JP2004335206A - 有機el素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高品質な有機EL素子の実現に向けて、透明陰極の電子注入性を改善または保持しながら、透明陰極作製時のダメージを緩和し、かつ酸素または水分による有機EL層の劣化を防止することが可能な保護膜を有する有機EL素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】基板上に、陽極と、少なくとも有機発光層を含む有機EL層と、透明陰極とを順次有し、透明陰極側から光を取り出す有機EL素子であって、有機EL層と透明陰極との間に保護膜として炭素を主成分とする薄膜を設ける。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーテレビ、パソコン、パチンコ台などに使用される各種表示装置の発光源として用いられる有機EL素子およびその製造方法に関する。より詳細には、有機EL層と透明陰極との間に保護膜を有するトップエミッション方式の有機EL素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置に適用される発光素子の一例として、有機化合物の薄膜積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と称する)が知られている。有機EL素子は、薄膜の自発光型素子であり、低駆動電圧、高解像度、高視野角といった優れた特徴を有することから、それらの実用化に向けて様々な検討がなされている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
有機EL素子としては、基板側から光を取り出す、所謂「ボトムエミッション」型の素子が広く知られている。一般的なボトムエミッション型有機EL素子の模式的構造を図1に示す。図1中、参照符号10は基板、20は下部電極(透明陽極)、30は有機EL層、31は正孔注入層、32は正孔輸送層、33は有機発光層、34は電子輸送層、35は電子注入層、40aは反射率の高い金属からなる上部電極(金属陰極)を示す。
【0004】
近年、有機EL素子を発光源として用いる有機ELディスプレイの分野では、アクティブマトリックス駆動方式のディスプレイの開発が盛んに行われている。上述のように構成されるボトムエミッション型有機EL素子をアクティブマトリックス駆動方式の有機ELディスプレイにおいて適用する場合、スイッチング素子として基板上に設けられる薄膜トランジスタ(TFT)の数の増加に伴って基板に占めるTFTの面積が増大し、光の取り出し面積が減少してしまう。
【0005】
したがって、そのような状況下では、有機ELディスプレイに適用される素子は、光を基板側から取り出すボトムエミッション型の素子(図1を参照)よりも、光を基板の反対側(上部電極側)から取り出す、所謂「トップエミッション」型の素子の方が構造的に有利である(特許文献1を参照)。
【0006】
一般的なトップエミッション型の素子の模式的構造を図2に示す。図2中、参照符号10は基板、10aは反射率の高い金属からなる反射膜、20は下部電極(透明陽極)、30は有機EL層、31は正孔注入層、32は正孔輸送層、33は有機発光層、34は電子輸送層、35は電子注入層、40bは透明材料からなる上部電極(透明陰極)を示す。
【0007】
トップエミッション型有機EL素子において、陰極は導電性および透過性を有し、かつ仕事関数の小さい材料から形成されることが望ましい。透明陰極材料としては、一般に、ITO(インジウム−スズ酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)などの酸化物が使用されるが、これらの仕事関数は大きく、Alなどの金属を材料として用いた場合と比較すると電子注入効率が低下してしまう。そこで、陰極に隣接させて、仕事関数の小さい材料からなる電子注入層および電子輸送層を設けることによって電子注入効率を改善する多くの試みがなされている。
【0008】
例えば、有機EL素子において電子輸送層(例えば、アルミキレート(Alq))上に、仕事関数が小さいアルカリ金属、アルカリ土類金属、または希土類金属といった材料からなる電子注入層を設けることが報告されている(特許文献2を参照)。また、電子輸送層(Alq)と透明陰極との間に、バッファ層(ポルフィリン系化合物)およびCs、Li、Mg、Caなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む電子注入ドーパント層を設けることが報告されている(特許文献3を参照)。しかし、上述の電子注入層および電子注入性ドーパント層は、いずれも仕事関数の小さい材料から構成される。そのため、電子注入層または電子注入性ドーパント層の上に、酸化物からなる透明陰極が形成されると、それらの界面において原子の拡散が生じ、界面抵抗が上昇し、その結果、発光効率の低下を招くことがある。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−176660号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2001−52878号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2000−58265号公報
【0012】
【非特許文献1】
C.W.Tang,S.A.VanSlyke,Appl.Phys.Lett.,51,913(1987)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、電子注入効率の改善に向けて様々な検討がなされているが、より高品質なトップエミッション型有機EL素子の実現に向けて、さらなる改善が望まれている。電子注入効率を向上させるために設けられる電子注入層および電子輸送層は、通常、仕事関数が小さい材料から構成される。そのため、それらの層は、酸素および水分によって劣化されやすく、また透明陰極作製時のダメージによって損傷しやすいという解決すべき課題がある。
【0014】
特に、トップエミッション型有機EL素子においては、電子注入層と透明陰極とが隣接するため、電極材料として使用される酸化物、あるいは空気中または透明陰極作製時の系中に存在する酸素または水分の影響は無視できない。電子注入層がダメージを受けるとショートまたはリークを起こし、有機EL素子の性能が低下することになる。また、電子注入層および電子輸送層が酸素および水分に触れ、表面が酸化されると電気抵抗値が上昇し発光効率が低下することになる。すなわち、透明陰極作製時のダメージによる有機EL層(特に、最上層となる電子注入層)の損傷、ならびに酸素および水分による劣化を防止することで、有機EL素子の耐久性および信頼性を向上させることが望まれている。
【0015】
したがって、本発明では、より高品質な有機EL素子の実現に向けて、透明陰極の電子注入性を改善または保持しながら、透明陰極作製時のダメージを緩和し、かつ酸素または水分による有機EL層の劣化を防止することが可能な保護膜を有する有機EL素子およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、透明陰極と有機EL層との間に所望の効果を奏する保護膜を設けることにより解決される。保護膜は、透明陰極および有機EL層(特に、電子注入層)に適合するような仕事関数を持ち、適度な透過性を示し、スパッタ法などの高エネルギー成膜法によるダメージに対して耐性を示し、さらに透明陰極および電子注入層に対して化学的に不活性である材料から構成される必要がある。したがって、本発明者らは、透明陰極と有機EL層との間に設けられる保護膜について鋭意検討を行った結果、炭素を主成分とする薄膜を保護膜として採用することによって、上述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明にもとづく有機EL素子は、基板上に、陽極と、少なくとも有機発光層を含む有機EL層と、保護膜と、透明陰極とを順次有し、上記透明陰極側から光を取り出すものであり、上記保護膜が、炭素を主成分とする薄膜であることを特徴とする。
【0018】
ここで、上記保護膜が、4.0eV未満の仕事関数を有し、かつ50%以上の透過率を有することが好ましい。また、上記保護膜が、ダイヤモンドライクカーボン膜またはアモルファスカーボン膜であることが好ましい。さらに、上記有機EL層が、電子注入層を含むことが好ましい。
【0019】
本発明にもとづく有機EL素子の製造方法は、基板上に、陽極と、少なくとも有機発光層を有する有機EL層と、保護膜と、透明陰極とを順次有し、上記透明陰極側から光を取り出す有機EL素子に向けたものであり、(a)基板上に、陽極および少なくとも有機発光層を含む有機EL層を順次形成する工程と、(b)上記有機EL層の上に炭素を主成分とする薄膜からなる保護膜を形成する工程と、(c)上記保護層の上に透明陰極を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0020】
ここで、上記保護膜が、4.0eV未満の仕事関数を有し、かつ50%以上の透過率を有することが好ましい。また、上記保護膜が、ダイヤモンドライクカーボン膜またはアモルファスカーボン膜であることが好ましい。
【0021】
また、上記製造方法において、上記保護膜の形成が、炭化水素系ガスを主成分とする混合ガスを用いた化学蒸着法によって実施されることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0023】
本発明にもとづく第1の態様は、トップエミッション型有機EL素子に関する。本発明の有機EL素子は、基板上に、陽極と、少なくとも有機発光層を含む有機EL層と、保護膜と、透明陰極とを順次有し、上記透明陰極側から光を取り出すものであり、上記保護膜が、炭素を主成分とする薄膜であることを特徴とする。なお、有機EL素子の構成としては、有機EL層として必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層を追加してもよい。電子注入効率の改善の観点からは、少なくとも電子注入層を設けることが好ましい。
【0024】
図3は、本発明の有機EL素子の一例を示す模式的断面図である。図2に示すように、本発明の有機EL素子は、基板10と、反射膜10aと、下部電極(陽極)20と、有機EL層30と、保護膜50と、上部透明電極(陰極)40bとを有し、有機EL層30は、陽極20上に隣接する正孔注入層31と、正孔輸送層32と、有機発光層33と、電子輸送層34と、電子注入層35とから構成される。
【0025】
上述のように、本発明の有機EL素子は、有機EL層と透明陰極との間に保護膜として炭素を主成分とする薄膜が存在することによって、透明陰極作製時の有機EL層へのダメージを緩和することが可能である。また、有機EL層に電子注入層を設けた場合は、電子注入層と透明陰極とが保護膜によって分離されることになるため、それらが界面を形成し、電子注入層の表面が酸化され劣化することを防止することが可能である。
【0026】
なお、保護膜は、素子の電子注入効率および透過性に影響を与えないように、適切な仕事関数および透過率を有することが望ましい。具体的には、保護膜は4.0eV未満の仕事関数を有することが好ましく、1〜3eVの範囲の仕事関数を有することがより好ましい。また、保護膜は50%以上の透過率を有することが好ましく、70%以上の透過率を有することがより好ましい。保護膜として適用される薄膜の成膜条件および薄膜材料を適宜選択することによって、所望の物性を有する薄膜を得ることが可能である。
【0027】
例えば、炭素を主成分とする薄膜を化学蒸着法によって成膜する場合、それらの仕事関数は、原料ガスとして使用する炭化水素系ガスの配合割合を適切に設定することによって調整することが可能である。また、保護膜の透過率は、薄膜の膜厚によって調整することも可能である。特に限定されるものではないが、膜厚を50nm以下に設定することによって所望の透過率を得ることが可能であると考えられる。
【0028】
保護膜の具体例としては、ダイヤモンドライクカーボン膜およびアモルファスカーボン膜が挙げられる。特に限定されるものではないが、ダイヤモンドライクカーボン膜が好ましく使用される。
【0029】
ここで、「ダイヤモンドライクカーボン膜」とは、炭素のSP結合成分およびSP結合成分ならびにポリマー成分を含有する非晶質炭素薄膜を意味する。ダイヤモンドライクカーボン膜は、高い硬度を有し、化学的に不活性であり、可視光から赤外線に対して透明であり、高い平滑性を有し、緻密な構造を有する。そのため、外部からの水分、酸素の侵入を効果的に防止することが可能となる。特に、透明陰極が透明導電性酸化物からなる透明導電膜である場合、電子注入層は酸素による影響を受けやすいが、保護膜となる炭素を主成分とする薄膜が化学的に不活性であるため電子注入層を効果的に保護することができる。
【0030】
なお、保護膜として用いられる「炭素を主成分とする薄膜」とは、本質的に炭素のみからなる薄膜であっても、炭素以外の金属元素を含む薄膜であってもよい。
【0031】
炭素と組み合わせて使用することが可能な金属元素としては、特に限定されるものではなく、薄膜の仕事関数、透過率、成膜の容易性といった諸条件を考慮して適宜選択することが可能である。例えば、炭素と、Li、Na、Kなどのアルカリ金属、またはMg、Ca、Srなどのアルカリ土類金属とを含む薄膜を保護膜とすることによって、キャリアードープ効果および電気伝導度をさらに向上させることも可能である。
【0032】
以下、有機EL素子の保護膜以外の構成エレメントについて詳細に説明する。
【0033】
本発明の有機EL素子は、上部電極側から光を取り出すトップエミッション型素子に向けたものである。したがって、上部電極をIZOまたはITOなどの透明導電性材料からなる膜とする必要がある。上部電極は、透明導電性材料からなり、可視光の領域である380〜780nmの波長において80%以上の透過率を有することが望ましい。上部電極の材料としては、例えば透明導電性酸化物であるITOまたはIZOが好ましい。
【0034】
下部電極の材料は、特に限定されるものではなく、Cr、Ag、Cu、またはAuなどの金属またはそれら金属を含む合金、あるいはITOまたはIZOなどの透明導電性材料であってよい。有機EL素子では、有機発光層から生じる光は、素子の外部に直接向かう直接光と、素子の反射面(裏面)で一度反射されてから外部に向かう反射光とに分けられる。したがって、素子の発光効率を向上させるためには、反射光を効率良く使用する必要があり、下部電極材料として透明導電性材料を使用する場合には何らかの反射手段を設けることが好ましい。
【0035】
反射手段としては、特に限定されるものではなく、有機EL層からの光を上部透明電極側に効率良く反射させることが可能であればよい。例えば、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板の表面または裏面(背面)に設けられる、光を反射する金属または合金からなる反射膜が挙げられる。また、下部電極の形状に合わせてパターン化された反射膜を透明基板上に設けてもよい。反射膜は、特に限定されるものではないが、Al,Ag,Cr,Ni,Mo,Wなどの金属、またはそれら金属を含む合金から形成することが可能である。また、反射膜は、透明基板上に設けられ、かつ有機EL層の下地層にもなるため平坦性に優れたアモルファス膜とすることが好ましい。アモルファス膜を形成するのに好適な金属および合金としては、CrB、CrP、またはNiPなどが挙げられる。さらに、透明基板の代りに絶縁層を介して、光を反射する金属または合金からなる基板を用いることにより、基板と反射膜とを兼ねてもよい。
【0036】
上述の反射手段および下部電極が設けられる基板は、例えば、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であっても、光を反射する金属または合金であってもよい。なお、ディスプレイなどの応用に向けて複数の発光部を有する有機EL素子を形成する場合、下部電極の形状および基板に設けられる駆動回路は特に限定されるものではなく、アクティブマトリクス駆動方式またはパッシブマトリクス駆動方式のどちらを選択してもよい。
【0037】
下部電極上に設けられる有機EL層は、陽極および陰極に電圧が印加されることによって生じる正孔および電子が再結合することで発光する有機発光層を少なくとも含み、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および/または電子注入層を介在させた構造を有する。より具体的には、例えば、以下に示すような構造が挙げられる。
(1)有機発光層
(2)正孔注入層/有機発光層
(3)有機発光層/電子輸送層
(4)正孔注入層/有機発光層/電子輸送層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
【0038】
なお、上述の(1)〜(6)の構造を有する有機EL層において、有機発光層または正孔注入層に下部電極(陽極)が接続され、有機発光層、電子輸送層または電子注入層に保護膜を介して上部透明電極(陰極)が接続される。なお、本願発明の有機EL素子では、電子注入効率の改善の点から、電子輸送層および電子注入層を設けることが好ましい。電子輸送層および電子注入層の材料を適宜選択することによって電子注入効率のさらなる改善が実現可能となる。
【0039】
有機EL層における各層の材料としては、特に限定されるものではなく公知のものを使用することが可能である。有機発光層の材料は、所望する色調に応じて選択することが可能であり、例えば青色から青緑色の発光を得るためには、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、べンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などを使用することが可能である。また、電子注入層の材料としては、Li、Na、K、またはCsなどのアルカリ金属、Ba、Srなどのアルカリ土類金属、希土類金属、あるいはそれらのフッ化物等を使用することが可能であるが、これらに限定するものではない。さらに、電子輸送層の材料としては、アルミキレート(Alq)、ベンズアズールを使用することが可能であるが、これらに限定するものではない。なお、電子注入層および電子輸送層の透過率は40%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、このような透過率を達成するための材料を適宜選択することができる。電子注入層および電子輸送層の形成には、通常は真空蒸着法が用いられるが、塗布法を用いることもできる。電子注入層および電子輸送層の膜厚については駆動電圧および透明性等を考慮して適宜選択することができるが、通常は、電子注入層は10nm以下であり、電子輸入層は40nm以下である。しかし、これらに限定するものではない。
【0040】
以上、本発明の第1の態様である有機EL素子について説明したが、本発明の有機EL素子を用いて、例えば、情報機器用ディスプレイなどの表示装置を構成することが可能である。特に、本発明の有機EL素子はトップエミッション型であるため、大画面化が要求される表示装置を構成する素子として有効である。
【0041】
本発明にもとづく第2の態様は、トップエミッション型有機EL素子に向けた製造方法に関する。本発明の製造方法は、基板上に、陽極と、少なくとも有機発光層を有する有機EL層と、保護膜と、透明陰極とを順次有し、上記透明陰極側から光を取り出す有機EL素子の製造に向けた方法であり、(a)基板上に、陽極および少なくとも有機発光層を含む有機EL層を順次形成する工程と、(b)上記有機EL層の上に炭素を主成分とする薄膜からなる保護膜を形成する工程と、(c)上記保護層の上に透明陰極を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0042】
本発明の製造方法において、陽極および有機EL層については、当該技術分野において知られている慣用の方法を適用することで容易に形成することが可能である。例えば、陽極の形成には、蒸着法およびスパッタ法といった種々の成膜方法を適用することが可能であり、陽極材料に応じて成膜方法を選択することが好ましい。また、有機EL層についても、蒸着法などの慣用の成膜方法を用いて容易に形成することが可能である。
【0043】
保護膜となる炭素を主成分とする薄膜は、本質的に炭素のみからなる薄膜であっても、炭素以外の元素を含む薄膜であってもよい。但し、保護膜として十分に機能させるためには、それらが適切な仕事関数および透過性を有するように、薄膜の成膜条件および薄膜材料を適宜選択する必要がある。保護層となる炭素を主成分とする薄膜は、4.0eV未満の仕事関数を有することが好ましく、1〜3eVの範囲の仕事関数を有することがさらに好ましい。また、薄膜は50%以上の透過率を有することが好ましく、80%以上の透過率を有することがより好ましい。
【0044】
保護膜の成膜方法には、RFスパッタリング法、マグネトロンスパッタ法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法、化学蒸着法といった一般的な成膜方法を適用することが可能である。なお、化学蒸着法としては、RF−プラズマCVD法、ECRプラズマCVD法、IBプラズマCVD法などが知られている。下地層となる有機EL層への影響を考慮すると、有機EL層へのダメージがより小さい、炭化水素系ガスを主成分とする混合ガスを用いた化学蒸着法が好ましく使用される。保護膜として好ましく使用されるダイヤモンドライクカーボン膜、またはアモルファスカーボン膜の成膜においても化学蒸着法を適用することが可能である。
【0045】
特に限定されるものではないが、ダイヤモンドライクカーボン膜の場合、炭化水素系ガスを主成分とする混合ガスを薄膜原料ガスとして用いた化学蒸着法によって成膜を実施することが可能である。炭化水素系ガスとしては、例えばCH、C、気化トルエンといったガスが挙げられる。一般に、各種プラズマCVDでは、炭化水素系ガスと組み合わせてHが使用される。その他、成膜方法に応じて、炭化水素系ガスと、N、Arなどのガスを組み合わせて使用することも可能である。混合ガスにおける炭化水素系ガスの配合量(炭化水素系ガス以外に使用されるガスの配合量)を適宜選択することによって、薄膜の仕事関数および透過率を調整することが可能である。参考として、RF−プラズマCVD法を適用した場合の、CHおよびHからなる混合ガスにおけるHの配合量と、ダイヤモンドライクカーボン膜の透過率との関係を示唆するスペクトルを図4に示す。図4から明らかなように、混合ガスにおけるHの配合量の違いに起因して透過率が変化していることが分かる。これは、炭素薄膜中に取り込まれるHドープ量の違いに起因するものと考えられる。なお、混合ガスにおけるHの配合量の違いによって仕事関数が異なる結果となることは、後述の実施例で示される表1を参照することにより理解できるであろう。また、保護膜として、炭素と、炭素以外の金属元素とを含む薄膜を形成する場合には、例えば、導入する金属の有機金属化合物をガス化して成膜を実施することによって、所定の金属を膜中に導入することが可能である。例えば、リチウムを導入する場合、有機リチウム化合物としてメトキシリチウム、エトキシリチウムなどを使用することが可能である。マグネシウムを導入する場合、有機マグネシウム化合物としてジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウムなどを使用することが可能である。
【0046】
保護膜の上に形成される透明陰極は、可視光において高い透過率を有し、かつ電気伝導性に優れた材料からなることが好ましい。ITOまたはIZOなどの透明導電性酸化物からなる透明電極を陰極とすることが好ましい。そのような透明陰極は、アルミニウムまたはインジウムをドープさせた酸化亜鉛あるいはカドミウム−スズ酸化物といった透明導電性酸化物を慣用の方法によって成膜することで得られる。本発明の製造方法によれば、透明陰極の形成に先立ち、有機EL層の上に保護膜が設けられる。そのため、透明陰極作製時に系中に存在する酸素および水分から有機EL層を効果的に保護し、有機EL層の劣化を防止することが可能となる。また、有機EL層の上に保護膜が存在することによって、スパッタ法またはイオンプレーティング法といった成膜効率の良い高エネルギー成膜法を適用した場合であっても、有機EL層を劣化させることなく透明陰極を効率良く形成することが可能となる。
【0047】
したがって、本発明の製造方法によれば、スパッタ法またはイオンコーティング法を用いた場合であっても、有機EL層へのダメージを保護層によって緩和することが可能となる。また、透明陰極材料または透明陰極作製時に系中に存在する酸素または水分による有機EL層の劣化を防止することが可能となる。その結果、有機EL層の劣化がより少ない高品質な有機EL素子を効率良く作製することが可能となる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、それらは本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0049】
(実施例1)
本発明にもとづく有機EL素子を以下の手順により作製した。
【0050】
先ず、対向式スパッタリング装置において、ガラス基板上にDCスパッタリング法(ターゲット:NiP、スパッタリングガス:Ar、パワー300W)によって、厚さ100nmのNiP膜を成膜し反射膜を形成した。その反射膜の上に、引き続きDCスパッタリング法(ターゲット:IZO(In−10%ZnO)、スパッタガス:Ar、パワー250W)によって、厚さ100nmのIZOを積層し、陽極を形成した。
【0051】
次に、有機蒸着装置において、陽極の上に有機EL層として、αNPDからなる厚さ40nmの正孔注入層、アルミキレート(Alq)からなる厚さ60nmの有機発光層、Liからなる厚さ1nmの電子注入層を順に積層した。なお、各層の成膜条件としては、1×10−3Pa以下の圧力、0.5nm/sの成膜速度とした。
【0052】
次に、RF−プラズマCVD装置に移動させ、電子注入層の上に保護膜として厚さ5nmのダイヤモンドライクカーボン膜を成膜した。CHとHとの混合ガス(Hの配合量は15%)を原料ガスとして使用し、成膜時の圧力を20Pa、パワーを20Wとして成膜を実施した。得られた保護膜の物性値(仕事関数、透過率)を表1に示す。
【0053】
次に、対向式DCスパッタリングによって、保護膜の上に厚さ220nmのIZOを成膜し、透明陰極を形成した。なお、スパッタガスにはArガスを使用し、ターゲットにはIZO(In−10%ZnO)を使用した。
【0054】
以上のようにして、電子注入層と透明陰極との間に保護膜を有する有機EL素子を得た。引き続き、得られた素子について、100cd/mの輝度で点灯させ、その際の電流を測定することによって電流効率を求めた。また、発光を開始する発光開始電圧について測定した。その結果を表1に示す。
【0055】
(実施例2)
保護膜の成膜において、混合ガスにおけるHの配合量を30%とした以外は実施例1と同様の方法にしたがって有機EL層を作製した(保護膜の物性値は表1を参照されたい)。得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして電流効率および発光開始電圧を測定した。その結果を表1に示す。
【0056】
(実施例3)
保護膜の成膜において、混合ガスにおけるHの配合量を40%とした以外は実施例1と同様の方法にしたがって有機EL層を作製した(保護膜の物性値は表1を参照されたい)。得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして電流効率および発光開始電圧を測定した。その結果を表1に示す。
【0057】
(比較例1)
保護膜を形成しないことを除き実施例1と同様の方法にしたがって、電子注入層と透明陰極との間に保護膜が存在しない有機EL素子を作製した。得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして電流効率および発光開始電圧を測定した。その結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 2004335206
【0059】
表1から明らかなように、実施例1〜3では比較例1と比較して極めて高い発光効率を示すことが分かった。これは、保護膜が高い透過率を有するとともに、酸化物からなる透明陰極と電子注入層との分離に効果があることを示している。また、保護膜の仕事関数は成膜条件を変化させることにより制御することが可能であり、透明陰極と電子注入層との仕事関数を適合させることが可能であることが分かる。特に、実施例3の素子については、透過率も良く、かつ仕事関数も適当であるため、最も優れた発光効率を示している。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、透明陰極と有機EL層との間に保護膜として炭素を主成分とする薄膜を設けることにより、電子注入効率および透過率を低下させることなく、透明陰極作製時のダメージの緩和、酸素および水分による有機EL層の劣化を改善することが可能となる。その結果、駆動電圧が低減されかつ発光効率が向上した高品質のトップエミッション型有機EL素子を効率良く提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なボトムエミッション型有機EL素子の構造を示す模式的断面図である。
【図2】一般的なトップエミッション型有機EL素子の構造を示す模式的断面図である。
【図3】本発明にもとづく有機EL素子の構造を示す模式的断面図である。
【図4】混合ガスにおけるHの配合量とダイヤモンドライクカーボン膜の透過率との関係を示すスペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
10 基板
10a 反射膜
20 透明陽極
30 有機EL層
31 正孔注入層
32 正孔輸送層
33 有機発光層
34 電子輸送層
35 電子注入層
40a 金属陰極
40b 透明陰極
50 保護膜

Claims (8)

  1. 基板上に、陽極と、少なくとも有機発光層を含む有機EL層と、保護膜と、透明陰極とを順次有し、前記透明陰極側から光を取り出す有機EL素子であって、
    前記保護膜が、炭素を主成分とする薄膜であることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記保護膜が、4.0eV未満の仕事関数を有し、かつ50%以上の透過率を有することを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記保護膜が、ダイヤモンドライクカーボン膜またはアモルファスカーボン膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 前記有機EL層が、電子注入層を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子。
  5. 基板上に、陽極と、少なくとも有機発光層を有する有機EL層と、保護膜と、透明陰極とを順次有し、前記透明陰極側から光を取り出す有機EL素子の製造方法であって、
    (a)基板上に、陽極および少なくとも有機発光層を含む有機EL層を順次形成する工程と、
    (b)前記有機EL層の上に炭素を主成分とする薄膜からなる保護膜を形成する工程と、
    (c)前記保護層の上に透明陰極を形成する工程と
    を有することを特徴とする製造方法。
  6. 前記保護膜が、4.0eV未満の仕事関数を有し、かつ50%以上の透過率を有することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記保護膜が、ダイヤモンドライクカーボン膜またはアモルファスカーボン膜であることを特徴とする請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 前記保護膜の形成が、炭化水素系ガスを主成分とする混合ガスを用いた化学蒸着法によって実施されることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の製造方法。
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