JP6060031B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6060031B2
JP6060031B2 JP2013090633A JP2013090633A JP6060031B2 JP 6060031 B2 JP6060031 B2 JP 6060031B2 JP 2013090633 A JP2013090633 A JP 2013090633A JP 2013090633 A JP2013090633 A JP 2013090633A JP 6060031 B2 JP6060031 B2 JP 6060031B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
inner peripheral
peripheral surface
short fibers
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013090633A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014213645A (ja
Inventor
渡辺 敏幸
敏幸 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2013090633A priority Critical patent/JP6060031B2/ja
Publication of JP2014213645A publication Critical patent/JP2014213645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6060031B2 publication Critical patent/JP6060031B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤが発生させる騒音の要因の一つに、タイヤ内部に充填された空気の振動による空洞共鳴現象がある。空洞共鳴現象とは、タイヤの転動時に、トレッド部と凹凸のある路面との接触により生じた振動が、タイヤ内部の空気を振動させることによってタイヤ内部で生じる共鳴現象をいう。例えば、一般的な乗用車用タイヤの場合には、空洞共鳴現象により生じる空洞共鳴周波数200〜270Hzの音が、車内騒音として耳障りな音となる。
上記空洞共鳴現象により生じる音(以下、「空洞共鳴音」ともいう)を低減する方法として、タイヤ内部で吸音させる方法が有効であり、例えば、特許文献1に記載されているように、静電植毛加工を用いて、タイヤ内周面に吸音性を備える短繊維を固着させる技術が提案されている。
一方、空気入りタイヤがパンクした際に、パンクを修理する方法として、パンクシール剤を含むパンク修理液を用いる手法が知られている。この方法では、まず、ホイールのバルブからタイヤ内部にパンク修理液を注入し、その後、タイヤを回転させることによって、パンク修理液をタイヤ周方向に、ひいてはタイヤ内面に亘って行きわたらせる。そして、パンク部位に到達したパンクシール剤が固まることにより、タイヤの修理が完了する。
特開2004−82387号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、タイヤの空洞共鳴音を低減するためにタイヤ内周面に短繊維を接着すると、タイヤのパンク時にパンク修理液を用いて修理しようとすると、タイヤ内周面の短繊維がパンク修理液を吸収して、そのタイヤ内周面上の流れを妨げる。そのため、短繊維が固着された空気入りタイヤでは、パンク修理液をタイヤ内面に十分に行きわたらせることが困難であり、比較的多量のパンク修理液がパンク修理時に必要となる、という問題があった。
そこで、本発明は、空洞共鳴音を低減させ、かつ、パンクシール剤を用いたパンク修理が容易であるとともに、パンク修理効率のパンク位置依存性の小さい空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部に備えた1枚以上のベルト層からなるベルトの、タイヤ幅方向の幅をBWとし、タイヤ内周面上で、前記ベルトのタイヤ幅方向外側端に相当するタイヤ幅位置AからBW×0.1だけタイヤ幅方向中央寄りの位置Bと、前記タイヤ幅位置Aとタイヤ最大幅位置MWとの間のタイヤ内周面長における中点位置Cと、の間の領域をバットレス部内周面としたとき、タイヤ内周面の少なくとも一部に短繊維が固着されており、タイヤ内周面全体の短繊維の固着面積率が70%以上であり、かつ、一対のバットレス部内周面のうち少なくとも一方のバットレス部内周面における短繊維の固着面積率が50%以下である、ことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤにより、タイヤ内周面の少なくとも一部に短繊維が固着されており、タイヤ内周面全体の短繊維の固着面積率が70%以上であることにより、走行時の空洞共鳴音を高効率で低減できる。
ここで、パンク修理液をタイヤ内部に注入して回転させた場合、パンク修理液は、タイヤ赤道面付近に滞留し、タイヤ回転に伴ってタイヤ幅方向に広がることとなる。その際、タイヤのショルダー部分に位置するバットレス部において、タイヤ内周面のタイヤ軸方向に対する傾斜が大きくなるために、この部分にパンク修理液がまわりにくい傾向がある。そこで、上記バットレス部内周面の短繊維固着率を一定以下として、短繊維の非固着領域(以下、「非加工部」ともいう)を設けることで、当該非加工部をパンク修理液が流動することとなり、パンクシール剤が問題なく機能する、という効果を奏する。例えば、トレッド部内周面のタイヤ幅方向中央付近に上記非加工部を設けた場合、パンク穴の位置が上記バットレス部付近にある場合には、非加工部からバットレス部までの間に固着された短繊維がパンク修理液を吸収するため、多くの修理液が必要となってしまう。一方、バットレス部内周面に非加工部を設けた場合、パンク穴の位置がバットレス部付近にある場合にその修理が容易であるが、パンク穴の位置がトレッド部のベルト幅中央付近にあったとしても、上記のように、パンク修理液は、遠心力の作用とタイヤの形状により、タイヤ赤道面付近に滞留しやすい傾向があるため、パンク修理液がパンク穴の位置に到達しやすく、比較的容易にパンク修理がなされることとなる。すなわち、バットレス部内周面に非加工部を設けることで、パンク修理効率のパンク位置依存性を小さくすることが可能となる。
なお、本発明において「タイヤ内周面」とは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、所定空気圧としたときに、タイヤ内腔に露出するタイヤの面を指す。また、「トレッド部」とは、トレッド踏面に相当するタイヤ幅方向範囲で、タイヤ半径方向に存在するタイヤ部分を指すものとする。ここでいうトレッド踏面とは、適用リムに組み付けると共に所定空気圧を充填したタイヤを、所定の荷重を加えた状態で転動させた際に、路面と接触する部分(タイヤ外周面に溝部を有する場合は、この範囲の溝部も含めた部分)からなる、タイヤの全周にわたる外周面を指すものとする。
ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.) YEAR BOOK等に規定されたリムを指し、「所定空気圧」とは、JATMA等に記載されている適用サイズのタイヤにおける所定の荷重に対応する空気圧(最高空気圧)を指す。「所定の荷重」とは、上記JATMA等の規格に記載されている適用サイズのタイヤにおける最大負荷能力に相当する荷重を指す。
さらに、「固着面積率」とは、タイヤ内周面の対象領域の面積に対する、短繊維の固着面積の割合を示すものとする。
本発明の空気入りタイヤの諸寸法は、特に断りのない限り、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷状態としたときの諸寸法を指す。
さらに、バットレス部内周面には、タイヤ周方向に連続する短繊維非固着領域(非加工部)が存在することが好ましい。非加工部がバットレス部にタイヤ周方向に連続して設けられることにより、回転によりパンク修理液がタイヤ内周面で流動しやすい、という利点を有する。
ここでいう「タイヤ周方向」とは、厳密なタイヤ周方向のみを指すものでなく、タイヤ周方向の成分を有する方向をも包含する。また、「タイヤ周方向に連続する短繊維非固着領域」とは、短繊維が、タイヤ幅方向に、1mm以上に亘って、固着されていないことを指す。
更に、「タイヤ周方向に連続する短繊維非固着領域」は、タイヤ周方向に沿って直線状に延在するものに限定されることなく、タイヤ周方向にジグザグ状、波状等をなして延在するものも指す。
上記バットレス部内周面にタイヤ周方向に連続して設けられる場合、その短繊維非固着領域の幅は、10mm以上が好ましい。非加工部の幅が一定以上であることによって、パンク修理液の流動がより生じやすい、という利点を有する。なお、ここでいう「幅」とは、タイヤ幅方向の長さを指すものとする。
本発明によれば、空洞共鳴音を低減させ、かつ、パンクシール剤を用いたパンク修理が容易であるとともに、パンク修理効率のパンク位置依存性の小さい空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの一実施形態のタイヤ幅方向の断面図である。 実施例1、比較例1、比較例2のタイヤにおける測定結果を示す図である。
以下に、図を参照しながら本発明を、その一実施形態に基づいて詳細に例示説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの一実施形態の幅方向の断面図である。図1に示す空気入りタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、上記一対のビード部1間にトロイド状に延在してこれら各部1,2,3を補強する一枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記トレッド部3の前記カーカス4のタイヤ半径方向外側に配置された二枚のベルト層からなるベルト5と、該ベルト5のタイヤ半径方向外側に配置された一層のベルト補強層6と、前記ビード部1内に夫々埋設したビードコア7のタイヤ半径方向外側に配置されたビードフィラー8と、上記カーカス4のタイヤ内周面側に配置したインナーライナー9とを備える。
図示例のカーカス4は、一枚のカーカスプライから構成され、また、一対のビードコア7間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア7の周りで、タイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明の空気入りタイヤにおいて、カーカス4のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。また、図示例の空気入りタイヤにおいては、カーカス本体部とカーカス折り返し部との間にビードフィラー8が配置されている。
また、図示例の空気入りタイヤのトレッド部3においては、上記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側には二枚のベルト層からなるベルト5が配置されており、該ベルト層は、通常、タイヤ赤道面Eに対して傾斜して延びるスチールコードのゴム引き層からなり、二枚のベルト層は、該ベルト層を構成するスチールコードが互いにタイヤ赤道面Eを挟んで交差するように積層されてベルト5を構成する。なお、図中のベルト5は、タイヤ赤道面Eを挟んで左右対称であり、ベルト5のタイヤ幅方向の幅、すなわちベルト層のタイヤ幅方向の最大幅(ベルト層が一層であればその幅、ベルト層が複数層であればそれらのうちの最大幅)をBWとする。ここで、本発明において、ベルト層のタイヤ幅方向の最大幅BWは、タイヤの最大幅の60〜90%の範囲であることが好ましい。また、図中のベルト5は、二枚のベルト層からなるが、本発明の空気入りタイヤにおいては、ベルト5を構成するベルト層の枚数は、三枚以上であってもよい。また、図示例の空気入りタイヤにおいては、一層のベルト補強層6が、ベルト5のタイヤ半径方向外側に配置されているが、本発明の空気入りタイヤは、ベルト補強層6を備えていなくてもよく、また、ベルト補強層6の枚数は、二枚以上であってもよい。
ここで、図1に示す空気入りタイヤにおいては、タイヤ内周面、即ち、インナーライナー9のタイヤ内周面の少なくとも一部に多数の短繊維10が固着されている。タイヤ内周面全体の短繊維の固着面積率は70%以上、好適には80%以上とする。短繊維の固着面積率を70%以上とすることで、短繊維による空洞共鳴低減効果が十分に発揮される。
一方で、図1の一対のバットレス部内周面BRのうち、少なくとも一方のバットレス部内周面BRのタイヤ内周面の短繊維固着率は50%以下、好適には30%以下、より好適には20%以下とする。ここで、両方のバットレス部内周面BRの短繊維固着率が50%以下である形態がより好ましい。ここでいうバットレス部内周面BRは、タイヤ内周面上の、ベルト5のタイヤ幅方向外側端に相当するタイヤ幅位置をAとし、Aの位置から0.1×BWだけタイヤ幅方向中央寄りの位置をBとし、位置Aとタイヤ最大幅位置MWとの間のタイヤ内周面長における中点位置をCとした場合、BからCにかけての領域(B−C間の領域)を指す。なお、両方のC位置の間の領域、すなわち、トレッド部及びバットレス部を含む領域が、特にパンクが生じやすい領域である。
なお、タイヤ内周面のうち、上記バットレス部内周面BRを除く全域に短繊維が配されている形態が最も好ましい。本発明では、トレッド部内周面にも短繊維非固着領域、すなわち、非加工部を設けることが可能であるが、この場合、トレッド部内周面の非加工部の範囲を大きくすると、パンク修理液はより流動しやすくなるが、空気共鳴低減効果が低くなってしまう。
さらに、バットレス部内周面BRには、タイヤ周方向に連続する短繊維非固着領域(非加工部)が存在することが好ましい。非加工部がバットレス部にタイヤ周方向に連続して設けられることにより、回転によりパンク修理液がタイヤ内周面で流動しやすい、という利点を有する。
バットレス部内周面にタイヤ周方向に連続して設けられる場合、短繊維非固着領域の幅は、10mm以上、特に20mm以上、さらに30mm以上であることが好ましい。非加工部の幅が一定以上であることによって、パンク修理液の流動がより生じやすい、という利点を有する。
上記短繊維10としては、有機合成繊維、無機繊維、再生繊維、天然繊維等の短繊維を用いることができる。また、有機合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ケブラー等の芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリメチルメタクリレート等のポリエステル、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン、及びこれらの共重合体等からなる繊維が挙げられる。また、無機繊維としては、例えば、カーボン繊維、グラスファイバー等が挙げられる。また、再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ等が挙げられる。また、天然繊維としては、例えば、綿、絹、羊毛等が挙げられる。
前記短繊維の固着領域における一平方センチメートル当たりの本数(平均値)は、100本以上、特に500本以上、さらに1000〜20000本であることが好ましい。単位面積当たりの短繊維の本数が100本未満と少ないと、空洞共鳴の低減効果が不足してしまうためである。
前記短繊維の平均長さは、0.5〜10mm、特に2〜8mmであることが好ましい。短繊維の平均長さが0.5mm未満では、空洞共鳴音を低減する効果が小さくなる。一方で、短繊維の平均長さを10mm超とすると、短繊維同士の絡み合いによるダマが発生し、吸音効果が十分に発現できなくなるおそれがある。
前記短繊維の平均直径は、1〜500μm、特に10〜100μmであることが好ましい。短繊維の平均直径が1μm未満になると、短繊維の製造工程において糸切れが多発し、短繊維の生産性が低下する。一方、短繊維の平均直径が500μmを超えると、タイヤとしての重量増が転がり抵抗に影響するレベルとなり、本発明の空気入りタイヤを装着した車両の燃費の悪化をまねくおそれがある。
また、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記短繊維の平均長さ(L)と平均直径(D)との比(L/D)が5≦L/D≦2000の範囲にあることが好ましい。短繊維の平均長さと平均直径の比(L/D)が5未満では、空洞共鳴音を低減する効果が小さくなる。一方、短繊維の平均長さと平均直径の比(L/D)が2000を超えると、短繊維同士の絡み合いによるダマが発生し、吸音効果が十分に発現できなくなるおそれがある。
また、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記短繊維の固着されている領域が複数の短繊維群からなり、該複数の短繊維群が互いに独立して固着されていることが好ましい。短繊維の固着されている領域を、連続せずに設けることにより、仮に接着層がはがれることがあったとしても、はがれる範囲が極僅かで止まり、空洞共鳴抑制効果を維持することができる。
本発明の空気入りタイヤを製造する方法としては、加硫済みタイヤの内周面に接着剤を塗布する工程と、前記接着剤を塗布した部位に短繊維を接着させる工程とを備える方法が挙げられる。
上記の方法では、まずタイヤ内周面の短繊維接着部位に接着剤を塗布し、次に、接着剤を塗布した部位に短繊維10を接着させることにより、上述したような優れた吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。ここで、使用する接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤等が挙げられる。
上記の方法において、さらに、静電植毛加工により前記短繊維10をタイヤ内周面に設けることができる。短繊維10は、種々の方法でタイヤ内周面に接着させることができるが、静電植毛加工を用いることにより、短繊維10を簡単にタイヤ内周面に立設させた状態で固着させることができ、吸音効果を得ることのできる空気入りタイヤを効率的に製造することができる。
静電植毛加工は、短繊維を帯電させ、静電気力により、予め接着剤を塗布した物体に短繊維を垂直に植毛する加工技術であるため、複雑な形状の物体表面にも均一に短繊維を植毛することができ、3次元的に曲率をもったタイヤ内周面に短繊維10を植毛するのに適している。
上述した本発明の空気入りタイヤは、通常、リムに組み付けられ、タイヤとリムとの組立体として、目的の車両に取り付けられて使用される。ここで、空洞共鳴低減効果を更に高めるために、リムのタイヤ内腔に露出した一部又は全面に上述した短繊維を固着してもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1,2及び比較例1〜4>
同一仕様のタイヤを用い、バットレス部内周面にタイヤ周方向に連続する幅30mmの非加工部を設けたタイヤ(実施例1)、バットレス部内周面に幅30mmの、トレッド部のタイヤ幅方向中央領域のタイヤ内周面に幅50mmのタイヤ周方向に連続する非加工部をそれぞれ設けたタイヤ(実施例2)、タイヤ内周面に短繊維を設けないタイヤ(比較例1)と、タイヤ内周面の全面に短繊維を均等に植毛したタイヤ(比較例2)、トレッド部内周面とバットレス部内周面を含む領域(幅180mm)に周方向に連続する非加工部を設けたタイヤ(比較例3)、及び、トレッド部のタイヤ幅方向中央領域のタイヤ内周面にのみ幅50mmのタイヤ周方向に連続する非加工部を設けたタイヤ(比較例4)を準備し、各タイヤに対して、以下のようにして、実車車内音、パンク修理液の必要量を測定した。なお、上記の「非加工部」を設けたタイヤにおいて、タイヤ内周面の非加工部以外の領域にはすべて植毛加工を施した。
Figure 0006060031
短繊維としては、太さ15デニール(φ45μm)、長さ2.5mmのナイロン製短繊維を使用した。
使用したタイヤは、図1に示す構造を有するサイズ205/55R16の一般的な市販品であり、使用リムは6.5JJ−16である。なお、ベルト層のタイヤ幅方向の最大幅BWは、タイヤの最大幅の78%である。
上記タイヤを2000ccクラスの乗用車に装着し、1名乗車で、速度50km/hの条件で、荒れたアスファルト路を走行し、ドライバーの耳元に設置したマイクロホンにて、騒音を測定し、周波数スペクトル(一部を図2に表示)を得た。騒音の指標となる235Hz付近のピークについて、比較例1のタイヤを基準として、他の供試タイヤがどれだけ低減したかを表1に示す。
上記の供試タイヤに対し、パンクシール剤の必要量を下記の方法で評価した。タイヤ内周面上の、ベルト幅位置Aよりタイヤ幅方向外側に10mmの位置(バットレス部内)、またはトレッド部幅方向中央位置に、タイヤ外周面から内腔まで貫通する穴を空け、供試タイヤ内にホイールのバルブからパンクシール剤(補修液)を注入し、内圧を充填した後、一定速度にて距離約5kmを走行し、穴が塞がっているかを確認する。穴が塞がっていない場合は、液を追加し穴が塞がるまで同様のことを繰りかえす。
実施例1、2のタイヤでは、例えば比較例3のタイヤと比較して、大きな空洞共鳴低減効果が得られていることが分かる。比較例3のタイヤは、パンク修理効率はパンク位置に依存することなく高いものの、高い空洞共鳴低減効果は得られなかった。一方、比較例2は、高い空洞共鳴低減効果が得られるものの、パンク位置がいずれの位置でもパンク修理効率が低かった。比較例4においては、空洞共鳴低減効果が高く、また、パンク位置がトレッド幅方向中央位置にある場合は修理効率が高かったが、パンク位置がバットレス部にある場合は、その修理効率は低下した。すなわち、修理効率のパンク位置依存性が高かった。実施例1,2においては、十分な空洞共鳴低減効果が得られ、かつ、パンク修理効率においても、そのパンク位置がトレッドのタイヤ幅方向中央位置にある場合とバットレス部にある場合とで、その修理効率の差異は低く抑えられ、良好な修理効率を示した。すなわち、修理効率のパンク位置依存性が低かった。
1…ビード部、1A…ビード部のタイヤ半径方向内側端部、2…サイドウォール部、3…トレッド部、4…カーカス、5…ベルト、6…ベルト補強層、7…ビードコア、8…ビードフィラー、9…インナーライナー、10…短繊維、BW…ベルト層のタイヤ幅方向の最大幅、E…タイヤ赤道面、MW・・・タイヤ最大幅位置、BR・・・バットレス部内周面。

Claims (3)

  1. トレッド部に備えた1枚以上のベルト層からなるベルトの、タイヤ幅方向の幅をBWとし、
    タイヤ内周面上で、前記ベルトのタイヤ幅方向外側端に相当するタイヤ幅位置AからBW×0.1だけタイヤ幅方向中央寄りの位置Bと、前記タイヤ幅位置Aとタイヤ最大幅位置MWとの間のタイヤ内周面長における中点位置Cと、の間の領域をバットレス部内周面としたとき、
    タイヤ内周面の少なくとも一部に短繊維が固着されており、タイヤ内周面全体の短繊維の固着面積率が70%以上であり、かつ、一対のバットレス部内周面のうち少なくとも一方のバットレス部内周面における短繊維の固着面積率が50%以下である、
    ことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記バットレス部内周面には、タイヤ周方向に連続する短繊維非固着領域が存在する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記短繊維非固着領域の幅は10mm以上である、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
JP2013090633A 2013-04-23 2013-04-23 空気入りタイヤ Active JP6060031B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013090633A JP6060031B2 (ja) 2013-04-23 2013-04-23 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013090633A JP6060031B2 (ja) 2013-04-23 2013-04-23 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014213645A JP2014213645A (ja) 2014-11-17
JP6060031B2 true JP6060031B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=51939855

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013090633A Active JP6060031B2 (ja) 2013-04-23 2013-04-23 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6060031B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004082387A (ja) * 2002-08-23 2004-03-18 Bridgestone Corp 空気入りタイヤの製造方法、空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体
JP2009046089A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Bridgestone Corp 空気入りタイヤとリムとの組立体
CN103842188A (zh) * 2011-08-26 2014-06-04 株式会社普利司通 充气轮胎及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014213645A (ja) 2014-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013031165A1 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP7083741B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
EP2960076B1 (en) Pneumatic tire
JP5478746B1 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP6060031B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5478745B1 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2014159225A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP5557934B1 (ja) 空気入りタイヤ
US20220016943A1 (en) Pneumatic radial tire for passenger vehicles
JP5038766B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2014024362A (ja) 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法
CN111372792B (zh) 充气轮胎
JP7162515B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP7198071B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
WO2014097557A1 (ja) 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法
JP2012254656A (ja) タイヤとリムとの組立体及びタイヤとリムとの組立方法
JP2014159226A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2022107743A (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP2020093679A (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP2022164929A (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP2014159227A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160314

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6060031

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250