度磁気記録媒体として優れていることが分かった。ま
た、NiO以外のNaCl結晶構造をもつ(100)配
向膜上に磁性膜を形成した場合にも同様の改善効果が認
められた。
【0039】〔実施例3〕直径1.8インチのガラス基
板表面にフォトリソグラフィ法により山部の幅が30n
m、谷部の幅が100nm深さ20nmの溝をスパイラ
ル状に形成した。この基板を用いて、磁気記録媒体を以
下の手順で作製した。高周波スパッタ法で基板上にKC
l膜を50nmの厚さに形成した。膜の形成後、水蒸気
を含むガス雰囲気に保った電気炉中で熱処理した。X線
回折法でKCl膜を調べた結果、KCl膜は、(10
0)面が基板とほぼ平行になった配向多結晶膜であるこ
とが確認された。さらに結晶粒は、ほぼ同心円状に分布
していることが分かった。走査型電子顕微鏡でKCl膜
の微細構造を調べたところ、粒子径30〜100nmの
結晶粒からなっており、さらに表面には20〜50nm
の起伏が存在することが確認された。
【0040】表面を研磨して平坦化した後、高周波マグ
ネトロンスパッタ法によって、bcc結晶構造を持つ厚
さ50nmのCr−2at%Zr膜、厚さ20nmのh
cp結晶構造を持つCo−Cr−Ta膜を形成した。磁
性膜用にはCo−18at%Cr−3at%Taターゲ
ットを用いた。Cr膜形成時の基板温度は300゜C、
Co−Cr−Pt磁性膜形成時の基板温度は150゜C
とした。スパッタのArガス圧力は3〜10mTor
r、スパッタパワーは6〜10W/cm2とした。さら
に、保護膜としてカーボン膜を10nmの厚さに形成
し、磁気記録媒体を作製した。X線回折で膜構造を調
べ、Cr膜は(200)回折線の強度が強く(100)
優先配向膜であることを確認した。Co−Cr−Ta膜
は、(11−20)優先配向をした多結晶膜であること
を確認した。
【0041】上記と同様な方法で、bcc結晶構造を持
つCr−Zr膜を形成しないで、直接KCl膜上にCo
−Cr−Ta磁性膜を形成し、さらにC保護膜を設けた
磁気記録媒体を作製した。比較試料として、平坦なガラ
ス基板上に直接Cr−Zr膜、Co−Cr−Ta膜及び
C膜を形成した磁気記録媒体を作製した。
【0042】実施例1の場合と同様な条件で記録再生特
性を比較した結果、(100)優先配向を示すKCl膜
を設けた本発明による磁気記録媒体は、いずれも比較試
料に較べて線記録密度が25%、S/N比が40%、オ
フトラック特性が32%以上優れていることがわかっ
た。また、KCl膜の代わりに別の材料として、LiC
l,NaCl又はLiFを用いた場合にも同様の望まし
い効果が確認された。
【0043】〔実施例4〕一辺が20mmの矩形状の
(100)MgO単結晶401を基板に用いて、図4に
示す構造を有する磁気記録媒体を以下の手順で作製し
た。高周波マグネトロンスパッタ法によって、bcc結
晶構造を持つ厚さ30nmのV膜402、hcp結晶構
造を持つ厚さ15nmのCo−Cr−Ta−Si膜40
3を形成した。磁性膜用にはCo−19at%Cr−2
at%Ta−2at%Siターゲットを用いた。V膜形
成時の基板温度は450゜C、Co−Cr−Ta−Si
磁性膜形成時の基板温度は150゜Cとした。スパッタ
のArガス圧力は3mTorr、スパッタパワーは10
W/cm2とした。さらに、保護膜404としてボロン
膜を10nmの厚さに形成し、磁気記録媒体を作製し
た。
【0044】X線回折で膜構造を調べ、V膜は(10
0)面を基板と平行にエピタキシャル成長し、Co−C
r−Ta−Si膜は(11−20)面を基板と平行にエ
ピタキシャル成長していることを確認した。透過電子顕
微鏡で磁気記録媒体の組織を調べたところ、磁性膜には
亜粒界が入っており、この亜粒界で隔てられた結晶粒は
0.3〜1度の傾きを持っていた。結晶粒の平均の大き
さは48nmであった。また、結晶粒内部の組成を調べ
たところ、Cr及びSiが亜粒界付近に偏析していた。
この磁気記録媒体の磁化容易軸は2種類あって互いに直
交しており、この方向は(100)MgO基板の〈00
1〉に該当した。
【0045】〔実施例5〕実施例4と同様な方法で、b
cc結晶構造を持つV膜を形成しないで、直接(10
0)MgO基板501上にCo−Cr−Ta−Si磁性
膜502を形成し、さらにC保護膜503を設けた図5
に示す構造を有する磁気記録媒体を作製した。この磁気
記録媒体でも、磁化容易軸は上記と同様に(100)M
gO基板の〈001〉に揃っていた。
【0046】〔実施例6〕図6に示すように、実施例4
や実施例5で作製した矩形状の磁気記録媒体601と、
磁気ヘッドを直線上に多数並べたマルチヘッド602を
組み合わせた磁気記録装置を作製し、磁気記録再生特性
を測定した。図6に示したマルチヘッド602は、磁気
記録媒体601と約0.05μmの間隔を保って高速単
振動運動をしており、磁気記録媒体は、この単振動運動
と直角方向に高速で任意の距離移動できるように構成さ
れている。この装置を用いて測定した磁気記録媒体の線
記録密度特性は、V膜を設けた磁気記録媒体ではD50
75kFCI、設けない磁気記録媒体ではD50=68k
FCIであった。
【0047】〔実施例7〕直径1.8インチの石英ガラ
ス基板表面にフォトリソグラフィ法によって深さ50n
m、谷部の幅400nm、山部の幅100nm、ピッチ
500nmの同心円状のグレーティングを形成した。こ
の基板を用いて、図7に示す構造を有する磁気記録媒体
を以下の手順で作製した。
【0048】高周波スパッタ法で基板701を高温度に
保って、NaCl構造を持つMgO膜702を100n
mの厚さに形成した。膜の形成後、不活性ガス雰囲気に
保った電気炉中で熱処理した。X線回折法でMgO膜を
調べた結果、MgO膜は、(100)面が基板とほぼ平
行になった配向多結晶膜であり、さらに結晶粒の[00
1]方向はほぼ同心円状に分布していることが分かっ
た。走査型電子顕微鏡でMgO膜の微細構造を調べたと
ころ、粒子径100〜300nmの結晶粒からなってい
た。
【0049】表面を研磨して平坦化した後、高周波マグ
ネトロンスパッタ法によって、bcc結晶構造を持つ厚
さ50nmのCr膜703、hcp結晶構造を持つ厚さ
15nmのCo−Cr−Pt膜704を形成した。磁性
膜用にはCo−21at%Cr−6at%Ptターゲッ
トを用いた。Cr膜形成時の基板温度は400゜C、C
o−Cr−Pt磁性膜形成時の基板温度は180゜Cと
した。スパッタのArガス圧力は10mTorr、スパ
ッタパワーは10W/cm2とした。
【0050】この磁気記録媒体上に、磁気ヘッドフォロ
ーイング用の凹状のパターン705をフォトリソグラフ
ィ法によって形成した。すなわち、フォトレジストを用
いたパターンエッチング法で、1.5μm×1.5μm
×0.1μmの窪みを千鳥状に形成した。次いで、保護
膜としてカーボン膜706を10nmの厚さに形成し
た。
【0051】本実施例による磁気記録媒体は、磁気記録
再生特性が改良されているので原理的に面記録密度を向
上できる。これに加えて、媒体上に形成された一連の窪
みを、磁気ヘッドの一部に搭載された半導体レーザ光の
反射率の変化をモニターするか、あるいは窪み直上に磁
気ヘッドが来た時に磁気ヘッドの出力が変化する現象を
利用して高精度トラッキングを行なうことができるの
で、トラック方向の記録密度を大幅に向上でき、線記録
密度とトラック方向の密度の組合せを広範囲に選べ、こ
の結果、より容易に高密度磁気記録を行なうことができ
る。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、記録密度、記録再生時
のS/N比及びオフトラック特性の改善された磁気記録
媒体を提供できるので、磁気ディスク装置の高密度化を
実現でき、装置の小型化や大容量化が容易になる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による磁気記録媒体の断面構
成模式図。
【図2】本発明の磁気記録媒体の基板表面に形成するグ
レーティングの形態を説明する図。
【図3】本発明の実施例2による磁気記録媒体の断面構
成模式図。
【図4】本発明の実施例4による磁気記録媒体の断面
図。
【図5】本発明の実施例5による磁気記録媒体の断面
図。
【図6】本発明の実施例6による磁気記録装置の構成
図。
【図7】本発明の実施例7による磁気記録媒体の断面構
成模式図。
【符号の説明】
101,201,701…基板 102…起伏の谷部 103…起伏の山部 104,302…配向膜(NaCl構造) 105…配向膜(bcc構造) 106,303…配向膜(hcp構造) 107,304,404,706…保護膜 401,501…(100)単結晶基板(NaCl構
造) 402…(100)単結晶膜(bcc構造) 403…(11−20)配向膜(hcp構造) 502…単結晶膜(hcp構造) 601…磁気記録媒体 602…マルチヘッド 702…膜(NaCl構造) 703…膜(bcc構造) 704…膜(hcp構造) 705…凹状のパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 10/30 41/20 (72)発明者 稲葉 信幸 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 松田 好文 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鈴木 幹夫 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 本多 幸雄 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にミクロな起伏を有する基板上にN
    aCl型結晶構造を持つ材料の(100)配向膜からな
    る第1の下地層を設け、その上に体心立方構造をもつ材
    料からなる第2の下地層を形成し、さらにその上に六方
    最密構造を持つCo基合金からなる磁性膜を設けたこと
    を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 体心立方構造を持つ材料からなる第2の
    下地層は(100)配向した非磁性膜であり、磁性膜は
    (11−20)配向したCo基合金膜であることを特徴
    とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 体心立方構造を持つ材料からなる第2の
    下地層は、Cr,V,Nb又はMoもしくはこれらの元
    素を主成分とする合金であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 表面にミクロな起伏を有する基板上にN
    aCl型結晶構造を持つ材料の(100)配向膜からな
    る下地層を設け、その上に六方最密構造を持つCo基合
    金からなる磁性膜を設けたことを特徴とする磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 磁性膜は(11−20)配向したCo基
    合金膜であることを特徴とする請求項4記載の磁気記録
    媒体。
  6. 【請求項6】 前記ミクロな起伏は、高さが2nm以上
    1μm以下、ピッチが1nm以上500nm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の磁
    気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記基板は円板状の外形を有し、前記ミ
    クロな起伏は基板の円周方向に沿って形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の磁気
    記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記基板は円板状の外形を有し、前記ミ
    クロな起伏は基板の半径方向に沿って2種類の模様が互
    いに逆向きに円弧を描くように、かつ綾目状に交叉する
    ように形成されていることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 (100)面を基板面に有するNaCl
    型結晶構造を持つ単結晶基板上に体心立方構造を持つ材
    料からなる下地層を設け、その上に六方最密構造を持つ
    Co基合金からなる磁性膜を設けたことを特徴とする磁
    気記録媒体。
  10. 【請求項10】 体心立方構造を持つ材料は、Cr,
    V,Nb又はMoもしくはこれらの元素を主成分とする
    合金であることを特徴とする請求項9記載の磁気記録媒
    体。
  11. 【請求項11】 (100)面を基板面に有するNaC
    l型結晶構造を持つ単結晶基板上に六方最密構造を持つ
    Co基合金からなる磁性膜を設けたことを特徴とする磁
    気記録媒体。
  12. 【請求項12】 外形が円板状又は矩形状であることを
    特徴とする請求項1〜6、9〜11のいずれか1項記載
    の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 NaCl型結晶構造を持つ材料は、M
    gO,CaO,TiO,VO,MnO,CoO,NiO
    のいずれか又はこれらを主成分とする混晶、あるいはL
    iCl,NaCl,KClのいずれか又はこれらを主成
    分とする混晶、あるいはLiF、あるいはTiC,Zr
    C,HfC,NbC,TaCのいずれか又はこれらを主
    成分とする混晶であることを特徴とする請求項1〜12
    のいずれか1項記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 磁性膜は、Coをベースとして、C
    r,Ni,Fe,V,Ti,Zr,Hf,Mo,W,T
    a,Re,Ru,Rh,Ir,Pt,Pd,Au,A
    g,Cu,B,Al,C,Si,P,Nからなる元素群
    のうち少なくとも1元素を含んだ六方最密構造を持つこ
    とを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載の磁
    気記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記磁性膜の一部に凹状のパターンを
    した非磁性領域又は光反射率の異なる領域を設けたこと
    を特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載の磁気
    記録媒体。
  16. 【請求項16】 ベースとなる基板表面上に高さが2n
    m以上1μm以下、ピッチが1nm以上500nm以下
    のミクロな起伏を形成する工程と、その上に物理蒸着法
    によってNaCl型結晶構造を持つ材料の(100)配
    向膜を膜厚が10nm以上100μm以下となるように
    形成する工程と、その上に物理蒸着法によって体心立方
    構造をもつ材料からなる層を膜厚が1μm以下となるよ
    うに形成する工程と、さらにその上に物理蒸着法によっ
    て六方最密構造を持つCo基合金からなる磁性膜を膜厚
    が2nm以上100nm以下となるように形成する工程
    とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  17. 【請求項17】 ベースとなる基板表面に高さが2nm
    以上1μm以下、ピッチが1nm以上500nm以下の
    ミクロな起伏を形成する工程と、その上に物理蒸着法に
    よってNaCl型結晶構造を持つ材料の(100)配向
    膜を膜厚が10nm以上100μm以下となるように形
    成する工程と、その上に物理蒸着法によって六方最密構
    造を持つCo基合金からなる磁性膜を膜厚が2nm以上
    100nm以下となるように形成する工程とを含むこと
    を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。。
  18. 【請求項18】 前記ミクロな起伏を形成する工程はフ
    ォトリソグラフィ法によって行われることを特徴とする
    請求項16又は17記載の磁気記録媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 (100)面を基板面に有するNaC
    l型結晶構造を持つ単結晶基板上に物理蒸着法によって
    体心立方構造を持つ材料からなる下地層を膜厚が1μm
    以下となるように形成する工程と、その上に物理蒸着法
    によって六方最密構造を持つCo基合金からなる磁性膜
    を膜厚が2nm以上100nm以下となるように形成す
    る工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 (100)面を基板面に有するNaC
    l型結晶構造を持つ単結晶基板上に物理蒸着法によって
    六方最密構造を持つCo基合金からなる磁性膜を膜厚が
    2nm以上100nm以下となるように形成する工程を
    含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  21. 【請求項21】 体心立方構造を持つ材料として、C
    r,V,Nb又はMoもしくはこれらの元素を主成分と
    する合金を用いることを特徴とする請求項16又は19
    記載の磁気記録媒体の製造方法。
  22. 【請求項22】 NaCl型結晶構造を持つ材料とし
    て、MgO,CaO,TiO,VO,MnO,CoO,
    NiOのいずれか又はこれらを主成分とする混晶、ある
    いはLiCl,NaCl,KClのいずれか又はこれら
    を主成分とする混晶、あるいはLiF、あるいはTi
    C,ZrC,HfC,NbC,TaCのいずれか又はこ
    れらを主成分とする混晶を用いることを特徴とする請求
    項16〜21のいずれか1項記載の磁気記録媒体の製造
    方法。
  23. 【請求項23】 磁性膜として、Coをベースとして、
    Cr,Ni,Fe,V,Ti,Zr,Hf,Mo,W,
    Ta,Re,Ru,Rh,Ir,Pt,Pd,Au,A
    g,Cu,B,Al,C,Si,P,Nからなる元素群
    のうち少なくとも1元素を含んだ六方最密構造を持つ材
    料を用いることを特徴とする請求項16〜22のいずれ
    か1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
  24. 【請求項24】 物理蒸着法としてスパッタ法を用いる
    ことを特徴とする請求項16〜24のいずれか1項記載
    の磁気録媒体の製造方法。
  25. 【請求項25】 磁性膜の一部にトラッキング用の凹状
    のパターンを形成する工程を更に含むことを特徴とする
    請求項16〜24のいずれか1項記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
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US08/207,609 US5536585A (en) 1993-03-10 1994-03-09 Magnetic recording medium and fabrication method therefor
US08/632,355 US5599580A (en) 1993-03-10 1996-04-10 Method of fabricating a magnetic recording medium
US08/729,381 US5685958A (en) 1993-03-10 1996-10-17 Method of fabricating a magnetic recording medium

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002004371A1 (fr) * 2000-07-10 2002-01-17 Hitachi, Ltd. Composition de verre, substrat pour support d'enregistrement d'informations, disque magnetique, dispositif d'enregistrement/reproduction d'informations et dispositif a disque magnetique utilisant cette composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002004371A1 (fr) * 2000-07-10 2002-01-17 Hitachi, Ltd. Composition de verre, substrat pour support d'enregistrement d'informations, disque magnetique, dispositif d'enregistrement/reproduction d'informations et dispositif a disque magnetique utilisant cette composition

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