JP2009126463A - タイヤ - Google Patents

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雅彦 山本
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Abstract

【課題】空洞共鳴によるロードノイズを低減しつつも、パンク修理を容易とし、かつ乗り心地性の低下を抑制したタイヤ。
【解決手段】タイヤは、インナーライナの内面上で、ビード部のビードトウ位置と、トレッド接地端の内面位置との間の所定の範囲内に、タイヤ周方向に延びる環状の吸音層を具える。かかる吸音層は、密度が20kg/m未満の不織布から構成される、及び/又は、吸音層のタイヤ径方向端の少なくとも一方から、タイヤ周方向を横切る向きに延びる切り欠き部を複数有する。
【選択図】図2

Description

この発明は、インナーライナの内面上で、ビード部のビードトウ位置と、トレッド接地端の内面位置との間の所定の範囲内に、タイヤ周方向に延びる環状の吸音層を具えるタイヤに関するものであり、特にはかかるタイヤの空洞共鳴を抑制し、ロードノイズを低減しつつも、乗り心地性の低下を抑制しようとするものである。
リム組みされ、車両に取り付けられたタイヤでは、車両の走行中にトレッド部が路面の凹凸に衝接して振動することによって、タイヤ内腔に充填された空気が空洞共鳴する。この空洞共鳴は、いわゆるロードノイズの主たる原因であり、その共鳴周波数の多くは180〜300Hzの範囲内に存在する。ロードノイズが、車室内に伝達されると、他の周波数帯域の騒音とは異なり、鋭く高いピーク値を取るため、車室内の乗員にとって耳障りな騒音となる。
かかる空洞共鳴を抑制し、ロードノイズを低減するため、特許文献1には、リムと、リムに装着されるタイヤとがなすタイヤ内腔に、多孔質材料からなる制音用の環状の吸音層をタイヤ周方向に固定したタイヤが提案されている。
特許第3622957号明細書
しかし、特許文献1に記載のタイヤでは、吸音層がトレッド部のインナーライナの内面上に貼り付けられているため、トレッド部がパンクした際に、パンク修理が困難となり、その作業効率が低下する虞がある。具体的な修理作業としては、トレッド部にてパンクが発生した際に、故障箇所に対応する範囲及びその近傍の吸音層を手でむしりとって取り除き、インナーライナが露出するまでグラインダーで均等にバフがけする。次いで、スクラッチャーで表面を滑らかにし、削りカスを除去する。そうすることでようやく、通常通りプラグパッチを用いたパンク修理が可能となる。また、通常のパンク修理が完了したら、吸音層を取り除いた部分に再度吸音層を貼り付ける必要がある。このように、吸音層を具えないタイヤに比べ、トレッド部の内面に吸音層を具えるタイヤは、パンク等の故障箇所の修理に時間及び手間を要することとなる。また、タイヤ内に封入してタイヤ負荷転動に伴い固化するシーリング剤を用いてパンク修理をする場合には、シーリング材をタイヤ内に封入しても吸音層がシーリング剤を吸着してしまい、故障箇所まで到達させることの妨げとなったりする可能性がある。その解決策として、吸音層をトレッド部の内面に貼り付けるのではなく、インナーライナの内面上のビード部とショルダー部との間であるサイド部の所定の範囲に貼り付けることが考えられる。一般に、サイド部は剛性が低く、タイヤ負荷転動時に撓み変形することから、振動を吸収する縦ばねとして機能する。上記構成のタイヤでは、サイド部のゴムよりも吸音層が伸び難いため、吸音層をサイド部に貼り付けることでサイド部の剛性が全体として大きくなり、撓み変形し難くなるので、路面の凹凸に起因した振動を有効に低減することができなくなり、乗り心地性が低下する虞がある。また、吸音層を貼り付けることにより、タイヤ重量が大きくなることから、タイヤ負荷転動時のトレッド部の変形量が大きくなり、転がり抵抗が大きくなるので、エネルギー損失が大きく、燃費が低下する虞がある。以上のことから、吸音層を具えるタイヤのパンク修理を容易としつつも、乗り心地性が低下しないようにすることが困難であった。
したがって、この発明は、これらの問題点を解決することを目的とするものであり、その目的は、タイヤの空洞共鳴によるロードノイズを低減しつつも、パンク修理を容易とし、かつ乗り心地性の低下を有効に抑制したタイヤを提供することにある。
前記の目的を達成するため、第一発明のタイヤは、インナーライナの内面上で、ビード部のビードトウ位置と、トレッド接地端の内面位置との間の所定の範囲内に、タイヤ周方向に延びる環状の吸音層を具え、かかる吸音層は、密度が20kg/m未満の不織布から構成されることを特徴とする。不織布の密度は、10〜15kg/mの範囲内にあることがより好ましい。かかる構成のタイヤは、吸音層を配することで空洞共鳴によるロードノイズが低減する。また、前述したように、吸音層をトレッド部の内面にではなく、主にサイド部に貼り付けることで、吸音層を有するタイヤであってもトレッド部にて発生したパンクを迅速に修理することができる。更に、吸音層を構成する不織布の密度が20kg/m未満であることから、不織布の剛性が低く、充分に柔らかいので、吸音層としてかかる不織布を配設しても、サイド部における縦ばね定数が大きくなり過ぎない。そのことから、タイヤ負荷転動時に、振動が発生しても、振動に伴いサイド部が充分に撓み変形するので、かかる振動をサイド部にて有効に吸収して、乗り心地性の低下を抑制することが可能となる。ここに、縦ばね定数とは、タイヤをリムに組み付け、所定の空気圧を充填した状態において、タイヤに垂直荷重を加えて撓ませたときの、荷重撓み相関曲線における実使用荷重における接線の勾配でもって表すものである。更にまた、副次的な効果として、不織布を吸音層として貼り付けても、従来の吸音材料と比べると不織布の密度が充分に小さいことから、タイヤ重量が増加し過ぎず、タイヤ負荷転動時のトレッド部の変形量が小さいので、転がり抵抗が小さくなり、タイヤ負荷転動時のエネルギー損失が少ないことから燃費を低下させないようにすることができる。
また、前記目的を達成するため、第二発明のタイヤは、インナーライナの内面上で、ビード部のビードトウ位置と、トレッド接地端の内面位置との間の所定の範囲内に、タイヤ周方向に延びる環状の吸音層を具え、かかる吸音層は、そのタイヤ径方向端の少なくとも一方から、タイヤ周方向を横切る向きに延びる切り欠き部を複数有することを特徴とする。この発明のタイヤでは、吸音層を配することで空洞共鳴によるロードノイズが低減する。また、前述したように、吸音層をトレッド部の内面にではなく、主にサイド部に貼り付けることで、吸音層を有するタイヤであってもトレッド部にて発生したパンクを迅速に修理することができる。更に、吸音層が複数の切り欠き部を有することから、吸音層の剛性を複数箇所の切り欠き部近傍にて有効に低下させることができるので、吸音層全体として剛性を低下させることができる。そうすることで、吸音層を配設してもサイド部における縦ばね定数が高くなり過ぎず、タイヤ負荷転動時に、振動が発生しても、振動に伴いサイド部が充分に撓み変形し、かかる振動をサイド部にて有効に吸収するので、乗り心地性の低下を抑制することが可能となる。更にまた、切り欠き部が一個の場合には、縦ばね定数が小さくなる部分が周上で一箇所に集中することとになり、乗り心地性の低下を有効に抑制するに至らないが、切り欠き部を複数有することで、複数箇所にて縦ばね定数を小さくし、タイヤの全周にわたり縦ばね定数をバランス良く小さくすることが可能となるので、乗り心地性の低下を抑制することが可能となる。加えて、副次的な効果として、吸音層を貼り付けても、吸音層が切り欠き部を有し、吸音層全体の重量が小さくなっていることから、タイヤ重量が増加し過ぎず、タイヤ負荷転動時のトレッド部の変形量が小さいので、転がり抵抗が小さくなり、タイヤ負荷転動時のエネルギー損失が少ないことから燃費を低下させないようにすることができる。
なお、上述の「トレッド接地端の内面位置」とは、次の規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、“Approved Rim”、“Recommended Rim”)にタイヤを組み付け、そのタイヤ内に同規格に定める最大空気圧を適用し、静止した状態で平板に対して垂直に置き、最大負荷荷重(最大負荷能力の88%に相当する荷重)を加えたとき、タイヤ幅方向断面で見て、平板との接触面におけるタイヤ幅方向最外側の端部から、インナーライナの内面に下ろした垂線とのタイヤ内面の交点に対応する位置をいうものとする。そして規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格をいい、例えばアメリカ合衆国ではThe Tire and Rim Association Inc.の“Year Book”であり、欧州ではThe European Tyre and Rim Technical Organisationの“Standard Manual”であり、日本では日本自動車協会の“JATMA Year Book”である。
また、切り欠き部は、吸音層のタイヤ径方向外側端からタイヤ径方向内側に向かって延びることが好ましい。
更に、切り欠き部の幅は、吸音層の幅の5〜80%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜40%の範囲内である。
更にまた、切り欠き部を有する吸音層は、密度が40kg/m未満の不織布から構成されることが好ましく、より好ましくは10〜20kg/mの範囲内にあり、更に好ましくは10〜15kg/mの範囲内にある不織布から構成される。
加えて、吸音層の高さは、1〜50mmの範囲内であることが好ましい。なお、ここでいう「吸音層の高さ」とは、タイヤ内面に立てた法線に沿って計測した吸音層の長さをいうものとする。
この発明によれば、吸音層の適正化を図ることで、空洞共鳴によるロードノイズを低減しつつも、パンク修理を容易とし、かつ乗り心地性の低下を抑制したタイヤを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な空気入りタイヤをリムRに装着して構成したタイヤとリムRの組立体のタイヤ幅方向における断面を示している。図2は、図1に示すタイヤのタイヤ内面の部分展開図を示している。図3及び図4はこの発明の従うその他の代表的なタイヤのタイヤ内面の部分展開図を示している。
この発明のタイヤ1は、図1及び図2に示すように、タイヤ1とリムRとにより画定されるタイヤ内腔に面する側にある空気不透過性のインナーライナ2の内面上で、リムRに嵌合される一対のビード部3におけるビードトウ位置4と、路面に接地するトレッド部分のトレッド接地端の内面位置5すなわちインナーライナ2からトレッド接地端へと延在する図面内にて点線で示す法線とインナーライナ2との交点位置との間であって、かかるビードトウ位置4からタイヤ径方向外側に離間した位置とトレッド接地端の内面位置5からタイヤ径方向内側に離間した位置との間に、多孔質材料である不織布からなり、タイヤ周方向に延びる環状の吸音層6を具える。不織布により構成される吸音層6を配することにより、タイヤ内腔で生じた空洞共鳴に伴う充填空気の振動エネルギーを、吸音層6を構成する不織布の内部振動エネルギーに変換し、そして熱エネルギーとして消費させ、空洞共鳴音の低減を達成している。かかる不織布は、密度が20kg/m未満であり、10〜15kg/mの範囲内にあることがより好ましい。不織布は動物繊維、植物繊維、合成繊維等を絡み合わせて一体化したものである。かかる構成のタイヤ1は、不織布の密度が20kg/m未満であることから、不織布の剛性が低く、充分に柔らかいので、吸音層6としてかかる不織布をサイド部7に配設しても、吸音層6が屈曲し易く、サイド部7における縦ばね定数が大きくなり過ぎない。そのことから、タイヤ負荷転動時に、路面からの凹凸等により、タイヤ1に振動が発生しても、振動に伴いサイド部7が充分に撓み変形するので、かかる振動をサイド部7にて有効に吸収して、乗り心地性の低下を抑制することが可能となる。また、吸音層6を構成する不織布の密度が10kg/m未満となる場合には、繊維同士が緩く編み込まれていることから、走行中に不織布を構成する繊維の一部が抜け落ちてしまう可能性がある。なお、密度10kg/m以下の不織布は製造そのものが困難でもあることにも留意されたい。更に、前述したように、多くのパンク等故障は路面に接地しているトレッド部9にて異物を踏みつけることで発生するので、吸音層6をトレッド部9の内面にではなく、主にサイド部7に貼り付けることで、吸音層6を有するタイヤ1であってもトレッド部9にて発生したパンクを修理する際に、吸音層6を取り除いて修理して、再度貼り付けるような手間及び時間を要さないので、迅速にパンク修理をすることができる。更にまた、副次的な効果として、不織布を吸音層6として貼り付けても、不織布の密度が20kg/m未満と充分に小さいことから、タイヤ重量が増加し過ぎず、タイヤ負荷転動時のトレッド部9の変形量が小さいので、転がり抵抗が小さくなり、タイヤ負荷転動時のエネルギー損失が少ないことから燃費を低下させないようにすることができる。なお、不織布の繊維が走行中に飛散することを防止するために、ビスフェノール系やノボラック系のエポキシ樹脂等の固着剤を、吸音層6を構成する不織布に含浸させることができる。この場合、吸音層6の密度は固着剤の重量を含まない値として計算するものとする。
また、この発明に従うその他の実施形態のタイヤ1は、図3及び図4に示すように、インナーライナ2の内面上で、ビード部3のビードトウ位置4とトレッド接地端の内面位置5との間であって、かかるビードトウ位置4からタイヤ径方向外側に離間した位置とトレッド接地端の内面位置5からタイヤ径方向内側に離間した位置との間に、タイヤ周方向に延びる環状の吸音層6を具える。吸音層6を配することにより、タイヤ内腔で生じた空洞共鳴に伴う充填空気の振動エネルギーを、吸音層6を構成する多孔質材料の内部振動エネルギーに変換し、そして熱エネルギーとして消費させ、空洞共鳴音の低減を達成している。かかる吸音層6は、図3に示すように、そのタイヤ径方向端の一方から、タイヤ周方向を横切る向きに延びる切り欠き部8を複数有する。あるいは、吸音層6は、図4に示すように、そのタイヤ径方向端の双方から、タイヤ周方向を横切る向きに延びる切り欠き部8を複数有する。この発明のタイヤ1は、吸音層6が複数の切り欠き部8を有することから、吸音層6の剛性を複数箇所の切り欠き部8近傍にて低下させることができるので、吸音層6の剛性を全体に低下させることができる。また、サイド部7のゴムよりも吸音層6が伸び難いことから、切り欠き部8を設けることで、タイヤ負荷転動時のタイヤ1の変形を吸音層6が過剰に抑制することを防止することができる。それらのことから、吸音層6を配設してもサイド部7における縦ばね定数が大きくなり過ぎず、タイヤ負荷転動時に、振動が発生しても、振動に伴いサイド部7が充分に撓み変形するので、かかる振動をサイド部7にて有効に吸収することができ、乗り心地性の低下を抑制することが可能となる。また、切り欠き部8を複数有することにより、切り欠き部8を一つしか有していない場合のように縦ばね定数が周上にて一箇所で小さくなることを回避して、縦ばね定数が小さくなる部分が複数箇所に分散されるので、縦ばね定数を吸音層6の全体にわたりバランス良く小さくすることができ、乗り心地性の低下を抑制することが可能となる。更に、前述したように、多くのパンク等故障は路面に接地しているトレッド部9にて異物を踏みつけることで発生するので、吸音層6をトレッド部9の内面にではなく、サイド部7に貼り付けることで、吸音層6を有するタイヤ1であってもトレッド部9にて発生したパンクを迅速に修理することが可能となる。更にまた、副次的な効果として、吸音層6を貼り付けても、吸音層が切り欠き部8を有し、吸音層6全体の重量が小さくなっていることから、タイヤ重量が増加し過ぎず、タイヤ負荷転動時のトレッド部9の変形量が小さいので、転がり抵抗が小さくなり、タイヤ負荷転動時のエネルギー損失が少ないことから燃費を低下させないようにすることができる。なお、吸音層6を構成する多孔質材料としては、ゴムや合成樹脂を発泡させてなる、連続気泡若しくは独立気泡を有する発泡材料、又は動物繊維、植物繊維、合成繊維等を絡み合わせて一体化した不織布等を用いることができる。多孔質材料として例えば合成ゴムを用いると吸音層6に優れた耐熱性及び耐水性も付与することができ、エーテル系のポリウレタンフォームを用いると発泡材料が加水分解しにくいという特性も付与することができる。
また、切り欠き部8は、吸音層6のタイヤ径方向外側端からタイヤ径方向内側に向かって延びることが好ましい。なぜなら、タイヤの変形は剛性の高いビード部側よりもサイドウォール部側、つまりは外側の方が大きいため、かかる構成により、吸音層6をタイヤ内に配していても、切り欠き部8がサイド部7近傍における剛性を低減させることができるので、サイド部7における縦ばね定数が大きくなり過ぎることを抑制して、タイヤ負荷転動時の振動をサイド部7にて有効に吸収することができるからである。
更に、切り欠き部8の幅W1は、吸音層6の幅W2の5〜80%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜40%の範囲内である。なぜなら、切り欠き部8の幅W1が、吸音層6の幅W2の5%未満の場合には、吸音層6の幅W2に対する切り欠き部8の幅W1の割合が小さ過ぎることから、切り欠き部8を配設しても吸音層6の剛性を全体に低下させることができずに、縦ばね定数が大きくなり過ぎて、乗り心地性が低下する可能性があるからである。一方、切り欠き部8の幅W1が、吸音層6の幅W2の80%を超える場合には、切り欠き部8近傍における剛性が低下し過ぎて、タイヤ負荷転動時にサイド部7が繰返し撓み変形したときに、吸音層6が切り欠き部8近傍から破れてしまうからである。また、吸音層6全体の剛性を有効に低減させるために、切り欠き部8を周上に少なくとも8個以上有することが好ましい。
更にまた、切り欠き部8を有するタイヤ1の吸音層6は、密度が40kg/m未満の不織布から構成されることが好ましく、より好ましくは10〜20kg/mの範囲内にあり、更に好ましくは10〜15kg/mの範囲内にある不織布から構成される。なぜなら、上述した理由から、吸音層6を構成する不織布の密度が40kg/m未満であり、かつ、切り欠き部8を有することの相乗効果により乗り心地性の低下を更に抑制させることが可能となるからである。
加えて、吸音層6の高さは、1〜50mmの範囲内であることが好ましい。なぜなら、1mm未満の場合には、吸音層が制音効果を発揮し得るだけの量が充分に確保されずに、吸音効果が低下する可能性があり、一方、50mmを超える場合には、質量の増加に起因して、タイヤ1の高速回転時の遠心力による変形が大きくなって、吸音層6の剥離、脱落等の問題を発生させる可能性があるからである。なお、切り欠き部8の大きさ、形状、個数等は、タイヤサイズ、使用時の内圧、タイヤ内面の曲面形状、不織布の強度等に応じて適宜に増減することができる。また、このように切り欠き部8を複数設ける場合には、タイヤ1のユニフォミティの観点から、これら切り欠き部8をタイヤ周方向に略等ピッチで配設することが好ましい。
前述した密度20kg/m未満の不織布を吸音層6として配設したタイヤ1を製造する場合には、従来技術にあるような一般的な吸音層6を具えるタイヤの製造方法を利用することができる。
また、吸音層6に切り欠き部8を有する構成のタイヤ1を製造する場合には、吸音層6として切り込み部10又は切り欠き部8を有する帯状の多孔質材料11を、未加硫又は加硫済みのタイヤ本体に、切り込み部10又は切り欠き部8を有する側部がタイヤ径方向外側となるようにタイヤ周方向に沿わせて貼り付けることができる。この多孔質材料の一方の側部には、図5に示すように、その一部を切断して形成した線状の切り込み部10、または、図6に示すように、その一部を切除して形成した切り欠き部8が形成されている。なお、切り込み部10の形状は、図示のものに限定されず、その一部を曲線状に切断したり、90度未満の角度で多孔質部材の長手方向を横切るように切断したりすることができる。また、切り欠き部8の形状も、図示のものに限定されず、台形状、四角形状、もしくは半円状等とすることができる。かかる帯状の多孔質材料11を未加硫又は加硫済みのタイヤ1に貼り付ける場合には、切り込み部10又は切り欠き部8がタイヤ周方向に開くので、帯状の多孔質材料11を破損することなくこの発明に従うタイヤ1を製造することができる。あるいは、未加硫タイヤの成形途中に、成形ドラム上にて帯状の多孔質材料11を未加硫タイヤの構成部材上に貼り付ける場合には、成形中のシェーピング動作による成形ドラムの拡径変形により、タイヤ径方向外側にある切り込み部10又は切り欠き部8がタイヤ周方向に開くので、帯状の多孔質材料11を破損することなくこの発明に従うタイヤを製造することができる。
あるいは、吸音層6に切り欠き部8を有する構成のタイヤ1を製造するその他の方法としては、吸音層6として切り込み部10又は切り欠き部8を有する環状の多孔質材料12を、未加硫のタイヤ本体に、切り込み部10又は切り欠き部8を有する側部がタイヤ径方向外側となるようにタイヤ周方向に沿わせて貼り付けることができる。または、切り欠き部8又は切り欠き部10を有する環状の多孔質材料12を、加硫済みのタイヤ本体に、切り欠き部8を有する側部がタイヤ径方向外側となるようにタイヤ周方向に沿わせて貼り付けることができる。かかる環状の多孔質材料12の一方の側部には、図7に示すように、その一部を切断して形成した線状の切り込み部10、または、図8に示すように、その一部を切除して形成し切り欠き部8が形成されている。なお、切り込み部10の形状は、図示のものに限定されず、その一部を曲線状に切断したり、90度未満の角度で多孔質部材11の延在方向を横切るように切断したりすることができる。また、切り欠き部8の形状も、図示のものに限定されず、台形状、四角形状、もしくは半円状等とすることができる。切り欠き部8を有する環状の多孔質材料12を未加硫又は加硫済みのタイヤ1に貼り付ける場合には、製造時の如何なる工程においても吸音層6が過剰に引っ張られないことから、吸音層6の破損を心配することなくこの発明に従うタイヤ1を製造することができる。
加硫済のタイヤ本体に吸音層6を貼り付ける場合には、スチレン−ブタジエンゴム系のラテックス接着剤、水性高分子−イソシアネート系の接着剤、又はアクリル系、合成樹脂系の粘着テープを用いてインナーライナ2の内面に化学的に接着することもでき、また、未加硫のタイヤ本体に吸音層6を貼り付ける場合には、かかる接着テープや接着剤により仮固定した後に、加熱及び加圧による加硫成形により、吸音層6をインナーライナ2の内面に含浸させて物理的に固定することもできる。
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
次に、吸音層を具えない従来のタイヤ(従来例タイヤ)、切り欠き部を有さずこの発明の範囲内の密度を有さない吸音層をトレッド部内面に具える比較例のタイヤ(比較例タイヤ1〜3)及びこの発明に従う吸音層を具えるタイヤ(実施例タイヤ1〜5)を、タイヤサイズ215/45R17の乗用車用ラジアルタイヤとして、夫々試作し、タイヤの空洞共鳴の抑制及び乗り心地性に関し評価したので、以下に説明する。
従来例タイヤ、比較例タイヤ1〜3及び実施例タイヤ1〜5は、夫々表1に示す諸元を有する。吸音層は、繊度:6dtexのPET不織布から構成されており、製品タイヤにアクリル系粘着材の両面テープで固定することにより、多孔質材料を貼り付けたものである。このとき、吸音層は、タイヤのサイド部に、切り込み部を有する一枚の帯状の多孔質材料の内周側を、ビード部のビードトウ位置から一定の距離の位置に合わせてタイヤ内面に貼り付けたものである。
Figure 2009126463
これら各供試タイヤをサイズ17×7JJのリムに取り付けてタイヤ車輪とし、かかるタイヤ車輪を車両に装着し、空気圧:210kPa(相対圧)、タイヤ負荷荷重:3.92kNを適用した状態で、各種性能の評価に供した。
空洞共鳴の抑制効果は、上記タイヤ車輪を車両に取り付け、速度60km/hの条件下でアスファルト路面を走行した際の室内騒音を測定した。この測定結果を周波数分析し、230Hz付近に見られるピークの音圧レベルにより空洞共鳴の抑制効果を評価した。
転がり抵抗性は、上記タイヤ車輪を転がり抵抗試験機に取り付け、速度80km/hにおける抵抗値を測定することで評価した。その評価結果を表2に示す。なお、表中の評価結果は、吸音層を具えない従来例タイヤの転がり抵抗を100とし、その他のタイヤの数値を比較した指数比で表しており、その数値が大きいほど転がり抵抗が大きく、燃費が低下している。
縦ばね定数は、トレッド部をタイヤ径方向外側から拘束することができるサイド剛性試験機を用いて、上記各供試タイヤのビード部を車両装着時のリム幅で固定すると共に、トレッド部を拘束した状態で測定することにより評価した。その評価結果を表2に示す。なお、表中の評価結果は、吸音層を具えない従来例タイヤの縦ばね定数を100とし、その他のタイヤの数値を比較した指数比で表しており、その数値が大きいほど縦ばね定数が大きく、乗り心地性が低下している。
Figure 2009126463
表2の結果から明らかなように、切り欠き部を有さないが、吸音層の密度が20kg/m未満の実施例タイヤ1〜3は、吸音層を具える比較例タイヤ1〜3に比べ、吸音層の密度の低下に応じて、転がり抵抗性及び縦ばね性の低下を有効に抑制している。また、吸音層に切り欠き部を有する実施例タイヤ4及び5は、吸音層を具える比較例タイヤ1〜3に比べ、いずれも縦ばね性の低下を有効に抑制している。なお、吸音層の密度が40kg/m未満であり、かつ切り欠き部を有する実施例タイヤ4及び5において、縦ばね性の低下が有効に抑制されている。また、実施例タイヤ1〜5は、吸音層を具える比較例タイヤ1〜3と同程度に空洞共鳴の抑制効果が得られた。
以上のことから明らかなように、この発明により、吸音層の適正化を図ることにより、タイヤ内の空洞共鳴を抑制し、ロードノイズを低減しつつも、パンク修理を容易とし、かつ乗り心地性の低下を抑制したタイヤを提供することが可能となった。
リム組みした、この発明に従う代表的なタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 図1に示すタイヤのタイヤ内面の部分展開図である。 この発明に従うその他のタイヤのタイヤ内面の部分展開図である この発明に従うその他のタイヤのタイヤ内面の部分展開図である。 切り込みを入れた帯状の多孔質材料である。 切り欠き部を設けた帯状の多孔質材料である。 切り込みを入れた環状の多孔質材料である。 切り欠き部を設けた環状の多孔質材料である。
符号の説明
1 タイヤ
2 インナーライナ
3 ビード部
4 ビードトウ位置
5 トレッド接地端の内面位置
6 吸音層
7 サイド部
8 切り欠き部
9 トレッド部
10 切り込み部
11 帯状の多孔質材料
12 環状の多孔質材料
R リム
W1 切り欠き部の幅
W2 吸音層の幅

Claims (6)

  1. インナーライナの内面上で、ビード部のビードトウ位置と、トレッド接地端の内面位置との間の所定の範囲内に、タイヤ周方向に延びる環状の吸音層を具えるタイヤにおいて、
    前記吸音層は、密度が20kg/m未満の不織布から構成されることを特徴とするタイヤ。
  2. インナーライナの内面上で、ビード部のビードトウ位置と、トレッド接地端の内面位置との間の所定の範囲内に、タイヤ周方向に延びる環状の吸音層を具えるタイヤにおいて、
    前記吸音層は、そのタイヤ径方向端の少なくとも一方から、タイヤ周方向を横切る向きに延びる切り欠き部を複数有することを特徴とするタイヤ。
  3. 前記切り欠き部は、前記吸音層のタイヤ径方向外側端からタイヤ径方向内側に向かって延びる、請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記切り欠き部の幅は、前記吸音層の幅の5〜80%の範囲内である、請求項2又は3に記載のタイヤ。
  5. 前記吸音層は、密度が40kg/m未満の不織布から構成される、請求項2〜4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記吸音層の高さは、1〜50mmの範囲内である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタイヤ。
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