JPH0536509A - ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 - Google Patents
ボンド磁石用組成物及びボンド磁石Info
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- JPH0536509A JPH0536509A JP3210314A JP21031491A JPH0536509A JP H0536509 A JPH0536509 A JP H0536509A JP 3210314 A JP3210314 A JP 3210314A JP 21031491 A JP21031491 A JP 21031491A JP H0536509 A JPH0536509 A JP H0536509A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 25℃において固形状のエポキシ樹脂5〜50重
量%と、残部25℃において固形状のビスマレイミド/ト
リアジン樹脂とからなる樹脂バインダーおよび異方性磁
場が50kOe 以上の磁性粉末とから構成されるボンド磁石
用組成物、および該組成物を硬化させることにより得ら
れるボンド磁石。 【効果】 得られる磁石の磁気特性と耐曲げ強度が優れ
ているばかりでなく、粉体流動特性も良好であるため、
成形作業性が良好で高い生産性を実現でき、量産に適し
ている。
量%と、残部25℃において固形状のビスマレイミド/ト
リアジン樹脂とからなる樹脂バインダーおよび異方性磁
場が50kOe 以上の磁性粉末とから構成されるボンド磁石
用組成物、および該組成物を硬化させることにより得ら
れるボンド磁石。 【効果】 得られる磁石の磁気特性と耐曲げ強度が優れ
ているばかりでなく、粉体流動特性も良好であるため、
成形作業性が良好で高い生産性を実現でき、量産に適し
ている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気特性及び耐曲げ強
度に優れたボンド磁石を与える組成物に関する。
度に優れたボンド磁石を与える組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類系永久磁石は、その優れた磁気特
性から一般家電製品や通信・音響機器、医療機器、一般
産業機器にいたる幅広い分野で応用されつつある。その
中でボンドタイプの磁石は、磁性粉に樹脂バインダーを
配合して成形するものであるため、焼結タイプの磁石に
比べ、(1) 寸法精度が高く複雑な形状に形成することが
できる、(2) 品質、性能の均一性が高い、(3) 歩留まり
が良く、機械加工性が良好である、等の利点がある。更
に、近年、小型モーター、音響機器、OA機器等に用い
られるボンド磁石は、機器の小型化の要請から磁気特性
が高いこととともに、組立時に割れたり欠けたりしない
機械的強度、特に耐曲げ強度に優れたものが要求されて
いる。しかし、樹脂バインダーの配合比率を高めるとそ
れに比例して磁性粉の比率が低下するので磁石の磁気特
性が低下するという欠点がある。
性から一般家電製品や通信・音響機器、医療機器、一般
産業機器にいたる幅広い分野で応用されつつある。その
中でボンドタイプの磁石は、磁性粉に樹脂バインダーを
配合して成形するものであるため、焼結タイプの磁石に
比べ、(1) 寸法精度が高く複雑な形状に形成することが
できる、(2) 品質、性能の均一性が高い、(3) 歩留まり
が良く、機械加工性が良好である、等の利点がある。更
に、近年、小型モーター、音響機器、OA機器等に用い
られるボンド磁石は、機器の小型化の要請から磁気特性
が高いこととともに、組立時に割れたり欠けたりしない
機械的強度、特に耐曲げ強度に優れたものが要求されて
いる。しかし、樹脂バインダーの配合比率を高めるとそ
れに比例して磁性粉の比率が低下するので磁石の磁気特
性が低下するという欠点がある。
【0003】こうした、磁石としての磁気特性の向上と
機械的強度の向上という相反しがちな要求を満たすもの
として、常温で液状のエポキシ樹脂をバインダーとして
使用してプレス成形することが提案されている。すなわ
ち、該エポキシ樹脂を使用すると樹脂の比率を低く抑え
て磁石の磁気特性の向上を図っても耐曲げ強度を高く維
持することができる。
機械的強度の向上という相反しがちな要求を満たすもの
として、常温で液状のエポキシ樹脂をバインダーとして
使用してプレス成形することが提案されている。すなわ
ち、該エポキシ樹脂を使用すると樹脂の比率を低く抑え
て磁石の磁気特性の向上を図っても耐曲げ強度を高く維
持することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、常温で
液状のエポキシ樹脂をバインダーに使用すると、著しく
粉体流動特性が低下してプレス成形が困難となり易く、
量産性が大きく損なわれる、という別の新たな問題が生
じている。
液状のエポキシ樹脂をバインダーに使用すると、著しく
粉体流動特性が低下してプレス成形が困難となり易く、
量産性が大きく損なわれる、という別の新たな問題が生
じている。
【0005】そこで、本発明の課題は、上記の事情に鑑
み、バインダー樹脂の比率を低く抑えても、得られる磁
石の磁気特性と耐曲げ強度が優れているばかりでなく、
粉体流動特性も良好であるボンド磁石用組成物及び該組
成物により得られるボンド磁石を提供することにある。
み、バインダー樹脂の比率を低く抑えても、得られる磁
石の磁気特性と耐曲げ強度が優れているばかりでなく、
粉体流動特性も良好であるボンド磁石用組成物及び該組
成物により得られるボンド磁石を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために、ボンド磁石のバインダーとして使用
される樹脂について種々検討を行った結果、下記の組成
により目的とするボンド磁石用組成物が得られることを
見いだし、本発明を完成した。
を達成するために、ボンド磁石のバインダーとして使用
される樹脂について種々検討を行った結果、下記の組成
により目的とするボンド磁石用組成物が得られることを
見いだし、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、25℃において固形状のエ
ポキシ樹脂5〜50重量%と、残部25℃において固形状の
ビスマレイミド/トリアジン樹脂とからなる樹脂バイン
ダーおよび異方性磁場が50kOe 以上の磁性粉末とを含有
してなるボンド磁石用組成物を提供するものである。以
下、本発明を詳細に説明する。
ポキシ樹脂5〜50重量%と、残部25℃において固形状の
ビスマレイミド/トリアジン樹脂とからなる樹脂バイン
ダーおよび異方性磁場が50kOe 以上の磁性粉末とを含有
してなるボンド磁石用組成物を提供するものである。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0008】磁性粉末
本発明で使用する磁性粉末は、異方性磁場(HA ) が、50
kOe 以上の磁性粉末であれば特に制約なく使用すること
ができる。したがって、この条件を満たす限り、通常ボ
ンド磁石に用いられている磁性粉を使用でき、例えば、
SmCo5 、Sm2 (CoFeZrV) 17等の希土類コバルト系、Nd−
Fe−Co−B系、Nd−Dy−Fe−B系、Nd−Fe−B系等の希
土類−鉄−ホウ素系、Sm−Fe−N系、Nd−Fe−Ti−N
系、Nd−Fe−V−N系などの磁性粉が挙げられる。
kOe 以上の磁性粉末であれば特に制約なく使用すること
ができる。したがって、この条件を満たす限り、通常ボ
ンド磁石に用いられている磁性粉を使用でき、例えば、
SmCo5 、Sm2 (CoFeZrV) 17等の希土類コバルト系、Nd−
Fe−Co−B系、Nd−Dy−Fe−B系、Nd−Fe−B系等の希
土類−鉄−ホウ素系、Sm−Fe−N系、Nd−Fe−Ti−N
系、Nd−Fe−V−N系などの磁性粉が挙げられる。
【0009】上記ボンド磁石組成物において、磁性粉と
して上で例示した希土類−鉄−ホウ素系の場合は、液体
急冷法による合金粉末の使用が特に好ましい。即ち、液
体急冷法によれば、所要組成の合金を高周波誘導加熱等
の方法によって溶解し、得られた溶湯を高速回転する銅
またはアルミ製のロールに吹き付けて急冷し、厚さ数十
ミクロンのリボンとする。このリボンに適当な熱処理を
施して、例えば平均結晶粒径をが3000Å以下とした後
に、スタンプミル、ボールミル等による乾式あるいは湿
式粉砕に付することにより磁性粉が得られる。磁石粉の
粒径は、通常、35メッシュ(JIS )以下が好ましい。
して上で例示した希土類−鉄−ホウ素系の場合は、液体
急冷法による合金粉末の使用が特に好ましい。即ち、液
体急冷法によれば、所要組成の合金を高周波誘導加熱等
の方法によって溶解し、得られた溶湯を高速回転する銅
またはアルミ製のロールに吹き付けて急冷し、厚さ数十
ミクロンのリボンとする。このリボンに適当な熱処理を
施して、例えば平均結晶粒径をが3000Å以下とした後
に、スタンプミル、ボールミル等による乾式あるいは湿
式粉砕に付することにより磁性粉が得られる。磁石粉の
粒径は、通常、35メッシュ(JIS )以下が好ましい。
【0010】バインダー樹脂
バインダー樹脂の一成分として使用されるビスマレイミ
ド/トリアジン樹脂は、ビスマレイミド類とトリアジン
類の2成分を主成分とする分子内にイミド基を有する熱
硬化性ポリイミド樹脂の一種として公知である。この樹
脂は、25℃で固形状(粉末状を含む)のもの、液状のも
のが存在するが、本発明では固形状のものをそのまま、
あるいは例えばメチルエチルケトン、ジメチルフォルム
アミドなどの溶剤に溶かされた状態で使用する。このよ
うなビスマレイミド/トリアジン樹脂は、例えば三菱瓦
斯化学(株)より商品名BTレジンで販売されているもの
を使用してもよい。
ド/トリアジン樹脂は、ビスマレイミド類とトリアジン
類の2成分を主成分とする分子内にイミド基を有する熱
硬化性ポリイミド樹脂の一種として公知である。この樹
脂は、25℃で固形状(粉末状を含む)のもの、液状のも
のが存在するが、本発明では固形状のものをそのまま、
あるいは例えばメチルエチルケトン、ジメチルフォルム
アミドなどの溶剤に溶かされた状態で使用する。このよ
うなビスマレイミド/トリアジン樹脂は、例えば三菱瓦
斯化学(株)より商品名BTレジンで販売されているもの
を使用してもよい。
【0011】バインダー樹脂の他方の成分であるエポキ
シ樹脂としては、25℃において固形状(粉末状を含む)
であれば特に制約なく使用することができ、例えばグリ
ジルエーテル型エポキシ樹脂、グリジルエステル型エポ
キシ樹脂、グリジルアミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族
エポキサイド型エポキシ樹脂、脂肪族エポキサイド型エ
ポキシ樹脂等挙げられ、これらは単独でも2種類以上を
組み合わせても使用することができる。
シ樹脂としては、25℃において固形状(粉末状を含む)
であれば特に制約なく使用することができ、例えばグリ
ジルエーテル型エポキシ樹脂、グリジルエステル型エポ
キシ樹脂、グリジルアミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族
エポキサイド型エポキシ樹脂、脂肪族エポキサイド型エ
ポキシ樹脂等挙げられ、これらは単独でも2種類以上を
組み合わせても使用することができる。
【0012】バインダー樹脂中のビスマレイミド/トリ
アジン樹脂とエポキシ樹脂の配合は、エポキシ樹脂の量
が総樹脂量の5重量%〜50重量%、好ましくは10〜40重
量%であり、残部がビスマレイミド/トリアジン樹脂で
ある。エポキシ樹脂の量が5重量%より少ない場合、50
重量%より多い場合のいずれにおいても、充分な耐曲げ
強度(例えば前述の用途の場合、5kg/mm2 以上)が得
難い。本発明の組成物におけるバインダー樹脂の配合量
は、磁性粉 100重量部当り 0.5〜5重量部が好ましく、
さらには 0.8〜3重量部がより好ましい。
アジン樹脂とエポキシ樹脂の配合は、エポキシ樹脂の量
が総樹脂量の5重量%〜50重量%、好ましくは10〜40重
量%であり、残部がビスマレイミド/トリアジン樹脂で
ある。エポキシ樹脂の量が5重量%より少ない場合、50
重量%より多い場合のいずれにおいても、充分な耐曲げ
強度(例えば前述の用途の場合、5kg/mm2 以上)が得
難い。本発明の組成物におけるバインダー樹脂の配合量
は、磁性粉 100重量部当り 0.5〜5重量部が好ましく、
さらには 0.8〜3重量部がより好ましい。
【0013】その他の成分
本発明のボンド磁石用組成物は、上記の磁性粉、バイン
ダー樹脂の他に、必要に応じて、公知のSi系、Ti系また
はAl系の化学結合型表面処理剤、樹脂硬化剤、硬化促進
剤(硬化触媒)等を1種単独または複数組み合わせて添
加することができる。Si系、Ti系及びAl系の化学結合型
表面処理剤(カップリング剤)としては、例えば、ビニ
ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロ
イルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−
アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオク
チルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イ
ソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピル
ジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、アセト
アルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が代表的
なものとして挙げられる。これらを、例えば乾式法、湿
式法、インテグラルブレンド法等により混合することに
よって、磁性粉のバインダー樹脂への密着性を向上させ
ることができる。また、樹脂硬化剤としては、例えば、
単一ポリアミン型硬化剤、変性ポリアミン型硬化剤、酸
無水物型硬化剤、ポリフェノール型硬化剤、ポリメルカ
プタン型硬化剤、アニオン重合型硬化剤、カチオン重合
型硬化剤等が挙げられる。硬化促進剤としては、第3級
アミン類、イミダゾール類、有機金属塩類、塩化物類、
有機過酸化物類等が挙げられる。樹脂硬化剤や硬化促進
剤は必要に応じて2種以上を組合せて使用してもよい。
ダー樹脂の他に、必要に応じて、公知のSi系、Ti系また
はAl系の化学結合型表面処理剤、樹脂硬化剤、硬化促進
剤(硬化触媒)等を1種単独または複数組み合わせて添
加することができる。Si系、Ti系及びAl系の化学結合型
表面処理剤(カップリング剤)としては、例えば、ビニ
ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロ
イルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−
アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオク
チルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イ
ソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピル
ジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、アセト
アルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が代表的
なものとして挙げられる。これらを、例えば乾式法、湿
式法、インテグラルブレンド法等により混合することに
よって、磁性粉のバインダー樹脂への密着性を向上させ
ることができる。また、樹脂硬化剤としては、例えば、
単一ポリアミン型硬化剤、変性ポリアミン型硬化剤、酸
無水物型硬化剤、ポリフェノール型硬化剤、ポリメルカ
プタン型硬化剤、アニオン重合型硬化剤、カチオン重合
型硬化剤等が挙げられる。硬化促進剤としては、第3級
アミン類、イミダゾール類、有機金属塩類、塩化物類、
有機過酸化物類等が挙げられる。樹脂硬化剤や硬化促進
剤は必要に応じて2種以上を組合せて使用してもよい。
【0014】組成物の調製・ボンド磁石の製造
本発明の組成物は各所要成分を混合することにより得ら
れる。混合方法は特に限定されず、例えば、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に有機物成分を溶解し、磁性粉と
混合した後、乾燥し組成物を得る湿式法、例えばリボン
ブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェ
ルミキサー、スーパーミキサー等の混合機中で所要成分
を一括混合する乾式法等のいずれでもよい。こうして得
られる組成物は、流動性の高いパウダー状である。
れる。混合方法は特に限定されず、例えば、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に有機物成分を溶解し、磁性粉と
混合した後、乾燥し組成物を得る湿式法、例えばリボン
ブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェ
ルミキサー、スーパーミキサー等の混合機中で所要成分
を一括混合する乾式法等のいずれでもよい。こうして得
られる組成物は、流動性の高いパウダー状である。
【0015】磁石の製造は、得られた組成物を各種の圧
縮成形装置によりプレス成形した後、加熱処理を施して
バインダー樹脂を硬化させる。その後磁場中で着磁する
ことによりボンド磁石が得られる。組成物のプレス成形
は、通常、2〜15t/cm2 の圧力下で行い、バインダー樹
脂の硬化は 150〜220 ℃程度の温度で 0.5〜5時間程度
加熱すればよい。
縮成形装置によりプレス成形した後、加熱処理を施して
バインダー樹脂を硬化させる。その後磁場中で着磁する
ことによりボンド磁石が得られる。組成物のプレス成形
は、通常、2〜15t/cm2 の圧力下で行い、バインダー樹
脂の硬化は 150〜220 ℃程度の温度で 0.5〜5時間程度
加熱すればよい。
【0016】
【作用】本発明の組成物ではバインダー樹脂として、エ
ポキシ樹脂とビスマレイミド/トリアジン樹脂の特定比
率の混合物が使用されるため、これら樹脂のそれぞれが
単独で使用された場合に比べて、硬化させた時により高
い架橋率が得られるとともに、磁性粉と樹脂相の接着強
度が著しく増すため、従来の樹脂量より少ない樹脂量で
も優れた耐曲げ強度が得られるものと考えられる。ま
た、25℃において固形状のエポキシ樹脂およびビスマレ
イミド/トリアジン樹脂を使用するため、組成物は粘着
性がなく、良好な粉体流動性を示す。
ポキシ樹脂とビスマレイミド/トリアジン樹脂の特定比
率の混合物が使用されるため、これら樹脂のそれぞれが
単独で使用された場合に比べて、硬化させた時により高
い架橋率が得られるとともに、磁性粉と樹脂相の接着強
度が著しく増すため、従来の樹脂量より少ない樹脂量で
も優れた耐曲げ強度が得られるものと考えられる。ま
た、25℃において固形状のエポキシ樹脂およびビスマレ
イミド/トリアジン樹脂を使用するため、組成物は粘着
性がなく、良好な粉体流動性を示す。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
説明する。
【0018】材料
磁性粉
磁性粉1:Nd−Fe−B系磁石粉(商品名: MQP−B、米
国ゼネラルモーターズ社製) 異方性磁場:70.4kOe 磁性粉2:Sm−Co5 系磁性粉(商品名: RCo5 合金、住
友金属鉱山(株)製) 異方性磁場: 246kOe 、平均粒径10μm エポキシ樹脂 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 25℃で固形 (商品名:EOCN−1025、日本化薬株式会社製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 25℃で固形 (商品名:EPPN−201 、日本化薬株式会社製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 25℃で固形 (商品名:エピコート1001、油化シェルエポキシ株式会
社製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 25℃で液状 (商品名:エピコート828 、油化シェルエポキシ株式会
社製) ビスマレイミド/トリアジン樹脂 BT樹脂(1) 25℃で固形(商品名:BT−2100、三菱瓦斯化
学(株)製) BT樹脂(2) 25℃で固形(商品名:BT−2170、三菱瓦斯化
学(株)製) BT樹脂(3) 25℃で粉体(商品名:BT−4480、三菱瓦斯化
学(株)製) BT樹脂(4) 25℃で液体(商品名:BT−3109、三菱瓦斯化
学(株)製) 硬化促進剤 3−ヒドロキシピリジン(関東化学(株)製)
国ゼネラルモーターズ社製) 異方性磁場:70.4kOe 磁性粉2:Sm−Co5 系磁性粉(商品名: RCo5 合金、住
友金属鉱山(株)製) 異方性磁場: 246kOe 、平均粒径10μm エポキシ樹脂 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 25℃で固形 (商品名:EOCN−1025、日本化薬株式会社製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 25℃で固形 (商品名:EPPN−201 、日本化薬株式会社製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 25℃で固形 (商品名:エピコート1001、油化シェルエポキシ株式会
社製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 25℃で液状 (商品名:エピコート828 、油化シェルエポキシ株式会
社製) ビスマレイミド/トリアジン樹脂 BT樹脂(1) 25℃で固形(商品名:BT−2100、三菱瓦斯化
学(株)製) BT樹脂(2) 25℃で固形(商品名:BT−2170、三菱瓦斯化
学(株)製) BT樹脂(3) 25℃で粉体(商品名:BT−4480、三菱瓦斯化
学(株)製) BT樹脂(4) 25℃で液体(商品名:BT−3109、三菱瓦斯化
学(株)製) 硬化促進剤 3−ヒドロキシピリジン(関東化学(株)製)
【0019】組成物の調製
表1〜表5に示すように、各実施例および比較例におい
て、磁性粉 100重量部に表に示した樹脂を表示の量配合
し、さらに樹脂総量に対して3重量%量の硬化促進剤を
メチルエチルケトンで10倍希釈した溶液として添加し
た。混合撹拌した後、30℃において減圧(10-1Torr)下
でメチルエチルケトンを完全に揮散させて組成物を得
た。但し、比較例1, 2及び5では、硬化剤としてジシ
アンジアミドをエポキシ樹脂の10重量%添加した。実施
例および比較例1〜4において得られた組成物はサラサ
ラしたものであったが、比較例5, 6のものは、凝集し
易い粘着性を示した。各組成物の粉体流動特性を次のよ
うにして評価した。結果を表1〜表5に示す。
て、磁性粉 100重量部に表に示した樹脂を表示の量配合
し、さらに樹脂総量に対して3重量%量の硬化促進剤を
メチルエチルケトンで10倍希釈した溶液として添加し
た。混合撹拌した後、30℃において減圧(10-1Torr)下
でメチルエチルケトンを完全に揮散させて組成物を得
た。但し、比較例1, 2及び5では、硬化剤としてジシ
アンジアミドをエポキシ樹脂の10重量%添加した。実施
例および比較例1〜4において得られた組成物はサラサ
ラしたものであったが、比較例5, 6のものは、凝集し
易い粘着性を示した。各組成物の粉体流動特性を次のよ
うにして評価した。結果を表1〜表5に示す。
【0020】粉体流動特性の評価:組成物を金型(外径
20mmφ、内径18mmφ、深さ35mm)へ給粉し擦切った後、
金型内の粉末量を秤量した。給粉量が3g以上が○、2
g以上3g未満が△、2g未満が×と評価した。
20mmφ、内径18mmφ、深さ35mm)へ給粉し擦切った後、
金型内の粉末量を秤量した。給粉量が3g以上が○、2
g以上3g未満が△、2g未満が×と評価した。
【0021】磁石の製造、評価
上で得られた、各実施例、比較例の組成物をプレス金型
中に供給し、成形面圧7トン/cm2 でプレス成形し(但
し、実施例6のSmCo5 磁性粉を使用した場合のみ磁場中
成形をおこなった)、縦80mm×横10mm×厚さ4mmの板状
試料を得た。ついで、該板状ボンド磁石用組成物試料を
それぞれ大気中、 185℃で3時間熱処理し、試料中のバ
インダー樹脂を硬化させ、ボンド磁石試料を得た。これ
らの試料の曲げ強度および磁気特性をそれぞれ下記の方
法で評価した。結果を表1〜表5に示す。
中に供給し、成形面圧7トン/cm2 でプレス成形し(但
し、実施例6のSmCo5 磁性粉を使用した場合のみ磁場中
成形をおこなった)、縦80mm×横10mm×厚さ4mmの板状
試料を得た。ついで、該板状ボンド磁石用組成物試料を
それぞれ大気中、 185℃で3時間熱処理し、試料中のバ
インダー樹脂を硬化させ、ボンド磁石試料を得た。これ
らの試料の曲げ強度および磁気特性をそれぞれ下記の方
法で評価した。結果を表1〜表5に示す。
【0022】曲げ強度:ASTM D−790 に準じ曲げ
強度を求め評価した。
強度を求め評価した。
【0023】磁気特性:チオフィー型自記磁束計にて常
温で測定した。
温で測定した。
【0024】なお、表1に示す実施例1〜5では、総樹
脂量を磁性粉 100重量部当り1重量部とし、エポキシ樹
脂とビスマレイミド/トリアジン樹脂との比率が異なる
場合を示す。エポキシ樹脂が磁性粉に対し10〜50重量%
の範囲において、5kg/mm2 以上の曲げ強度が達成され
た。表2に示す実施例6は磁性粉としてSm−Co系を使用
した場合である。表3に示す実施例7、8はエポキシ樹
脂の種類が異なる場合を示す。表4に示す実施例9〜1
1、比較例6はビスマレイミド/トリアジン樹脂の種類
が異なる場合を示す。表5に示す比較例1〜5はその他
本発明の条件が満たされない場合を示す。
脂量を磁性粉 100重量部当り1重量部とし、エポキシ樹
脂とビスマレイミド/トリアジン樹脂との比率が異なる
場合を示す。エポキシ樹脂が磁性粉に対し10〜50重量%
の範囲において、5kg/mm2 以上の曲げ強度が達成され
た。表2に示す実施例6は磁性粉としてSm−Co系を使用
した場合である。表3に示す実施例7、8はエポキシ樹
脂の種類が異なる場合を示す。表4に示す実施例9〜1
1、比較例6はビスマレイミド/トリアジン樹脂の種類
が異なる場合を示す。表5に示す比較例1〜5はその他
本発明の条件が満たされない場合を示す。
【0025】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ボンド磁石用組成物は、得られる磁石の磁気特性と耐曲
げ強度が優れているばかりでなく、粉体流動特性も良好
であるため、成形作業性が良好で高い生産性を実現で
き、量産に適している。一般家電製品、通信・音響機
器、医療機器、一般産業機器にいたる幅広い分野で、そ
の利用範囲の拡大が期待される。
ボンド磁石用組成物は、得られる磁石の磁気特性と耐曲
げ強度が優れているばかりでなく、粉体流動特性も良好
であるため、成形作業性が良好で高い生産性を実現で
き、量産に適している。一般家電製品、通信・音響機
器、医療機器、一般産業機器にいたる幅広い分野で、そ
の利用範囲の拡大が期待される。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 槙 孝一郎
千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属
鉱山株式会社中央研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 25℃において固形状のエポキシ樹脂5〜
50重量%と、残部25℃において固形状のビスマレイミド
/トリアジン樹脂とからなる樹脂バインダーおよび異方
性磁場が50kOe 以上の磁性粉末を含有してなるボンド磁
石用組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の組成物を硬化させること
により得られたボンド磁石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3210314A JPH0536509A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3210314A JPH0536509A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0536509A true JPH0536509A (ja) | 1993-02-12 |
Family
ID=16587370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3210314A Pending JPH0536509A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | ボンド磁石用組成物及びボンド磁石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0536509A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10958205B2 (en) | 2017-02-21 | 2021-03-23 | Omron Corporation | Motor control device |
-
1991
- 1991-07-26 JP JP3210314A patent/JPH0536509A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10958205B2 (en) | 2017-02-21 | 2021-03-23 | Omron Corporation | Motor control device |
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