JP4268564B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ロードノイズを低減しうる空気入りタイヤに関する。
走行中のタイヤには、路面の凹凸や自らの非均一性等によって振動が生じる。タイヤの振動の大部分は、車両のサスペンションによって吸収される。しかし、高周波数成分の振動(音)など一部の振動は、サスペンションだけでは吸収できない。これらは、ロードノイズとして車両の乗員に聴取される。
従来、ロードノイズを低減するために種々の提案がなされている。一つの提案として、ビード部に配されるビードコアの内周径を大きくすることが知られている。これにより、ビードコアの内周面とリムシート面との間のゴムボリュームを相対的に増加させ、このゴムによって車両側への振動伝達が抑制される。しかしながら、この方法は、リムに対するビード部の嵌合力を低下させるため、大きな横力が作用する旋回走行時などにビード部とリムとのズレないし脱落が生じやすい。
また、下記特許文献1には、図11(A)に示されるように、内部に液体又は気体を封止した中空のチューブ体aと、スチール製のビードワイヤcとを用いて形成されたビードコアbが提案されている。このようなチューブ体aは、中実のビードワイヤに比べると振動吸収性能に優れる。しかしながら、このような提案は、汎用的ではないチューブ体aを用いるため、生産性が悪くかつタイヤコストも上昇させるという欠点がある。
また、下記特許文献2には、図11(B)に示されるように、ビードワイヤcを並列したテープ状のビードワイヤ群を渦巻き状に巻回しかつその層間にゴム材eを配したビードコアbが提案されている。しかしながら、このようなビードコアbはリムに対するビード部の嵌合力が低下しやすいという欠点がある。また、タイヤ半径方向のワイヤ同士が大きく離間しているため、旋回走行時などには仮想線で示されるように、ビードコアbが平行四辺形状にせん断変形しやすく、ひいては操縦安定性が悪化する傾向がある。
特開2003−205713号公報 特開2003−11621号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、ビードコアの断面輪郭をなす外周位置で互いに近接して配された外周ビードワイヤが囲む内部領域に、1本のビードワイヤが配設可能な断面積を有した非ビードワイヤからなる振動吸収部を設けることを基本として、ビードコアによる走行時の振動吸収作用を高め、ひいてはロードノイズを低減しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、ビードワイヤを巻き重ねて構成した環状のビードコアがビード部に配された空気入りタイヤであって、
前記ビードコアは、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、該ビードコアの断面輪郭をなす外周位置で互いに近接して配された外周ビードワイヤを含み、
かつ、この外周ビードワイヤが囲む内部領域に、1本のビードワイヤが配設可能な断面積を有した非ビードワイヤからなる振動吸収部が設けられるとともに、
前記ビードコアは、複数本のビードワイヤを平行に引き揃えたテープ状をなすワイヤ束体を渦巻き状に多層に巻き重ねることによって形成され
このワイヤ束体は、幅方向両側に配され、前記外周ビードワイヤをなす外側のビードワイヤで挟まれる内側のビードワイヤの1本の少なくとも一部に所定の長さでビードワイヤを除去したワイヤ除去部を有し
巻き重ねにより最下の外周ビードワイヤを有する最上段と、最上の外周ビードワイヤを有する最上段との間の1つの中間段に前記ワイヤ除去部を位置させ
このワイヤ除去部の空隙部分に、非ワイヤ材からなる振動吸収材料を配した前記振動吸収部を形成したことを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記ワイヤ束体が、巻付けに先立ち、前記ワイヤ除去部に前記振動吸収材料を配したことを特徴とする。
また請求項3記載の発明は、ビードワイヤを巻き重ねて構成した環状のビードコアがビード部に配された空気入りタイヤであって、
前記ビードコアは、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、該ビードコアの断面輪郭をなす外周位置で互いに近接して配された外周ビードワイヤを含み、
かつ、この外周ビードワイヤが囲む内部領域に、1本のビードワイヤが配設可能な断面積を有した非ビードワイヤからなる振動吸収部が設けられるとともに、
前記ビードコアは、1本のビードワイヤを最下段から最上段まで多段多列で連続的に巻き付けることにより、幅方向両側に配された前記外周ビードワイヤ、及び前記最下段と最上段とをなす前記外周ビードワイヤとを有し、
かつビードコアの成形に際して、始端からビードワイヤの最下段での周方向の1周巻き付ののち、前記始端に重ならないように、ビードワイヤの一部をタイヤ軸方向の一方へと屈曲させて周方向に巻回しつつ、かつ最上段まで巻回するとともに、
前記最上段と、最上の外周ビードワイヤを有する最上段との間の中間段に、タイヤ軸方向Yへの変位量をビードワイヤの線径dの実質的に2倍とした後、周方向に巻くことにより、ビードワイヤ間に、1本のビードワイヤの直径dの距離を隔てる空隙部が形成し、
しかもこの空隙部に、非ワイヤ材からなる振動吸収材料を配した前記振動吸収部を形成することを特徴としている。
また請求項4記載の発明は、前記空隙部が、振動吸収材料が満たされた後に次のビードワイヤが巻回されることを特徴とする。
また請求項5記載の発明は、前記振動吸収材料がゴムからなること、及び請求項6に記載の発明は、前記振動吸収材料はゴムからなるとともに、該ゴムは前記ワイヤ間ゴムよりもゴム硬さが小さいことを特徴とする。
また請求項7記載の発明は、前記ビードワイヤが、線径が0.8〜2.0mmの断面円形であり、かつ隣り合う他のビードワイヤとの間に0.05〜1.0mmのワイヤ間ゴムを介在させて近接することを特徴とする前記振動吸収部はゴムからなるとともに、該ゴムは前記ワイヤ間ゴムよりもゴム硬さが小さいことを特徴とする
本発明では、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、ビードコアの断面輪郭をなす外周位置で互いに近接して配された外周ビードワイヤが囲む内部領域に、1本のビードワイヤが配設可能な断面積を有した非ビードワイヤからなる振動吸収部が設けられる。振動吸収部は、ビード部の振動を低減し、ひいてはビード部からリムへと伝わる振動を抑制しうる。これにより、ロードノイズを低減しうる。特に振動吸収部をゴムによって形成したときには、より高い振動吸収効果を得ることができる。またビードコアは、外周ビードワイヤが、ビードコアの断面形状を形成する位置で実質的に連続して配されているため、旋回走行時等においてもビードコアの断面形状が大きくせん断変形するのを抑制でき、操縦安定性の悪化をも防止できる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態の空気入りタイヤのタイヤ回転軸を含む右半分の子午線断面図、図2にはそのビードコアを拡大した拡大図がそれぞれ示されている。本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7とが設けられた偏平率が65%以下の乗用車用のラジアルタイヤ1が例示される。
前記カーカス6は、例えばラジアル方向にカーカスコードを配列した1枚のカーカスプライ6Aにより構成される。カーカスコードとしては、例えばポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや必要によりスチールコードが採用される。またカーカスプライ6Aは、ビードコア5、5間をトロイド状に跨る本体部6aと、ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含む。またカーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックスBaが配されている。
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば20〜40°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。ベルトコードには、本例ではスチールコードが採用される。
前記ビード部4に埋設されたビードコア5は、図2に示されるように、ビードワイヤ10を巻き重ねて構成され全体として環状で構成されている。この実施形態のビードワイヤ10は、断面円形をなす中実のスチール素線からなる。ビードワイヤの線径dは特に限定はされないが、本実施形態のように乗用車用タイヤの場合、好ましくは0.8〜2.0mm程度が望ましい。ビードワイヤ10の線径dが0.8mm未満になると、強力が低下しやすい傾向があり、逆に2.0mmを超えると巻き付け時の作業性が悪化したり又は所定のビードコア断面形状に仕上げるのが困難になる傾向がある。
また、本実施形態のビードコア5は、タイヤ軸を含む子午線断面において、該ビードコア5の断面輪郭をなす外周位置で互いに近接して配された外周ビードワイヤ8を含んでいる。この例では、前記断面輪郭(ビードワイヤ10を囲む外輪郭線)が実質的に横長の四角形状をなしており、より具体的にはタイヤ軸方向の長さがビードワイヤ10の線径dのほぼ4倍、タイヤ半径方向の長さがビードワイヤ10の線径dのほぼ3倍をなす横長四角形状のものが例示されている。この断面輪郭は、10本の外周ビードワイヤ8により構成される。即ち、タイヤ半径方向に、最下段、中間段、最上段が重なっている
またビードコア5は、外周ビードワイヤ8が互いに近接して配置されている。外周ビードワイヤ8が離間して配されていると、図11(B)に示されたビードコアbのように、旋回走行時などにおいてビードコア5のせん断変形量が大きくなり、これにより操縦安定性等が低下しやすい。また前記「近接」には、隣り合う外周ビードワイヤ8、8同士が実質的に接触している態様の他、小隙間ないし小厚さのゴムを介して隣り合う態様を含む。この場合の小隙間は特に限定されるものではないが、上述したビードコア5の大きなせん断変形を抑制する観点より、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは0.05〜1.0mm程度が望ましい。
またビードコア5は、外周ビードワイヤ8が囲む内部領域iに、少なくとも1本のビードワイヤ10が配設可能な断面積を有した非ビードワイヤからなる振動吸収部11が設けられている。本実施形態では、前記内部領域iに、1本の内部ビードワイヤ9と、1本のビードワイヤの断面積に相当する断面積を有したゴムからなる振動吸収部11とが設けられたものが例示される。
振動吸収部11は、ビードワイヤ10よりも柔らかい(弾性体の場合には弾性率が小さい)材料で構成されるのが望ましく、本実施形態では、ゴムG1からなるものが例示される。非ビードワイヤからなる振動吸収部11は、タイヤに入力された振動に応じて、ビードワイヤ10に比べタイヤ周方向ないしはタイヤ半径方向に大きく伸縮(弾性変形)できる。これにより、振動吸収部11は、トレッド部に入力される振動を吸収し、ビード部4からリムJへと伝えられる振動エネルギを低減する。従って、乗り心地が向上し、またロードノイズが低減される。特に微振動や高周波ノイズ(特にビビリ音)などを顕著に低減しうる。
また、前記振動吸収部11をなすゴムG1は、その硬さが小さすぎると、旋回走行時など大きな横力が作用した際に、ビードコア5のせん断変形量が大きくさせる傾向があり、逆に硬さが大きすぎると、振動吸収効果が低下する傾向がある。このような観点より、前記ゴムG1のJISデュロメータA硬さHD1は、好ましくは60゜以上、より好ましくは70゜以上、さらに好ましくは80゜以上が望ましく、上限については好ましくは115゜以下、より好ましくは100゜以下、さらに好ましくは95゜以下が望ましい。
また本実施形態のビードコア5は、外周ビードワイヤ8が互いに近接して配されている。このため、外周ビードワイヤ8、8間相互のせん断剛性を高めることができ、ひいては旋回走行時でもビードコア5が大きく変形するの効果的に防止できる。これは、操縦安定性の悪化を最小限に抑えるのに役立つ。
また振動吸収部11は、前記内部領域iにおいて、少なくとも1本のビードワイヤ10が配設可能な断面積を持つことが望ましい。前記「配設可能」とは、1本のビードワイヤ10を配設可能なまとまった一塊の断面積が必要であり、小さい隙間を合計してその面積がビードワイヤ10の断面積に等しいような態様は本発明には含めない。また発明者らの種々の実験によると、非ビードワイヤ部分の断面積が小さすぎると、タイヤに振動が生じた際に該非ビードワイヤ部分が十分に伸縮変形できず、ひいては振動吸収作用が得られないことが判明している。そして、前記断面積を違えて種々の実験を行ったところ、効果的な振動吸収作用は、非ビードワイヤ部分の断面積が1本のビードワイヤ10を配設可能な断面積とすることによって得られることを知見した。一方で、振動吸収部11の断面積が過度に大きくなると、ビードコア5の剛性が著しく低下し、操縦安定性やリムとの嵌合性を低下させるおそれがある。このような観点より、特に限定はされないが、前記振動吸収部11の断面積の大きさの上限は、1本のビードワイヤ10を配設可能な断面積までとするのが望ましい。
前記振動吸収部11を構成する材料は、ビードワイヤ10よりも柔らかく、振動吸収乃至減衰作用の大きいものであれば、特に限定はされない。好ましくは本実施形態のようなゴムG1の他、樹脂、木質材又は繊維材料などが採用できる。また振動吸収部11は、空隙のままでも良い。
振動吸収部11は、上述のように、任意のタイヤ子午線断面において、上述の断面積を持っていれば良いが、好ましくはタイヤ周方向に所定の長さを持つことが望ましい。これにより、より広い範囲で振動吸収作用を発揮し、より一層乗り心地及びノイズ性能の向上できる。例えば図3に略示されるように、ビードコア5の側面視において、タイヤ回転軸CLから見た振動吸収部11の円弧角度θは、好ましくは30度以上、より好ましくは60度以上、さらに好ましくは180度以上かつ360゜以下とするのが望ましい。このような振動吸収部11のタイヤ周方向の長さは、連続的に又は間欠的に設けられていても良い。
また振動吸収部11を有するビードコア5は、例えば図4に示されるようなワイヤ束体15を渦巻き状に巻き重ねることによって容易に形成できる。前記ワイヤ束体15は、例えば3本以上の複数本(この例では4本)のビードワイヤ10が平行に引き揃えられたテープ状をなす。各ビードワイヤ10の周囲は、例えば金属材料との接着性に優れた天然ゴム等からなる未加硫のトッピングゴムで薄く被覆されている。またワイヤ束体15は、幅方向両側に配されたビードワイヤ10a、10aで挟まれる内側のビードワイヤ10bの少なくとも1本の少なくとも一部に所定の長さでビードワイヤを除去したワイヤ除去部16が設けられる。必要により、ワイヤ束体15は、ビードワイヤ10のばらけを防ぐために適宜結束材17などを用いて束ねられることが望ましい。このように、前記ビードコア5は、複数本のビードワイヤ10を平行に引き揃えたテープ状をなすワイヤ束体15を渦巻き状に多層に巻き重ねることによって形成される。このワイヤ束体15は、前記のように、幅方向両側に配され、コア両側面での前記外周ビードワイヤ8をなす外側のビードワイヤの間に、内側のビードワイヤ10bの複数本を挟んでいる。この内側のビードワイヤ10bの1本の少なくとも一部に所定の長さでビードワイヤ10へを除去した非ビードワイヤからなるワイヤ除去部16を形成するのである。またワイヤ束体15の渦巻状の巻き重ねにより最下の外周ビードワイヤ8を有する最下段と、最上の外周ビードワイヤ8を有する最上段との間の1つの中間段、即ち内部領域iに前記ワイヤ除去部16を位置させる。またこのワイヤ除去部16の空隙部分に、非ワイヤ材からなる振動吸収材料を配した前記振動吸収部11を形成しているのである。
ワイヤ束体15のワイヤ除去部16は、巻回後に内部領域iに位置するよう、予めビードコア5の内周径やビードワイヤ10の線径dないし巻数などに基づいてその位置が定められる。また巻き付けに先立ち、ワイヤ除去部16の空隙部分には、ゴムや樹脂などの非ワイヤ材からなる振動吸収材料(図示省略)を配することが望ましい。そして、このようなワイヤ束体15を渦巻き状に複数回巻回することにより、振動吸収部11を有するビードコア5を容易に形成できる。
また例えば図5に示されるように、1本のビードワイヤ10を多段多列で連続的に巻き付けることにより、前記振動吸収部11を有するビードコア5を製造することもできる。図5(A)ないし(C)は、いずれも上部に平面図が下部にそのA−A断面がそれぞれ対応して示されている。平面図では、それぞれの段数のビードワイヤ10のみが描かれており、ビードワイヤ10は、切断部Ca、Cbで切断して描かれている。またE1、E2は、ビードワイヤ10の始端及び終端である。
ビードコア5の成形に際しては、先ず図5の各A−A断面図に示されるように、ビードコア巻き付け体Mの外周部に設けられたビードコアの断面形状に等しい溝部15に、ビードワイヤ10が順次巻き付けられる。巻き付け初期には、図5(A)に示されるように、ビードワイヤ10の巻き付け始端E1を図示しない固定装置で溝部18に固定して巻き付けが行われる。ビードワイヤ10が1周巻き付けられると、前記始端E1に重ならないように、ビードワイヤ10の一部は矢印Xで示されるタイヤ軸方向の一方へと屈曲させられる。これにより、ビードワイヤ10には、ほぼその線径dに等しいタイヤ軸方向の変位が与えられる。また2周目以降も同様に屈曲させ、ビードワイヤ10、10相互の重なりが防止される。
また本実施形態では、図5(B)に示される二段目において、2周を巻き終えた直後位置のビードワイヤ10のタイヤ軸方向Yへの変位量をそれまでの2倍(即ち、この例ではビードワイヤ10の線径dの実質的に2倍)とし部分的に大きくしている。これにより、ビードワイヤ10、10間に空隙部13が形成される。この実施形態の空隙部13は、実質的に360゜の前記円弧角度θを持っている。そして、この空隙部13には、適宜、振動吸収材料(この例ではゴムG1)が満たされる。振動吸収材料を配した後、図5(C)に示されるように、三段目が巻き付けられる。これにより、図5(C)に示されるように、外周ビードワイヤ8で囲まれる内部領域iに1本のビードワイヤが配設可能な断面積を有した非ビードワイヤである例えばゴム材G1からなる振動吸収部11を形成できる。即ち、前記ビードコア5は、1本のビードワイヤ10を最下段から最上段まで多段多列で連続的に巻き付けることにより、コア幅方向両側に配された前記外周ビードワイヤ、及び前記最下段と最上段とをなす前記外周ビードワイヤ8を形成している。ビードコア5の成形に際して、前記のように、始端E1からビードワイヤ10の最下段(前記一段目)での周方向の1周巻き付ののち、前記始端E1に重ならないように、ビードワイヤ10の一部をタイヤ軸方向Yの一方へと屈曲させて周方向に巻回する。この巻回を繰り返して最下段を巻き終えると、中間段をへて最上段(例えば前記三段目)まで巻回する。そのとき、コア両側のビードワイヤは側部の外周ビードワイヤ8を形成できる。また前記最下の外周ビードワイヤ8を有する最下段(一段目)と、最上の外周ビードワイヤを有する最上段との間の中間段(例えば前記二段目)に、前記のごとくタイヤ軸方向Yへの変位量をビードワイヤの線径dの実質的に2倍とした後、周方向に巻くことにより、ビードワイヤ10間に、1本のビードワイヤ10の直径dの距離を隔てる空隙部が形成できる。しかもこの空隙部に、非ワイヤ材からなる振動吸収材料を配した前記振動吸収部11を形成するのである。
なお図6には加硫前のビードコア5の断面図が示されるが、各ビードワイヤ10には、その周囲に予め薄い厚さでトッピングゴム19を付着させておくことが望ましい。トッピングゴム19は、巻回に先立ってビードワイヤ10に付着される。このようなトッピングゴム19は、加硫後において互いに一体化され各ビードワイヤ10の隙間及び/又は内部領域iを満たすことによりワイヤ10の位置を安定化させ、ひいてはワイヤ10、10間のせん断力を緩和するのに役立つ。さらに、トッピングゴム19は、図6に示された未加硫の状態から、図2に示された加硫後の状態のように、加硫により振動吸収部11をなすゴムG1とも一体化し、ビードコア5の内部領域iにおいて空隙部を無くすのに役立つ。また、例えばトッピングゴム19は、外周ビードワイヤ8、8間に0.05〜1.0mm程度の厚さのワイヤ間ゴムとして介在しうる。
ここで、前記トッピングゴム19の硬さは、特に限定はされないが、その硬さが小さすぎると、大きな横力が作用する旋回走行時などにおいてビードコア5に作用するせん断応力により該ビードコア5の変形量が大きくなり、操縦安定性が悪化する傾向があり、逆に硬さが大きすぎると、ビードワイヤ10同士の接着性が低下し、前述のようなせん断応力が作用した際にビードワイヤ間に損傷(ルース)が発生する傾向がある。このような観点より、前記トッピングゴム19のJISデュロメータA硬さHD2は、好ましくは60゜以上、より好ましくは70゜以上、さらに好ましくは80゜以上が望ましく、上限については好ましくは115゜以下、より好ましくは100゜以下、さらに好ましくは95゜以下が望ましい。
特に好ましくは、トッピングゴム19のJISデュロメータA硬さHD2は、振動吸収部11のゴムG1のJISデュロメータA硬さHD1よりも大であることが望ましい。これにより、ビードコア5の本来の性能(嵌合力、耐変形性)を犠牲にすることなく、より高い振動吸収性を発揮しうる。
また本実施形態のビードコア5は、図2に示されるように、外周ビードワイヤ8の外側に、この外周ビードワイヤ8の輪郭形状を保持するためのラッピング材12が設けられている。該ラッピング材12は、外周ビードワイヤ8を全周に亘って囲むことにより前記輪郭形状を保持しうる。このようなラッピング材12は、内部領域iに、非ビードワイヤからなる振動吸収部11が設けられたビードコア5の変形を抑制するのに役立つ。ラッピング材12としては、例えばゴム、繊維シート又はプライなどが好ましい。
図7〜図9には、本発明の他の実施形態として、未加硫の状態でのビードコア5の断面図が示されている。図7の態様は、内部領域iに、2本のビードワイヤが配設可能な断面積を有した振動吸収部11を単に例示し、振動吸収部11はゴムG1によって形成されている。また図8の態様は、ビードコア5が断面略六角形状で形成されている。さらに図9の態様は、ビードコア5が断面略正方形の輪郭形状で形成されている。またこの態様の振動吸収部11は、前記輪郭形状の対角線上に配置されており、2本のビードワイヤが配設可能な断面積を持っている場合を単に示す
タイヤサイズが195/65R15の乗用車用空気入りタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、ロードノイズ性能とリム外れ抗力とをテストし性能を比較した。なおビードコア以外はタイヤの構成は同一とした。各例とも、ビードワイヤは、線径1.2mmの単線スチールワイヤが用いられた。
テスト要領は次の通りである。
<ロードノイズ性能>
各供試タイヤを15×6Jのアルミホイールリムにリム組みし空気圧230kPaを充填して排気量2000ccの国産FR車の全輪に装着し、ロードノイズ試験路を時速50km/hで走行したときの運転席右耳元でのオーバーオールの騒音レベルdB(A)を測定した。数値が小さいほど良好である。
<リム外れ抗力>
前記リムに装着された各供試タイヤ(内圧230kPa)のビード部の外側から横力を加え、ビード部がリムシート面から外れたときの横力の値を従来例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほどリムからタイヤが外れ難いことを示す。
Figure 0004268564
テストの結果、実施例のタイヤは、従来例に比べてロードノイズを低減していることが確認できた。またリム外れ抗力についても従来例1と遜色のない良好な結果が得られた。
本発明の実施形態を示す空気入りタイヤの部分断面図である。 ビードコアの拡大断面図である。 ビードコアの側面図である。 本実施形態のビードコアを製造する際に用いられるワイヤ束体の一例を示す斜視図である。 (A)〜(C)は、本実施形態のビードコアの製造方法の他の例を説明する線図であり、上図は平面図、下図はそのA−A断面図を示す。 ビードコアの未加硫状態の断面図である。 他の実施形態として、ビードコアの未加硫状態の断面図である。 他の実施形態として、ビードコアの未加硫状態の断面図である。 他の実施形態として、ビードコアの未加硫状態の断面図である。 従来例のビードコアの未加硫状態の断面図である。 (A)、(B)は従来のビードコアの断面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
8 外周ビードワイヤ
10 ビードワイヤ
11 振動吸収部
G1 ゴム
i 内部領域

Claims (7)

  1. ビードワイヤを巻き重ねて構成した環状のビードコアがビード部に配された空気入りタイヤであって、
    前記ビードコアは、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、該ビードコアの断面輪郭をなす外周位置で互いに近接して配された外周ビードワイヤを含み、
    かつ、この外周ビードワイヤが囲む内部領域に、1本のビードワイヤが配設可能な断面積を有した非ビードワイヤからなる振動吸収部が設けられるとともに、
    前記ビードコアは、複数本のビードワイヤを平行に引き揃えたテープ状をなすワイヤ束体を渦巻き状に多層に巻き重ねることによって形成され
    このワイヤ束体は、幅方向両側に配され、前記外周ビードワイヤをなす外側のビードワイヤで挟まれる内側のビードワイヤの1本の少なくとも一部に所定の長さでビードワイヤを除去したワイヤ除去部を有し
    巻き重ねにより最下の外周ビードワイヤを有する最下段と、最上の外周ビードワイヤを有する最上段との間の1つの中間段に前記ワイヤ除去部を位置させ
    このワイヤ除去部の空隙部分に、非ワイヤ材からなる振動吸収材料を配した前記振動吸収部を形成したことを特徴とするたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ワイヤ束体は、巻付けに先立ち、前記ワイヤ除去部に前記振動吸収材料を配したことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. ビードワイヤを巻き重ねて構成した環状のビードコアがビード部に配された空気入りタイヤであって、
    前記ビードコアは、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、該ビードコアの断面輪郭をなす外周位置で互いに近接して配された外周ビードワイヤを含み、
    かつ、この外周ビードワイヤが囲む内部領域に、1本のビードワイヤが配設可能な断面積を有した非ビードワイヤからなる振動吸収部が設けられるとともに、
    前記ビードコアは、1本のビードワイヤを最下段から最上段まで多段多列で連続的に巻き付けることにより、幅方向両側に配された前記外周ビードワイヤ、及び前記最下段と最上段とをなす前記外周ビードワイヤとを有し、
    かつビードコアの成形に際して、始端からビードワイヤの最下段での周方向の1周巻き付ののち、前記始端に重ならないように、ビードワイヤの一部をタイヤ軸方向の一方へと屈曲させて周方向に巻回しつつ、かつ最上段まで巻回するとともに、
    前記最上段と、最上の外周ビードワイヤを有する最上段との間の中間段に、タイヤ軸方向Yへの変位量をビードワイヤの線径dの実質的に2倍とした後、周方向に巻くことにより、ビードワイヤ間に、1本のビードワイヤの直径dの距離を隔てる空隙部が形成し、
    しかもこの空隙部に、非ワイヤ材からなる振動吸収材料を配した前記振動吸収部を形成することを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 前記空隙部は、振動吸収材料が満たされた後に次のビードワイヤが巻回されることを特徴とする請求項3記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記振動吸収材料はゴムからなることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記振動吸収材料はゴムからなるとともに、該ゴムは前記ワイヤ間ゴムよりもゴム硬さが小さいことを特徴とする請求項5記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ビードワイヤは、線径が0.8〜2.0mmの断面円形であり、かつ隣り合う他のビードワイヤとの間に0.05〜1.0mmのワイヤ間ゴムを介在させて近接することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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