JPH11312603A - 希土類ボンド磁石、希土類ボンド磁石用組成物および希土類ボンド磁石の製造方法 - Google Patents
希土類ボンド磁石、希土類ボンド磁石用組成物および希土類ボンド磁石の製造方法Info
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- JPH11312603A JPH11312603A JP10121337A JP12133798A JPH11312603A JP H11312603 A JPH11312603 A JP H11312603A JP 10121337 A JP10121337 A JP 10121337A JP 12133798 A JP12133798 A JP 12133798A JP H11312603 A JPH11312603 A JP H11312603A
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Abstract
磁石用組成物、熱的特性、機械的強度に優れた希土類ボ
ンド磁石および希土類ボンド磁石の製造方法を提供す
る。 【解決手段】主として希土類磁石粉末と結合樹脂とを含
む希土類ボンド磁石用組成物において結合樹脂としてナ
フタレン系エポキシ樹脂を用いる。前記ナフタレン系エ
ポキシ樹脂は、分子内にナフタレン環を1つ有するナフ
タレン系エポキシ樹脂(A)と、分子内にナフタレン環
を2つ有するナフタレン系エポキシ樹脂(B)とを含む
ことが好ましい。硬化剤としてはイミダゾールまたはイ
ミダゾール誘導体を用いることが好ましい。
Description
石、希土類ボンド磁石用組成物および希土類ボンド磁石
の製造方法に関するものである。
性から一般家電製品や通信・音響機器、医療機器、一般
産業機器にいたる幅広い分野で応用されつつある。
結合樹脂とを含む磁石用組成物を用いて成形するため、
焼結タイプの磁石に比べ寸法精度が高く、複雑な形状に
成形することができ、品質や性能の均一性が高い。ま
た、歩留まりが良く、機械加工性が良好である等の利点
を有する。
結合樹脂としては、熱硬化性、熱可塑性、ゴム系等が挙
げられるが、熱硬化性樹脂を用いた圧縮成形磁石は磁性
粉末の充填率を高くすることができるため、高い磁気特
性を得ることができる。熱硬化性樹脂の中でも特にエポ
キシ系樹脂は、強い接着力を有し、成形性、耐候性、耐
薬品性に優れる等の特性を有している。
脂として一般的に用いられているビスフェノールA型や
ノボラック型エポキシ樹脂を用いた磁石は、実用上の磁
気特性を維持し得る使用限界温度が約150℃程度であ
り、高温環境下(150℃を超える高温)における減磁
率が大きく、熱的特性は十分なものではなかった。
理由から常温(25℃)で固体状の樹脂が用いられてい
た。しかし、固体状樹脂を用いる場合、磁石粉末や硬化
剤等、他の磁石用組成物と混合した場合、各成分が均一
に分散した磁石用組成物を調製することは困難である。
不均一な磁石用組成物から製造されたボンド磁石は、機
械的強度に劣り磁石特性も不安定であるという問題があ
った。
の熱的特性および機械的強度に優れた希土類ボンド磁石
を提供すること、およびかかる希土類ボンド磁石を製造
することができるとともに取扱性に優れた希土類ボンド
磁石用組成物を提供すること、および希土類ボンド磁石
の製造方法を提供することにある。
(1)〜(16)の本発明により達成される。
脂とを含む希土類ボンド磁石用組成物において、前記結
合樹脂としてナフタレン系エポキシ樹脂を用いることを
特徴とする希土類ボンド磁石用組成物。
分子内に有するナフタレン環の数が相異なる2種以上の
ナフタレン系エポキシ樹脂を含む上記(1)に記載の希
土類ボンド磁石用組成物。
分子内にナフタレン環を1つ有するナフタレン系エポキ
シ樹脂(A)と、分子内にナフタレン環を2つ有するナ
フタレン系エポキシ樹脂(B)とを含む上記(1)また
は(2)に記載の希土類ボンド磁石用組成物。
前記ナフタレン系エポキシ樹脂(A)を1〜30wt%含
有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の希土
類ボンド磁石用組成物。
00wt%中前記ナフタレン系エポキシ樹脂の含有量が
0.5〜6wt%である上記(1)ないし(4)のいずれ
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物。
前記ナフタレン系エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤を含
有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の希土
類ボンド磁石用組成物。
上記(6)に記載の希土類ボンド磁石用組成物。
イミダゾール誘導体である上記(6)または(7)に記
載の希土類ボンド磁石用組成物。
レン系エポキシ樹脂100wt%に対し1〜5wt%である
上記(6)ないし(8)のいずれかに記載の希土類ボン
ド磁石用組成物。
−B系磁石粉末である上記(1)ないし(9)のいずれ
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物。
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物を用いて製造され
ることを特徴とする希土類ボンド磁石。
−7006による機械的強度が100N/mm2以上であ
る上記(11)に記載の希土類ボンド磁石。
おける不可逆減磁率が5%以下である上記(11)または
(12)に記載の希土類ボンド磁石。
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物を調製する工程
と、前記組成物を磁石形状に成形する工程とを有するこ
とを特徴とする希土類ボンド磁石の製造方法。
を100〜250℃に加熱し結合樹脂を硬化させる工程
を含む上記(14)に記載の希土類ボンド磁石の製造方
法。
記(14)または(15)のいずれかに記載の希土類ボンド
磁石の製造方法。
石、希土類ボンド磁石用組成物および希土類ボンド磁石
の製造方法について詳細に説明する。
する。
として希土類磁石粉末と結合樹脂とを含むものであっ
て、結合樹脂としてナフタレン系エポキシ樹脂を用いる
ことを特徴とする。
を用いることにより、ナフタレン骨格の剛直性やナフタ
レン骨格間に働く凝集力に起因して、その硬化物は機械
的特性、耐薬品性、耐候性、耐熱性等に優れるととも
に、磁性の熱的特性が安定した磁石を得ることができ
る。また、他のエポキシ樹脂に比べて高いガラス転移点
を有するため、特に耐熱性等に優れている。
有するナフタレン環の数が相異なる2種以上のナフタレ
ン系エポキシ樹脂を含むものであることが好ましい。こ
のように異なる樹脂を組合わせて用いることにより、ナ
フタレン系エポキシ樹脂およびその硬化物の物理的・化
学的特性を任意に調節可能で、用途に応じた特性を得る
ことができる。また、磁石用組成物の分散性、取扱性等
を向上させることが可能となる。
脂」とは、ナフタレンまたはナフタレン誘導体をベース
としたエポキシ樹脂であって、モノマー、プリポリマ
ー、ポリマーを含む固体、半固体、液体状の有機物質を
意味する。
にナフタレン環を1つ有するナフタレン系エポキシ樹脂
(A)と、分子内にナフタレン環を2つ有するナフタレ
ン系エポキシ樹脂(B)とを含むことがより好ましい。
レン系エポキシ樹脂(A)(以下、「樹脂(A)」とい
う。)は、磁石用組成物の粘度を低下させる傾向がある
ため作業性が向上する。また磁石粉末、硬化剤および添
加剤等と混合して磁石用組成物を調製する場合、分散性
を向上させ、均一な組成物を容易に得ることができるた
め、機械的強度に優れたボンド磁石を製造することがで
きる。
もの等が挙げられる。
については特に限定されず、例えば水素原子、非環状炭
化水素基、環状炭化水素基、飽和炭化水素基、不飽和炭
化水素基、各種ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、
水酸基等の酸素原子を含む置換基、アミン等の窒素原子
を含む置換基、チオール等の硫黄原子を含む置換基等が
挙げられ、各置換基は全て異なるものでもよく、同じ置
換基を2つ以上有するものであってもよい。なお、他の
2つはグリシジルエーテルと結合する。) なかでもR1 〜R8 のうち6つが水素原子であり、他
の2つはグリシジルエーテルである樹脂がより好まし
く、下記式(II)に示すようにナフタレン環の1,6−
位または1,5−位にグリシジルエーテルが付加したも
のがさらに好ましい。
よび磁石用組成物の調製や磁石成形作業においてより適
した特性を得ることができる。
であるものがより好ましい。これにより、磁石用組成物
の分散性がより向上するため成形性もよく、結合樹脂の
比率を低減させることができる。したがって、磁石の磁
気特性および機械的強度の向上等、上記効果を一層顕著
に発揮させることができる。
にナフタレン環を2つ有するナフタレン系エポキシ樹脂
(B)(以下、「樹脂(B)」という。)を含むことが
好ましい。
直性や凝集力による硬化物の接着強度、機械的特性、耐
薬品性、耐候性、耐熱性等をより一層向上させることに
寄与する。
(III)で表されるものが挙げられる。
の置換基については、例えば水素原子、非環状炭化水素
基、環状炭化水素基、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素
基、各種ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、カルボ
キシル基、水酸基等の酸素原子を含む置換基、アミン等
の窒素原子を含む置換基、チオール等の硫黄原子を含む
置換基等が挙げられ、12個の各置換基は全て異なるも
のであってもよく、2つ以上同じ置換基を有するもので
あってもよい。他の2つはグリシジルエーテルと結合
し、残りの2つはもう一方のナフタレン環との結合鎖Z
と結合する。Zは特に限定されずメチレン鎖等の任意の
炭化水素基を表す。さらに、2つのナフタレン環間の結
合は、α位−α位結合、α位−β位結合、β位−β位結
合のいずれであってもよい。) なかでも、樹脂(B)は、下記式(IV)で示すものがよ
り好ましい。
分子量であって高粘性樹脂であるため、樹脂(A)と組
み合わせて用いることが好ましい。これにより、磁石用
組成物は均一性により優れるとともに、取扱性、成形性
に優れたものとすることができる。
シ樹脂中1〜30wt%であることが好ましく、10〜2
0wt%がより好ましい。樹脂(A)が1wt%未満である
場合、磁石用組成物の分散性・均一性が十分に得られな
い場合があり、このような組成物から製造される磁石の
熱的特性は不十分である。一方、30wt%を超えると磁
石用組成物の流動性が大きくなり過ぎて成形性が悪くな
り、磁石の熱的特性を低下させるおそれがある。
用組成物中0.5〜6wt%であることが好ましく、1.
5〜5wt%がより好ましい。樹脂量が少なすぎる場合、
磁石の機械的強度が十分に得られないおそれがあり、多
すぎる場合には磁石粉末の含有量が相対的に減少し磁気
特性が低下するおそれがある。
せるための硬化剤を含有することが好ましい。これによ
り速やかに硬化反応を進行させることができる。また、
硬化剤の選択により硬化物(ボンド磁石)の機械的特性、
耐熱性等を任意に調節することができる。
定されず、重付加型硬化剤、触媒型硬化剤、縮合型硬化
剤等が挙げられるが、なかでも触媒型硬化剤が特に好ま
しい。触媒型硬化剤は少量の添加で樹脂の硬化反応を促
進させることができるため、硬化剤の添加によって磁石
の磁気特性、機械的強度等が低下するおそれがない。
媒型硬化剤には、3級アミン系触媒、イミダゾール系触
媒、ルイス酸系触媒等が挙げられるが、イミダゾール系
(イミダゾールおよびイミダゾール誘導体)触媒がとく
に好ましい。
的なものとしては、例えば2−メチルイミダゾール、2
−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾ
ール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2
−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミ
ダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等が挙げられる。
ノエチル誘導体として、例えば1−シアノエチル−2−
メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−
4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウン
デシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル
イミダゾール等が挙げられる。イミダゾール誘導体のト
リアジン誘導体としては、例えば2,4−ジアミノ−6
−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−
s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウン
デシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,
4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダ
ゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシ−s−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン等
が挙げられる。イミダゾール誘導体のヒドロキシ誘導体
としては、例えば2−フェニル−4,5−ジヒドロキシ
メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−
ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2
−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチル
イミダゾール等が挙げられる。
ル酸付加物、トリメリテイト付加物、クロライド化合
物、塩酸塩、水和物、金属塩等が挙げられる。
化物は、良好な耐熱性および耐薬品性を有し、したがっ
てボンド磁石の熱的特性、耐薬品性を向上させることが
できる。
作用と相俟ってエポキシ系樹脂の硬化反応を促進させる
硬化促進剤としても働くため、硬化がより速やかに進行
する。
反応が遅く、加熱により急速に硬化する潜在性硬化剤と
して作用する。このためエポキシ樹脂の可使時間が長く
なり、磁石粉末とエポキシ樹脂との混練物を大量に製造
・保存することが可能となる利点がある。ここで、「可
使時間」とは磁石粉末と結合樹脂とを混練した場合に、
樹脂が硬化せずに混練時の状態をそのまま維持可能な時
間を意味する。
に比べて揮発性が低く、毒性も低いため作業時の安全性
を向上させることができる。
キシ樹脂100wt%に対し1〜5wt%であることが好ま
しい。硬化剤の添加量が1wt%未満であるとボンド磁石
の熱的特性、耐薬品性、機械的強度が十分に得られない
場合があり、一方、5wt%を超えると成形時に樹脂の浸
出し等の問題を生じ、さらに磁石の密度が低下して十分
な機械的強度が得られないおそれがある。
は特に限定されず、いかなるものも使用することができ
る。例えば、Nd2 Fe14B等のようなNd−Fe
−B系、Nd−Nb−Fe−B系、Nd−Dy−Fe−
B系、Nd−Fe−Co−B系等の希土類−Fe−B
系、SmCo5等の希土類−コバルト系、その他Sm−
Fe−N系、Nd−Fe−Ti−N系、Nd−Fe−V
−N系、Pr−Fe−B系、Nd−Pr−Fe−B系、
Ce−Nd−Fe−B系、Ce−Pr−Nd−Fe−B
系等の磁石粉末が挙げられ、これらを単独または2種以
上を混合して用いることができるが、耐熱性等の点から
Nd−Fe−B系またはNd−Nb−Fe−B系がとく
に好ましい。
としてはY、La、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、T
m、Yb、Lu、ミッシュメタル等が挙げられ、これら
を1種または2種以上含むことができる。
することができる。さらに、磁石の磁気特性を向上させ
るために、磁石粉末中には、必要に応じ、B、Al、M
o、Cu、Ga、Si、Ti、Ta、Zr、Hf、A
g、Zn等を含有させることも可能である。
Nd−Nb−Fe−B系等の希土類−Fe−B系の場
合、液体急冷法による合金粉末の使用が特に好ましい。
液体急冷法は、所定組成の合金を高周波溶解炉等を用い
て溶解し、得られた溶湯を高速回転する銅またはアルミ
製のロールに吹き付けて急冷し、厚さ数十μmのリボン
を作製する。このリボンに容体化処理および時効処理等
の適当な熱処理を施した後、例えばスタンプミル、ボー
ルミル等による乾式あるいは湿式粉砕を行って磁石粉末
を作製する方法である。この方法により得られる磁石粉
末の平均粒径は0.5〜300μm程度が好ましい。
末、結合樹脂の他に必要に応じてSi系、Ti系等のカ
ップリング剤、3級アミン類、イミダゾール類、有機金
属化合物、有機過酸化物等の硬化促進剤、共硬化剤、希
土類磁石粉末の酸化を防止する酸化防止剤、老化防止
剤、可塑剤、軟化剤、無機または有機充填剤、補強剤を
含有してもよく、これらを1種または2種以上を組合わ
せて添加することができる。
類磁石粉末と結合樹脂とを含む希土類ボンド磁石用組成
物を調製する工程と、該組成物を磁石形状に成形する工
程とを有する。
る。
系エポキシ樹脂(結合樹脂)、希土類磁石粉末、硬化
剤、添加剤等を混合することにより磁石用組成物を調製
する。
メチルエチルケトンなどの有機溶媒にナフタレン系エポ
キシ樹脂、硬化剤、酸化防止剤等の添加剤を溶解する。
次に磁石粉末と混合した後乾燥して組成物を得る湿式法
や、リボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサ
ー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機
中で所定組成物成分を一括混合する乾式法等が挙げられ
る。このようにして得られる磁石用組成物は適度な流動
性を有し、取扱性に優れている。
ものとしては、上記メチルエチルケトンの他、アセト
ン、メチルイソブチルケトン、ブタノンなどのケトン化
合物、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のシアン化炭
化水素化合物、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン等の直鎖状および分枝状炭化水素化合物、およびこれ
らのアルキル置換誘導体、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素およびこれら
のアルキル置換誘導体、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ナフタレン等の芳香族化合物およびこれらのアルキ
ル置換誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル
等の脂肪酸カルボン酸エステル類、クロロホルム、ジク
ロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等が挙
げられる。
に限定されず、例えば圧縮成形、射出成形、押出成形等
が挙げられるが、圧縮成形によることが好ましい。圧縮
成形は他の方法に比べて少ない量の結合樹脂で成形する
ことができるため、得られた磁石中の磁石粉末量がそれ
だけ多くなり、より優れた磁気特性を得ることが可能と
なる。
石用組成物を例えば各種の圧縮成形装置によりプレス成
形した後溶媒を除去し、加熱処理を施して結合樹脂を硬
化させる。その後磁場中で着磁することによりボンド磁
石が得られる。このときのプレス圧は10〜300kgf/
cm2程度とし、ナフタレン系エポキシ樹脂の硬化は10
0〜250℃程度の温度で、0.5時間〜10時間程度
加熱することにより行うことが好ましい。
発明の磁石用組成物を用いて本発明の方法により製造す
ることができる。このような希土類ボンド磁石は、熱的
特性および機械的特性に優れている。
料工業会規格EMAS−7006による機械的強度が6
0N/mm2以上であることが好ましい。これにより、磁
気特性と機械的強度との相反する磁石特性がともに優れ
た磁石とすることができる。したがって、このようなボ
ンド磁石は組立ての際、割れや欠けを生じることがな
く、とくに小型化の要請の大きい用途、例えば小型モー
ター、音響機器、OA機器等において広く用いることが
できる。
7006による機械的強度とは、厚さ3mm、一辺10mm
の正方形または直径10mmの円板を、内径φ3.0mmの
開孔を有するダイで挟み、φ2.97mmのポンチで1mm
/minの速度で荷重をかけたときのせん断強さを意味す
る。
0℃で1000時間経過後における不可逆減磁率が5%
以下であることが好ましい。これにより、磁石の熱的特
性が優れたものとなる。このような性質により高性能高
耐熱性磁石として各種モーター、デバイス等の用途にお
いて高い信頼性を実現することができる。
る。
ものを使用した。
4−メチルイミダゾール(イミダゾール誘導体):2.
0wt%(ナフタレン系エポキシ樹脂に対する割合) [磁石用組成物の調製]メチルエチルケトンに上記結合
樹脂と硬化剤との混合物を溶解し、バインダー溶液を作
製した。そこに磁石粉末を添加・混合し、攪拌しながら
メチルエチルケトンを揮発させ、磁石用組成物を調製し
た。
物を金型内において約100kgf/cm2の圧力で磁場中圧
縮成形を行った。
80℃×1hr加熱することによりナフタレン系エポキシ
樹脂を硬化させ希土類ボンド磁石を得た。
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いて
同様にボンド磁石を作製した。
各ボンド磁石を180℃の恒温槽において1000時間
経過後の不可逆減磁率を測定した。
ス係数が2の形状のボンド磁石を180℃に加熱した
後、25℃に冷却したときの表面磁束の減少率を意味す
る。
シ樹脂(−●−)は、180℃で1000時間経過した
後であっても不可逆減磁率が5%以下であり、優れた熱
的特性を示すことがわかった。
脂(―△―)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(―□―)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(―×
―)は、いずれも50時間を経過すると不可逆減磁率が
5%を超え、1000時間経過後においては20%を大
きく上回る結果となった。
エポキシ樹脂を用いることにより、従来のエポキシ系樹
脂を用いたものにはない優れた熱的特性をもつ希土類ボ
ンド磁石が得られることがわかった。
1、5、10、20、30、40、50、70、100
と変化させた以外は実施例1と同様にして希土類ボンド
磁石を作製した。
械的強度の評価 実施例2で得られた各ボンド磁石の機械的強度を測定し
た。
7006に準拠した打抜きせん断試験により行った。
0℃×1000時間経過後の不可逆減磁率の測定により
行った。
〜100wt%の範囲にある場合、いずれも測定値は60
N/mm2を超えており、機械的強度に優れるものである
ことがわかった。
範囲にあるとき、不可逆減磁率はいずれも5%以下であ
り、特に樹脂(A)の比率が10〜20wt%の場合には
4%以下であり、機械的強度に優れるのに加え、さらに
不可逆減磁率も低く抑えられることがわかった。
ルイミダゾールを使用し、その添加量を種々変えた以外
は実施例1と同様にして希土類ボンド磁石を作製した。
実施例2と同様にして測定した。
ノール系硬化剤(非触媒型硬化剤)を用い、その添加量
を種々変えて実施例3と同様に希土類ボンド磁石を作製
した。各磁石の機械的強度について実施例3と同様に評
価した。
型のイミダゾール系硬化剤は、非触媒型硬化剤であるノ
ボラックフェノール系に比べ、ナフタレン系エポキシ樹
脂に対して少量の添加量(2wt%程度)で樹脂を強固に
硬化させ、機械的強度に優れた磁石が得られることがわ
かった。
ナフタレン系エポキシ樹脂に対し50wt%添加したとき
磁石は最大の機械的強度を示したが、その添加量が多い
ため、磁石の機械的強度はイミダゾール系硬化剤を用い
た場合の最大値の約80%程度にすぎなかった。
ド磁石用組成物によれば、優れた機械的強度および温度
特性をもった高性能高耐熱性希土類ボンド磁石を製造す
ることができる。
脂と製造されたボンド磁石の不可逆減磁率との関係を示
すグラフである。
の種類および添加量と製造されたボンド磁石の機械的強
度との関係を示すグラフである。
Claims (16)
- 【請求項1】 主として希土類磁石粉末と結合樹脂とを
含む希土類ボンド磁石用組成物において、 前記結合樹脂としてナフタレン系エポキシ樹脂を用いる
ことを特徴とする希土類ボンド磁石用組成物。 - 【請求項2】 前記ナフタレン系エポキシ樹脂は分子内
に有するナフタレン環の数が相異なる2種以上のナフタ
レン系エポキシ樹脂を含む請求項1に記載の希土類ボン
ド磁石用組成物。 - 【請求項3】 前記ナフタレン系エポキシ樹脂は分子内
にナフタレン環を1つ有するナフタレン系エポキシ樹脂
(A)と、分子内にナフタレン環を2つ有するナフタレ
ン系エポキシ樹脂(B)とを含む請求項1または2に記
載の希土類ボンド磁石用組成物。 - 【請求項4】 前記ナフタレン系エポキシ樹脂は前記ナ
フタレン系エポキシ樹脂(A)を1〜30wt%含有する
請求項1ないし3のいずれかに記載の希土類ボンド磁石
用組成物。 - 【請求項5】 前記希土類ボンド磁石用組成物100wt
%中前記ナフタレン系エポキシ樹脂の含有量が0.5〜
6wt%である請求項1ないし4のいずれかに記載の希土
類ボンド磁石用組成物。 - 【請求項6】 前記希土類ボンド磁石用組成物は前記ナ
フタレン系エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤を含有する
請求項1ないし5のいずれかに記載の希土類ボンド磁石
用組成物。 - 【請求項7】 前記硬化剤は触媒型硬化剤である請求項
6に記載の希土類ボンド磁石用組成物。 - 【請求項8】 前記硬化剤はイミダゾールまたはイミダ
ゾール誘導体である請求項6または7に記載の希土類ボ
ンド磁石用組成物。 - 【請求項9】 前記硬化剤の添加量は前記ナフタレン系
エポキシ樹脂100wt%に対し1〜5wt%である請求項
6ないし8のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用組成
物。 - 【請求項10】 前記希土類磁石粉末はNd−Fe−B
系磁石粉末である請求項1ないし9のいずれかに記載の
希土類ボンド磁石用組成物。 - 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
の希土類ボンド磁石用組成物を用いて製造されることを
特徴とする希土類ボンド磁石。 - 【請求項12】 日本電子材料工業会規格EMAS−7
006による機械的強度が100N/mm2以上である請
求項11に記載の希土類ボンド磁石。 - 【請求項13】 180℃で1000時間経過後におけ
る不可逆減磁率が5%以下である請求項11または12
に記載の希土類ボンド磁石。 - 【請求項14】 請求項1ないし10のいずれかに記載
の希土類ボンド磁石用組成物を調製する工程と、 前記組成物を磁石形状に成形する工程とを有することを
特徴とする希土類ボンド磁石の製造方法。 - 【請求項15】 前記成形工程は前記磁石用組成物を1
00〜250℃に加熱し結合樹脂を硬化させる工程を含
む請求項14に記載の希土類ボンド磁石の製造方法。 - 【請求項16】 前記成形工程は圧縮成形による請求項
14または15のいずれかに記載の希土類ボンド磁石の
製造方法。
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