JP6259673B2 - ケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法 - Google Patents

ケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非接触で角度を検出するセンサーに使用されるケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法に関し、特に、水、オイル、排ガスなどの流体と接触し、耐食性の要求される腐食性環境下で使用されるケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法に関する。
希土類合金などの磁石粉末を樹脂バインダで結合して成形したボンド磁石は、樹脂バインダを含む分、バインダレスの焼結磁石より磁気特性は劣るものの、任意の形状に加工が容易であり、その寸法精度にも優れることから、種々の用途に使用されている。例えば、非接触で角度を検出するセンサー用途として、自動車分野では、HEV車やEV車のエンジン、インバータ、バッテリーなどの冷却を効率よく行うためのウォーターポンプの流路切り換えバルブや、オイルポンプ、燃料ポンプなどの開閉角度を検知するセンサーマグネットとして利用され、産業機械分野では、ロボットにおける絶対角度検出用のセンサーマグネットとして利用されている。
ボンド磁石としては、磁石粉末と熱硬化性エポキシ樹脂などの樹脂バインダとを含む混合物を金型に充填して圧縮成形したもの(圧縮ボンド磁石)と、磁石粉末と熱可塑性樹脂バインダとの混合物をペレット化し、これを用いて射出成形したものがある。圧縮ボンド磁石は、射出成形によるものと比較して、磁石粉末量を多くできるため、高い磁気特性を達成できる。
希土類磁石粉末をボンド磁石に用いる場合、鉄や希土類を含むため、錆が内部浸透する問題や、酸化腐食による磁気特性の劣化のおそれがある。特に、水などの流体と接触する腐食性環境下では顕著となる。このため、圧縮ボンド磁石では、磁石の露出面に、例えば、電着塗装、静電塗装、スプレー塗装などにより樹脂塗膜を形成することで、上記問題に対処している。
従来、希土類磁石の表面に浸漬法により防錆熱硬化性被膜を形成した圧縮ボンド磁石の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。この製造方法では、浸漬、乾燥・硬化を2〜6回繰り返して行ない、磁石内空隙に樹脂を含浸させつつ磁石表面に0.005mm〜0.05mmの防錆熱硬化性被膜を形成している。
特開2002−260943号公報
近年、水、オイル、排ガスなどの流体と接触し、耐食性の要求される環境下で使用される小型センサーなどでは、優れた耐食性と成形性を確保した上での、磁気特性の更なる高性能化が望まれている。しかし、特許文献1を含め、従来の圧縮ボンド磁石は、射出成形によるものと比較すれば磁石粉末量を多くできるものの、磁石粉末量は磁石全体に対して体積比率で最大でも83%程度であり、圧縮ボンド磁石の磁気特性では上記要求に対応することが困難な場合がある。単純に、磁気特性向上のために樹脂バインダ量を少なくし、磁石粉末量を通常の限界量(83%)よりも増加させると、使用時において、圧縮成形体である磁石自体の耐久強度や接着強度を維持できないおそれがある。
一方で、ボンド磁石に替えて、より高磁気特性を有するバインダレス磁石(焼結磁石)を採用することが考えられるが、バインダレス磁石は、希土類合金などの磁石粉末を超高圧下で圧縮成形した後、真空炉で高温(例えば500℃以上)で熱処理を行ない製造する工程が必要であり、圧縮ボンド磁石よりも製造コストが高くなる。また、高温熱処理によって、磁気特性が低下するおそれがある。さらに、耐食性環境下で使用するため、別途、この希土類磁石表面に上述の樹脂塗膜の形成や、電気めっきや金属蒸着による金属被膜の形成を行なう必要がある。
特許文献1の製造方法では、防錆熱硬化性被膜の形成を、磁石形成後に別工程で行なっており、また、浸漬処理を複数回繰り返すものであるため、製造工程が多くなり、生産性に劣り製造コストも高くなる。
また、希土類磁石粉末の種類として、異方性磁石を用いることで等方性磁石を用いる場合よりも高磁気特性とできるが、異方性磁石では磁場成形機による磁場配向成形が必要となり、製造コストが高くなる。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、高磁気特性、高耐食性、高耐久強度のケース付き圧縮ボンド磁石を、高い生産性かつ低コストで製造可能なケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法は、希土類磁石粉末と熱硬化性樹脂の樹脂バインダとを含む圧縮ボンド磁石と、該圧縮ボンド磁石を挿入するケースと、封止部材とを備えてなり、上記圧縮ボンド磁石が上記封止部材と上記ケースとで密封されているケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法であって、上記希土類磁石粉末と上記樹脂バインダとを含む混合物を圧縮成形して圧紛体を形成する圧紛体成形工程と、上記樹脂バインダが硬化後の圧粉体または上記樹脂バインダが硬化前の圧粉体を上記ケースに挿入する圧紛体挿入工程と、上記ケースの上記圧紛体の挿入開口部に封止部材を固定する封止工程とを備えてなることを特徴とする。
上記圧粉体挿入工程が、上記樹脂バインダが硬化前の圧紛体を前記ケースに挿入する工程であり、上記封止工程が、上記ケースの上記圧紛体の挿入開口部において、硬化後に上記封止部材となる熱硬化性樹脂を、上記ケースに一部接触させつつ上記圧紛体の上記ケースとの非接触部を覆うように塗布し、上記熱硬化性樹脂および上記樹脂バインダの熱硬化開始温度以上の熱処理で、上記熱硬化性樹脂を硬化させて上記封止部材を上記ケースに固定しつつ形成するとともに、上記圧粉体中の上記樹脂バインダを硬化させて上記圧縮ボンド磁石を形成する工程である、ことを特徴とする。
上記ケースが非磁性材からなり、上記圧粉体および上記圧縮ボンド磁石が略円柱形状であり、該円柱の径方向に磁化されており、該円柱の外周面側および底面側を覆って上記ケースが配置され、該円柱の上面側に上記封止部材が配置されることを特徴とする。
上記ケースが非磁性材からなり、上記圧粉体および上記圧縮ボンド磁石が略円柱形状であり、該円柱の径方向に磁化されており、該円柱の外周面側および底面側を覆って上記ケースが配置され、該円柱の上面側に上記封止部材が配置され、上記圧粉体は、その外周面の少なくとも円柱上面側端部に上記ケースと非接触となる段差部を有し、上記封止工程において該段差部に上記熱硬化性樹脂が充填され、該段差部に上記封止部材の一部が形成されることを特徴とする。
上記封止工程における熱処理は、200℃以下の温度、かつ、常圧下で行なうことを特徴とする。
上記希土類磁石粉末が等方性Nd−Fe−B磁石粉末であり、該磁石粉末が上記圧縮ボンド磁石全体に対して体積比率で85〜90%含まれることを特徴とする。
本発明のケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法は、希土類磁石粉末と熱硬化性樹脂の樹脂バインダとを含む圧縮ボンド磁石と、該圧縮ボンド磁石を挿入するケースと、封止部材とを備え、上記圧縮ボンド磁石が封止部材とケースとで密封されているケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法であり、(a)希土類磁石粉末と樹脂バインダとを含む混合物を圧縮成形して圧紛体を形成する圧紛体成形工程と、(b)樹脂バインダが硬化後の圧粉体または樹脂バインダが硬化前の圧粉体をケースに挿入する圧紛体挿入工程と、(c)ケースの圧紛体の挿入開口部に封止部材を固定する封止工程とを備えてなるので、圧縮ボンド磁石をケース内部に完全に密封封止でき、耐食性に優れ、直接に水、オイル、排ガスなどと接触する腐食性環境下であっても好適に利用可能な高い耐食性を有するケース付き圧縮ボンド磁石が得られる。また、上記封止構造により、圧縮ボンド磁石自体には高い耐久強度が要求されないので、通常の圧縮ボンド磁石よりも樹脂バインダ量を少なくして、希土類磁石粉末量を多くすることが可能となり、高い磁気特性を有するケース付き圧縮ボンド磁石が得られる。さらに、上記封止構造により、樹脂バインダ量の少ない圧縮ボンド磁石を採用する場合でも、ケースおよび封止部材と組み合わせた全体として耐久強度に優れるケース付き圧縮ボンド磁石が得られる。
また、圧粉体挿入工程が、樹脂バインダが硬化前の圧紛体をケースに挿入する工程であり、封止工程が、ケースの圧紛体の挿入開口部において、硬化後に封止部材となる熱硬化性樹脂を、ケースに一部接触させつつ圧紛体のケースとの非接触部を覆うように塗布し、熱硬化性樹脂および樹脂バインダの熱硬化開始温度以上の熱処理で、熱硬化性樹脂を硬化させて封止部材をケースに固定しつつ形成するとともに、圧粉体中の樹脂バインダを硬化させて圧縮ボンド磁石を形成するので、圧縮ボンド磁石の硬化と封止部材の硬化とを同一工程で行なうことができ、それぞれを単独で行なう必要がない。また、従来の耐食性向上のための塗装処理も削除できる。このため、製造工程と処理費用を大幅に削減でき、高い生産性かつ低コストでケース付き圧縮ボンド磁石が製造可能となる。
磁石として圧縮ボンド磁石を採用するので、上記熱硬化の際の熱処理は、例えば200℃以下の温度、かつ、常圧下で行なうことができ、真空・高温での熱処理は不要であり、より高い生産性かつ低コストでの製造が可能となる。
ケースが非磁性材からなり、圧粉体および圧縮ボンド磁石が略円柱形状であり、該円柱の径方向に磁化されており、該円柱の外周面側および底面側を覆ってケースが配置され、該円柱の上面側に封止部材が配置されるので、ケースが磁気特性に悪影響を与えない。また、封止部材を通常の塗膜よりも厚膜の成形体としながら、センサー感度などに悪影響を与えない。
また、上記圧粉体は、その外周面の少なくとも円柱上面側端部にケースと非接触となる段差部を有し、封止工程において該段差部に熱硬化性樹脂が充填され、該段差部に封止部材の一部が形成されるので、ケースと封止部材との接着面積が大きくなり、接着強度に優れ、剥がれなどを防止できる。また、腐食性流体のバリア性に優れる。
上記希土類磁石粉末が等方性Nd−Fe−B磁石粉末であるので、資源的に豊富で安価な材料であり、かつ、高価な磁場成形機による磁場配向成形が不要であるため、製造コストの更なる低下が図れる。また、上記封止構造により、圧縮ボンド磁石がケースと封止部材により完全に密封封止されているので、酸化されやすい鉄と希土類を含む等方性Nd−Fe−B磁石粉末を用いながら、腐食による磁気特性の劣化や錆の発生を防止できるケース付き圧縮ボンド磁石が得られる。さらに、この磁石粉末が圧縮ボンド磁石全体に対して体積比率で85〜90%含まれるので、通常の圧縮ボンド磁石では得られない高い磁気特性を有するケース付き圧縮ボンド磁石が得られる。
本発明のケース付き圧縮ボンド磁石の製造工程フロー図である。 本発明のケース付き圧縮ボンド磁石の製造工程の一例を示す図である。 本発明の製造方法で得られるケース付き圧縮ボンド磁石の一例を示す平面図および断面図である。 図3のケース付き圧縮ボンド磁石の磁力線の向きの模式図である。
本発明のケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法を図1および図2に基づいて説明する。図1は、本発明のケース付き圧縮ボンド磁石の製造工程フロー図であり、図2は具体的な製造工程の一例を示す図である。本発明のケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法は、希土類磁石粉末と熱硬化性樹脂の樹脂バインダとを含む圧縮ボンド磁石と、該圧縮ボンド磁石を挿入するケースと、封止部材とを備え、圧縮ボンド磁石が封止部材とケースとで密封されているケース付き圧縮ボンド磁石を製造するための方法である。
この製造方法は、以下の(a)〜(c)の3つの工程を少なくとも備える。すなわち、(a)希土類磁石粉末と樹脂バインダとを含む混合物を圧縮成形して圧紛体を形成する圧紛体成形工程と、(b)樹脂バインダが硬化後の圧粉体(圧縮ボンド磁石としての完成品)または樹脂バインダが硬化前の圧粉体をケースに挿入する圧紛体挿入工程と、(c)ケースの圧紛体の挿入開口部に封止部材を固定する封止工程と、を備えてなる。図1および図2は、(c)封止工程において、圧縮ボンド磁石の硬化と熱硬化性樹脂からなる封止部材の硬化とを同時に行ない、封止部材の具体的な固定手順として、該工程に(c1)塗布工程と(c2)熱硬化工程とを含む場合である。各工程について以下に説明する。
[(a)圧紛体成形工程]
希土類磁石粉末と樹脂バインダとを含む混合物を圧縮成形する。例えば、図2(a)に示すように希土類磁石粉末と熱硬化性樹脂の樹脂バインダとの混合物をダイス6内に入れ、これを上パンチ7と下パンチ8とで圧縮して圧粉体2’(硬化前)を形成する。希土類磁石粉末と樹脂バインダとの混合は、樹脂バインダの熱硬化性樹脂のタイプに応じて乾式法または湿式法を適宜選択でき、例えば、ブレンダー、ニーダーなどの混合機を用いて行なう。また、この圧紛体成形工程において使用される成形金型は490〜980MPaの成形圧力を印加できる金型であればよい。
本発明では、圧縮ボンド磁石として、希土類磁石粉末が圧縮ボンド磁石全体に対して体積比率で85〜90%含まれる磁石を用いることが好ましい。また、樹脂バインダは体積比率で3〜10%程度であり、空隙率は5〜10%程度である。これらの体積比率は、希土類磁石粉末と樹脂バインダとの圧縮成形(圧粉体成形)および熱処理による樹脂バインダの硬化を経て得られた最終的な圧縮ボンド磁石における体積比率であり、各材料の比重、圧縮成形時の成形圧力、空隙率などを考慮しつつ、各材料の配合重量を調整することで設定する。なお、従来の圧縮ボンド磁石の磁石粉末の体積比率は、上述のとおり、最大でも83%程度であり、通常は磁石粉末が75〜80%、空隙率が10%〜15%程度である。
希土類磁石粉末と樹脂バインダとの配合重量割合は、これらの合計量に対して、例えば、エポキシ樹脂(硬化剤含む)が0.5質量%以上2質量%未満であり、残部が希土類磁石粉末である。この範囲とすることで、上記好適範囲で示す体積比率(85〜90%)を達成し得る。なお、通常の圧縮ボンド磁石では、樹脂バインダは、希土類磁石粉末と樹脂バインダとの合計量に対して2〜3質量%配合している。また、この圧縮ボンド磁石には、樹脂バインダと希土類磁石粉末以外に、磁気特性に影響を与えない範囲で、圧縮成形性改善などの目的でステアリン酸カルシウムや窒化硼素などの他の配合剤を微量含んでいてもよい。
希土類磁石粉末の配合量を、圧縮ボンド磁石全体に対して体積比率で85体積%以上とすることで、高い磁気特性を得ることができる。高い磁気特性とは、具体的には、最大エネルギー積、残留磁束密度、保磁力などに優れることである。希土類磁石粉末が圧縮ボンド磁石全体に対して85体積%未満であると、所望の磁気特性が得られないおそれがある。一方、90体積%をこえると、相対的に樹脂バインダの量が少なくなりすぎ、圧粉体挿入工程の際に破損するなどのおそれがある。また、希土類磁石粉末は、圧縮ボンド磁石全体に対して体積比率で85〜88%含まれることがより好ましい。この好適範囲とすることで、磁気特性と材料強度について両立した特性が得られ、圧縮ボンド磁石のケース圧入における自動化対応などの効果がある。
圧粉体を形成する希土類磁石粉末としては、希土類永久磁石を製造するために採用することができる磁石粉末であれば使用でき、例えば、Nd−Fe−B系、Sm−Co系などの磁石粉末が挙げられる。また、等方性、異方性のいずれであっても使用できる。上記の中でも、資源的に豊富で安価な材料からなり、かつ、高い磁気特性を有することから、Nd−Fe−B磁石粉末を用いることが好ましい。また、磁場成形機による磁場配向成形が不要であり、生産性の向上や製造コストの低減が図れることから、等方性のNd−Fe−B磁石粉末を用いることが特に好ましい。ここで、本発明に用いる等方性Nd−Fe−B磁石粉末における各成分の含有量は、Ndが27〜40重量%、Feが60〜70重量%、Bが1〜2重量%であり、磁気特性向上のため、Dy、Tb、Co、Cu、Al、Si、Ga、Nb、V、Pr、Mo、Zr、Ta、Ti、W、Ag、Bi、Zn、Mgなどの他元素を少量含んでいてもよい。
希土類磁石粉末(特に、Nd−Fe−B磁石粉末)からなる圧縮ボンド磁石は、酸化されやすい鉄と希土類を含むため、その表面が露出した状態で腐食環境下で使用されると、酸化腐食による磁気特性の劣化や錆の発生のおそれがある。本発明の製造方法で得られるケース付き圧縮ボンド磁石では、圧縮ボンド磁石がケースと封止部材により完全に密封封止された状態で使用されるので、この腐食の問題を回避できる。
希土類磁石粉末の平均粒子径(レーザー解析法による測定値)は、300μm以下であることが好ましい。より好ましくは30μm〜250μmである。また、圧縮成形後における粒子間の空隙部を少なくするためには、粒度分布が2つのピークを有することが好ましい。
圧縮ボンド磁石を形成する樹脂バインダとしては、熱硬化性樹脂を用いる。例えば、圧縮ボンド磁石用の公知の樹脂バインダである、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの中でもエポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、封止部材に用いる熱硬化性樹脂と同様の硬化温度を有するものが好ましい。
樹脂バインダとして用いるエポキシ樹脂は、接着用のエポキシ樹脂として使用できる樹脂であればよく、軟化温度が100〜120℃の樹脂が好ましい。例えば、室温では固体(粉末)であるが、50〜60℃でペースト状になり、130〜140℃で流動性になり、さらに加熱を続けると硬化反応が始まるエポキシ樹脂が好ましい。この硬化反応は120℃付近でも始まるが、実用的な硬化時間、例えば2時間以内で硬化反応が終了する温度としては170〜190℃であることが好ましい。この温度範囲であると、硬化時間は45〜80分である。このようなエポキシ樹脂(潜在性エポキシ硬化剤を含む)と、希土類磁石粉末とを該エポキシ樹脂の軟化温度以上、熱硬化開始温度未満の温度で乾式混合することで、後述するように、圧縮成形前に希土類磁石粉末にエポキシ樹脂を均一にコーティングした状態とできる。
樹脂バインダとして用いるエポキシ樹脂の樹脂成分としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
樹脂バインダとして用いるエポキシ樹脂の硬化剤成分は、潜在性エポキシ硬化剤であることが好ましい。潜在性エポキシ硬化剤としては、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素−アミン錯体、有機酸ヒドラジドなどが挙げられる。また、潜在性エポキシ硬化剤と共に、三級アミン、イミダゾール、芳香族アミンなどの硬化促進剤を含むことができる。潜在性エポキシ硬化剤を用いることにより、軟化温度を100〜120℃に、また硬化温度を170〜190℃に設定することができ、圧紛体成形工程において、まず希土類磁石粉末にエポキシ樹脂をコーティングした状態とし、その後に圧縮成形を行なうことができる。
例えば、この圧紛体成形工程において、初めに希土類磁石粉末と樹脂バインダであるエポキシ樹脂とを室温で十分にブレンダーなどを用いて混合し、次に、混合された混合物をニーダーなどの混合機に投入してエポキシ樹脂の軟化温度(100〜120℃)にて加熱混合する。この加熱混合の工程により、希土類磁石粉末の表面に未硬化のエポキシ樹脂が均一にコーティング(被覆)された状態となる。ニーダーなどの混合機を用いて加熱混合された内容物は、凝集したケーキ状となっているため、この凝集ケーキを室温でヘンシェルミキサーなどにより粉砕して篩分けすることにより、表面に樹脂バインダであるエポキシ樹脂(未硬化)がコーティングされた希土類磁石粉末が得られる。このような状態の希土類磁石粉末と樹脂バインダとの混合物を圧縮成形して圧粉体を形成する。これにより、樹脂バインダ量を通常よりも少なくする場合であっても、希土類磁石粉末と樹脂バインダ粉末とを単純混合する場合と比較して、比重の異なる磁石粉末と樹脂バインダ粉末の偏析を低減でき、圧紛体成形時の圧縮性や磁石自体の耐久性を向上させ得る。
[(b)圧紛体挿入工程]
図2(b)に示すように、圧紛体成形工程で得られた圧粉体をケースに挿入する。ケースへの挿入は、該ケースと圧縮ボンド磁石を密接できるよう圧入することが好ましい。また、任意の接着剤をケースと圧縮ボンド磁石との間に塗布してもよい。
ケースの材質としては、特に限定されないが、磁気特性に悪影響を与えないことから非磁性材とすることが好ましい。図3に示すように、圧縮ボンド磁石が略円柱形状であり、該円柱の径方向に磁化されており、該円柱の外周面側および底面側を覆ってケース3が配置されている場合、磁力線が図4に示す形状となる。ここで、圧縮ボンド磁石の外周面側を覆うケースを非磁性材とすることで、圧縮ボンド磁石からの磁力線が遮断されず、磁気特性の低下を防止できる。
ケースを形成する非磁性材としては、樹脂材、ゴム材、オーステナイト系などのステンレス非磁性材などが挙げられる。ステンレス非磁性材としては焼結部品と切削加工品とがあり、焼結部品は耐熱性、寸法精度、量産性、コスト面で有利であり、切削加工品は耐熱性、寸法精度、強度の面で有利である。ステンレス切削加工品などを用いる場合は、熱硬化性樹脂からなる封止部材との密着性をより向上させるため、該封止部材との接触表面に、ショット・サンドなどのブラスト処理、機械加工(表面荒し)、酸などの薬液処理を施してもよい。また、ゴム材や樹脂材を採用した場合、形状の設計自由度が高くなり、例えば、ケース側に樹脂硬化後に抜け止めとなる嵌合構造などを容易に形成できる。なお、ステンレス非磁性材などのケースは、一般には高価でかつ切削性に劣るので、ケース部分は、簡易な形状で、圧縮ボンド磁石を保持できる最小限サイズとし、これを一般の磁性材シャフトなどの先端に連結することが好ましい。
[(c)封止工程−(c1)塗布工程]
ケースの圧紛体の挿入開口部において、硬化後に封止部材となる熱硬化性樹脂を、ケースに一部接触させつつ圧紛体のケースとの非接触部を覆うように塗布する。具体的には、図2(c)に示すように、圧粉体2’をケースに圧入後、ケース3の挿入開口部側からディスペンサーを用いて熱硬化性樹脂接着剤を塗布し、未硬化の封止部材4’がケース3と圧粉体2’に塗布された状態の部材を得る。
封止部材の材料に熱硬化性樹脂接着剤を用いることで、封止部材をケースに固定するための別途の接着剤が不要であり、該封止部材を直接に自身の接着力で固定することができる。また、圧縮ボンド磁石との接着性にも優れる。さらに、熱硬化温度範囲を、圧縮ボンド磁石の樹脂バインダ(熱硬化性樹脂)の温度範囲に合わせることで、圧縮ボンド磁石の樹脂バインダ硬化(c2−1)と、封止部材の硬化(c2−2)とを該封止工程の一処理(c2)で同時にできる。その他、必要に応じて、樹脂製の封止部材を塗布形成・硬化後に表面を機械加工処理してもよい。
図3に示すように、封止部材4は、ケース3の挿入開口部3aに沿った略平円板形状であり、その厚み(X)が0.1mm以上であり、従来の塗装による防錆塗膜とは異なる。該図に示す形態では、圧粉体2’(または圧縮ボンド磁石2)が略円柱形状であり、該円柱の径方向に磁化されており、該円柱の外周面側および底面側を覆ってケース3が配置され、該円柱の上面側に封止部材4が配置されている。この構造により、磁力線が図4に示す形状となり、検出センサー5が圧縮ボンド磁石の上方に配置される。この磁力線形状により、検出センサー5は磁石表面に極近接させるのではなく、ギャップを設けて設置する。封止部材4は、通常の塗膜よりも厚膜であるが、このギャップ範囲内に配置できるので、センサー感度などに悪影響を与えることがない。安定した接着性、高い耐腐食性を達成するためには、封止部材4の厚み(X)は、0.3mm〜1.0mmであることが好ましい。
封止部材4の鍔部の厚み(Y)は、本体部の厚み(X)と同程度の厚み、例えば±20%程度とすることが好ましい。また、封止部材4の鍔部の厚み(Z)は、本体部の厚み(X)の2倍〜挿入開口部3aの高さとすることが好ましい。より好ましくは、本体部の厚み(X)の2倍〜4倍である。
また、図3に示すように、圧粉体2’(または圧縮ボンド磁石2)の外周面の円柱上面側一部とケース3との間に封止部材4が介在する構造とすることが好ましい。これにより、挿入開口部3aの縁においてケース3と封止部材4との接合面積が大きくなり、接着強度と腐食性流体のバリア性に優れる。図3(b)に示す構造において、圧粉体2’(または圧縮ボンド磁石2)の円柱高さを、挿入開口部3aの高さよりも小さくし(この差が厚み(X)となる)、さらに、圧縮成形時に圧粉体2’の外周面の円柱上面側一部に内径側への段差部2aを予め設けておく(この段差部2aの軸方向長さが厚み(Z)となり、径方向長さが厚み(Y)となる)。段差部2aの部分はケース3と非接触である。この形状の圧粉体2’(または圧縮ボンド磁石2)をケース3に挿入または圧入し、挿入開口部3aの縁まで熱硬化性樹脂接着剤を塗布し、熱硬化処理させることで、段差部2aにも樹脂接着剤が充填され、上記厚み(X)(Y)(Z)の構造を有する鍔部付き略平円板形状の封止部材4が得られる。圧粉体2’(または圧縮ボンド磁石2)の段差部2aは樹脂溜りとなる。
封止部材に用いる熱硬化性樹脂接着剤としては、耐熱性や耐食性に優れる、エポキシ樹脂接着剤、フェノール樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、上記樹脂バインダで列挙したものと同様の樹脂成分を有し、溶剤希釈可能な一液型または二液型のエポキシ樹脂接着剤などを使用できる。また、このエポキシ樹脂接着剤における硬化剤としては、上記潜在性エポキシ硬化剤以外に、アミン系硬化剤、ポリアミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤などを適宜使用でき、硬化温度範囲や硬化時間は上記樹脂バインダと同様とすることが好ましい。フェノール樹脂接着剤としては、例えば、樹脂成分としてノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂を、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンなどを用い、これをメチルエチルケトンなどの溶剤に溶解させたものなどを使用できる。
熱硬化性樹脂接着剤は、圧粉体の封孔処理目的ではなく、厚膜の封止部材として用いるため、その粘度は封孔処理用のものよりも高い粘度を有することが好ましい。具体的には、25℃における粘度(mPa・s)として、100〜20000mPa・sが好ましく、500〜10000mPa・sがさらに好ましい。この範囲とすることで、ケースおよび圧粉体との密着性に優れる。また、圧粉体の空隙内に浸透する接着剤量を抑制し、圧粉体表面に所望膜厚の封止部材を容易に形成できる。また、熱硬化性樹脂接着剤を圧粉体表面に塗布する方法は、スプレーコーティング、ディスペンサーコーティングなどの公知の方法を採用できる。粘度の高い接着剤を用いることができ、厚膜化が容易であり、塗料の無駄を省くことができるため、ディスペンサーコーティングを採用することが好ましい。
[(c)封止工程−(c2)熱硬化工程]
未硬化の熱硬化性樹脂接着剤が塗布された状態の部材に熱処理を施して該接着剤を硬化させる(c2−2)。図2(d)に示すように、熱処理は、該部材を乾燥機10に入れ、圧粉体中の樹脂バインダおよび熱硬化性樹脂接着剤の熱硬化開始温度以上(例えば170〜190℃であり200℃以下)の温度、常圧下で、十分に硬化が進行する時間行なう。圧粉体中の樹脂バインダと熱硬化性樹脂接着剤の硬化温度範囲および硬化時間は、その材料選定などにより合わせる。樹脂バインダおよび熱硬化性樹脂接着剤の熱硬化開始温度以上の温度としては、200℃以下であり、例えば170〜190℃であり、十分に硬化が進行する時間としては、例えば45〜80分である。
これにより、圧紛体中の樹脂バインダが硬化し該バインダにより希土類磁石粉末が結着して圧縮ボンド磁石2が形成され(c2−1)、同時に、封止部材4がケース3および圧縮ボンド磁石2に固定されつつ硬化形成され(c2−2)、圧縮ボンド磁石2とケース3と封止部材4とが一体になったケース付き圧縮ボンド磁石が得られる。最後に圧縮ボンド磁石2が径方向に着磁されて完成品となる。
以上、図1および図2に基づいて説明した態様では、圧縮ボンド磁石の硬化工程と、封止部材の硬化工程を同一工程で行なうことができ、製造工程と処理費用を大幅に削減でき、高い生産性かつ低コストでケース付き圧縮ボンド磁石が製造可能となる。また、封止工程における熱処理を200℃以下の温度、かつ、常圧下(空気中)で行なうことができ、真空・高温での熱処理は不要であり、より高い生産性かつ低コストでの製造が可能となる。
圧紛体挿入工程における圧縮ボンド磁石の他の態様として、ケースへの挿入前に圧粉体中の樹脂バインダを硬化させ圧縮ボンド磁石を完成させておくこともできる。この場合は、圧縮成形の金型温度を樹脂バインダの熱硬化開始温度以上に調整して該樹脂バインダを硬化させてもよい。熱処理による加熱硬化後、必要に応じて、切削加工、バレル加工などの機械加工を施すことができるが、焼結磁石と比較して熱処理による収縮が少ないため、該機械加工費用を削減できる。また、本発明の磁石では、焼結などの高温熱処置(例えば500℃以上)を行なっていないことから、製造工程中における磁気特性の劣化がなく高い磁気特性を維持でき、また製造コストも削減できる。
封止工程における封止部材の他の態様として、ケースとは別体の金属製または樹脂製の成形体として予め準備し、ケースに圧粉体(または圧縮ボンド磁石)を挿入した後に、このケースに固定してもよい。封止工程における封止部材のケースへの固定手段は、封止部材の材質や構造に依存し、接着固定、圧入固定、引っ掛け構造による形状的な嵌合固定などが採用できる。また、樹脂成形体からなる封止部材を設ける場合、ケース側に樹脂硬化後に抜け止めとなる構造を設けることが好ましい。
また、圧粉体(または圧縮ボンド磁石)が挿入されたケースを金型内に配置し、これに封止部材を樹脂組成物の射出成形(インサート成形)で設ける態様としてもよい。樹脂としては、射出成形が可能な熱可塑性樹脂などを使用できる。このような熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフタールアミド樹脂、ポリアミド樹脂、または、これらの混合物が挙げられる。これらの中でも、耐食性や耐熱性に優れるPPS樹脂またはPEEK樹脂が好ましい。また、この樹脂組成物には、封止部材としての機能を損なわない範囲で任意の配合剤を含んでいてもよい。射出成形方法、射出成形条件、射出成形金型については、樹脂の種類に応じて公知の方法・条件を採用できる。
本発明のケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法は、高磁気特性、高耐食性、高耐久強度のケース付き圧縮ボンド磁石を、高い生産性かつ低コストで製造可能であるので、自動車分野や産業機械分野などの種々の分野において使用される角度検出用センサーのセンサーマグネットの製造に利用できる。特に、冷却水の流路切り換えバルブの回転角度検出センサー、オイルポンプ開閉角度検出センサー、燃料ポンプ用開閉角度検出センサーのように、水、オイル、排ガスなどの流体と接触して耐食性の要求される腐食性環境下で使用されるセンサー用のセンサーマグネットの製造に好適に利用できる。
1 ケース付き圧縮ボンド磁石
2 圧縮ボンド磁石
2’ 圧粉体
3 ケース
4 封止部材
4’ 未硬化の封止部材
5 検出センサー
6 ダイス
7 上パンチ
8 下パンチ
9 ディスペンサー
10 乾燥機

Claims (5)

  1. 希土類磁石粉末と熱硬化性樹脂の樹脂バインダとを含む圧縮ボンド磁石と、該圧縮ボンド磁石を挿入するケースと、封止部材とを備えてなり、前記圧縮ボンド磁石が前記封止部材と前記ケースとで密封されているケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法であって、
    前記希土類磁石粉末と前記樹脂バインダとを含む混合物を圧縮成形して圧紛体を形成する圧紛体成形工程と、
    前記樹脂バインダが硬化前の圧粉体を前記ケースに挿入する圧紛体挿入工程と、
    前記ケースの前記圧紛体の挿入開口部に封止部材を固定する封止工程とを備えてなり、
    前記封止工程が、前記ケースの前記圧紛体の挿入開口部において、硬化後に前記封止部材となる熱硬化性樹脂を、前記ケースに一部接触させつつ前記圧紛体の前記ケースとの非接触部を覆うように塗布し、
    前記熱硬化性樹脂および前記樹脂バインダの熱硬化開始温度以上の熱処理で、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記封止部材を前記ケースに固定しつつ形成するとともに、前記圧粉体中の前記樹脂バインダを硬化させて前記圧縮ボンド磁石を形成する工程である、ことを特徴とするケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法。
  2. 前記ケースが非磁性材からなり、
    前記圧粉体および前記圧縮ボンド磁石が略円柱形状であり、該円柱の径方向に磁化されており、該円柱の外周面側および底面側を覆って前記ケースが配置され、該円柱の上面側に前記封止部材が配置されることを特徴とする請求項1記載のケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法。
  3. 前記ケースが非磁性材からなり、
    前記圧粉体および前記圧縮ボンド磁石が略円柱形状であり、該円柱の径方向に磁化されており、該円柱の外周面側および底面側を覆って前記ケースが配置され、該円柱の上面側に前記封止部材が配置され、
    前記圧粉体は、その外周面の少なくとも円柱上面側端部に前記ケースと非接触となる段差部を有し、前記封止工程において該段差部に前記熱硬化性樹脂が充填され、該段差部に前記封止部材の一部が形成されることを特徴とする請求項記載のケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法。
  4. 前記封止工程における熱処理は、200℃以下の温度、かつ、常圧下で行なうことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法。
  5. 前記希土類磁石粉末が等方性Nd−Fe−B磁石粉末であり、該磁石粉末が前記圧縮ボンド磁石全体に対して体積比率で85〜90%含まれることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項記載のケース付き圧縮ボンド磁石の製造方法。
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