JP2014024362A - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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充幸 和氣
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Abstract

【課題】本発明は、タイヤの空洞共鳴音を低減させつつ、タイヤの製造コストを低減することを目的とする。また、本発明は、空洞共鳴音を低減させた空気入りタイヤを低コストで製造することも目的とする。
【解決手段】タイヤ内面の少なくとも一部に、多数の吸音材チップが固着されたことを特徴とする、空気入りタイヤ、及び該空気入りタイヤの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法に関し、特に、空洞共鳴音を低減させつつ、製造コストを低減させた空気入りタイヤ、及び空洞共鳴音を低減させた空気入りタイヤを低コストで製造することを可能にする空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤが発生させる騒音の要因の一つに、タイヤ内部に充填された空気の振動による空洞共鳴現象がある。空洞共鳴現象とは、タイヤの転動時の、トレッド部と凹凸のある路面との接触により生じた振動が、タイヤ内部の空気を振動させることによって、タイヤ内部で生じる共鳴現象をいう。
例えば、一般的な乗用車用タイヤの場合には、空洞共鳴現象により生じる、空洞共鳴周波数200Hz〜270Hzの音が、車内騒音として耳障りな音となる。
上記空洞共鳴現象により生じる音(以下、「空洞共鳴音」ともいう。)を低減する技術として、タイヤ内部に吸音材料を配置することによって、空洞共鳴音を吸収する(吸音する)技術が提案されている。
上記手法のうち有力なものとして、例えば、静電植毛加工を用いて、タイヤ内面に吸音性を備える短繊維を固着させる技術(特許文献1参照)や、タイヤ内面にスポンジや不織布等の帯状の吸音材料を貼り付ける技術(特許文献2、3参照)が知られている。
特開2004−082387号公報 特開2006−143021号公報 特開2009−023548号公報
しかしながら、静電植毛加工を用いる上記技術では、電界内で飛昇性を有するバイルを調製するために、タイヤ内面に固着させる短繊維に電着処理を施す必要があり、また、このバイルをタイヤ内面に向けて投錨するために、高電圧電源等の特殊な設備を用意する必要があった。そのため、この技術では、空洞共鳴音を低減させた空気入りタイヤを製造するためのコストが高くなるという問題があった。
また、帯状の吸音材料をタイヤ内面に貼り付ける上記技術では、帯状部材の曲面への固着が困難であるために、吸音材料をサイドウォール部に固着させることが容易ではないこと、帯状部材はタイヤ内面とタイヤ内腔との接触を妨げるために、タイヤ転動に伴ってタイヤに発生する熱が、タイヤ内面と帯状部材との間に蓄えられて、タイヤの熱による劣化が生じやすくなること、タイヤがパンクした場合にタイヤに生じた貫通孔をパンクシール剤で塞ぐ作業に支障が生じるため、タイヤの修理が困難であること等といった問題があった。
そのため、上記従来の技術に代わる、空洞共鳴現象による騒音を低減する技術の出現が望まれていた。
そこで、本発明は、タイヤの空洞共鳴音を低減させつつ、タイヤの製造コストを低減することを目的とする。また、本発明は、空洞共鳴音を低減させた空気入りタイヤを低コストで製造することも目的とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤ内面の少なくとも一部に、多数の吸音材チップが固着されたことを特徴とする。本発明の空気入りタイヤによれば、タイヤ内面に固着された多数の吸音材チップが、タイヤの空洞共鳴音を吸収するため、この空洞共鳴音に起因する騒音を低減することができる。そして、吸音材チップは安価であり、そのタイヤ内面への固着も比較的容易であるため、空気入りタイヤの製造コストを低減させることができる。そのため、タイヤの空洞共鳴音を低減させつつ、タイヤの製造コストを低減することができる。
なお、「吸音材チップ」とは、JIS A 6301に記載される「吸音材料(吸音を目的として使用する材料)」をチップ状にしたものを指す。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記吸音材チップが固着されたタイヤ内面領域であるチップ固着領域の面積の、前記タイヤ内面の表面積に対する割合が25%以上であることが好ましい。チップ固着領域の面積を上記範囲とすれば、空洞共鳴音を低減する効果を更に十分に得ることができる。
なお、「タイヤ内面の表面積」とは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、所定空気圧としたときに、タイヤ内腔に露出するタイヤ内面の面積を指す。
またなお、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指す。
更になお、「所定空気圧」とは、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指す。
更に、本発明の空気入りタイヤでは、前記吸音材チップの粒径が0.10mm〜50mmであることが好ましい。粒径を上記範囲とすれば、吸音材チップの通常の製法による製造を可能にしつつ、上記空洞共鳴音を低減する効果の低減を抑制することができる。
なお、「粒径」とは、投影面積円相当径、すなわち、測定粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径を指す。
更に、本発明の空気入りタイヤでは、前記吸音材チップの密度が0.01g/cm〜0.5g/cmであることが好ましい。密度を上記範囲とすれば、空洞共鳴音を吸収する上記効果を十分に得つつ、タイヤの転がり抵抗の増大を抑制することができる。
更に、本発明の空気入りタイヤは、タイヤのトレッド部にベルト層を備え、タイヤ幅方向断面図において、前記ベルト層のタイヤ幅方向幅をBwとし、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に0.5Bwの範囲にある領域を中央領域とし、該中央領域のタイヤ幅方向外側にある領域を側部領域としたときに、中央領域における前記チップ固着領域の面積の、中央領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合が、側部領域における前記チップ固着領域の面積の、側部領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合と比較して、小さいことが好ましい。上記構成とすれば、チップ固着領域の面積を所定の大きさとした場合に、上記空洞共鳴音を吸収させる効果を得つつ、タイヤの転がり抵抗の増大を抑制してタイヤの燃費性の悪化を抑制することができる。
なお、本発明の空気入りタイヤの諸寸法は、特に断りのない限り、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷状態としたときの諸寸法を指す。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ内面の少なくとも一部に接着剤を塗布する塗布工程と、前記接着剤に多数の吸音材チップを固着させる固着工程と、を含むことを特徴とする。本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、空洞共鳴音を低減させた空気入りタイヤを低コストで製造することが可能になる。
本発明の空気入りタイヤによれば、空洞共鳴音を低減させつつ、製造コストを低減することができる。本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、空洞共鳴音を低減させた空気入りタイヤを低コストで製造することが可能になる。
適用リムに装着した状態の本発明の一例の空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 本発明の一例の空気入りタイヤが発生させる空洞共鳴音の音圧レベルを、マイクロホンを用いて測定した結果を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の空気入りタイヤ、及び本発明の空気入りタイヤの製造方法の実施形態について詳細に、例示説明する。
(空気入りタイヤ)
図1に、適用リムに装着した状態の本発明の一例の空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図を示す。本発明の一例の空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、該トレッド部2の側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部3と、該サイドウォール部3からタイヤ径方向内方に延びる一対のビード部4とを有する。
また、この空気入りタイヤ1は、各ビード部4間にトロイド状に跨る1プライのカーカス5を備え、トレッド部2のカーカス5のタイヤ径方向外方に、複数本のコードをゴム被覆してなる2層のベルト層6(6a、6b)を備える。
更に、この空気入りタイヤ1では、カーカス5よりもタイヤ内面側に配設されて、空気入りタイヤの内圧を保持する、1枚のインナーライナー7を備えている。そして、このインナーライナー7の表面が、この空気入りタイヤ1のタイヤ内面8を形成している。
本発明の一例の空気入りタイヤ1では、タイヤ内面8の少なくとも一部に、多数の吸音材チップ9が固着されている。そして、本発明の空気入りタイヤでは、上記構成とすることを必要とする。
吸音材チップ9をなす吸音材料は、吸音を目的として使用する材料であり、海綿状の多孔質材料からなる。かかる吸音材料としては、天然樹脂や合成樹脂の発泡体、発泡ゴム、
ガラス繊維、ウェブ材、不織布、セラミック等の無機材料を網状やポーラス状に成形したもの、金属材料を網状、ポーラス状に成形したもの等が挙げられる。
そして、吸音材チップ9は、上述の吸音材料又はその端材を、粉砕することによりチップ状にしたものである。
この空気入りタイヤ1では、上記吸音材チップ9は、接着剤10を介してタイヤ内面8を形成するインナーライナー7の表面に固着される。
この空気入りタイヤ1では、タイヤ内面8に固着された多数の吸音材チップ9が、タイヤの空洞共鳴音を吸収するため、この空洞共鳴音に起因する騒音を低減することができる。
ここで、吸音材チップ9は、特殊な処理(例えば、従来の静電植毛加工を用いる短繊維の吸音材に施される電着処理)を必要としない一般的な材料を用いて調製することができ、また、安価な端材を用いて調製することもできるため、吸音材チップを低コストで調製することができる。そして、吸音材チップ9のタイヤ内面8への固着は、上記先行技術と比較して容易である。
そのため、この空気入りタイヤ1では、タイヤの空洞共鳴音を低減させつつ、タイヤの製造コストを低減することができる。
また、吸音材チップ9は、平面状のトレッド部2のタイヤ内面8のみならず曲面状のサイドウォール部3のタイヤ内面8にも、均一に固着させることが可能である。そのため、格別の工夫を要することなく吸音材をタイヤ内面に固着することができ、上記空洞共鳴音を低減する効果を十分に得ることができる。
更に、タイヤ内面8に固着される吸音材の厚さが比較的小さくなるため、タイヤに生じた貫通孔をパンクシール剤で塞ぐ作業が容易になる。そのため、タイヤの修理を容易に行うことができる。
更に、帯状の吸音材をタイヤ内面に貼り付けた場合には、タイヤ内面8とタイヤ内腔11との接触面積が比較的小さいため、タイヤのトレッド部2やサイドウォール部3で発生した熱が、タイヤ内面8と吸音材との間に蓄えられる現象が生じやすいところ、吸音材チップをタイヤ内面に固着させた場合には、タイヤ内面8とタイヤ内腔11との接触面積が比較的大きいため、熱がタイヤ内腔11に放出されやすい。そのため、タイヤの熱による劣化を抑制することができ、タイヤの耐久性を向上させることができる。
ここで、空気入りタイヤ1において、吸音材チップ9が固着されたタイヤ内面領域を、チップ固着領域9Rとする。このとき、チップ固着領域9Rの面積Sc(図示せず)の、タイヤ内面8の表面積Sa(図示せず)に対する割合Pが25%以上である。
ScをSaの25%以上とすれば、空洞共鳴音を低減する効果を更に十分に得ることができる。
このように、本発明の空気入りタイヤでは、チップ固着領域の面積の、タイヤ内面の表面積に対する割合が25%以上であることが好ましい。
また、同様の理由により、本発明の空気入りタイヤでは、ScをSaの100%、すなわち、タイヤ内面の全面に、吸音材チップが固着されることが最も好ましい。
ここで、この空気入りタイヤ1において、ベルト層6のタイヤ幅方向幅をBwとする。そして、タイヤ赤道面CLを中心としてタイヤ幅方向に0.5Bwの範囲にある領域を中央領域Rcとし、該中央領域Rcのタイヤ幅方向外側にある領域を側部領域Rsとする。
このとき、中央領域におけるチップ固着領域9Rcの面積Sccの、中央領域におけるタイヤ内面8cの表面積Sacに対する割合Pcと、側部領域におけるチップ固着領域9Rsの面積Scsの、側部領域におけるタイヤ内面8sの表面積Sasに対する割合Psとを比較すると、PcがPsよりも小さい。
なお、本発明の空気入りタイヤでは、ベルト層が複数層設けられている場合には、ベルト層のタイヤ幅方向幅は、各ベルト層のタイヤ幅方向最外端のうちタイヤ幅方向最外側に位置する2つの端間のタイヤ幅方向距離を指すものとする。
タイヤ転動に伴ってタイヤに発生する熱は、タイヤ内面8からタイヤ内腔11に放出され、タイヤの熱による劣化が抑制されている。ここで、タイヤ内面8に吸音材を固着させる場合、この熱が、タイヤ内面8と吸音材との間に蓄えられる現象が生やすい。
そして、一般に、トレッド部2における発熱量は、サイドウォール部3における発熱量と比較して多くなる。
上記構成とすれば、発熱が比較的生じやすいトレッド部のタイヤ内面に用いる吸音材が比較的少量となり、一方で、発熱が比較的生じにくいサイドウォール部のタイヤ内面に用いる吸音材が比較的多量となる。そのため、チップ固着領域の面積を所定の大きさとした場合に、上記空洞共鳴音を吸収させる効果を得つつ、タイヤの転がり抵抗の増大を抑制してタイヤの燃費性の悪化を抑制することができる。また、タイヤのパンクを修理する際に、パンク修理液がタイヤ内面上に広がりやすくなるため、タイヤの修理を容易に行うことができる。
このように、本発明の空気入りタイヤでは、中央領域におけるチップ固着領域の面積の、中央領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合が、側部領域におけるチップ固着領域の面積の、側部領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合と比較して、小さいことが好ましい。
上記チップ固着領域は、タイヤ回転軸に関するタイヤ重量のバランスを保つため、タイヤ周方向に連続的に設けられることが好ましい。
以下、本発明の空気入りタイヤの各構成について更に詳細に説明する。
吸音材料として用いられる上記合成樹脂の発泡体としては、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等の発泡体が挙げられる。また、その発泡体の調製が容易であるポリウレタン樹脂が好ましく、特に、操作性に優れる軟質ポリウレタン樹脂が最も好ましい。更に、ポリウレタン樹脂の中でも、加水分解を避ける観点から、ポリエステル系ポリウレタン樹脂よりもポリエーテル系ポリウレタン樹脂の方が好ましい。
なお、発泡体に含まれる気泡は、例えば、独立気泡や連続気泡等、あらゆる形状の気泡であってよい。
吸音材チップの形状は、球、立方体、多面体、円柱、円錐、綿状等のあらゆる形状とすることができ、又は不定形とすることもできる。
本発明の空気入りタイヤでは、吸音材チップの粒径は、0.10mm〜50mmであることが好ましい。なお、上記は、全ての吸音材チップの粒径が上記範囲にあることを意味する。
粒径を0.10mm未満とすると、吸音材チップを通常の製法で製造することが困難になる。また、粒径を50mm超とすると、吸音材チップ間の空隙が増加して、タイヤ内面に固着させることができる吸音材チップの量が減少する。そのため、上記空洞共鳴音を低減する効果が低減される。
同様の理由により、本発明の空気入りタイヤでは、吸音材チップの粒径は、0.10mm〜25mmであることが更に好ましい。
本発明の空気入りタイヤでは、均一な粒径の吸音材チップを用いるよりも、様々な粒径の吸音材チップを用いることが好ましい。
様々な粒径の吸音材チップを用いれば、粒径の大きな吸音材チップ間に粒径の小さな吸音材チップを収めることができ、タイヤ内面に固着させることが可能な吸音材チップの体積を増大させることができる。そのため、上記空洞共鳴音を低減する効果を更に十分に得ることができる。
本発明の空気入りタイヤでは、吸音材チップの密度は、0.010g/cm〜0.50g/cmであることが好ましい。なお、上記は、全ての吸音材チップの密度が上記範囲にあることを意味する。
密度を0.010g/cm未満とすると、空洞共鳴音を低減する上記効果を十分に得ることができない。また、密度を0.50g/cm超とすると、固着させた吸音材チップの質量が増加して、タイヤの質量が増加する。そのため、タイヤの転がり抵抗が増大して、タイヤの燃費性が悪化する。
同様の理由により、本発明の空気入りタイヤでは、吸音材チップの密度は、0.015g/cm〜0.20g/cmであることが更に好ましい。
本発明の空気入りタイヤでは、吸音材チップの密度を単一の値とすることに限定されることなく、吸音材チップの密度を様々な値とすることもできる。
タイヤ1個当たりに用いる吸音材チップの質量の、タイヤ1個の質量に対する割合は、0.001〜0.05であることが好ましい。上記範囲とすれば、固着させた吸音材チップの質量を抑制し、タイヤの質量の抑制することができる。そのため、タイヤの転がり抵抗の増大を抑制して、タイヤの燃費性の悪化を抑制することができる。
上記本発明の一例の空気入りタイヤ1では、接着剤を用いて、吸音材チップをタイヤ内面に固着させている。しかしながら、本発明の空気入りタイヤでは、両面テープ、面ファスナー、粘着剤を介して、吸音材チップをタイヤ内面に固着させることもできる。
本発明の空気入りタイヤに用いられる接着剤としては、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤等が挙げられる。
なお、図1に示す本発明の一例の空気入りタイヤ1では、カーカス5のプライ数は1プライであるが、本発明の空気入りタイヤでは、プライ数は必要に応じて複数のプライとすることもできる。また、図1に示すカーカス5は、本発明の空気入りタイヤでは、ラジアルカーカスとしてもバイアスカーカスとしてもよい。
またなお、図1ではベルト層6を2層とした場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、ベルト層は少なくとも1層設けられていればよい。
(空気入りタイヤの製造方法)
以下、本発明の空気入りタイヤの製造方法について、詳細に説明する。
本発明の空気入りタイヤに用いられる吸音材チップは、塊状の吸音材料を所望の大きさや形状のチップに粉砕する一般的な手法を用いて製造することができる。粉砕の方法としては、カッター等の裁断具による裁断や、回転刃式粉砕機等の粉砕機を用いた粉砕等が挙げられる。
本発明の一例の空気入りタイヤの製造方法は、図1に示す上記本発明の一例の空気入りタイヤ1の製造方法である。そして、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ内面の少なくとも一部に接着剤を塗布する塗布工程と、タイヤ内面の少なくとも一部に多数の吸音材チップを固着させる固着工程と、を含むことを必要とする。
本発明の一例の空気入りタイヤ1の製造方法においては、まず、基本的構成を備える空気入りタイヤを準備する。
次いで、塗布工程では、接着剤10を、例えば、刷毛、ヘラ、スプレー塗布装置等を用いて、タイヤ内面8を形成するインナーライナー7表面に塗布する。
そして、固着工程では、上記塗布工程にて接着剤10が塗布されたタイヤ内面領域に、多数の吸音材チップ9を散布して、この領域に塗布された接着剤に吸音材チップ9を固着させる。
本発明の一例の空気入りタイヤの製造方法によれば、空洞共鳴音を低減させつつ、製造コストを低減させた、本発明の一例の空気入りタイヤ1を製造することが可能になる。
このように、本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、空洞共鳴音を低減させた空気入りタイヤを低コストで製造することが可能になる。
空気入りタイヤの製造に必要な他の工程は、当業者によって容易に追加され得る。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
空気入りタイヤ(205/55R16)のタイヤ内面に、二液性ウレタン樹脂系接着剤を塗布した。そして、この接着剤の上に、粒径0.10mm〜25mm、密度0.200g/cmのポリエーテル系ポリウレタン製のチップ約100gを散布して、このチップをタイヤ内面に固着させた。
(比較例1)
空気入りタイヤ(205/55R16)のタイヤ内面に吸音材を固着させず、代わりにナイロン製の短繊維を用いて静電植毛加工を施した点以外は、実施例1と同様とした。
作製した空気入りタイヤ1本当たりの製造コストを評価した。具体的には、比較例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。評価結果を表1に示す。指数が小さいほど製造コストが低いことを示す。
(1)騒音性試験(空洞共鳴音測定)
上記の通り準備した空気入りタイヤを、JATMA規格に定める適用リム(6.5JJ−16)に装着してリム組みして、内圧220kPa、1名乗車の条件下、2000ccクラスの乗用車両に装着した。アスファルトで舗装された荒れた路面上のコース上において、上記車両を50km/時で走行させ、空気入りタイヤの空洞共鳴音をドライバーの耳元に設置したマイクロホンで測定し、その音圧レベル(dB(A))を評価した。評価結果を図2、表1〜表5に示す。音圧レベルの低減量が大きいほど、空洞共鳴音を低減させる効果が高いことを示す。
図2に示すように、225Hz、235Hz付近に見られるピークが、タイヤの空洞共鳴現象に起因する車内騒音の周波数を示すことがわかる。そして、実施例1のタイヤにおけるこれらの周波数の音圧レベルが、比較例1のタイヤにおけるそれらと比較して、約2.0dB〜5.0dB低減し、本発明の空気入りタイヤの顕著な空洞共鳴音低減の効果が示された。
(2)転がり抵抗性試験
上記の通り準備した空気入りタイヤを、JATMA規格に定める適用リム(6.5JJ−16)に装着してリム組みして、内圧220kPaとした。そして、ドラム試験機において、荷重0.425tの条件下、速度100km/時で走行させた。そして、タイヤを慣性走行させたときのタイヤの減速度から転がり抵抗を測定して評価した。具体的には、比較例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。評価結果を表1〜表5に示す。指数が小さいほど転がり抵抗が小さく、燃費性に優れることを示す。
Figure 2014024362
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(実施例2〜9、比較例2〜6)
表1に示す諸元の空気入りタイヤを作製し、該空気入りタイヤを用いた以外は、実施例1と同様に上記の性能評価を行った。詳細な実験条件は表1〜表5に示す。なお、騒音性試験(空洞共鳴音測定)の結果は、実施例1において音圧レベルの低減が顕著であった235Hz付近の音圧レベルの結果のみを表1〜表5に示す。
実施例1と、比較例1と、を比較することにより、タイヤ内面の少なくとも一部に、多数の吸音材チップを固着させれば、空洞共鳴音を低減させつつ、製造コストを低減するという本発明の効果が得られることが示された。
実施例1〜4と、比較例2とを比較することにより、特に、チップ固着領域の面積の、タイヤ内面の表面積に対する割合を25%以上とすれば、更に、空洞共鳴音を低減させつつ、製造コストを低減することができることが示された。
実施例1、5と、比較例3、4とを比較することにより、吸音材チップの粒径を0.10mm〜50mmとすれば、空洞共鳴音を低減する効果の低減を抑制することができることが示された。
実施例1、6、7、8と、比較例1、5,6とを比較することにより、吸音材チップの密度を0.010g/cm〜0.50g/cmとすれば、空洞共鳴音を吸収する上記効果を十分に得つつ、タイヤの転がり抵抗の増大を抑制することができることが示された。
実施例9により、中央領域におけるチップ固着領域の面積の、中央領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合を、側部領域におけるチップ固着領域の面積の、側部領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合と比較して、小さくした場合でも、空洞共鳴音を吸収する上記効果を十分に得られることが示された。
本発明の空気入りタイヤによれば、空洞共鳴音を低減させつつ、製造コストを低減することができる。本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、空洞共鳴音を低減させた空気入りタイヤを低コストで製造することが可能になる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 カーカス
6 ベルト層
6a ベルト層
6b ベルト層
7 インナーライナー
8 タイヤ内面
8c 中央領域におけるタイヤ内面
8s 側部領域におけるタイヤ内面
9 吸音材チップ
9R チップ固着領域
9Rc 中央領域におけるチップ固着領域
9Rs 側部領域におけるチップ固着領域
10 接着剤
11 タイヤ内腔
12 適用リム
Bw ベルト層のタイヤ幅方向幅
CL タイヤ赤道面
CR 中央領域
SR 側部領域
Sc チップ固着領域の面積
Scc 中央領域におけるチップ固着領域の面積
Scs 側部領域におけるチップ固着領域の面積
Sa タイヤ内面の表面積
Sac 中央領域におけるタイヤ内面の表面積
Sas 側部領域におけるタイヤ内面の表面積
P チップ固着領域のタイヤ内面の表面積に対する割合
Pc 中央領域におけるチップ固着領域の面積の中央領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合
Ps 側部領域におけるチップ固着領域の面積の側部領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合
Rc 中央領域
Rs 側部領域

Claims (6)

  1. タイヤ内面の少なくとも一部に、多数の吸音材チップが固着されたことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記吸音材チップが固着されたタイヤ内面領域であるチップ固着領域の面積の、前記タイヤ内面の表面積に対する割合が25%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記吸音材チップの粒径が0.10mm〜50mmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記吸音材チップの密度が0.010g/cm〜0.50g/cmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤのトレッド部にベルト層を備え、
    タイヤ幅方向断面図において、前記ベルト層のタイヤ幅方向幅をBwとし、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に0.5Bwの範囲にある領域を中央領域とし、該中央領域のタイヤ幅方向外側にある領域を側部領域としたときに、
    中央領域における前記チップ固着領域の面積の、中央領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合が、側部領域における前記チップ固着領域の面積の、側部領域におけるタイヤ内面の表面積に対する割合と比較して、小さいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ内面の少なくとも一部に接着剤を塗布する塗布工程と、
    前記接着剤に多数の吸音材チップを固着させる固着工程と、
    を含むことを特徴とする、空気入りタイヤの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018520930A (ja) * 2015-07-03 2018-08-02 コンティネンタル・ライフェン・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 吸音材を備えた空気入り自動車タイヤ
CN111344160A (zh) * 2017-11-13 2020-06-26 株式会社普利司通 轮胎

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