JP2004082787A - リムホイール、リムホイールの製造方法、及びタイヤ・リム組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単で製造が容易な空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイールを提供すること。
【解決手段】リム16の外周面に静電植毛加工により無数の短繊維24を立設させる。無数の短繊維24がタイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、車内騒音を低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】リム16の外周面に静電植毛加工により無数の短繊維24を立設させる。無数の短繊維24がタイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、車内騒音を低減することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤを取り付ける車両用のリムホイール、リムホイールの製造方法、及びタイヤ・リム組立体に係り、特に、空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイール、空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイールの製造方法、及び空洞共鳴音の低減を図ることのできるタイヤ・リム組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤは、その構造上、タイヤ内部の円管長さに起因する空洞共鳴現象を有することが知られている。
【0003】
そしてい何れの乗用車用タイヤもその周長から空洞共鳴周波数は200〜270Hzとなり、不快な車室内騒音の一因となっている。
【0004】
発生要因がタイヤ内部の空気の共鳴であることから、従来の改良手法としては、タイヤ内部で吸音させる方法が有効であり、例えば、特開平1−115701号公報に記載されているように、リムホイールを加工する手法等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平1−115701号公報のリムホイールムは、空洞部を設けた特殊構造であり、ブレーキディスクとの干渉問題があり、構造が複雑、製造工程が複雑等の理由によりコスト高ともなっている。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、上記問題を解消し、構造が簡単で製造が容易な空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイール、空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイールを容易に製造することのできるリムホイールの製造方法、及び構造が簡単で製造が容易な空洞共鳴音の低減を図ることのできるタイヤ・リム組立体を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のリムホイールは、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に、前記外周面に対して立設する無数の短繊維が接着剤にて固着されている、ことを特徴としている。
【0008】
次に、請求項1に記載のリムホイールの作用を説明する。
【0009】
請求項1に記載のリムホイールは、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に、外周面に対して立設する無数の短繊維が接着剤にて固着されているので、タイヤを装着したときに形成される空気室内面に対してこれらの短繊維が設けられることになる。
【0010】
リム外周面に対して立設する無数の短繊維は、空洞共鳴音を吸音するので、これにより車内騒音を低減することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリムホイールにおいて、前記短繊維の固着されている領域はリム周方向に連続して設けられており、回転軸に沿った断面で見たときの前記短繊維の固着されている領域のリム外周面に沿った長さが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するリム外周面の露出幅に対して60%以上である、ことを特徴としている。
【0012】
次に、請求項2に記載のリムホイールの作用を説明する。
【0013】
短繊維の固着されている領域をリム周方向に連続して設け、かつ回転軸に沿った断面で見たときの短繊維の固着されている領域のリム外周面に沿った長さを、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するリム外周面の露出幅に対して60%以上とすることにより、空洞共鳴を確実に低減することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のリムホイールにおいて、短繊維の固着されている領域において、前記短繊維は1平方センチメートル当たりに50本以上設けられている、ことを特徴としている。
【0015】
次に、請求項3に記載のリムホイールの作用を説明する。
【0016】
短繊維の密度が低いと、空洞共鳴の低減効果が不足する。
【0017】
空洞共鳴の低減効果を確実に得るには、短繊維の固着されている領域において、短繊維は1平方センチメートル当たりに50本(平均値)以上設けることが好ましい。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のリムホイールにおいて、前記短繊維は、平均長さが1mm以上である、ことを特徴としている。
【0019】
次に、請求項4に記載のリムホイールの作用を説明する。
【0020】
短繊維の平均長さを1mm以上とすることにより、空洞共鳴音を確実に低減することができる。
【0021】
請求項5に記載のリムホイールの製造方法は、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に接着剤を塗布する工程と、前記接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる工程と、を有することを特徴としている。
【0022】
次に、請求項5に記載のリムホイールの製造方法を説明する。
【0023】
請求項5に記載のリムホイールの製造方法では、先ず最初に、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に接着剤を塗布する。
【0024】
次に、接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる。
【0025】
これにより、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位にのみ無数の短繊維を固着させることができる。
【0026】
なお、接着剤は、リムホイールを回転させながらローラ等で塗布することができる。
【0027】
これにより、吸音効果を得ることのできるリムホイールを効率的に製造することができる。
【0028】
なお、短繊維は、タイヤのビード部と接触する部位には接着しないので、タイヤを装着した際に、リムとタイヤとの間の気密を保つことができる。
【0029】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のリムホイールの製造方法において、静電植毛加工により前記短繊維を前記リムの外周面に設けた、ことを特徴としている。
【0030】
次に、請求項6に記載のリムホイールの製造方法を説明する。
【0031】
無数の短繊維は種々の方法でリム外周面に接着させることが出来るが、静電植毛加工を用いることにより、無数の短繊維を簡単にリム外周面に立設させた状態で固着させることができ、吸音効果を得ることのできるリムホイールを効率的に製造することができる。
【0032】
静電植毛加工は、短繊維を帯電させ、静電気力により、予め接着剤を塗布した物体に短繊維を垂直に植毛する加工技術であるため、複雑な形状の物体表面にも均一に短繊維を植毛することができ、凹凸のあるリム外周面に短繊維を植毛するのに適している。
【0033】
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載のリムホイールの製造方法において、前記短繊維は、平均長さが1mm以上10mm以下である、ことを特徴としている。
【0034】
次に、請求項7に記載のリムホイールの製造方法を説明する。
【0035】
短繊維の平均長さが1mm未満では、空洞共鳴音を低減することができなくなる。
【0036】
一方、短繊維の平均長さが10mmを越えると、短繊維同士が絡み易くなって作業性が悪化すると共に、リム外周面への均一な分散が困難となり、吸音効果が十分に発現できなくなる虞がある。
【0037】
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載のリムホイールの製造方法において、前記短繊維は、平均直径が1μm以上〜500μm以下である、ことを特徴としている。
【0038】
次に、請求項8に記載のリムホイールの製造方法を説明する。
【0039】
短繊維の平均直径が1μm未満になると、短繊維の製造工程において糸切れが多発し、短繊維の生産性が低下する。
【0040】
一方、短繊維の平均直径が500μmを超えると、短繊維の総重量が大きくなり、ホイールの回転バランスに影響する。
【0041】
請求項9に記載のタイヤ・リム組立体は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のリムホイールにタイヤを装着したことを特徴としている。
【0042】
次に、請求項9に記載のタイヤ・リム組立体の作用を説明する。
【0043】
請求項9に記載のタイヤ・リム組立体では、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のリムホイールを用いているので、無数の短繊維が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明のリムホイールの一実施形態を図1にしたがって説明する。
【0045】
図1に示すように、本実施形態のタイヤ・リム組立体8は、アルミニューム合金製のリムホイール10(サイズ:14−6JJ)にタイヤ(サイズ:195/65R14)12を装着して空気を充填(200kPa)したものである。
【0046】
リムホイール10は、ディスク14の外周部に一体的にリム16が設けられ、このリム16には、ウエル18、タイヤビードシート20、フランジ22が形成されている。
【0047】
以上の構成は通常の車両用リムホイールと同様である。
【0048】
このリム16の外周面には、タイヤ12のビード部13と接触しない位置に、無数の短繊維24が接着剤にて固定されている。
【0049】
短繊維24は、リム16の外周面に対して出来る限り直角に立設していることが好ましい。
【0050】
本実施形態では、短繊維24を静電植毛加工によりリム16の外周面に固定している。
【0051】
短繊維24としては、有機合成繊維、無機繊維、再生繊維、天然繊維等を用いることができる。
【0052】
有機合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ケブラー等の芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリメチルメタクリレート等のポリエステル、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリスチレン、及びこれらの共重合体等が上げられる。
【0053】
無機繊維としては、例えば、カーボン繊維、グラスファイバー等が挙げられる。
【0054】
再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ等が挙げられる。
【0055】
天然繊維としては、例えば、綿、絹、羊毛等が挙げられる。
【0056】
短繊維24は、平均長さが1mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0057】
短繊維24は、平均直径が1μm以上500μm以下であることが好ましい。
【0058】
短繊維24は、リム周方向に連続して設け、短繊維24の固着されている領域のリム外周面に沿った長さWsが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するリム外周面の露出幅Wrに対して60%以上であることが好ましい。
【0059】
短繊維24の固着されている領域は、リム周方向に連続して設けることが好ましい。
【0060】
短繊維24の固着されている領域において、短繊維24は1平方センチメートル当たりに50本以上設けることが好ましい。
【0061】
本実施形態では、短繊維24に、平均長さ4mm、平均直径10μmのポリエチレン繊維を用いており、短繊維24を固着した領域は、リム周方向に連続して設けており、短繊維24の固着されている領域のリム外周面に沿った長さWsが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するリム外周面の露出幅Wrに対して80%である。また、短繊維24の固着されている領域において、短繊維24は1平方センチメートル当たりに約100本設けられている。
(作用)
次に、本実施形態のタイヤ・リム組立体8の作用を説明する。
【0062】
本実施形態のタイヤ・リム組立体8では、リム16の外周面に立設する無数の短繊維24が、タイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、これにより車内騒音を低減することができる。
【0063】
本実施形態では、無数の短繊維24を静電植毛加工によりリム外周面に設けたたので、吸音効果を得ることのできるリムホイール10を効率的に製造することができる。
【0064】
短繊維24は、リム外表面に対して直角である方が吸音効果を発揮する上で好ましく、静電植毛加工を用いれば無数の短繊維24をリム外周面に対して略直角に立設させることができる。
【0065】
なお、短繊維24の固着されている領域において、1平方センチメートル当たりの短繊維24の本数が50本未満になると、空洞共鳴音を吸収する能力が不足する。
【0066】
短繊維24の平均長さが1mm未満では、空洞共鳴音を低減することができなくなり、短繊維24の平均長さが10mmを越えると、短繊維24同士が絡み易くなって作業性が悪化すると共に、リム外周面への均一な分散が困難となり、吸音効果が十分に発現できなくなる虞がある。
【0067】
短繊維24の平均直径が1μm未満になると、短繊維24の製造工程において糸切れが多発し、短繊維24の生産性が低下し、短繊維24の平均直径が500μmを超えると、短繊維24の総重量が大きくなり、ホイールの回転バランスに影響する。
【0068】
本実施形態では、乗用車用のリムホイール10を例にとって説明したが、本発明は、トラック・バス用、軽トラック用、二輪車用等の他のリムホイールにも適用できることは勿論である。
(試験例)
本発明のタイヤ・リム組立体の効果を確かめるために、従来例のタイヤ・リム組立体、及び本発明の適用された実施例のタイヤ・リム組立体を用意し、実車にて車内騒音を測定した。
【0069】
試験は、タイヤ・リム組立体を2000ccクラスの乗用車に装着し、二名乗車相当で、車速50km/hで荒れたアスファルト路を走行させ、ドライバーの耳元で騒音を測定した。
【0070】
実施例のタイヤ・リム組立体は上記実施形態で説明したタイヤ・リム組立体であり、従来例のタイヤ・リム組立体はリム外周面に短繊維が設けられていない点以外は実施例のタイヤ・リム組立体と同様のものである。
【0071】
試験の結果、本発明の適用された実施例のタイヤ・リム組立体は、従来例のタイヤ・リム組立体に比較して車内騒音が約4dB低下しており、空洞共鳴音が効果的に低減されていることが分かった。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のリムホイールは上記の構成としたので、簡単に製造でき、タイヤを装着してタイヤ・リム組立体とした場合に空洞共鳴音を低減できる、という優れた効果を有する。
【0073】
本発明のリムホイールの製造方法によれば、空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイールを容易に製造することができる、という優れた効果を有する。
【0074】
また、本発明のタイヤ・リム組立体によれば、空洞共鳴音の低減を図ることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るタイヤ・リム組立体の軸線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 リムホイール
16 リム
24 短繊維
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤを取り付ける車両用のリムホイール、リムホイールの製造方法、及びタイヤ・リム組立体に係り、特に、空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイール、空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイールの製造方法、及び空洞共鳴音の低減を図ることのできるタイヤ・リム組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤは、その構造上、タイヤ内部の円管長さに起因する空洞共鳴現象を有することが知られている。
【0003】
そしてい何れの乗用車用タイヤもその周長から空洞共鳴周波数は200〜270Hzとなり、不快な車室内騒音の一因となっている。
【0004】
発生要因がタイヤ内部の空気の共鳴であることから、従来の改良手法としては、タイヤ内部で吸音させる方法が有効であり、例えば、特開平1−115701号公報に記載されているように、リムホイールを加工する手法等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平1−115701号公報のリムホイールムは、空洞部を設けた特殊構造であり、ブレーキディスクとの干渉問題があり、構造が複雑、製造工程が複雑等の理由によりコスト高ともなっている。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、上記問題を解消し、構造が簡単で製造が容易な空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイール、空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイールを容易に製造することのできるリムホイールの製造方法、及び構造が簡単で製造が容易な空洞共鳴音の低減を図ることのできるタイヤ・リム組立体を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のリムホイールは、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に、前記外周面に対して立設する無数の短繊維が接着剤にて固着されている、ことを特徴としている。
【0008】
次に、請求項1に記載のリムホイールの作用を説明する。
【0009】
請求項1に記載のリムホイールは、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に、外周面に対して立設する無数の短繊維が接着剤にて固着されているので、タイヤを装着したときに形成される空気室内面に対してこれらの短繊維が設けられることになる。
【0010】
リム外周面に対して立設する無数の短繊維は、空洞共鳴音を吸音するので、これにより車内騒音を低減することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリムホイールにおいて、前記短繊維の固着されている領域はリム周方向に連続して設けられており、回転軸に沿った断面で見たときの前記短繊維の固着されている領域のリム外周面に沿った長さが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するリム外周面の露出幅に対して60%以上である、ことを特徴としている。
【0012】
次に、請求項2に記載のリムホイールの作用を説明する。
【0013】
短繊維の固着されている領域をリム周方向に連続して設け、かつ回転軸に沿った断面で見たときの短繊維の固着されている領域のリム外周面に沿った長さを、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するリム外周面の露出幅に対して60%以上とすることにより、空洞共鳴を確実に低減することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のリムホイールにおいて、短繊維の固着されている領域において、前記短繊維は1平方センチメートル当たりに50本以上設けられている、ことを特徴としている。
【0015】
次に、請求項3に記載のリムホイールの作用を説明する。
【0016】
短繊維の密度が低いと、空洞共鳴の低減効果が不足する。
【0017】
空洞共鳴の低減効果を確実に得るには、短繊維の固着されている領域において、短繊維は1平方センチメートル当たりに50本(平均値)以上設けることが好ましい。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のリムホイールにおいて、前記短繊維は、平均長さが1mm以上である、ことを特徴としている。
【0019】
次に、請求項4に記載のリムホイールの作用を説明する。
【0020】
短繊維の平均長さを1mm以上とすることにより、空洞共鳴音を確実に低減することができる。
【0021】
請求項5に記載のリムホイールの製造方法は、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に接着剤を塗布する工程と、前記接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる工程と、を有することを特徴としている。
【0022】
次に、請求項5に記載のリムホイールの製造方法を説明する。
【0023】
請求項5に記載のリムホイールの製造方法では、先ず最初に、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に接着剤を塗布する。
【0024】
次に、接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる。
【0025】
これにより、リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位にのみ無数の短繊維を固着させることができる。
【0026】
なお、接着剤は、リムホイールを回転させながらローラ等で塗布することができる。
【0027】
これにより、吸音効果を得ることのできるリムホイールを効率的に製造することができる。
【0028】
なお、短繊維は、タイヤのビード部と接触する部位には接着しないので、タイヤを装着した際に、リムとタイヤとの間の気密を保つことができる。
【0029】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のリムホイールの製造方法において、静電植毛加工により前記短繊維を前記リムの外周面に設けた、ことを特徴としている。
【0030】
次に、請求項6に記載のリムホイールの製造方法を説明する。
【0031】
無数の短繊維は種々の方法でリム外周面に接着させることが出来るが、静電植毛加工を用いることにより、無数の短繊維を簡単にリム外周面に立設させた状態で固着させることができ、吸音効果を得ることのできるリムホイールを効率的に製造することができる。
【0032】
静電植毛加工は、短繊維を帯電させ、静電気力により、予め接着剤を塗布した物体に短繊維を垂直に植毛する加工技術であるため、複雑な形状の物体表面にも均一に短繊維を植毛することができ、凹凸のあるリム外周面に短繊維を植毛するのに適している。
【0033】
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載のリムホイールの製造方法において、前記短繊維は、平均長さが1mm以上10mm以下である、ことを特徴としている。
【0034】
次に、請求項7に記載のリムホイールの製造方法を説明する。
【0035】
短繊維の平均長さが1mm未満では、空洞共鳴音を低減することができなくなる。
【0036】
一方、短繊維の平均長さが10mmを越えると、短繊維同士が絡み易くなって作業性が悪化すると共に、リム外周面への均一な分散が困難となり、吸音効果が十分に発現できなくなる虞がある。
【0037】
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載のリムホイールの製造方法において、前記短繊維は、平均直径が1μm以上〜500μm以下である、ことを特徴としている。
【0038】
次に、請求項8に記載のリムホイールの製造方法を説明する。
【0039】
短繊維の平均直径が1μm未満になると、短繊維の製造工程において糸切れが多発し、短繊維の生産性が低下する。
【0040】
一方、短繊維の平均直径が500μmを超えると、短繊維の総重量が大きくなり、ホイールの回転バランスに影響する。
【0041】
請求項9に記載のタイヤ・リム組立体は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のリムホイールにタイヤを装着したことを特徴としている。
【0042】
次に、請求項9に記載のタイヤ・リム組立体の作用を説明する。
【0043】
請求項9に記載のタイヤ・リム組立体では、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のリムホイールを用いているので、無数の短繊維が空洞共鳴音を吸音し、車内騒音を低減することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明のリムホイールの一実施形態を図1にしたがって説明する。
【0045】
図1に示すように、本実施形態のタイヤ・リム組立体8は、アルミニューム合金製のリムホイール10(サイズ:14−6JJ)にタイヤ(サイズ:195/65R14)12を装着して空気を充填(200kPa)したものである。
【0046】
リムホイール10は、ディスク14の外周部に一体的にリム16が設けられ、このリム16には、ウエル18、タイヤビードシート20、フランジ22が形成されている。
【0047】
以上の構成は通常の車両用リムホイールと同様である。
【0048】
このリム16の外周面には、タイヤ12のビード部13と接触しない位置に、無数の短繊維24が接着剤にて固定されている。
【0049】
短繊維24は、リム16の外周面に対して出来る限り直角に立設していることが好ましい。
【0050】
本実施形態では、短繊維24を静電植毛加工によりリム16の外周面に固定している。
【0051】
短繊維24としては、有機合成繊維、無機繊維、再生繊維、天然繊維等を用いることができる。
【0052】
有機合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ケブラー等の芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリメチルメタクリレート等のポリエステル、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリスチレン、及びこれらの共重合体等が上げられる。
【0053】
無機繊維としては、例えば、カーボン繊維、グラスファイバー等が挙げられる。
【0054】
再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ等が挙げられる。
【0055】
天然繊維としては、例えば、綿、絹、羊毛等が挙げられる。
【0056】
短繊維24は、平均長さが1mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0057】
短繊維24は、平均直径が1μm以上500μm以下であることが好ましい。
【0058】
短繊維24は、リム周方向に連続して設け、短繊維24の固着されている領域のリム外周面に沿った長さWsが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するリム外周面の露出幅Wrに対して60%以上であることが好ましい。
【0059】
短繊維24の固着されている領域は、リム周方向に連続して設けることが好ましい。
【0060】
短繊維24の固着されている領域において、短繊維24は1平方センチメートル当たりに50本以上設けることが好ましい。
【0061】
本実施形態では、短繊維24に、平均長さ4mm、平均直径10μmのポリエチレン繊維を用いており、短繊維24を固着した領域は、リム周方向に連続して設けており、短繊維24の固着されている領域のリム外周面に沿った長さWsが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するリム外周面の露出幅Wrに対して80%である。また、短繊維24の固着されている領域において、短繊維24は1平方センチメートル当たりに約100本設けられている。
(作用)
次に、本実施形態のタイヤ・リム組立体8の作用を説明する。
【0062】
本実施形態のタイヤ・リム組立体8では、リム16の外周面に立設する無数の短繊維24が、タイヤ空気室内で発生した空洞共鳴音を吸音するので、これにより車内騒音を低減することができる。
【0063】
本実施形態では、無数の短繊維24を静電植毛加工によりリム外周面に設けたたので、吸音効果を得ることのできるリムホイール10を効率的に製造することができる。
【0064】
短繊維24は、リム外表面に対して直角である方が吸音効果を発揮する上で好ましく、静電植毛加工を用いれば無数の短繊維24をリム外周面に対して略直角に立設させることができる。
【0065】
なお、短繊維24の固着されている領域において、1平方センチメートル当たりの短繊維24の本数が50本未満になると、空洞共鳴音を吸収する能力が不足する。
【0066】
短繊維24の平均長さが1mm未満では、空洞共鳴音を低減することができなくなり、短繊維24の平均長さが10mmを越えると、短繊維24同士が絡み易くなって作業性が悪化すると共に、リム外周面への均一な分散が困難となり、吸音効果が十分に発現できなくなる虞がある。
【0067】
短繊維24の平均直径が1μm未満になると、短繊維24の製造工程において糸切れが多発し、短繊維24の生産性が低下し、短繊維24の平均直径が500μmを超えると、短繊維24の総重量が大きくなり、ホイールの回転バランスに影響する。
【0068】
本実施形態では、乗用車用のリムホイール10を例にとって説明したが、本発明は、トラック・バス用、軽トラック用、二輪車用等の他のリムホイールにも適用できることは勿論である。
(試験例)
本発明のタイヤ・リム組立体の効果を確かめるために、従来例のタイヤ・リム組立体、及び本発明の適用された実施例のタイヤ・リム組立体を用意し、実車にて車内騒音を測定した。
【0069】
試験は、タイヤ・リム組立体を2000ccクラスの乗用車に装着し、二名乗車相当で、車速50km/hで荒れたアスファルト路を走行させ、ドライバーの耳元で騒音を測定した。
【0070】
実施例のタイヤ・リム組立体は上記実施形態で説明したタイヤ・リム組立体であり、従来例のタイヤ・リム組立体はリム外周面に短繊維が設けられていない点以外は実施例のタイヤ・リム組立体と同様のものである。
【0071】
試験の結果、本発明の適用された実施例のタイヤ・リム組立体は、従来例のタイヤ・リム組立体に比較して車内騒音が約4dB低下しており、空洞共鳴音が効果的に低減されていることが分かった。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のリムホイールは上記の構成としたので、簡単に製造でき、タイヤを装着してタイヤ・リム組立体とした場合に空洞共鳴音を低減できる、という優れた効果を有する。
【0073】
本発明のリムホイールの製造方法によれば、空洞共鳴音の低減を図ることのできるリムホイールを容易に製造することができる、という優れた効果を有する。
【0074】
また、本発明のタイヤ・リム組立体によれば、空洞共鳴音の低減を図ることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るタイヤ・リム組立体の軸線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 リムホイール
16 リム
24 短繊維
Claims (9)
- リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に、前記外周面に対して立設する無数の短繊維が接着剤にて固着されている、ことを特徴とするリムホイール。
- 前記短繊維の固着されている領域はリム周方向に連続して設けられており、回転軸に沿った断面で見たときの前記短繊維の固着されている領域のリム外周面に沿った平均長さが、タイヤ装着時のタイヤ空気室に露出するリム外周面の露出幅に対して60%以上である、ことを特徴とする請求項1に記載のリムホイール。
- 短繊維の固着されている領域において、前記短繊維は1平方センチメートル当たりに50本以上設けられている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリムホイール。
- 前記短繊維は、平均長さが1mm以上である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のリムホイール。
- リムの外周面でかつタイヤのビード部と接触しない部位に接着剤を塗布する工程と、前記接着剤を塗布した部位に無数の短繊維を接着させる工程と、を有することを特徴とするリムホイールの製造方法。
- 静電植毛加工により前記短繊維を前記リムの外周面に設けた、ことを特徴とする請求項5に記載のリムホイールの製造方法。
- 前記短繊維は、平均長さが1mm以上10mm以下である、ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のリムホイールの製造方法。
- 前記短繊維は、平均直径が1μm以上〜500μm以下である、ことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載のリムホイールの製造方法。
- 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のリムホイールにタイヤを装着したことを特徴とするタイヤ・リム組立体。
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