JP2005171002A - 磁石接着体の製造に適した熱硬化性エポキシ樹脂か否かを判断する方法 - Google Patents

磁石接着体の製造に適した熱硬化性エポキシ樹脂か否かを判断する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 自動車用モータなどに組み込まれる磁石接着体の製造に適した熱硬化性エポキシ樹脂か否かを簡易かつ的確に判断する方法を提供すること。
【解決手段】 熱硬化させた樹脂の動的粘弾性を測定し、以下の(a)〜(c)の要件を全て満足する場合に適していると判断する。
(a)120℃における貯蔵弾性率が500MPa以上であること。
(b)−40℃における動的粘弾性の位相差tanδが0.033以上であること。
(c)−40℃〜50℃の範囲におけるtanδ積算値が2.00以上であること。
【選択図】 図1


Description

本発明は、自動車用モータなどに組み込まれる磁石接着体の製造に適した熱硬化性エポキシ樹脂か否かを簡易かつ的確に判断する方法に関する。
優れた磁気特性を有する希土類系永久磁石は、例えば、ヨークなどの鉄系部材に接着剤を使用して接着され、磁石接着体としてモータなどに組み込まれて実用に供されることが多い。この場合、使用する接着剤には、希土類系永久磁石と鉄系部材との接着接合部において、優れた強度と耐久性を発揮することが要求される。鉄系部材と鉄系部材といったように同種材料からなる部材同士の接着であれば、使用する接着剤の選定は、硬度や耐候性に優れた接着剤であって、材料の熱膨張係数と同程度の熱膨張係数を有するものといった一般的な基準をもとに行うことができる。しかしながら、希土類系永久磁石と鉄系材料を接着する場合には、希土類系永久磁石は異方性材料であり、熱膨張係数がマイナスで鉄のそれと大きく異なることから、上記のような基準で接着剤を選定することができない。また、−40℃といった寒冷環境から120℃といった高温環境に至るまで、幅広い温度環境に晒される自動車用モータなどに組み込まれる磁石接着体の製造に使用する接着剤には、100℃以上の温度変化を伴う幾度の冷熱サイクルを経た後でも優れた特性を発揮することが要求される。にもかかわらず、このような接着剤を簡易かつ的確に選定する方法は未だ提案されていないのが現状であり、多くの場合、いわゆる耐熱型接着剤の範疇に入る接着剤を使用して実際の磁石接着体を製造し、この磁石接着体に対して、−40℃〜120℃の温度変化への曝露による冷熱サイクル試験(サイクルの温度条件はJIS D 0204に準拠)を行い、接着破壊などが起こらずに、ある一定の特性を発揮した接着剤を合格品として採用するといった方法が採られている。けれども、この方法には、実際の磁石接着体を製造しなければ評価ができないといった問題や、磁石接着体の形状が変われば評価も変わるといった問題がある。従って、残念ながらこの方法は接着剤の普遍的な選定方法にはなりえない。
冷熱サイクルに晒される環境での使用に適した接着剤か否かを判断する方法に関して、例えば、特許文献1には、熱膨張率の異なる異種材料からなる部材同士を接着する場合、貯蔵弾性率が−40℃で3000MPa以下であり23℃で100MPa以上である接着剤が適していることが記載されている。また、特許文献2と特許文献3には、半導体分野における使用に適した接着剤か否かを判断する際に、接着剤の貯蔵弾性率に着目することが記載されている。しかしながら、これらの方法も、接着剤として熱硬化性エポキシ樹脂を使用して自動車用モータなどに組み込まれる磁石接着体を製造する場合においては、使用に適した接着剤か否かを的確に判断することができないという現実がある(例えば、貯蔵弾性率が−40℃で3000MPa以上の接着剤であっても使用に適したものが存在する)。即ち、上記のような希土類系永久磁石の特性に起因して、接着剤の貯蔵弾性率にだけ着目したのでは使用に適した接着剤か否かの的確な判断ができないことが本発明者らによる検討で判明した。
特開平11−147921号公報 特開2003−45902号公報 特開2003−60127号公報
そこで本発明は、自動車用モータなどに組み込まれる磁石接着体の製造に適した熱硬化性エポキシ樹脂か否かを簡易かつ的確に判断する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の点に鑑みさらに鋭意検討を行った結果、耐熱型接着剤として熱硬化性エポキシ樹脂を使用する場合、使用に適した樹脂か否かを判断するためには、貯蔵弾性率に加えて動的粘弾性の位相差tanδとtanδ積算値を評価することが重要であることを認識するとともに、各々の評価項目についての基準値を見出した。
即ち、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂を使用して希土類系永久磁石と鉄系部材を接着してなり、高温環境下および/または寒冷環境下において適用される磁石接着体を製造するに際し、使用に適した樹脂か否かを判断するための方法は、請求項1記載の通り、熱硬化させた樹脂の動的粘弾性を測定し、以下の(a)〜(c)の要件を全て満足する場合に適していると判断することを特徴とする。
(a)120℃における貯蔵弾性率が500MPa以上であること。
(b)−40℃における動的粘弾性の位相差tanδが0.033以上であること。
(c)−40℃〜50℃の範囲におけるtanδ積算値が2.00以上であること。
また、請求項2記載の方法は、請求項1記載の方法において、熱硬化性エポキシ樹脂が、希土類系永久磁石と鉄系部材を厚み80μm〜350μmの接着層によって接着する際に使用するものであることを特徴とする。
また、請求項3記載の方法は、請求項1または2記載の方法において、熱硬化性エポキシ樹脂が、少なくとも−40℃〜120℃の温度範囲で100℃以上の温度変化に晒される磁石接着体を製造する際に使用するものであることを特徴とする。
本発明によれば、自動車用モータなどに組み込まれる磁石接着体の製造に適した熱硬化性エポキシ樹脂か否かを簡易かつ的確に判断することができる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂を使用して希土類系永久磁石と鉄系部材を接着してなり、高温環境下および/または寒冷環境下において適用される磁石接着体を製造するに際し、使用に適した樹脂か否かを判断するための方法は、熱硬化させた樹脂の動的粘弾性を測定し、以下の(a)〜(c)の要件を全て満足する場合に適していると判断することを特徴とするものである。
(a)120℃における貯蔵弾性率が500MPa以上であること。
(b)−40℃における動的粘弾性の位相差tanδが0.033以上であること。
(c)−40℃〜50℃の範囲におけるtanδ積算値が2.00以上であること。
動的粘弾性の測定は、熱硬化させた熱硬化性エポキシ樹脂(熱硬化樹脂バルク体)に対し、例えば、測定形式として引っ張りモードを採用し、振動が10Hzの正弦波によって、−50℃から開始し、3℃/分で昇温しながら行う。
樹脂の熱硬化は、樹脂ごとに推奨される条件にて行えばよい。なお、熱硬化のための加熱手段は、恒温槽加熱や高周波誘導加熱やマイクロ波加熱など、樹脂の劣化を引き起こすことなく実効的な熱応力を発生させる手段であればどのような手段を採用してもよい。
高温環境下において適用される磁石接着体の製造に使用する接着剤には、高温領域における優れた剛性が必要となる。従って、熱硬化性エポキシ樹脂の高温領域における貯蔵弾性率の評価は重要であり、本発明においては120℃における貯蔵弾性率が500MPa以上であることとする。
一方、寒冷環境下において適用される磁石接着体の製造に使用する接着剤には、低温領域における優れた粘性が必要となる。従って、熱硬化性エポキシ樹脂の低温領域の粘性を評価するために、−40℃における動的粘弾性の位相差tanδと、熱応力が発生する樹脂の熱硬化温度よりも低温領域としての−40℃〜50℃の範囲におけるtanδの変化を規定することとする。動的粘弾性の位相差tanδは、E”/E’(E”は樹脂の粘性を表す損失弾性率でありE’は樹脂の剛性を表す貯蔵弾性率である)を意味し、樹脂の分子レベルでの振動・回転・伸縮などの運動性を示す指標となり、この値が大きいと発生する熱応力が熱エネルギーに変換されやすく、接着破壊を未然に防止することに直結する。E’とE”の各々は、磁石接着体の形状の影響を受けやすいものであるが、tanδで評価することによりその影響を相殺することができる。低温領域でtanδは大きいことが望ましいことは言うまでもない。低温領域ではE’が大きくなるので測定誤差が大きくなり、評価に支障が出ることも考えられる。しかしながら、tanδで評価することにより誤差の影響を極小化することができる。本発明においては−40℃におけるtanδが0.033以上であることとする。また、樹脂には、高温領域からの温度降下の際に発生する熱応力を有効に緩和する能力も要求される。そこで、本発明においては熱応力の作用が顕著になる50℃以下の温度領域に着目し、−40℃〜50℃の範囲におけるtanδ積算値が2.00以上であることとする。
なお、磁石接着体の製造においては、希土類系永久磁石と鉄系部材は、厚み80μm〜350μmの接着層によって接着することが、両者の熱膨張率の違いを緩和し、良好な接着力を発揮させる上で望ましいが、本発明の方法によれば、熱硬化性エポキシ樹脂を使用してこのような厚みの接着層によって両者を接着する際の、使用に適した熱硬化性エポキシ樹脂か否かを的確に判断することができる。
磁石接着体の構成要素となる希土類系永久磁石は、その表面が金属めっき被膜や化成処理被膜などの各種の耐食性被膜によって被覆されているものが望ましい。これらの被膜は、磁石の有効体積の確保やコストの関係から最大でも厚み50μm程度に形成されるのが通常であるので、被膜の有無により本発明の実効性が変化することはない。熱硬化性エポキシ樹脂は耐食性を有するので、磁石の耐食性被膜とすることもできる。従って、熱硬化性エポキシ樹脂の中には、磁石の表面に耐食性被膜としての熱硬化性エポキシ樹脂被膜を形成する際に、鉄系部材との接着を同時に進行させることができるものが考えられるが、本発明は、このような熱硬化性エポキシ樹脂を選定する際にも好適に適用することができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。
(1)熱硬化樹脂バルク体の作製
テフロンシートを貼付した鉄板2枚の間に下記の6種類の熱硬化性エポキシ樹脂を挟み込み、表1に記載の条件にて恒温槽中で樹脂を熱硬化させた。得られた熱硬化樹脂バルク体を5mm×1mm×20mm寸法に削り出し、これを動的粘弾性を測定するための試験片とした。
樹脂1:住友3M社製の樹脂/EW2040(商品名)
樹脂2:同/EW2020(同)
樹脂3:スリーボンド社製の樹脂/TB2285(同)
樹脂4:セメダイン社製の樹脂/EP138(同)
樹脂5:ナガセケムテックス社製の樹脂/デナタイト2204(同)
樹脂6:同/XNR3628(同)
(2)熱硬化樹脂バルク体に対する動的粘弾性の測定
測定形式として引っ張りモードを採用し、振動を10Hzの正弦波によって行った。なお、測定は、300%の動荷重の張力制御のもと、温度上昇速度3℃/分にて低温側(−50℃)から行った。測定装置は、ユービーエム社製の装置(商品名:Rheogel−E4000)を用いた。各々の樹脂の熱硬化樹脂バルク体の、120℃における貯蔵弾性率、−40℃における動的粘弾性の位相差tanδ、−40℃〜50℃の範囲におけるtanδ積算値を表1に示す。また、樹脂1と樹脂3の熱硬化樹脂バルク体のtanδの温度依存性を示すグラフを各々図1と図2に示す。
Figure 2005171002
(3)磁石接着体の作製
例えば、米国特許第4770723号公報や米国特許第4792368号公報に記載されているようにして、公知の鋳造インゴットを粉砕し、微粉砕後に成形、焼結、熱処理、表面加工を行うことにより、17Nd−1Pr−75Fe−7B組成(at%)で15mm×18mm×4mm寸法の希土類系永久磁石を作製した。この磁石の全面に膜厚7μmのAl被膜を形成した後、Al被膜の表面に対してショットピーニング処理を施した。なお、Al被膜の形成は、米国特許第4116161号公報に記載された蒸着装置を使用し、真空処理室内を1×10-4Pa以下に真空排気した後、Arガス圧1Pa、バイアス電圧−500Vの条件下、磁石温度250℃でターゲットとして金属Alを用い、20分間のイオンプレーティングにて行った。
表面にAl被膜を有する磁石と表面に対してショットブラスト処理を施した10mm×30mm×50mm寸法の軟鋼(SS41)をアセトンで洗浄した後、Al被膜付き磁石の15mm×18mmの面を接着面としてこの面に樹脂1を塗布し、軟鋼の30mm×50mmの面に張り合わせた。この際、両者の間にスペーサーとして直径150μmのニクロム線(ニラコ社製)を挟み込み、接着層の厚みが150μmになるように十分量の樹脂を塗布した。また、両者を張り合わせた後、5kgfの荷重をかけて接着面を均一にした。両者の間からはみ出した樹脂を拭い取った後、表1に記載の条件(150℃×70分)にて恒温槽中で樹脂を熱硬化させ、磁石と軟鋼を厚み150μmの接着層によって接着させた磁石接着体を得た。
また、樹脂2〜樹脂6の各々の樹脂を使用した磁石接着体についても、上記と同様の方法で作製した。
(4)冷熱サイクル試験後の接着強度の評価
(3)で作製した磁石接着体に対して、−40℃〜120℃の温度変化への曝露による冷熱サイクル試験を行い、冷熱サイクル250回後の接着強度を評価し、10MPa以上の接着強度を有する樹脂を合格品とした。結果を表2に示す。なお、冷熱サイクル試験は楠本化成社製の装置(商品名:ETAC(登録商標)NT510)を用いて行った。冷熱サイクルは、磁石接着体に熱伝対を取り付け、磁石接着体の温度が120℃または−40℃に到達したら10分間保持し、その後、温度下降または温度上昇を行うことを繰り返すという条件とした。また、接着強度は、島津製作所社製の装置(商品名:AG−10TB)を用い、圧縮剪断試験を23℃にて2mm/分の剪断速度で行うことで評価した(JIS−K 6852に準拠)。
Figure 2005171002
表1と表2から明らかなように、高温環境下や寒冷環境下などの過酷環境下において適用される磁石接着体の製造に使用する熱硬化性エポキシ樹脂として適しているか否かの判断においては、樹脂の貯蔵弾性率にだけ着目したのでは的確な判断ができないこと、冷熱サイクル250回後に10MPa以上の接着強度を発揮する樹脂であるためには、熱硬化樹脂バルク体の−40℃における動的粘弾性の位相差tanδが0.033以上であり、−40℃〜50℃の範囲におけるtanδ積算値が2.00以上であることが要求されることがわかった。
(5)接着層の厚みと接着強度との関係
(3)で作製した表面にAl被膜を有する15mm×18mm×4mm寸法の希土類系永久磁石と表面に対してショットブラスト処理を施した軟鋼を、樹脂1を使用して(3)に記載の方法と同様の方法で各種厚みの接着層によって接着して磁石接着体を作製し、この磁石接着体に対して(4)に記載の冷熱サイクル試験を行い、冷熱サイクル250回後の接着強度を評価した。また、(3)で作製した表面にAl被膜を有する15mm×18mm×4mm寸法の希土類系永久磁石と同様にして作製した、表面にAl被膜を有する8.8φmm×3mm寸法の希土類系永久磁石と表面に対してショットブラスト処理を施した軟鋼を、樹脂1を使用して(3)に記載の方法と同様の方法で各種厚みの接着層によって接着して磁石接着体を作製し、この磁石接着体に対して(4)に記載の冷熱サイクル試験を行い、冷熱サイクル250回後の接着強度を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2005171002
表3から明らかなように、冷熱サイクル250回後であっても磁石と軟鋼の間に発生する熱応力を有効に緩和して優れた接着強度を発揮する接着層であるためには、その厚みは80μm以上であることが望ましいことがわかった。接着層が耐久性に優れるためには、その厚みは100μm以上であることがより望ましい。但し、接着層の厚みは厚ければ厚いほどよいというものではない。厚すぎると磁石接着体の設計上において支障をきたすだけでなく、冷熱サイクルに晒されることで樹脂自体の膨張収縮が激しくなって、それ自体が接着破壊を起こす恐れがあるからである。従って、接着層の厚みの上限は350μmであることが望ましい。
また、接着面積が0.6cm2である8.8φmm×3mm寸法の磁石を接着した磁石接着体のように、接着面積が1cm2未満の場合には、樹脂3や樹脂4などのように本発明の方法によって使用に適さないと判断される熱硬化性エポキシ樹脂を使用しても、熱応力による接着破壊の問題はそれほど多くはない。しかしながら、接着面積が2.7cm2である15mm×18mm×4mm寸法の磁石を接着した磁石接着体のように、接着面積が1cm2以上の場合には、樹脂によっては、熱応力による接着破壊の問題が顕著である。本発明の方法によって使用に適すると判断された熱硬化性エポキシ樹脂は、接着面積が1cm2以上の場合であっても、接着破壊が起こらない優れた樹脂であるので、本発明の方法によれば、確実な接着設計のもとに磁石接着体を製造することができる。
本発明は、自動車用モータなどに組み込まれる磁石接着体の製造に適した熱硬化性エポキシ樹脂か否かを簡易かつ的確に判断する方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
実施例における樹脂1の熱硬化樹脂バルク体のtanδの温度依存性を示すグラフである。 同、樹脂3の熱硬化樹脂バルク体のtanδの温度依存性を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 熱硬化性エポキシ樹脂を使用して希土類系永久磁石と鉄系部材を接着してなり、高温環境下および/または寒冷環境下において適用される磁石接着体を製造するに際し、使用に適した樹脂か否かを判断するための方法であって、熱硬化させた樹脂の動的粘弾性を測定し、以下の(a)〜(c)の要件を全て満足する場合に適していると判断することを特徴とする方法。
    (a)120℃における貯蔵弾性率が500MPa以上であること。
    (b)−40℃における動的粘弾性の位相差tanδが0.033以上であること。
    (c)−40℃〜50℃の範囲におけるtanδ積算値が2.00以上であること。
  2. 熱硬化性エポキシ樹脂が、希土類系永久磁石と鉄系部材を厚み80μm〜350μmの接着層によって接着する際に使用するものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 熱硬化性エポキシ樹脂が、少なくとも−40℃〜120℃の温度範囲で100℃以上の温度変化に晒される磁石接着体を製造する際に使用するものであることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
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