JPH05326227A - ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 - Google Patents

ボンド磁石用組成物及びボンド磁石

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JPH05326227A
JPH05326227A JP4155874A JP15587492A JPH05326227A JP H05326227 A JPH05326227 A JP H05326227A JP 4155874 A JP4155874 A JP 4155874A JP 15587492 A JP15587492 A JP 15587492A JP H05326227 A JPH05326227 A JP H05326227A
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JP
Japan
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resin
powder
composition
magnetic
magnetic powder
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JP4155874A
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English (en)
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Nobumitsu Oshimura
信満 押村
Shoichi Yoshizawa
昌一 吉澤
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A) 25℃において固体状のイミドシリコーン
樹脂、及び、(B) 25℃において固体状のエポキシ樹脂を
含有してなる樹脂バインダーと、異方性磁場が50kOe 以
上の磁性粉末とを含んでなるボンド磁石用組成物。 【効果】 このボンド磁石用組成物は、得られる磁石の
磁気特性と曲げ強度が優れているばかりでなく、粉体流
動特性も良好であるため、成形作業性が良好で高い生産
性を実現でき、量産に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気特性及び耐曲げ強
度に優れたボンド磁石を与える組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類系永久磁石は、その優れた磁気特
性から一般家電製品や通信・音響機器、医療機器、一般
産業機器にいたる幅広い分野で応用されつつある。その
中でボンドタイプの磁石は、磁性粉に樹脂バインダーを
配合してプレス成形するものであるため、焼結タイプの
磁石に比べ、(1) 寸法精度が高く複雑な形状に成形する
ことができる、(2) 品質、性能の均一性が高い、(3) 歩
留まりが良く、機械加工性が良好である、等の利点があ
る。
【0003】しかし、得られるボンド磁石の機械的強
度、例えば曲げ強度を高めるために樹脂バインダーの配
合比率を高めるとそれに応じて磁性粉の比率が低下する
のでボンド磁石の磁気特性が低下するという欠点があ
る。一方、近年、小型モーター、音響機器、OA機器等
に用いられるボンド磁石は、機器の小型化の要請から磁
気特性が高いとともに、組立時に割れや欠けを生じない
機械的強度、特に曲げ強度に優れたものが要求されてい
る。
【0004】こうした、磁石としての磁気特性の向上と
機械的強度の向上という相反しがちな要求を満たすもの
として、常温で液状のエポキシ樹脂をバインダーとして
使用してプレス成形することが提案されている。すなわ
ち、該エポキシ樹脂を使用すると樹脂の比率を低く抑え
て磁石の磁気特性の向上を図っても曲げ強度を高く維持
することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、常温で
液状のエポキシ樹脂をバインダーに使用すると、著しく
粉体流動特性が低下してプレス成形が困難となり易く、
量産性が大きく損なわれる、という別の新たな問題が生
じている。
【0006】そこで、本発明の課題は、上記の事情に鑑
み、バインダー樹脂の比率を低く抑えても、得られる磁
石の磁気特性と曲げ強度が優れているばかりでなく、粉
体流動特性も良好であるボンド磁石用組成物及び該組成
物により得られるボンド磁石を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために、ボンド磁石のバインダーとして使用
される樹脂について種々検討を行った結果、下記の組成
により目的とするボンド磁石用組成物が得られることを
見いだし、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、(A) 25℃において固体状
のイミドシリコーン樹脂、及び、(B) 25℃において固体
状のエポキシ樹脂を含有してなる樹脂バインダーと、異
方性磁場が50kOe 以上の磁性粉末とを含んでなるボンド
磁石用組成物を提供するものである。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0009】磁性粉末 本発明で使用する磁性粉末は、異方性磁場(HA )が、
50kOe 以上の磁性粉末であれば、特に制約なく使用する
ことができる。したがって、この条件を満たす限り、通
常ボンド磁石に用いられている磁性粉を使用でき、例え
ば、Sm−Co5 、Sm2 (CoFeZrV) 17等の希土類コバルト
系、Nd−Fe−Co−B系、Nd−Dy−Fe−B系、Nd−Fe−B
系等の希土類−鉄−ホウ素系、Sm−Fe−N系、Nd−Fe−
Ti−N系、Nd−Fe−V−N系などの磁性粉が挙げられ
る。
【0010】上記ボンド磁石組成物において、磁性粉と
して上で例示した希土類−鉄−ホウ素系の場合は、液体
急冷法による合金粉末の使用が特に好ましい。即ち、液
体急冷法によれば、所要組成の合金を高周波誘導加熱等
の方法によって溶解し、得られた溶湯を高速回転する銅
又はアルミ製のロールに吹き付けて急冷し、厚さ数十ミ
クロンのリボンとする。このリボンに適当な熱処理を施
して、例えば平均結晶粒径をが3000Å以下とした後に、
スタンプミル、ボールミル等による乾式あるいは湿式粉
砕に供することにより磁性粉が得られる。磁石粉の粒径
は、通常、35メッシュ(JIS) 以下が好ましい。
【0011】樹脂バインダー (A)成分のイミドシリコーン樹脂は、オルガノシロキサ
ンとイミド系モノマーとの反応によって合成され、一分
子中にイミド基とオルガノシロキサンを合わせもつ熱硬
化性特殊ポリイミド樹脂の一種であり、例えば、住友ベ
ークライト(株)製の商品名スミレジンエクセルとして
入手できる。 該イミドシリコーン樹脂は一般式:
【化1】 又は、
【化2】 〔式中、n、m及びpは1以上の整数、R1 〜R4 はア
ルキル基であり、同一でも異なってもよい。X及びYは
エポキシ基、アミノ基、ビニル基等を含む有機官能基で
ある。〕で表されるオルガノシロキサンと、一般式:
【化3】 〔nは0以上の整数、mは1以上の整数〕等で表される
イミド系モノマーとを、触媒存在下で重合又は熱処理等
を行って反応させることにより得られる。この樹脂は、
25℃で固体状のものをそのまま、あるいは例えばジグラ
イムなどの溶剤に分散させた状態で使用する。
【0012】(B)成分のエポキシ樹脂としては、25℃に
おいて固体状であれば特に制約なく使用することがで
き、例えばグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシ
ジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポ
キシ樹脂、線状脂肪族エポキサイド型エポキシ樹脂、脂
肪族エポキサイド型エポキシ樹脂等挙げられ、これらは
単独でも2種類以上を組み合わせても使用することがで
きる。
【0013】エポキシ樹脂(B) の配合量は、イミドシリ
コーン樹脂(A) 100重量部当り、通常10〜100 重量部が
好ましい。 (B)成分の配合量が少なすぎても多すぎても
十分な曲げ強度が得られない。
【0014】本発明の組成物におけるバインダー樹脂の
配合量は、磁性粉 100重量部当り、0.5〜5重量部が好
ましく、さらには1〜3重量部がより好ましい。
【0015】その他の成分 本発明のボンド磁石用組成物は、上記の磁性粉、バイン
ダー樹脂の他に、必要に応じて、公知のSi系、Ti系又は
Al系のカップリング剤、樹脂硬化剤、硬化促進剤(硬化
触媒)等を1種単独で又は複数組み合わせて添加するこ
とができる。Si系、Ti系及びAl系のカップリング剤とし
ては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、イソプ
ロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピル
トリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、
イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)
チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフ
ァイト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチ
タネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイル
チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォ
ニルチタネート、アセトアルコキシアルミニウムジイソ
プロピレート等が代表的なものとして挙げられる。これ
らを、例えば乾式法、湿式法、インテグラルブレンド法
等により混合することによって、得られるボンド磁石の
基体への密着性を向上させることができる。また、硬化
剤としては、例えば、単一ポリアミン型硬化剤、変性ポ
リアミン型硬化剤、酸無水物型硬化剤、ポリフェノール
型硬化剤、ポリメルカプタン型硬化剤、アニオン重合型
硬化剤、カチオン重合型硬化剤等が挙げられる。硬化促
進剤としては、第3級アミン類、イミダゾール類、有機
金属塩類、塩化物類、有機過酸化物類等が挙げられる。
硬化剤や硬化促進剤は必要に応じて2種以上を組合せて
使用してもよい。
【0016】組成物の調製 本発明の組成物は各所要成分を混合することにより得ら
れる。混合方法は特に限定されず、例えば、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に上述の樹脂その他の有機成分を
溶解し、磁性粉と混合した後、乾燥し組成物を得る湿式
法、例えばリボンブレンダー、タンブラー、ナウターミ
キサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混
合機中で所要成分を一括混合する乾式法等のいずれでも
よい。こうして得られる組成物は、流動性の高いパウダ
ー状である。
【0017】ボンド磁石の製造 磁石の製造は、得られた組成物を各種の圧縮成形装置に
よりプレス成形した後、加熱処理を施してバインダー樹
脂を硬化させる。その後磁場中で着磁することによりボ
ンド磁石が得られる。組成物のプレス成形は、通常、4
〜8t/cm2 の圧力下で行い、バインダー樹脂の硬化は 1
20〜190 ℃程度の温度で 0.5〜3時間程度加熱すればよ
い。
【0018】用途 本発明の組成物を硬化して得られるボンド磁石は、一般
家電製品、通信機器、音響機器、医療機器、一般産業機
器に到る広範囲の分野で有用である。
【0019】
【作用】本発明の組成物に使用されるバインダー樹脂
は、イミドシリコーン樹脂(A) 及びエポキシ樹脂(B) か
らなるが、これら樹脂のそれぞれが単独で使用された場
合に比べて、硬化させた時により高い架橋率が得られる
とともに、磁性粉と樹脂相の接着強度が著しく増すた
め、従来の樹脂量より少ない樹脂量でも優れた曲げ強度
が得られるものと考えられる。また、 (A)及び (B)の樹
脂のいずれもが25℃において固体状であるため組成物は
粘着性がなく、良好な粉体流動性を示す。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0021】材料 磁性粉 磁性粉I:Nd−Fe−B系磁石粉(商品名:MQP−B、
米国ゼネラルモーターズ社製) 異方性磁場:70.4kOe 磁性粉II:Sm−Co5 系磁性粉(商品名: RCo5 合金、住
友金属鉱山(株)製) 異方性磁場: 246kOe 、平均粒径10μm エポキシ樹脂 エポキシ樹脂I:クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、25℃で固体。(商品名:EOCN−1025、日本化薬株式
会社製) エポキシ樹脂II:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、25
℃で液状。(商品名:エピコート828 、油化シェルエポ
キシ株式会社製) イミドシリコーン樹脂 25℃で固体(商品名:スミレジンエクセル CRC−7030 M
−40(商品名:住友ベークライト(株)製)) 硬化剤:ジシアンジアミド 但し、バインダー樹脂がイミドシリコーン樹脂を含まな
い場合のみ使用した。 硬化促進剤:3−ヒドロキシピリジン(関東化学
(株)製) 但し、バインダー樹脂がイミドシリコーン樹脂を含まな
い場合にのみ使用した。
【0022】組成物の調製 表1、表2に示すように、各実施例及び比較例におい
て、磁性粉 100重量部に表に示した樹脂を表示の量配合
した。樹脂分がエポキシ樹脂のみである比較例では、総
樹脂量に対して3重量%量の硬化促進剤と、エポキシ樹
脂の10重量%量の硬化剤とを、ジグライム又はメチルエ
チルケトンで10倍希釈した溶液の状態で添加した。混合
撹拌した後、30℃において減圧(10-1Torr)下で溶媒を
を完全に揮散させて組成物を得た。実施例及び比較例1
〜5において得られた組成物はサラサラしたものであっ
たが、比較例6、7のものは、凝集し易い粘着性を示し
た。各組成物の粉体流動特性を次のようにして評価し
た。結果を表1〜表2に示す。
【0023】粉体流動特性の評価:組成物を金型(外径
20mmφ、内径18mmφ、深さ35mm)へ給粉し擦切った後、
金型内の粉末量を秤量した。給粉量が2g以上が○、2
g未満が×と評価した。
【0024】磁石の製造、評価 上で得られた、各実施例、比較例の組成物をプレス金型
中に供給し、成形面圧5.7トン/cm2 でプレス成形し
(但し、SmCo5 磁性粉を使用した場合のみ磁場中成形を
おこなった)、縦80mm×横10mm×厚さ4mmの圧粉体から
なる板状試料を得た。ついで、該板状試料をそれぞれ大
気中、 185℃で3時間熱処理し、試料中のバインダー樹
脂を硬化させ、ボンド磁石試料を得た。これらの試料の
曲げ強度及び磁気特性をそれぞれ下記の方法で評価し
た。結果を表1、表2に示す。
【0025】曲げ強度:ASTM D−790 に準じ曲げ
強度を求め評価した。
【0026】磁気特性:チオフィー型自記磁束計にて常
温で測定した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ボンド磁石用組成物は、得られる磁石の磁気特性と曲げ
強度が優れているばかりでなく、粉体流動特性も良好で
あるため、成形作業性が良好で高い生産性を実現でき、
量産に適している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 25℃において固体状のイミドシリコ
    ーン樹脂、及び、(B) 25℃において固体状のエポキシ樹
    脂を含有してなる樹脂バインダーと、異方性磁場が50kO
    e 以上の磁性粉末とを含んでなるボンド磁石用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の組成物であって、前記の樹脂
    バインダーが (A)成分 100重量部当り (B)成分10〜100
    重量部を含有してなり、該樹脂バインダーが前記の磁性
    粉末 100重量部当り 0.5〜5重量部である組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の組成物を硬化さ
    せることにより得られたボンド磁石。
JP4155874A 1992-05-22 1992-05-22 ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 Pending JPH05326227A (ja)

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