JPWO2013031165A1 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、製造が容易で確実に空洞共鳴音の低減を図ることができる空気入りタイヤに関し、より詳しくは、タイヤ内周面の少なくとも一部に短繊維(10)が固着されており、一枚以上のベルト層からなり且つタイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅がBWであるベルト(5)をトレッド部(3)に具える空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面における、タイヤ赤道面Eを中心としてタイヤ幅方向に1/2?BWの範囲からなるタイヤ中央領域Cと、該タイヤ中央領域Cのタイヤ幅方向外側端部からビード部(1)のタイヤ半径方向内側端部までの領域からなるタイヤ側部領域Sとが、タイヤ内周面に関して、下記式(1):タイヤ中央領域の短繊維の固着面積/タイヤ中央領域の面積 < タイヤ側部領域の短繊維の固着面積/タイヤ側部領域の面積 ・・・ (1)の関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤに関するものである。
Description
本発明は、空気入りタイヤ及び該空気入りタイヤの製造方法に関し、特には、空洞共鳴音を低減させるために、タイヤ内周面のタイヤ側部領域に複数の短繊維を立設させた低騒音タイヤ及びその製造方法に関するものである。
空気入りタイヤは、その構造上、タイヤ内部の円管長さに起因する空洞共鳴現象を有することが知られている。そして、いずれの空気入りタイヤにおいても、その周長から空洞共鳴周波数は200〜270Hzの範囲となり、不快な車室内騒音の一因となっている。
上記の通り、車室内騒音の発生要因がタイヤ内部の空気の共鳴であることから、従来の改良手法としては、タイヤ内部で吸音させる方法が有効であり、例えば、特開2004−82387号公報に記載されているように、タイヤ内周面に短繊維を接着する手法等が提案されている。
しかしながら、特開2004−82387号公報に記載されているように、タイヤ内周面の全領域に短繊維を接着すると、タイヤの重量が増加して、転がり抵抗が大きくなり、かかるタイヤを装着した車両の燃費を悪化させてしまうという問題があった。また、短繊維の接着によりトレッド部の剛性が上昇するため、車両の乗り心地を悪化させてしまうという問題もあった。更に、タイヤがパンクした場合、パンクシール剤を用いて修理しようとすると、トレッド部のタイヤ内周面の短繊維がパンクシール剤を吸収して、パンクシール剤の流動性が低下するため、修理効率が低下してしまうという問題もあった。
そこで、本発明は、上記事実を考慮し、上記の問題を解消し、製造が容易で確実に空洞共鳴音の低減を図ることができる空気入りタイヤ及び該空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、タイヤ内周面に短繊維を固着して設けるに際して、タイヤ側部領域における短繊維の固着面積の割合をタイヤ中央領域における短繊維の固着面積の割合よりも高くすることにより、製造が容易で確実に空洞共鳴音を低減できる上、タイヤの転がり抵抗の上昇及び乗り心地の悪化を抑制でき、更には、修理に際してパンクシール剤を用いても、短繊維がパンクシール剤を吸収するのを抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ内周面の少なくとも一部に短繊維が固着されており、一枚以上のベルト層からなり且つタイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅がBWであるベルトをトレッド部に具える空気入りタイヤにおいて、
タイヤ幅方向断面における、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に1/2×BWの範囲からなるタイヤ中央領域と、該タイヤ中央領域のタイヤ幅方向外側端部からビード部のタイヤ半径方向内側端部までの領域からなるタイヤ側部領域とが、タイヤ内周面に関して、下記式(1):
タイヤ中央領域の短繊維の固着面積/タイヤ中央領域の面積 < タイヤ側部領域の短繊維の固着面積/タイヤ側部領域の面積 ・・・ (1)
の関係を満たすことを特徴とする。
タイヤ幅方向断面における、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に1/2×BWの範囲からなるタイヤ中央領域と、該タイヤ中央領域のタイヤ幅方向外側端部からビード部のタイヤ半径方向内側端部までの領域からなるタイヤ側部領域とが、タイヤ内周面に関して、下記式(1):
タイヤ中央領域の短繊維の固着面積/タイヤ中央領域の面積 < タイヤ側部領域の短繊維の固着面積/タイヤ側部領域の面積 ・・・ (1)
の関係を満たすことを特徴とする。
なお、上記短繊維の固着面積とは、短繊維が固着されている領域の面積を指し、ここで、本発明においては、短繊維の密度が1平方センチメートル当たり50本以上の領域を、短繊維が固着されている領域とする。
また、本発明者らは、更に検討を進めた結果、タイヤ側部領域への短繊維の固着が空洞共鳴を低減する効果が高く、タイヤ内周面全域への短繊維の固着と効果が殆ど変わらないことを見出した。従って、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記タイヤ内周面の内、前記タイヤ側部領域のみに前記短繊維が固着されていることが好ましい。この場合、タイヤの転がり抵抗の上昇、乗り心地の悪化を確実に抑制でき、また、修理に際して、短繊維によるパンクシール剤の吸収を確実に抑制できる。
また、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記タイヤ内周面の内、前記タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向外側のみに前記短繊維が固着されていることも好ましい。この場合、短繊維が固着されていないタイヤに比べて、パンクシール剤の必要量を殆ど増加させずに、タイヤの空洞共鳴音を低減することができる。
本発明の空気入りタイヤの内周面において、前記短繊維が固着されているタイヤ側部領域の面積は、前記タイヤ側部領域の面積の50%以上であることが好ましい。この場合、空洞共鳴を確実に低減することができる。
本発明の空気入りタイヤの好適例においては、前記短繊維がタイヤ側部領域のタイヤ内周面に固着されている領域において、前記短繊維が1平方センチメートル当たり100本以上設けられている。この場合、空洞共鳴の低減効果を確実に得ることができる。なお、より優れた空洞共鳴低減効果を得る観点から、前記短繊維は、1平方センチメートル当たり1000本以上設けられていることが更に好ましく、1平方センチメートル当たり10000本以上50000本以下設けられていることが特に好ましい。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例において、前記短繊維は、平均長さが0.5mm〜10mmである。この場合、空洞共鳴音を低減する効果が十分に得られ、また、短繊維同士の絡み合いによるダマの発生を防止して、吸音効果を十分に発現させることができる。なお、同様の観点から、前記短繊維の平均長さは、2mm〜8mmが特に好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤの他の好適例において、前記短繊維は、平均直径が1μm〜500μmである。この場合、短繊維の製造工程における糸切れの発生を抑制して、短繊維の生産性の低下を抑制でき、また、タイヤの重量増による転がり抵抗の上昇を抑制して、タイヤを装着した車両の燃費の悪化を抑制することができる。
また、本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記短繊維の長さ(L)と直径(D)との比(L/D)が5≦L/D≦2000の範囲にある。この場合、空洞共鳴音を低減する効果を十分に確保でき、また、短繊維同士の絡み合いによるダマの発生を抑制して、吸音効果が十分に発現させることができる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記短繊維の固着されている領域が複数の短繊維群からなり、該複数の短繊維群が互いに独立して固着されていることが好ましい。この場合、仮に接着層がはがれることがあったとしても、はがれる範囲が極僅かで止まり、空洞共鳴抑制効果を維持することができる。
また、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、一枚以上のベルト層からなり且つタイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅がBWであるベルトをトレッド部に具え、タイヤ幅方向断面における、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に1/2×BWの範囲からなるタイヤ中央領域と、該タイヤ中央領域のタイヤ幅方向外側端部からビード部のタイヤ半径方向内側端部までの領域からなるタイヤ側部領域とからなる空気入りタイヤの製造方法であって、
前記タイヤ側部領域のタイヤ内周面に、接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤を塗布した部位に短繊維を接着させる工程と
を有することを特徴とする。本発明のタイヤの製造方法によれば、優れた吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
前記タイヤ側部領域のタイヤ内周面に、接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤を塗布した部位に短繊維を接着させる工程と
を有することを特徴とする。本発明のタイヤの製造方法によれば、優れた吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法の好適例においては、静電植毛加工により前記短繊維を前記タイヤ側部領域のタイヤ内周面に設ける。この場合、短繊維を簡単にタイヤ内周面に立設させた状態で固着させることができ、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
本発明によれば、タイヤ内周面の少なくとも一部に短繊維が固着されており、タイヤ側部領域における短繊維の固着面積の割合がタイヤ中央領域における短繊維の固着面積の割合によりも高く、製造が容易で確実に空洞共鳴音を低減できる上、転がり抵抗の上昇及び乗り心地の悪化が抑制されており、パンクシール剤を用いても、短繊維によるパンクシール剤の吸収が抑制されている空気入りタイヤを提供することができる。また、かかる空気入りタイヤの簡便な製造方法を提供することができる。
以下に、図を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの一実施態様の幅方向の断面図である。図1に示す空気入りタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、上記一対のビード部1間にトロイド状に延在してこれら各部1,2,3を補強する一枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記トレッド部3の前記カーカス4のタイヤ半径方向外側に配置された二枚のベルト層からなるベルト5と、該ベルト5のタイヤ半径方向外側に配置された一層のベルト補強層6と、前記ビード部1内に夫々埋設したビードコア7のタイヤ半径方向外側に配置されたビードフィラー8と、上記カーカス4のタイヤ内周面側に配置したインナーライナー9とを具える。
図示例のカーカス4は、一枚のカーカスプライから構成され、また、一対のビードコア7間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア7の周りで、タイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明の空気入りタイヤにおいて、カーカス4のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。また、図示例の空気入りタイヤにおいては、カーカス本体部とカーカス折り返し部との間にビードフィラー8が配置されている。
また、図示例の空気入りタイヤのトレッド部3においては、上記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側には二枚のベルト層からなるベルト5が配置されており、該ベルト層は、通常、タイヤ赤道面Eに対して傾斜して延びるスチールコードのゴム引き層からなり、二枚のベルト層は、該ベルト層を構成するスチールコードが互いにタイヤ赤道面Eを挟んで交差するように積層されてベルト5を構成する。なお、図中のベルト5は、タイヤ赤道面Eを挟んで左右対称であり、タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅がBWで、タイヤ赤道面Eからのタイヤ幅方向に1/2×BWの範囲が中央領域である。ここで、本発明において、タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅BWは、タイヤの最大幅の60〜90%の範囲であることが好ましい。また、図中のベルト5は、二枚のベルト層からなるが、本発明の空気入りタイヤにおいては、ベルト5を構成するベルト層の枚数は、三枚以上であってもよい。また、図示例の空気入りタイヤにおいては、一層のベルト補強層6が、ベルト5のタイヤ半径方向外側に配置されているが、本発明の空気入りタイヤは、ベルト補強層6を具えていなくてもよく、また、ベルト補強層6の枚数は、二枚以上であってもよい。
ここで、図1に示す空気入りタイヤにおいては、タイヤ内周面、即ち、インナーライナー9のタイヤ内周面側の一部に短繊維10が固着されている。そして、タイヤ幅方向断面における、タイヤ赤道面Eを中心としてタイヤ幅方向に1/2×BWの範囲(即ち、タイヤ赤道面Eを起点としてタイヤ幅方向にそれぞれ1/4×BWの範囲)をタイヤ中央領域Cとし、該タイヤ中央領域Cのタイヤ幅方向外側端部からビード部1のタイヤ半径方向内側端部1Aまでの領域をタイヤ側部領域S(即ち、タイヤのタイヤ中央領域C以外の領域)とした場合、タイヤ中央領域Cとタイヤ側部領域Sとが、タイヤ内周面(図1では、インナーライナー9のタイヤ内周面)に関して、下記式(1):
タイヤ中央領域の短繊維の固着面積/タイヤ中央領域の面積 < タイヤ側部領域の短繊維の固着面積/タイヤ側部領域の面積 ・・・ (1)
の関係を満たすことを要する。本発明の空気入りタイヤにおいては、タイヤ内周面の少なくとも一部に短繊維10が固着されて設けられているので、タイヤをリムに装着したときに形成される空気室内面に対してこれらの短繊維10が設けられることになる。そして、タイヤ内周面に固着された短繊維10は、空洞共鳴音を吸音するので、該短繊維10により空洞共鳴現象に起因する騒音を低減することができる。
タイヤ中央領域の短繊維の固着面積/タイヤ中央領域の面積 < タイヤ側部領域の短繊維の固着面積/タイヤ側部領域の面積 ・・・ (1)
の関係を満たすことを要する。本発明の空気入りタイヤにおいては、タイヤ内周面の少なくとも一部に短繊維10が固着されて設けられているので、タイヤをリムに装着したときに形成される空気室内面に対してこれらの短繊維10が設けられることになる。そして、タイヤ内周面に固着された短繊維10は、空洞共鳴音を吸音するので、該短繊維10により空洞共鳴現象に起因する騒音を低減することができる。
また、一般に、空気入りタイヤにおいては、重量増による転がり抵抗の上昇に対して、回転半径の大きいタイヤ中央領域Cの寄与が大きく、回転半径がより小さいタイヤ側部領域Sの寄与は小さいが、本発明の空気入りタイヤは、式(1)に規定するように、タイヤ中央領域Cの短繊維の固着面積の割合[タイヤ中央領域Cのタイヤ内周面の短繊維の固着面積/タイヤ中央領域Cのタイヤ内周面の面積]がタイヤ側部領域Sの短繊維の固着面積の割合[タイヤ側部領域Sのタイヤ内周面の短繊維の固着面積/タイヤ側部領域Sのタイヤ内周面の面積]よりも低いため、転がり抵抗の上昇が抑制されている。
また、タイヤ内周面において、タイヤ中央領域Cの短繊維の固着面積の割合がタイヤ側部領域Sの短繊維の固着面積の割合よりも低いため、トレッド部3の剛性の上昇も比較的抑制されており、その結果として、タイヤを装着した車両の乗り心地の悪化を抑制できる。
また、タイヤ内周面において、タイヤ中央領域Cの短繊維の固着面積の割合がタイヤ側部領域Sの短繊維の固着面積の割合よりも低いため、タイヤがパンクした場合において、パンクシール剤を用いて修理を試みても、タイヤ中央領域Cの内周面の短繊維がパンクシール剤を吸収することが抑制されており、その結果として、パンクシール剤の流動性の低下を抑制して、修理効率の低下を抑制することもできる。
ここで、上記短繊維10としては、有機合成繊維、無機繊維、再生繊維、天然繊維等の短繊維を用いることができる。また、有機合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ケブラー等の芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリメチルメタクリレート等のポリエステル、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン、及びこれらの共重合体等からなる繊維が挙げられる。また、無機繊維としては、例えば、カーボン繊維、グラスファイバー等が挙げられる。また、再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ等が挙げられる。また、天然繊維としては、例えば、綿、絹、羊毛等が挙げられる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記タイヤ内周面の内、前記タイヤ側部領域Sのみに前記短繊維10が固着されていることが好ましい。タイヤ側部領域Sの内周面のみに短繊維10が固着されている場合、転がり抵抗の上昇や乗り心地の悪化への寄与が大きいタイヤ中央領域Cの内周面には短繊維10が設けられていないため、転がり抵抗の上昇及び乗り心地の悪化を確実に抑制できる。また、タイヤ中央領域Cの内周面には短繊維10が設けられていないため、修理に際して、短繊維10によるパンクシール剤の吸収を確実に抑制できる。
また、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記タイヤ内周面の内、前記タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向外側[即ち、タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向外側端部を通るタイヤ赤道面Eに平行な面とタイヤ内周面との交差線(但し、交差線が複数ある場合は、タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向外側端部に最も近い交差線とする)からビード部1のタイヤ半径方向内側端部1Aまでの領域]のみに前記短繊維10が固着されていることも好ましい。タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向外側のタイヤ内周面のみに短繊維10が固着されている場合、タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ半径方向内側のタイヤ内周面には短繊維10が設けられていないため、修理に際して、短繊維10によるパンクシール剤の吸収を確実に抑制でき、短繊維が固着されていないタイヤに比べて、パンクシール剤の必要量を殆ど増加させずに、タイヤの空洞共鳴音を低減することができる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記タイヤ内周面において、前記短繊維10が固着されているタイヤ側部領域Sの面積は、前記タイヤ側部領域Sの面積の50%以上であることが好ましい。タイヤ側部領域Sにおいて、短繊維がタイヤ内周面に固着されている領域の面積を、タイヤ側部領域Sのタイヤ内周面の面積の50%以上にすることにより、空洞共鳴を確実に低減することができる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記短繊維10が前記タイヤ側部領域Sのタイヤ内周面に固着されている領域において、前記短繊維10が1平方センチメートル当たり100本以上設けられていることが好ましく、1平方センチメートル当たり1000本以上設けられていることが更に好ましく、1平方センチメートル当たり10000本以上50000本以下設けられていることが特に好ましい。短繊維の密度が低いと、空洞共鳴の低減効果が不足するため、空洞共鳴の低減効果を確実に得るには、短繊維の固着されている領域において、短繊維を1平方センチメートル当たりに100本(平均値)以上設けることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記短繊維の平均長さが0.5mm〜10mmであることが好ましく、2mm〜8mmであることが特に好ましい。短繊維の平均長さが0.5mm未満では、空洞共鳴音を低減する効果が小さくなる。一方、短繊維の平均長さが10mmを超えると、短繊維同士の絡み合いによるダマが発生し、吸音効果が十分に発現できなくなるおそれがある。
また、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記短繊維の平均直径が1μm〜500μmであることが好ましい。短繊維の平均直径が1μm未満になると、短繊維の製造工程において糸切れが多発し、短繊維の生産性が低下する。一方、短繊維の平均直径が500μmを超えると、タイヤとしての重量増が転がり抵抗に影響するレベルとなり、本発明の空気入りタイヤを装着した車両の燃費の悪化をまねくおそれがある。
また、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記短繊維の長さ(L)と直径(D)との比(L/D)が5≦L/D≦2000の範囲にあることが好ましい。短繊維の長さと直径の比(L/D)が5未満では、空洞共鳴音を低減する効果が小さくなる。一方、短繊維の長さと直径の比(L/D)が2000を超えると、短繊維同士の絡み合いによるダマが発生し、吸音効果が十分に発現できなくなるおそれがある。
また、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記短繊維の固着されている領域が複数の短繊維群からなり、該複数の短繊維群が互いに独立して固着されていることが好ましい。短繊維の固着されている領域を、連続せずに設けることにより、仮に接着層がはがれることがあったとしても、はがれる範囲が極僅かで止まり、空洞共鳴抑制効果を維持することができる。
また、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、トレッド部3に一枚以上のベルト層からなるベルト5を具える空気入りタイヤの製造方法であって、ベルト5のタイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅をBWとし、タイヤ幅方向断面において、タイヤ赤道面Eを中心としてタイヤ幅方向に1/2×BWの範囲をタイヤ中央領域Cとし、該タイヤ中央領域Cのタイヤ幅方向外側端部からビード部1のタイヤ半径方向内側端部1Aまでの領域をタイヤ側部領域Sとした際に、(i)前記タイヤ側部領域Sのタイヤ内周面に、接着剤を塗布する工程と、(ii)前記接着剤を塗布した部位に短繊維10を接着させる工程とを有することを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、まずタイヤ側部領域Sの内周面の短繊維接着部位に接着剤を塗布し、次に、接着剤を塗布した部位に短繊維10を接着させることにより、上述したような優れた吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。ここで、使用する接着剤は特に限定されず、任意の接着剤を使用することができる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法においては、静電植毛加工により前記短繊維10をタイヤ側部領域Sのタイヤ内周面に設けることが好ましい。短繊維10は、種々の方法でタイヤ内周面に接着させることができるが、静電植毛加工を用いることにより、短繊維10を簡単にタイヤ内周面に立設させた状態で固着させることができ、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
静電植毛加工は、短繊維を帯電させ、静電気力により、予め接着剤を塗布した物体に短繊維を垂直に植毛する加工技術であるため、複雑な形状の物体表面にも均一に短繊維を植毛することができ、3次元的に曲率をもったタイヤ内周面に短繊維10を植毛するのに適している。
上述した本発明の空気入りタイヤは、通常、リムに組み付けられ、タイヤとリムとの組立体として、目的の車両に取り付けられて使用される。ここで、空洞共鳴低減効果を更に高めるために、リムの一部又は全面に上述した短繊維を固着してもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1及び比較例1〜2>
同一仕様のタイヤを用い、タイヤ内周面のタイヤ側部領域に短繊維を静電植毛加工したタイヤ(実施例1)と、タイヤ内周面に短繊維を設けないタイヤ(比較例1)と、タイヤ内周面の全面に短繊維を静電植毛加工したタイヤ(比較例2)とを準備し、各タイヤに対して、以下のようにして、実車車内音を測定した。
同一仕様のタイヤを用い、タイヤ内周面のタイヤ側部領域に短繊維を静電植毛加工したタイヤ(実施例1)と、タイヤ内周面に短繊維を設けないタイヤ(比較例1)と、タイヤ内周面の全面に短繊維を静電植毛加工したタイヤ(比較例2)とを準備し、各タイヤに対して、以下のようにして、実車車内音を測定した。
なお、実施例1のタイヤにおいては、太さ15デニール(φ45μm)、長さ2.5mmのナイロン製短繊維約20gを、タイヤ側部領域のタイヤ内周面に静電植毛加工した(1平方センチメートル当たりの短繊維の本数=約2万本)。ここで、実施例1のタイヤにおいて、短繊維がタイヤ中央領域のタイヤ内周面に固着されている領域の面積はタイヤ中央領域のタイヤ内周面の面積の0%であり、また、短繊維がタイヤ側部領域のタイヤ内周面に固着されている領域の面積はタイヤ側部領域のタイヤ内周面の面積の75%で4つの領域に分割されている。
また、比較例2のタイヤにおいては、太さ15デニール(φ45μm)、長さ2.5mmのナイロン製短繊維約40gを、タイヤ内周面の全面に静電植毛加工した(1平方センチメートル当たりの短繊維の本数=約2万本)。
また、タイヤは、図1に示す構造を有するサイズ205/55R16の一般的な市販品であり、使用リムは6.5JJ−16である。なお、タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅BWは、タイヤの最大幅の78%である。
上記タイヤを2000ccクラスの乗用車に装着し、1名乗車で、速度50km/hの条件で、荒れたアスファルト路を走行し、ドライバーの耳元に設置したマイクロホンにて、騒音を測定した。周波数スペクトルを図2に示す。
図2において、225Hz、235Hz付近に見られるピークが空洞共鳴によるものであるが、実施例1のタイヤでは、約2〜5dBと大きな低減効果が得られていることが分かる。また、タイヤ側部領域のタイヤ内周面だけに短繊維を設けた実施例1のタイヤは、タイヤ内周面の全面に短繊維を設けた比較例2のタイヤと同等の騒音低減効果を示していることが分かる。
<実施例2〜4>
短繊維がタイヤ側部領域のタイヤ内周面に固着されている領域の面積の割合を表1に示す値に変更する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表1に示す。
短繊維がタイヤ側部領域のタイヤ内周面に固着されている領域の面積の割合を表1に示す値に変更する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表1に示す。
表1に示す結果から、空洞共鳴音を低減する観点から、タイヤ内周面において、短繊維が固着されているタイヤ側部領域の面積は、タイヤ側部領域の面積の50%以上が好ましいことが分かる。
<実施例5〜8>
1平方センチメートル当たりの短繊維の本数を表2に示す値に変更する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表2に示す。
1平方センチメートル当たりの短繊維の本数を表2に示す値に変更する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表2に示す。
表2に示す結果から、空洞共鳴音を低減する観点から、1平方センチメートル当たりの短繊維の本数は100本以上が好ましく、1000本以上が更に好ましいことが分かる。
<実施例9〜14>
短繊維として、表3に示す平均長さの短繊維を使用する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表3に示す。
短繊維として、表3に示す平均長さの短繊維を使用する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表3に示す。
表3に示す結果から、短繊維の平均長さが0.5mm〜10mmの範囲であれば、空洞共鳴音を低減する効果が高く、また、短繊維の平均長さが2mm〜8mmの範囲であれば、空洞共鳴音を大幅に低減できることが分かる。
<実施例15〜20>
短繊維として、長さ(L)と直径(D)との比(L/D)が表4に示す値の短繊維を使用する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表4に示す。
短繊維として、長さ(L)と直径(D)との比(L/D)が表4に示す値の短繊維を使用する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表4に示す。
表4に示す結果から、短繊維の長さ(L)と直径(D)との比(L/D)が5〜2000の範囲であれば、空洞共鳴音を大幅に低減できることが分かる。
<実施例21〜26>
短繊維として、表5に示す平均直径の短繊維を使用する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表5に示す。
短繊維として、表5に示す平均直径の短繊維を使用する以外は、実施例1と同様のタイヤを準備し、各タイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定した。比較例1のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を表5に示す。
また、ドラム上に供試タイヤを接触させながらドラムを回転させ、一定速度まで上昇後、ドラムの駆動スイッチを切り、ドラムを自由回転させ、減速の度合いより転がり抵抗を求め、比較例1のタイヤの転がり抵抗を100として指数表示した。指数値が小さい程、転がり抵抗が小さく良好であることを示す。
表5に示す結果から、短繊維の平均直径が5μm〜500μmの範囲で、転がり抵抗の上昇を抑制しつつ、空洞共鳴音を大幅に低減できることが分かる。
<実施例27〜29、比較例3〜4>
平均長さ4mmの短繊維を使用し、短繊維がタイヤ内周面に固着されている領域を、図3、図4、図1、図5に示すタイヤのように変更する以外は、実施例1と同様にして、サイズ235/50R18のタイヤを作製した。また、比較のために、タイヤ内周面に短繊維を設けないタイヤ(比較例3)も準備した。
平均長さ4mmの短繊維を使用し、短繊維がタイヤ内周面に固着されている領域を、図3、図4、図1、図5に示すタイヤのように変更する以外は、実施例1と同様にして、サイズ235/50R18のタイヤを作製した。また、比較のために、タイヤ内周面に短繊維を設けないタイヤ(比較例3)も準備した。
なお、図3に示す構造を有する供試タイヤ(比較例4)は、ビード部のタイヤ半径方向内側端部からタイヤ半径方向外側に15mmまでの領域を除いて短繊維が固着されている。
また、図4に示す構造を有する供試タイヤ(実施例27)は、ビード部のタイヤ半径方向内側端部からタイヤ半径方向外側に15mmまでの領域と、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に190mmの範囲(即ち、タイヤ赤道面を起点としてタイヤ幅方向にそれぞれ95mmの範囲)を除いて短繊維が固着されている(短繊維が固着されている面積は、図3に示すタイヤの44%)。
また、図1に示す構造を有する供試タイヤ(実施例28)は、ビード部のタイヤ半径方向内側端部からタイヤ半径方向外側に15mmまでの領域と、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に100mmの範囲(即ち、タイヤ赤道面を起点としてタイヤ幅方向にそれぞれ50mmの範囲)を除いて短繊維が固着されている(短繊維が固着されている面積は、図3に示すタイヤの70%)。
また、図5に示す構造を有する供試タイヤ(実施例29)は、図4に示す構造のタイヤに、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に100mmの範囲(即ち、タイヤ赤道面を起点としてタイヤ幅方向にそれぞれ50mmの範囲)に短繊維を固着して作製した(短繊維が固着されている面積は、図3に示すタイヤの79%)。
上記の供試タイヤに対し、パンクシール剤の必要量を評価した。評価は、トレッドに穴を空け、供試タイヤ内に外部からパンクシール剤(補修液)を注入し、内圧を充填した後、一定速度にて距離約5kmを走行させて行った。走行を終了したタイヤは倒さないように取り外し、そのままの状態で保持台に固定し、サイドウォール部をカットし、タイヤ内に残ったパンクシール剤を回収し、トレッド部のタイヤ内面のパンクシール剤の拡がり具合を確認した。結果を表6及び図6Aに示す。
更に、比較例3〜4及び実施例27〜29のタイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定し、比較例3のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を測定した。パンクシール剤の必要量と235Hz付近のピークの低減量の関係を図7Aに示す。
<実施例30〜31、比較例5>
平均長さ2.5mmの短繊維を使用する以外は、実施例27、実施例28、比較例4と同様にしてタイヤを作製し、上記の方法で、パンクシール剤の必要量を評価した。結果を表7及び図6Bに示す。
平均長さ2.5mmの短繊維を使用する以外は、実施例27、実施例28、比較例4と同様にしてタイヤを作製し、上記の方法で、パンクシール剤の必要量を評価した。結果を表7及び図6Bに示す。
更に、比較例5、並びに、実施例30及び31のタイヤに対して、上記のようにして、実車車内音を測定し、比較例3のタイヤの結果を基準として、低減効果の最も顕著な235Hz付近に見られるピークの低減量を測定した。パンクシール剤の必要量と235Hz付近のピークの低減量の関係を図7Bに示す。
図6A及び図6Bから、タイヤ内周面の内、タイヤ側部領域のみに短繊維が固着されているタイヤ(実施例28、実施例31)は、短繊維が固着されている面積が広くても、パンクシール剤の必要量が少ないことが分かる。
また、図7A及び図7Bから、タイヤ内周面の内、タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向外側のみに短繊維が固着されているタイヤ(実施例27、実施例30)は、短繊維が固着されていないタイヤに比べて、パンクシール剤の必要量を殆ど増加させずに、タイヤの空洞共鳴音を低減できることが分かる。
1 ビード部
1A ビード部のタイヤ半径方向内側端部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 ベルト
6 ベルト補強層
7 ビードコア
8 ビードフィラー
9 インナーライナー
10 短繊維
BW タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅
E タイヤ赤道面
C タイヤ中央領域
S タイヤ側部領域
1A ビード部のタイヤ半径方向内側端部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 ベルト
6 ベルト補強層
7 ビードコア
8 ビードフィラー
9 インナーライナー
10 短繊維
BW タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅
E タイヤ赤道面
C タイヤ中央領域
S タイヤ側部領域
Claims (11)
- タイヤ内周面の少なくとも一部に短繊維が固着されており、一枚以上のベルト層からなり且つタイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅がBWであるベルトをトレッド部に具える空気入りタイヤにおいて、
タイヤ幅方向断面における、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に1/2×BWの範囲からなるタイヤ中央領域と、該タイヤ中央領域のタイヤ幅方向外側端部からビード部のタイヤ半径方向内側端部までの領域からなるタイヤ側部領域とが、タイヤ内周面に関して、下記式(1):
タイヤ中央領域の短繊維の固着面積/タイヤ中央領域の面積 < タイヤ側部領域の短繊維の固着面積/タイヤ側部領域の面積 ・・・ (1)
の関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記タイヤ内周面の内、前記タイヤ側部領域のみに前記短繊維が固着されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ内周面の内、前記タイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向外側のみに前記短繊維が固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ内周面において、前記短繊維が固着されているタイヤ側部領域の面積は、前記タイヤ側部領域の面積の50%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記短繊維が前記タイヤ側部領域のタイヤ内周面に固着されている領域において、前記短繊維が1平方センチメートル当たり100本以上設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記短繊維は、平均長さが0.5mm〜10mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記短繊維は、平均直径が1μm〜500μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記短繊維の長さ(L)と直径(D)との比(L/D)が5≦L/D≦2000の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記短繊維の固着されている領域が複数の短繊維群からなり、該複数の短繊維群が互いに独立して固着されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 一枚以上のベルト層からなり且つタイヤ半径方向最内側のベルト層のタイヤ幅方向の幅がBWであるベルトをトレッド部に具え、タイヤ幅方向断面における、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に1/2×BWの範囲からなるタイヤ中央領域と、該タイヤ中央領域のタイヤ幅方向外側端部からビード部のタイヤ半径方向内側端部までの領域からなるタイヤ側部領域とからなる空気入りタイヤの製造方法において、
前記タイヤ側部領域のタイヤ内周面に、接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤を塗布した部位に短繊維を接着させる工程と
を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。 - 静電植毛加工により前記短繊維を前記タイヤ側部領域のタイヤ内周面に設けることを特徴とする請求項10に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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