JP3185457B2 - 樹脂結合型磁石用組成物及び樹脂結合型磁石とそれらの製造方法 - Google Patents

樹脂結合型磁石用組成物及び樹脂結合型磁石とそれらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形加工性に優れた樹
脂結合型磁石用組成物、及び、該組成物から得られる磁
気特性に優れた樹脂結合型磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類永久磁石はその優れた磁気特性か
ら、一般家庭電気製品、通信・音響機器、医療機器、一
般産業用機器に至る幅広い分野で利用されつつある。こ
の中でも樹脂結合型の磁石は、磁性粉末に樹脂バインダ
ーを配合してプレス成形するものであるため、焼結型の
磁石に比べて、(1)寸法精度が高く複雑な形状に成形す
ることができる、(2)品質、性能の均一性が高い、(3)歩
留まりが良く、機械加工性が良好である、等の利点を有
している。しかし、反面、樹脂バインダーを使用するた
め、磁石の磁気特性が損なわれるという欠点がある。
【0003】最近になって、磁石としての磁気特性の向
上と機械特性の向上という相反するような要求を満足す
るものとして、樹脂バインダーとして常温で単独の液状
のエポキシ樹脂を使用することにより得られる樹脂結合
型磁石が提案されている。即ち、かかるエポキシ樹脂の
使用により、該樹脂の比率を低く抑えなくとも磁石の磁
気特性の向上を図ることが可能となり、強度等の機械的
特性も良好な樹脂結合型磁石が得られるというものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、常温で
液状のエポキシ樹脂のみをバインダーに使用すると、プ
レス成形に供される組成物の粉体流動性が低下してプレ
ス成形が困難になり、量産性が大きく損なわれるという
問題がある。
【0005】従って本発明の目的は、磁気特性を損なわ
ずに粉体流動性が改善された樹脂結合型磁石用組成物及
びその製造方法を提供することにある。本発明の他の目
的は、上記組成物から得られる樹脂結合型磁石を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、磁性合
金粉末と、少なくともビスフェノールA型エポキシ樹脂
とノボラック型エポキシ樹脂の2種のエポキシ樹脂主剤
からなるバインダーと、二酸化珪素、尿素基(−NHC
ONH−、または、−NHCONH )を含む飽和脂肪
族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族系炭化水素のいず
れか1種または2種以上より構成されている尿素基化合
物、及びアミド基(−CONH−、または、−CONH
)を含む飽和脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香
族系炭化水素のいずれか1種または2種以上より構成さ
れているアミド基化合物からなる群から選ばれる1種の
滑剤の粉末とを含有する樹脂結合型磁石用組成物におい
て、バインダーは、70重量%ブチルカルビトール溶液
におけるガードナー法による動粘度(25℃)が1×1
−3 /s以下であり、滑剤の粉末は、磁性合金粉
末面に形成されたバインダー皮膜の表面にまぶされた状
態で存在している、ことを特徴とする樹脂結合型磁石用
組成物が提供される。また、本発明によれば、上記発明
において、バインダーの添加量は、磁性合金粉末100
重量部当り0.5〜5重量部であり、更に、滑剤の添加
量は、磁性合金粉末100重量部当り0.01〜5重量
部である、ことを特徴とする樹脂結合型磁石用組成物が
提供される。
【0007】また本発明によれば、上記発明において、
磁性合金粉末と、バインダーとを混合した後に、滑剤の
粉末を混合することを特徴とする樹脂結合型磁石用組成
物の製造方法が提供される。
【0008】但し、尿素基化合物とは、尿素基(−NH
CONH−、または、−NHCONH2)を含む、飽和
脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族系炭化水素の
いずれか1種または2種以上より構成されている化合物
であり、アミド基化合物とは、アミド基(−CONH
−、または、−CONH2)を含む、飽和脂肪族炭化水
素、脂環式炭化水素、芳香族系炭化水素のいずれか1種
または2種以上より構成されている化合物である。
【0009】また本発明によれば更に、前記発明の樹脂
結合型磁石用組成物を、加圧成形、加熱硬化してなる
脂結合型磁石が提供される。
【0010】
【作用】
A.磁性粉末 本発明において磁性粉末としては、樹脂結合型磁石に通
常使用されている磁性合金粉末を使用することができ
る。しかし、より磁気特性の優れた樹脂結合型磁石を得
るためには、その中でも特に異方性磁場(HA)が50
kOe以上の磁性粉末、例えば、Sm-Co5系、Sm2
(Co,Fe,Zr,V)17系などの希土類コバルト系
磁性粉末、Nd-Fe-Co-B系、Nd-Dy-Fe-B
系、Nd-Fe-B系等の希土類-鉄-硼素系磁性粉末、S
m-Fe-N系、Nd-Fe-Ti-N系、Nd-Fe-V-N
系の窒化物系磁性粉末等を使用することが望ましい。ま
た本発明において上記磁性粉末の粒径は、通常JIS篩
#35全通以下であることが望ましい。
【0011】また上記で例示した磁性粉末のうち希土類
−鉄−硼素系磁性粉末においては、液体急冷法により得
られたものを使用することが特に好適である。この液体
急冷法は、所要組成の合金を高周波誘導加熱等の方法に
よって溶解し、得られた溶湯を、高速回転する銅または
アルミニウム製のロールに吹き付けて急冷し、厚さ数十
μmのリボンとする。このリボンに適当な熱処理を施し
て、例えば平均結晶粒径を3000A以下とした後に、
スタンプミル、ボールミル等を用いて乾式或いは湿式粉
砕を行うことにより目的とする磁性粉末を得るものであ
る。
【0012】B.二酸化珪素、尿素基化合物、アミド基
化合物の粉末 本発明においては、上記磁性粉末と組み合わせて二酸化
珪素、尿素基化合物、及びアミド基化合物からなる群か
ら選ばれる1種の滑剤の粉末を使用することが極めて重
要である。即ち、上記磁性粉末を後述するバインダーと
混合した後これにこれらの粉末を混合すると、これらの
粉末が磁性粉末面に形成されたバインダー皮膜の表面に
まぶされた状態で存在し(これは電子顕微鏡により確認
できる)、その結果として、磁石用組成物の粉体流動性
が向上するものと思われる。
【0013】上記二酸化珪素粉末としては、例えばヒュ
ームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、
溶融シリカ、及びこれらの表面を適当な剤で処理した表
面処理シリカ等の任意のものを使用することが出来る
が、一般に粒径が20μm以下の粒子を50%以上含有
しているものを使用することが好適であり、中でも最大
粒径が200μm以下もしくは平均粒径が10μm以下
のものが好ましく、さらには平均粒径が5μm以下のも
のが最も好適である。例えば20μm以下の粒子の含有
量が50%に満たないものを使用すると、組成物の粉体
流動性を向上させるために極めて多量使用することが必
要となり、この結果、磁気特性や機械的強度が低下する
傾向がある。
【0014】上記尿素基化合物粉末としては、例えば、
N−ブチル−N´−ステアリル尿素、N−ヘキシル−N
´−ステアリル尿素、N−オクチル−N´−ステアリル
尿素、N−ヘキサデカン−N´−ステアリル尿素、シス
−9−シス−12−オクタデカジエン−N´−ステアリ
ル尿素、9,12,15−オクタデカトリエン−N´−
ステアリル尿素、N−フェニル−N´−ステアリル尿
素、N−ステアリル−N´−ステアリル尿素、N−ブチ
ル−N´−ラウリル尿素、N−ヘキシル−N´−ラウリ
ル尿素、N−オクチル−N´−ラウリル尿素、N−ヘキ
サデカン−N´−ラウリル尿素、シス−9−シス−12
−オクタデカジエン−N´−ラウリル尿素、9,12,
15−オクタデカトリエン−N´−ラウリル尿素、N−
フェニル−N´−ラウリル尿素、N−ステアリル−N´
−ラウリル尿素、キシレンビスステアリル尿素、トルイ
レンビスステアリル尿素、ヘキサメチレンビスステアリ
ル尿素、ジフェニルメタンビスステアリル尿素、キシレ
ンビスラウリル尿素、トルイレンビスラウリル尿素、ヘ
キサメチレンビスラウリル尿素、ジフェニルメタンビス
ラウリル尿素等の粉末が挙げられ、これらを一種または
二種以上の組み合わせで使用することができる。
【0015】上記アミド基化合物粉末としては、例え
ば、飽和脂肪酸モノアマイド、不飽和脂肪酸モノアマイ
ド、置換アマイド類、メチロ−ルアマイド類、飽和脂肪
酸ビスアマイド、不飽和脂肪酸ビスアマイド、芳香族系
ビスアマイドなどが挙げられ、さらに詳しく例示する
と、飽和脂肪酸モノアマイドとしては、ラウリン酸アマ
イド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、
ベヘン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド
等、不飽和脂肪酸モノアマイドとしては、オレイン酸ア
マイド、エルカ酸アマイド、リシノ−ル酸アマイド等、
置換アマイド類としては、N−ステアリルステアリン酸
アマイド、N−オレイルオレイン酸アマイド、N−ステ
アリルオレイン酸アマイド、N−オレイルステアリン酸
アマイド、N−ステアリルエルカ酸アマイド、N−オレ
イルパルミチン酸アマイド等、メチロ−ルアマイド類と
しては、メチロ−ルステアリン酸アマイド、メチロ−ル
ベヘン酸アマイド等、飽和脂肪酸ビスアマイドとして
は、メチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビス
ステアリン酸アマイド、エチレンビスカプリン酸アマイ
ド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスス
テアリン酸アマイド、エチレンビスイソステアリン酸ア
マイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイ
ド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビ
スステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘン酸
アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸
アマイド、N、N´−ジステアリルアジピン酸アマイ
ド、N、N´−ジステアリルセバシン酸アマイド等、不
飽和脂肪酸ビスアマイドとしては、エチレンビスオレイ
ン酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイ
ド、N、N´−ジオレイルアジピンアマイド、N、N´
−ジオレイルセバシンアマイド等、芳香族系ビスアマイ
ドとしては、m−キシレンビスステアリン酸アマイド、
N、N´−ジステアリルイソフタル酸アマイド等のそれ
ぞれの粉末が挙げられ、これらを一種または二種以上の
組み合わせで使用することができる。
【0016】また、二酸化珪素、尿素基化合物、アミド
基化合物の粉末の使用量は、前記磁性粉末100重量部
当たり0.01〜5重量部、特に0.1〜2重量部の範
囲に設定される。0.01重量部より少ない場合には、
良好な粉体流動性を得ることができず、また5重量部よ
りも多量に使用すると、磁気特性の低下を招く。
【0017】C.バインダー バインダーとしては少なくともビスフェノールA型エポ
キシ樹脂とノボラック型エポキシ樹脂の2種のエポキシ
樹脂主剤が使用されるが、本発明においてこのバインダ
ーは、70重量%ブチルカルビトール溶液におけるガー
ドナー法による動粘度(25℃)が1×10-32/s
以下であることが必要である。最終的にこの動粘度を満
たすものであれば、単独樹脂、液状物同士の混合樹脂、
液状物と固形物との混合樹脂等が使用できる。バインダ
ーの上記動粘度が1×10-32/sよりも高くなる
と、樹脂結合型磁石用組成物の粉体流動性は向上するも
のの、磁性粉の摩擦抵抗が著しく増し、後述するプレス
成形により得られる成形体中に空隙が生じやすくなる。
従って樹脂結合型磁石の密度を向上させることができ
ず、この結果として得られる樹脂結合型磁石の磁気特性
は不満足なものとなってしまう。
【0018】本発明において、バインダーを構成する少
なくともビスフェノールA型エポキシ樹脂とノボラック
型エポキシ樹脂の2種のエポキシ樹脂主剤以外にも適宜
他の熱硬化性樹脂(他の種類のエポキシ樹脂)を混合使
用することができ、例えばグリシジルエーテル型、グリ
シジルエステル型、グリシジルアミン型、線状脂肪族エ
ポキサイド型、脂肪族エポキサイド型等の各種エポキシ
樹脂、アミノビスマレイミド、ビスマレイミドトリアジ
ン、イミドエーテル、フェニル化イミドチオフェン、シ
リコーン変形イミド、含フッ素イミド等の各種イミド樹
脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を例示することができ
る。これらは、前述した動粘度が満足される限りにおい
て、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0019】上述したバインダーは、前記磁性粉末10
0重量部当たり0.5〜5重量部、特に、1〜3重量部
の量で使用されることが好適である。5重量部よりも多
量に使用すると樹脂結合型磁石の磁気特性が損なわれ、
また0.5重量部よりも少量であると樹脂結合型磁石の
機械的強度が損なわれる。
【0020】D.その他の成分 本発明の樹脂結合型磁石用組成物においては、上記の必
須成分以外にも、必要に応じてそれ自体公知の添加剤、
例えばSi系、Ti系またはAl系の化学結合型表面処
理剤(カップリング剤)、樹脂硬化剤、硬化促進剤(硬
化触媒)等を使用することができる。例えば上記化学結
合型表面処理剤の代表的なものとしては、ビニルトリエ
トキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ- アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-
アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジト
リデシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリ
オクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイ
ソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベ
ンゼンスルフォニルチタネート、アセトアルコキシアル
ミニウムジイソプロピレート等を例示することができ
る。これらを、乾式法、湿式法、インテグラルブレンド
法等によって混合することにより、得られる樹脂結合型
磁石中の磁性粉末相互の密着性を向上させることができ
る。
【0021】樹脂硬化剤、架橋剤、反応開始剤、反応促
進剤としては、例えば単一ポリアミン型硬化剤、変性ポ
リアミン型硬化剤、酸無水型硬化剤、ポリフェノール型
硬化剤、ポリメルカプタン型硬化剤、アニオン重合型硬
化剤、カチオン重合型硬化剤、スチレン及びその誘導
体、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、各種有機過酸化物、第三級アミン酸、イミダゾール
類、有機金属塩類、塩化物類等を例示することができ
る。これらの樹脂硬化剤、架橋剤、反応開始剤、反応促
進剤は、適宜、1種または2種以上を組み合わせて使用
してもよい。
【0022】E.樹脂結合型磁石用組成物 本発明の樹脂結合型磁石用組成物は、上述した磁性合金
粉末とバインダーとを混合し、この後に二酸化珪素、尿
素基化合物、及びアミド基化合物からなる群から選ばれ
る1種の滑剤の粉末を混合することによって得られる。
この場合、各種表面処理剤、樹脂硬化剤、硬化促進剤等
の任意成分は、バインダーとともに混合し、最終的に
剤の粉末の混合を行うようにすることが好適である。こ
れによって、滑剤の粉末が磁性合金粉末を被覆するバイ
ンダー表面にまぶされた状態となり、良好な粉体流動性
が確保される。
【0023】各成分の混合方法は、特に限定されず、例
えばリボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサ
ー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ハイスピ
ードミキサー等の混合機を用いて行うことができ、また
例えば湿式法、乾式法のいずれを用いても樹脂結合型磁
石用組成物を調整することができる。湿式法は、バイン
ダー等の有機成分をメチルエチルケトン等の適当な有機
溶剤に溶解し、これを磁性粉末と混合して有機溶剤を乾
燥除去した後に滑剤の粉末を混合して組成物を得る方法
である。また乾式法は、前述した混合機等を用いて滑材
の粉末以外の成分を一括混合した後に滑剤の粉末を混合
することにより組成物を調整する方法である。
【0024】かくして得られる樹脂結合型磁石用組成物
は、特定の動粘度を有する特定の組合せのエポキシ樹脂
バインダーを使用し、しかもバインダー表面に滑剤の粉
がまぶされていることから、粘着性がなく、流動性が
極めて高いパウダー状の組成物となる。
【0025】F.樹脂結合型磁石 上記の樹脂結合型磁石用組成物は、各種の圧縮成形装置
を用いてプレス成形した後に加熱処理を行ってバインダ
ーを硬化せしめ、次いで必要により磁場中で着磁するこ
とにより、目的とする樹脂結合型磁石を得ることができ
る。プレス成形は通常、4〜8t/cm2の圧力下で行
なわれ、加熱処理は、用いるバインダーの種類や硬化
剤、架橋剤、硬化促進剤、重合開始剤のによっても異な
るが、一般に200℃以下の温度で、0.5〜24時間
行われる。また磁場中での着磁は、例えばプレス成形と
同時に行うこともできる。かくして得られる樹脂結合型
磁石は、高密度で高磁気特性を有しており、しかも強度
等の機械的特性にも優れたものである。
【0026】
【実施例】以下の例において、樹脂結合型磁石用組成物
及び樹脂結合型磁石の材料として次のものを使用した。
【0027】I 磁性粉末 磁性粉末1:Nd-Fe-B系磁石粉末(商品名:MQP
−B、米国ゼネラルモーターズ社製) 異方性磁場:70.4kOe 磁性粉末2:Sm-Co5系磁性粉末(商品名:RCo5
合金、住友金属鉱山株式会社製) 異方性磁場:246kOe、平均粒径10μm
【0028】II エポキシ樹脂主剤 エポキシ樹脂主剤 i : ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(商品名:アラルダイトGY260、日本チバガイギ
ー株式会社製) エポキシ樹脂主剤 ii : ノボラック型エポキシ樹脂
(商品名:アラルダイトECN1273、日本チバガイギー
株式会社製)
【0029】III 二酸化珪素粉末 a)商品名:ニップシール SS−50、日本シリカ工
業株式会社製 20μm以下の粒子の含有量: 100重量% 平均粒径:1〜2μm、粒子最大径:10μm b)商品名:ニップシール AQ、日本シリカ工業株式
会社製 平均粒径:200μm
【0030】IV 尿素基化合物粉末 a) N−ブチル−N’−ステアリル尿素(商品名:
ハクリーンSB、日本化成株式会社製) b) ジフェニルメタンビスラウリル尿素(商品名:
ハクリーンLM、日本化成株式会社製) V ステアリン酸 ステアリン酸 (関東化学株式会社製)
【0031】VI アミド基化合物粉末 a) ステアリン酸アマイド(商品名:アマイドAP
−1、日本化成株式会社製) b) エチレンビスステアリン酸アマイド(商品名:
スリパックスE、日本化成株式会社製)
【0032】VII 硬化剤 ジシアンジアミド
【0033】実施例1〜30、比較例1〜13 表1〜表9に示す配合処方に従って、各エポキシ樹脂主
剤及び硬化剤をメチルエチルケトンで10倍希釈した溶
液を磁性粉末に添加し、混合撹拌した。次いで、30℃
において、10-1 Torrの減圧下でメチルエチルケ
トンを完全に揮散させ、さらに表1〜表9に示す配合処
方に従って二酸化珪素粉末、尿素基化合物粉末、アミド
基化合物粉末を加え、再度混合撹拌を行ない、所望の樹
脂結合型磁石用組成物を得た。
【0034】各例の組成物において、それぞれ使用した
エポキシ樹脂主剤及び硬化剤の混合物について、70重
量%ブチルカルビトール溶液におけるガードナー法によ
る動粘度を25℃で測定し、測定値が1×10-32
s以下のものを○とし、1×10-32/sよりも高い
ものを×として、表1〜表9に示した。なお、各実施例
及び比較例1〜3、6、7、10、11において得られ
た組成物は、さらさらした流動性に富んだものであった
が、比較例4、5、8、9、12、13の組成物は、凝
集し易い粘着性を示した。
【0035】各組成物の粉体流動性を測定し、その結果
を表1〜表9に示した。粉体流動性の測定には、組成物
を金型(外径20mm、内径18mm、深さ35mm)
に給粉して擦り切った後、金型内の粉末量を評量し、そ
の量が3g以上を○、2g以上3g未満を△、2g未満
を×と判定した。
【0036】上記で得られた各組成物をプレス金型中に
供給し、成形面圧5.7t/cm2でプレス成形し、縦
80mm、横10mm、厚さ4mmの板状試料を得た。
磁性粉末2を用いた組成物においては、磁場中で成形を
行った。次いで、この板状試料を大気中、180℃×1
時間、熱処理を行い、試料中のバインダーの硬化を行い
樹脂結合型磁石を得た。得られた樹脂結合型磁石の磁気
特性を、チオフィー型自記磁束計を用いて常温で測定
し、測定結果を表1〜表9に示す。なお、樹脂結合型磁
石の磁気特性は、最大磁気エネルギー積が11MGOe
以上あることが必要である。
【0037】また同様に、上記で得られた各組成物をプ
レス金型中に供給し、成型面圧5.0t/cm2でプレ
ス成型し、外径34mm、内径32mm、高さ8mmの
リング状試料を得た。磁性粉末2を用いた組成物のみ
は、磁場中で成型した。次に、このリング状試料を、大
気中、180℃×1時間熱処理し、試料中のバインダー
の硬化を行い、樹脂結合型磁石を得た。得られた樹脂結
合型磁石のリング破壊強度を、島津製作所(株)製オー
トグラフを用いて、ヘッドスピード1mm/分、常温下
での条件で圧環し、最大破壊強度を測定した。結果を表
1〜9に示す。樹脂結合型磁石の最大リング破壊強度
は、3.5kgf以上であることが必要である。なお、
上記表中、配合処方における数値は、重量部である。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】
【表9】
【0047】上記結果より、本発明の樹脂結合型磁石用
組成物は、粉体流動性に優れ、また、この樹脂結合型磁
石用組成物を用いた樹脂結合型磁石は、磁気特性、破壊
強度ともに優れていることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明の樹脂結合型磁石用組成物は、得
られる磁石の磁気特性が優れているばかりでなく、粉体
流動特性も極めて良好であり、成形性に優れ、生産性が
高いという利点を有しており、量産に極めて適してい
る。この組成物から得られる樹脂結合型磁石は、一般家
電製品、通信・音響機器、医療機器、一般産業機器にわ
たる広い分野で利用範囲の拡大が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/08 C08G 59/38 C22C 33/02 C09J 163/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性合金粉末と、少なくともビスフェノ
    ールA型エポキシ樹脂とノボラック型エポキシ樹脂の2
    種のエポキシ樹脂主剤からなるバインダーと、二酸化珪
    素、尿素基を含む飽和脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
    素、芳香族系炭化水素のいずれか1種または2種以上よ
    り構成されている尿素基化合物、及びアミド基を含む飽
    和脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族系炭化水素
    のいずれか1種または2種以上より構成されているアミ
    ド基化合物からなる群から選ばれる1種の滑剤の粉末と
    を含有する樹脂結合型磁石用組成物において、バインダ
    ーは、70重量%ブチルカルビトール溶液におけるガー
    ドナー法による動粘度(25℃)が1×10 −3
    s以下であり、滑剤の粉末は、磁性合金粉末面に形成さ
    れたバインダー皮膜の表面にまぶされた状態で存在して
    いる、ことを特徴とする樹脂結合型磁石用組成物。
  2. 【請求項2】 バインダーの添加量は、磁性合金粉末1
    00重量部当り0.5〜5重量部であり、更に、滑剤の
    添加量は、磁性合金粉末100重量部当り0.01〜5
    重量部である、ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂
    結合型磁石用組成物。
  3. 【請求項3】 磁性合金粉末と、バインダーとを混合し
    た後に、滑剤の粉末を混合することを特徴とする請求項
    1または2に記載の樹脂結合型磁石用組成物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の 樹脂結合型磁
    石用組成物を、加圧成形、加熱硬化してなる樹脂結合型
    磁石。
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