JP5239507B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、サイド領域におけるカーカス層の積層数をベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くした空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、加硫工程での内面故障の発生を抑制し、更にはタイゴム層の削減により軽量化を図ることを可能にした空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤにおいて、ベルト層の端部からビード部までのサイド領域におけるカーカス層の積層数をベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような空気入りタイヤは、サイド領域におけるカーカス層の積層数が相対的に多いため、操縦安定性等のタイヤ性能を向上することができ、しかも、ベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数が相対的に少ないため、使用材料を削減して軽量化を図ることができるという利点がある。
しかしながら、サイド領域におけるカーカス層の積層数をベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くした空気入りタイヤは、未加硫状態ではベルト層の下方領域とサイド領域との境界となるショルダー部付近で屈曲し易いため、その部分におけるタイヤ内面の曲率半径が小さくなる傾向がある。そのため、加硫工程においてタイヤ内面に対する加硫ブラダーの当たりが不均一になり、それに起因して内面故障を生じ易いという問題がある。
特許第3702911号公報
本発明の目的は、加硫工程での内面故障の発生を抑制し、更にはタイゴム層の削減により軽量化を図ることを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部における前記カーカス層の外周側に複数層のベルト層を配置し、該ベルト層の両端部から各ビード部までのサイド領域におけるカーカス層の積層数を前記ベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くすると共に、前記カーカス層に沿ってタイヤ内面にインナーライナー層を配置した空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層と前記インナーライナー層との層間であって前記トレッド部のセンター領域を除く部位にタイゴム層を選択的に配置し、該タイゴム層のタイヤ径方向外側のエッジを2番目に幅が広いベルト層のエッジからタイヤ幅方向内側へ該ベルト層の幅の10%〜40%の範囲内に配置し、前記タイゴム層のタイヤ径方向内側のエッジをタイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側へタイヤ断面高さの10%の位置と該タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側へタイヤ断面高さの10%の位置との間に配置したことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤであって、一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部における前記カーカス層の外周側に複数層のベルト層を配置し、該ベルト層の車両外側の端部からビード部までの車両外側のサイド領域におけるカーカス層の積層数を前記ベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くすると共に、前記カーカス層に沿ってタイヤ内面にインナーライナー層を配置した空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層と前記インナーライナー層との層間であって前記トレッド部のセンター領域を除く部位にタイゴム層を選択的に配置し、該タイゴム層のタイヤ径方向外側のエッジを2番目に幅が広いベルト層のエッジからタイヤ幅方向内側へ該ベルト層の幅の10%〜40%の範囲内に配置し、前記タイゴム層のタイヤ径方向内側のエッジをタイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側へタイヤ断面高さの10%の位置と該タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側へタイヤ断面高さの10%の位置との間に配置したことを特徴とするものである。
本発明では、ベルト層の端部からビード部までのサイド領域におけるカーカス層の積層数をベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くした空気入りタイヤにおいて、カーカス層とインナーライナー層との層間であってトレッド部のセンター領域を除く部位にタイゴム層を選択的に配置することにより、ベルト層の下方領域とサイド領域との境界となるショルダー部付近におけるタイヤ内面の曲率半径が僅かながらも大きくなるので、タイヤ内面に対する加硫ブラダーの当たりを均一化し、加硫工程での内面故障の発生を抑制することができる。
しかも、上記のようにタイゴム層を局部的に配置するので、タイゴム層をカーカス層とインナーライナー層との層間の全域にわたって設ける場合に比べてタイゴム層の使用量を削減し、タイヤの軽量化を図ることができる。本発明者の知見によれば、トレッド部のセンター領域にはベルト層やトレッドゴムが存在するため、その部分からタイゴム層を排除しても空気透過防止性能を十分に確保することができ、また、トレッド部のセンター領域はベルト層の存在により変形が少ないため、その部分からタイゴム層を排除してもカーカス層とインナーライナー層との接合状態を良好に維持することができる。
更に、車両外側のサイド領域におけるカーカス層の積層数を車両内側のサイド領域におけるカーカス層の積層数よりも多くした場合、加硫工程での内面故障の発生を抑制し、タイゴム層の削減により軽量化を図ることに加えて、操縦安定性と乗心地をバランス良く向上することが可能になる。
本発明において、タイゴム層のタイヤ径方向内側のエッジは、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側へタイヤ断面高さの10%の位置と該タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側へタイヤ断面高さの10%の位置との間に配置するこのようにタイゴム層のタイヤ径方向内側のエッジの位置を規定することにより、タイヤ内面に対する加硫ブラダーの当たりを更に均一化し、加硫工程での内面故障の発生を抑制することができる。なお、タイヤ最大幅位置よりもビード部寄りの領域では、インナーライナー層の材料段階からの伸長率が低くインナーライナー層の厚さが十分に確保されるので、その部分からタイゴム層を排除しても空気透過防止性能を十分に確保することができ、また、タイヤ最大幅位置よりもビード部寄りの領域はビードコアやビードフィラーの存在により変形が少ないため、その部分からタイゴム層を排除してもカーカス層とインナーライナー層との接合状態を良好に維持することができる。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。図1に示すように、一対のビード部3,3間には、タイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含むカーカス層4Aが装架されている。このカーカス層4Aはビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。カーカス層4Aのタイヤ幅方向外側には、タイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含み、サイドウォール部2からビード部3までの範囲だけに存在する中抜け構造のカーカス層4Bが配置されている。このカーカス層4Bはカーカス層4Aと共にビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。カーカスコードとしては、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、芳香族ポリアミド等からなる有機繊維コードのほか、スチールコードを使用することができる。ビードコア5の外周上には高硬度のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置され、そのビードフィラー6がカーカス層4A,4Bの巻き上げ部分により包み込まれている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4A,4Bの外周側にはタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含む複数層のベルト層7A,7Bが配置されている。タイヤ径方向内側に位置するベルト層7Aはタイヤ径方向外側に位置するベルト層7Bよりも広幅になっている。これらベルト層7A,7Bの外周側にはタイヤ周方向に配向する補強コードを含むベルトカバー層8が配置されている。また、中抜け構造を有するカーカス層4Bのタイヤ径方向外側の端部はベルト層7Aの端部とカーカス層4Aとの間の挟み込まれている。つまり、ベルト層7A,7Bの両端部から各ビード部3までのサイド領域におけるカーカス層の積層数はベルト層7A,7Bの下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くなっている。
また、タイヤ内面にはカーカス層4A,4Bに沿ってインナーライナー層9が配置されている。インナーライナー層9は、ブチルゴムを主成分とするゴム組成物から構成されることが好ましいが、その配合は特に限定されるものではない。
上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4Aとインナーライナー層9との層間であってトレッド部1のセンター領域を除く部位にはタイゴム層10が選択的に配置されている。タイゴム層10はカーカス層4Aとインナーライナー層9との接着性の向上に寄与するものであり、カーカス層4Aとインナーライナー層9の配合に応じて適当な配合を選択することができる。
上記空気入りタイヤでは、ベルト層7A,7Bの端部からビード部3までのサイド領域におけるカーカス層の積層数をベルト層7A,7Bの下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くするにあたって、カーカス層4Aとインナーライナー層9との層間であってトレッド部1のセンター領域を除く部位にタイゴム層10を選択的に配置しているので、ベルト層7A,7Bの下方領域とサイド領域との境界となるショルダー部付近におけるタイヤ内面の曲率半径(タイヤ子午線断面での曲率半径)が大きくなる。そのため、加硫工程においてタイヤ内面に対する加硫ブラダーの当たりを均一化し、加硫工程での内面故障の発生を抑制することができる。
タイゴム層10を局部的に配置した場合、タイゴム層10をカーカス層7Aとインナーライナー層9との層間の全域にわたって設ける場合に比べてタイゴム層10の使用量を削減し、タイヤの軽量化を図ることができる。トレッド部1のセンター領域にはベルト層7A,7Bやトレッドゴムが存在するため、その部分からタイゴム層10を排除しても空気透過防止性能を十分に確保することができる。また、トレッド部1のセンター領域はベルト層7A,7Bの存在によりタイヤ走行時の変形が少ないため、その部分からタイゴム層10を排除してもカーカス層7Aとインナーライナー層9との接合状態を良好に維持することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、タイゴム層10のタイヤ径方向外側のエッジ10aは、2番目に幅が広いベルト層7Bのエッジからタイヤ幅方向内側へ該ベルト層7Bの幅Wの10%〜40%の範囲内に配置されている。これにより、空気透過防止性能やカーカス層7Aとインナーライナー層9との接合性を良好に維持しながら、加硫工程での内面故障の発生を効果的に抑制することができる。エッジ10aが幅Wの40%の位置よりもタイヤセンター側にあるとタイヤ内面に対する加硫ブラダーの当たりを均一化する効果が低下する。一方、エッジ10aが幅Wの10%の位置よりもタイヤ幅方向外側にあると空気透過防止性能や接着性が不十分になる恐れがある。
一方、タイゴム層10のタイヤ径方向内側のエッジ10bは、タイヤ最大幅位置Pからタイヤ径方向外側へタイヤ断面高さSHの10%の位置と該タイヤ最大幅位置Pからタイヤ径方向内側へタイヤ断面高さSHの10%の位置との間に配置されている。これにより、タイヤ内面に対する加硫ブラダーの当たりを更に均一化し、加硫工程での内面故障の発生を抑制することができる。エッジ10bがタイヤ最大幅位置Pからタイヤ径方向外側へタイヤ断面高さSHの10%の位置よりもタイヤ径方向外側にあると空気透過防止性能や接着性が不十分になる恐れがある。一方、エッジ10bがタイヤ最大幅位置Pからタイヤ径方向内側へタイヤ断面高さSHの10%の位置よりもタイヤ径方向内側にあるとタイヤ内面に対する加硫ブラダーの当たりを均一化する効果が低下する。
上述した実施形態では、ベルト層7A,7Bの端部からビード部3までのサイド領域に2層のカーカス層4A,4Bを配置し、ベルト層7A,7Bの下方領域に1層のカーカス層7Aを配置しているが、カーカス層の積層数は任意に設定することができる。その際、以下のように規定されるカーカス強度係数(N/mm・kPa)をベルト層の下方領域では0.15〜0.35N/mm・kPaとし、サイド領域では0.5N/mm・kPa以上とすることが好ましい。
カーカス強度係数(N/mm・kPa)=〔補強コードの打ち込み本数(本/mm)〕×〔補強コード強力(N)〕×〔カーカス層の層数〕÷〔最大空気圧(kPa)〕
つまり、ベルト層の下方領域ではベルト層が内圧保持を分担するためカーカス強度係数を低く設定してカーカス材料を削減することが可能であり、ベルト層が存在しないサイド領域ではカーカス強度係数を高く設定することで圧力容器として十分な強度を発揮することができる。ベルト層の下方領域におけるカーカス強度係数が0.15N/mm・kPa未満であると圧力容器として強度が不足し、逆に0.35N/mm・kPaを超えるとカーカス材料を削減する効果が低下する。また、サイド領域におけるカーカス強度係数が0.5N/mm・kPa未満であると圧力容器として強度が不足する。
図2は本発明の他の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。この空気入りタイヤは、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定されたタイヤである。図2において、INは車両装着時の車両内側であり、OUTは車両装着時の車両外側である。なお、図1と同一物については同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
図2に示すように、一対のビード部3,3間には、タイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含むカーカス層4Aが装架されている。このカーカス層4Aはビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。車両外側のサイドウォール部2及びビード部3において、カーカス層4Aのタイヤ幅方向外側には、タイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含み、サイドウォール部2からビード部3までの範囲だけに存在するカーカス層4Bが配置されている。このカーカス層4Bはカーカス層4Aと共にビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。そして、カーカス層4Bのタイヤ径方向外側の端部はベルト層7Aの端部とカーカス層4Aとの間の挟み込まれている。つまり、ベルト層7A,7Bの車両外側の端部から車両外側のビード部3までの車両外側のサイド領域におけるカーカス層の積層数はベルト層7A,7Bの下方領域におけるカーカス層の積層数及びベルト層7A,7Bの車両内側の端部から車両内側のビード部3までの車両内側のサイド領域におけるカーカス層の積層数よりも多くなっている。
上記空気入りタイヤにおいては、上述の実施形態と同様に、カーカス層4Aとインナーライナー層9との層間であってトレッド部1のセンター領域を除く部位にはタイゴム層10が選択的に配置されている。
上記空気入りタイヤでは、ベルト層7A,7Bの端部からビード部3までのサイド領域におけるカーカス層の積層数をベルト層7A,7Bの下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くするにあたって、カーカス層4Aとインナーライナー層9との層間であってトレッド部1のセンター領域を除く部位にタイゴム層10を選択的に配置しているので、ベルト層7A,7Bの下方領域とサイド領域との境界となるショルダー部付近におけるタイヤ内面の曲率半径が大きくなる。そのため、加硫工程においてタイヤ内面に対する加硫ブラダーの当たりを均一化し、加硫工程での内面故障の発生を抑制することができる。
タイゴム層10を局部的に配置した場合、タイゴム層10をカーカス層7Aとインナーライナー層9との層間の全域にわたって設ける場合に比べてタイゴム層10の使用量を削減し、タイヤの軽量化を図ることができる。
更に、上記空気入りタイヤでは、車両外側のサイド領域におけるカーカス層の積層数を車両内側のサイド領域におけるカーカス層の積層数よりも多くしているので、操縦安定性と乗心地を両立することができる。つまり、車両旋回性能に寄与する車両外側のサイドウォール部2の剛性が相対的に大きくなるため操縦安定性が向上し、また、車両内側のサイドウォール部2の剛性が相対的に小さくなるため、車両内側及び車両外側のサイドウォール部2の剛性を同一にした場合に比べて乗心地を向上することができる。
タイヤサイズ165SR13で、一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部におけるカーカス層の外周側に複数層のベルト層を配置し、ベルト層の両端部から各ビード部までのサイド領域におけるカーカス層の積層数を2層とし、ベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数を1層とし、カーカス層に沿ってタイヤ内面にインナーライナー層を配置した空気入りタイヤにおいて、カーカス層とインナーライナー層との層間に介在させるタイゴム層の構成を表1のように種々異ならせた従来例1、実施例1〜3及び比較例1〜2のタイヤ(図1参照)をそれぞれ製作した。
カーカスコードとしてはポリエステルコード(1100dtex/2)を用い、その打ち込み密度を22本/50mmとした。実施例1〜3及び比較例1〜2において、タイゴム層のタイヤ径方向外側のエッジの位置(2番目に幅が広いベルト層の幅Wに対する該ベルト層のエッジから距離)を異ならせる一方で、タイゴム層のタイヤ径方向内側のエッジはタイヤ最大幅位置に配置した。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、質量及び加硫故障を評価し、その結果を表1に併せて示した。
質量:
各試験タイヤの質量を計測した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど軽量であることを意味する。
加硫故障:
各試験タイヤをそれぞれ100本製造し、加硫後のタイヤのショルダー部に相当する部位の内面を観察し、加硫工程での内面故障の有無を調べ、内面故障の発生率を求めた。評価結果は、故障発生率の逆数を用い、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど加硫故障が少ないことを意味する。
Figure 0005239507
この表1に示すように、実施例1〜3のタイヤは、従来例1との対比において、軽量であり、しかも加硫工程での内面故障の発生が少ないものであった。一方、比較例1〜2のタイヤでは加硫工程での内面故障を抑制する効果が不十分であった。
次に、タイヤサイズ204/45R17で、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤであって、一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部におけるカーカス層の外周側に複数層のベルト層を配置し、ベルト層の車両外側の端部からビード部までの車両外側のサイド領域におけるカーカス層の積層数を2層とし、ベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数を1層とし、ベルト層の車両内側の端部からビード部までの車両内側のサイド領域におけるカーカス層の積層数を1層とし、カーカス層に沿ってタイヤ内面にインナーライナー層を配置した空気入りタイヤにおいて、カーカス層とインナーライナー層との層間に介在させるタイゴム層の構成を表2のように種々異ならせた実施例11〜13及び比較例11〜12のタイヤ(図2参照)をそれぞれ製作した。また、比較のため、同タイヤサイズで、ベルト層の両端部から各ビード部までのサイド領域におけるカーカス層の積層数を2層とし、ベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数を1層とし、カーカス層とインナーライナー層との層間の全域にタイゴム層を配置した従来例11のタイヤ(図1参照)を製作した。
カーカスコードとしてはポリエステルコード(1100dtex/2)を用い、その打ち込み密度を22本/50mmとした。実施例11〜13及び比較例11〜12において、タイゴム層のタイヤ径方向外側のエッジの位置(2番目に幅が広いベルト層の幅Wに対する該ベルト層のエッジから距離)を異ならせる一方で、タイゴム層のタイヤ径方向内側のエッジはタイヤ最大幅位置に配置した。
これら試験タイヤについて、上述の試験方法により、質量及び加硫故障を評価した。但し、評価結果は従来例2を100とする指数にて示した。更に、試験タイヤについて、下記試験方法により、操縦安定性及び乗心地を評価し、その結果を表2に併せて示した。
操縦安定性:
各試験タイヤをリムサイズ17×6 1/2Jのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧を200kPaとし、レーンチェンジ性能やコーナリング性能を含む操縦安定性についてテストドライバーによるフィーリング評価を行った。評価結果は、従来例2を基準(5.0)とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
乗心地:
各試験タイヤをリムサイズ17×6 1/2Jのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧を200kPaとし、乗心地についてテストドライバーによるフィーリング評価を行った。評価結果は、従来例2を基準(5.0)とする指数にて示した。この指数値が大きいほど乗心地が優れていることを意味する。
Figure 0005239507
この表2に示すように、実施例11〜13のタイヤは、従来例11との対比において、軽量であり、しかも加硫工程での内面故障の発生が少ないものであった。また、実施例11〜13においては、操縦安定性を良好に維持しながら乗心地を向上することができた。一方、比較例11〜12のタイヤでは加硫工程での内面故障を抑制する効果が不十分であった。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 本発明の他の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4A,4B カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7A,7B ベルト層
8 ベルトカバー層
9 インナーライナー層
10 タイゴム層
10a タイゴム層のタイヤ径方向外側のエッジ
10b タイゴム層のタイヤ径方向内側のエッジ

Claims (2)

  1. 一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部における前記カーカス層の外周側に複数層のベルト層を配置し、該ベルト層の両端部から各ビード部までのサイド領域におけるカーカス層の積層数を前記ベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くすると共に、前記カーカス層に沿ってタイヤ内面にインナーライナー層を配置した空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層と前記インナーライナー層との層間であって前記トレッド部のセンター領域を除く部位にタイゴム層を選択的に配置し、該タイゴム層のタイヤ径方向外側のエッジを2番目に幅が広いベルト層のエッジからタイヤ幅方向内側へ該ベルト層の幅の10%〜40%の範囲内に配置し、前記タイゴム層のタイヤ径方向内側のエッジをタイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側へタイヤ断面高さの10%の位置と該タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側へタイヤ断面高さの10%の位置との間に配置した空気入りタイヤ。
  2. 車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤであって、一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部における前記カーカス層の外周側に複数層のベルト層を配置し、該ベルト層の車両外側の端部からビード部までの車両外側のサイド領域におけるカーカス層の積層数を前記ベルト層の下方領域におけるカーカス層の積層数よりも多くすると共に、前記カーカス層に沿ってタイヤ内面にインナーライナー層を配置した空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層と前記インナーライナー層との層間であって前記トレッド部のセンター領域を除く部位にタイゴム層を選択的に配置し、該タイゴム層のタイヤ径方向外側のエッジを2番目に幅が広いベルト層のエッジからタイヤ幅方向内側へ該ベルト層の幅の10%〜40%の範囲内に配置し、前記タイゴム層のタイヤ径方向内側のエッジをタイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側へタイヤ断面高さの10%の位置と該タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側へタイヤ断面高さの10%の位置との間に配置した空気入りタイヤ。
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