JP4366686B2 - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL素子の製造方法に関する。より詳細には、トップエミッション方式の有機EL素子におけるバリア層の構成およびその作製方法に関する。
表示装置に適用される発光素子の一例として、有機化合物の薄膜積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と称する)が知られている。有機EL素子については、1987年、イーストマンコダック社のC.W.Tangらによって、高効率の発光を実現する2層積層構造の素子が発表されて以来、有機EL素子の実用化に向けて様々な検討がなされている(非特許文献1を参照)。
近年、有機EL素子を用いて構成される有機ELディスプレイの分野では、アクティブマトリックス駆動方式のディスプレイの開発が盛んに行われている。アクティブマトリックス駆動方式のディスプレイでは、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)が設置された基板の上に、複数個の有機EL素子を形成し、それらを発光源とすることによってディスプレイを構成している。現状におけるアクティブマトリックス駆動方式のディスプレイでは、TFTまたは有機EL素子の特性のバラツキが大きく、そのようなバラツキを補正するために様々な駆動回路が必要となる。そして、駆動回路が複雑になると、一画素を駆動するために必要とされるTFTの数が増加することになる。
一般的な有機ELディスプレイでは、ガラス基板上に、下部透明電極、少なくとも有機発光層を含む有機EL層、および外部に取り出す光の量を大きくするための反射手段を備えた上部電極を順次有し、光をガラス基板面から取り出す、いわゆるボトムエミッション方式(以下、「Bottom−Em型」と称す)として構成する場合が多い。図1(a)にBottom−Em型有機EL素子の模式的断面図を示す。図1(a)中、参照符号10は基板、20aは下部電極(透明電極)、30は有機EL層、40aは上部電極(金属電極)を示す。
しかし、このようなBottom−Em型有機EL素子をアクティブマトリックス駆動方式のディスプレイに適用した場合、TFTの数の増加に伴い、下部電極における光の取り出し面積が小さくなってしまう。したがって、アクティブマトリックス駆動方式のディスプレイを構成する場合、Bottom−Em型有機EL素子(図1(a))よりも、光を上部電極側から取り出す「トップエミッション」方式(以下「Top−Em型」と称す)の方が構造的に有利となり、そのような素子の開発が進められている。図1(b)にTop−Em型有機EL素子の模式的断面図を示す。図1(b)中、参照符号10は基板、20bは反射膜、20aは下部電極(透明電極)、30は有機EL層、40bは上部電極(透明電極)を示す。
Top−Em型有機EL素子では、上部電極側から光を取り出すため、上部電極は十分な光透過性を有する必要がある。そのため、可視光に対して透過率が大きく、かつ大きな電気伝導性を示す物質からなる透明導電性膜を上部電極として使用する。透明電極を形成するのに好適な材料として、ITO(インジウムスズ酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などの透明導電性酸化物が知られている。Top−Em型有機EL素子において、ITOまたはIZOなどの透明導電性酸化物からなる膜は優れた上部電極となり得るが、その一方で、いくつかの解決すべき課題がある。
第1に、ITOまたはIZOを上部電極(陰極)として用いることによる電子注入効率の低下を改善することである。IZOなどの透明導電性酸化物の膜を陰極とするTop−Em型有機EL素子の電子注入効率は、AlまたはAgなどの金属電極を陰極とするBottom−Em型有機EL素子における電子注入効率よりも低くなる。これは、表1に示すような材料特性の違いに起因する。すなわち、IZOは、AgおよびAlと比較してより大きな仕事関数を有し、かつキャリヤ密度が著しく低い。したがって、電子注入効率に優れたTop−Em型有機EL素子を形成するためには、陰極側のキャリア密度を向上させ、その一方で下部電極(陽極)の仕事関数よりも低く、かつBottom−Em型有機EL素子における陰極の仕事関数の値と合わせる技術が望まれている。
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第2に、上部電極形成時の有機EL層へのダメージを緩和することである。上部電極の形成には様々な成膜方法を適用できる。特に、スパッタ法は、成膜効率および簡便性の点で優れた成膜方法であり、IZOなどの透明導電性酸化物の成膜にも適用されることが多い。しかし、成膜時のエネルギーは、蒸着法では約0.1eV、イオンプレーティング法では約20〜30eVであるのに対し、スパッタ法では約300〜400eVであり、スパッタリングによるダメージは他の成膜方法の場合と比較して非常に大きい。そのため、上部電極を形成するためにスパッタ法を適用した場合、有機EL層はスパッタリング時の高エネルギー粒子(ターゲット物質の中性原子および負イオン、ガス成分の中性原子および正イオン、電子)の衝突によりダメージを受け易い。成膜時に有機EL層がダメージを受けると、ショートまたはリークあるいは発光効率の低下といった素子の性能劣化を招くことが多い。したがって、上部電極形成時にスパッタ法などの高エネルギー成膜方法を適用した場合に懸念される有機EL層に対するダメージを緩和する技術が望まれている。
第3に、酸素による有機EL層の劣化を改善することである。代表的な有機EL素子では、電子注入効率を改善するために陰極の下層に電子注入層が設けられる。電子注入層は酸化され易いため、上部電極(陰極)の成膜工程で酸化され有機EL層としての性能が劣化することがある。特に、上部電極材料として透明導電性酸化物を使用する場合には成膜時に系中に存在する酸素による影響が無視できない。系中に存在する酸素によって有機EL層が酸化されると、電子注入層が酸化され所定の物性値が変化し所期の設計値を満たさなくなる場合がある。また、上部電極の成膜にスパッタ法を適用した場合、酸化物または導入ガスに由来して系中に存在する酸素によるプラズマ(以下、「高速酸素粒子」と称す)が発生し、有機EL層にダメージを与える可能性がある。酸素によるプラズマは、Arなどの不活性ガスによるプラズマよりも有機EL層に対するダメージが大きく、著しい輝度の低下を招く傾向がある。したがって、成膜時に系中に存在する酸素に起因する有機EL層の劣化を改善する方法が望まれている。
このような状況に鑑み、電子注入効率の改善および上部電極形成時の有機EL層へのダメージの緩和に向けて様々なバッファ層が検討なされている。
例えば、抵抗値が低くかつ透過性に優れた上部電極(陰極)を得るために、陰極を電子注入性金属と非晶質透明導電層とによって構成することが知られている(特許文献1、非特許文献2を参照)。この技術では、有機EL層の上に極めて薄い金属膜が設けられることになるが、そのような金属膜は電子注入効率を改善したとしても、スパッタリングによる衝撃を緩和するバッファとして機能させるには不十分である。仮に、金属膜の厚さを増加させて耐スパッタ衝撃性を高めたとしても、金属膜の厚さとその光透過率とはトレードオフの関係になるため、良好な発光特性を得ることは非常に困難である。
また、上部電極を陰極として用いる場合、スパッタリングによる有機EL層の損傷を低減するために、有機EL層の上に、フタロシアニンからなるバッファ層を設けること(非特許文献3を参照)、またはフタロシアニンからなるバッファ層にさらにCe、Li、Ca、Mgなどをドーパントとして拡散させて、電子輸送層上に有機陰極バッファを形成することが知られている。(特許文献2を参照)。これらのバッファ層によれば電子注入性の改善は可能であるが、フタロシアニン自体は耐スパッタ衝撃性が低い。そのため、バッファ層の膜厚が5〜100nm程度ではスパッタリングによる有機EL層へのダメージを緩和するには不十分である。
また、スパッタリングによる有機EL層の損傷を低減するために、有機EL層の上に、アルカリハロゲン化物からなる第1バッファ層とフタロシアニンからなる第2バッファ層とを設けることが知られている(特許文献3を参照)。しかし、第1バッファ層を構成するアルカリハロゲン化物は絶縁体である。したがって、導電性を維持するために、その膜厚の上限は3nm程度までに制限されている。一方、第2バッファ層を構成するフタロシアニン自体は、耐スパッタ衝撃性が低い。そのため、フタロシアニンから構成される第2バッファ層の膜厚を200nm程度にまで厚膜化することが開示されている。しかし、バッファ層の膜厚が増加するに伴って導電性および光透過性が低下するという解決すべき課題がある。
また、スパッタリングによる有機EL層の損傷を改善するために、有機EL層の上に、アルカリハロゲン化物からなる第1バッファ層と仕事関数の低い金属からなる第2バッファ層とを設けることが知られている(特許文献4を参照)。この技術では、バッファ層を上述のように構成することによって、電子注入効率の改善、スパッタリングによるダメージの緩和、光透過率の向上を実現可能としている。さらに、有機EL層と電子注入性電極との間に、有機電子注入輸送性化合物を含有する少なくとも2層の有機電子輸送層と、金属酸化物などの無機化合物を含有する無機電子注入層とを設けることが知られている(特許文献5を参照)。この技術では、有機電子輸送層が有機電子注入輸送性化合物と金属フタロシアニン化合物とを含み、かつ無機電子注入層が2種以上の金属または金属酸化物の組み合わせからなることを特徴とし、スパッタ時のダメージを防止するとともに、電子注入効率が良好で、発光効率に優れた有機EL素子を実現可能としている。しかし、いずれの技術も、上部電極をAg、Alなどの金属電極とする場合について記載されたものであり、Top−Em型有機EL素子として適用するには限界がある。すなわち、上部電極(陰極)材料としてIZOなどの透明導電性酸化膜を使用し、スパッタ法に従い成膜を実施する場合、上部電極を金属電極とする場合と比較して有機EL層へのダメージはより大きいものとなる。そのため、上述の技術によって電子注入効率を改善することは可能であるが、スパッタ衝撃の緩和に関しては不十分である。
特開平10−162959号公報 特開2000−58265号公報 特開2002−75658号公報 特開2002−260862号公報 特開2000−340364号公報 C.W.Tang,S.A.VanSlyke,Appl.Phys.Lett.,51,913(1987) G.Gu,V.Bulovic,Appl.Phys.Lett.,68(19),2606(1996) G.Parthasarathy,P.E.burrows,Appl.Phys.Lett.,72(17),2138(1998)
上述のように、電子注入効率の改善、スパッタリングによる有機EL層へのダメージの緩和を目的として様々なバッファ層が報告されている。しかし、従来のバッファ層では、十分な光透過率および導電性を維持する一方で、電子注入効率を改善し、かつスパッタリングなどの高エネルギー成膜法による有機EL層へのダメージを緩和することは困難であり、さらなる改善が望まれている。特に、上部電極(陰極)をIZOなどの透明導電性酸化物から形成するTop−Em型有機EL素子では、酸素に起因する有機EL層の劣化が無視できないため、電子注入効率を低下させることなく、酸素から有機EL層を効果的に保護するバッファ層が望まれている。
したがって、本発明は、IZOなどの透明導電性膜を上部電極とすることにより派生する問題点の改善において、特に、上部電極形成時に発生する高速酸素粒子によるダメージから有機EL層を効果的に保護する手段を備えた有機EL素子の製造方法を提供することを課題とする。
有機EL素子において、陰極の電子注入効率を改善するために様々な金属または金属酸化物などの金属化合物を使用することが知られている。一般に、金属酸化物膜を成膜する場合、金属酸化物自体を蒸着またはスパッタする方法、系中に酸素を導入しながら金属材料を蒸着またはスパッタする方法などが知られている。金属酸化物を蒸着材料として蒸着させると、蒸気成分が元の金属酸化物の成分比とは異なり酸素が不足した状態となるため、通常は系中に酸素を導入しながら成膜を実施することになる。蒸着時に系中に酸素を導入することなく成膜を実施すると、得られる金属酸化物膜は、通常、酸素が欠損した非化学量論組成を有することになる。このような酸素が欠損した状態の金属酸化物膜は不安定であり、化学量論の組成を満たすように酸素を取り込み安定化するものと考えられる。このような知見から、上述の課題を解決するために、本発明者らは高速酸素粒子による有機EL層へのダメージを緩和するために、系中に存在する高速酸素粒子の活性を低下させる方法について鋭意検討を行い、上部電極形成に先立ち、バッファ層(以後「バリア層」を称す)として、酸素を取り込み易い酸素欠損型非化学量論組成の金属酸化物膜を形成することによって、良好な結果が得られることを見出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基板上に、陽極、少なくとも有機発光層と電子注入層とを含む有機EL層、バリア層、および透明陰極を順次有する有機EL素子の製造方法に関するものであり、上記基板上に陽極を形成する工程と、上記陽極の上に少なくとも有機発光層と電子注入層とを含む有機EL層を形成する工程と、上記有機EL層の上にバリア層を形成する工程であって、バリア層として酸素欠損型非化学量論組成の金属酸化物膜を成膜する工程と、上記バリア層の上に、透明導電性酸化物からなる透明陰極を形成する工程とを有し、前記金属酸化物が希土類金属酸化物および遷移金属酸化物からなる群から選択されることを特徴とする。
ここで、バリア層の形成は、前記金属酸化物を真空蒸着法に従って系中に酸素を導入することなく蒸着させることによって実施することが好ましい。蒸着材料として使用される金属酸化物は、TiO ,V ,ZrO およびLa からなる群から選択される金属酸化物が好ましい。なお、バリア層の膜厚は30nm以下であることが好ましい。成膜方法としてはスパッタ法が好ましい。
本発明によれば、上部電極形成に先立ち、バリア層として酸素欠損型非化学量論組成の金属酸化物膜を形成することにより、有機EL層の損傷および劣化を改善することが可能となる。すなわち、酸素欠損の状態にあるバリア層によって、導電性酸化物から透明電極を作製する際に発生する高速酸素粒子を留める(酸素欠損型非化学量論組成の金属酸化物膜は酸素粒子を取り込み安定化する)ことになる。したがって、成膜時のダメージが大きいスパッタ法などの高エネルギー成膜方法を用い、導電性酸化物から上部電極を形成した場合であっても、低駆動電圧で輝度が高い、高品質な有機EL素子を効率良く提供することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明による有機EL素子の製造方法は、基板上に、陽極、少なくとも有機発光層と電子注入層とを含む有機EL層、バリア層、および透明陰極を順次有する有機EL素子を製造するものであって、上記基板上に陽極を形成する工程と、上記陽極の上に少なくとも有機発光層と電子注入層とを含む有機EL層を形成する工程と、上記有機EL層の上にバリア層を形成する工程であって、バリア層として酸素欠損型非化学量論組成の金属酸化物膜を成膜する工程と、上記バリア層の上に、透明導電性酸化物からなる透明陰極を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、透明陰極に先立って形成されるバリア層は、酸素欠損型非化学量論組成の金属酸化物膜として成膜される。かかるバリア層は不安定であるため、透明陰極をスパッタ法により成膜する際に、透明陰極材料の酸化物ターゲットまたは系中に存在する酸素を取り込み易く、その故、高速酸素粒子により有機EL層が劣化することを抑制する役割を担う。すなわち、透明陰極を形成する工程を経て、完成品となった有機EL素子において、バリア層は化学量論組成の金属酸化物へと変化し安定化するものと考えられる。
バリア層の形成は、成膜によって得られる金属酸化物膜が化学量論組成において酸素欠損となる方法であれば良く、その条件などについても特に限定されるものではない。しかし、有機EL層への影響が少ない成膜方法を選択する必要があり、例えば、抵抗加熱方式または電子ビーム方式の真空蒸着法を選択することが好ましい。真空蒸着法により、金属酸化物を蒸着材料として使用し、系中(真空蒸着装置内)に酸素を導入することなく成膜を実施することによって、酸素欠損型非化学量論組成の金属酸化物膜を形成することが可能である。成膜条件としては、系中に酸素を導入しないこと以外は特に限定されるものではなく、加熱温度、蒸着速度といった諸条件は使用する蒸着材料に応じて適宜変更される。なお、バリア層として形成された金属酸化物膜の組成は、例えば、光電子分光分析装置(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いた分析によって確認することが可能である。ESCAによる分析により得られた化学シフト量から、金属酸化物膜が化学量論組成を有するか否かを識別することが可能である。
バリア層となる金属酸化物膜を構成する蒸着材料として使用可能な金属酸化物は、Li,Na,K,Rb,Cs,Frといったアルカリ金属の酸化物、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Raといったアルカリ土類金属の酸化物、La,Dy,Er,Yb,Pr,Er,Tbといった希土類金属の酸化物、Ti,V,Zr,Y,Hfといった遷移金属の酸化物からなる群から選択される金属酸化物が挙げられる。特に限定されるものではないが、LiO,MgO,CaO,SrO,BaO,TiO,V,ZrO,およびLaからなる群から選択される金属酸化物が好ましい。なお、金属酸化物膜の仕事関数が低い(4.8eV以下)場合、高速酸素粒子を取り込み有機EL層の劣化を抑制するバリア層としての効果に加えて、透明陰極からの電子注入効率を向上させる電子注入層としての効果も期待できる。したがって、電子注入効率を考慮すると、MgO,CaO,SrO,BaOからなる群から選択されるアルカリ土類金属酸化物を蒸着材料として使用することがさらに好ましい。
酸素欠損のバリア層を形成する別の方法として、金属材料を、かかる金属を酸化させるのに必要とされる化学量論未満の酸素ガスの存在下で蒸着させる方法が挙げられる。金属材料としては、Li,Na,K,Rb,Cs,Frといったアルカリ金属、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Raといったアルカリ土類金属、La,Dy,Er,Yb,Pr,Er,Tbといった希土類金属、Ti,V,Zr,Y,Hfといった遷移金属からなる群から選択される金属またはそれらのハロゲン化物が挙げられる。特に限定されるものではないが、Li,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Zr,およびLaからなる群から選択される金属が好ましい。なお、金属酸化物膜の仕事関数が低い(4.8eV以下)場合、高速酸素粒子を取り込み有機EL層の劣化を抑制するバリア層としての効果に加えて、透明陰極からの電子注入効率を向上させる電子注入層としての効果も期待できる。したがって、電子注入効率を考慮すると、Mg,Ca,Sr,Baからなる群から選択されるアルカリ土類金属を蒸着材料として使用することがさらに好ましい。
バリア層を設けることによって発光素子の透過性および導電性が低下しないように、バリア層は、有機EL層からの光を十分に透過する一方で、導電性を維持する必要がある。透明陰極を形成した後、バリア層は、化学量論組成の金属酸化物から構成されることになり絶縁体となる。そのため、バリア層の膜厚は30nm以下、より好ましくは20nm以下とすることが望ましい。膜厚を薄くすることによって、一面の完全な連続膜としてではなく、複数の島状粒子から構成される不連続な膜の状態に留めることが可能となる。ここで、「不連続な膜」とは、複数の島状粒子がそれぞれ独立して存在するか、または複数の島状粒子が互いに部分的に接触して存在するかのいずれかの状態を示し、被積層面を完全に覆い尽くさないことを意味する。このような島状薄膜では、透明陰極と有機EL層とが、部分的に層間(上下方向)で接触することになる。すなわち、バリア層の膜厚を薄くすることによって、微視的には透明陰極と有機EL層とが完全に相分離されることがない。したがって、バリア層が絶縁体となった場合であっても十分な導電性を維持することが可能となる。なお、島状薄膜では膜の平均厚さと膜の平均高さとは一致しないが、本願における膜厚とは、被積層面からの平均厚さを意味する。
以上、説明したように、本発明の製造方法では、透明導電性酸化物から透明陰極を形成する前に、有機EL層の上に酸素欠損の組成を有するバリア層を作製することを特徴としており、バリア層以外の構成およびその作製方法は特に限定されるものではない。有機EL素子の発光特性をさらに向上させるために、当技術分野において周知の技術を適用することも可能である。本発明では、透明導電性酸化物を陰極材料として使用するため、バリア層の下層に電子注入層を設け、電子注入効率を改善することが好ましい。その他、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層などを追加してもよい。
本発明による有機EL素子の一例を図2に示す。有機EL素子は、基板10と、陽極20cと、有機EL層30と、バリア層50と、透明陰極40cとから概略構成される。さらに、有機EL層30は、陽極20cに隣接する正孔注入層31と、正孔輸送層32と、有機発光層33と、電子輸送層34と、電子注入層35とから構成される。以下、図2に沿って、各層の作製について簡単に例示する。
陽極は、基板上に電極材料を蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などの成膜方法を用いて成膜することにより形成することが可能である。ここで、基板は、ガラス基板、シリコン基板、金属基板、またはポリエチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン等のプラスチック基板であってよく、さらに駆動用素子としてTFTが既に形成されているTFT基板であってもよい。
トップエミッション型の有機EL素子では、陽極は、発光層から生じた光を透明陰極側に効率良く反射させるための反射面を有することが好ましい。より具体的には、陽極は、有機EL層から生じた光の波長域(好ましくは可視光領域全体)において50%以上、好ましくは80%以上の反射率を有する単層膜または積層膜から形成されることが好ましい。
陽極の材料は、周知の電極材料であってよく、特に限定されるものではない。例えば、Cr,Ni,Ag,Cu,またはAuなどの金属またはそれら金属を含むCrB、NiPなどの合金、あるいはITOまたはIZOなどの透明導電性酸化物などであってよい。電極材料として透明導電性酸化物を使用する場合には、反射手段を設けることが好ましい。反射手段としては、特に限定されるものではなく、有機EL層からの光を透明陰極側に効率良く反射させることが可能であればよい。例えば、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板の表面または裏面(背面)に光を反射する金属または合金からなる反射膜を設けてもよい。また、陽極の形状に合わせてパターン化された反射膜を透明基板上に設けてもよい。
透明基板上に設けられる反射膜は、有機EL層の下地層にもなるため平坦性に優れたアモルファス膜とすることが好ましい。アモルファス膜を形成するのに好適な金属および合金としては、CrB、CrP、またはNiPなどが挙げられる。さらに、透明基板の代りに絶縁層を介して、光を反射する金属または合金からなる基板を用いることにより、基板自体を反射膜として機能させてもよい。
上述のように形成された陽極の上に、有機EL層が形成される。本発明による有機EL素子において、有機EL層は少なくとも有機発光層および電子注入層を含み、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、および電子輸送層を追加してもよい。各層の形成には、成膜時のダメージが少ない成膜方法を選択することが好ましい。例えば、蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法といった周知の方法を適用することが可能である。
有機EL層を構成する各層の材料としては、当技術分野において周知のものを使用することが可能である。例えば、正孔注入層の材料には、フタロシアニン類(銅フタロシアニンなど)またはインダンスレン系化合物などを使用することが可能である。
正孔輸送層の材料には、TPD、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルビフェニルアミン(α−NPD)、4,4’,4”−トリス(N−3−トリル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N,N’,N’−テトラビフェニル−4,4’−ビフェニレンジアミン(TBPB)などのトリアリールアミン系材料を使用することが可能である。
有機発光層の材料は、所望の色調に応じて選択することが可能である。例えば青色から青緑色の発光を得るためには、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などを使用することが可能である。また、種々の波長域の発光を得るためには、ホスト化合物(ジスチリルアリーレン化合物、TPD、アルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq)など)にドーパント(ペリレン、キナクリドン類、ルブレンなど)を添加したものを使用することが可能である。なお、有機発光層の材料としてAlqを使用した場合には、有機発光層と電子輸送層との機能を兼ねることも可能である。
電子輸送層の材料としては、2−(4−ビフェニル)−5−(p−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)のようなオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルキノキサリン類、アルミニウムのキノリノール錯体(たとえばAlq)などを使用することが可能である。なお、有機発光層から生じた光を十分に透過させるために、電子輸送層の膜厚は、好ましくは40nm以下、より好ましくは20nm以下であることが望ましい。
電子注入層の材料としては、仕事関数4.8eV未満の金属または合金が好ましい。例えばLi、Na、K、Csなどのアルカリ金属、Mg、Sr、Ba、などのアルカリ土類金属、それら金属を含む合金(MgAgなど)を使用することが可能である。また、それら金属のフッ化物とAl等の金属との積層膜を電子注入層として使用することも可能である。より具体的には、Li,Na,K,Cs,Mg,Sr,Ba,MgAgからなる群から選択される金属あるいは合金からなる膜、またはLiF/AlおよびCsF/Alから選択される積層膜として構成することが好ましい。なお、有機発光層から生じた光を十分に透過させるために、電子注入層の膜厚は、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下である。
上述のように作製される有機EL層の上にバリア層が形成される。バリア層の構成および作製方法は先に説明した通りである。本発明の製造方法によれば、透明導電性酸化物からなる透明陰極の形成に先立って、酸素欠損型非化学量論組成の金属酸化物膜が形成されることによって、透明陰極形成時のダメージから有機EL層を効果的に保護することが可能となる。
透明陰極は、バリア層を介して有機EL層の上に形成される。透明陰極は、光の取り出し効率を低下させないように、可視光の波長領域380nm〜780nmにおいて、80%以上の透過率を有することが好ましい。透明陰極の材料としては、ITO,IZOといった透明導電性酸化物が使用される。本発明では透明伝導性酸化物をスパッタ法などの高エネルギー成膜法を用いて成膜した場合であっても、バリア層によって有機EL層へのダメージが低減されることになる。
なお、有機EL素子は気密性を高めるために封止されることが好ましい。有機EL素子の封止は、周知の技術によって実施することが可能であり、例えば、ガラス製封止部材または透明樹脂製封止部材を、UV硬化接着剤を用いて素子に固定し密封することで実施できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、それらは本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
参考例1
基板上に、陽極、有機EL層、バリア層、および透明陰極を順次有する有機EL素子を以下の手順に従い作製した。
ガラス基板上にCrBを100nmの膜厚で成膜し、次いでパターニングを実施し、乾燥処理(150℃)およびUV処理(室温および150℃)を施すことによりCrBからなる陽極を形成した。なお、CrBの成膜は、DCスパッタリング法に従って、室温下、スパッタリングガスとしてArを使用し、300Wのスパッタパワーを印加することにより実施した。
次に、先の工程によって陽極が形成されたガラス基板を7室型蒸着装置に移動し、真空槽内圧を1×10−5Paまで減圧し、真空を破らずに、有機EL層、バリア層および透明陰極を順次形成した。蒸着源は抵抗加熱方式とし、るつぼ材質は有機材料により石英,Mo,BN,PBNを使用し、蒸着レートは2〜4Å/sとした。
有機EL層は、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、および電子輸送層および電子注入層から構成した。正孔注入層としてはCuPcを成膜し、膜厚20nmとした。正孔輸送層としてはTBPBを成膜し、膜厚20nmとした。有機発光層としてはDPVBiを成膜し、膜厚40nmとした。電子輸送層としてはAlqを成膜し、膜厚20nmとした。電子注入層としては、メタルマスクを用いてMgAgを成膜し、膜厚10nmとした。
バリア層としては、酸化リチウム(LiO)を蒸着材料として使用し、真空蒸着装置内に酸素ガスを導入することなく、1200℃の温度において2Å/sの蒸着レートで蒸着を実施し、膜厚20nmとした。なお、得られた酸化リチウム膜をESCAにより分析したところ、かかる酸化リチウム膜は非化学量論の組成を有することが分かった。
透明陰極は、IZO(In−10%ZnO)をターゲットとして使用し、スパッタリングガスとしてArを用い、0.3Paの圧力下、100Wのスパッタパワーを印加することによって、膜厚55nmとした。
上述のように作製した有機EL素子を大気に暴露させることなくグローブボックス内(酸素濃度および水分濃度ともに数ppm以下)に移動させ、UV硬化接着剤および封止ガラスを用いて封止した。封止した有機EL素子にパルス電圧を印加すること(パルスIVL)によって、電流密度および輝度について測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
バリア層の形成時に系中に酸素を導入しながら成膜を実施することを除き、参考例1と同様にして有機EL素子を作製した。すなわち、バリア層の成膜は、酸化リチウム(LiO)を蒸着材料として使用し、真空槽内圧を1×10−5Paに保持しながら真空蒸着装置内に酸素ガスを導入し、1200℃の温度において2Å/sの蒸着レートで実施し、膜厚20nmとした。得られた酸化リチウム膜をESCAにより分析したところ、かかる酸化リチウム膜は化学量論を満たす組成を有することが分かった。
作製した有機EL素子を大気に暴露させることなくグローブボックス内(酸素濃度および水分濃度ともに数ppm以下)に移動させ、UV硬化接着剤および封止ガラスを用いて封止した。封止した有機EL素子にパルス電圧を印加すること(パルスIVL)によって、電流密度および輝度について測定を行った。結果を表2に示す。
参考例2、実施例3〜4
各種金属酸化膜からなるバリア層を有する有機EL素子を参考例1と同様にして作製した。なお、それぞれの有機EL素子は、各々のバリア層を形成する際に、CaO,La,VOを蒸着材料として使用することを除き、参考例1と同様の手順に従って実施した。バリア層として各種金属酸化膜を成膜した後に、それぞれの金属酸化膜についてESCAを用いて分析したところ、各種金属酸化膜はそれぞれ酸素が欠損した非化学量論組成を有することが分かった。
得られた有機EL素子を大気に暴露させることなくグローブボックス内(酸素濃度および水分濃度ともに数ppm以下)に移動させ、UV硬化接着剤および封止ガラスを用いて封止した。封止した有機EL素子にパルス電圧を印加すること(パルスIVL)によって、電流密度および輝度について測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例2〜4)
各種金属酸化膜からなるバリア層を有する有機EL素子を比較例1と同様にして作製した。なお、それぞれの有機EL素子の作製は、各々のバリア層を形成する際に、CaO,La,VOを蒸着材料として使用することを除き、比較例1と同様に真空蒸着装置内に酸素ガスを導入しながら成膜を実施した。
バリア層として各種金属酸化膜を成膜した後に、それぞれの金属酸化膜についてESCAを用いて分析したところ、各種金属酸化膜はそれぞれ化学量論を満たす組成を有することが分かった。
得られた有機EL素子を大気に暴露させることなくグローブボックス内(酸素濃度および水分濃度ともに数ppm以下)に移動させ、UV硬化接着剤および封止ガラスを用いて封止した。封止した有機EL素子にパルス電圧を印加すること(パルスIVL)によって、電流密度および輝度について測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
バリア層を作製しないことを除き、参考例1と同様にして有機EL素子を作製した。すなわち、ガラス基板上にCrBを100nmの膜厚で成膜し、次いでパターニングを実施し、乾燥処理(150℃)およびUV処理(室温および150℃)を施すことによりCrBからなる陽極を形成した。なお、CrBの成膜は、DCスパッタリング法に従って、室温下、スパッタリングガスとしてArを使用し、300Wのスパッタパワーを印加することにより実施した。
次に、先の工程によって陽極が形成されたガラス基板を7室型蒸着装置に移動し、真空槽内圧を1×10−5Paまで減圧し、真空を破らずに、有機EL層および透明陰極を順次形成した。蒸着源は抵抗加熱方式とし、るつぼ材質は有機材料により石英,Mo,BN,PBNを使用し、蒸着レートは2〜4Å/sとした。
有機EL層は、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、および電子輸送層および電子注入層から構成した。正孔注入層としてはCuPcを成膜し、膜厚20nmとした。正孔輸送層としてはTBPBを成膜し、膜厚20nmとした。有機発光層としてはDPVBiを成膜し、膜厚40nmとした。電子輸送層としてはAlqを成膜し、膜厚20nmとした。電子注入層としては、メタルマスクを用いてMgAgを成膜し、膜厚10nmとした。
透明陰極は、IZO(In−10%ZnO)をターゲットとして使用し、スパッタリングガスとしてArを用い、0.3Paの圧力下、100Wのスパッタパワーを印加することによって、膜厚55nmとした。
上述のように作製した有機EL素子を大気に暴露させることなくグローブボックス内(酸素濃度および水分濃度ともに数ppm以下)に移動させ、UV硬化接着剤および封止ガラスを用いて封止した。封止した有機EL素子にパルス電圧を印加すること(パルスIVL)によって、電流密度および輝度について測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004366686
表2から明らかなように、陰極形成前のバリア層の組成が酸素欠損となる有機EL素子(参考例1および2、ならびに実施例3および4)は、バリア層を持たない素子(比較例5)は勿論のこと化学量論組成のバリア層(比較例1〜4)と比較して、電流効率が著しく高いことが分かる。これは、酸素欠損型非化学量論の組成を有するバリア層が陰極形成時に発生する酸素を取り込み、酸素による有機EL層の劣化を抑制した結果であると考えられる。
一般的な有機EL素子の構造を示すものであり、(a)はBottom−Em型有機EL素子を示す模式的断面図であり、(b)はTop−Em型有機EL素子を示す模式的断面図である。 本発明による有機EL素子の一例を示す模式的断面図である。
符号の説明
10 基板
20a 下部電極(透明電極)
20b 反射膜
20c 陽極
30 有機EL層
31 正孔注入層
32 正孔輸送層
33 有機発光層
34 電子輸送層
35 電子注入層
40a 上部電極(金属電極)
40b 上部電極(透明電極)
40c 透明陰極
50 バリア層

Claims (3)

  1. 基板上に、陽極、少なくとも有機発光層と電子注入層とを含む有機EL層、バリア層、および透明陰極を順次有する有機EL素子の製造方法であって、
    前記基板上に陽極を形成する工程と、
    前記陽極の上に少なくとも有機発光層と電子注入層とを含む有機EL層を形成する工程と、
    前記有機EL層の上にバリア層を形成する工程であって、バリア層として酸素欠損型非化学量論組成の金属酸化物膜を成膜する工程と、
    前記バリア層の上に、透明導電性酸化物からなる透明陰極を形成する工程と
    を有し、前記金属酸化物が希土類金属酸化物および遷移金属酸化物からなる群から選択され、前記バリア層の形成が、前記金属酸化物を真空蒸着法により系中に酸素を導入することなく蒸着させることによって実施され、前記透明陰極の形成がスパッタ法により実施されることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  2. 前記金属酸化物が、TiO,V,ZrOおよびLaからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記バリア層の膜厚が30nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
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