JP2004031786A - 希土類ボンド磁石用樹脂組成物及びそれを用いた磁石 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来から必要とされる成形性、磁気特性、機械的強度等を損なわずに、高い耐熱性および優れた耐食性を満足する希土類系ボンド磁石用組成物を提供する。
【解決手段】ポリアミドイミド樹脂及び希土類系金属粉末を配合してなる希土類ボンド磁石用樹脂組成物に関する。好ましくは該ポリアミドイミド樹脂がガラス転移温度150℃以上、酸成分として無水トリメリット酸を20モル%以上共重合しており、o−トリジン構造を有することを特徴とする希土類ボンド磁石用樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリアミドイミド樹脂及び希土類系金属粉末を配合してなる希土類ボンド磁石用樹脂組成物に関する。好ましくは該ポリアミドイミド樹脂がガラス転移温度150℃以上、酸成分として無水トリメリット酸を20モル%以上共重合しており、o−トリジン構造を有することを特徴とする希土類ボンド磁石用樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来より求められている成形性、磁気特性、機械的強度に優れると共に、高い耐熱性および優れた耐食性を有する希土類系ボンド磁石用組成物及びそれを用いた磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
希土類系磁石は、その優れた磁気特性から一般家電製品や通信、音響機器、医療機器、一般産業機器に至る幅広い分野で応用されている。その中でボンド磁石は、磁石粉末にバインダー樹脂を配合しているため焼結磁石に比べ、成形加工性に優れており、複雑形状にしたり一体成形することが可能で、割れ欠けに強く、寸法精度が良好である等の利点から、近年特に注目され工業的な利用範囲が広がっている。中でも、スピンドルモーター、ステッピングモーター等の小型モーター用としてNd−Fe−B系、そして耐熱性の要求される自動車用ではSm−Co系やSm−Fe−N系の希土類系磁石材料を用いた高磁気特性ボンド磁石の市場が急成長している。
【0003】
希土類系ボンド磁石は、希土類系合金粉末とバインダー樹脂との混合物を所望の磁石形状に加圧成形して製造されるものであるが、その成形方法には圧縮成形法、射出成形法および押出成形法等がある。
【0004】
一方、バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、これらは単独、或いは2種以上で組み合わされて使用されているが、混合時の作業性や充填時の流動性、磁石の機械的強度等を考慮して現状ではエポキシ樹脂が最も使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、希土類系ボンド磁石としての磁気特性の向上と機械的強度の向上という相反する要求を満たす工夫として、樹脂の配合率を低く抑えても機械的強度を高く維持することができるバインダー樹脂を選択する必要があり、これに対するニーズが益々高まっている。また、希土類系ボンド磁石の用途が広がるにつれて使用環境に対する要求も高くなりつつある。例えば、自動車用に用いられる磁石は、200℃付近にまで温度が上昇するため、希土類系ボンド磁石に対する耐熱性の改善が求められている。現在最も広く使用されているエポキシ樹脂の場合、高温使用条件でのバインダー力が大幅に低下することが分かっている。ポリアミドについても同様である。一方、耐熱性の高いバインダー樹脂としてはフェノール樹脂があるが、フェノール樹脂は、硬化時に水や揮発性ガスが発生するため、希土類系合金の錆び発生をもたらす原因となる。又、耐熱性の高いバインダー樹脂としてポリイミドも挙げられるが、ポリイミドは希土類系合金との密着が悪く、脆い成型体となり実使用は困難である。
【0006】
したがって本発明の目的は、従来から必要とされる成形性、磁気特性、機械的強度等を損なわずに、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂で課題であった高い耐熱性および優れた耐食性を満足する希土類系ボンド磁石用組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の希土類ボンド磁石用樹脂組成物及びそれを用いた磁石である。
【0008】
(1)(A)ポリアミドイミド樹脂及び(B)希土類系金属粉末を配合してなる希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
【0009】
(2)(A)ポリアミドイミド樹脂のガラス転移温度が150℃以上であることを特徴とする(1)記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
【0010】
(3)(A)ポリアミドイミド樹脂が、その酸成分、ジアミン成分のそれぞれの合計量を100モル%としたとき、酸成分として無水トリメリット酸を20モル%以上共重合されていることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の希土類系ボンド磁石用樹脂組成物。
【0011】
(4)(A)ポリアミドイミド樹脂がo−トリジン構造を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
【0012】
(5)(A)ポリアミドイミド樹脂の破断伸度が10%以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
【0013】
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物を用いた磁石。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0015】
本発明に用いる(A)ポリアミドイミド樹脂は酸クロリド法やイソシアネート法等通常の溶液重合法によって合成されるがコスト等の点からイソシアネート法が好ましい。通常はトリメリット酸無水物とジアミンまたはジイソシアネートから溶液重合によって合成され、目的に応じてトリメリット酸の一部をテトラカルボン酸又はそれらの無水物やジカルボン酸で置き換えることができる。
【0016】
テトラカルボン酸無水物としてはピロメリット酸無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等が挙げられるが溶解性、耐摩耗性の点からベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物が好ましく、酸成分全体を100モル%としたときに、トリメリット酸無水物の1〜80モル%を置き換えるのが好ましい。前記テトラカルボン酸無水物の量が1モル%以下では耐食性の向上効果が不十分な場合があり、80モル%を越えると溶解性が低下する虞がある。
【0017】
ジカルボン酸としてはシュウ酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられるがこれらの中では価格と耐食性の点からテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
【0018】
ジアミン又はジイソシアネート化合物としてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン又はこれらのジイソシアネート化合物、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルジアミン等の脂環族ジアミン又はこれらのジイソシアネート化合物、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、2,6―トリレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン又はこれらのジイソシアネート化合物が挙げられ、これらの中では引っ張り強度や引っ張り弾性率が高い芳香族ジアミン(ジイソシアネート)、とりわけo−トリジン(ジイソシアネート)が好ましく、またその量は、全ジアミン成分を100モル%としたとき、ジアミン(ジイソシアネート)中10モル%以上、好ましくは30モル%以上、最も好ましくは50モル%以上である。
【0019】
酸成分、ジアミン成分の内、いずれかあるいは両方に20モル%以上の割合で脂環族骨格を有することが好ましい。脂環族構造を導入すると理由は定かでないが、後述する(B)希土類系金属粉末の分散性が高まり、磁気特性が向上する。
【0020】
本発明に用いるポリアミドイミド樹脂の反応を円滑に進めるため又は重合度を調節するために必要に応じて触媒を添加することができる。触媒としてはトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン等のアミン類、フッ化カリウム、ナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサイド等のアルカリ金属化合物等が挙げられる。
【0021】
本発明に用いるガラス転移温度は、耐熱性の観点から150℃以上が好ましい。好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。
【0022】
本発明に用いるポリアミドイミド樹脂の対数粘度は、優れた機械的強度を付与するために0.3dl/g以上、好ましくは0.5dl/g以上のものが良い。対数粘度が0.3dl/g未満では磁石としたときに脆くなる傾向にあり、使用中に破壊されるおそれがある。対数粘度の上限は特にはないが、あまり高すぎると組成物粘度が高くなり成型作業が困難になるため2.0dl/g以下、好ましくは1.5dl/g以下がよい。
対数粘度の調節は原料の反応性、酸成分とジアミン(ジイソシアネート)成分のモル比、重合温度や重合時間、触媒の添加などによって制御されるので原料の選択と重合条件の適正化によって目的を達成することができる。
【0023】
本発明用いるポリアミドイミド樹脂の引っ張り強度と引っ張り弾性率、引っ張り伸度は耐摩耗性、摺動特性の点からできるだけ高いほうが好ましい。引っ張り強度は100MPa以上必要のものが良く、100MPa未満では磁石とした時に脆くなり使用中に破壊されるおそれがある。引っ張り強度の上限は特にはなくできるだけ高い方が良い。
引っ張り強度はポリアミドイミド樹脂の構造と対数粘度に依存するため、引っ張り強度を大きくするには芳香族成分を多くして前記対数粘度を大きくするように重合条件を選択すればよい。
【0024】
引っ張り弾性率は3500MPa以上が好ましい。引っ張り弾性率が3500MPa未満では磁石としたときに荷重によって塑性変形を起こしやすくなり、使用中に破壊されるおそれがあるからである。引っ張り弾性率も上限は特にはなく、できるだけ高い方が良い。引っ張り弾性率は主としてポリアミドイミド樹脂の構造に依存するところが大きいので芳香族成分を多くするような原料の選択、とりわけo−トリジン構造の導入が有効である。
【0025】
引っ張り伸度は大きいほど磁石の強靭性の向上に寄与する。本発明に用いるポリアミドイミド樹脂の破断伸度は10%以上が好ましく、10%未満では使用中に磁石が破壊されるおそれがある。引っ張り伸度も上限は特になくできるだけ高い方が好ましい。
引っ張り伸度はポリアミドイミド樹脂の構造と対数粘度に影響され、引っ張り伸度を大きくするには芳香族成分の一部を脂肪族成分に置き換えることや対数粘度を大きくすることで目的を達成することができる。但し、脂肪族成分を多くすると前記引っ張り弾性率が低下するので、全成分中の脂肪族成分の量は50モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
【0026】
本発明に用いるポリアミドイミド樹脂の引っ張り強度、引っ張り弾性率、引っ張り伸度はポリアミドイミド樹脂のフィルムにより測定する。本発明に用いるポリアミドイミド樹脂は上述の通り溶液重合で作ることが望ましいので、その溶液を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥後の厚みが20μmになるよう流延して、150℃で20時間乾燥する。次にポリエチレンテレフタレートフィルムからポリアミドイミドフィルムを剥がし取り、幅10mm、測定長40mmに調整して引っ張り試験機にて引っ張り試験を行う。このときの引っ張り速度は20mm/min、測定温度は25℃である。
【0027】
また本発明のボンド磁石用組成物の耐熱性を更に改良するためにポリアミドイミド樹脂を架橋、硬化させることができる。この硬化剤としては多官能エポキシ化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物等が挙げられ、これらの中では特に硬化性、得られた磁石の特性から多官能エポキシ化合物が好ましく具体的には油化シェル社のエピコート152、エピコート828等液状エポキシ化合物が好ましい。これらの硬化剤の配合量は硬化剤にもよるが、ポリアミドイミド樹脂固形物100部に対して1〜30部、好ましくは3〜20部である。硬化剤の量が1部以下では効果が発揮されず、30部以上では塗膜が脆くなり強靱性が低下することがあるからである。
【0028】
本発明において(A)ポリアミドイミド成分の配合量は、希土類系ボンド磁石用組成物100重量部に対して1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%がよい。
【0029】
本発明において用いられる(B)希土類系金属粉末は通常樹脂結合型磁石に用いられている磁性粉末を使用でき、例えば希土類−コバルト系(R−Co)、希土類−鐵−ホウ素系(R−Fe−B)、希土類−鉄−窒素系(R−Fe−N)等が挙げられる。上記樹脂結合型磁石において、磁性粉末として、希土類(R)としてネオジム(Nd)を用いたNd−Fe−B系の液体急冷法による合金粉末や、希土類(R)としてサマリウム(Sm)を用いたSm−Fe−N系の合金粉末を用いると、例えば95重量%以上の高充填化が可能であり、特に優れた磁気特性を有する樹脂結合型磁石が得られる。また、鉄元素を含む磁性粉末を用いる場合は、成形性の向上をはじめ、高磁気特性化の割合が著しい。
【0030】
(B)希土類系金属粉末成分は、希土類系ボンド磁石用組成物全体に対して99〜90重量%、好ましくは99〜95重量%使用することができる。
【0031】
本発明の磁石用樹脂組成物においては滑剤を添加することが好ましい場合がある。
【0032】
滑剤としては、例えば、パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイクロワックス等のワックス類;ステアリン酸、12−オキシステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアエン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛等の脂肪酸塩;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等の脂肪酸アミド;ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル;エチレングリコール、ステアリルアルコール等のアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びこれらの変性物からなるポリエーテル類;シリコーンオイル、シリコングリース等のポリシロキサン類;フッ素系オイル、フッ素系グリース、含フッ素樹脂粉末のようなフッ素化合物;窒化珪素、炭化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカゲル等の無機化合物粉体などが挙げられる。これらの滑剤は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いられるが、ワックス類、ポリエーテル類、脂肪酸アミド類のうちの少なくとも1種を滑剤としてボンド磁石形成材料に使用すると、該組成物の成形加工性が大きく向上するので特に好ましい。
【0033】
(B)金属粉末は、そのままの状態でも使用することができるが、混練中や成形中の酸化劣化を極力防ぐためにも、種々の表面処理剤で表面被覆を行うことが望ましい。
【0034】
表面処理剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、その他が挙げられる。
【0035】
シラン系カップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0036】
また、チタン系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート等が挙げられる。
【0037】
また、その他の表面処理剤としては、アルミニウム系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
【0038】
また、燐酸系表面処理剤、クロム酸系表面処理剤、燐酸亜鉛系表面処理剤、燐酸マンガン系表面処理剤、燐酸鉄系表面処理剤、燐酸カルシウム表面処理剤等が挙げられる。
【0039】
これらの燐酸系表面処理剤、燐酸塩系表面処理剤で、事前に磁性粉末の表面に処理を施すことで、後工程における磁気特性の低下を最小限にくい止められることができる。
【0040】
更に、(B)希土類系合金粉末の酸化(劣化、変質)および(A)ポリアミドイミド樹脂の酸化(希土類系合金粉末の金属成分が触媒として働くことにより生じる)を防止するために該組成物中に酸化防止剤を添加しても良い。これは(B)希土類系合金粉末の酸化を防止し、磁石の磁気特性の向上を図るのに寄与すると共に、組成物の混練時、成形時における熱安定性の向上に寄与し、少ない(A)ポリアミドイミド樹脂量で良好な成形性を確保する上で好ましい添加剤である。酸化防止剤としては、(B)希土類系金属粉末等の酸化を防止または抑制し得るものであればいかなるものでも良く、例えばアミン系化合物、アミノ酸系化合物、ニトロカルボン酸類、ヒドラジン化合物、シアン化合物、硫化物等の金属イオン、特にFe成分に対しキレート化合物を生成するキレート化剤が好適に使用される。なお、酸化防止剤の種類、組成等についてはこれらのものに限定されないことは言うまでもない。上記添加剤は、例えば希土類系ボンド磁石用組成物全体に対し、0.05〜3重量%用いられる。
【0041】
希土類系ボンド磁石用組成物以下、本発明の希土類系ボンド磁石用組成物の製造方法の一例について説明する。前記(A)熱硬化性樹脂を予め溶剤に均一に溶解させた後、そこに硬化剤、硬化促進剤およびその他必要な添加剤を添加する。この樹脂液と前記(B)希土類系合金粉末とを混合し、均一に混ぜながら溶剤を蒸発させ、希土類系ボンド磁石用組成物を得ることができる。
【0042】
本発明の希土類系ボンド磁石用組成物の(A)成分として使用されるポリアミドイミドは、現在使用されているエポキシ樹脂等に比べ優れた成形性や機械的強度を維持しながら、硬化時の脱水により生じる水によって希土類系合金を錆びさせることなく、フェノール樹脂並みの耐熱性が得ることのできる、優れた希土類系ボンド磁石用の熱硬化性樹脂として有用である。今後、家電製品、通信機器、音響機器、医療機器、自動車、一般産業機器に至る広範囲の分野への展開において大いに期待できる。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
【0044】
1.引っ張り伸度
ポリアミドイミド樹脂溶液をポリエステルフィルムに流延して乾燥して得た20μmのフィルムを幅10mm、測定長40mmに調整して東洋ボールドウイン社製テンシロンを用いて引っ張り速度20mm/分、25℃において測定した。
【0045】
2.対数粘度
ポリアミドイミド重合溶液からメタノールを用いて再沈殿、濾別、乾燥したポリアミドイミド樹脂0.5gを100mlのN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)に溶解した溶液を用いて、ウベローデ粘度管で25℃において測定した。
【0046】
3.ガラス転移温度(Tg)
動的粘弾性の温度依存性を20℃/minの昇温速度で測定した結果より、保存弾性率(E’)の屈折点における温度をTgとした。
【0047】
合成例1
窒素導入管と冷却装置の付いた4ツ口フラスコに無水トリメリット酸76.8g、ジフェニルメタンジイソシアネート30g、o−トリジンジイソシアネート72.8gと溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンを固形分濃度が30%となるようにを仕込み、150℃で5時間反応させた後冷却した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.20、Tgは276℃、伸度は37%であった。
【0048】
(実施例1)
合成例1のポリアミドイミド3重量部(固形分換算)に溶解させた後、等方性のNd−Fe−B系の合金粉末であるMQP−B(商品名、マグネクエンチ社製)97重量部を上記溶液に入れ、攪拌混合した。その後、室温にて減圧(10−2kPa)し、溶剤NMPを完全に揮散させて希土類系ボンド磁石用組成物を得た。
【0049】
上記得られた希土類系ボンド磁石用組成物を日本製鋼所性磁場中射出成型機(J−20MII)にて、縦6mm×横15mm×厚さ2mmの板状成形体を得た。次いで該試料を大気中180℃で1時間熱処理し、熱硬化性樹脂を硬化させ、測定用試料とした。
【0050】
(比較例1)
熱硬化性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピクロン860(商品名、大日本インキ化学工業製)を3重量部単独使用し、硬化剤としてジシアンジアミド(東京化成工業製)0.3重量部、硬化促進剤として3−ヒドロキシピリジン(関東化学製)0.09重量部を添加した以外はすべて実施例1と同じである。
【0051】
上記の得られた測定用試料について、下記方法による評価を行った。その結果を表1に示す。圧縮強度測定測定は、25℃並びに180℃にて2mm/minの速度で破壊時の圧縮強度を測定した。
【0052】
耐食性評価測定用試料を、温度80℃、相対湿度90%の高温高湿空気雰囲気中に3日間放置し、外観並びに重量変化を測定し耐食性の評価を行った。
【0053】
磁気特性測定測定用試料を室温中1.2MA/mでパルス着磁した後、測定を行った。測定した磁気特性は、代表値として最大エネルギー積(BH)max(kJ/m3)として示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の成形性、磁気特性、機械的強度等を損なわずに、高い耐熱性および優れた耐食性を有する希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来より求められている成形性、磁気特性、機械的強度に優れると共に、高い耐熱性および優れた耐食性を有する希土類系ボンド磁石用組成物及びそれを用いた磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
希土類系磁石は、その優れた磁気特性から一般家電製品や通信、音響機器、医療機器、一般産業機器に至る幅広い分野で応用されている。その中でボンド磁石は、磁石粉末にバインダー樹脂を配合しているため焼結磁石に比べ、成形加工性に優れており、複雑形状にしたり一体成形することが可能で、割れ欠けに強く、寸法精度が良好である等の利点から、近年特に注目され工業的な利用範囲が広がっている。中でも、スピンドルモーター、ステッピングモーター等の小型モーター用としてNd−Fe−B系、そして耐熱性の要求される自動車用ではSm−Co系やSm−Fe−N系の希土類系磁石材料を用いた高磁気特性ボンド磁石の市場が急成長している。
【0003】
希土類系ボンド磁石は、希土類系合金粉末とバインダー樹脂との混合物を所望の磁石形状に加圧成形して製造されるものであるが、その成形方法には圧縮成形法、射出成形法および押出成形法等がある。
【0004】
一方、バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、これらは単独、或いは2種以上で組み合わされて使用されているが、混合時の作業性や充填時の流動性、磁石の機械的強度等を考慮して現状ではエポキシ樹脂が最も使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、希土類系ボンド磁石としての磁気特性の向上と機械的強度の向上という相反する要求を満たす工夫として、樹脂の配合率を低く抑えても機械的強度を高く維持することができるバインダー樹脂を選択する必要があり、これに対するニーズが益々高まっている。また、希土類系ボンド磁石の用途が広がるにつれて使用環境に対する要求も高くなりつつある。例えば、自動車用に用いられる磁石は、200℃付近にまで温度が上昇するため、希土類系ボンド磁石に対する耐熱性の改善が求められている。現在最も広く使用されているエポキシ樹脂の場合、高温使用条件でのバインダー力が大幅に低下することが分かっている。ポリアミドについても同様である。一方、耐熱性の高いバインダー樹脂としてはフェノール樹脂があるが、フェノール樹脂は、硬化時に水や揮発性ガスが発生するため、希土類系合金の錆び発生をもたらす原因となる。又、耐熱性の高いバインダー樹脂としてポリイミドも挙げられるが、ポリイミドは希土類系合金との密着が悪く、脆い成型体となり実使用は困難である。
【0006】
したがって本発明の目的は、従来から必要とされる成形性、磁気特性、機械的強度等を損なわずに、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂で課題であった高い耐熱性および優れた耐食性を満足する希土類系ボンド磁石用組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の希土類ボンド磁石用樹脂組成物及びそれを用いた磁石である。
【0008】
(1)(A)ポリアミドイミド樹脂及び(B)希土類系金属粉末を配合してなる希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
【0009】
(2)(A)ポリアミドイミド樹脂のガラス転移温度が150℃以上であることを特徴とする(1)記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
【0010】
(3)(A)ポリアミドイミド樹脂が、その酸成分、ジアミン成分のそれぞれの合計量を100モル%としたとき、酸成分として無水トリメリット酸を20モル%以上共重合されていることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の希土類系ボンド磁石用樹脂組成物。
【0011】
(4)(A)ポリアミドイミド樹脂がo−トリジン構造を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
【0012】
(5)(A)ポリアミドイミド樹脂の破断伸度が10%以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
【0013】
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物を用いた磁石。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0015】
本発明に用いる(A)ポリアミドイミド樹脂は酸クロリド法やイソシアネート法等通常の溶液重合法によって合成されるがコスト等の点からイソシアネート法が好ましい。通常はトリメリット酸無水物とジアミンまたはジイソシアネートから溶液重合によって合成され、目的に応じてトリメリット酸の一部をテトラカルボン酸又はそれらの無水物やジカルボン酸で置き換えることができる。
【0016】
テトラカルボン酸無水物としてはピロメリット酸無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等が挙げられるが溶解性、耐摩耗性の点からベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物が好ましく、酸成分全体を100モル%としたときに、トリメリット酸無水物の1〜80モル%を置き換えるのが好ましい。前記テトラカルボン酸無水物の量が1モル%以下では耐食性の向上効果が不十分な場合があり、80モル%を越えると溶解性が低下する虞がある。
【0017】
ジカルボン酸としてはシュウ酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられるがこれらの中では価格と耐食性の点からテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
【0018】
ジアミン又はジイソシアネート化合物としてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン又はこれらのジイソシアネート化合物、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルジアミン等の脂環族ジアミン又はこれらのジイソシアネート化合物、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、2,6―トリレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン又はこれらのジイソシアネート化合物が挙げられ、これらの中では引っ張り強度や引っ張り弾性率が高い芳香族ジアミン(ジイソシアネート)、とりわけo−トリジン(ジイソシアネート)が好ましく、またその量は、全ジアミン成分を100モル%としたとき、ジアミン(ジイソシアネート)中10モル%以上、好ましくは30モル%以上、最も好ましくは50モル%以上である。
【0019】
酸成分、ジアミン成分の内、いずれかあるいは両方に20モル%以上の割合で脂環族骨格を有することが好ましい。脂環族構造を導入すると理由は定かでないが、後述する(B)希土類系金属粉末の分散性が高まり、磁気特性が向上する。
【0020】
本発明に用いるポリアミドイミド樹脂の反応を円滑に進めるため又は重合度を調節するために必要に応じて触媒を添加することができる。触媒としてはトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン等のアミン類、フッ化カリウム、ナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサイド等のアルカリ金属化合物等が挙げられる。
【0021】
本発明に用いるガラス転移温度は、耐熱性の観点から150℃以上が好ましい。好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。
【0022】
本発明に用いるポリアミドイミド樹脂の対数粘度は、優れた機械的強度を付与するために0.3dl/g以上、好ましくは0.5dl/g以上のものが良い。対数粘度が0.3dl/g未満では磁石としたときに脆くなる傾向にあり、使用中に破壊されるおそれがある。対数粘度の上限は特にはないが、あまり高すぎると組成物粘度が高くなり成型作業が困難になるため2.0dl/g以下、好ましくは1.5dl/g以下がよい。
対数粘度の調節は原料の反応性、酸成分とジアミン(ジイソシアネート)成分のモル比、重合温度や重合時間、触媒の添加などによって制御されるので原料の選択と重合条件の適正化によって目的を達成することができる。
【0023】
本発明用いるポリアミドイミド樹脂の引っ張り強度と引っ張り弾性率、引っ張り伸度は耐摩耗性、摺動特性の点からできるだけ高いほうが好ましい。引っ張り強度は100MPa以上必要のものが良く、100MPa未満では磁石とした時に脆くなり使用中に破壊されるおそれがある。引っ張り強度の上限は特にはなくできるだけ高い方が良い。
引っ張り強度はポリアミドイミド樹脂の構造と対数粘度に依存するため、引っ張り強度を大きくするには芳香族成分を多くして前記対数粘度を大きくするように重合条件を選択すればよい。
【0024】
引っ張り弾性率は3500MPa以上が好ましい。引っ張り弾性率が3500MPa未満では磁石としたときに荷重によって塑性変形を起こしやすくなり、使用中に破壊されるおそれがあるからである。引っ張り弾性率も上限は特にはなく、できるだけ高い方が良い。引っ張り弾性率は主としてポリアミドイミド樹脂の構造に依存するところが大きいので芳香族成分を多くするような原料の選択、とりわけo−トリジン構造の導入が有効である。
【0025】
引っ張り伸度は大きいほど磁石の強靭性の向上に寄与する。本発明に用いるポリアミドイミド樹脂の破断伸度は10%以上が好ましく、10%未満では使用中に磁石が破壊されるおそれがある。引っ張り伸度も上限は特になくできるだけ高い方が好ましい。
引っ張り伸度はポリアミドイミド樹脂の構造と対数粘度に影響され、引っ張り伸度を大きくするには芳香族成分の一部を脂肪族成分に置き換えることや対数粘度を大きくすることで目的を達成することができる。但し、脂肪族成分を多くすると前記引っ張り弾性率が低下するので、全成分中の脂肪族成分の量は50モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
【0026】
本発明に用いるポリアミドイミド樹脂の引っ張り強度、引っ張り弾性率、引っ張り伸度はポリアミドイミド樹脂のフィルムにより測定する。本発明に用いるポリアミドイミド樹脂は上述の通り溶液重合で作ることが望ましいので、その溶液を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥後の厚みが20μmになるよう流延して、150℃で20時間乾燥する。次にポリエチレンテレフタレートフィルムからポリアミドイミドフィルムを剥がし取り、幅10mm、測定長40mmに調整して引っ張り試験機にて引っ張り試験を行う。このときの引っ張り速度は20mm/min、測定温度は25℃である。
【0027】
また本発明のボンド磁石用組成物の耐熱性を更に改良するためにポリアミドイミド樹脂を架橋、硬化させることができる。この硬化剤としては多官能エポキシ化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物等が挙げられ、これらの中では特に硬化性、得られた磁石の特性から多官能エポキシ化合物が好ましく具体的には油化シェル社のエピコート152、エピコート828等液状エポキシ化合物が好ましい。これらの硬化剤の配合量は硬化剤にもよるが、ポリアミドイミド樹脂固形物100部に対して1〜30部、好ましくは3〜20部である。硬化剤の量が1部以下では効果が発揮されず、30部以上では塗膜が脆くなり強靱性が低下することがあるからである。
【0028】
本発明において(A)ポリアミドイミド成分の配合量は、希土類系ボンド磁石用組成物100重量部に対して1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%がよい。
【0029】
本発明において用いられる(B)希土類系金属粉末は通常樹脂結合型磁石に用いられている磁性粉末を使用でき、例えば希土類−コバルト系(R−Co)、希土類−鐵−ホウ素系(R−Fe−B)、希土類−鉄−窒素系(R−Fe−N)等が挙げられる。上記樹脂結合型磁石において、磁性粉末として、希土類(R)としてネオジム(Nd)を用いたNd−Fe−B系の液体急冷法による合金粉末や、希土類(R)としてサマリウム(Sm)を用いたSm−Fe−N系の合金粉末を用いると、例えば95重量%以上の高充填化が可能であり、特に優れた磁気特性を有する樹脂結合型磁石が得られる。また、鉄元素を含む磁性粉末を用いる場合は、成形性の向上をはじめ、高磁気特性化の割合が著しい。
【0030】
(B)希土類系金属粉末成分は、希土類系ボンド磁石用組成物全体に対して99〜90重量%、好ましくは99〜95重量%使用することができる。
【0031】
本発明の磁石用樹脂組成物においては滑剤を添加することが好ましい場合がある。
【0032】
滑剤としては、例えば、パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイクロワックス等のワックス類;ステアリン酸、12−オキシステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアエン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛等の脂肪酸塩;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等の脂肪酸アミド;ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル;エチレングリコール、ステアリルアルコール等のアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びこれらの変性物からなるポリエーテル類;シリコーンオイル、シリコングリース等のポリシロキサン類;フッ素系オイル、フッ素系グリース、含フッ素樹脂粉末のようなフッ素化合物;窒化珪素、炭化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカゲル等の無機化合物粉体などが挙げられる。これらの滑剤は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いられるが、ワックス類、ポリエーテル類、脂肪酸アミド類のうちの少なくとも1種を滑剤としてボンド磁石形成材料に使用すると、該組成物の成形加工性が大きく向上するので特に好ましい。
【0033】
(B)金属粉末は、そのままの状態でも使用することができるが、混練中や成形中の酸化劣化を極力防ぐためにも、種々の表面処理剤で表面被覆を行うことが望ましい。
【0034】
表面処理剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、その他が挙げられる。
【0035】
シラン系カップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0036】
また、チタン系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート等が挙げられる。
【0037】
また、その他の表面処理剤としては、アルミニウム系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
【0038】
また、燐酸系表面処理剤、クロム酸系表面処理剤、燐酸亜鉛系表面処理剤、燐酸マンガン系表面処理剤、燐酸鉄系表面処理剤、燐酸カルシウム表面処理剤等が挙げられる。
【0039】
これらの燐酸系表面処理剤、燐酸塩系表面処理剤で、事前に磁性粉末の表面に処理を施すことで、後工程における磁気特性の低下を最小限にくい止められることができる。
【0040】
更に、(B)希土類系合金粉末の酸化(劣化、変質)および(A)ポリアミドイミド樹脂の酸化(希土類系合金粉末の金属成分が触媒として働くことにより生じる)を防止するために該組成物中に酸化防止剤を添加しても良い。これは(B)希土類系合金粉末の酸化を防止し、磁石の磁気特性の向上を図るのに寄与すると共に、組成物の混練時、成形時における熱安定性の向上に寄与し、少ない(A)ポリアミドイミド樹脂量で良好な成形性を確保する上で好ましい添加剤である。酸化防止剤としては、(B)希土類系金属粉末等の酸化を防止または抑制し得るものであればいかなるものでも良く、例えばアミン系化合物、アミノ酸系化合物、ニトロカルボン酸類、ヒドラジン化合物、シアン化合物、硫化物等の金属イオン、特にFe成分に対しキレート化合物を生成するキレート化剤が好適に使用される。なお、酸化防止剤の種類、組成等についてはこれらのものに限定されないことは言うまでもない。上記添加剤は、例えば希土類系ボンド磁石用組成物全体に対し、0.05〜3重量%用いられる。
【0041】
希土類系ボンド磁石用組成物以下、本発明の希土類系ボンド磁石用組成物の製造方法の一例について説明する。前記(A)熱硬化性樹脂を予め溶剤に均一に溶解させた後、そこに硬化剤、硬化促進剤およびその他必要な添加剤を添加する。この樹脂液と前記(B)希土類系合金粉末とを混合し、均一に混ぜながら溶剤を蒸発させ、希土類系ボンド磁石用組成物を得ることができる。
【0042】
本発明の希土類系ボンド磁石用組成物の(A)成分として使用されるポリアミドイミドは、現在使用されているエポキシ樹脂等に比べ優れた成形性や機械的強度を維持しながら、硬化時の脱水により生じる水によって希土類系合金を錆びさせることなく、フェノール樹脂並みの耐熱性が得ることのできる、優れた希土類系ボンド磁石用の熱硬化性樹脂として有用である。今後、家電製品、通信機器、音響機器、医療機器、自動車、一般産業機器に至る広範囲の分野への展開において大いに期待できる。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
【0044】
1.引っ張り伸度
ポリアミドイミド樹脂溶液をポリエステルフィルムに流延して乾燥して得た20μmのフィルムを幅10mm、測定長40mmに調整して東洋ボールドウイン社製テンシロンを用いて引っ張り速度20mm/分、25℃において測定した。
【0045】
2.対数粘度
ポリアミドイミド重合溶液からメタノールを用いて再沈殿、濾別、乾燥したポリアミドイミド樹脂0.5gを100mlのN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)に溶解した溶液を用いて、ウベローデ粘度管で25℃において測定した。
【0046】
3.ガラス転移温度(Tg)
動的粘弾性の温度依存性を20℃/minの昇温速度で測定した結果より、保存弾性率(E’)の屈折点における温度をTgとした。
【0047】
合成例1
窒素導入管と冷却装置の付いた4ツ口フラスコに無水トリメリット酸76.8g、ジフェニルメタンジイソシアネート30g、o−トリジンジイソシアネート72.8gと溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンを固形分濃度が30%となるようにを仕込み、150℃で5時間反応させた後冷却した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.20、Tgは276℃、伸度は37%であった。
【0048】
(実施例1)
合成例1のポリアミドイミド3重量部(固形分換算)に溶解させた後、等方性のNd−Fe−B系の合金粉末であるMQP−B(商品名、マグネクエンチ社製)97重量部を上記溶液に入れ、攪拌混合した。その後、室温にて減圧(10−2kPa)し、溶剤NMPを完全に揮散させて希土類系ボンド磁石用組成物を得た。
【0049】
上記得られた希土類系ボンド磁石用組成物を日本製鋼所性磁場中射出成型機(J−20MII)にて、縦6mm×横15mm×厚さ2mmの板状成形体を得た。次いで該試料を大気中180℃で1時間熱処理し、熱硬化性樹脂を硬化させ、測定用試料とした。
【0050】
(比較例1)
熱硬化性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピクロン860(商品名、大日本インキ化学工業製)を3重量部単独使用し、硬化剤としてジシアンジアミド(東京化成工業製)0.3重量部、硬化促進剤として3−ヒドロキシピリジン(関東化学製)0.09重量部を添加した以外はすべて実施例1と同じである。
【0051】
上記の得られた測定用試料について、下記方法による評価を行った。その結果を表1に示す。圧縮強度測定測定は、25℃並びに180℃にて2mm/minの速度で破壊時の圧縮強度を測定した。
【0052】
耐食性評価測定用試料を、温度80℃、相対湿度90%の高温高湿空気雰囲気中に3日間放置し、外観並びに重量変化を測定し耐食性の評価を行った。
【0053】
磁気特性測定測定用試料を室温中1.2MA/mでパルス着磁した後、測定を行った。測定した磁気特性は、代表値として最大エネルギー積(BH)max(kJ/m3)として示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の成形性、磁気特性、機械的強度等を損なわずに、高い耐熱性および優れた耐食性を有する希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
Claims (6)
- (A)ポリアミドイミド樹脂及び(B)希土類系金属粉末を配合してなる希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
- (A)ポリアミドイミド樹脂のガラス転移温度が150℃以上であることを特徴とする請求項1記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
- (A)ポリアミドイミド樹脂が、その酸成分、ジアミン成分のそれぞれの合計量を100モル%としたとき、酸成分として無水トリメリット酸を20モル%以上共重合されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の希土類系ボンド磁石用樹脂組成物。
- (A)ポリアミドイミド樹脂がo−トリジン構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
- (A)ポリアミドイミド樹脂の破断伸度が10%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用樹脂組成物を用いた磁石。
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