JP2004082387A - 空気入りタイヤの製造方法、空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単で製造が容易な空洞共鳴音の低減を図ることのできる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】タイヤの内面に静電植毛加工により無数の短繊維30を立設させる。無数の短繊維30がタイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、車内騒音を低減することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】タイヤの内面に静電植毛加工により無数の短繊維30を立設させる。無数の短繊維30がタイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、車内騒音を低減することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤの製造方法、空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体に係り、特に、空洞共鳴音の低減を図ることのできる空気入りタイヤの製造方法、空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤは、その構造上、タイヤ内部の円管長さに起因する空洞共鳴現象を有することが知られている。
【0003】
そしてい何れの乗用車用タイヤもその周長から空洞共鳴周波数は200〜270Hzに存在し、空洞共鳴でがあるために車軸に伝達される際にはそれ以外の帯域と異なり、鋭いピークとなり不快な車室内騒音の一因となっている。
【0004】
発生要因がタイヤ内部の空気の共鳴であることから、従来の改良手法としては、製品タイヤの内部にウレタン等の吸音材を配置する手法(例えば、特開昭62−216803号)や、ホイールを加工する手法(例えば、特開平1−115701号)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平1−115701号公報のリムホイールムは、空洞部を設けた特殊構造であり、ブレーキディスクとの干渉問題があり、構造が複雑、製造工程が複雑等の理由によりコスト高ともなっている。
【0006】
また、特開昭62−216803号公報のタイヤ・リム組立体では、回転バランスを崩さないようにリム外周に吸音材を環状に巻き付けることは困難である。
【0007】
さらに、吸音材を巻き付けたリムにタイヤを装着する際、吸音材がずれる虞もある。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、上記問題を解消し、構造が簡単で製造が容易な空洞共鳴音の低減を図ることのできる空気入りタイヤの製造方法、空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体リムホイールを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ内面に接着剤を塗布する工程と、前記接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる工程と、を有することを特徴としている。
【0010】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0011】
請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法では、先ず最初に、タイヤの内面でかつリムと接触しない部位に接着剤を塗布する。
【0012】
次に、接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる。
【0013】
これにより、タイヤの内面でかつリムと接触しない部位にのみ無数の短繊維を固着させることができる。
【0014】
これにより、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
【0015】
吸音効果を得るための短繊維の重量は、一般的な乗用車用のタイヤの場合で10g程度で十分であり、タイヤ重量への影響は殆ど無視できる。また、使用量が少ないので、短繊維の付着に多少のむらがあっても回転バランスへの影響は無視できる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法において、静電植毛加工により前記短繊維を前記タイヤ内面に設けた、ことを特徴としている。
【0017】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0018】
無数の短繊維は種々の方法でタイヤの内面に接着させることが出来るが、静電植毛加工を用いることにより、無数の短繊維を簡単にタイヤの内面に立設させた状態で固着させることができ、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
【0019】
静電植毛加工は、短繊維を帯電させ、静電気力により、予め接着剤を塗布した物体に短繊維を垂直に植毛する加工技術であるため、複雑な形状の物体表面にも均一に短繊維を植毛することができ、曲面であるタイヤの内面に短繊維を植毛するのに適している。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、平均長さが1mm以上10mm以下である、ことを特徴としている。
【0021】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0022】
短繊維の平均長さが1mm未満では、空洞共鳴音を低減することができなくなる。
【0023】
一方、短繊維の平均長さが10mmを越えると、短繊維同士が絡み易くなって作業性が悪化すると共に、リム外周面への均一な分散が困難となり、吸音効果が十分に発現できなくなる虞がある。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、平均直径が1μm以上500μm以下である、ことを特徴としている。
【0025】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0026】
短繊維の平均直径が1μm未満になると、短繊維の製造工程において糸切れが多発し、短繊維の生産性が低下する。
【0027】
一方、短繊維の平均直径が500μmを超えると、短繊維の総重量が大きくなり、タイヤの回転バランスに与える影響が無視できなくなる。
【0028】
請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法は、加硫前のインナーライナー表面に無数の短繊維を付着させた後に加硫成形する、ことを特徴としている。
【0029】
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0030】
請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法では、加硫前のインナーライナーに無数の短繊維を付着させる。加硫前のインナーライナーは、表面が粘着性を帯びているので、無数の短繊維を容易に付着させることができる。
【0031】
その後、生タイヤを通常通り加硫成形すると、ブラダーが膨張して短繊維をインナーライナーに押し付けるので、短繊維の一部分がインナーライナーに埋設され、インナーライナーが硬化して短繊維がインナーライナーに固着する。
【0032】
これにより、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
【0033】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、融点が120°C以上である、ことを特徴としている。
【0034】
次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0035】
短繊維の融点が120°C未満であると、加硫工程において短繊維が溶融してしまい、繊維形状を保てず、吸音効果が発現しないことがある。このため、短繊維の融点を120°C以上とすることが好ましい。
【0036】
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、平均長さが2mm以上30mm以下である、ことを特徴としている。
【0037】
次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0038】
短繊維の平均長さが2mm未満では、短繊維が全てインナーライナー(ゴム層)に埋設してしまって吸音効果を十分に発現できなくなることがある。
【0039】
一方、短繊維の平均長さが30mmを越えると、短繊維同士が絡み易くなってインナーライナー表面への均一分散が困難となり、全体の吸音率が低下することがあり、作業性も低下する。
【0040】
なお、短繊維は、平均長さを4mm以上とすることが好ましい。
【0041】
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、平均直径が1μm以上500μm以下である、ことを特徴としている。
【0042】
次に、請求項8に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0043】
短繊維の平均直径が1μm未満になると、短繊維の製造工程において糸切れが多発し、短繊維の生産性が低下する。
【0044】
一方、短繊維の平均直径が500μmを超えると、短繊維の総重量が大きくなり、タイヤ回転バランスに与える影響を無視できなくなる。
【0045】
請求項9に記載の空気入りタイヤは、タイヤ内面に無数の短繊維が接着剤にて固着されている、ことを特徴としている。
【0046】
次に、請求項9に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0047】
請求項9に記載の空気入りタイヤでは、リムホイールに装着した際に、無数の短繊維が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0048】
請求項10に記載の空気入りタイヤは、タイヤ内面に無数の短繊維が一部分を埋設して固着されている、ことを特徴としている。
【0049】
請求項10に記載の空気入りタイヤでは、リムホイールに装着した際に、無数の短繊維が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0050】
請求項11に記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の空気入りタイヤにおいて、前記短繊維の固着されている領域はタイヤ周方向に連続して設けられており、回転軸に沿った断面で見たときの前記短繊維の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上である、ことを特徴としている。
【0051】
次に、請求項11に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0052】
短繊維の固着されている領域をタイヤ周方向に連続して設け、かつ回転軸に沿った断面で見たときの短繊維の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さを、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上とすることにより、空洞共鳴を確実に低減することができる。
【0053】
請求項12に記載の発明は、請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、短繊維の固着されている領域において、前記短繊維は1平方センチメートル当たりに50本以上設けられている、ことを特徴としている。
【0054】
次に、請求項12に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0055】
短繊維の密度が低いと、空洞共鳴の低減効果が不足する。
【0056】
空洞共鳴の低減効果を確実に得るには、短繊維の固着されている領域において、短繊維は1平方センチメートル当たりに50本(平均値)以上設けることが好ましい。
【0057】
請求項13に記載のタイヤ・リム組立体は、請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤをリムホイールに装着したことを特徴としている。
【0058】
次に、請求項13に記載のタイヤ・リム組立体の作用を説明する。
【0059】
請求項13に記載のタイヤ・リム組立体では、請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤを用いているので、無数の短繊維が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0060】
請求項14に記載の空気入りタイヤの製造方法は、インナーライナー表面に不織布を付着させた生タイヤを加硫成形する、ことを特徴としている。
【0061】
次に、請求項14に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0062】
請求項14に記載の空気入りタイヤの製造方法では、加硫前のインナーライナーに不織布を付着させる。加硫前のインナーライナーは、表面が粘着性を帯びているので、不織布を容易に付着させることができる。
【0063】
その後、生タイヤを通常通り加硫成形すると、ブラダーが膨張して不織布をインナーライナーに押し付けるので、不織布の繊維の一部分がインナーライナーに埋設され、インナーライナーが硬化して不織布がインナーライナーに固着する。
【0064】
これにより、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
【0065】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の空気入りタイヤの製造方法において、厚さが0.5mm以上の不織布を貼り付ける、ことを特徴としている。
【0066】
次に、請求項15に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0067】
不織布の厚さが0.5mm未満になると、不織布を均一に製造することが難しくなる。
【0068】
請求項16に記載の発明は、請求項14または請求項15に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記不織布を構成する繊維は、融点が120°C以上である、ことを特徴としている。
【0069】
次に、請求項16に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0070】
不織布を構成する繊維の融点が120°C未満であると、加硫工程において繊維が溶融してしまい、繊維形状を保てず、吸音効果が発現しないことがある。このため、繊維の融点を120°C以上とすることが好ましい。
【0071】
請求項17に記載の発明は、請求項14乃至請求項16の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記不織布を構成する繊維は、平均直径が1μm以上200μm以下である、ことを特徴としている。
【0072】
次に、請求項17に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0073】
繊維の平均直径が1μm未満になると、繊維の製造工程において糸切れが多発し、繊維の生産性が低下する。
【0074】
一方、繊維の平均直径が200μmを超えると、不織布の目付が不必要に大きくなり、重量増加の割りに吸音効果が小さくなる。
【0075】
請求項18に記載の発明は、請求項14乃至請求項17の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記不織布の目付は、10〜500g/m2である、ことを特徴としている。
【0076】
次に、請求項18に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0077】
不織布の目付が10g/m2未満になると、不織布を均一に製造することが難しくムラの多い不織布となり、吸音効果が小さくなる。
【0078】
不織布の目付が500g/m2を越えると、タイヤ重量に対する影響が大きくなり、タイヤの走行抵抗を悪化させる。
【0079】
請求項19に記載の空気入りタイヤは、タイヤ内面に不織布が固着されている、ことを特徴としている。
【0080】
次に、請求項19に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0081】
請求項19に記載の空気入りタイヤでは、リムホイールに装着した際に、不織布が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0082】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の空気入りタイヤにおいて、前記不織布の固着されている領域はタイヤ周方向に連続して設けられており、回転軸に沿った断面で見たときの前記不織布の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上である、ことを特徴としている。
【0083】
次に、請求項20に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0084】
不織布の固着されている領域をタイヤ周方向に連続して設け、かつ回転軸に沿った断面で見たときの不織布の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さを、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上とすることにより、空洞共鳴を確実に低減することができる。
【0085】
請求項21に記載の発明は、請求項19または請求項20に記載の空気入りタイヤにおいて、前記不織布の目付は、10〜500g/m2である、ことを特徴としている。
【0086】
次に、請求項21に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0087】
目付が10g/m2未満になると、吸音効果が小さくなる。
【0088】
目付が500g/m2を越えると、タイヤ重量に対する影響が大きくなり、タイヤの走行抵抗を悪化させる。
【0089】
請求項22に記載のタイヤ・リム組立体は、請求項19乃至請求項21の何れか1項に記載の空気入りタイヤをリムホイールに装着したことを特徴としている。
【0090】
次に、請求項22に記載のタイヤ・リム組立体の作用を説明する。
【0091】
請求項22に記載のタイヤ・リム組立体では、請求項19乃至請求項21の何れか1項に記載の空気入りタイヤを用いているので、不織布が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0092】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
本発明の空気入りタイヤ(以後タイヤと呼ぶ)の一実施形態を図1にしたがって説明する。
【0093】
図1には、アルミニューム合金製のリムホイール10(サイズ:14−6JJ)にタイヤ(サイズ:195/65R14)12を装着して空気を充填(200kPa)したタイヤ・リム組立体8の回転軸に沿った断面図が示されている。
【0094】
タイヤ12は、一対のビード部14をトロイド状に跨がるカーカス16を備えている。
【0095】
カーカス16のタイヤ径方向外側には、本実施形態では、第1ベルトプライ18A及び第2ベルトプライ18Bの2枚のベルトプライからなるベルト18が配設されている。
【0096】
ベルト18のタイヤ径方向外側にはトレッドゴム層20が配設され、カーカス16のタイヤ軸方向外側には、サイドゴム層22が配設されている。
【0097】
本実施形態のカーカス16は、複数本のコードを互いに平行に並べてゴムコーティングした1枚のカーカスプライ16Aから構成されている。
【0098】
ビード部14のビードコア24には、カーカスプライ16Aの端部分がタイヤ径方向外側へ巻き上げられている。
【0099】
カーカスプライ16Aの本体部分と巻上部分との間には、ビードコア24からタイヤ径方向外側へ延びる高硬度のゴムからなるビードフィラー26が配設されている。
【0100】
カーカス16の内面側には、インナーライナー28が設けられている。
【0101】
インナーライナー28、即ち、タイヤ12の内面には、リムホイール10と接触しない位置に、図2に示すように、無数の短繊維30が接着剤32にて固定されている。
【0102】
短繊維30は、タイヤ12の内面に対して出来る限り直角に立設していることが好ましい。
【0103】
本実施形態では、無数の短繊維30をタイヤ12の内面に固定するために、静電植毛加工法を用いている。即ち、本実施形態では、タイヤ内面に接着剤が塗布され、電着処理の行われた無数の短繊維が静電気によりタイヤ12に付着され、接着剤を塗布した部分にのみ短繊維30が接着固定されたものである。
【0104】
短繊維30としては、有機合成繊維、無機繊維、再生繊維、天然繊維等を用いることができる。
【0105】
有機合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ケブラー等の芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリメチルメタクリレート等のポリエステル、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリスチレン、及びこれらの共重合体等が上げられる。
【0106】
無機繊維としては、例えば、カーボン繊維、グラスファイバー等が挙げられる。
【0107】
再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ等が挙げられる。
【0108】
天然繊維としては、例えば、綿、絹、羊毛等が挙げられる。
【0109】
短繊維30は、平均長さが1mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0110】
短繊維30は、平均直径が1μm以上500μm以下であることが好ましい。
【0111】
短繊維30の固着されている領域は、リム周方向に連続して設け、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときに、短繊維30の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsは、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して25%以上であることが好ましい。
【0112】
短繊維30の固着されている領域において、短繊維30は1平方センチメートル当たりに50本以上設けることが好ましい。
【0113】
本実施形態では、短繊維30に、平均長さ4mm、平均直径10μmのポリエステル繊維(融点が170°C)を用いており、短繊維30を固着した領域は、リム周方向に連続して設けており、短繊維30の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して100%である。
【0114】
また、短繊維30の固着されている領域において、短繊維30は1平方センチメートル当たりに約100本設けられている。
(作用)
次に、本実施形態のタイヤ・リム組立体8の作用を説明する。
【0115】
本実施形態のタイヤ・リム組立体8では、タイヤ12の内面に立設する無数の短繊維30が、タイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、これにより車内騒音を低減することができる。
【0116】
本実施形態では、無数の短繊維30を静電植毛加工によりタイヤ内面に設けたたので、吸音効果を得ることのできるタイヤ12を効率的に製造することができる。
【0117】
短繊維30は、タイヤ内面に対して直角である方が吸音効果を発揮する上で好ましく、静電植毛加工を用いれば無数の短繊維30をリム外周面に対して略直角に立設させることができる。
【0118】
短繊維30は、10g程度の使用量で十分な吸音効果を得ることができる。
【0119】
また、静電植毛可能では、短繊維30を周方向へ均一に付着させることができるので、回転バランスを悪化させることが無い。
【0120】
なお、回転軸に沿った断面で見たときの短繊維30の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して25%未満になると、空洞共鳴を確実に低減することができなくなる虞がある。
【0121】
短繊維30の固着されている領域において、1平方センチメートル当たりの短繊維30の本数が50本未満になると、空洞共鳴音を吸収する能力が不足する。
【0122】
短繊維30の平均長さが1mm未満では、空洞共鳴音を低減することができなくなり、短繊維30の平均長さが10mmを越えると、短繊維30同士が絡み易くなって作業性が悪化すると共に、タイヤ内面への均一な分散が困難となり、吸音効果が十分に発現できなくなる虞がある。
【0123】
短繊維30の平均直径が1μm未満になると、短繊維30の製造工程において糸切れが多発し、短繊維30の生産性が低下し、短繊維30の平均直径が500μmを超えると、短繊維30の総重量が大きくなり、タイヤの回転バランスに影響を与える。
【0124】
なお、短繊維30の固着されている領域は、リム周方向に連続して設けることが好ましいが、吸音効果が十分あれば不連続であっても良い。
【0125】
本実施形態では、乗用車用のタイヤ12を例にとって説明したが、本発明は、トラック・バス用、軽トラック用、二輪車用等の他のタイヤにも適用できることは勿論である。
[第2の実施形態]
本発明のタイヤの第2の実施形態を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0126】
本実施形態のタイヤ12は、図3に示すように、インナーライナー28の表面に無数の短繊維30が一部分を埋設して固着されている。
【0127】
本実施形態では、タイヤ12が加硫前、即ち、生タイヤの状態のときに、インナーライナー28の表面に無数の短繊維を付着させる。
【0128】
具体的には、インナーライナー層をシート状にして巻き取るタイヤ部材の準備段階で、短繊維30を散布しつつ巻き取る方法がある。この場合、後のタイヤ成形過程は従来通りで良い。
【0129】
また、タイヤ成形過程の途中もしくは成形後、未加硫タイヤ内部に短繊維30を散布する方法がある。
【0130】
加硫前のインナーライナー28は表面が粘着性を帯びているので、無数の短繊維30を容易に付着させることができる。
【0131】
なお、インナーライナー表面に接着剤を塗布しても良い。接着剤を塗布した後、短繊維30を散布すると、短繊維30がインナーライナー表面から剥離しづらくなるため、作業性が向上する。
【0132】
その後、生タイヤを通常通りモールドに装填して加硫成形すると、ブラダーが膨張して短繊維30をインナーライナーに押し付けるので、短繊維30の一部分がインナーライナー28に埋設され、その後、インナーライナー28が硬化するので短繊維30がインナーライナー28に固着する。
【0133】
なお、本実施形態の製造方法では、短繊維30は、平均長さが2mm以上30mm以下であることが好ましい。
【0134】
短繊維30の平均長さが2mm未満では、短繊維30が全てインナーライナーに埋設してしまって吸音効果を十分に発現できなくなることがある。
【0135】
一方、短繊維30の平均長さが30mmを越えると、短繊維30同士が絡み易くなってインナーライナー表面への均一分散が困難となり、全体の吸音率が低下することがあり、作業性も低下する。
【0136】
なお、短繊維30は、平均長さを4mm以上とすることが好ましい。
【0137】
また、短繊維30の平均直径は、第1の実施形態と同様に1μm以上100μm以下であることが好ましい。
【0138】
本実施形態では、短繊維30に、平均長さ10mm、平均直径10μmのポリエステル繊維(融点が170°C)を用いており、短繊維30を固着した領域は、リム周方向に連続して設けており、短繊維30の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して100%である。
【0139】
また、短繊維30の固着されている領域において、短繊維30は1平方センチメートル当たりに約500本設けられている。
[第3の実施形態]
本発明のタイヤの第3の実施形態を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0140】
本実施形態のタイヤ12は、図4に示すように、インナーライナー28の表面に不織布34が固着されている。
【0141】
本実施形態では、タイヤ12が加硫前、即ち、生タイヤの状態のときに、インナーライナー28の表面に不織布34を付着させる。
【0142】
具体的には、インナーライナー層をシート状にして巻き取るタイヤ部材の準備段階で、不織布34を貼り付けながら巻き取る方法がある。この場合、後のタイヤ成形過程は従来通りで良い。
【0143】
また、タイヤ成形過程の途中もしくは成形後、未加硫タイヤ内部に不織布34を貼り付ける方法がある。
【0144】
加硫前のインナーライナー28は表面が粘着性を帯びているので、不織布34を容易に付着させることができる。
【0145】
なお、インナーライナー表面に接着剤を塗布しても良い。接着剤を塗布した後、不織布34を貼り付けると、不織布34がインナーライナー表面から剥離しづらくなるため、作業性が向上する。
【0146】
その後、生タイヤを通常通りモールドに装填して加硫成形すると、ブラダーが膨張して不織布34をインナーライナーに押し付けるので、不織布34を構成している繊維の一部分がインナーライナー28に埋設され、その後、インナーライナー28が硬化するので不織布34がインナーライナー28に固着する。
【0147】
また、モールドから取り出したタイヤ12においては、不織布34は羽毛状に毛羽立つ。
【0148】
ここで、不織布34の材質は、綿、レーヨン、セルロールアセテート、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、アラミドなどの繊維の他、カーボン繊維、ガラス繊維のうちから選択した一種または複数種類を混合したものが好適に用いられ、なかでもレーヨン、ポリエステル、ナイロンが特に好ましい。なお、不織布34は、前述した材質以外の繊維材料で構成されていても良い。
【0149】
また、不織布34は、一般周知の製造方法で製造されたもので良く、例えば、ニードルパンチ法、カーディング法、メルトブロー法、スパンボンド法等で製造される。
【0150】
ここで、インナーライナー28に貼り付ける不織布34は、厚さが0.5mm以上であることが好ましい。
【0151】
不織布34を構成する繊維は、融点が120°C以上であることが好ましい。
【0152】
不織布34を構成する繊維は、平均直径が1μm以上200μm以下であることが好ましい。
【0153】
不織布34の目付は、10〜500g/m2であることが好ましい。
【0154】
不織布34の固着されている領域は、リム周方向に連続して設け、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときに、不織布34の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsは、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して25%以上であることが好ましい。
【0155】
本実施形態の不織布34は、材質がポリエステル(融点が170°C)であり、厚さ(貼り付け前)が2mm、繊維の平均直径が10μm、目付が40g/m2、固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsは、実寸で160mm、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して40%である。
【0156】
また、不織布34の固着されている部位は、トレッド裏面である。
(作用)
本実施形態では、タイヤ12の内面に固着された不織布34が、タイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、車内騒音を低減することができる。
【0157】
また、タイヤ製造過程の何処かで、インナーライナー28の表面に不織布34をセットすれば良く、その後は、従来通りに加硫すれば良く、空洞共鳴音を吸音できるタイヤ12を効率的に製造することができる。
【0158】
さらに、不織布34は、加硫時のブラダーの圧力により繊維の一部分がゴムに進入してその後固着するので、不織布に接着剤を塗布しなくても良く、加工コストを抑制できる。
【0159】
なお、不織布34の厚さが0.5mm未満になると、不織布34を均一に製造することが難しくなる。
【0160】
不織布34を構成する繊維の融点が120°C未満であると、加硫工程において繊維が溶融してしまい、繊維形状を保てず、吸音効果が発現しないことがある。
【0161】
不織布34を構成する繊維の平均直径が1μm未満になると、繊維の製造工程において糸切れが多発し、繊維の生産性が低下する。
【0162】
一方、不織布34を構成する繊維の平均直径が200μmを超えると、不織布34の目付が不必要に大きくなり、重量増加の割りに吸音効果が小さくなる。
【0163】
不織布34の目付が10g/m2未満になると、不織布34を均一に製造することが難しくムラの多い不織布34となり、吸音効果が小さくなる。
【0164】
不織布34の目付が500g/m2を越えると、タイヤ重量に対する影響が大きくなり、タイヤの走行抵抗を悪化させる。
【0165】
回転軸に沿った断面で見たときの不織布34の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して25%未満になると、空洞共鳴を確実に低減することができなくなる虞がある。
【0166】
なお、不織布34の固着されている領域は、リム周方向に連続して設けることが好ましいが、吸音効果が十分あれば不連続であっても良い。
【0167】
(試験例1)
本発明のタイヤ・リム組立体の効果を確かめるために、従来例のタイヤ・リム組立体を1種類、本発明の適用された実施例1のタイヤ・リム組立体、及び本発明の適用された実施例2のタイヤ・リム組立体を用意し、実車にて車内騒音を測定した。
【0168】
試験は、タイヤ・リム組立体を2000ccクラスの乗用車に装着し、二名乗車相当で、車速50km/hで荒れたアスファルト路を走行させ、ドライバーの耳元で騒音を測定した。なお、タイヤサイズは195/65R14、リムサイズは14−6JJであり、空気圧は200kPaとした。
【0169】
実施例1のタイヤ・リム組立体は上記第1の実施形態で説明したタイヤ・リム組立体であり、実施例2のタイヤ・リム組立体は上記第2の実施形態で説明したタイヤ・リム組立体である。
【0170】
従来例のタイヤ・リム組立体はタイヤ内面に短繊維が設けられていない点以外は実施例のタイヤ・リム組立体と同様のものである。
【0171】
試験の結果、従来例のタイヤ・リム組立体に比較し、本発明の適用された実施例1のタイヤ・リム組立体は車内騒音が約5dB低下しており、本発明の適用された実施例2のタイヤ・リム組立体は車内騒音が約6dB低下しており、実施例1,2のタイヤ・リム組立体では空洞共鳴音が効果的に低減されていることが分かった。
【0172】
(試験例2)
本発明のタイヤ・リム組立体の効果を確かめるために、従来例のタイヤ・リム組立体を1種類、本発明の適用された実施例3のタイヤ・リム組立体を用意し、実車にて車内騒音を測定した。
【0173】
試験方法は、試験例1と同じでである。
【0174】
実施例3のタイヤ・リム組立体は上記第3の実施形態で説明したタイヤ・リム組立体である。
【0175】
従来例のタイヤ・リム組立体はタイヤ内面に不織布が設けられていない点以外は実施例3のタイヤ・リム組立体と同様のものである。
【0176】
試験の結果、従来例のタイヤ・リム組立体に比較し、本発明の適用された実施例3のタイヤ・リム組立体は車内騒音が約5dB低下しており、実施例3のタイヤ・リム組立体では空洞共鳴音が効果的に低減されていることが分かった。
【0177】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のリムホイールの製造方法によれば、空洞共鳴音の低減を図ることのできる空気入りタイヤを容易に製造することができる、という優れた効果を有する。
【0178】
本発明の空気入りタイヤは上記の構成としたので、簡単に製造でき、リムホイールに装着してタイヤ・リム組立体とした場合に空洞共鳴音を低減できる、という優れた効果を有する。
【0179】
また、本発明のタイヤ・リム組立体によれば、空洞共鳴音の低減を図ることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るタイヤ・リム組立体の軸線に沿った断面図である。
【図2】タイヤの拡大断面図である。
【図3】第2の実施形態に係るタイヤの拡大断面図である。
【図4】第3の実施形態に係るタイヤの拡大断面図である。
【符号の説明】
8 タイヤ・リム組立体
12 タイヤ(空気入りタイヤ)
28 インナーライナー
30 短繊維
32 接着剤
34 不織布
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤの製造方法、空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体に係り、特に、空洞共鳴音の低減を図ることのできる空気入りタイヤの製造方法、空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤは、その構造上、タイヤ内部の円管長さに起因する空洞共鳴現象を有することが知られている。
【0003】
そしてい何れの乗用車用タイヤもその周長から空洞共鳴周波数は200〜270Hzに存在し、空洞共鳴でがあるために車軸に伝達される際にはそれ以外の帯域と異なり、鋭いピークとなり不快な車室内騒音の一因となっている。
【0004】
発生要因がタイヤ内部の空気の共鳴であることから、従来の改良手法としては、製品タイヤの内部にウレタン等の吸音材を配置する手法(例えば、特開昭62−216803号)や、ホイールを加工する手法(例えば、特開平1−115701号)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平1−115701号公報のリムホイールムは、空洞部を設けた特殊構造であり、ブレーキディスクとの干渉問題があり、構造が複雑、製造工程が複雑等の理由によりコスト高ともなっている。
【0006】
また、特開昭62−216803号公報のタイヤ・リム組立体では、回転バランスを崩さないようにリム外周に吸音材を環状に巻き付けることは困難である。
【0007】
さらに、吸音材を巻き付けたリムにタイヤを装着する際、吸音材がずれる虞もある。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、上記問題を解消し、構造が簡単で製造が容易な空洞共鳴音の低減を図ることのできる空気入りタイヤの製造方法、空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体リムホイールを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ内面に接着剤を塗布する工程と、前記接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる工程と、を有することを特徴としている。
【0010】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0011】
請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法では、先ず最初に、タイヤの内面でかつリムと接触しない部位に接着剤を塗布する。
【0012】
次に、接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる。
【0013】
これにより、タイヤの内面でかつリムと接触しない部位にのみ無数の短繊維を固着させることができる。
【0014】
これにより、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
【0015】
吸音効果を得るための短繊維の重量は、一般的な乗用車用のタイヤの場合で10g程度で十分であり、タイヤ重量への影響は殆ど無視できる。また、使用量が少ないので、短繊維の付着に多少のむらがあっても回転バランスへの影響は無視できる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法において、静電植毛加工により前記短繊維を前記タイヤ内面に設けた、ことを特徴としている。
【0017】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0018】
無数の短繊維は種々の方法でタイヤの内面に接着させることが出来るが、静電植毛加工を用いることにより、無数の短繊維を簡単にタイヤの内面に立設させた状態で固着させることができ、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
【0019】
静電植毛加工は、短繊維を帯電させ、静電気力により、予め接着剤を塗布した物体に短繊維を垂直に植毛する加工技術であるため、複雑な形状の物体表面にも均一に短繊維を植毛することができ、曲面であるタイヤの内面に短繊維を植毛するのに適している。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、平均長さが1mm以上10mm以下である、ことを特徴としている。
【0021】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0022】
短繊維の平均長さが1mm未満では、空洞共鳴音を低減することができなくなる。
【0023】
一方、短繊維の平均長さが10mmを越えると、短繊維同士が絡み易くなって作業性が悪化すると共に、リム外周面への均一な分散が困難となり、吸音効果が十分に発現できなくなる虞がある。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、平均直径が1μm以上500μm以下である、ことを特徴としている。
【0025】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0026】
短繊維の平均直径が1μm未満になると、短繊維の製造工程において糸切れが多発し、短繊維の生産性が低下する。
【0027】
一方、短繊維の平均直径が500μmを超えると、短繊維の総重量が大きくなり、タイヤの回転バランスに与える影響が無視できなくなる。
【0028】
請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法は、加硫前のインナーライナー表面に無数の短繊維を付着させた後に加硫成形する、ことを特徴としている。
【0029】
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0030】
請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法では、加硫前のインナーライナーに無数の短繊維を付着させる。加硫前のインナーライナーは、表面が粘着性を帯びているので、無数の短繊維を容易に付着させることができる。
【0031】
その後、生タイヤを通常通り加硫成形すると、ブラダーが膨張して短繊維をインナーライナーに押し付けるので、短繊維の一部分がインナーライナーに埋設され、インナーライナーが硬化して短繊維がインナーライナーに固着する。
【0032】
これにより、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
【0033】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、融点が120°C以上である、ことを特徴としている。
【0034】
次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0035】
短繊維の融点が120°C未満であると、加硫工程において短繊維が溶融してしまい、繊維形状を保てず、吸音効果が発現しないことがある。このため、短繊維の融点を120°C以上とすることが好ましい。
【0036】
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、平均長さが2mm以上30mm以下である、ことを特徴としている。
【0037】
次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0038】
短繊維の平均長さが2mm未満では、短繊維が全てインナーライナー(ゴム層)に埋設してしまって吸音効果を十分に発現できなくなることがある。
【0039】
一方、短繊維の平均長さが30mmを越えると、短繊維同士が絡み易くなってインナーライナー表面への均一分散が困難となり、全体の吸音率が低下することがあり、作業性も低下する。
【0040】
なお、短繊維は、平均長さを4mm以上とすることが好ましい。
【0041】
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記短繊維は、平均直径が1μm以上500μm以下である、ことを特徴としている。
【0042】
次に、請求項8に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0043】
短繊維の平均直径が1μm未満になると、短繊維の製造工程において糸切れが多発し、短繊維の生産性が低下する。
【0044】
一方、短繊維の平均直径が500μmを超えると、短繊維の総重量が大きくなり、タイヤ回転バランスに与える影響を無視できなくなる。
【0045】
請求項9に記載の空気入りタイヤは、タイヤ内面に無数の短繊維が接着剤にて固着されている、ことを特徴としている。
【0046】
次に、請求項9に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0047】
請求項9に記載の空気入りタイヤでは、リムホイールに装着した際に、無数の短繊維が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0048】
請求項10に記載の空気入りタイヤは、タイヤ内面に無数の短繊維が一部分を埋設して固着されている、ことを特徴としている。
【0049】
請求項10に記載の空気入りタイヤでは、リムホイールに装着した際に、無数の短繊維が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0050】
請求項11に記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の空気入りタイヤにおいて、前記短繊維の固着されている領域はタイヤ周方向に連続して設けられており、回転軸に沿った断面で見たときの前記短繊維の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上である、ことを特徴としている。
【0051】
次に、請求項11に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0052】
短繊維の固着されている領域をタイヤ周方向に連続して設け、かつ回転軸に沿った断面で見たときの短繊維の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さを、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上とすることにより、空洞共鳴を確実に低減することができる。
【0053】
請求項12に記載の発明は、請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、短繊維の固着されている領域において、前記短繊維は1平方センチメートル当たりに50本以上設けられている、ことを特徴としている。
【0054】
次に、請求項12に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0055】
短繊維の密度が低いと、空洞共鳴の低減効果が不足する。
【0056】
空洞共鳴の低減効果を確実に得るには、短繊維の固着されている領域において、短繊維は1平方センチメートル当たりに50本(平均値)以上設けることが好ましい。
【0057】
請求項13に記載のタイヤ・リム組立体は、請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤをリムホイールに装着したことを特徴としている。
【0058】
次に、請求項13に記載のタイヤ・リム組立体の作用を説明する。
【0059】
請求項13に記載のタイヤ・リム組立体では、請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤを用いているので、無数の短繊維が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0060】
請求項14に記載の空気入りタイヤの製造方法は、インナーライナー表面に不織布を付着させた生タイヤを加硫成形する、ことを特徴としている。
【0061】
次に、請求項14に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0062】
請求項14に記載の空気入りタイヤの製造方法では、加硫前のインナーライナーに不織布を付着させる。加硫前のインナーライナーは、表面が粘着性を帯びているので、不織布を容易に付着させることができる。
【0063】
その後、生タイヤを通常通り加硫成形すると、ブラダーが膨張して不織布をインナーライナーに押し付けるので、不織布の繊維の一部分がインナーライナーに埋設され、インナーライナーが硬化して不織布がインナーライナーに固着する。
【0064】
これにより、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
【0065】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の空気入りタイヤの製造方法において、厚さが0.5mm以上の不織布を貼り付ける、ことを特徴としている。
【0066】
次に、請求項15に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0067】
不織布の厚さが0.5mm未満になると、不織布を均一に製造することが難しくなる。
【0068】
請求項16に記載の発明は、請求項14または請求項15に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記不織布を構成する繊維は、融点が120°C以上である、ことを特徴としている。
【0069】
次に、請求項16に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0070】
不織布を構成する繊維の融点が120°C未満であると、加硫工程において繊維が溶融してしまい、繊維形状を保てず、吸音効果が発現しないことがある。このため、繊維の融点を120°C以上とすることが好ましい。
【0071】
請求項17に記載の発明は、請求項14乃至請求項16の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記不織布を構成する繊維は、平均直径が1μm以上200μm以下である、ことを特徴としている。
【0072】
次に、請求項17に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0073】
繊維の平均直径が1μm未満になると、繊維の製造工程において糸切れが多発し、繊維の生産性が低下する。
【0074】
一方、繊維の平均直径が200μmを超えると、不織布の目付が不必要に大きくなり、重量増加の割りに吸音効果が小さくなる。
【0075】
請求項18に記載の発明は、請求項14乃至請求項17の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記不織布の目付は、10〜500g/m2である、ことを特徴としている。
【0076】
次に、請求項18に記載の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0077】
不織布の目付が10g/m2未満になると、不織布を均一に製造することが難しくムラの多い不織布となり、吸音効果が小さくなる。
【0078】
不織布の目付が500g/m2を越えると、タイヤ重量に対する影響が大きくなり、タイヤの走行抵抗を悪化させる。
【0079】
請求項19に記載の空気入りタイヤは、タイヤ内面に不織布が固着されている、ことを特徴としている。
【0080】
次に、請求項19に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0081】
請求項19に記載の空気入りタイヤでは、リムホイールに装着した際に、不織布が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0082】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の空気入りタイヤにおいて、前記不織布の固着されている領域はタイヤ周方向に連続して設けられており、回転軸に沿った断面で見たときの前記不織布の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上である、ことを特徴としている。
【0083】
次に、請求項20に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0084】
不織布の固着されている領域をタイヤ周方向に連続して設け、かつ回転軸に沿った断面で見たときの不織布の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さを、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上とすることにより、空洞共鳴を確実に低減することができる。
【0085】
請求項21に記載の発明は、請求項19または請求項20に記載の空気入りタイヤにおいて、前記不織布の目付は、10〜500g/m2である、ことを特徴としている。
【0086】
次に、請求項21に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0087】
目付が10g/m2未満になると、吸音効果が小さくなる。
【0088】
目付が500g/m2を越えると、タイヤ重量に対する影響が大きくなり、タイヤの走行抵抗を悪化させる。
【0089】
請求項22に記載のタイヤ・リム組立体は、請求項19乃至請求項21の何れか1項に記載の空気入りタイヤをリムホイールに装着したことを特徴としている。
【0090】
次に、請求項22に記載のタイヤ・リム組立体の作用を説明する。
【0091】
請求項22に記載のタイヤ・リム組立体では、請求項19乃至請求項21の何れか1項に記載の空気入りタイヤを用いているので、不織布が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0092】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
本発明の空気入りタイヤ(以後タイヤと呼ぶ)の一実施形態を図1にしたがって説明する。
【0093】
図1には、アルミニューム合金製のリムホイール10(サイズ:14−6JJ)にタイヤ(サイズ:195/65R14)12を装着して空気を充填(200kPa)したタイヤ・リム組立体8の回転軸に沿った断面図が示されている。
【0094】
タイヤ12は、一対のビード部14をトロイド状に跨がるカーカス16を備えている。
【0095】
カーカス16のタイヤ径方向外側には、本実施形態では、第1ベルトプライ18A及び第2ベルトプライ18Bの2枚のベルトプライからなるベルト18が配設されている。
【0096】
ベルト18のタイヤ径方向外側にはトレッドゴム層20が配設され、カーカス16のタイヤ軸方向外側には、サイドゴム層22が配設されている。
【0097】
本実施形態のカーカス16は、複数本のコードを互いに平行に並べてゴムコーティングした1枚のカーカスプライ16Aから構成されている。
【0098】
ビード部14のビードコア24には、カーカスプライ16Aの端部分がタイヤ径方向外側へ巻き上げられている。
【0099】
カーカスプライ16Aの本体部分と巻上部分との間には、ビードコア24からタイヤ径方向外側へ延びる高硬度のゴムからなるビードフィラー26が配設されている。
【0100】
カーカス16の内面側には、インナーライナー28が設けられている。
【0101】
インナーライナー28、即ち、タイヤ12の内面には、リムホイール10と接触しない位置に、図2に示すように、無数の短繊維30が接着剤32にて固定されている。
【0102】
短繊維30は、タイヤ12の内面に対して出来る限り直角に立設していることが好ましい。
【0103】
本実施形態では、無数の短繊維30をタイヤ12の内面に固定するために、静電植毛加工法を用いている。即ち、本実施形態では、タイヤ内面に接着剤が塗布され、電着処理の行われた無数の短繊維が静電気によりタイヤ12に付着され、接着剤を塗布した部分にのみ短繊維30が接着固定されたものである。
【0104】
短繊維30としては、有機合成繊維、無機繊維、再生繊維、天然繊維等を用いることができる。
【0105】
有機合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ケブラー等の芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリメチルメタクリレート等のポリエステル、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリスチレン、及びこれらの共重合体等が上げられる。
【0106】
無機繊維としては、例えば、カーボン繊維、グラスファイバー等が挙げられる。
【0107】
再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ等が挙げられる。
【0108】
天然繊維としては、例えば、綿、絹、羊毛等が挙げられる。
【0109】
短繊維30は、平均長さが1mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0110】
短繊維30は、平均直径が1μm以上500μm以下であることが好ましい。
【0111】
短繊維30の固着されている領域は、リム周方向に連続して設け、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときに、短繊維30の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsは、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して25%以上であることが好ましい。
【0112】
短繊維30の固着されている領域において、短繊維30は1平方センチメートル当たりに50本以上設けることが好ましい。
【0113】
本実施形態では、短繊維30に、平均長さ4mm、平均直径10μmのポリエステル繊維(融点が170°C)を用いており、短繊維30を固着した領域は、リム周方向に連続して設けており、短繊維30の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して100%である。
【0114】
また、短繊維30の固着されている領域において、短繊維30は1平方センチメートル当たりに約100本設けられている。
(作用)
次に、本実施形態のタイヤ・リム組立体8の作用を説明する。
【0115】
本実施形態のタイヤ・リム組立体8では、タイヤ12の内面に立設する無数の短繊維30が、タイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、これにより車内騒音を低減することができる。
【0116】
本実施形態では、無数の短繊維30を静電植毛加工によりタイヤ内面に設けたたので、吸音効果を得ることのできるタイヤ12を効率的に製造することができる。
【0117】
短繊維30は、タイヤ内面に対して直角である方が吸音効果を発揮する上で好ましく、静電植毛加工を用いれば無数の短繊維30をリム外周面に対して略直角に立設させることができる。
【0118】
短繊維30は、10g程度の使用量で十分な吸音効果を得ることができる。
【0119】
また、静電植毛可能では、短繊維30を周方向へ均一に付着させることができるので、回転バランスを悪化させることが無い。
【0120】
なお、回転軸に沿った断面で見たときの短繊維30の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して25%未満になると、空洞共鳴を確実に低減することができなくなる虞がある。
【0121】
短繊維30の固着されている領域において、1平方センチメートル当たりの短繊維30の本数が50本未満になると、空洞共鳴音を吸収する能力が不足する。
【0122】
短繊維30の平均長さが1mm未満では、空洞共鳴音を低減することができなくなり、短繊維30の平均長さが10mmを越えると、短繊維30同士が絡み易くなって作業性が悪化すると共に、タイヤ内面への均一な分散が困難となり、吸音効果が十分に発現できなくなる虞がある。
【0123】
短繊維30の平均直径が1μm未満になると、短繊維30の製造工程において糸切れが多発し、短繊維30の生産性が低下し、短繊維30の平均直径が500μmを超えると、短繊維30の総重量が大きくなり、タイヤの回転バランスに影響を与える。
【0124】
なお、短繊維30の固着されている領域は、リム周方向に連続して設けることが好ましいが、吸音効果が十分あれば不連続であっても良い。
【0125】
本実施形態では、乗用車用のタイヤ12を例にとって説明したが、本発明は、トラック・バス用、軽トラック用、二輪車用等の他のタイヤにも適用できることは勿論である。
[第2の実施形態]
本発明のタイヤの第2の実施形態を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0126】
本実施形態のタイヤ12は、図3に示すように、インナーライナー28の表面に無数の短繊維30が一部分を埋設して固着されている。
【0127】
本実施形態では、タイヤ12が加硫前、即ち、生タイヤの状態のときに、インナーライナー28の表面に無数の短繊維を付着させる。
【0128】
具体的には、インナーライナー層をシート状にして巻き取るタイヤ部材の準備段階で、短繊維30を散布しつつ巻き取る方法がある。この場合、後のタイヤ成形過程は従来通りで良い。
【0129】
また、タイヤ成形過程の途中もしくは成形後、未加硫タイヤ内部に短繊維30を散布する方法がある。
【0130】
加硫前のインナーライナー28は表面が粘着性を帯びているので、無数の短繊維30を容易に付着させることができる。
【0131】
なお、インナーライナー表面に接着剤を塗布しても良い。接着剤を塗布した後、短繊維30を散布すると、短繊維30がインナーライナー表面から剥離しづらくなるため、作業性が向上する。
【0132】
その後、生タイヤを通常通りモールドに装填して加硫成形すると、ブラダーが膨張して短繊維30をインナーライナーに押し付けるので、短繊維30の一部分がインナーライナー28に埋設され、その後、インナーライナー28が硬化するので短繊維30がインナーライナー28に固着する。
【0133】
なお、本実施形態の製造方法では、短繊維30は、平均長さが2mm以上30mm以下であることが好ましい。
【0134】
短繊維30の平均長さが2mm未満では、短繊維30が全てインナーライナーに埋設してしまって吸音効果を十分に発現できなくなることがある。
【0135】
一方、短繊維30の平均長さが30mmを越えると、短繊維30同士が絡み易くなってインナーライナー表面への均一分散が困難となり、全体の吸音率が低下することがあり、作業性も低下する。
【0136】
なお、短繊維30は、平均長さを4mm以上とすることが好ましい。
【0137】
また、短繊維30の平均直径は、第1の実施形態と同様に1μm以上100μm以下であることが好ましい。
【0138】
本実施形態では、短繊維30に、平均長さ10mm、平均直径10μmのポリエステル繊維(融点が170°C)を用いており、短繊維30を固着した領域は、リム周方向に連続して設けており、短繊維30の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して100%である。
【0139】
また、短繊維30の固着されている領域において、短繊維30は1平方センチメートル当たりに約500本設けられている。
[第3の実施形態]
本発明のタイヤの第3の実施形態を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0140】
本実施形態のタイヤ12は、図4に示すように、インナーライナー28の表面に不織布34が固着されている。
【0141】
本実施形態では、タイヤ12が加硫前、即ち、生タイヤの状態のときに、インナーライナー28の表面に不織布34を付着させる。
【0142】
具体的には、インナーライナー層をシート状にして巻き取るタイヤ部材の準備段階で、不織布34を貼り付けながら巻き取る方法がある。この場合、後のタイヤ成形過程は従来通りで良い。
【0143】
また、タイヤ成形過程の途中もしくは成形後、未加硫タイヤ内部に不織布34を貼り付ける方法がある。
【0144】
加硫前のインナーライナー28は表面が粘着性を帯びているので、不織布34を容易に付着させることができる。
【0145】
なお、インナーライナー表面に接着剤を塗布しても良い。接着剤を塗布した後、不織布34を貼り付けると、不織布34がインナーライナー表面から剥離しづらくなるため、作業性が向上する。
【0146】
その後、生タイヤを通常通りモールドに装填して加硫成形すると、ブラダーが膨張して不織布34をインナーライナーに押し付けるので、不織布34を構成している繊維の一部分がインナーライナー28に埋設され、その後、インナーライナー28が硬化するので不織布34がインナーライナー28に固着する。
【0147】
また、モールドから取り出したタイヤ12においては、不織布34は羽毛状に毛羽立つ。
【0148】
ここで、不織布34の材質は、綿、レーヨン、セルロールアセテート、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、アラミドなどの繊維の他、カーボン繊維、ガラス繊維のうちから選択した一種または複数種類を混合したものが好適に用いられ、なかでもレーヨン、ポリエステル、ナイロンが特に好ましい。なお、不織布34は、前述した材質以外の繊維材料で構成されていても良い。
【0149】
また、不織布34は、一般周知の製造方法で製造されたもので良く、例えば、ニードルパンチ法、カーディング法、メルトブロー法、スパンボンド法等で製造される。
【0150】
ここで、インナーライナー28に貼り付ける不織布34は、厚さが0.5mm以上であることが好ましい。
【0151】
不織布34を構成する繊維は、融点が120°C以上であることが好ましい。
【0152】
不織布34を構成する繊維は、平均直径が1μm以上200μm以下であることが好ましい。
【0153】
不織布34の目付は、10〜500g/m2であることが好ましい。
【0154】
不織布34の固着されている領域は、リム周方向に連続して設け、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときに、不織布34の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsは、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して25%以上であることが好ましい。
【0155】
本実施形態の不織布34は、材質がポリエステル(融点が170°C)であり、厚さ(貼り付け前)が2mm、繊維の平均直径が10μm、目付が40g/m2、固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsは、実寸で160mm、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して40%である。
【0156】
また、不織布34の固着されている部位は、トレッド裏面である。
(作用)
本実施形態では、タイヤ12の内面に固着された不織布34が、タイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、車内騒音を低減することができる。
【0157】
また、タイヤ製造過程の何処かで、インナーライナー28の表面に不織布34をセットすれば良く、その後は、従来通りに加硫すれば良く、空洞共鳴音を吸音できるタイヤ12を効率的に製造することができる。
【0158】
さらに、不織布34は、加硫時のブラダーの圧力により繊維の一部分がゴムに進入してその後固着するので、不織布に接着剤を塗布しなくても良く、加工コストを抑制できる。
【0159】
なお、不織布34の厚さが0.5mm未満になると、不織布34を均一に製造することが難しくなる。
【0160】
不織布34を構成する繊維の融点が120°C未満であると、加硫工程において繊維が溶融してしまい、繊維形状を保てず、吸音効果が発現しないことがある。
【0161】
不織布34を構成する繊維の平均直径が1μm未満になると、繊維の製造工程において糸切れが多発し、繊維の生産性が低下する。
【0162】
一方、不織布34を構成する繊維の平均直径が200μmを超えると、不織布34の目付が不必要に大きくなり、重量増加の割りに吸音効果が小さくなる。
【0163】
不織布34の目付が10g/m2未満になると、不織布34を均一に製造することが難しくムラの多い不織布34となり、吸音効果が小さくなる。
【0164】
不織布34の目付が500g/m2を越えると、タイヤ重量に対する影響が大きくなり、タイヤの走行抵抗を悪化させる。
【0165】
回転軸に沿った断面で見たときの不織布34の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さWsが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅Wrに対して25%未満になると、空洞共鳴を確実に低減することができなくなる虞がある。
【0166】
なお、不織布34の固着されている領域は、リム周方向に連続して設けることが好ましいが、吸音効果が十分あれば不連続であっても良い。
【0167】
(試験例1)
本発明のタイヤ・リム組立体の効果を確かめるために、従来例のタイヤ・リム組立体を1種類、本発明の適用された実施例1のタイヤ・リム組立体、及び本発明の適用された実施例2のタイヤ・リム組立体を用意し、実車にて車内騒音を測定した。
【0168】
試験は、タイヤ・リム組立体を2000ccクラスの乗用車に装着し、二名乗車相当で、車速50km/hで荒れたアスファルト路を走行させ、ドライバーの耳元で騒音を測定した。なお、タイヤサイズは195/65R14、リムサイズは14−6JJであり、空気圧は200kPaとした。
【0169】
実施例1のタイヤ・リム組立体は上記第1の実施形態で説明したタイヤ・リム組立体であり、実施例2のタイヤ・リム組立体は上記第2の実施形態で説明したタイヤ・リム組立体である。
【0170】
従来例のタイヤ・リム組立体はタイヤ内面に短繊維が設けられていない点以外は実施例のタイヤ・リム組立体と同様のものである。
【0171】
試験の結果、従来例のタイヤ・リム組立体に比較し、本発明の適用された実施例1のタイヤ・リム組立体は車内騒音が約5dB低下しており、本発明の適用された実施例2のタイヤ・リム組立体は車内騒音が約6dB低下しており、実施例1,2のタイヤ・リム組立体では空洞共鳴音が効果的に低減されていることが分かった。
【0172】
(試験例2)
本発明のタイヤ・リム組立体の効果を確かめるために、従来例のタイヤ・リム組立体を1種類、本発明の適用された実施例3のタイヤ・リム組立体を用意し、実車にて車内騒音を測定した。
【0173】
試験方法は、試験例1と同じでである。
【0174】
実施例3のタイヤ・リム組立体は上記第3の実施形態で説明したタイヤ・リム組立体である。
【0175】
従来例のタイヤ・リム組立体はタイヤ内面に不織布が設けられていない点以外は実施例3のタイヤ・リム組立体と同様のものである。
【0176】
試験の結果、従来例のタイヤ・リム組立体に比較し、本発明の適用された実施例3のタイヤ・リム組立体は車内騒音が約5dB低下しており、実施例3のタイヤ・リム組立体では空洞共鳴音が効果的に低減されていることが分かった。
【0177】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のリムホイールの製造方法によれば、空洞共鳴音の低減を図ることのできる空気入りタイヤを容易に製造することができる、という優れた効果を有する。
【0178】
本発明の空気入りタイヤは上記の構成としたので、簡単に製造でき、リムホイールに装着してタイヤ・リム組立体とした場合に空洞共鳴音を低減できる、という優れた効果を有する。
【0179】
また、本発明のタイヤ・リム組立体によれば、空洞共鳴音の低減を図ることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るタイヤ・リム組立体の軸線に沿った断面図である。
【図2】タイヤの拡大断面図である。
【図3】第2の実施形態に係るタイヤの拡大断面図である。
【図4】第3の実施形態に係るタイヤの拡大断面図である。
【符号の説明】
8 タイヤ・リム組立体
12 タイヤ(空気入りタイヤ)
28 インナーライナー
30 短繊維
32 接着剤
34 不織布
Claims (22)
- タイヤ内面に接着剤を塗布する工程と、前記接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる工程と、を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
- 静電植毛加工により前記短繊維を前記タイヤ内面に設けた、ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記短繊維は、平均長さが1mm以上10mm以下である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記短繊維は、平均直径が1μm以上500μm以下である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 加硫前のインナーライナー表面に無数の短繊維を付着させた後に加硫成形する、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
- 前記短繊維は、融点が120°C以上である、ことを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記短繊維は、平均長さが2mm以上30mm以下である、ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記短繊維は、平均直径が1μm以上500μm以下である、ことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- タイヤ内面に無数の短繊維が接着剤にて固着されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
- タイヤ内面に無数の短繊維が一部分を埋設して固着されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 前記短繊維の固着されている領域はタイヤ周方向に連続して設けられており、回転軸に沿った断面で見たときの前記短繊維の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上である、ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の空気入りタイヤ。
- 短繊維の固着されている領域において、前記短繊維は1平方センチメートル当たりに50本以上設けられている、ことを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 請求項9乃至請求項12の何れか1項に記載の空気入りタイヤをリムホイールに装着したことを特徴とするタイヤ・リム組立体。
- インナーライナー表面に不織布を付着させた生タイヤを加硫成形する、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
- 厚さが0.5mm以上の不織布を貼り付ける、ことを特徴とする請求項14に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記不織布を構成する繊維は、融点が120°C以上である、ことを特徴とする請求項14または請求項15に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記不織布を構成する繊維は、平均直径が1μm以上200μm以下である、ことを特徴とする請求項14乃至請求項16の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記不織布の目付は、10〜500g/m2である、ことを特徴とする請求項14乃至請求項17の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- タイヤ内面に不織布が固着されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 前記不織布の固着されている領域はタイヤ周方向に連続して設けられており、回転軸に沿った断面で見たときの前記不織布の固着されている領域のタイヤ内面に沿った長さが、リム装着時のタイヤ空気室に露出するタイヤ内面の露出幅に対して25%以上である、ことを特徴とする請求項19に記載の空気入りタイヤ。
- 前記不織布の目付は、10〜500g/m2である、ことを特徴とする、請求項19または請求項20に記載の空気入りタイヤ。
- 請求項19乃至請求項21の何れか1項に記載の空気入りタイヤをリムホイールに装着したことを特徴とするタイヤ・リム組立体。
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