JP2006310180A - エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 可撓性があり、衝撃応力に強く、かつ、水分や酸素に対してより高い遮蔽性を有するパッシベーション膜を形成する。
【解決手段】 エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、パッシベーション膜は、ターゲット材料として炭素を用い、ArガスとOガスとNガスとを含む混合ガスをスパッタガスとして真空チャンバーW内に供給し、スパッタ法により成膜するようにしてあり、そのスパッタ法によるパッシベーション膜の成膜条件を、Arガスの供給流量を5〜100sccm(8.45×10−3〜1.69×10−1Pa・m/s)、Oガスの供給流量を0〜50sccm(0〜8.45×10−2Pa・m/s)、Nガスの供給流量を0〜40sccm(0〜6.76×10−2Pa・m/s)、真空チャンバーW内の真空度を0.01〜10Paとしてある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、基板の一方側に、第1電極、発光層を含む導電性層、第2電極の順に形成し、前記導電性層を保護するパッシベーション膜をアモルファス窒化炭素にて形成してあるエレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関する。
上記のようなエレクトロルミネッセンス素子は、基板の一方側に、第1電極と第2電極とからなる一対の電極とその一対の電極間に有機化合物からなる発光層を含む導電性層を形成し、一対の電極間にバイアス電圧をかけることにより、有機化合物からなる発光層で発光を起こさせるものである。
有機化合物からなる発光層は、空気中の水分や酸素の影響を受けやすく、特性の劣化が著しいので、導電性層を保護するパッシベーション膜として、空気中の水分や酸素に対して高い遮蔽性が求められている。
また、基板として、例えば、ポリマー基板など可撓性のあるものを用い、エレクトロルミネッセンス素子を折り曲げ箇所などに適応することが考えられている。この場合には、パッシベーション膜が、基板から加わる応力によって破損しないよう、可撓性を有しながら、空気中の水分や酸素に対する遮蔽性を有することが求められている。
そこで、従来のエレクトロルミネッセンス素子では、パッシベーション膜をアモルファス窒化炭素にて形成し、そのパッシベーション膜は、アルカン、アルケンまたはアルキンを1種以上含むガスと、窒素又はアンモニアを含むガスとを原材料として気相成長法によって成膜している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−282237号公報
アモルファス窒化炭素にて形成したパッシベーション膜は、可撓性があり、空気中の水分や酸素に対する遮蔽性も有している。
しかしながら、基板として、例えば、ポリマー基板などを用いた場合には、ガラス基板と比較すると、基板自体が空気中の水分や酸素を透過し易い。このため、可撓性があり、かつ、より緻密でガス遮断効果の高いパッシベーション膜が求められている。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、可撓性があり、衝撃応力に強く、かつ、空気中の水分や酸素に対してより高い遮蔽性を有するパッシベーション膜を形成したエレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法を提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明にかかるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法の特徴構成は、基板の一方側に、第1電極、発光層を含む導電性層、第2電極の順に形成し、前記導電性層を保護するパッシベーション膜をアモルファス窒化炭素にて形成してあるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記パッシベーション膜は、ターゲット材料として炭素を用い、ArガスとOガスとNガスとを含む混合ガスをスパッタガスとして真空チャンバー内に供給し、スパッタ法により成膜するようにしてあり、そのスパッタ法による前記パッシベーション膜の成膜条件を、Arガスの供給流量を5〜100sccm(8.45×10−3〜1.69×10−1Pa・m/s)、Oガスの供給流量を0〜50sccm(0〜8.45×10−2Pa・m/s)、Nガスの供給流量を0〜40sccm(0〜6.76×10−2Pa・m/s)、前記真空チャンバー内の真空度を0.01〜10Paとした点にある。
前記パッシベーション膜をアモルファス窒化炭素にて形成することにより、可撓性があり、衝撃応力に強く、空気中の水分や酸素に対する遮蔽性も有することができる。そして、パッシベーション膜をアモルファス窒化炭素にて形成するに当り、上記の成膜条件にてスパッタ法により、アモルファス窒化炭素からなるパッシベーション膜を形成することで、より緻密でガス遮断効果の高いパッシベーション膜を形成できる。
したがって、可撓性があり、衝撃応力に強く、かつ、空気中の水分や酸素に対してより高い遮蔽性を有するパッシベーション膜を形成したエレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供できるに至った。
本発明にかかるエレクトロルミネッセンス素子の第2特徴構成は、前記パッシベーション膜が、前記導電性層を中央にして、前記第1電極よりも外側に形成してある第1パッシベーション膜と前記第2電極よりも外側に形成してある第2パッシベーション膜とからなる。
すなわち、第1パッシベーション膜と第2パッシベーション膜とが、導電性層を挟み込むので、空気中の水分や酸素に対してより高い遮蔽性を有することができる。しかも、基板に加わる応力を第1パッシベーション膜と第2パッシベーション膜とで分散する状態で受けることができ、基板に加わる応力に対する損傷を防止し易い。
本発明にかかるエレクトロルミネッセンス素子の第3特徴構成は、前記パッシベーション膜として、前記導電性層の側周囲を覆う第3パッシベーション膜を形成した点にある。
すなわち、第3パッシベーション膜にて導電性層の側周囲からの空気中の水分や酸素の侵入を阻止することができ、空気中の水分や酸素に対してより高い遮蔽性を有することができる。
本発明にかかるエレクトロルミネッセンス素子の第4特徴構成は、前記パッシベーション膜として、前記第1電極と前記導電性層との間、または、前記導電性層と前記第2電極との間の少なくとも一方に第4パッシベーション膜を形成した点にある。
すなわち、第4パッシベーション膜が、導電性層に対する空気中の水分や酸素の侵入を導電性層の間際で阻止することができ、空気中の水分や酸素に対してより高い遮蔽性を有することができる。
しかも、第4パッシベーション膜にて導電性層自体に可撓性を持たせることができ、折り曲げ箇所などに適応し易いエレクトロルミネッセンス素子を形成できる。
そして、第1電極と導電性層との間に第4パッシベーション膜を形成すると、この第4パッシベーション膜上に第1電極を形成することになる。また、導電性層と第2電極との間に第4パッシベーション膜を形成すると、この第4パッシベーション膜上に第2電極を形成することになる。したがって、第1電極や第2電極を形成する際の導電性層のダメージを防ぐことができる。
本発明にかかるエレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法について図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、この第1実施形態におけるエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子と略称する)1は、第1基板2の上方側(一方側)に、第1電極4、発光層5を含む導電性層6、第2電極7の順に積層して形成するとともに、第1基板2の下方側(他方側)に第1パッシベーション膜3を形成してある。
前記第1電極4上には、導電性層6の側周囲を覆うように封止物質(例えば、可撓性を有するエポキシ樹脂や紫外線硬化樹脂)8を塗布し、その封止物質8の外側を囲む封止体9を設けている。
そして、第2基板10上に第2パッシベーション膜11が形成され、この第2基板10が、第2パッシベーション膜11を封止物質8に接触させる状態で、封止物質8および封止体9の上部を閉塞し、導電性層6を外部と遮断してある。
このようにして、導電性層6を中央にして、第1電極の外側に第1パッシベーション膜3を形成するとともに、第2電極7の外側にも第2パッシベーション膜11を形成して、第1パッシベーション膜3と第2パッシベーション膜11とで導電性層6を挟み込むようにしている。
前記第1基板2および第2基板10は、例えば、ポリマー基板などの可撓性のある基板を用い、第1基板2上の第1パッシベーション膜3と第2基板10上の第2パッシベーション膜11とをアモルファス窒化炭素にて形成する。
前記第1基板2および第2基板10は、その厚みを例えば10μm〜200μmに形成してあり、第1パッシベーション膜3および第2パッシベーション膜11は、その厚みを例えば20nm〜50nmに形成してある。
前記第1電極4は、酸化インジウムと酸化スズの合金にて透明陽極として形成し、第2電極7は、マグネシウム、セシウム、リチウムなどの金属とアルミニウム、銀などとの合金にて陰極として形成している。
前記第1電極4は、その厚みを例えば150nmに形成してあり、第2電極7は、その厚みを例えば150nmに形成してある。そして、第1電極4と第2電極7との間にバイアス電圧をかけて、発光層5を発光させる。
前記導電性層6は、第1電極4上に、正孔注入層6a、正孔輸送層6b、発光層5の順に積層した3層構造にて形成してある。
前記正孔注入層6aは、例えば、PEDT(ポリエチレンジオキシチオフェン)−PSS(ポリスチレンサルフォネート)誘導体にて形成してあり、その厚みを例えば40nmに形成してある。
前記正孔輸送層6bは、4,4’−bis〔N−(1−naphthyl)−N−phenyl−amino〕−biphenyl(α−NPD)、または、N,N’−diphenyl−N,N’−bis(3−methylphenyl)−1,1’−biphenyl−4,4’−diamine(TPD)にて形成してあり、その厚みを例えば50nmに形成してある。
前記発光層5は、キノリノール錯体である8−hydroxquinoline aluminum(Alq)にて形成してあり、その厚みを例えば10〜200nmに形成してある。
このEL素子1の製造方法について説明する。
まず、ターゲット材料として炭素を用い、ArガスとOガスとNガスとを含む混合ガスをスパッタガスとして真空チャンバー内に供給し、スパッタ室と成膜室とが分離された対向ターゲットスパッタ法により第1基板2上に第1パッシベーション膜3を成膜するようにしてある。
この対向ターゲットスパッタ法では、図2に示すように、スパッタ室としての真空チャンバーW内に、一対のターゲット12が向かい合せになるように平行に配置し、そのターゲット12にArガスとOガスとNガスとを含むスパッタガスを高速で衝突させる。すると、ターゲット12を構成する炭素とNガスと反応させる状態でアモルファス窒化炭素を叩き出し、この叩き出したアモルファス窒化炭素を成膜室の基体13として設けられる第1基板2上に付着させる。このようにして第1パッシベーション膜3を成膜している。
そして、一対のターゲット12の夫々には、一対のターゲット12間にターゲット面に垂直な磁力線Pを発生させるべく、磁石14が設けられ、電子は磁力線Pに巻きつくようにして一対のターゲット12間を往復運動し、電子をターゲット12の近傍に閉じ込めて基体13に与えるダメージを小さくしている。
また、平板マグネトロンスパッタ法ではターゲットと試料とが同じ試料室にあり、試料に成膜する際に試料表面に大きなダメージが与えられ、EL素子1の特性を劣化させる要因となっていた。そこで、上述の如く、スパッタ室と成膜室とが分離された対向ターゲットスパッタ法により第1パッシベーション膜3を成膜し、成膜面へのダメージを少なくできる。
しかも、成膜条件を厳密に制御することにより試料表面へのダメージが少なく、また高い成膜速度で良質の薄膜が成膜できる成膜条件を見出すことができる。そこで、この見出した成膜条件を適用して第1パッシベーション膜3を成膜する。
第1パッシベーション膜3の成膜条件を、Arガスの供給流量を5〜100sccm(8.45×10−3〜1.69×10−1Pa・m/s)、Oガスの供給流量を0〜50sccm(0〜8.45×10−2Pa・m/s)、Nガスの供給流量を0〜40sccm(0〜6.76×10−2Pa・m/s)、真空チャンバーW内の真空度を0.01〜10Paとしてある。一対のターゲット12間に、840Vの電圧をかける。
次に、ターゲット材料を酸化インジウムと酸化スズの合金を用い、Arガスなどをスパッタガスとして真空チャンバー内に供給し、スパッタ法により第1基板2のうち、第1パッシベーション膜3が形成された側とは反対側に第1電極4を形成する。
次に、分子線蒸着法により、第1電極4上に正孔注入層6a、正孔輸送層6b、発光層5の順に形成し、真空蒸着法により、発光層5上に第2電極7を形成する。
その後、導電性層6の周囲を覆うようにして封止物質8を第1電極4上に塗布し、その封止物質8の外側に封止体9を設ける。
また、第1基板2上に第1パッシベーション膜3を成膜するのと同様に、スパッタ法により第2基板10上にも第2パッシベーション膜11を成膜しておき、この第2パッシベーション膜11が形成された第2基板10を、第2パッシベーション膜11を封止物質8に接触させる状態で、封止物質8および封止体9の上部に設けて、EL素子1を製造する。
上記第1実施形態におけるEL素子1について評価する。
第1パッシベーション膜3および第2パッシベーション膜11の成膜条件を、Arガスの供給流量を45sccm(7.605×10−1Pa・m/s)、Oガスの供給流量を6sccm(1.014×10−1Pa・m/s)、Nガスの供給流量を3sccm(5.07×10−2Pa・m/s)、真空チャンバー内の真空度を約2×10−1Paとする。
そして、第1パッシベーション膜3および第2パッシベーション膜11の膜厚を約40nmとしたときの耐久性を図3に示す。
図3に示すものでは、動作力が2.5Nで、直径1.3mmの金属棒にてEL素子1に応力を印加したときの耐久性を示している。図3から、半減寿命は打点回数十万回以上であり、第1基板2から加わる応力によって第1パッシベーション膜3が破損しないように十分な耐久性を有する。
また、第1パッシベーション膜3および第2パッシベーション膜11を設けないEL素子では、二時間程度でEL素子の輝度が半減する。それに対して、上述の成膜条件にて第1パッシベーション膜3および第2パッシベーション膜11を成膜したEL素子では、1.3mmΦ、40Nの応力を加えた一万回の打鍵試験を行っても、EL素子の輝度が半減する程度であり、十万回の打鍵試験を行っても、EL素子は破壊しなかった。
第1パッシベーション膜3および第2パッシベーション膜11の膜厚を約40nmとし、Oガスの供給流量を変化させたときのEL素子の光の透過率を図4に示す。
この図4から、Oガスの供給流量を6〜8sccm(1.014×10−1〜1.351×10−1Pa・m/s)とすると、可視域(およそ400nm〜800nm)では、60%以上の透過率を確保できる。
第1パッシベーション膜3および第2パッシベーション膜11を成膜するに当り、透過率の向上に加え、柔軟性を向上するために、Oガスの供給が必要である。ただし、8sccm(1.351×10−1Pa・m/s)では透過率が最も良い結果を示すものの成膜速度が半分に減少する。2sccm(3.38×10−2Pa・m/s)では第1パッシベーション膜3および第2パッシベーション膜11の柔軟性が損なわれる虞がある。したがって、第1パッシベーション膜3および第2パッシベーション膜11の膜厚を約40nmとすると、Oガスの供給流量は6sccm(1.014×10−1Pa・m/s)のときが最適である。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態のEL素子1Aは、図5に示すように、上記第1実施形態のEL素子1において導電性層6の側周囲を覆うように封止物質8を塗布する代わりに、パッシベーション膜として、導電性層6の側周囲を覆う第3パッシベーション膜15を形成してある。
そして、この第3パッシベーション膜15も、上記第1実施形態で述べた如く、第1基板2上に第1パッシベーション膜3を成膜するのと同様に、スパッタ法により形成してある。
また、第3パッシベーション膜13は、導電性層6の側周囲だけでなく、その上方側をも覆うように形成され、封止体9が、その第3パッシベーション膜13の全体を覆うように設けてある。
〔第3実施形態〕
この第3実施形態のEL素子1Bは、図6に示すように、パッシベーション膜として、導電性層6と第2電極7との間に第4パッシベーション膜16を形成してある。
そして、この第4パッシベーション膜16も、上記第1実施形態で述べた如く、第1基板2上に第1パッシベーション膜3を成膜するのと同様に、スパッタ法により形成してある。
図7および図8に基づいて、第4パッシベーション膜16について考察する。
最初に、第4パッシベーション膜16を設けていないEL素子と第4パッシベーション膜16を設けたEL素子1Bとを比較する。
まず、第4パッシベーション膜16を設けていないEL素子と第4パッシベーション膜16を設けたEL素子1Bとに対して、設定時間(例えば、約24時間)の耐久試験を行う。その後、第4パッシベーション膜16を設けていないEL素子と第4パッシベーション膜16を設けたEL素子1Bとに対して、第1電極4と第2電極7との間にかけるバイアス電圧を変化させて比較する。
図7は、耐久試験を行ったのち、第1電極4と第2電極7との間にかけるバイアス電圧を変化させたときの電流密度およびEL強度の変化を示したものである。縦軸を電流密度(A/cm)およびEL強度(cd/m)とし、横軸を電圧(V)としている。
そして、図7中、黒塗り丸、黒塗り三角が第4パッシベーション膜16を設けていない場合を示し、白抜き丸、白抜き三角が厚みが5nmの第4パッシベーション膜16を設けた場合を示している。また、黒塗り丸、白抜き丸が電流密度(A/cm)を示しており、黒塗り三角、白抜き三角がEL強度(cd/m)を示している。
この図7から、第4パッシベーション膜16を設けていないEL素子よりも、厚みが5nmの第4パッシベーション膜16を設けたEL素子1Bの方が、電流密度およびEL強度ともに高いことが分かる。したがって、第4パッシベーション膜16を設けたEL素子1Bの方が、耐久性の面で良好である。
次に、第4パッシベーション膜16を設ける場合、その膜厚について考察する。
第4パッシベーション膜16の膜厚を変化させたときに透過率がどのように変化するかの点から考察する。
図8は、第4パッシベーション膜16の膜厚を、5nm〜20nmまで5nmずつ変化させたときの波長と透過率との関係を示したものである。縦軸を光の透過率(%)とし、横軸を波長(nm)としている。
図8から、第4パッシベーション膜16の膜厚が薄いほど、透過率は高い値であり、第4パッシベーション膜16の膜厚が厚くなるほど、透過率は減少する。そして、第4パッシベーション膜16の膜厚を20nmとしたときにも、可視域(およそ400nm〜800nm)で、60%程度の透過率は確保できる。
したがって、第4パッシベーション膜16の膜厚は、最大20nmとするのが好適である。
〔別実施形態〕
(1)上記第1〜3実施形態において、第1基板2の下方側に第1パッシベーション膜3を形成しているが、第1基板2の上方側に第1パッシベーション膜1を形成し、その第1パッシベーション膜上に第1電極4を形成するように実施することが可能である。
また、第1基板2の下方側および上方側の両側に、第1パッシベーション膜を形成することも可能である。
(2)上記第3実施形態では、導電性層6と第2電極7との間に第4パッシベーション膜16を形成してあるが、導電性層6と第1電極4との間に第4パッシベーション膜を形成することも可能である。
また、導電性層6と第2電極7との間、および、導電性層6と第1電極4との間の両方に第4パッシベーション膜を形成することも可能である。
(3)上記第1〜3実施形態において、第1パッシベーション膜3上に、熱硬化樹脂(数μm)、紫外硬化樹脂(数μm)の順に積層するように形成して実施してもよい。
(4)上記第1〜3実施形態では、導電性層6が発光層5を含む3層構造としているが、導電性層6を何層構造にするかは適宜変更が可能である。
本発明は、基板の一方側に、第1電極、発光層を含む導電性層、第2電極の順に形成し、導電性層を保護するパッシベーション膜をアモルファス窒化炭素にて形成してあるエレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に適応可能である。
第1実施形態におけるEL素子の断面図 スパッタ法を説明する概略図 EL強度と打点回数との関係を示すグラフ ガスの供給流量を変化させたときの透過率の変化を示すグラフ 第2実施形態におけるEL素子の断面図 第3実施形態におけるEL素子の断面図 第3実施形態においてバイアス電圧を変化させたときの電流密度およびEL強度の変化を示すグラフ 第3実施形態において第4パッシベーション膜の膜厚を変化させたときの透過率の変化を示すグラフ
符号の説明
2 基板(第1基板)
3 第1パッシベーション膜
4 第1電極
5 発光層
6 導電性層
7 第2電極
11 第2パッシベーション膜
15 第3パッシベーション膜
16 第4パッシベーション膜

Claims (4)

  1. 基板の一方側に、第1電極、発光層を含む導電性層、第2電極の順に形成し、前記導電性層を保護するパッシベーション膜をアモルファス窒化炭素にて形成してあるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記パッシベーション膜は、ターゲット材料として炭素を用い、ArガスとOガスとNガスとを含む混合ガスをスパッタガスとして真空チャンバー内に供給し、スパッタ法により成膜するようにしてあり、
    そのスパッタ法による前記パッシベーション膜の成膜条件を、Arガスの供給流量を5〜100sccm(8.45×10−3〜1.69×10−1Pa・m/s)、Oガスの供給流量を0〜50sccm(0〜8.45×10−2Pa・m/s)、Nガスの供給流量を0〜40sccm(0〜6.76×10−2Pa・m/s)、前記真空チャンバー内の真空度を0.01〜10Paとしてあるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記パッシベーション膜が、前記導電性層を中央にして、前記第1電極よりも外側に形成してある第1パッシベーション膜と前記第2電極よりも外側に形成してある第2パッシベーション膜とからなる請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記パッシベーション膜として、前記導電性層の側周囲を覆う第3パッシベーション膜を形成してある請求項2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記パッシベーション膜として、前記第1電極と前記導電性層との間、または、前記導電性層と前記第2電極との間の少なくとも一方に第4パッシベーション膜を形成してある請求項3に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
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