JP2001115125A - ネオジム磁石用接着剤及びモータ - Google Patents

ネオジム磁石用接着剤及びモータ

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JP2001115125A
JP2001115125A JP28177099A JP28177099A JP2001115125A JP 2001115125 A JP2001115125 A JP 2001115125A JP 28177099 A JP28177099 A JP 28177099A JP 28177099 A JP28177099 A JP 28177099A JP 2001115125 A JP2001115125 A JP 2001115125A
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neodymium magnet
epoxy resin
neodymium
magnet
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Takuya Chatani
卓哉 茶谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の機器にネオジム磁石を組み込む際に接
合目的で使用することができ、その際、ネオジム磁石の
耐蝕性の向上のために何らの表面処理工程、特にメッキ
工程又は樹脂被覆工程を行うことを必要としないような
ネオジム磁石用接着剤を提供すること。 【解決手段】 エポキシ樹脂及び固体分散型アミンアダ
クト系硬化剤を組み合わせて含んでなるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一液型エポキシ樹脂
組成物の形をした接着剤組成物に関し、さらに詳しく述
べると、特にネオジム磁石を各種の構造物(以下、「被
着体」と呼ぶ)に接合し、固定する際に有用なネオジム
磁石用接着剤に関する。本発明は、また、このような接
着剤を使用してネオジム磁石を固定する方法及びネオジ
ム磁石を備えたモータに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、現在、各種の永久磁石が
幅広い用途で使用されている。例えば、民生用機器を例
にとってみると、家庭電器製品、オーディオ機器、情報
機器、自動車、通信機器などを挙げることができる。ま
た、永久磁石の高性能化には目ざましいものがあり、最
近において最も高性能な永久磁石は、本発明で対象とし
ている希土類永久磁石、とりわけネオジム磁石である。
ネオジム磁石は、ネオジム(Nd)を主成分とする合
金、例えばNd−Fe−B系合金などの磁気異方性焼結
体からなる永久磁石を指している。ネオジム磁石は、現
在、ボイスコイルモータ(VCM)、ステッピングモー
タ等の回転機などで利用されている。
【0003】ネオジム磁石は、上記したように高性能
(優れた磁気特性等)であり、広範な用途を有するもの
であるが、特開昭63−77104号公報においても開
示されているように、耐蝕性に劣るという欠点がある。
すなわち、ネオジム磁石は、空気中で酸化して次第に安
定な酸化物を生成し易い希土類元素及び鉄を主成分とし
て含有するため、酸化されやすく錆やすいという欠点を
有している。実際に、ネオジム磁石を電気回路に組み込
んだ場合に、磁石表面に生成する酸化物により、磁気回
路の出力低下及び磁気回路間の特性のばらつきを惹起
し、また、表面酸化物の脱落による周辺機器への汚染の
問題があった。
【0004】永久磁石表面における酸化の問題を解決す
るために、無電解メッキ法あるいは電解メッキ法により
耐蝕性金属メッキ層を永久磁石の表面に被覆することも
試みられたけれども、コストが嵩むうえに、永久磁石が
多孔性焼結体からなるため、孔内における微量のメッキ
液の残留に原因した腐食の拡大の問題が新たに発生し
た。
【0005】特開昭63−77104号公報に記載の発
明は、依然として解決されていないネオジム磁石の耐蝕
性の問題を解決するため、ネオジム磁石の組成を特定し
ている。しかし、このようなネオジム磁石でも、それを
例えばモータに使用するためにエポキシ系接着剤を使用
して接着すると、エポキシ系接着剤に主剤として配合さ
れているエポキシ樹脂そのものの組成に由来する塩素が
流出し、ネオジム磁石が錆びてしまうという問題が発生
してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のネオジム磁石で
は、その耐蝕性を高めるためには、上記したように耐蝕
性金属メッキ層あるいは耐蝕性又は耐酸化性樹脂層を磁
石表面に形成する方法以外に適当な方法はなかった。し
かし、いずれの方法も煩雑であり、また、メッキ工程や
樹脂被覆工程に要する労力(作業時間、経費等)は無視
できるものはない。さらに、ネオジム磁石は本来多孔性
の焼結体からなるので、メッキ工程や樹脂被覆工程を湿
式法で実施する限り、その微細な孔内に処理液が侵入す
ることを防止することは不可能であり、したがって、経
時的に引き起こされる磁石の各種の特性に対する悪影響
を回避することができない。さらに、ネオジム磁石をモ
ータ等に使用するためにエポキシ系接着剤を使用する
と、その接着剤に含まれるエポキシ樹脂に由来する塩素
の流出のため、ネオジム磁石の発錆を引き起こしてしま
う。特開昭61−221279号公報に開示されるよう
にナトリウムイオン及び塩素イオンの含有量がそれぞれ
10ppm 以下である高純度のエポキシ系接着剤を使用す
ることや、特開平5−140419号公報に開示される
ように、エポキシ樹脂中に存在する不純イオンや加水分
解性塩素をイオン交換樹脂を使用して捕捉することも提
案されているけれども、どちらも高コストであり、ま
た、ネオジム磁石に関して見た場合、満足し得る程度の
発錆防止効果を示すことができない。
【0007】本発明の目的は、したがって、各種の機器
にネオジム磁石を組み込む際に接着目的で使用すること
ができ、その際、ネオジム磁石を錆びさせることがな
く、また、ネオジム磁石の耐蝕性の向上のために磁石表
面に対して何らの表面処理、特にメッキ又は樹脂被覆を
施すことを必要としないようなネオジム磁石用のエポキ
シ系接着剤を提供すること、ネオジム磁石の固定方法を
提供すること、そしてネオジム磁石を備えたモータを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、ネオジム磁石を被着体に接合するためのもの
であって、エポキシ樹脂及び固体分散型アミンアダクト
系硬化剤を組み合わせて含んでなることを特徴とするネ
オジム磁石用接着剤を提供する。本発明は、そのもう1
つの面において、ネオジム磁石を、エポキシ樹脂及び固
体分散型アミンアダクト系硬化剤を組み合わせて含む接
着剤を使用して被着体に接合し、固定することを特徴と
するネオジム磁石の固定方法を提供する。
【0009】さらに、本発明は、そのもう1つの面にお
いて、エポキシ樹脂及び固体分散型アミンアダクト系硬
化剤を組み合わせて含む接着剤を使用して接合されたネ
オジム磁石を備えてなることを特徴とするモータを提供
する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によるネオジム磁石用接着
剤は、上記したように、エポキシ樹脂及び固体分散型ア
ミンアダクト系硬化剤を組み合わせて含んでなることを
特徴とする、一液型エポキシ樹脂組成物の形をした接着
剤である。本発明の接着剤において主剤として使用され
るエポキシ樹脂は、その純度によって得られる接着剤の
特性などに悪影響がでることがないので、汎用のエポキ
シ樹脂であることができる。すなわち、ここで使用する
エポキシ樹脂は、高純度のエポキシ樹脂(例えば、ナト
リウム及び塩素イオンの含有量がそれぞれ10ppm以下
のエポキシ樹脂)とは区別されるものである。また、本
発明の接着剤は、それに含まれるエポキシ樹脂が汎用の
タイプのものであるにもかかわらず、ネオジム磁石の発
錆を引き起こすことがない。このようなエポキシ樹脂
は、好ましくは、その分子内に2個もしくはそれ以上の
エポキシ基を有するエポキシ樹脂である。このようなエ
ポキシ樹脂としては、例えば、以下に列挙するものに限
定されるわけではないけれども、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノ
ール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などを挙
げることができる。これらのエポキシ樹脂は、単独で使
用してもよく、さもなければ2種類以上のエポキシ樹脂
を組み合わせて使用してもよい。また、必要に応じて、
上記した汎用エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂も併用し
てよい。
【0011】本発明の接着剤では、エポキシ樹脂の硬化
のため、特に固体分散型アミンアダクト系硬化剤を使用
する。この硬化剤は、屡々「潜在的硬化剤」とも呼ばれ
ているように、室温ではエポキシ樹脂に不溶性の固体で
あるが、所定の温度まで加熱された時にエポキシ樹脂に
可溶化して硬化剤としての機能を発現することができる
ような化合物を指している。このような硬化剤は、好ま
しくは、アミン化合物とエポキシ化合物の反応生成物又
はその反応生成物の表面をイソシアネート化合物もしく
は酸性化合物で処理したものである。このような硬化剤
には、例えば、「アミキュアPN−23」、「アミキュ
アPN−H」、「アミキュアPN−31」、「アミキュ
アMY−24」及び「アミキュアMY−H」(商品名、
いずれも味の素ファインテクノ社より商業的に入手可
能)、「ハードナーH−3615S」及び「ハードナー
H−3293S」(商品名、いずれもエー・シー・アー
ル社より商業的に入手可能)、「ノバキュアHX−37
42」(商品名、旭化成社より商業的に入手可能)、
「Ancamine2014AS」及び「Ancami
ne2014FG」(商品名、いずれもパシフィック・
アンカー・ケミカル社より商業的に入手可能)などを挙
げることができる。これらの硬化剤は、単独で使用して
もよく、さもなければ2種類以上の硬化剤を組み合わせ
て使用してもよい。また、必要に応じて、上記した固体
分散型アミンアダクト系硬化剤以外の硬化剤も併用して
よい。
【0012】本発明の接着剤は、好ましくは、上記した
エポキシ樹脂及び固体分散型アミンアダクト系硬化剤に
追加して可撓性付与剤をさらに含むことができる。ここ
で使用する可撓性付与剤は、好ましいことに、硬化した
エポキシ樹脂のマトリックス中に分散して、いわゆる
「海島構造」のようなゴム状粒子が均一に分散した状態
を提供することができ、よって、機械的強度の改善、内
部応力の緩和などに寄与することができる。適当な可撓
性付与剤として、例えば、カルボキシル末端ブタジエン
−アクリロニトリルゴム(CTBN)、コアシェルタイ
プのアクリル系ポリマーなどを挙げることができる。
【0013】本発明のネオジム磁石用接着剤において、
エポキシ樹脂、固体分散型アミンアダクト系硬化剤及
び、必要に応じて、可撓性付与剤の量は、それぞれ、所
望とする結果やそれを使用するネオジム磁石及びネオジ
ム磁石を組み込んだ機器の種類などに応じて広い範囲で
変更することができるというものの、好ましくは、 エポキシ樹脂 100重量部、 固体分散型アミンアダクト系硬化剤 0.1〜100重量部、及び 可撓性付与剤 0〜200重量部 の範囲である。硬化剤の量が0.1重量部を下回ると、
硬化剤としての機能が十分に発現されず、反対に100
重量部を上回ると、ネオジム磁石において発錆を引き起
こしてしまう。また、可撓性付与剤の量が200重量部
を上回ると、高温時の強度低下の問題が発生するおそれ
がある。それぞれの接着剤構成成分の量は、さらに好ま
しくは、 エポキシ樹脂 100重量部、 固体分散型アミンアダクト系硬化剤 10〜50重量部、及び 可撓性付与剤 10〜150重量部 の範囲である。
【0014】本発明の接着剤は、さらに、この技術分野
において一般的に行われているように、常用の添加剤を
含有することができる。適当な添加剤として、例えば、
充填剤、希釈剤、溶剤、顔料、カップリング剤、酸化防
止剤などを挙げることができる。これらの添加剤の量
は、本発明の接着剤に対して悪影響がでない範囲で任意
に変更することができる。
【0015】本発明による接着剤は、それを加熱して硬
化させた後、水で抽出した時の塩素の流出量が極めて少
なく、したがって、加湿条件下、例えば80℃及び90
%RH(相対湿度)の条件下においてネオジム磁石の発
錆を引き起こすことがない。本発明に従うと、本発明の
接着剤を使用してネオジム磁石を被着体に接合し、固定
することを特徴とするネオジム磁石の固定方法も提供さ
れる。ここで、ネオジム磁石とは、本願明細書の冒頭で
も説明したように、Ndを主成分とする合金、例えばN
d−Fe−B系合金などからなる永久磁石である。な
お、ここで使用するネオジム磁石は、従来のそれのよう
にその表面に表面処理層、すなわち、メッキ層、耐酸化
性あるいは耐蝕性の樹脂層等を有するものとは区別され
る、表面処理層を有しないネオジム磁石である。なお、
本願明細書では、このような磁石のことを特に「表面メ
ッキレスのネオジム磁石」と呼ぶ。
【0016】ネオジム磁石(Nd−Fe−B系磁石)
は、先にも説明したように高性能であり、通常、(B
H)max =約150〜400kJ/m3程度の高い磁気特
性を示すことができる。この磁石は、いろいろな方法で
製造することができるが、一般的には、例えば、粉末焼
結法、急冷薄帯法、HILOP法などによって製造する
ことができる。例えば、HILOP法によると、原材料
を粗粉砕した後、酸素を含まない雰囲気中でジェットミ
ルなどで微粉砕することによってネオジム磁石を製造す
ることができる。次いで、得られた微粉末を溶媒として
の油中に回収し、スラリーとする。スラリー状の原料を
金型に充填し、湿式成形する。さらに、成形体中に含ま
れる油を除去(脱溶媒)した後、所定の高温度で焼結す
る。微粉末中に含まれる酸素量が少ないために焼結性が
良好で、約7.60〜7.70g/cm 3 の焼結体密度を
有するネオジム磁石が得られる。また、ネオジム磁石の
形状及びサイズは、その磁石の使用目的や使用場所に応
じて任意に変更することができる。なお、ネオジム磁石
は、多くの文献で詳細な説明がなされているので、ここ
での詳細な説明は省略することにする。
【0017】上記したようなネオジム磁石に対する本発
明の接着剤の適用は、好ましくは、接着剤の溶液(懸濁
液の状態も含む)から行うことができる。すなわち、接
着剤の溶液をネオジム磁石の被着面か被着体の被着面あ
るいは両方の被着面に塗布した後で被着体にネオジム磁
石を圧着し、固定することができる。接着剤の塗布溶液
は、好ましくは、25℃における粘度が1〜3,000
Pa・sの範囲の溶液である。この溶液の粘度が1Pa
・sを下回ると、それを磁石に塗布した後にそのまま残
留しないで流れ落ちるという問題が発生し、反対に3,
000Pa・sを上回ると、塗布作業が非常に困難にな
るという問題が発生する。好ましい粘度を有する塗布溶
液を調製するため、使用する溶媒の種類を変更したり、
溶媒の配合量を調整したりすることが好ましい。
【0018】また、本発明に従うと、本発明の接着剤を
使用して接合されたネオジム磁石を備えてなることを特
徴とするモータも提供される。本発明のモータは、本発
明のネオジム磁石を配置した時にネオジム磁石の作用効
果を十二分に発揮させることができない限りにおいて限
定されるものではなく、例えば、ボイスコイルモータ、
ステッピングモータ(ステップモータ)、DCモータ、
同期モータ、ブラシレスモータなどである。このような
モータにおいて、取り付けるネオジム磁石の種類及び数
などは、それぞれのモータに適当なものを選択すること
ができる。
【0019】参考までに示すと、図1は、本発明による
モータの好ましい1実施形態を示した断面図であり、図
2は、図1に示したモータのロータ部を示した斜視図で
ある。モータ10は、図2に示すように、回転可能なロ
ータ1を装備しており、ロータ1の外周面には、6個の
ネオジム磁石2が本発明の接着剤からなる接着剤層3を
介して貼付されている。また、ロータ1の周囲には、そ
れを回転させるための磁界を発生させるためのステータ
4が配備されている。ステータ4にはさらにコイル5が
巻き付けられており、電磁石が構成されている。
【0020】図1及び図2において、本発明の接着剤を
使用してモータのロータ部にネオジム磁石を貼付する例
を示した。しかし、本発明の接着剤は、その他のタイプ
のモータの製造においても有利に適用することができ
る。また、本発明の接着剤は特にネオジム磁石をモータ
に取り付けるのに有用であるけれども、ネオジム磁石を
その他の機器などに取り付ける場合にも、有利に使用で
きることは言うまでもない。
【0021】
【実施例】下記の実施例は、本発明のネオジム磁石用接
着剤をさらに説明するためのものである。なお、本発明
は、下記の実施例によって限定されるものではないこと
を理解されたい。例1 接着剤1(本発明例)の調製:下記の組成を有するエポ
キシ樹脂組成物(接着剤1)を調製した。
【0022】 汎用ビスフェノールF型エポキシ樹脂 100重量部 固体分散型アミンアダクト系硬化剤 25重量部 タレ止め剤 4重量部 合計 129重量部 この接着剤1の調製に使用した原料成分は、それぞれ、
下記の製造元より入手したものである。
【0023】汎用ビスフェノールF型エポキシ樹脂…東
都化成社製、商品名「YDF170」、エポキシ当量=
170 固体分散型アミンアダクト系硬化剤…味の素ファインテ
クノ社製、商品名「アミキュアPN−23」 タレ止め剤…日本アエロジル社製、商品名「アエロジル
200」 接着剤2(本発明例)の調製:接着剤1と同様な手法に
従って、下記の組成を有するエポキシ樹脂組成物(接着
剤2)を調製した。
【0024】 高純度ビスフェノールF型エポキシ樹脂 100重量部 固体分散型アミンアダクト系硬化剤 25重量部 タレ止め剤 4重量部 合計 129重量部 この接着剤2の調製では、接着剤1の調製に使用した汎
用ビスフェノールF型エポキシ樹脂に代えて、高純度ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂〔油化シエルエポキシ社
製、商品名「エピコートYL983U」、エポキシ当量
=169〕を同量で使用した。例2 接着剤3(比較例)の調製:下記の組成を有するエポキ
シ樹脂組成物(接着剤3)を調製した。
【0025】 汎用ビスフェノールF型エポキシ樹脂 100重量部 ジシアンジアミド(硬化剤) 9重量部 N,N′−(メチル−1,3−フェニレン) ビス(N,N′−ジメチルウレア) 2重量部 タレ止め剤 4重量部 合計 115重量部 この接着剤3の調製では、比較のため、接着剤1の調製
に使用した固体分散型アミンアダクト系硬化剤に代え
て、ジシアンジアミド及びN,N′−(メチル−1,3
−フェニレン)ビス(N,N′−ジメチルウレア)を記
載の量で使用した。なお、N,N′−(メチル−1,3
−フェニレン)ビス(N,N′−ジメチルウレア)は、
エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社より入手した
ものである。接着剤4(比較例)の調製:下記の組成を
有するエポキシ樹脂組成物(接着剤4)を調製した。
【0026】 高純度ビスフェノールF型エポキシ樹脂 100重量部 ジシアンジアミド(硬化剤) 9重量部 N,N′−(メチル−1,3−フェニレン) ビス(N,N′−ジメチルウレア) 2重量部 タレ止め剤 4重量部 合計 115重量部 この接着剤4の調製では、比較のため、接着剤2の調製
に使用した固体分散型アミンアダクト系硬化剤に代え
て、ジシアンジアミド及びN,N′−(メチル−1,3
−フェニレン)ビス(N,N′−ジメチルウレア)を記
載の量で使用した。例3 接着剤の評価試験 前記例1及び例2で調製した接着剤1〜4を、(1)塩
素イオンの流出及び(2)ネオジム磁石上で使用した場
合の発錆防止効果に関して、次のような手順に従って評
価した。 (1)抽出塩素イオン量の測定 それぞれの接着剤を硬化後の試験サンプルの形状が略正
方形、厚さが2mm程度となるように成形し、続いて12
0℃で60分間加熱して硬化させた。次いで、得られた
接着剤の薄膜1gを15ml(ミリリットル)の純水中に
浸漬し、100℃で24時間にわたって放置した。接着
剤の薄膜から純水中に抽出された塩素イオンの量をイオ
ンクロマトグラフィにより測定したところ、下記の第1
表に記載のような測定結果が得られた。 (2)ネオジム磁石への錆性 それぞれの接着剤をネオジム磁石上に膜厚0.1mmで塗
布し、120℃で60分間加熱して硬化させた。次い
で、接着剤の薄膜付きのネオジム磁石を80℃及び90
%RH(相対湿度)の恒温恒湿層に投入し、500時間
の経過後に取り出して、ネオジム磁石の表面における錆
の発生の程度を目視により観察し、評価した。下記の第
1表に記載のような評価結果が得られた。なお、評価の
基準は、次の5段階であった。
【0027】 1…変化なし(恒温恒湿層に投入する直前、0時間)。 2…僅かな発錆が観察された。 3…全面的な発錆が観察された。 4…発錆とともに、接着剤の薄膜の部分的な剥離が観察
された。 5…発錆とともに、接着剤の薄膜の全体的な剥離が観察
された。
【0028】 第1表 評価項目 接着剤の番号 抽出塩素イオン量 29 13 470 50 (μg/g) ネオジム磁石への 錆性 0時間 1 1 1 1 500時間 1 1 5 3 上記した第1表の評価結果から理解されるように、本発
明に従い固体分散型アミンアダクト系硬化剤を使用して
接着剤を調製することにより、抽出塩素イオン量を減少
させることができ、同時に、高温高湿下で500時間に
わたって放置して強制的に劣化させた後でも、錆の発生
を防止することができる。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の接着剤
は、モータを始めとした各種の機器にネオジム磁石を組
み込む際に接合目的で有利に使用することができる。特
に、本発明の接着剤は、従来の接着剤のように高純度の
エポキシ樹脂(例えば、ナトリウム及び塩素イオンの含
有量がそれぞれ10ppm 以下のエポキシ樹脂)を主剤と
して使用する必要がないので、実施が容易であり、製造
コストも下げることができる。さらに、ネオジム磁石を
使用した時に、その表面を酸化などから保護するために
表面処理、例えばメッキ又は樹脂被覆を施すことが不必
要となるので、作業時間の短縮、経費の削減はもちろん
のこと、永久磁石自体も長寿命化し、磁石の経時的な劣
化も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモータの好ましい1実施形態を示
した断面図である。
【図2】図1に示したモータのロータ部を示した斜視図
である。
【符号の説明】
1…ロータ 2…ネオジム磁石 3…接着剤層 4…ステータ 5…コイル 10…モータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネオジム磁石を被着体に接合するための
    ものであって、エポキシ樹脂及び固体分散型アミンアダ
    クト系硬化剤を組み合わせて含んでなることを特徴とす
    るネオジム磁石用接着剤。
  2. 【請求項2】 可撓性付与剤をさらに含むことを特徴と
    する請求項1に記載のネオジム磁石用接着剤。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂 100重量部、 固体分散型アミンアダクト系硬化剤 0.1〜100重量部、及び 可撓性付与剤 0〜200重量部 を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のネオジ
    ム磁石用接着剤。
  4. 【請求項4】 ネオジム磁石を請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の接着剤を使用して被着体に接合し、固定す
    ることを特徴とするネオジム磁石の固定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の接
    着剤を使用して接合されたネオジム磁石を備えてなるこ
    とを特徴とするモータ。
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Cited By (16)

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