JP2007263800A - 磁気エンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】薄肉化が可能で、耐摩耗性・耐食性に優れ、生産性にも優れた磁気エンコーダを提供する。
【解決手段】円周方向に交互に磁極を形成した多極磁膜3と、該多極磁膜が形成される磁性体のスリンガー2とを備えてなる磁気エンコーダ1であって、多極磁膜3は、磁性粉をエアロゾル原料とするエアロゾルデポジション法により形成される磁性膜である。特に、磁性粉はフェライト粉であり、スリンガーはフェライト系ステンレス鋼からなり、多極磁性膜の厚みが5μm〜1000μmである。
【選択図】図1

Description

本発明は、相対回転する軸受部の回転検出装置等に用いられる磁気エンコーダに関し、例えば、自動車のアンチロックブレーキシステムにおける前後の車輪回転数を検出する回転検出装置に装着されるベアリングシールの構成部品とされる磁気エンコーダに関する。
従来、自動車のスキッドを防止するためのアンチスキッド用回転検出装置としては、回転軸に嵌合された歯付ローターを、該ローターと離間して配置されるナックルに取付られた回転検出センサで感知検出する構造を持つものが一般的であり、使われている軸受にはその側部に独立して設けられたシール装置によって水分あるいは異物の侵入から守られている。
その他の例として、回転検出装置の装着スペースを削減せしめ感知性能を飛躍的に向上させることを目的として、車輪回転検出のための回転検出装置を有したベアリングシールにおいて、そこに使用するスリンガーの径方向に磁性粉体の混入された弾性部材を周状に加硫成形接着し、そこに交互に磁極を配設した構造等も開示されている(特許文献1参照)。
また、軸方向の寸法を小さくし、回転部材と固定部材との間の密閉度を良好にし、容易に取り付け可能にすることを目的として、回転部材と固定部材との間がシールされ、この回転部材に回転ディスクが取り付けられ、その回転ディスクに多極化されたコーダが取り付けられたコーダ内蔵密閉構造としたものが開示されている(特許文献2参照)。使用するコーダは、磁性粒子を添加したエラストマーからなるものが用いられ、このコーダの側面を固定部材の側面とほぼ同一平面としたシール手段とされている。
磁性粉体や磁性粒子を含有するプラスチック(プラストマー)製のコーダは、従来の射出成形や圧縮成形等のように、製品形状に適応した金型を使用して賦形したり、T形のダイスを用いた押出し成形やカレンダー成形のようなシート成形でシートを成形し打ち抜き加工等により製品形状にして、その後、金属基板上に接着剤などで接着固定し製作してもよい。この場合、インサート成形のように予め金型内に金属基板を組込んでおき、その後、溶融樹脂を流し入れて接着工程を同時加工して製作してもよい。
また、薄肉化が可能でかつ耐摩耗性に優れ、生産性にも優れた磁気エンコーダを提供することを目的として、金属製の環状部材と、この環状部材に周方向に沿って設けられかつ周方向に多極に磁化したディスク状磁性部材とを備えた磁気エンコーダにおいて、磁性ディスク部材が、磁性粉体と非磁性金属粉体の混合粉体からなる焼結体である磁気エンコーダが提案されている(特許文献3参照)。
一方、常温で磁性体(磁性膜)を形成する画期的な方法として、永久磁石粉末をエアロゾル化して被成形物に噴射することにより永久磁石膜を形成する技術が開示されている(特許文献4参照)。
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に示されるベアリングシールにおいては、そこに使用するスリンガーの径方向に磁性粉体の混入された弾性部材を周状に加硫成形接着したり、または、多極化されたコーダが取り付けられたコーダ内蔵密閉構造としてそのコーダを磁性粒子が添加したエラストマーにしようとすると、磁性粉体や磁性粒子を保持するためのバインダとなるエラストマーや弾性部材成分が必要になる。しかし、エラストマーや弾性部材成分をバインダに用いる場合、コーダ形状への賦形前に必ず磁性粉体や磁性粒子とエラストマーや弾性部材の混練による分散工程が必要になるが、この工程ではコーダ中のバインダ成分に対する磁性粉体や磁性粒子の相対含有率(体積分率)が上げにくいため、磁気センサに安定してセンシングされる磁力を得ようとするにはコーダの厚み寸法を厚くする必要があった。
また、磁性粉体や磁性粒子を含有する弾性部材やエラストマー製のコーダの成形は、射出成形や圧縮成形等のように製品形状に適応した金型を使用して賦形し、また加硫工程が必要な場合は金型内に必要とされる加硫時間だけ、加圧しながら保持しなければならず生産上多くの工程を必要とした。
さらに、磁性粉体や磁性粒子を含有する弾性部材やエラストマー製のコーダは、例えば車輪回転検出のための回転検出装置を有したベアリングシールにおいて、回転検出装置の装着スペースを削減せしめ、かつ感知性能を飛躍的に向上させるために、そこに使用するスリンガーの軸方向で近接かつ相対した部位に感知センサを配置しなければならない。しかしこの場合、車両走行中に回転側のベアリングシール表面と固定側の感知センサ表面の間隙に、砂粒などの異物粒子が侵入し噛み込まれると、弾性部材やエラストマー製のコーダ表面は摩耗等による激しい損傷が認められることがあった。
磁性粉体や磁性粒子を含有するプラスチック(プラストマー)製のコーダの場合、上述した従来の射出成形や圧縮成形やT形ダイスを用いた押出し成形やカレンダー成形のようなシート成形、およびインサート成形で製造しようとすると、やはり磁性粉体や磁性粒子を保持するためのバインダとなる合成樹脂成分が必要になる。しかし、合成樹脂成分をバインダに用いる場合も、従来はエラストマー等と同様に、コーダ形状に賦形前に必ず磁性粉体や磁性粒子とプラストマーや弾性部材の混練による分散工程が必要になる。 やはりこの工程では、コーダ中のバインダ成分に対する磁性粉体や磁性粒子の相対含有率(体積分率)が上げにくいため、磁気センサに安定してセンシングされる磁力を得ようとするにはコーダの厚み寸法を厚くする必要があった。
このように磁性粉体や磁性粒子とプラストマーや弾性部材を従来の製造法で混練して製作した成形前材料を、金型内に射出( インジェクション)したり圧縮(コンプレッション)してコーダに賦形する時、またインサート成形などで賦形する時に、材料中に含有される磁性粒子成分は金属の酸化物であるため硬く、量産製造的には金型や成形機の摩耗が問題となり、また磁性粒子成分の含有が高い成形前材料は溶融粘度が高くなり、成形圧力や金型型締力等を上げるなど、成形上の負荷が大きくなる等の問題があった。
T形ダイスを用いた押出し成形やカレンダー成形のようなシート成形の場合でも、材料中に含有される磁性粒子成分は金属酸化物で硬いため、量産製造的にはT形ダイスやカレンダー成形機のロールの摩耗が問題となった。
また、特許文献3に示されるよう磁性ディスク部材が、磁性粉体と非磁性金属粉体の混合粉体からなる焼結体である磁気エンコーダの場合、焼結体のスリンガー上への保持のため、カシメ工程が必要であり、焼結体の防錆処理が必要であった。また、バインダを持つため、磁石部の厚みが厚くなる場合があった。
さらに、スリンガーの材質は、薄い膜厚で塑性加工可能で、かつ、圧入されて軸に固定できるような金属材料が好ましいが、特に車両用軸受に取付けられる磁気エンコーダは、例えば冬場の凍結防止に路面にまかれた塩化ナトリウムや塩化カルシウム等による腐食環境にさらされるため、通常の金属材料では耐食性能が不足するという問題がある。
特許2816783号公報 特開平6−281018号公報 特開2004−37441号公報 特開2004−296609号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、薄肉化が可能で、耐摩耗性・耐食性に優れ、生産性にも優れた磁気エンコーダを提供することを目的とする。
本発明の磁気エンコーダは、円周方向に交互に磁極を形成した多極磁膜と、該多極磁膜が形成される磁性体のスリンガーとを備えてなる磁気エンコーダであって、上記多極磁膜は、磁性粉をエアロゾル原料とするエアロゾルデポジション法(以下、AD法と記す)により形成される磁性膜であることを特徴とする。特に、上記磁性粉は、フェライト粉であることを特徴とする。
また、上記スリンガーはフェライト系ステンレス鋼からなることを特徴とする。
また、上記多極磁性膜の厚みが、5μm〜1000μmであることを特徴とする。
本発明の磁気エンコーダは、円周方向に交互に磁極を形成した多極磁膜と、該多極磁膜が形成される磁性体のスリンガーとを備えてなり、多極磁膜は磁性粉をエアロゾル原料とするAD法により形成されるので、多極磁膜中に磁性粉を保持するためのバインダが含まれず、安定したセンシングの得られる磁力を確保しながら薄肉化できて、磁気エンコーダのコンパクト化が図れる。また、多極磁膜はAD法によりスリンガー上に緻密で強固に形成され、耐摩耗性および耐食性に優れる。
特に、この多極磁膜を支持するスリンガーも、耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼で形成することにより、アルカリによる腐食環境にさらされても錆びることがない。
本発明の一実施例に係る磁気エンコーダを図1および図2に基づいて説明する。図1は磁気エンコーダの断面図であり、図2は磁気エンコーダを正面から示す磁極の説明図である。
図1に示すように、磁気エンコーダ1は、金属製の環状の芯金であるスリンガー2と、このスリンガー2の表面に周方向に沿って形成された多極磁膜3とを備える。多極磁膜3は、後述するAD法により磁性粉からなる被膜として成膜された後、周方向に多極に磁化され、交互に磁極N、Sが形成される。磁極N、Sは、図2に示すように、ピッチ円直径PCDにおいて、所定のピッチPとなるように形成されている。図1に示すように、磁気エンコーダ1は、回転部材(図示せず)に取付けられ、多極磁膜3に、固定部材等に固定された磁気センサ4を対面させて回転検出に使用される。
この磁気エンコーダの使用形態を図3に基づいて説明する。図3は、磁気エンコーダを備えた車輪用軸受の断面図である。磁気エンコーダ1は、そのスリンガー2が軸受7の回転側の軌道輪7aに取り付けられ、磁気エンコーダ1の多極磁膜3と、磁気センサ4とを対面させて設置している。該図においては、磁気エンコーダ1が軸受シール装置6の構成要素となっている。この磁気エンコーダ1と磁気センサ4とで回転検出装置5が構成される。
軸8の回転に伴い、軌道輪7aに取り付けられた磁気エンコーダ1が回転すると、多極磁膜3の各磁極の通過が磁気センサ4で検出され、パルスのかたちで回転が検出される。
スリンガー2は、円環状等の環形状とされ、または、円盤形状とされる。多極磁膜3はAD法により強固に形成・固定できるので、スリンガー2の多極磁膜形成表面は、特に表面加工を行なう必要はない。
スリンガー2の材質となる金属は、磁性体、特に強磁性体となる金属が好ましい。例えば、強磁性体でかつ高性能な耐食性(防錆性)を有するフェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)を用いることができる。なお、耐食性を有していても、非磁性である、例えばオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304等)では、バックヨークとならないため、その表面に多極磁石を形成しても、本発明の磁気エンコーダに要求される磁気特性は得られない。
多極磁膜3は、磁性粉をエアロゾル原料としてAD法によりスリンガー2上に形成される磁性膜である。スリンガー上に磁性粉からなる磁性粉被膜を形成した後、該被膜に多極着磁を行うことで図2に示すような多極磁膜となる。多極着磁は、一般に使用される任意の方法を採用できる。
多極磁膜3は、スリンガー2の形状に合わせて、円環状等の環形状とされ、または、円盤形状とされる。
本発明においてAD法は、磁性粉(微粒子)をガス中に分散させたエアロゾルをスリンガーに向けてエアロゾル噴射ノズルより噴射し、エアロゾルをこのスリンガー表面に高速で衝突させ、磁性粉からなる被膜を形成させる方法である。磁性粉は、衝突により粉砕し、清浄な新生表面を形成し、低温接合を生じさせるので、室温で微粒子同士の接合を実現できる。AD法を採用することで、安定したセンシングの得られる磁力を確保しながら薄肉化できて、磁気エンコーダのコンパクト化が図れるうえ、耐摩耗性に優れ、また強固にスリンガー上に密着するため、固定法としても優れたものとなる。
多極磁膜3を形成するためのエアロゾル原料とする磁性粉としては、フェライト粉が好ましい。フェライト粉は、バリウム系等の等方性バリウムフェライト、または、ストロンチウム系等の異方性フェライト粉のいずれであっても使用できる。なお、湿式異方性フェライトコアからなる粉砕粉を磁性粉とした場合、非磁性金属粉との混合粉を磁場中で成形された異方性のグリーン体とする必要がある。
磁性粉の平均粒子径は、0.01μm〜2μm である。0.01μm 未満では凝集しやすくエアロゾル化は困難であり、2μm をこえるとAD法での膜形成はできない(膜成長しない)。また、被膜形成を良好に行なうため、スリンガーへの衝突時に、容易に粉砕するように、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いてクラックを予め形成しておくことが好ましい。
本発明に好適に利用できる磁性粉の市販品としては、例えば、同和工業社製、等方性バリウムフェライト ER平均粒子径 1.1μm等が挙げられる。
本発明における磁性粉被膜(多極着磁前)の形成方法としては、スリンガーを固定してエアロゾル噴射ノズルを移動させて膜を形成する方法、または、エアロゾル噴射ノズルを固定してスリンガーを移動させて膜を形成する方法のいずれも採用できる。
これらの方法の中で、エアロゾルを安定な状態で吹きつけることができ、位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータ等を併用し、円環状のスリンガーを円周方向に回転させつつ軸方向と垂直方向(水平方向)に移動させることで、被膜を容易に塗り重ねて形成できることから、後者の方法を用いることが好ましい。
本発明におけるAD法を図4に基づいて説明する。図4はAD法により円環状スリンガーに磁性粉被膜を形成する場合の、被膜形成装置を示す図である。
図4に示すように、AD法による被膜形成装置9は真空チャンバー10を有する。真空チャンバー10内には、被膜形成対象であるスリンガー2と、エアロゾル噴射ノズル17とが配設されている。エアロゾル噴射ノズル17にはエアロゾル発生装置16からエアロゾルが供給される。真空チャンバー10の内部は真空ポンプ11によって減圧される。磁性粉(微粒子)の混入を防止するため、真空ポンプ11の直前に微粒子フィルター18が設けられている。スリンガー2は、真空チャンバー10内において、対象物回転用モータ14により円周方向に回転させられ(図中A)、位置決め用XYテーブル13により軸方向と垂直方向(水平方向)に平行移動させられる(図中B)。
エアロゾル噴射ノズル17は、磁性粉を含むエアロゾルを、長方形等の開口部を有するノズル先端から、スリンガー2の表面に噴射するものである。なお、エアロゾル噴射ノズル17は、1本であっても複数本であってもよい。また、エアロゾル噴射ノズル17は、真空チャンバー10内で変位可能に構成してもよい。
エアロゾルの搬送ガスとしては、不活性ガスを使用し、ガス供給設備15からエアロゾル発生装置16に供給されている。使用可能な不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等が挙げられる。
固定したエアロゾル噴射ノズル17から、対象物回転用モータ14により所定回転数で回転しているスリンガー2に、磁性粉を原料とするエアロゾルが噴射され、スリンガー表面に磁性粉被膜が塗り重ねられて形成される。同時に、位置決め用XYテーブル13によりスリンガー2を平行移動させてスリンガー表面の所定範囲に均一に被膜が形成される。
被膜形成は、5μm以上、1000μm以下の厚みとなるまで行なう。5μmよりも薄いと磁気エンコーダとしてセンシングに必要な磁力が得られない。また、1000μmより厚いと成膜時間が長く効率的に生産できない。なお、磁性粉被膜はスリンガー上に強固に密着するため、接着や機械的固定法は不要である。
以上のAD法により形成された磁性粉被膜は、必要に応じて研磨加工により平坦化した後、多極着磁ヨーク等を用いて多極着磁することで、多極磁膜3となる。
AD法により得られた多極磁膜3は、エアロゾルに分散された磁性粉(微粒子)のみから形成され、極めて緻密で強固なセラミックス層となるため、以下のような利点がある。
(1)従来のエラストマー、プラストマーおよび焼結磁石に比べてバインダを必要としないため、磁性粉比率を高くすることができる。そのため、単位体積あたりの磁力を大きくでき、検出感度の向上、薄肉化が可能になる。(2)従来の焼結磁石に比べて、金属(スリンガー)上に強固に密着するために割れ難い。(3)従来のエラストマー等に比べて表面が硬いため、損傷しがたい。(4)従来の焼結磁石に比べて、耐食性のための防錆処理が不要となるため、生産性に優れかつ製造コスト的に有利となる。
本発明の磁気エンコーダを上記図3に示すような車輪軸受に使用する場合、一般に路面の環境下にさらされた状態となり、磁気エンコーダ1と、これに対面される磁気センサ4との間に砂粒等の粒子が噛み込むことがあるが、この噛み込みに対しても次のように保護される。
すなわち、AD法で形成・着磁されたフェライト粉等からなる多極磁膜3の表面硬度は、従来の磁性粉や磁性粒子を含有する弾性部材やエラストマー性のコーダに比べて硬い。そのため、車輪回転検出のための磁気エンコーダ1を有した車輪用軸受において、車両走行中に回転側の多極磁膜3の表面と固定側の磁気センサ4の表面との間隙に、砂粒等の粒子が噛み込まれても、多極磁膜3の摩耗損傷は大幅に低減される。
また、冬場の路面の環境下では凍結防止のため路面にまかれた塩化ナトリウムや塩化カリウムなどのアルカリによる腐食環境にさらされるため、高性能な耐食性が要求される。AD法で形成・着磁されたフェライト粉等からなる多極磁膜3は、アルカリによる腐食環境でも全く錆びないため、従来の焼結磁石製のコーダに比べ抜群の耐食性を示す。また、その被成膜体であるスリンガーも耐食性を有するフェライト系のステンレス鋼板等で構成するため錆びることはない。
本発明の磁気エンコーダは、薄肉化が可能で、耐摩耗性・耐食性に優れ、生産性にも優れるので、自動車等の軸受部の回転検出装置等に好適に利用できる。
本発明の磁気エンコーダの一実施例を示す断面図である。 磁気エンコーダを正面から示す磁極の説明図である。 磁気エンコーダを備えた車輪用軸受の全体断面図である。 AD法によるセラミックス被膜形成装置を示す図である。
符号の説明
1 磁気エンコーダ
2 スリンガー
3 多極磁膜
4 磁気センサ
5 回転検出装置
6 シール装置
7 軸受
8 軸
9 被膜形成装置
10 真空チャンバー
11 真空ポンプ
13 位置決め用XYテーブル
14 対象物回転用モータ
15 ガス供給設備
16 エアロゾル発生装置
17 エアロゾル噴射ノズル
18 微粒子フィルター

Claims (4)

  1. 円周方向に交互に磁極を形成した多極磁膜と、該多極磁膜が形成される磁性体のスリンガーとを備えてなる磁気エンコーダであって、
    前記多極磁膜は、磁性粉をエアロゾル原料とするエアロゾルデポジション法により形成される磁性膜であることを特徴とする磁気エンコーダ。
  2. 前記磁性粉は、フェライト粉であることを特徴とする請求項1記載の磁気エンコーダ。
  3. 前記スリンガーは、フェライト系ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁気エンコーダ。
  4. 前記多極磁性膜の厚みが、5μm〜1000μmであることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の磁気エンコーダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012173178A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Nidec Sankyo Corp ロータリエンコーダ
JP2015078889A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 Ntn株式会社 磁気エンコーダ装置および回転検出装置

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