JPH05326226A - ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 - Google Patents
ボンド磁石用組成物及びボンド磁石Info
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- JPH05326226A JPH05326226A JP4155873A JP15587392A JPH05326226A JP H05326226 A JPH05326226 A JP H05326226A JP 4155873 A JP4155873 A JP 4155873A JP 15587392 A JP15587392 A JP 15587392A JP H05326226 A JPH05326226 A JP H05326226A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 (A) 25℃において固体状のエポキシ樹脂、
(B) 25℃において固体状のポリビニルアセタール樹脂、
及び(C) 25℃において固体状のイミドシリコーン樹脂、
を含有してなる樹脂バインダーと、異方性磁場が50kOe
以上の磁性粉末とを含有してなるボンド磁石用組成物。 【効果】 本組成物を硬化させることにより得られるボ
ンド磁石の磁気特性と曲げ強度が優れているばかりでな
く、粉体流動特性も良好であるため、成形作業性が良好
で高い生産性を実現でき、量産に適している。
(B) 25℃において固体状のポリビニルアセタール樹脂、
及び(C) 25℃において固体状のイミドシリコーン樹脂、
を含有してなる樹脂バインダーと、異方性磁場が50kOe
以上の磁性粉末とを含有してなるボンド磁石用組成物。 【効果】 本組成物を硬化させることにより得られるボ
ンド磁石の磁気特性と曲げ強度が優れているばかりでな
く、粉体流動特性も良好であるため、成形作業性が良好
で高い生産性を実現でき、量産に適している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気特性及び耐曲げ強
度に優れたボンド磁石を与える組成物に関する。
度に優れたボンド磁石を与える組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類系永久磁石は、その優れた磁気特
性から一般家電製品や通信・音響機器、医療機器、一般
産業機器にいたる幅広い分野で応用されつつある。その
中でボンドタイプの磁石は、磁性粉に樹脂バインダーを
配合してプレス成形するものであるため、焼結タイプの
磁石に比べ、(1) 寸法精度が高く複雑な形状に成形する
ことができる、(2) 品質、性能の均一性が高い、(3) 歩
留まりが良く、機械加工性が良好である、等の利点があ
る。
性から一般家電製品や通信・音響機器、医療機器、一般
産業機器にいたる幅広い分野で応用されつつある。その
中でボンドタイプの磁石は、磁性粉に樹脂バインダーを
配合してプレス成形するものであるため、焼結タイプの
磁石に比べ、(1) 寸法精度が高く複雑な形状に成形する
ことができる、(2) 品質、性能の均一性が高い、(3) 歩
留まりが良く、機械加工性が良好である、等の利点があ
る。
【0003】しかし、得られるボンド磁石の機械的強
度、例えば曲げ強度を高めるために樹脂バインダーの配
合比率を高めるとそれに応じて磁性粉の比率が低下する
のでボンド磁石の磁気特性が低下するという欠点があ
る。一方、近年、小型モーター、音響機器、OA機器等
に用いられるボンド磁石は、機器の小型化の要請から磁
気特性が高いとともに、組立時に割れや欠けを生じない
機械的強度、特に曲げ強度に優れたものが要求されてい
る。
度、例えば曲げ強度を高めるために樹脂バインダーの配
合比率を高めるとそれに応じて磁性粉の比率が低下する
のでボンド磁石の磁気特性が低下するという欠点があ
る。一方、近年、小型モーター、音響機器、OA機器等
に用いられるボンド磁石は、機器の小型化の要請から磁
気特性が高いとともに、組立時に割れや欠けを生じない
機械的強度、特に曲げ強度に優れたものが要求されてい
る。
【0004】こうした、磁石としての磁気特性の向上と
機械的強度の向上という相反しがちな要求を満たすもの
として、常温で液状のエポキシ樹脂をバインダーとして
使用してプレス成形することが提案されている。すなわ
ち、該エポキシ樹脂を使用すると樹脂の比率を低く抑え
て磁石の磁気特性の向上を図っても曲げ強度を高く維持
することができる。
機械的強度の向上という相反しがちな要求を満たすもの
として、常温で液状のエポキシ樹脂をバインダーとして
使用してプレス成形することが提案されている。すなわ
ち、該エポキシ樹脂を使用すると樹脂の比率を低く抑え
て磁石の磁気特性の向上を図っても曲げ強度を高く維持
することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、常温で
液状のエポキシ樹脂をバインダーに使用すると、著しく
粉体流動特性が低下してプレス成形が困難となり易く、
量産性が大きく損なわれる、という別の新たな問題が生
じている。
液状のエポキシ樹脂をバインダーに使用すると、著しく
粉体流動特性が低下してプレス成形が困難となり易く、
量産性が大きく損なわれる、という別の新たな問題が生
じている。
【0006】そこで、本発明の課題は、上記の事情に鑑
み、バインダー樹脂の比率を低く抑えても、得られる磁
石の磁気特性と曲げ強度が優れているばかりでなく、粉
体流動特性も良好であるボンド磁石用組成物及び該組成
物により得られるボンド磁石を提供することにある。
み、バインダー樹脂の比率を低く抑えても、得られる磁
石の磁気特性と曲げ強度が優れているばかりでなく、粉
体流動特性も良好であるボンド磁石用組成物及び該組成
物により得られるボンド磁石を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために、ボンド磁石のバインダーとして使用
される樹脂について種々検討を行った結果、下記の組成
により目的とするボンド磁石用組成物が得られることを
見いだし、本発明を完成した。
を達成するために、ボンド磁石のバインダーとして使用
される樹脂について種々検討を行った結果、下記の組成
により目的とするボンド磁石用組成物が得られることを
見いだし、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、(A) 25℃において固体状
のエポキシ樹脂、(B) 25℃において固体状のポリビニル
アセタール樹脂、及び(C) 25℃において固体状のイミド
シリコーン樹脂、を含有してなる樹脂バインダーと、異
方性磁場が50kOe 以上の磁性粉末とを含有してなるボン
ド磁石用組成物を提供するものである。以下、本発明を
詳細に説明する。
のエポキシ樹脂、(B) 25℃において固体状のポリビニル
アセタール樹脂、及び(C) 25℃において固体状のイミド
シリコーン樹脂、を含有してなる樹脂バインダーと、異
方性磁場が50kOe 以上の磁性粉末とを含有してなるボン
ド磁石用組成物を提供するものである。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0009】磁性粉末 本発明で使用する磁性粉末は、異方性磁場(HA )が、
50kOe 以上の磁性粉末であれば、特に制約なく使用する
ことができる。したがって、この条件を満たす限り、通
常ボンド磁石に用いられている磁性粉を使用でき、例え
ば、Sm−Co5 、Sm2 (CoFeZrV) 17等の希土類コバルト
系、Nd−Fe−Co−B系、Nd−Dy−Fe−B系、Nd−Fe−B
系等の希土類−鉄−ホウ素系、Sm−Fe−N系、Nd−Fe−
Ti−N系、Nd−Fe−V−N系などの磁性粉が挙げられ
る。
50kOe 以上の磁性粉末であれば、特に制約なく使用する
ことができる。したがって、この条件を満たす限り、通
常ボンド磁石に用いられている磁性粉を使用でき、例え
ば、Sm−Co5 、Sm2 (CoFeZrV) 17等の希土類コバルト
系、Nd−Fe−Co−B系、Nd−Dy−Fe−B系、Nd−Fe−B
系等の希土類−鉄−ホウ素系、Sm−Fe−N系、Nd−Fe−
Ti−N系、Nd−Fe−V−N系などの磁性粉が挙げられ
る。
【0010】上記ボンド磁石組成物において、磁性粉と
して上で例示した希土類−鉄−ホウ素系の場合は、液体
急冷法による合金粉末の使用が特に好ましい。即ち、液
体急冷法によれば、所要組成の合金を高周波誘導加熱等
の方法によって溶解し、得られた溶湯を高速回転する銅
又はアルミ製のロールに吹き付けて急冷し、厚さ数十ミ
クロンのリボンとする。このリボンに適当な熱処理を施
して、例えば平均結晶粒径をが3000Å以下とした後に、
スタンプミル、ボールミル等による乾式あるいは湿式粉
砕に供することにより磁性粉が得られる。磁石粉の粒径
は、通常、35メッシュ(JIS) 以下が好ましい。
して上で例示した希土類−鉄−ホウ素系の場合は、液体
急冷法による合金粉末の使用が特に好ましい。即ち、液
体急冷法によれば、所要組成の合金を高周波誘導加熱等
の方法によって溶解し、得られた溶湯を高速回転する銅
又はアルミ製のロールに吹き付けて急冷し、厚さ数十ミ
クロンのリボンとする。このリボンに適当な熱処理を施
して、例えば平均結晶粒径をが3000Å以下とした後に、
スタンプミル、ボールミル等による乾式あるいは湿式粉
砕に供することにより磁性粉が得られる。磁石粉の粒径
は、通常、35メッシュ(JIS) 以下が好ましい。
【0011】樹脂バインダー (A)成分のエポキシ樹脂としては、25℃において固体状
であれば特に制約なく使用することができ、例えばグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型
エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、線状
脂肪族エポキサイド型エポキシ樹脂、脂肪族エポキサイ
ド型エポキシ樹脂等挙げられ、これらは単独でも2種類
以上を組み合わせても使用することができる。
であれば特に制約なく使用することができ、例えばグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型
エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、線状
脂肪族エポキサイド型エポキシ樹脂、脂肪族エポキサイ
ド型エポキシ樹脂等挙げられ、これらは単独でも2種類
以上を組み合わせても使用することができる。
【0012】エポキシ樹脂(A) の配合量は、樹脂バイン
ダー中に通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%で
あり、少なすぎても多すぎても、十分な曲げ強度が得難
い。
ダー中に通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%で
あり、少なすぎても多すぎても、十分な曲げ強度が得難
い。
【0013】(B)成分のポリビニルアセタール樹脂の例
としては、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアセ
トアセタール樹脂及びポリビニルブチラール樹脂が挙げ
られ、25℃で固体状のものであれば、特に制約なく使用
することができる。その限りにおいておいて重合度は何
ら制限されないが、通常、 200〜5,000 の範囲でよく、
より具体的にはポリビニルホルマール樹脂は重合度 300
〜1,000 のものが好ましく、ポリビニルブチラール樹脂
は重合度 300〜2,000 のものが好ましい。
としては、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアセ
トアセタール樹脂及びポリビニルブチラール樹脂が挙げ
られ、25℃で固体状のものであれば、特に制約なく使用
することができる。その限りにおいておいて重合度は何
ら制限されないが、通常、 200〜5,000 の範囲でよく、
より具体的にはポリビニルホルマール樹脂は重合度 300
〜1,000 のものが好ましく、ポリビニルブチラール樹脂
は重合度 300〜2,000 のものが好ましい。
【0014】ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルア
セトアセタール樹脂及びポリビニルブチラール樹脂は
(B)成分としていずれかを単独で使用してもよいし、2
種以上を混合して用いてもよい。
セトアセタール樹脂及びポリビニルブチラール樹脂は
(B)成分としていずれかを単独で使用してもよいし、2
種以上を混合して用いてもよい。
【0015】ポリビニルアセタール樹脂(B) は公知の方
法により得られる。即ち、例えば、ポリビニルホルマー
ル樹脂は、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化した得られ
るポリビニルアルコールをホルムアルデヒドによりアセ
タール化することにより得られる。ポリビニルブチラー
ル樹脂は、一般に、同様に得られたポリビニルアルコー
ルをブチルアルデヒドによりアセタール化することによ
り得られる。
法により得られる。即ち、例えば、ポリビニルホルマー
ル樹脂は、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化した得られ
るポリビニルアルコールをホルムアルデヒドによりアセ
タール化することにより得られる。ポリビニルブチラー
ル樹脂は、一般に、同様に得られたポリビニルアルコー
ルをブチルアルデヒドによりアセタール化することによ
り得られる。
【0016】(B)成分の配合量は、エポキシ樹脂(A) 10
0重量部当り、通常 0.2〜600 重量部が好ましい。 (B)
成分の配合量が少なすぎると、十分な耐曲げ強度が得ら
れず、多すぎると、著しく耐熱性、曲げ強度が低下す
る。
0重量部当り、通常 0.2〜600 重量部が好ましい。 (B)
成分の配合量が少なすぎると、十分な耐曲げ強度が得ら
れず、多すぎると、著しく耐熱性、曲げ強度が低下す
る。
【0017】(C)成分のイミドシリコーン樹脂は、オル
ガノシロキサンとイミド系モノマーとの反応によって合
成され、一分子中にイミド基とオルガノシロキサンを合
わせもつ熱硬化性特殊ポリイミド樹脂の一種であり、例
えば、住友ベークライト(株)製の商品名スミレジンエ
クセルとして入手できる。 該イミドシリコーン樹脂は一般式:
ガノシロキサンとイミド系モノマーとの反応によって合
成され、一分子中にイミド基とオルガノシロキサンを合
わせもつ熱硬化性特殊ポリイミド樹脂の一種であり、例
えば、住友ベークライト(株)製の商品名スミレジンエ
クセルとして入手できる。 該イミドシリコーン樹脂は一般式:
【化1】 又は、
【化2】 〔式中、n、m及びpは1以上の整数、R1 〜R4 はア
ルキル基であり、同一でも異なってもよい。X及びYは
エポキシ基、アミノ基、ビニル基等を含む有機官能基で
ある。〕で表されるオルガノシロキサンと、一般式:
ルキル基であり、同一でも異なってもよい。X及びYは
エポキシ基、アミノ基、ビニル基等を含む有機官能基で
ある。〕で表されるオルガノシロキサンと、一般式:
【化3】 〔nは0以上の整数、mは1以上の整数〕等で表される
イミド系モノマーとを、触媒存在下で重合又は熱処理等
を行って反応させることにより得られる。この樹脂は、
25℃で固体状のものをそのまま、あるいは例えばジグラ
イムなどの溶剤に分散させた状態で使用する。(C)成分
は (A)成分 100重量部当り40〜2,000 重量部である。
(C)成分が少なすぎても、多すぎても十分な曲げ強度が
得られない。本発明の組成物におけるバインダー樹脂の
配合量は、磁性粉 100重量部当り0.5〜5重量部が好ま
しく、さらには1〜3重量部がより好ましい。
イミド系モノマーとを、触媒存在下で重合又は熱処理等
を行って反応させることにより得られる。この樹脂は、
25℃で固体状のものをそのまま、あるいは例えばジグラ
イムなどの溶剤に分散させた状態で使用する。(C)成分
は (A)成分 100重量部当り40〜2,000 重量部である。
(C)成分が少なすぎても、多すぎても十分な曲げ強度が
得られない。本発明の組成物におけるバインダー樹脂の
配合量は、磁性粉 100重量部当り0.5〜5重量部が好ま
しく、さらには1〜3重量部がより好ましい。
【0018】その他の成分 本発明のボンド磁石用組成物は、上記の磁性粉、バイン
ダー樹脂の他に、必要に応じて、公知のSi系、Ti系又は
Al系のカップリング剤、樹脂硬化剤、硬化促進剤(硬化
触媒)等を1種単独で又は複数組み合わせて添加するこ
とができる。Si系、Ti系及びAl系のカップリング剤とし
ては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、イソプ
ロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピル
トリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、
イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)
チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフ
ァイト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチ
タネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイル
チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォ
ニルチタネート、アセトアルコキシアルミニウムジイソ
プロピレート等が代表的なものとして挙げられる。これ
らを、例えば乾式法、湿式法、インテグラルブレンド法
等により混合することによって、得られるボンド磁石の
基体への密着性を向上させることができる。また、硬化
剤としては、例えば、単一ポリアミン型硬化剤、変性ポ
リアミン型硬化剤、酸無水物型硬化剤、ポリフェノール
型硬化剤、ポリメルカプタン型硬化剤、アニオン重合型
硬化剤、カチオン重合型硬化剤等が挙げられる。硬化促
進剤としては、第3級アミン類、イミダゾール類、有機
金属塩類、塩化物類、有機過酸化物類等が挙げられる。
硬化剤や硬化促進剤は必要に応じて2種以上を組合せて
使用してもよい。
ダー樹脂の他に、必要に応じて、公知のSi系、Ti系又は
Al系のカップリング剤、樹脂硬化剤、硬化促進剤(硬化
触媒)等を1種単独で又は複数組み合わせて添加するこ
とができる。Si系、Ti系及びAl系のカップリング剤とし
ては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、イソプ
ロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピル
トリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、
イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)
チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフ
ァイト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチ
タネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイル
チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォ
ニルチタネート、アセトアルコキシアルミニウムジイソ
プロピレート等が代表的なものとして挙げられる。これ
らを、例えば乾式法、湿式法、インテグラルブレンド法
等により混合することによって、得られるボンド磁石の
基体への密着性を向上させることができる。また、硬化
剤としては、例えば、単一ポリアミン型硬化剤、変性ポ
リアミン型硬化剤、酸無水物型硬化剤、ポリフェノール
型硬化剤、ポリメルカプタン型硬化剤、アニオン重合型
硬化剤、カチオン重合型硬化剤等が挙げられる。硬化促
進剤としては、第3級アミン類、イミダゾール類、有機
金属塩類、塩化物類、有機過酸化物類等が挙げられる。
硬化剤や硬化促進剤は必要に応じて2種以上を組合せて
使用してもよい。
【0019】組成物の調製 本発明の組成物は各所要成分を混合することにより得ら
れる。混合方法は特に限定されず、例えば、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に上述の樹脂その他の有機成分を
溶解し、磁性粉と混合した後、乾燥し組成物を得る湿式
法、例えばリボンブレンダー、タンブラー、ナウターミ
キサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混
合機中で所要成分を一括混合する乾式法等のいずれでも
よい。こうして得られる組成物は、流動性の高いパウダ
ー状である。
れる。混合方法は特に限定されず、例えば、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に上述の樹脂その他の有機成分を
溶解し、磁性粉と混合した後、乾燥し組成物を得る湿式
法、例えばリボンブレンダー、タンブラー、ナウターミ
キサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混
合機中で所要成分を一括混合する乾式法等のいずれでも
よい。こうして得られる組成物は、流動性の高いパウダ
ー状である。
【0020】ボンド磁石の製造 磁石の製造は、得られた組成物を各種の圧縮成形装置に
よりプレス成形した後、加熱処理を施してバインダー樹
脂を硬化させる。その後磁場中で着磁することによりボ
ンド磁石が得られる。組成物のプレス成形は、通常、4
〜8t/cm2 の圧力下で行い、バインダー樹脂の硬化は 1
20〜190 ℃程度の温度で 0.5〜3時間程度加熱すればよ
い。
よりプレス成形した後、加熱処理を施してバインダー樹
脂を硬化させる。その後磁場中で着磁することによりボ
ンド磁石が得られる。組成物のプレス成形は、通常、4
〜8t/cm2 の圧力下で行い、バインダー樹脂の硬化は 1
20〜190 ℃程度の温度で 0.5〜3時間程度加熱すればよ
い。
【0021】用途 本発明の組成物を硬化して得られるボンド磁石は、一般
家電製品、通信機器、音響機器、医療機器、一般産業機
器に到る広範囲の分野で有用である。
家電製品、通信機器、音響機器、医療機器、一般産業機
器に到る広範囲の分野で有用である。
【0022】
【作用】本発明の組成物に使用されるバインダー樹脂
は、エポキシ樹脂(A) 、ポリビニルアセタール樹脂(B)
及びイミドシリコーン樹脂(C) からなるが、これら樹脂
のそれぞれが単独で使用された場合に比べて、硬化させ
た時により高い架橋率が得られるとともに、磁性粉と樹
脂相の接着強度が著しく増すため、従来の樹脂量より少
ない樹脂量でも優れた曲げ強度が得られるものと考えら
れる。また、 (A)〜(C) の樹脂のいずれもが25℃におい
て固体状であるため組成物は粘着性がなく、良好な粉体
流動性を示す。
は、エポキシ樹脂(A) 、ポリビニルアセタール樹脂(B)
及びイミドシリコーン樹脂(C) からなるが、これら樹脂
のそれぞれが単独で使用された場合に比べて、硬化させ
た時により高い架橋率が得られるとともに、磁性粉と樹
脂相の接着強度が著しく増すため、従来の樹脂量より少
ない樹脂量でも優れた曲げ強度が得られるものと考えら
れる。また、 (A)〜(C) の樹脂のいずれもが25℃におい
て固体状であるため組成物は粘着性がなく、良好な粉体
流動性を示す。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
説明する。
【0024】材料 磁性粉 磁性粉I:Nd−Fe−B系磁石粉(商品名:MQP−B、
米国ゼネラルモーターズ社製) 異方性磁場:70.4kOe 磁性粉II:Sm−Co5 系磁性粉(商品名: RCo5 合金、住
友金属鉱山(株)製) 異方性磁場: 246kOe 、平均粒径10μm エポキシ樹脂 エポキシ樹脂I:クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、25℃で固体。(商品名:EOCN−1025、日本化薬株式
会社製) エポキシ樹脂II:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、25
℃で液状(商品名:エピコート828 、油化シェルエポキ
シ株式会社製) イミドシリコーン樹脂 スミレジンエクセル CRC−7030 M−40(商品名:住友ベ
ークライト(株)製)25℃で固体。 ポリビニルホルマール樹脂 PVF I :平均重合度約 450のポリビニルホルマール樹
脂、25℃で固体。デンカホルマール♯20(商品名、電気
化学工業(株)製) PVF II:平均重合度約 950のポリビニルホルマール樹
脂、25℃で固体。デンカホルマール♯200 (商品名、電
気化学工業(株)製) ポリビニルブチラール樹脂 PVB I :平均重合度 800のポリビニルブチラール樹
脂、25℃で固体。(商品名:♯2000L 、電気化学工業
(株)製) PVB II :平均重合度 2,000のポリビニルブチラール樹
脂、25℃で固体。(商品名:♯5000A 、電気化学工業
(株)製) 硬化剤:ジシアンジアミド 但し、バインダー樹脂がイミドシリコーン樹脂を含まな
い場合のみ使用した。 硬化促進剤:3−ヒドロキシピリジン(関東化学
(株)製) 但し、バインダー樹脂がイミドシリコーン樹脂を含まな
い場合にのみ使用した。
米国ゼネラルモーターズ社製) 異方性磁場:70.4kOe 磁性粉II:Sm−Co5 系磁性粉(商品名: RCo5 合金、住
友金属鉱山(株)製) 異方性磁場: 246kOe 、平均粒径10μm エポキシ樹脂 エポキシ樹脂I:クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、25℃で固体。(商品名:EOCN−1025、日本化薬株式
会社製) エポキシ樹脂II:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、25
℃で液状(商品名:エピコート828 、油化シェルエポキ
シ株式会社製) イミドシリコーン樹脂 スミレジンエクセル CRC−7030 M−40(商品名:住友ベ
ークライト(株)製)25℃で固体。 ポリビニルホルマール樹脂 PVF I :平均重合度約 450のポリビニルホルマール樹
脂、25℃で固体。デンカホルマール♯20(商品名、電気
化学工業(株)製) PVF II:平均重合度約 950のポリビニルホルマール樹
脂、25℃で固体。デンカホルマール♯200 (商品名、電
気化学工業(株)製) ポリビニルブチラール樹脂 PVB I :平均重合度 800のポリビニルブチラール樹
脂、25℃で固体。(商品名:♯2000L 、電気化学工業
(株)製) PVB II :平均重合度 2,000のポリビニルブチラール樹
脂、25℃で固体。(商品名:♯5000A 、電気化学工業
(株)製) 硬化剤:ジシアンジアミド 但し、バインダー樹脂がイミドシリコーン樹脂を含まな
い場合のみ使用した。 硬化促進剤:3−ヒドロキシピリジン(関東化学
(株)製) 但し、バインダー樹脂がイミドシリコーン樹脂を含まな
い場合にのみ使用した。
【0025】組成物の調製 表1〜表6に示すように、各実施例及び比較例におい
て、磁性粉 100重量部に表に示した樹脂を表示の量配合
した。樹脂分がエポキシ樹脂のみである比較例では、総
樹脂量に対して3重量%量の硬化促進剤と、エポキシ樹
脂の10重量%量の硬化剤とを、ジグライム又はメチルエ
チルケトンで10倍希釈した溶液の状態で添加した。混合
撹拌した後、30℃において減圧(10-1Torr)下でメチル
エチルケトンを完全に揮散させて組成物を得た。実施例
及び比較例1〜5、8〜12において得られた組成物はサ
ラサラしたものであったが、比較例6、7、13、14のも
のは、凝集し易い粘着性を示した。各組成物の粉体流動
特性を次のようにして評価した。結果を表1〜表6に示
す。
て、磁性粉 100重量部に表に示した樹脂を表示の量配合
した。樹脂分がエポキシ樹脂のみである比較例では、総
樹脂量に対して3重量%量の硬化促進剤と、エポキシ樹
脂の10重量%量の硬化剤とを、ジグライム又はメチルエ
チルケトンで10倍希釈した溶液の状態で添加した。混合
撹拌した後、30℃において減圧(10-1Torr)下でメチル
エチルケトンを完全に揮散させて組成物を得た。実施例
及び比較例1〜5、8〜12において得られた組成物はサ
ラサラしたものであったが、比較例6、7、13、14のも
のは、凝集し易い粘着性を示した。各組成物の粉体流動
特性を次のようにして評価した。結果を表1〜表6に示
す。
【0026】粉体流動特性の評価:組成物を金型(外径
20mmφ、内径18mmφ、深さ35mm)へ給粉し擦切った後、
金型内の粉末量を秤量した。給粉量が2g以上が○、2
g未満が×と評価した。
20mmφ、内径18mmφ、深さ35mm)へ給粉し擦切った後、
金型内の粉末量を秤量した。給粉量が2g以上が○、2
g未満が×と評価した。
【0027】磁石の製造、評価 上で得られた、各実施例、比較例の組成物をプレス金型
中に供給し、成形面圧5.7トン/cm2 でプレス成形し
(但し、SmCo5 磁性粉を使用した場合のみ磁場中成形を
おこなった)、縦80mm×横10mm×厚さ4mmの圧粉体から
なる板状試料を得た。ついで、該板状試料をそれぞれ大
気中、 185℃で3時間熱処理し、試料中のバインダー樹
脂を硬化させ、ボンド磁石試料を得た。これらの試料の
曲げ強度及び磁気特性をそれぞれ下記の方法で評価し
た。結果を表1〜表6に示す。
中に供給し、成形面圧5.7トン/cm2 でプレス成形し
(但し、SmCo5 磁性粉を使用した場合のみ磁場中成形を
おこなった)、縦80mm×横10mm×厚さ4mmの圧粉体から
なる板状試料を得た。ついで、該板状試料をそれぞれ大
気中、 185℃で3時間熱処理し、試料中のバインダー樹
脂を硬化させ、ボンド磁石試料を得た。これらの試料の
曲げ強度及び磁気特性をそれぞれ下記の方法で評価し
た。結果を表1〜表6に示す。
【0028】曲げ強度:ASTM D-790に準じ曲げ強度を求
め評価した。
め評価した。
【0029】磁気特性:チオフィー型自記磁束計にて常
温で測定した。
温で測定した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ボンド磁石用組成物は、得られる磁石の磁気特性と曲げ
強度が優れているばかりでなく、粉体流動特性も良好で
あるため、成形作業性が良好で高い生産性を実現でき、
量産に適している。
ボンド磁石用組成物は、得られる磁石の磁気特性と曲げ
強度が優れているばかりでなく、粉体流動特性も良好で
あるため、成形作業性が良好で高い生産性を実現でき、
量産に適している。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A) 25℃において固体状のエポキシ樹
脂、(B) 25℃において固体状のポリビニルアセタール樹
脂、及び(C) 25℃において固体状のイミドシリコーン樹
脂、を含有してなる樹脂バインダーと、異方性磁場が50
kOe 以上の磁性粉末とを含有してなるボンド磁石用組成
物。 - 【請求項2】 請求項1の組成物であって、前記の樹脂
バインダーが (A)成分 100重量部当り (B)成分 0.2〜60
0 重量部、 (C)成分40〜2,000 重量部を含有してなり、
該樹脂バインダーが前記の磁性粉末 100重量部当り 0.5
〜5重量部である組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の組成物を硬化さ
せることにより得られたボンド磁石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4155873A JPH05326226A (ja) | 1992-05-22 | 1992-05-22 | ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4155873A JPH05326226A (ja) | 1992-05-22 | 1992-05-22 | ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05326226A true JPH05326226A (ja) | 1993-12-10 |
Family
ID=15615374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4155873A Pending JPH05326226A (ja) | 1992-05-22 | 1992-05-22 | ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05326226A (ja) |
-
1992
- 1992-05-22 JP JP4155873A patent/JPH05326226A/ja active Pending
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