JP2007335676A - 希土類ボンド磁石 - Google Patents

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Fumiaki Hasegawa
文昭 長谷川
Hiroyuki Ito
弘幸 伊藤
Hiroyuki Kato
博之 加藤
Yoshitaka Sato
義隆 佐藤
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Abstract

【課題】 十分な機械的強度を有する防錆皮膜を備える希土類ボンド磁石を提供する。
【解決手段】 NdFeB系あるいはSmFeN系の希土類ボンド磁石において、磁石成形体の外表面全体またはその一部を、摩擦係数が小さい熱可塑性樹脂の射出成形による皮膜で被覆する。この場合の皮膜の動摩擦係数μkは0.3以下、限界PV値は50MPa・cm/s以上(対鋼:すべり速度30cm/s)とする。
【選択図】 なし

Description

本発明はHDD,DVD等の情報機器用モータに限らず、車載用モータや磁気コンベア等にも好適に使用できる希土類ボンド磁石に関する。
NdFeB系やSmFeN系の希土類ボンド磁石はその優れた磁気性能によって情報機器用モータに多用されてきた。ところで、これらのボンド磁石はいずれも成分元素に純鉄を含むため、使用する環境下で腐食するという弱点を有しており、そこで、優れた磁気性能を長期にわたり発揮させるために、エポキシ系カチオン電着塗装や吹付け塗装あるいは電解ニッケルメッキ等によって磁石表面に防錆皮膜を形成している。なお、特許文献1には希土類ボンド磁石のカチオン電着塗装方法が開示されている。
一方、一般的に磁石は着磁ヨークにて磁化させるが、着磁とともにヨークの強磁性材に強く吸引されるために、ヨークから磁石を引き抜く際に磁石表面がヨーク材と強くこすれ、表面に摩擦による傷が発生することがあった。また、着磁された磁石をモータに組み込む場合にも同様にモータ側の強磁性材と磁気吸引力によって接触して磁石表面に傷が生じることがあった。さらに、磁気コンベアなどで使用する場合には、磁石が吸引対象物と接触することから表面の機械的損傷が大きな問題となる。
特開2002−226998
しかし、上記従来の電着塗装や電解メッキでは防錆皮膜の膜厚がある値まで到達すると析出速度が急に低下してしまい30μm〜50μmが膜厚の限界であるとともに、膜材質として十分な耐磨耗性のあるものが使用できないため、外部からの損傷に耐えることができず、磁石が外気に暴露して腐食するおそれがあるという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、十分な機械的強度を有する防錆皮膜を備える希土類ボンド磁石を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、NdFeB系あるいはSmFeN系の希土類ボンド磁石において、磁石成形体の外表面全体またはその一部を、摩擦係数が小さい熱可塑性樹脂の射出成形による皮膜で被覆する。この場合の皮膜の動摩擦係数μkは0.3以下、限界PV値が50MPa・cm/s以上(対鋼:すべり速度30cm/s)であることが好ましい。ここで、限界PV値とは、皮膜の摩擦による溶融、減耗が急速に増加するときの荷重Pと磨耗速度Vとの積であってこの値が大きいほど耐磨耗性に優れている。また、上記熱可塑性樹脂としては、例えばポリアセタール、ナイロン6,ナイロン12,ナイロン66,PTFE,PPS,PEEKのいずれかが使用できる。
本発明の希土類ボンド磁石は十分な機械的強度を有し十分な膜厚の防錆皮膜を備えているから、情報機器用モータに限らず、車載用モータや磁気コンベア等にも広く使用することができる。
使用するボンド磁石は、NdFeB系あるいはSmFeN系の超急冷法合金粉を磁性粉とし、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂をバインダーとした圧縮成形ボンド磁石、あるいはナイロン12等の熱可塑性樹脂をバインダーとした射出成形ボンド磁石や押出し成形ボンド磁石であある。磁石全体積中に磁性粉体積の占める割合は40vol%〜85vol%とすることが好ましい。40vol%以下では磁気吸引力に劣り、また85vol%以上では成形が困難となる。なお、NdFeB系あるいはSmCo系の焼結磁石を使用することもできる。
これら希土類磁石に、インサート成形により磁石の全面またはその一部に耐摩擦性の熱可塑性樹脂の皮膜を形成する。皮膜形成の方法は通常、あらかじめ成形された磁石製品を射出成形金型内に装着した後、耐磨耗性熱可塑性樹脂を射出する。あるいは磁石部分を第1の金型で成形し、冷却した直後に当該金型を回転させて第2の金型に装着して耐磨耗性樹脂を射出するいわゆる2材射出成形も適用可能である。皮膜の厚みは外部部材と接触する面において30μm〜1500μmが好ましい。30μm以下では皮膜の強度という点で破壊の危険性があり好ましくない。一方、1500μm以上では磁石面との距離が大きくなり磁気吸引力を有効に生かせない。
熱可塑性樹脂としては、リング状、円板状、角形状等の多様な形状の磁石の、外周面と金型内壁との空隙内に溶融状態で流入して欠陥を生じることなく均質で連続した皮膜を形成するものである必要がある。また、金型内で冷却の後、脱型された成形品の皮膜は鋼材との動摩擦係数μkが0.3以下である必要がある。0.3以上の場合、磁石製品をモータや磁気コンベア等に組み込む際に機械的な接触によって皮膜に局所的な応力が働いた場合、傷が生じる危険があり好ましくない。皮膜に損傷が生じると外部環境中の湿気や水分が皮膜の欠陥部を通じて磁石内部に侵入し、磁石の原料合金粉が腐食を引き起す。
また、従来、磁石は非接触で使用されてきたため、通常の使用状態では他部材、例えばプラスチックや鋼材との接触は考えられなかった。しかし、近年、回転センサーや磁気コンベアのような磁気吸引力を活かした用途が開発され、このような用途では、磁石は接触状態で他部材から連続的な摩擦力を受ける。そのため本発明に使用される耐磨耗性の皮膜は限界PV値が50MPa・cm/s以上(対鋼:すべり速度30cm/s)である必要がある。50MPa・cm/s以下の場合、摩擦に伴う皮膜の発熱と減耗により皮膜厚みが減少し、好ましくない。この条件に合致する熱可塑性樹脂としてはポリアセタール樹脂が適しているが、上記条件に適合するのであればこれに限定されるものではなく、ポリアセタール以外に、ナイロン6,ナイロン12,ナイロン66,PTFE,PPS,PEEK等が使用できる。なお、耐磨耗性樹脂皮膜で被覆する範囲は磁石表面全面でなく、その一部としても良い。一部の場合、被覆していない部分は金属部品等で保護しても良い。
(実施例1)
超急冷法NdFeB系磁性粉とビスフェノールA型エポキシ樹脂よりなり、磁性粉含率を81vol%の圧縮成形磁石(φ13×h10mm)を成形し、インサート成形法によりポリアセタール樹脂を皮膜厚500μmで磁石全面にわたり被覆した。この成形体の動摩擦係数μkをJIS K-7125 により測定し,μk=0.18という結果を得た。さらに鋼材との相対すべり速度30cm/sにて限界PV値を測定し、95MPa・cm/sという結果を得た。
(実施例2)
実施例1と同様のボンド磁石を成形し、インサート成形法によりPTFE樹脂を皮膜厚600μmで磁石全面にわたり被覆した。この成形体の動摩擦係数μkは0.12、限界PV値は98MPa・cm/sであった。
(実施例3)
超急冷法NdFeB系磁性粉とナイロン66樹脂よりなり、磁性粉含率を65vol%の射出成形磁石(Φ13×h10mm)を成形し、インサート成形法によりPPS樹脂を皮膜厚550μmにて磁石全面にわたり被覆した。この成形体の動摩擦係数μkは0.21、限界PV値は85MPa・cm/sという結果を得た。
(比較例1)
実施例1と同様のボンド磁石を成形し、エポキシ系カチオン電着膜を皮膜厚30μmにて磁石全面を被覆した。この成形体の動摩擦係数μkはμk=0.38、限界PV値は23MPa・cm/sであった。
(比較例2)
実施例1と同様のボンド磁石を成形し、エポキシ系吹付け塗装により皮膜厚30μmにて磁石全面を被覆した。この成形体の動摩擦係数μkは0.42、限界PV値は24MPa・cm/sであった。

Claims (3)

  1. NdFeB系あるいはSmFeN系の希土類ボンド磁石において、磁石成形体の外表面全体またはその一部を、摩擦係数が小さい熱可塑性樹脂の射出成形による皮膜で被覆したことを特徴とする希土類ボンド磁石。
  2. 前記皮膜の動摩擦係数μkが0.3以下、限界PV値が50MPa・cm/s以上(対鋼:すべり速度30cm/s)、である請求項1に記載の希土類ボンド磁石。
  3. 前記熱可塑性樹脂がポリアセタール、ナイロン6,ナイロン12,ナイロン66,PTFE,PPS,PEEKのいずれかである請求項1に記載の希土類ボンド磁石。
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