JP2018520930A - 吸音材を備えた空気入り自動車タイヤ - Google Patents
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Abstract
本発明は、空気入り自動車タイヤであって、タイヤの内部において、トレッド(1)の反対側に位置する内面に接着して取り付けられた発泡体からなる吸音材(9)を備えた空気入り自動車タイヤであって、吸音材(9)が、予め施された自己シール性シーリング材(8)であって、少なくともその塗布の直後には、吸音材(9)の接着取付けに必要とされる粘着性を有する予め施された自己シール性シーリング材(8)に付着する、空気入り自動車タイヤに関する。吸音材(9)は、互いに接続されていない複数の独立した幾何学的吸音材部分要素(10)から構成され、各幾何学的吸音材部分要素(10)がシーリング材(8)に付着し、各幾何学的吸音材部分要素(10)が1mm〜50mmの直径(11)を有する。
Description
本発明は、空気入り自動車タイヤであって、前記タイヤの内部において、トレッドの反対側に位置する内面に接着して取り付けられた発泡体からなる吸音材を有する空気入り自動車タイヤであって、吸音材は、予め施された自己シール性シーリング材であって、少なくともその塗布の直後には、吸音材の接着取付けに必要とされる粘着性を有する予め施された自己シール性シーリング材に付着する空気入り自動車タイヤに関する。
このような空気入り自動車タイヤは、独国特許出願公開第102007028932A1号明細書から既知である。内部吸収材は、タイヤにおける空気の振動を減少させ、自動車における騒音状態の改善をもたらす、連続発泡体からなるリングである。タイヤの内側に施された高粘度シーリング材は、2つの機能を有する、すなわち、内部層への損傷があった場合に、粘性のあるシーリング材が損傷の場所に流入するという点で、この高粘度シーリング材はトレッドの領域におけるタイヤの望ましくない穴をシールする。さらに、シーリング材は、同時に、吸音発泡体リングを固定するための「接着剤」として機能する。
しかしながら、高粘度シーリング材の流動特性は、シーリング材上にその全表面積にわたってある内部吸収材により悪影響を受ける場合があり、このことは望ましいシーリング効果が遅れてのみ生じるかまたは全く生じないことを意味する。貫通する異物がタイヤから再び出て行き、大きい空気チャネルをあける場合、その流動特性の点から悪影響を受けたシーリング材による信頼性のあるシーリングは特に困難である。
「高粘性」は、本明細書においては、粘度が10Pa・sを超えるシーリング材を意味するとして理解されるべきである。
本発明は、穴が開いた場合にタイヤのシーリングを向上させると同時に吸音を向上させるという目的に基づく。さらに、前述のタイヤを作るための方法を提供することが本発明の目的である。
本発明によると、上述の目的は、吸音材が、互いに接続されていない複数の独立した幾何学的吸音材本体から構成される、幾何学的吸音材本体の各々がシーリング材に付着する、および幾何学的吸音材本体の各々が1mm〜50mmの直径を有するという点で、自動車タイヤに関して達成される。
発明によると、吸音材は、タイヤ円周を囲むように延びる、部分に分かれていない本体ではなく、それはむしろ、吸音材が、タイヤ内面に環状に配置されたシーリング材に各々付着する複数の独立した吸音材本体からなる場合である。吸音材本体は、環状に配置されたシーリング材に接着結合された態様で、互いの前、後、隣に、接触している、および/または、接触していないように、一層に配置される。
複数の吸音材本体の表面積は、全体として、通常は、単一の吸音リングの表面積よりかなり大きく、それにより、吸音は向上する。好適な形状を有する吸音材本体は、シーリング材にそれらの全表面積にわたっては接着結合されず、自由なシーリング材表面領域がむしろ理想的には吸音材本体間に形成されるという事実のために、穴が開いた場合のシーリング材の流動特性、したがってタイヤのシーリングは向上する。
吸音材本体の直径は、前記吸音材本体を囲む可能な限り小さい(仮想の)球体に基づき測定される。
好適なサイズの吸音材本体が、吸音材本体への投影において、トレッドの反対側に位置する表面の30〜95%、好ましくは70〜90%が吸音材本体で覆われるような数で配置される。
吸音材本体が好ましくは、10mm〜70mm、好ましくは20mm〜40mmの直径を有する、球体または多面体など幾何学的正多面体である場合、有利である。吸音材を形成する全球状吸音材本体の接触面が理想的には小さくなるように、球体は、例えばシーリング材上に点状にかかる接触面のみを有する。吸音材により覆われていない大きいシーリング材表面が利用可能である。したがって、全表面積にわたってある発泡体リングに比べて、シーリング材の流動性は大幅に向上する。
本発明の別の実施形態において、吸音材本体は、10mm〜70mm、好ましくは20mm〜40mmの直径を好ましくは有する幾何学的に不規則な本体である。吸音材本体は、例えば球状吸音材本体より大きい接着面を有し、それにより、シーリング材のシーリング性能と吸音材本体の接着との間の釣り合いの完璧な設定が、好適な直径の選択を通じて可能になる。
自己シール性であり、少なくともタイヤの内面領域へ塗布した直後には、続いて施された吸音材がシーリング材と接着接合され得るよう十分粘着性であるシーリング材は全て、本発明の範囲内おいて考慮に入れられる。したがって、ポリウレタンをベースとするシーリング材、または、ブチルゴム、ポリブテンをベースとする、もしくはシリコーンをベースとする粘性混合物であるシーリング材が例えば好適である。
シーリング材の層厚さが2mm〜5mm、好ましくはおよそ3.5mmである場合、有利である。穴が開いた場合に信頼性のあるシーリングを提供する一方で、シーリング材の向上した流動特性は、シーリング材の層厚さを、全表面積にわたってある発泡体リングの層厚さと比較して30%〜50%だけ低下させることを可能とする。これは費用およびまたタイヤ重量を削減する。
例えば可能な限り大きい突出面適用領域を実現するために、タイヤ内の吸音材本体は、等しいサイズのものであるか異なるサイズのものであるかのいずれかである。
上述の自動車タイヤのとおり、シーリング材および吸音材を備えた空気入り自動車タイヤを作るための方法が、以下のステップ、すなわち、
− 環状シーリング材層をタイヤの内部層に配置するステップと、
− 十分な数の吸音材本体をタイヤ内部空間内へ流し込むステップと、
− 吸音材本体が環状シーリング材層に付着するように、タイヤを回転させるステップと
により、容易にかつ費用効果的に実施され得る。
− 環状シーリング材層をタイヤの内部層に配置するステップと、
− 十分な数の吸音材本体をタイヤ内部空間内へ流し込むステップと、
− 吸音材本体が環状シーリング材層に付着するように、タイヤを回転させるステップと
により、容易にかつ費用効果的に実施され得る。
本発明のさらなる特徴、利点および詳細はここで、図面を参照してより詳細に説明され、図面は先行技術の例示的実施形態だけでなく、本発明による概略的な例示的実施形態もまた示す。
図1は、賦形トレッド1、サイドウォール2、ビード領域3、ビードコア4ならびにまた多層ベルト組立体5およびカーカスインサート6を有するラジアル乗用車タイヤの断面を示す。その内面で、タイヤは気密ゴムコンパウンドの内部層7で覆われる。内部層7の、トレッド1の反対側の前記内面に施されているのは、穴が開いた−タイヤ損傷−場合に自己シール式に挙動することが可能なシーリング材8である。シーリング材8に全表面積にわたって付着しているのは、吸音材の機能を担う、部分に分かれていない環状内部吸収材9であり、この部分に分かれていない環状内部吸収材9は、後述するとおり、シーリング材8の塗布直後には、シーリング材8が依然として十分に粘着性である間に、シーリング材8へ押圧される。その吸音特性に関して、内部吸収材9は、タイヤ空洞の周波数に合わせられる。内部吸収材9は、ここで例えば、タイヤの、対称軸に対して対称的であるとともに、その底部側によりシーリング材8に全表面積にわたって付着する略長尺状の三角形断面を有する。内部吸収材9の発泡体は、連続発泡体であり、その理由はこれが吸音に最適であるからである。可能なシーリング材は、例えば、ポリウレタンゲルまたは、ブチルゴム、ポリブテンもしくはシリコーンに基づく粘性混合物であり、この混合物に可塑剤油などの従来のさらなる構成成分を含めることが可能である。シーリング材は、少なくとも、トレッド1の反対に位置する内面を覆うように、例えば噴霧により導入される。タイヤはシーリング材を内面に最適に分布させるために、回転させられ得る。さらに、シーリング材が、シーリング材の層厚さが7mm〜8mmであるような量で、導入される。少なくとも塗布の直後には、シーリング材は比較的液状であるとともに粘着性でなければならない。このとき、既製の内部吸収材9がタイヤの内部に導入される。完全に反応した後、内部吸収材9はシーリング材8に付着し、このシーリング材8は弾性的に変形可能であるが、実質的に不動のままである。
図2は、寸法205/55R16の乗用車のための、本発明による空気入り自動車タイヤの断面を示す。図2の自動車タイヤは、吸音材9が、互いに接続されていない、接触している、および/または、接触していない複数の独立した幾何学的吸音材本体10から構成されるという点で、図1の自動車タイヤと異なる。吸音材本体10は、吸音材本体への投影において、トレッドの反対側に位置する表面の30〜95%、好ましくは70〜90%が吸音材本体で覆われるような数で配置される。ここで、断面の左側半分は球形の吸音材本体10を示す。幾何学的吸音材本体10の各々は、シーリング材8に付着する。幾何学的吸音材本体10の各々は、等しい寸法のものであるとともに、10mm〜70mmの直径11を有する。シーリング材8の層厚さ12は極めて小さく、およそ3.5mmになる。図面の右側に示されているのは、例えば、吸音材本体10の異なる可能な幾何学的形状であり、吸音材9は、好ましくは同一形状の吸音材本体10からなる。
1 トレッド
2 サイドウォール
3 ビード領域
4 ビードコア
5 ベルト組立体
6 カーカスインサート
7 内部層
8 シーリング材層
9 内部吸収材/吸音材
10 吸音材本体
11 吸音材本体の直径
12 シーリング材の層厚さ
2 サイドウォール
3 ビード領域
4 ビードコア
5 ベルト組立体
6 カーカスインサート
7 内部層
8 シーリング材層
9 内部吸収材/吸音材
10 吸音材本体
11 吸音材本体の直径
12 シーリング材の層厚さ
Claims (9)
- 空気入り自動車タイヤであって、前記タイヤの内部において、トレッド(1)の反対側に位置する内面に接着して取り付けられた発泡体からなる吸音材(9)を有する空気入り自動車タイヤであって、前記吸音材(9)が、予め施された自己シール性シーリング材(8)であって、少なくともその塗布の直後には、前記吸音材(9)の接着取付けに必要とされる粘着性を有する予め施された自己シール性シーリング材(8)に付着する空気入り自動車タイヤにおいて、前記吸音材(9)が、互いに接続されていない複数の独立した幾何学的吸音材本体(10)から構成されることと、前記幾何学的吸音材本体(10)の各々が前記シーリング材(8)に付着することと、前記幾何学的吸音材本体の各々(10)が1mm〜50mmの直径(11)を有することとを特徴とする、空気入り自動車タイヤ。
- 前記吸音材本体(10)が、10mm〜70mm、好ましくは20mm〜40mmの直径(11)を好ましくは有する、球体または多面体などの幾何学的正多面体であることを特徴とする、請求項1に記載の空気入り自動車タイヤ。
- 前記吸音材本体(10)が、好ましくは10mm〜70mm、好ましくは20mm〜40mmの直径(11)を有する幾何学的に不規則な本体であることを特徴とする、請求項1に記載の空気入り自動車タイヤ。
- 前記シーリング材(8)がポリウレタンゲルであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入り自動車タイヤ。
- 前記シーリング材(8)が、ブチルゴム、ポリブテンに基づく、またはシリコーンに基づく粘性混合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入り自動車タイヤ。
- 前記シーリング材(8)の層厚さ(12)が2mm〜5mm、好ましくはおよそ3.5mmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入り自動車タイヤ。
- タイヤ内の前記吸音材本体(10)が、等しいサイズのものであるか、異なるサイズのものであるかのいずれかであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入り自動車タイヤ。
- 吸音材本体(10)が、前記吸音材本体(10)への投影において、前記トレッドの反対側に位置する前記表面の30〜95%、好ましくは70〜90%が吸音材本体(10)で覆われるような数で配置されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入り自動車タイヤ。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の、シーリング材および吸音材を備えた空気入り自動車タイヤを作るための方法であって、以下のステップ、すなわち、
− 前記環状シーリング材層を前記タイヤの内部層に配置するステップと、
− 十分な数の幾何学的吸音材本体を前記タイヤ内部空間へ流し込むステップと、
− 前記幾何学的吸音材本体が前記環状シーリング材層に付着するように、前記タイヤを回転させるステップと
を有する方法。
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