JP2004051732A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】輸送・保管等において良好な取扱性を有し、押出機や成型機のホッパーやスクリュー内での輸送性に優れた、高く且つ安定したかさ密度を有するポリアリーレンスルフィド粒子を、比較的短い重合サイクル時間で製造する。
【解決手段】ジハロゲン芳香族化合物と、アルカリ金属化合物、とを極性有機溶媒中で加熱反応後、冷却して顆粒状のポリアリーレンスルフィドを得る方法において、冷却過程における系の最大増粘温度±1℃の温度域を選択的に0.2〜1.0℃/分の平均冷却速度で徐冷する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアリーレンスルフィド(以下、「PAS」と略記する。)の製造方法に関し、さらに詳しくは、高品質のPASを、効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンスルフィド(以下、「PPS」と略記)をはじめとするPASは、耐熱性、耐薬品性、難燃性、機械的強度、電気特性、寸法安定性などに優れたエンジニアリングプラスチックである。PASは、押出成形、射出成形、圧縮成形等の一般的溶融加工法により、各種成形品、フィルム、シート、繊維等に成形可能であるため、電気・電子機器、自動車機器等の広範な分野において汎用されている。また、粉末PASを用いた金属または他材料へのコーティング等の分野にも使用されている。
【0003】
PASの製造は、ジハロゲン芳香族化合物と、アルカリ金属化合物とを、有機アミド等の極性有機溶媒中において、加熱し、重(縮)合させる反応(以下において「反応工程」ないし「重合工程」と記載する)と、この反応工程の前後に位置する工程の組み合わせからなっている。反応工程の後に位置している主な工程は、生成したPASを含む混合物の蒸気圧が常圧になる温度あるいはそれ以下の温度まで冷却する工程(以下において、「冷却工程」と記載する)及び、冷却後のPASを含む混合物からPASを単離する工程(以下において、「洗浄・ろ過・乾燥工程」と記載する)である。場合により、ジハロゲン芳香族化合物を添加して行う(重合)反応工程に先立って系内の水分を調整する脱水工程が置かれる。
【0004】
この場合、PASは、より詳しくは脱水工程、重合工程、冷却工程、洗浄・ろ過・乾燥工程、未反応原料の回収工程及び、極性有機溶媒の回収工程の各工程を組み合わせて製造される。
【0005】
冷却工程について、特開昭59−49232号公報には、重合終了後に系内を重合温度から240℃以下の温度になるまで50℃/分よりも遅い速度で徐冷することによってポリマーを粒子状に析出させ、ポリマー中の微結晶の大きさを60A以上にすることを特徴とするポリフェニレンスルフィドの製法が記載されている。しかし、この公報では、徐冷域は240℃以下まで、少なくとも200℃以下まで、徐冷速度は、50℃/分よりも遅い速度、好ましくは10℃/分より遅い速度、と徐冷温度、徐冷速度に関し、多様な記載がなされており、特に実施例においては、260℃から150℃まで1℃/分の速度で徐冷する態様(実施例1)および260℃から100℃まで0.5℃/分の速度で徐冷する態様(実施例2)が開示されている。従って、これら実施例では、260℃から150℃への冷却に、それぞれ、110分および220分の冷却時間を要している。
【0006】
特開2001−89569号公報では、ポリハロゲン化芳香族化合物と有機極性溶媒のモル比および重合反応後の冷却速度が粒子形成および最終的に得られるポリマー粒子中に残存する副生成物量に影響することが分ったとの知見の下に、245℃以下の温度範囲で、ポリハロゲン化芳香族化合物と有機極性溶媒のモル比および重合反応後の冷却速度によって定められる温度まで、0.2〜1.3℃/分の範囲内で制御することにより、短い重合プロセス時間で、純度の高い粒状PASを得られる製造方法が記載されている。しかし、この公報では徐冷の効果として、製品PASの加熱時にガスとして発生する副生成物量を低減することのみが挙げられており、その他のPAS性状については、何ら触れていない。また、実施例における徐冷温度範囲は、実施例1では245℃〜218℃、実施例2では245℃〜212℃、実施例3では、245℃〜210℃であり、冷却速度1.3℃/分で245℃〜218℃を徐冷したとしても、徐冷に20分以上の時間を必要としており、冷却工程を含めた重合サイクルの短縮の観点では、未だ満足できる状態にはなっていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術の事情に鑑み、本発明の主要な目的は、輸送・保管等において良好な取扱性を有し、押出機や成型機のホッパーやスクリュー内での輸送性に優れた、高く且つ安定したかさ密度を有するPAS粒子を、比較的短い重合サイクル時間で製造する方法を提供することにある。
【0008】
本発明の更なる目的は、上記方法を高分子量粒状PASの製造が可能な相分離重合系を含むPAS製造方法に適用することにある。
【0009】
上述の目的で研究した結果、本発明者らによれば、PAS製造における加熱重合後の冷却過程における極めて限定された温度領域、すなわち系の最大増粘温度±1℃の温度域、が選択的に製品PAS粒子のかさ密度で代表される粉体性状を本質的に決定することが見出された。すなわち、高分子量PASの製造が可能な、相分離重合系を伴う、重合反応終了後の反応缶内では、PASは溶融状態で存在し、相分離剤によって濃厚相と希薄相に相分離していること、が知られている。そして、系を撹拌下に冷却すると、PASは溶融状態から固形化し、粉状あるいは粒子状あるいは顆粒状の固体として、懸濁した状態で存在するようになるが、この過程で系の粘度変化が起る。すなわち、溶融したPASを含む分散系を撹拌下に冷却すると、冷却に伴うPASの増粘により系全体の見掛け粘度が次第に増大し、ある温度に達すると、却って系全体の見掛け粘度は低下するようになる。この系の最大増粘温度は、一定撹拌下における撹拌トルクあるいは撹拌機への供給動力として検出され得る。そして、本発明者らの研究によれば、この系の最大増粘温度±1℃という極めて限定的な温度領域における冷却速度が、製品PAS粒子のかさ密度に代表される粒子性状を決定し(すなわち、0.2〜1.0℃/分の範囲内で小なる程、製品PAS粒子のかさ密度を増大させる傾向にあり)、それ以外の温度範囲の冷却速度は製品PAS粒子の粒子性状に本質的な影響を有さないことが見出された。従って、上記した最大増粘温度±1.0℃の温度において、選択的に徐冷を行うとともに、それ以外の温度範囲においては、好ましくは急速冷却を可能とする冷却手段の採用により、可及的に大なる冷却粘度を与えることにより、全体冷却時間の短縮を通じて全重合サイクル時間を短縮しつつ、良好な粒子性状の、PAS粒子製造が可能になる。
【0010】
すなわち、本発明のポリアリーレンスルフィドの製造方法は、ジハロゲン芳香族化合物と、アルカリ金属化合物、とを極性有機溶媒中で加熱反応後、冷却して顆粒状のポリアリーレンスルフィドを得る方法において、冷却過程における系の最大増粘温度±1℃の温度域を選択的に0.2〜1.0℃/分の平均冷却速度で徐冷することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳述する。
【0012】
(アルカリ金属化合物) 本発明で使用されるアルカリ金属化合物としては、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム、及びこれらの2種以上の混合物などからなるアルカリ金属硫化物を挙げることができる。これらのアルカリ金属硫化物は、通常、水和物として市販され、使用される。水和物としては、例えば、硫化ナトリウム9水塩(NaS・9HO)、硫化ナトリウム5水塩(NaS・5HO)等が挙げられる。アルカリ金属硫化物は、水性混合物として使用してもよい。また、アルカリ金属硫化物は、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、有機アミド溶媒中でin situで調製することができる。アルカリ金属硫化物中に微量存在することがあるアルカリ金属水硫化物やアルカリ金属チオ硫酸塩と反応させるために、アルカリ金属水酸化物を併用して、これらの微量成分を除去ないしはアルカリ金属硫化物への変換を行うことができる。アルカリ金属硫化物の中でも、硫化ナトリウム及び水硫化ナトリウムが、安価であることから特に好ましい。
【0013】
本発明の製造方法において、脱水工程で脱水されるべき水分とは、上記の水和水、水性混合物の水媒体、及びアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物との反応により副生する水などである。
【0014】
(ジハロゲン芳香族化合物) 本発明で使用されるジハロゲン芳香族化合物は、芳香環に直接結合した2個のハロゲン原子を有する芳香族化合物である。ジハロゲン芳香族化合物の具体例としては、例えば、o−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、p−ジハロベンゼン、ジハロトルエン、ジハロナフタレン、メトキシ−ジハロベンゼン、ジハロビフェニル、ジハロ安息香酸、ジハロジフェニルエーテル、ジハロジフェニルスルホン、ジハロジフェニルスルホキシド、ジハロジフェニルケトン等が挙げられる。ここで、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素の各原子を指し、一つのジハロ芳香族化合物に含まれる、2つのハロゲン原子は、同じでも異なっていてもよい。これらのジハロゲン芳香族化合物は、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、等の置換基を1つ以上有していても構わない。置換基を複数個有する場合、置換基の種類は単独でも、異なる種類の組み合わせであっても構わない。これらのジハロゲン芳香族化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ジハロゲン芳香族化合物の使用量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対し、通常、0.90〜1.20モルである。
【0015】
(分子量調製剤、分岐・架橋剤) 生成PASの末端を形成させ、あるいは重合反応や分子量を調節する等のために、モノハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくてもよい)を併用することができる。分岐または架橋重合体を生成させるために、3個以上のハロゲン原子が結合したポリハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくてもよい)、活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物、ハロゲン化芳香族ニトロ化合物等を併用することも可能である。分岐・架橋剤としてのポリハロ化合物として、好ましくはトリハロベンゼンが挙げられる。
【0016】
(極性有機溶媒) 本発明では、重合反応及び硫化水素回収用の溶媒として、非プロトン性極性有機溶媒である有機アミド溶媒を用いることが好ましい。有機アミド溶媒は、高温でアルカリに対して安定なものが好ましい。有機アミド溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;N−メチル−ε−カプロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと呼ぶ)、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等のN−アルキルピロリドン化合物またはN−シクロアルキルビロリドン化合物;1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン等のN,N−ジアルキルイミダゾリジノン化合物;テトラメチル尿素等のテトラアルキル尿素化合物;ヘキサメチルリン酸トリアミド等のヘキサアルキルリン酸トリアミド化合物等が挙げられる。これらの有機アミド溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。これらの有機アミド溶媒の中でも、N−アルキルピロリドン化合物、N−シクロアルキルピロリドン化合物、及びN,N−ジアルキルイミダゾリジノン化合物が好ましく、特に、NMP、N−メチル−ε−カプロラクタム、及び1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンが好ましく用いられる。本発明の重合反応に用いられる有機アミド溶媒の使用量は、アルカリ金属硫化物1モル当たり、通常、0.1〜10kgの範囲である。
【0017】
(相分離剤) 本発明では、重合反応を促進させ、高重合度のPASを短時間で得るために、ポリマー濃厚相とポリマー希薄相の二相を形成させる相分離剤を用いることが好ましい。相分離助剤の具体例としては、一般にPASの重合助剤として公知の有機スルホン酸金属塩、ハロゲン化リチウム、有機カルボン酸金属塩、リン酸アルカリ金属塩、及び水等が挙げられる。これらの相分離剤は、単独で使用するだけでなく、幾つかを組み合わせて使う事も可能である。相分離剤の使用量は、用いる化合物の種類により異なるが、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対し、通常、0.01〜10モルとなる範囲である。これら相分離剤は、重合の仕込み時から共存していても構わないし、重合の途中で相分離剤を添加し相分離を形成するに十分な量に調整する事も可能である。
【0018】
(加熱反応) 本発明では、有機アミド溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロゲン芳香族化合物とを加熱化で重合反応させることにより、PASを製造する。当該加熱反応工程は、脱水工程と重合工程に分けられる。すなわち、先ず、重合工程に先立ち、有機アミド溶媒とアルカリ金属硫化物と水分とを含む混合物を加熱脱水して、重合反応系の水分量を調節する(脱水工程)。脱水工程の後、当該脱水工程で得られた組成物とジハロゲン芳香族化合物とを混合し、有機アミド溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロゲン芳香族化合物とを加熱して重合反応させる(重合工程)。
【0019】
(脱水工程) 脱水工程は、望ましくは不活性ガス雰囲気下、アルカリ金属硫化物を有機アミド溶媒中で加熱し、蒸留により水を反応系外へ分離することにより実施する。アルカリ金属硫化物は、通常、水和物または水性混合物として使用するため、必要量以上の水分を含有している。また、硫黄源としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合は、等モル程度のアルカリ金属水酸化物を添加し、有機アミド溶媒中で両者をin situで反応させてアルカリ金属硫化物に変換する。この変換反応では、水が副生する。脱水工程では、これらの水和水(結晶水)や水媒体、副生水などからなる水分を必要量の範囲内になるまで脱水する。脱水工程では、重合反応系の共存水分量が、アルカリ金属硫化物1モルに対して、通常、0.3〜5モル程度になるまで脱水する。脱水工程で水分量が少なくなり過ぎた場合は、重合工程の前に水を添加して所望の水分量に調節してもよい。
【0020】
これらの原料の仕込みは、一般的には、常温から300℃、好ましくは常温から200℃の温度範囲内で行われる。原料の仕込み順序は、順不同でよく、さらには、脱水操作途中で各原料を追加してもかまわない。脱水工程に使用される溶媒としては、前記した有機アミド溶媒を用いる。この溶媒は、重合工程に使用される有機アミド溶媒と同一であることが好ましく、NMPが特に好ましい。当該溶媒の使用量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり、通常、0.1〜10kgである。
【0021】
脱水操作は、仕込み後の組成物を、通常、300℃以下、好ましくは60℃から280℃の温度範囲で、通常、15分間から24時間、好ましくは30分間〜10時間、加熱して行われる。加熱方法は、一定温度を保持する方法、段階的または連続的な昇温方法、あるいは両方法の組み合わせがある。脱水工程は、バッチ式、連続式、または両方式の組み合わせ方式などにより行われる。脱水工程を行う装置は、後続する重合工程に用いられる反応缶あるいは反応槽と同じであっても、あるいは異なるものであってもよい。脱水工程では、通常、有機アミド溶媒の一部が水と共に共沸して排出される。水は、有機アミド溶媒との共沸混合物としてか、あるいは蒸溜により有機アミド溶媒と水とを分離して、水のみとして排出される。さらに、水または水と有機アミド溶媒との共沸混合物と共に、硫化水素が排出される。この排出される硫化水素をアルカリ水溶液による吸収等、適当な方法で回収し、再利用する事が可能である。
【0022】
(重合工程) 重合工程は、脱水工程終了後の組成物とジハロゲン芳香族化合物とを混合し、その混合物を加熱することにより行われる。また、この混合物を調製する際に、有機アミド溶媒量や共存水分量などの調製を行ってもよく、さらに、重合助剤その他の添加物を混合してもよい。脱水工程終了後に得られた組成物とジハロゲン芳香族化合物との混合は、通常、100〜350℃、好ましくは120〜350℃の温度範囲内で行われる。混合順序は、特に制限なく、両成分を部分的に少量ずつ、あるいは一時に添加することにより行われる。また、脱水工程で排出される硫化水素を回収するための硫化水素吸収液の混合も適宜の順で行うことができる。
【0023】
重合反応は、一般的に100〜350℃、好ましくは、150〜330℃で行われる。当該反応の加熱方法は、一定温度を保持する方法、段階的または連続的な昇温方法、あるいは両方法の組み合わせが用いられる。重合反応時間は、一般に10分間〜72時間の範囲であり、望ましくは30分間〜48時間である。当該工程に使用される有機アミド溶媒は、重合工程中に存在する硫黄成分1モル当たり、通常、0.1〜10kg、好ましくは0.15〜1kgである。この範囲であれば、重合反応途中でその量を変化させてもかまわない。
【0024】
また、本発明では、重合開始から終了までの任意の時間に、相分離剤を添加し比較的高分子量のPASを重合にて生成せしめる相分離重合態様を採ることが好ましい。相分離剤としては、コスト、ポリマーからの除去等の理由から、水が望ましい。共存水分量を増加させて相分離を形成させる場合、水添加の時期は、重合開始から終了までの間であれば任意の時間に行える。重合反応の途中で共存水分量を増加させる重合方法としては、例えば、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.5〜2.4モルの水が存在する状態で、180〜235℃の温度で反応を行って、ジハロ芳香族化合物の転化率を50〜98モル%とし、次いで、アルカリ金属硫化物1モル当たり2.5〜7.0モルの水が存在する状態となるように水を添加すると共に、245〜290℃の温度に昇温して反応を継続する方法(特公昭63−33775号公報)があり、本発明において特に好ましく採用される。
【0025】
(冷却) 次いで、反応系(重合反応容器の内容物)を撹拌下に冷却する。冷却手段としては、反応混合物液相部での反応缶側壁ジャケットや、液相内部に装着された伝熱管における熱交換、および気相部での側壁ジャケットや気相部に装着された伝熱管、例えばリフラックスコンデンサー、を利用した凝縮を伴う熱交換など、いずれも伝熱面を介し熱媒と熱交換する、いわゆる間接伝熱方式、が必要により単独もしくは組み合わせで利用される。
【0026】
しかし、本発明者らにより、製品PAS粒子の性状を向上するためには、上記冷却過程において、系の最大増粘温度の極く近傍のみを選択的に徐冷すべきことが見出されており、それ以外の温度領域においては可及的に大なる冷却速度を実現して、全冷却時間、ひいては全重合サイクル時間、を短縮することが生産効率上好ましい。この目的のためには、上記の手段のなかでも、より冷却効率の高い冷却手段として、反応缶上部に設けたリフラックスコンデンサ(反応缶中気相部に露出した冷却コイルを含む)を用い、気相に存在する水をはじめとする凝縮成分をコンデンサで凝縮させ、凝縮液を重合液相と撹拌混合させることによる冷却の効率化を図ることが好ましい。また、この際、冷却工程の開始の時点において、リフラックスコンデンサ頂部の気相部から、非凝縮ガス成分の少なくも一部を除去することにより、リフラックスコンデンサにおける凝縮伝熱効率を向上することが好ましい(特願2001−296545号)。非凝縮ガス成分の気相からの除去は、例えば系外への排出により行うことができる。
【0027】
重合反応後、好ましくは上記した急速冷却手段を働かせて、可及的に大なる冷却速度で最大増粘温度近傍まで冷却した後、最大増粘温度±1℃の温度領域を選択的に徐冷し、その後、再び冷却速度を増大して、反応混合物の蒸気圧が常圧以下になる温度まで冷却を実施する。系の最大増粘温度は、冷却過程で、撹拌機に供給する電力あるいは電流値、あるいは撹拌軸に設けたトルクメータの測定値の極大値を与える温度として容易に判別できる。
【0028】
上記操作は、本発明者らの知見に基づき、可及的に短い冷却サイクルを通じて、かさ密度に代表される良好な粒子性状を有する製品PAS粒子を得るための理想的サイクルである。しかしながら、実際の重合反応系では、反応缶の熱容量も含めた熱慣性を無視することができない。従って、実際の冷却操作においては、対象となる重合反応系について、予め最大増粘温度と、その近傍での選択的徐冷を実現するための温度サイクルを予備実験により把握し、実現可能な冷却温度サイクルモデルを設定しておいて、これに従い、冷却手段の起動、停止、切替および冷却媒体供給速度の増減を含む制御操作を行うことが好ましい。
【0029】
すなわち、本発明法に従い、冷却過程における系の最大増粘温度±1℃の温度領域を選択的に0.2〜1.0℃/分の平均冷却速度で徐冷するが、系の熱慣性を考慮すれば、この条件を満足しつつ最大増粘温度±1℃の近傍も含めたその外の温度領域の全てにおいて、1.0℃/分を超える冷却速度を達成することは事実上困難である。従って本発明において、「選択的に徐冷」とは、系の最大増粘温度±3℃、好ましくは±2℃、より外の温度領域における冷却速度(平均ではない)が1.0℃/分を超え、好ましくは2.0℃/分以上、更に好ましくは3.0℃/分以上であることを意味する。また、冷却サイクルのそれ程の増大を招かずに製品PAS粒子の粒子性状を安定的に改善するためには、最大増粘温度±2.0℃の温度領域における平均冷却速度を0.2〜1.0℃/分の範囲内に維持することも好ましい。なお、選択された最大増粘温度近傍温度領域の徐冷速度が0.2℃/分未満であることは、当該選択温度領域における冷却時間の増大が無視できなくなるので好ましくない。
【0030】
(後処理) 上記の冷却過程を経て得られた製品PAS粒子を含むスラリーは常法により後処理することができる。例えば、冷却した生成物スラリーをそのまま、あるいは水分などで希釈してから濾別し、水洗濾過を繰り返して乾燥することにより、PASを得ることができる。上記濾別・篩分後、PASを重合溶媒と同じ有機アミド溶媒やケトン類、アルコール類等を有機溶媒、および高温水で洗浄処理してもよい。PASを酸や塩化アンモニウムのような塩で処理することもできる。
【0031】
(生成ポリマー) 本発明の製造方法により得られるPASは、単独で、もしくは所望により各種無機充填剤、繊維状充填剤、各種合成樹脂を配合し、種々の射出成形品やシート、フィルム、繊維、パイプ等の押出成形品に成形することができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、物性の測定方法は、次の通りである。
(1)ポリマーの溶融粘度は、310℃、せん断速度1200/secで測定した。
(2)重合反応終了後の生成物は、目開き径150μm(100メッシュ)のスクリーンで捕集したものを粒状ポリマーとし、粒状ポリマーの収率は、脱水工程後のオートクレーブ中の硫化ナトリウムがすべてPASに添加したと仮定した重量(理論量)を基準とした。
(3)かさ密度は、JIS規格K6721に準拠したカサ比重測定器(東京蔵持科学器械製作所)を用いて測定した。
(4)最大増粘温度は、クランプ電力計CW140(横河電機株式会社)をオートクレーブの撹拌機モータに設置して測定した消費電力の極大値に基づいて判定した。
【0033】
(実施例1)
側壁面から伝導加熱できるように電気ヒーターを、さらに、内部の温度および圧力を検知するために温度計および圧力計を取り付けた、撹件機付き20リツトルオートクレーブ(反応缶)の頂部に、内径40mm、高さ250mmの円筒状のコンデンサーを垂直に取り付け、その上部の気相部に温度計を取り付けた装置を使用して、重合反応および冷却を実施した。
【0034】
すなわち、NMP6,000gと、45.9重量%の硫化ナトリウム(NaS)を含む硫化ナトリウム5水塩3,500gとを仕込み、窒素ガスで置換後、撹件しながら徐々に200℃まで昇温して、水1449gとNMP1015gを溜出させた。この際、0.43モルのHSが揮散した。したがって、脱水工程後の缶内の有効NaSは、20.14モルとなった。HS揮散分は、仕込みNaSの2.10モル%に相当した。
【0035】
次いで、20.14モルの有効NaSを含む反応缶を180℃まで冷却し、P−ジクロロベンゼン(pDCB)3004g〔pDCB/NaS=1.015(モル比)〕、NMP3073g、水114g〔缶内の合計水量/NaS=1.50(モル比)〕、及び缶内の合計NaOH量が有効NaSに対して6.00モル%となるように純度97%のNaOH35gを加えた。なお、反応缶内には、HSが揮散することにより生成したNaOH(0.86モル)が含まれている。
【0036】
撹件機を250rpmで撹件しながら220℃で4.5時間反応させ、その後、撹拌数を400rpmに上げて撹拌を続けながら相分離剤としての水472gを圧入し〔缶内の合計水量/NaS=2.8(モル比)〕、260℃に昇温して5.0時間反応させた。
【0037】
重合終了後、以下のようにして冷却操作を実施した。なお、本例の装置は比較的小規模の装置であるため、冷却速度は、上記ヒータおよびコンデンサの運転条件の制御に加えて、重合缶外部からの送風冷却を併用して、制御したが、より大規模の装置においては、送風冷却(およびヒータ)の代りに側壁ジャケットあるいは缶内冷却コイルへの熱媒の供給による間接熱交換による冷却速度制御が行われることになろう。
【0038】
すなわち、重合終了後、缶内温度260℃において側壁加熱ヒータの電源を切り、コンデンサへ冷却水を通水して冷却を開始した。その後、コンデンサへの通水量と、重合缶外部からの送風量を制御し、且つコンデンサ上部に設置されたバルブを開いて非凝縮性ガスの重合缶外へのパージを適宜行って、表1に示す温度プロファイルで冷却を行った。途中、冷却開始から7.5分後に、缶内温度229.7℃で撹拌動力の極大(162W)により最大増粘が確認され、更に2分後に228.7℃に到達した。表1中には、温度プロファイルとして、最大増粘温度+5℃、+3℃、+2℃、+1℃、±0℃(最大増粘温度)、−1℃、−2℃、−3℃、−5℃の温度、冷却開始からの時間、最大増粘温度±1℃の温度領域での平均冷却速度、それ以外の温度区分区間における平均冷却速度を示してある。
【0039】
冷却開始から150°までの所要時間は、31分であった。その後、反応液を重合缶外に取り出した。
【0040】
(水洗一乾燥) 得られた反応混合物にアセトンを加えて洗浄、ろ過を3回繰り返した。その後、室温の水を加えて4回洗浄を繰り返した。そのスラリーに酢酸水溶液を加えて洗浄ろ過した後、さらに水洗を4回繰り返し、篩にて固形分を回収した。得られたウェット樹脂を棚段乾燥器を使用して105℃にて13時間乾燥した。乾燥後のPPSの収量は1922g(収率88%)であった。また溶融粘度は194Pa・s、かさ密度は0.37g/cmであった。
【0041】
冷却過程の温度プロファイルと製品かさ密度を、以下の実施例、比較例のデータとまとめて、後記表1に記す。
【0042】
(実施例2)
重合終了後、缶内温度260℃において側壁加熱ヒータの電源を切ってから後の、コンデンサへの通水制御および缶外部からの送風制御条件を変更して、冷却温度プロファイルを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、重合、冷却、水洗・乾燥処理を行うことにより、溶融粘度226Pa・s、かさ密度0.37g/cmの粒状PPSが収率87%で得られた。冷却開始から缶内温度150℃までの冷却所要時間は50分であった。
【0043】
(比較例1)
重合終了後、缶内温度260℃において側壁加熱ヒータの電源を切ってから後の、コンデンサへの通水制御および缶外部からの送風制御条件を変更して、冷却温度プロファイルを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、重合、冷却、水洗・乾燥処理を行うことにより、溶融粘度150Pa・s、かさ密度0.36g/cmの粒状PPSが収率90%で得られた。すなわち、ヒータの電源を切ってから後、コンデンサへの冷却水の通水、および缶外部からの送風冷却も行わずに放冷により冷却を行った。放冷開始後から77分後において最大増粘温度234.3℃が確認され、更に3.6分後に233.3℃に到達した。その時点から缶外部からの送風を開始して冷却を促進した。冷却開始から缶内温度150℃までの冷却所要時間は150分であった。
【0044】
製品PAS粒子のかさ密度は実施例1および実施例2と同様であり、ほぼ全過程を徐冷しても更なる粒子性状の改善は見られないことがわかる。
【0045】
(比較例2)
重合終了後、缶内温度260℃において側壁加熱ヒータの電源を切ってから後の、コンデンサへの通水制御および缶外部からの送風制御条件を変更して、冷却温度プロファイルを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、重合、冷却、水洗・乾燥処理を行うことにより、溶融粘度145Pa・s、かさ密度0.28g/cmの粒状PPSが収率90%で得られた。最大増粘温度近傍でのコンデンサへの通水遮断による冷却速度の更なる低減は行われなかった。冷却開始から缶内温度150℃までの冷却所要時間は59分であった。
【0046】
すなわち、約236〜226℃までの最大増粘温度を含む温度領域において、1.7℃/分という一様な冷却速度を採用し、冷却開始から150℃まで実施例1および実施例2よりもむしろ長い冷却時間をかけているにも拘らず、最大増粘温度±1℃の温度領域(ならびに±2℃の温度領域)における平均冷却速度が1.7℃/分と過大であるため、製品PAS粒子のかさ密度は0.28g/cmと相当に低下している。
【0047】
(比較例3)
重合終了後、缶内温度260℃において側壁加熱ヒータの電源を切ってから後の、コンデンサへの通水制御および缶外部からの送風制御条件を変更して、冷却温度プロファイルを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、重合、冷却、水洗・乾燥処理を行うことにより、溶融粘度145Pa・s、かさ密度0.24g/cmの粒状PPSが収率90%で得られた。最大増粘温度近傍でのコンデンサへの通水遮断は行わなかった。冷却開始から缶内温度150℃までの冷却所要時間は29分であった。
【0048】
最大増粘温度近傍での冷却速度が比較例2よりも更に過大のためと考えられるが、製品PAS粒子のかさ密度は0.24g/cmと更に低下し、輸送、保管等に好適な粒子性状を失っていることがわかる。
【0049】
上記実施例および比較例における、冷却条件の概容と、製品PAS粒子のかさ密度をまとめて、下表1に記す。
【0050】
【表1】
Figure 2004051732
【0051】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、輸送・保管等において良好な取扱性を有し、押出機や成型機のホッパーやスクリュー内での輸送性に優れた、高く且つ安定したかさ密度を有するPAS粒子を、比較的短い重合サイクル時間で製造する方法が提供される。

Claims (6)

  1. ジハロゲン芳香族化合物と、アルカリ金属化合物と、を極性有機溶媒中で加熱・反応後、冷却して顆粒状のポリアリーレンスルフィドを得る方法において、冷却過程における系の最大増粘温度±1℃の温度域を選択的に0.2〜1.0℃/分の平均冷却速度で徐冷することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  2. 前記加熱反応に際して、反応開始から反応終了前までの間の所望の時点で反応系内に相分離剤を添加し、それによって、生成ポリマーの濃厚相と希薄相とからなる液−液相分離状態を形成させて反応した後、冷却過程に移る請求項1に記載の製造方法。
  3. 相分離剤が水である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記アルカリ金属化合物がアルカリ金属硫化物、前記相分離剤が水であり、加熱・反応中に、前段工程として、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.5〜2.4モルの水が存在する状態で、180〜235℃の温度範囲内で反応を行って、ジハロ芳香族化合物の転化率50〜98モル%でプレポリマーを生成させ、ついで、後段工程として、反応系内に、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり2.5モル超過、7.0モル以下の水が存在する状態となるように水を添加するとともに、245〜290℃の温度範囲内に昇温して、加熱反応を継続し、反応終了後、冷却過程に移る請求項3に記載の製造方法。
  5. 反応缶内部の冷却のために、反応缶頂部に設けたリフラックスコンデンサを主たる冷却手段として用いる請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 冷却過程において、リフラックスコンデンサ頂部の気相部から、非凝縮ガス成分の少なくとも一部を除去することによりリフラックスコンデンサの冷却能力を増大する請求項5に記載の製造方法。
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