JP2004055833A - 薄板状部材の吸着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体ウェーハのような薄くて大きく、しかも凸面または凹面に反っていても安定に吸着して保持する薄板状部材の吸着装置を提供する。
【解決手段】ハウジング1は、上壁11を有する筒状になっており、弾性部材2は、盤状をなしており、中央部が連通性のスポンジ21からなり、周側部が気密可能な可撓性の周側膜22で封孔され、下面部が薄板状部材4に当接する通気性のパッド23をなし、ハウジングに格子板12を介した中空部13を残して気密可能に緊合しており、減圧管路21は、一端が上壁に開口し、他端が排気系に接続されており、弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面に倣って気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら薄板状部材を吸着保持するように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】ハウジング1は、上壁11を有する筒状になっており、弾性部材2は、盤状をなしており、中央部が連通性のスポンジ21からなり、周側部が気密可能な可撓性の周側膜22で封孔され、下面部が薄板状部材4に当接する通気性のパッド23をなし、ハウジングに格子板12を介した中空部13を残して気密可能に緊合しており、減圧管路21は、一端が上壁に開口し、他端が排気系に接続されており、弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面に倣って気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら薄板状部材を吸着保持するように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄い板状の部材、特に薄くて大きい半導体ウェーハを吸着して保持する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の製造工程を例にとると、ウェーハプロセスと呼ばれる工程は、直径が大きいものでは6インチとか8インチで、厚さが1mmに満たない薄い半導体ウェーハ上に多数の半導体素子を形成する工程である。その半導体素子の形成工程では、例えば、半導体ウェーハの表面を研磨したり、成膜したり、ホトリソグラフィによってパターニングしたり、熱処理したりする工程を経るために、いろいろな加工装置の間を、汚染や損傷なしにウェーハを支持し搬送することが不可欠である。
【0003】
ところで、半導体ウェーハのような薄くて大きな板状の部材では、必然的に反りがあったり表面にうねりがあったりして、部材と接する先端部位の吸着パッドを剛体で形成し、部材の表面に当接して保持することはできない。そこで、部材の表面に当接する部位が可撓性や弾力性をもって穏接触するように保持する手段がいろいろ提案されている。
【0004】
薄板状部材を保持する目的は、単に装置間などを搬送するための保持と、所定の位置に支持して加工するための保持との二通りがある。一方、薄板状部材を保持する手段としては、部材の材質にもよるが半導体ウェーハのような絶縁部材の場合には、静電吸着と真空吸着の二つの方法がある。
静電吸着は、例えば、スパッタ装置などの成膜装置内で薄板状部材を所定の位置に載置し支持するときなどに用いられる。しかし、薄板状部材を保持して装置間などを搬送する際には、真空吸着の方が構造も簡易で多様性に富んでいる。
【0005】
従来の真空吸着を用いた吸着では、薄板状部材の表面を損傷しないように、真空で吸引したときに、薄板状部材の表面に吸着パッドの下面だけが部分的に当接するようにしたり、吸着パッドを環状にして吸着パッドの下面が薄板状部材の周縁部のみに当接するようにしたりしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、薄板状部材が半導体ウェーハであって、研磨処理を行うような場合には、研磨盤に対して所定の押圧で押下する必要があるため、吸着パッドに可撓性や弾力性を持たせることに限界がある。
ところが、薄板状部材を搬送する目的で保持する場合には、薄板状部材を損傷から防ぐために、吸着パッドの薄板状部材と部分的に当接する下面を可撓性や弾力性のある部材で構成することはできる。しかし、薄板状部材が凸状ないしは凹状に反っている場合には、吸着パッドの薄板状部材と部分的に当接する下面を可撓性や弾力性のある部材で構成しても保持を確実に行うことは厄介である。
【0007】
そこで本発明は、薄板状部材が凸状ないしは凹状に反っていても、損傷なく確実に吸着し保持することができる薄板状部材の吸着装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上で述べた課題は、請求項1においては、ハウジングと、弾性部材と、減圧管路とを有し、該ハウジングは、上壁を有する筒状になっており、該弾性部材は、盤状をなしており、中央部が連通性のスポンジからなり、周側部が気密可能な可撓性の周側膜で封孔され、下面部が薄板状部材に当接する通気性のパッドをなし、該ハウジングに格子板を介した中空部を残して気密可能に緊合しており、該減圧管路は、一端が該上壁に開口し、他端が排気系に接続されており、該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面に倣って気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持するように構成された薄板状部材の吸着装置によって解決される。
【0009】
つまり、本願発明では、弾性部材に連続気孔をもち連通性のある盤状のスポンジを用いている。スポンジの周縁部が気密になるように可撓性の周側膜で封孔し、格子板を介した中空部を残してハウジングに緊合するようにしている。そして、ハウジングの中空部を減圧すると、スポンジの下面部から吸気されるようにしている。
【0010】
パッドに、例えば、半導体ウェーハのような薄板状部材を当接して、ハウジング内を減圧すると、薄板状部材を吸引しながら周縁膜が潰されてスポンジが縮退し、確りと吸着保持することができる。
パッドは変形自在の盤状のスポンジの柔らかい切断面であるから、薄板状部材が凸面あるいは凹面に反っていても、パッドが薄板状部材の表面に倣って変形して薄板状部材を吸着保持できる。
【0011】
次いで、請求項2において、可変部材と、第1と第2の可動手段とを有し、該可変部材は、上下にフランジを有する断面視工形をなし、縦軸が該上壁を貫通して気密可能に滑動自在に支持され、下フランジの底面部が該弾性部材の上面部に固着しており、該第1と第2の可動手段は、該可変部材を押上/押下するものであって、該第1の可動手段が該上フランジを押上すると該パッドが凹形に付勢され、該第2の可動手段が該下フランジを押下すると該パッドが凸形に付勢されるものであり、該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面の反りに倣うように該可変部材が作動して気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持するように構成された請求項1記載の薄板状部材の吸着装置によって解決される。
【0012】
つまり、スポンジからなる弾性部材の上側に可変部材を設け、第1と第2の可動手段によって可変部材を上下動させるようにしている。そして、可変部材によって弾性部材の上面部を押下/押上し、その上下動に追動して弾性部材のパッドを凸面に付勢したり凹面に付勢したりするようにしている。
こうして、例えば、半導体ウェーハのような薄板状部材の表面が凸面あるいは凹面に反っているときに、薄板状部材の表面に当接して吸着するパッドの形状が請求項1より以上に薄板状部材の形状に倣うように変形させることができる。
【0013】
次いで、請求項3において、第3の可動手段を有し、該第3の可動手段は、該可変部材の下フランジを押下して、凹形に変形して薄板状部材を吸着保持している該パッドを平面に消勢するものであるように構成された請求項2記載の薄板状部材の吸着装置によって解決される。
つまり、薄板状部材が凸面に反っている場合には、吸着保持したあと、第2の可動手段の作動を停止してパッドの凸面を消勢すると、吸引力と弾性部材の弾発性によって平面に消勢しようとする力が働く。
【0014】
ところが、薄板状部材が凹面に反っている場合には、吸着保持したあと、第1の可動手段の作動を停止してパッドの凹面を消勢しても、減圧によって薄板状部材が吸引されているために、平面に消勢しない。
そこで、第3の可動手段によって可変部材を押下し、強制的にパッドを平面に戻すようにしている。
【0015】
反っている薄板状部材を吸着したあと平面に戻すことは、例えば、半導体装置の製造工程において、次の工程に半導体ウェーハを搬送して所定の位置に載置するときに有効である。
次いで、請求項4において、圧気管路と、三方弁とを有し、該圧気管路は、該三方弁を介して該減圧管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面に圧気を噴出して、薄板状部材の表面を洗浄し、該減圧管路は、該三方弁を介して該圧気管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面の雰囲気を吸引して、薄板状部材の表面を洗浄するものであるように構成された請求項1または2記載の薄板状部材の吸着装置によって解決される。
【0016】
つまり、薄板状部材に当接して吸着する弾性部材は、連続気孔をもって連なった構成になっている。従って、吸着動作を行う前に、一旦、減圧管路に圧気が通るように圧気管路に切替え、薄板状部材の表面に圧気を噴出して表面を清浄にするようにしている。
この手段は、薄板状部材の吸着動作とは別の工程において空吹きとして用いれば、パッド面を含めた弾性部材の空孔に捕らえられた塵埃を除去するためにも有効である。
【0017】
また、吸着動作を行う前に、一旦、圧気管路を減圧管路に切替え、薄板状部材の表面の雰囲気を吸引して、薄板状部材の表面の微細な塵埃を吸引し表面を清浄にするようにしている。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第一の発明の実施例の説明図、図2は本発明の第二の発明の実施例1の説明図、図3は本発明の第二の発明の実施例2の説明図、図4は本発明の第二の発明の実施例3の説明図、図5は本発明の第二の発明の実施例4の説明図、図6は本発明の第二の発明の実施例4の補足説明図、図7は本発明の第三の発明の実施例の説明図である。
【0019】
図中、1はハウジング、11は上壁、12は格子板、13は中空部、2は弾性部材、21はスポンジ、22は周側膜、23はパッド、3は排気系、31は減圧管路、32は圧気管路、33は三方弁、4は薄板状部材、5は可変部材、51は軸、52は上フランジ、53は下フランジ、61は第1の可動手段、62は第2の可動手段、63は第3の可動手段、7はキャリア、10は吸着装置である。
〔第一の発明の実施例〕
図1において、吸着装置10の基本構成は、ハウジング1と、弾性部材2と、排気系3とからなっている。また、吸着装置10は、図1(A)に示したように薄板状部材4が重置されたキャリア7の上方に対向して配置する。
【0020】
ハウジング1は、例えば、アルミニウムのような金属製とかPBTのようなプラスチックス製とかで、桶を伏せたような形状になっている。つまり、ハウジング1は、下方は開口しているが、上方は封じられて上壁11がある。
ハウジング1は、吸着する薄板状部材4が、例えば、半導体ウェーハのような円形であってもフラットディスプレイのガラス基板のような方形であっても、薄板状部材4の大きさに対応したいろいろな大きさにすることができる。
【0021】
つまり、ハウジング1は、薄板状部材4が、半導体ウェーハのような円形で、例えば、6インチウェーハであれば155mmとか、8インチウェーハであれば220mmとか、いろいろな大きさの薄板状部材4が重置されるキャリア7の内径に対して遊嵌する大きさの円形にする。
弾性部材2は、例えば、ポリウレタン製のウレタンフォームなどの弾力性があり、薄板状部材4の表面に緩衝性をもって当接できるように、厚さが30mmとか50mmとかの、いわゆる盤状のスポンジ21からなる。また、スポンジ21の空孔は厚さ方向だけでなく、全方向に対して連通した連続気泡になっている。周壁はウレタンゴムなどの可撓性のある周側膜22で気密性をもって覆われている。
【0022】
スポンジ21の周縁部の上部は、ハウジング1の開口している下方に内嵌し、透気性のある格子板12を介してハウジング1の中に中空部13が形成するように気密性をもって緊合し、固着されている。スポンジ21の下端面は、薄板状部材4に当接して吸着するパッド23になっている。
ハウジング1の上壁11には、排気系3に連なる減圧管路31が開口しており、中空部13が減圧するとスポンジ21を通してパッド23から吸気するようになっている。その際、格子板12がスポンジ21がハウジング1の中に引き込まれないようにスポンジ21の上面を支持するようになっている。
【0023】
吸着装置10によってキャリア7に重置されているウェーハのような薄板状部材4を吸着するには、図1(B)において、排気系3が作動して減圧管路31を介して中空部13が減圧する。パッド23からスポンジ21を通して吸気されている状態で、吸着装置10がキャリア7に遊嵌するように、図示してない駆動系によって降下する。
【0024】
パッド23が薄板状部材4の表面の反り具合、例えば、こゝでは薄板状部材4の表面の凸面に倣って変形しながら当接すると、重置された薄板状部材4の最上層の1枚がパッド23に吸着される。そして、スポンジ21が縮退して周側膜22が適度に撓み、薄板状部材4がパッド23に吸着される。
図1(C)において、図示してない駆動系によって吸着装置10が上昇すれば、薄板状部材4が安定に吸着装置10に吸着保持される。その後は、薄板状部材4を吸着保持した状態で、吸着装置10が適宜搬送系に駆動されて運ばれる。
【0025】
吸着装置10の薄板状部材4の反りに対する基本的な機能は、薄板状部材4の反りが凹面になっている場合にも、図1に示した凸面の場合と同様であり、パッド23の表面が薄板状部材4の反りに倣って変形するようになっている。
〔第二の発明の実施例1〕
図2において、吸着装置10の基本構成は、第一の発明と同様のハウジング1と、弾性部材2と、排気系3に加えて、可変部材5と、第1の可動手段61と第2の可動手段62とから構成されている。
【0026】
ところで、薄板状部材4の表面が反っている程度が、パッド23の表面が薄板状部材4の反りが大きくて、パッド23が自動倣いによって対応できない場合には、予め、弾性部材2を強制的に付勢させ、薄板状部材4に当接するパッド23の表面を薄板状部材4の反りに倣うように変形させるようにできる。
つまり、可変部材5の下フランジ53の底面部は、弾性部材2の上面部に固着している。そこで、第1の可動手段61の作動によって可変部材5が押上されると、弾性部材2のスポンジ21の中央部位が上方向に付勢され、パッド23の表面が凹面に変形するようになっている。また、第2の可動手段62の作動によって可変部材5が押下されると、弾性部材2のスポンジ21の中央部位が下方向に付勢され、パッド23の表面が凸面に変形するようになっている。
【0027】
図2(A)において、ハウジング1の形状は第一の発明と類似であるが、上壁11には可変部材5と、第1の可動手段61と、第2の可動手段62とが設けられている。
可変部材5は、弾性部材2のパッド23の表面を凸面/凹面に付勢させ変形させるもので、軸51の上下に上フランジ52と下フランジ53が断面視工形に設けられている。軸51は上壁11に上下に滑動自在に、しかも気密性をもって支持されている。
【0028】
第1の可動手段61と第2の可動手段62は、例えば、エアシリンダとかプランジャマグネットなどの軸が直進移動して対象物を押圧する手段である。第1の可動手段61は、可変部材5の上フランジ52の下面に対向して設けられ、第2の可動手段62は、可変部材5の下フランジ53の上面に対向して設けられている。また、下フランジ53の底面部は、弾性部材2の上面部に固着している。従って、弾性部材2が引き込まれることを防ぐために図1に示した格子板12は不要である。
【0029】
こゝでは、薄板状部材4の表面が反ってなく平面である。従って、第1の可動手段61も第2の可動手段62も作動しておらず、従って、弾性部材2は上方向にもした方向にも付勢されておらず、パッド23も平面になっている。
図2(B)において、第1の可動手段61も第2の可動手段62も作動していない状態では可変部材5は上下どちらの方向にも付勢されていないので、パッド23の表面は平面になっている。
【0030】
吸着装置10は、薄板状部材4の重置されたキャリア7に遊嵌するように降下する。排気系3が作動し、減圧管路31を経由して中空部13が減圧された状態であれば、パッド23が薄板状部材4の表面に当接したら重置された薄板状部材4の最上層の1枚がパッド23に吸着される。そして、スポンジ21が縮退して周側膜22が適度に撓み、薄板状部材4が安定にパッド23に吸着される。
【0031】
図2(C)において、排気系3を作動したまゝで吸着装置10が上昇すると、薄板状部材4が安定にパッド23に吸着された状態で上方に移動する。この吸着装置10が、図示してない搬送系の、例えば、搬送ロボットのアームに取り付けられていれば、次の工程に薄板状部材4が搬送されることになる。
〔第二の発明の実施例2〕
図3において、薄板状部材4が凸面に反っている場合には、図3(A)に示したように、第1の可動手段61を作動させて上フランジ52を押上する。そうすると、可変部材5が上昇して弾性部材2が上方向に付勢され、スポンジ21を介してパッド23の表面が凹面に変形する。
【0032】
このまゝの状態、つまり、第1の可動手段61を作動させてパッド23の表面を凹面に付勢した状態を保ちながら、予め、減圧管路31から排気して中空部13を減圧しながら吸着装置10をキャリア7に遊嵌するように降下させる。あるいは、吸着装置10をキャリア7の中に降下させてパッド23が薄板状部材4の表面に当接したら減圧管路31から排気して中空部13を減圧する。
【0033】
何れの手順であっても、パッド23の表面が薄板状部材4の反りによく倣って吸着する。吸着装置10を上方に移動させれば、図3(B)に示したように、パッド23に安定した状態で薄板状部材4を吸着保持することができる。この吸着装置10が、図示してない搬送系の、例えば、搬送ロボットのアームに取り付けられていれば、次の工程に薄板状部材4を搬送することができる。
〔第二の発明の実施例3〕
図4において、薄板状部材4が凹面に反っている場合には、図4(A)に示したように、第2の可動手段62を作動させて下フランジ53を押下する。そうすると、可変部材5が降下して弾性部材2が下方向に付勢され、スポンジ21を介してパッド23の表面が凸面に変形する。
【0034】
このまゝの状態、つまり、第2の可動手段62を作動させてパッド23の表面を凹面に付勢した状態を保ちながら、予め、減圧管路31から排気して中空部13を減圧しながら吸着装置10をキャリア7に遊嵌するように降下させる。あるいは、吸着装置10をキャリア7の中に降下させてパッド23が薄板状部材4の表面に当接したら減圧管路31から排気して中空部13を減圧する。
【0035】
何れの手順であっても、パッド23の表面が薄板状部材4の反りによく倣って吸着する。吸着装置10を上方に移動させれば、図4(B)に示したように、パッド23に安定した状態で薄板状部材4を吸着保持することができる。この吸着装置10が、図示してない搬送系の、例えば、搬送ロボットのアームに取り付けられていれば、次の工程に薄板状部材4を搬送することができる。
【0036】
実施例2にしろ、実施例3にしろ、表面が反った薄板状部材4を吸着保持した場合には、反りもそのまゝの状態で保持される。しかし、吸着装置が搬送系によって次の工程に搬送され、薄板状部材を、例えば、キャリアを移し替えするとか、XYステージに載置するとか、成膜装置の前室に重置するとか、などの場合には、できるだけ反りが矯正されて平面になっていることが望ましい。
〔第二の発明の実施例4〕
図5において、吸着装置10の基本構成は、第二の発明の実施例1と同様のハウジング1と、弾性部材2と、排気系3と、可変部材5と、第1の可動手段61と、第2の可動手段62に加えて、第3の可動手段63を有している。
【0037】
第3の可動手段63は、第1や第2の可動手段61、62と同様、例えば、エアシリンダなどからなり、可変部材5の下フランジ53に対向してハウジング1の上壁11に設けられている。そして、第3の可動手段63は作動すると下フランジ53を押下して弾性部材2を下方に付勢するようになっている。
図5(A)において、第1の可動手段61が作動して凸面に反った薄板状部材4を吸着している場合には、弾性部材2が常時吸引されてパッド23が凸面に付勢された状態になっている。従って、仮に第1の可動手段61の作動を停止しても、自発的に薄板状部材4の反りが平面に矯正されることはない。
【0038】
図5(B)において、第3の可動手段63は、第1と第2の可動手段61、62と競合しない位置で、下フランジ53の上面部と対向している。従って、図5(C)において、第3の可動手段63が作動して可変部材5を押下し、弾性部材2が下方向に変形されたときに弾性部材2の凹面の変形が減勢され撓みが矯正される。この減勢が、弾性部材2の自身の弾性で元の平面になるように作用し、薄板状部材4の反りが矯正されることになる。
【0039】
図6(A)において、吸着装置10の第2の可動手段62が作動して凹面に反った薄板状部材4を吸着している状態では、排気系3によって減圧管路31から排気されているので中空部13が減圧されており、弾性部材2が常時吸引されて凹面になる方向に付勢されている。一方、第2の可動手段62の作動による可変部材5の押下は、弾性部材2に対して絶えず減勢ないし消勢する方向に作用している。
【0040】
従って、図6(B)において、第2の可動手段62の作動を停止すると、弾性部材2の弾発性と吸引力とが相乗的に作用して、薄板状部材4の凸面が平面になる方向に押し戻されて矯正される。その際、さらに吸引力が働いて薄板状部材4が凹面にまで押し戻されることを抑える必要がある場合には、停止手段として図5に示した第3の可動手段63を作動させれば、凸面から平面を経て凹面にまで押し戻されて、凹面に過剰変形してしまうことはない。
【0041】
こうして、第二の発明では、凹面あるいは凸面に反った薄板状部材4を吸着保持したあと、反りを矯正して平面に戻すことができる。その結果、本発明になる吸着装置10を図示してない搬送系によって移動させ、例えば、半導体ウェーハなどの薄板状部材4を次の工程に搬送する際には極めて好都合である。
〔第三の発明の実施例〕
図7において、弾性部材2を構成する連続気泡の弾性部材2のスポンジ21は、空気が自在に通り抜けるようになっている。そこで、ハウジング1の上壁11に開口している減圧管路31を、三方弁33を介して圧気管路32と切り換えできるようになっている。
【0042】
図7(A)において、減圧管路31を三方弁33によって圧気管路32に切り換えると、パッド23から圧気が噴出する。従って、例えば、半導体ウェーハのような薄板状部材4の表面の近傍にパッド23を近接して清浄な圧気を噴出すれば、薄板状部材4の表面を清浄にすることができる。
パッド23から圧気を噴出することは、スポンジ21の気泡中に付着している塵埃などの夾雑物を除去する際にも用いることができる。
【0043】
図7(B)において、減圧管路31を三方弁33によって排気系3に切り換えると、パッド23から近傍の雰囲気が吸引される。従って、例えば、半導体ウェーハのような薄板状部材4の表面の極く近傍で吸引動作を行えば、薄板状部材4の表面に付着している夾雑物を吸引して清浄にすることができる。
ハウジングは、薄板状部材が半導体ウェーハである場合を例示した。しかし、液晶表示パネルのガラス基板のような方形の場合には、薄板状部材が収容されるキャリアの方形に遊嵌する方形にするか、キャリアの方形に遊嵌する楕円形にするか、あるいは、キャリア7の短辺の長さ以内に余裕をもって遊嵌する直径の円形にするか、種々の変形が可能である。
【0044】
また、弾性部材に用いる素材や形状は、薄板状部材が半導体ウェーハであることを指向して例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、液晶表示パネルのようなフラットディスプレイのガラスなどの透明な基板などにも適用でき、種々の変形が可能である。
さらに、本発明になる吸着装置は、図示してないが、例えば、搬送ロボットのアームのような搬送系に取付けられるので、あまり大袈裟な手段を用いることは好ましくない。従って、可変部材を駆動する可動手段は、エアシリンダなどを例示したが、ラック/ピニオンやねじによる直進運動などを適用した場合には突出量を加減できるので、可動手段の上下動、延いてはパッドの凹面、凸面の微細な制御が可能であり、種々の変形が可能である。
【0045】
(付記1) ハウジングと、弾性部材と、減圧管路とを有し、
該ハウジングは、上壁を有する筒状になっており、
該弾性部材は、盤状をなしており、中央部が連通性のスポンジからなり、周側部が気密可能な可撓性の周側膜で封孔され、下面部が薄板状部材に当接する通気性のパッドをなし、該ハウジングに格子板を介した中空部を残して気密可能に緊合しており、
該減圧管路は、一端が該上壁に開口し、他端が排気系に接続されており、
該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面に倣って気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持する
薄板状部材の吸着装置。
【0046】
(付記2) 該薄板状部材が半導体ウェーハである
付記1の薄板状部材の吸着装置。
(付記3) 該薄板状部材がフラットディスプレイパネルの基板である
付記1の薄板状部材の吸着装置。
(付記4) 可変部材と、第1と第2の可動手段とを有し、
該可変部材は、上下にフランジを有する断面視工形をなし、縦軸が該上壁を貫通して気密可能に滑動自在に支持され、下フランジの底面部が該弾性部材の上面部に固着しており、
該第1と第2の可動手段は、該可変部材を押上/押下するものであって、該第1の可動手段が該上フランジを押上すると該パッドが凹形に付勢され、該第2の可動手段が該下フランジを押下すると該パッドが凸形に付勢されるものであり、該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面の反りに倣うように該可変部材が作動して気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持する
付記1記載の薄板状部材の吸着装置。
【0047】
(付記5) 第3の可動手段を有し、
該第3の可動手段は、該可変部材の下フランジを押下して、凹形に変形して薄板状部材を吸着保持している該パッドを平面に消勢するものである
付記4記載の薄板状部材の吸着装置。
(付記6) 圧気管路と、三方弁とを有し、
該圧気管路は、該三方弁を介して該減圧管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面に圧気を噴出して、薄板状部材の表面を洗浄し、
該減圧管路は、該三方弁を介して該圧気管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面の雰囲気を吸引して、薄板状部材の表面を洗浄するものである
付記1または4記載の薄板状部材の吸着装置。
【0048】
(付記7) 搬送ロボットのアームに取り付けられている
付記1または4記載の薄板状部材の吸着装置。
【0049】
【発明の効果】
特に、半導体装置の製造工程において、半導体ウェーハの大きさがますます大きくなる傾向にあり、今では、8インチウェーハが主流になってきており、厚さが0.1mmといった薄くて大きて、しかも往々にして反り勝ちな薄板状部材を損傷なく安定に吸着保持することは、半導体装置の、いわゆるウェーハプロセスにおいては極めて重要な作業の一つになっている。
【0050】
本発明によれば、半導体ウェーハには限らないが、薄くて大きく、しかも反り勝ちな薄板状部材であっても、その反りを吸収しながら損傷なく安定に吸着して保持することができる。従って、特に、半導体装置の製造工程におけるウェーハプロセスやフラットディスプレイパネルのガラス基板の処理の効率化に寄与するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の発明の実施例の説明図である。
【図2】本発明の第二の発明の実施例1の説明図である。
【図3】本発明の第二の発明の実施例2の説明図である。
【図4】本発明の第二の発明の実施例3の説明図である。
【図5】本発明の第二の発明の実施例4の説明図である。
【図6】本発明の第二の発明の実施例4の補足説明図である。
【図7】本発明の第三の発明の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
11 上壁 12 格子板 13 中空部
2 弾性部材
21 スポンジ 22 周側膜 23 パッド
3 排気系
31 減圧管路 32 圧気管路 33 三方弁
4 薄板状部材
5 可変部材
51 軸 52 上フランジ 53 下フランジ
61 第1の可動手段 62 第2の可動手段 63 第3の可動手段
7 キャリア
10 吸着装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄い板状の部材、特に薄くて大きい半導体ウェーハを吸着して保持する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の製造工程を例にとると、ウェーハプロセスと呼ばれる工程は、直径が大きいものでは6インチとか8インチで、厚さが1mmに満たない薄い半導体ウェーハ上に多数の半導体素子を形成する工程である。その半導体素子の形成工程では、例えば、半導体ウェーハの表面を研磨したり、成膜したり、ホトリソグラフィによってパターニングしたり、熱処理したりする工程を経るために、いろいろな加工装置の間を、汚染や損傷なしにウェーハを支持し搬送することが不可欠である。
【0003】
ところで、半導体ウェーハのような薄くて大きな板状の部材では、必然的に反りがあったり表面にうねりがあったりして、部材と接する先端部位の吸着パッドを剛体で形成し、部材の表面に当接して保持することはできない。そこで、部材の表面に当接する部位が可撓性や弾力性をもって穏接触するように保持する手段がいろいろ提案されている。
【0004】
薄板状部材を保持する目的は、単に装置間などを搬送するための保持と、所定の位置に支持して加工するための保持との二通りがある。一方、薄板状部材を保持する手段としては、部材の材質にもよるが半導体ウェーハのような絶縁部材の場合には、静電吸着と真空吸着の二つの方法がある。
静電吸着は、例えば、スパッタ装置などの成膜装置内で薄板状部材を所定の位置に載置し支持するときなどに用いられる。しかし、薄板状部材を保持して装置間などを搬送する際には、真空吸着の方が構造も簡易で多様性に富んでいる。
【0005】
従来の真空吸着を用いた吸着では、薄板状部材の表面を損傷しないように、真空で吸引したときに、薄板状部材の表面に吸着パッドの下面だけが部分的に当接するようにしたり、吸着パッドを環状にして吸着パッドの下面が薄板状部材の周縁部のみに当接するようにしたりしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、薄板状部材が半導体ウェーハであって、研磨処理を行うような場合には、研磨盤に対して所定の押圧で押下する必要があるため、吸着パッドに可撓性や弾力性を持たせることに限界がある。
ところが、薄板状部材を搬送する目的で保持する場合には、薄板状部材を損傷から防ぐために、吸着パッドの薄板状部材と部分的に当接する下面を可撓性や弾力性のある部材で構成することはできる。しかし、薄板状部材が凸状ないしは凹状に反っている場合には、吸着パッドの薄板状部材と部分的に当接する下面を可撓性や弾力性のある部材で構成しても保持を確実に行うことは厄介である。
【0007】
そこで本発明は、薄板状部材が凸状ないしは凹状に反っていても、損傷なく確実に吸着し保持することができる薄板状部材の吸着装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上で述べた課題は、請求項1においては、ハウジングと、弾性部材と、減圧管路とを有し、該ハウジングは、上壁を有する筒状になっており、該弾性部材は、盤状をなしており、中央部が連通性のスポンジからなり、周側部が気密可能な可撓性の周側膜で封孔され、下面部が薄板状部材に当接する通気性のパッドをなし、該ハウジングに格子板を介した中空部を残して気密可能に緊合しており、該減圧管路は、一端が該上壁に開口し、他端が排気系に接続されており、該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面に倣って気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持するように構成された薄板状部材の吸着装置によって解決される。
【0009】
つまり、本願発明では、弾性部材に連続気孔をもち連通性のある盤状のスポンジを用いている。スポンジの周縁部が気密になるように可撓性の周側膜で封孔し、格子板を介した中空部を残してハウジングに緊合するようにしている。そして、ハウジングの中空部を減圧すると、スポンジの下面部から吸気されるようにしている。
【0010】
パッドに、例えば、半導体ウェーハのような薄板状部材を当接して、ハウジング内を減圧すると、薄板状部材を吸引しながら周縁膜が潰されてスポンジが縮退し、確りと吸着保持することができる。
パッドは変形自在の盤状のスポンジの柔らかい切断面であるから、薄板状部材が凸面あるいは凹面に反っていても、パッドが薄板状部材の表面に倣って変形して薄板状部材を吸着保持できる。
【0011】
次いで、請求項2において、可変部材と、第1と第2の可動手段とを有し、該可変部材は、上下にフランジを有する断面視工形をなし、縦軸が該上壁を貫通して気密可能に滑動自在に支持され、下フランジの底面部が該弾性部材の上面部に固着しており、該第1と第2の可動手段は、該可変部材を押上/押下するものであって、該第1の可動手段が該上フランジを押上すると該パッドが凹形に付勢され、該第2の可動手段が該下フランジを押下すると該パッドが凸形に付勢されるものであり、該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面の反りに倣うように該可変部材が作動して気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持するように構成された請求項1記載の薄板状部材の吸着装置によって解決される。
【0012】
つまり、スポンジからなる弾性部材の上側に可変部材を設け、第1と第2の可動手段によって可変部材を上下動させるようにしている。そして、可変部材によって弾性部材の上面部を押下/押上し、その上下動に追動して弾性部材のパッドを凸面に付勢したり凹面に付勢したりするようにしている。
こうして、例えば、半導体ウェーハのような薄板状部材の表面が凸面あるいは凹面に反っているときに、薄板状部材の表面に当接して吸着するパッドの形状が請求項1より以上に薄板状部材の形状に倣うように変形させることができる。
【0013】
次いで、請求項3において、第3の可動手段を有し、該第3の可動手段は、該可変部材の下フランジを押下して、凹形に変形して薄板状部材を吸着保持している該パッドを平面に消勢するものであるように構成された請求項2記載の薄板状部材の吸着装置によって解決される。
つまり、薄板状部材が凸面に反っている場合には、吸着保持したあと、第2の可動手段の作動を停止してパッドの凸面を消勢すると、吸引力と弾性部材の弾発性によって平面に消勢しようとする力が働く。
【0014】
ところが、薄板状部材が凹面に反っている場合には、吸着保持したあと、第1の可動手段の作動を停止してパッドの凹面を消勢しても、減圧によって薄板状部材が吸引されているために、平面に消勢しない。
そこで、第3の可動手段によって可変部材を押下し、強制的にパッドを平面に戻すようにしている。
【0015】
反っている薄板状部材を吸着したあと平面に戻すことは、例えば、半導体装置の製造工程において、次の工程に半導体ウェーハを搬送して所定の位置に載置するときに有効である。
次いで、請求項4において、圧気管路と、三方弁とを有し、該圧気管路は、該三方弁を介して該減圧管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面に圧気を噴出して、薄板状部材の表面を洗浄し、該減圧管路は、該三方弁を介して該圧気管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面の雰囲気を吸引して、薄板状部材の表面を洗浄するものであるように構成された請求項1または2記載の薄板状部材の吸着装置によって解決される。
【0016】
つまり、薄板状部材に当接して吸着する弾性部材は、連続気孔をもって連なった構成になっている。従って、吸着動作を行う前に、一旦、減圧管路に圧気が通るように圧気管路に切替え、薄板状部材の表面に圧気を噴出して表面を清浄にするようにしている。
この手段は、薄板状部材の吸着動作とは別の工程において空吹きとして用いれば、パッド面を含めた弾性部材の空孔に捕らえられた塵埃を除去するためにも有効である。
【0017】
また、吸着動作を行う前に、一旦、圧気管路を減圧管路に切替え、薄板状部材の表面の雰囲気を吸引して、薄板状部材の表面の微細な塵埃を吸引し表面を清浄にするようにしている。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第一の発明の実施例の説明図、図2は本発明の第二の発明の実施例1の説明図、図3は本発明の第二の発明の実施例2の説明図、図4は本発明の第二の発明の実施例3の説明図、図5は本発明の第二の発明の実施例4の説明図、図6は本発明の第二の発明の実施例4の補足説明図、図7は本発明の第三の発明の実施例の説明図である。
【0019】
図中、1はハウジング、11は上壁、12は格子板、13は中空部、2は弾性部材、21はスポンジ、22は周側膜、23はパッド、3は排気系、31は減圧管路、32は圧気管路、33は三方弁、4は薄板状部材、5は可変部材、51は軸、52は上フランジ、53は下フランジ、61は第1の可動手段、62は第2の可動手段、63は第3の可動手段、7はキャリア、10は吸着装置である。
〔第一の発明の実施例〕
図1において、吸着装置10の基本構成は、ハウジング1と、弾性部材2と、排気系3とからなっている。また、吸着装置10は、図1(A)に示したように薄板状部材4が重置されたキャリア7の上方に対向して配置する。
【0020】
ハウジング1は、例えば、アルミニウムのような金属製とかPBTのようなプラスチックス製とかで、桶を伏せたような形状になっている。つまり、ハウジング1は、下方は開口しているが、上方は封じられて上壁11がある。
ハウジング1は、吸着する薄板状部材4が、例えば、半導体ウェーハのような円形であってもフラットディスプレイのガラス基板のような方形であっても、薄板状部材4の大きさに対応したいろいろな大きさにすることができる。
【0021】
つまり、ハウジング1は、薄板状部材4が、半導体ウェーハのような円形で、例えば、6インチウェーハであれば155mmとか、8インチウェーハであれば220mmとか、いろいろな大きさの薄板状部材4が重置されるキャリア7の内径に対して遊嵌する大きさの円形にする。
弾性部材2は、例えば、ポリウレタン製のウレタンフォームなどの弾力性があり、薄板状部材4の表面に緩衝性をもって当接できるように、厚さが30mmとか50mmとかの、いわゆる盤状のスポンジ21からなる。また、スポンジ21の空孔は厚さ方向だけでなく、全方向に対して連通した連続気泡になっている。周壁はウレタンゴムなどの可撓性のある周側膜22で気密性をもって覆われている。
【0022】
スポンジ21の周縁部の上部は、ハウジング1の開口している下方に内嵌し、透気性のある格子板12を介してハウジング1の中に中空部13が形成するように気密性をもって緊合し、固着されている。スポンジ21の下端面は、薄板状部材4に当接して吸着するパッド23になっている。
ハウジング1の上壁11には、排気系3に連なる減圧管路31が開口しており、中空部13が減圧するとスポンジ21を通してパッド23から吸気するようになっている。その際、格子板12がスポンジ21がハウジング1の中に引き込まれないようにスポンジ21の上面を支持するようになっている。
【0023】
吸着装置10によってキャリア7に重置されているウェーハのような薄板状部材4を吸着するには、図1(B)において、排気系3が作動して減圧管路31を介して中空部13が減圧する。パッド23からスポンジ21を通して吸気されている状態で、吸着装置10がキャリア7に遊嵌するように、図示してない駆動系によって降下する。
【0024】
パッド23が薄板状部材4の表面の反り具合、例えば、こゝでは薄板状部材4の表面の凸面に倣って変形しながら当接すると、重置された薄板状部材4の最上層の1枚がパッド23に吸着される。そして、スポンジ21が縮退して周側膜22が適度に撓み、薄板状部材4がパッド23に吸着される。
図1(C)において、図示してない駆動系によって吸着装置10が上昇すれば、薄板状部材4が安定に吸着装置10に吸着保持される。その後は、薄板状部材4を吸着保持した状態で、吸着装置10が適宜搬送系に駆動されて運ばれる。
【0025】
吸着装置10の薄板状部材4の反りに対する基本的な機能は、薄板状部材4の反りが凹面になっている場合にも、図1に示した凸面の場合と同様であり、パッド23の表面が薄板状部材4の反りに倣って変形するようになっている。
〔第二の発明の実施例1〕
図2において、吸着装置10の基本構成は、第一の発明と同様のハウジング1と、弾性部材2と、排気系3に加えて、可変部材5と、第1の可動手段61と第2の可動手段62とから構成されている。
【0026】
ところで、薄板状部材4の表面が反っている程度が、パッド23の表面が薄板状部材4の反りが大きくて、パッド23が自動倣いによって対応できない場合には、予め、弾性部材2を強制的に付勢させ、薄板状部材4に当接するパッド23の表面を薄板状部材4の反りに倣うように変形させるようにできる。
つまり、可変部材5の下フランジ53の底面部は、弾性部材2の上面部に固着している。そこで、第1の可動手段61の作動によって可変部材5が押上されると、弾性部材2のスポンジ21の中央部位が上方向に付勢され、パッド23の表面が凹面に変形するようになっている。また、第2の可動手段62の作動によって可変部材5が押下されると、弾性部材2のスポンジ21の中央部位が下方向に付勢され、パッド23の表面が凸面に変形するようになっている。
【0027】
図2(A)において、ハウジング1の形状は第一の発明と類似であるが、上壁11には可変部材5と、第1の可動手段61と、第2の可動手段62とが設けられている。
可変部材5は、弾性部材2のパッド23の表面を凸面/凹面に付勢させ変形させるもので、軸51の上下に上フランジ52と下フランジ53が断面視工形に設けられている。軸51は上壁11に上下に滑動自在に、しかも気密性をもって支持されている。
【0028】
第1の可動手段61と第2の可動手段62は、例えば、エアシリンダとかプランジャマグネットなどの軸が直進移動して対象物を押圧する手段である。第1の可動手段61は、可変部材5の上フランジ52の下面に対向して設けられ、第2の可動手段62は、可変部材5の下フランジ53の上面に対向して設けられている。また、下フランジ53の底面部は、弾性部材2の上面部に固着している。従って、弾性部材2が引き込まれることを防ぐために図1に示した格子板12は不要である。
【0029】
こゝでは、薄板状部材4の表面が反ってなく平面である。従って、第1の可動手段61も第2の可動手段62も作動しておらず、従って、弾性部材2は上方向にもした方向にも付勢されておらず、パッド23も平面になっている。
図2(B)において、第1の可動手段61も第2の可動手段62も作動していない状態では可変部材5は上下どちらの方向にも付勢されていないので、パッド23の表面は平面になっている。
【0030】
吸着装置10は、薄板状部材4の重置されたキャリア7に遊嵌するように降下する。排気系3が作動し、減圧管路31を経由して中空部13が減圧された状態であれば、パッド23が薄板状部材4の表面に当接したら重置された薄板状部材4の最上層の1枚がパッド23に吸着される。そして、スポンジ21が縮退して周側膜22が適度に撓み、薄板状部材4が安定にパッド23に吸着される。
【0031】
図2(C)において、排気系3を作動したまゝで吸着装置10が上昇すると、薄板状部材4が安定にパッド23に吸着された状態で上方に移動する。この吸着装置10が、図示してない搬送系の、例えば、搬送ロボットのアームに取り付けられていれば、次の工程に薄板状部材4が搬送されることになる。
〔第二の発明の実施例2〕
図3において、薄板状部材4が凸面に反っている場合には、図3(A)に示したように、第1の可動手段61を作動させて上フランジ52を押上する。そうすると、可変部材5が上昇して弾性部材2が上方向に付勢され、スポンジ21を介してパッド23の表面が凹面に変形する。
【0032】
このまゝの状態、つまり、第1の可動手段61を作動させてパッド23の表面を凹面に付勢した状態を保ちながら、予め、減圧管路31から排気して中空部13を減圧しながら吸着装置10をキャリア7に遊嵌するように降下させる。あるいは、吸着装置10をキャリア7の中に降下させてパッド23が薄板状部材4の表面に当接したら減圧管路31から排気して中空部13を減圧する。
【0033】
何れの手順であっても、パッド23の表面が薄板状部材4の反りによく倣って吸着する。吸着装置10を上方に移動させれば、図3(B)に示したように、パッド23に安定した状態で薄板状部材4を吸着保持することができる。この吸着装置10が、図示してない搬送系の、例えば、搬送ロボットのアームに取り付けられていれば、次の工程に薄板状部材4を搬送することができる。
〔第二の発明の実施例3〕
図4において、薄板状部材4が凹面に反っている場合には、図4(A)に示したように、第2の可動手段62を作動させて下フランジ53を押下する。そうすると、可変部材5が降下して弾性部材2が下方向に付勢され、スポンジ21を介してパッド23の表面が凸面に変形する。
【0034】
このまゝの状態、つまり、第2の可動手段62を作動させてパッド23の表面を凹面に付勢した状態を保ちながら、予め、減圧管路31から排気して中空部13を減圧しながら吸着装置10をキャリア7に遊嵌するように降下させる。あるいは、吸着装置10をキャリア7の中に降下させてパッド23が薄板状部材4の表面に当接したら減圧管路31から排気して中空部13を減圧する。
【0035】
何れの手順であっても、パッド23の表面が薄板状部材4の反りによく倣って吸着する。吸着装置10を上方に移動させれば、図4(B)に示したように、パッド23に安定した状態で薄板状部材4を吸着保持することができる。この吸着装置10が、図示してない搬送系の、例えば、搬送ロボットのアームに取り付けられていれば、次の工程に薄板状部材4を搬送することができる。
【0036】
実施例2にしろ、実施例3にしろ、表面が反った薄板状部材4を吸着保持した場合には、反りもそのまゝの状態で保持される。しかし、吸着装置が搬送系によって次の工程に搬送され、薄板状部材を、例えば、キャリアを移し替えするとか、XYステージに載置するとか、成膜装置の前室に重置するとか、などの場合には、できるだけ反りが矯正されて平面になっていることが望ましい。
〔第二の発明の実施例4〕
図5において、吸着装置10の基本構成は、第二の発明の実施例1と同様のハウジング1と、弾性部材2と、排気系3と、可変部材5と、第1の可動手段61と、第2の可動手段62に加えて、第3の可動手段63を有している。
【0037】
第3の可動手段63は、第1や第2の可動手段61、62と同様、例えば、エアシリンダなどからなり、可変部材5の下フランジ53に対向してハウジング1の上壁11に設けられている。そして、第3の可動手段63は作動すると下フランジ53を押下して弾性部材2を下方に付勢するようになっている。
図5(A)において、第1の可動手段61が作動して凸面に反った薄板状部材4を吸着している場合には、弾性部材2が常時吸引されてパッド23が凸面に付勢された状態になっている。従って、仮に第1の可動手段61の作動を停止しても、自発的に薄板状部材4の反りが平面に矯正されることはない。
【0038】
図5(B)において、第3の可動手段63は、第1と第2の可動手段61、62と競合しない位置で、下フランジ53の上面部と対向している。従って、図5(C)において、第3の可動手段63が作動して可変部材5を押下し、弾性部材2が下方向に変形されたときに弾性部材2の凹面の変形が減勢され撓みが矯正される。この減勢が、弾性部材2の自身の弾性で元の平面になるように作用し、薄板状部材4の反りが矯正されることになる。
【0039】
図6(A)において、吸着装置10の第2の可動手段62が作動して凹面に反った薄板状部材4を吸着している状態では、排気系3によって減圧管路31から排気されているので中空部13が減圧されており、弾性部材2が常時吸引されて凹面になる方向に付勢されている。一方、第2の可動手段62の作動による可変部材5の押下は、弾性部材2に対して絶えず減勢ないし消勢する方向に作用している。
【0040】
従って、図6(B)において、第2の可動手段62の作動を停止すると、弾性部材2の弾発性と吸引力とが相乗的に作用して、薄板状部材4の凸面が平面になる方向に押し戻されて矯正される。その際、さらに吸引力が働いて薄板状部材4が凹面にまで押し戻されることを抑える必要がある場合には、停止手段として図5に示した第3の可動手段63を作動させれば、凸面から平面を経て凹面にまで押し戻されて、凹面に過剰変形してしまうことはない。
【0041】
こうして、第二の発明では、凹面あるいは凸面に反った薄板状部材4を吸着保持したあと、反りを矯正して平面に戻すことができる。その結果、本発明になる吸着装置10を図示してない搬送系によって移動させ、例えば、半導体ウェーハなどの薄板状部材4を次の工程に搬送する際には極めて好都合である。
〔第三の発明の実施例〕
図7において、弾性部材2を構成する連続気泡の弾性部材2のスポンジ21は、空気が自在に通り抜けるようになっている。そこで、ハウジング1の上壁11に開口している減圧管路31を、三方弁33を介して圧気管路32と切り換えできるようになっている。
【0042】
図7(A)において、減圧管路31を三方弁33によって圧気管路32に切り換えると、パッド23から圧気が噴出する。従って、例えば、半導体ウェーハのような薄板状部材4の表面の近傍にパッド23を近接して清浄な圧気を噴出すれば、薄板状部材4の表面を清浄にすることができる。
パッド23から圧気を噴出することは、スポンジ21の気泡中に付着している塵埃などの夾雑物を除去する際にも用いることができる。
【0043】
図7(B)において、減圧管路31を三方弁33によって排気系3に切り換えると、パッド23から近傍の雰囲気が吸引される。従って、例えば、半導体ウェーハのような薄板状部材4の表面の極く近傍で吸引動作を行えば、薄板状部材4の表面に付着している夾雑物を吸引して清浄にすることができる。
ハウジングは、薄板状部材が半導体ウェーハである場合を例示した。しかし、液晶表示パネルのガラス基板のような方形の場合には、薄板状部材が収容されるキャリアの方形に遊嵌する方形にするか、キャリアの方形に遊嵌する楕円形にするか、あるいは、キャリア7の短辺の長さ以内に余裕をもって遊嵌する直径の円形にするか、種々の変形が可能である。
【0044】
また、弾性部材に用いる素材や形状は、薄板状部材が半導体ウェーハであることを指向して例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、液晶表示パネルのようなフラットディスプレイのガラスなどの透明な基板などにも適用でき、種々の変形が可能である。
さらに、本発明になる吸着装置は、図示してないが、例えば、搬送ロボットのアームのような搬送系に取付けられるので、あまり大袈裟な手段を用いることは好ましくない。従って、可変部材を駆動する可動手段は、エアシリンダなどを例示したが、ラック/ピニオンやねじによる直進運動などを適用した場合には突出量を加減できるので、可動手段の上下動、延いてはパッドの凹面、凸面の微細な制御が可能であり、種々の変形が可能である。
【0045】
(付記1) ハウジングと、弾性部材と、減圧管路とを有し、
該ハウジングは、上壁を有する筒状になっており、
該弾性部材は、盤状をなしており、中央部が連通性のスポンジからなり、周側部が気密可能な可撓性の周側膜で封孔され、下面部が薄板状部材に当接する通気性のパッドをなし、該ハウジングに格子板を介した中空部を残して気密可能に緊合しており、
該減圧管路は、一端が該上壁に開口し、他端が排気系に接続されており、
該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面に倣って気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持する
薄板状部材の吸着装置。
【0046】
(付記2) 該薄板状部材が半導体ウェーハである
付記1の薄板状部材の吸着装置。
(付記3) 該薄板状部材がフラットディスプレイパネルの基板である
付記1の薄板状部材の吸着装置。
(付記4) 可変部材と、第1と第2の可動手段とを有し、
該可変部材は、上下にフランジを有する断面視工形をなし、縦軸が該上壁を貫通して気密可能に滑動自在に支持され、下フランジの底面部が該弾性部材の上面部に固着しており、
該第1と第2の可動手段は、該可変部材を押上/押下するものであって、該第1の可動手段が該上フランジを押上すると該パッドが凹形に付勢され、該第2の可動手段が該下フランジを押下すると該パッドが凸形に付勢されるものであり、該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面の反りに倣うように該可変部材が作動して気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持する
付記1記載の薄板状部材の吸着装置。
【0047】
(付記5) 第3の可動手段を有し、
該第3の可動手段は、該可変部材の下フランジを押下して、凹形に変形して薄板状部材を吸着保持している該パッドを平面に消勢するものである
付記4記載の薄板状部材の吸着装置。
(付記6) 圧気管路と、三方弁とを有し、
該圧気管路は、該三方弁を介して該減圧管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面に圧気を噴出して、薄板状部材の表面を洗浄し、
該減圧管路は、該三方弁を介して該圧気管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面の雰囲気を吸引して、薄板状部材の表面を洗浄するものである
付記1または4記載の薄板状部材の吸着装置。
【0048】
(付記7) 搬送ロボットのアームに取り付けられている
付記1または4記載の薄板状部材の吸着装置。
【0049】
【発明の効果】
特に、半導体装置の製造工程において、半導体ウェーハの大きさがますます大きくなる傾向にあり、今では、8インチウェーハが主流になってきており、厚さが0.1mmといった薄くて大きて、しかも往々にして反り勝ちな薄板状部材を損傷なく安定に吸着保持することは、半導体装置の、いわゆるウェーハプロセスにおいては極めて重要な作業の一つになっている。
【0050】
本発明によれば、半導体ウェーハには限らないが、薄くて大きく、しかも反り勝ちな薄板状部材であっても、その反りを吸収しながら損傷なく安定に吸着して保持することができる。従って、特に、半導体装置の製造工程におけるウェーハプロセスやフラットディスプレイパネルのガラス基板の処理の効率化に寄与するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の発明の実施例の説明図である。
【図2】本発明の第二の発明の実施例1の説明図である。
【図3】本発明の第二の発明の実施例2の説明図である。
【図4】本発明の第二の発明の実施例3の説明図である。
【図5】本発明の第二の発明の実施例4の説明図である。
【図6】本発明の第二の発明の実施例4の補足説明図である。
【図7】本発明の第三の発明の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
11 上壁 12 格子板 13 中空部
2 弾性部材
21 スポンジ 22 周側膜 23 パッド
3 排気系
31 減圧管路 32 圧気管路 33 三方弁
4 薄板状部材
5 可変部材
51 軸 52 上フランジ 53 下フランジ
61 第1の可動手段 62 第2の可動手段 63 第3の可動手段
7 キャリア
10 吸着装置
Claims (4)
- ハウジングと、弾性部材と、減圧管路とを有し、
該ハウジングは、上壁を有する筒状になっており、
該弾性部材は、盤状をなしており、中央部が連通性のスポンジからなり、周側部が気密可能な可撓性の周側膜で封孔され、下面部が薄板状部材に当接する通気性のパッドをなし、該ハウジングに格子板を介した中空部を残して気密可能に緊合しており、
該減圧管路は、一端が該上壁に開口し、他端が排気系に接続されており、
該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面に倣って気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持する
ことを特徴とする薄板状部材の吸着装置。 - 可変部材と、第1と第2の可動手段とを有し、
該可変部材は、上下にフランジを有する断面視工形をなし、縦軸が該上壁を貫通して気密可能に滑動自在に支持され、下フランジの底面部が該弾性部材の上面部に固着しており、
該第1と第2の可動手段は、該可変部材を押上/押下するものであって、該第1の可動手段が該上フランジを押上すると該パッドが凹形に付勢され、該第2の可動手段が該下フランジを押下すると該パッドが凸形に付勢されるものであり、該弾性部材は、パッドが薄板状部材の表面の反りに倣うように該可変部材が作動して気密可能に当接し、中空部が減圧すると縮退しながら該薄板状部材を吸着保持する
ことを特徴とする請求項1記載の薄板状部材の吸着装置。 - 第3の可動手段を有し、
該第3の可動手段は、該可変部材の下フランジを押下して、凹形に変形して薄板状部材を吸着保持している該パッドを平面に消勢するものである
ことを特徴とする請求項2記載の薄板状部材の吸着装置。 - 圧気管路と、三方弁とを有し、
該圧気管路は、該三方弁を介して該減圧管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面に圧気を噴出して、薄板状部材の表面を洗浄し、
該減圧管路は、該三方弁を介して該圧気管路から切り換わると該パッドから近接した薄板状部材の表面の雰囲気を吸引して、薄板状部材の表面を洗浄するものである
ことを特徴とする請求項1または2記載の薄板状部材の吸着装置。
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