JP2023111957A - 熱硬化性樹脂組成物、磁性コアおよび/または外装部材を備えるコイルおよび成形品の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、磁性コアおよび/または外装部材を備えるコイルおよび成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄損などの磁気特性が良好であり、かつ、成形時の流動性が良好な、コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的の1つとする。【解決手段】磁性体粒子と、熱硬化性樹脂とを含み、磁性体粒子の体積基準の粒子径分布曲線における累積10%値をD10、累積50%値をD50、累積90%値をD90としたとき、D50の値が5~30μmであり、D90/D10の値が25~50である、コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物。なお、粒子径分布曲線は、粒子径1~3μmの領域と、粒子径20~45μmの領域とに極大を有することが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、コイルおよび成形品の製造方法に関する。特に、コイル(リアクトルなどとも表現される)の磁性コアおよび/または外装部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物に関する。
各種の電気・電子製品の部品として、磁性コア/外装部材を備えるコイル(応用分野によっては「リアクトル」「インダクタ」などとも呼ばれる)が盛んに検討されている。また、そのようなコイルの磁性コアや外装部材を作製するための、成形性のある磁性材料も盛んに検討されている。
例えば、特許文献1には、軟磁性粉末と、前記軟磁性粉末を分散した状態で内包する樹脂とを含有する磁性材料であって、その軟磁性粉末が、平均粒子径Dが50μm以上500μm以下の粗粒粉末と、平均粒子径Dが0.1μm以上30μm未満の微粒粉末とを含み、複合材料全体に対する軟磁性粉末の含有量が60体積%以上80体積%以下である磁性材料が開示されている。そして、実施例では、これら2種の微粒粉末を、熱可塑性樹脂であるナイロンと混合し溶融させて成形品を得たことが記載されている。
国際公開第2016/043025号
上記のように、磁性コアや外装部材を得るための成形性のある磁性材料、具体的には磁性体粒子を含む樹脂組成物は盛んに検討されている。
ここで、上記の先行技術の実施例においては、熱可塑性樹脂であるナイロンを用いて成形品が得られているが、過酷な環境下での使用を考えたときには、熱硬化性樹脂で成形品を得ることが好ましい。
熱硬化性樹脂で成形品を得る場合、一般的に、時々刻々と硬化していく熱硬化性樹脂の流動性が問題となる。
磁性コアや外装部材の磁気特性を向上させるには、その素となる樹脂組成物の磁気特性を向上させる必要がある。具体的には、樹脂組成物中の磁性体粒子の充填量を増やす(充填密度を大きくする)必要がある。しかし、磁性体粒子の充填量を増やす(充填密度を大きくする)ほど、一般には成形時の流動性は低くなってしまう。
流動性を上げる1つの方法としては、磁性体粒子の粒子径を大きくすることが挙げられる。これは、感覚的には、粒子径が大きい砂のほうが、粒子径が小さい土よりも流れやすいことにより理解される。しかし、粒子径を大きくすると、粒子間の隙間が大きくなり、磁性コアの磁気特性が悪化する。例えば、鉄損の悪化につながる。
つまり、熱硬化性樹脂組成物でコイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成する場合、流動性を上げると磁気特性が悪化し、磁気特性を改善しようとすると流動性が悪くなる、という課題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。つまり、鉄損などの磁気特性が良好であり、かつ、成形時の流動性が良好な、コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物を提供することを発明の目的の1つとする。
本発明者らは、検討の結果、以下に提供される発明をなし、上記課題を達成できることを見出した。
本発明によれば、
コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物であって、
磁性体粒子と、熱硬化性樹脂とを含み、
前記磁性体粒子の体積基準の粒子径分布曲線における累積10%値をD10、累積50%値をD50、累積90%値をD90としたとき、D50の値が5~30μmであり、D90/D10の値が25~50である熱硬化性樹脂組成物
が提供される。
また、本発明によれば、
上記の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された磁性コアおよび/または外装部材を備えるコイル
が提供される。
また、本発明によれば、
トランスファー成形装置を用いて上記の熱硬化性樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、前記溶融物が硬化した成形品を得る、成形品の製造方法
が提供される。
本発明によれば、鉄損などの磁気特性が良好であり、かつ、成形時の流動性が良好な、コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物が提供される。
磁性体粒子の粒子径分布曲線(体積基準)を模式的に説明するための図である。 磁性コアを備えるコイルを模式的に示す図である。 磁性コアを備えるコイル(図2のものとは別の態様)を模式的に示す図である。 一体型インダクタを模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面に表れている形状や縦横比などは、必ずしも現実を反映したものではなく、数学的に正確なものでもない。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」との表記は「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタアクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書において、「粒子径」とは、特に断りの無い限り、粒子の直径のことを表す。粒子径の測定方法については後述する。
記載の簡素化のため、本明細書においては、「コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物」を、単に「熱硬化性樹脂組成物」または「樹脂組成物」などとも表記する。
<熱硬化性樹脂組成物>
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するために用いられるものであり、磁性体粒子と、熱硬化性樹脂とを含む。そして、その磁性体粒子の体積基準の粒子径分布曲線における累積10%値をD10、累積50%値をD50、累積90%値をD90としたとき、D50の値が5~30μmであり、D90/D10の値が25~50である。
このような樹脂組成物により、鉄損などの磁気特性を良好とすることができ、かつ、成形時の流動性も良好とすることができる理由は、必ずしも全てが明らかではないが、以下のように説明することができる。
従来の課題で説明したように、本発明者らの知見によると、磁性体粒子の粒子径が小さすぎると成形時の流動性が悪化する傾向にあり、一方、粒子径が大きすぎると、磁気特性が悪化する傾向にある。
よって、本発明では、まず、磁性体粒子の粒子径分布における「中央値」であるD50の値を5~30μmとすることで、成形時の流動性と磁気特性とのバランスを取ることとした。
しかし、これだけでは、成形時の流動性と磁気特性の「トレードオフ」を脱却することはできない。
よって、本発明では、D50の値を5~20μmとすることに加え、磁性体粒子の粒子径分布を「幅広く」すること(つまり、D90/D10の値が25~50であることも満たすようにすること)とした。
粒子径分布が幅広いということは、樹脂組成物中に、比較的大きな磁性体粒子と比較的小さな磁性体粒子が混在していることを意味する。そうすると、比較的大きな磁性体粒子同士の隙間に、比較的小さな磁性体粒子が入り、単位体積当たりの磁性体粒子の充填量を高めることができる。これにより、成形時の流動性を維持しつつ、鉄損などの磁気特性の良化が達成されると考えられる。
なお、D10、D50、D90等は、粒子の粒子径分布においてしばしば用いられる指標である。本明細書でのこれらの定義が一般の定義と異なるわけではないが、念のためこれらについて説明しておく。
図1は、とある磁性体粒子の、体積基準の粒子径分布曲線を模式的に示したグラフである。グラフの横軸が粒子径、縦軸が相対粒子量(体積基準)である。
この曲線とグラフの横軸とで囲まれる領域全体の面積を100としたとき、粒子径の小さい側から積分して、面積が10となる粒子径がD10、面積が50となる粒子径がD50、面積が90となる粒子径がD90である。
50の値は、5~30μmであれば特に限定されないが、好ましくは10~20μmである。
90/D10の値は、25~50であれば特に限定されないが、好ましくは32~48、より好ましくは35~45である。
10そのものの値としては、好ましくは0.5~5μm、より好ましくは1~3μmである。
90そのものの値としては、好ましくは16~240μm、より好ましくは35~135μm、さらに好ましくは45~135μmである。
これら数値を適切に調整することで、磁気特性や流動性を一層最適化することができる。
粒子径分布曲線は、好ましくは、少なくとも粒子径1~3μmの領域と、粒子径20~45μmの領域とに極大を有する。例えば、図1に示されるように、粒子径分布曲線が2つの極大を有し(粒子径分布が二峰性であり)、粒子径が小さいほうの極大が粒子径1~3μmの間に存在し、粒子径が大きいほうの極大が粒子径20~45μmの領域に存在する態様が好ましい。
このような粒子径分布の磁性体粒子で樹脂組成物を調製することにより、前述の「比較的大きな磁性体粒子同士の隙間に、比較的小さな磁性体粒子が入り、単位体積当たりの磁性体粒子の充填量を高めることができる」というメリットを最大限享受することができ、結果、成形時の流動性や磁気特性のより一層の向上が期待される。
また、上記のように、粒子径分布曲線が、少なくとも粒子径1~3μmの領域と、粒子径20~45μmの領域とに極大を有する場合において、粒子径分布曲線における粒子径1~3μmの部分の面積(積分値)をS、粒子径20~45μmの部分の面積(積分値)をSとしたとき、S/Sの値が0.1~2.0であることが好ましく、0.2~1.0であることがより好ましい。
このようなS/Sの値であることにより、前述の「比較的大きな磁性体粒子同士の隙間に、比較的小さな磁性体粒子が入る」状態がより高度に実現され(平たく言えば、粒子間の隙間がより少なくなり)、磁気特性の一層の向上を期待することができる。
なお、粒子径分布曲線は、極大を1つのみ有していてもよいし、また、上記の2つの極大以外の極大(第3の極大など)を有していてもよい。しかしながら、成形時の流動性や磁気特性のより一層の向上という点では、上記のように、粒子径1~3μmの領域と、粒子径20~45μmの領域とに、それぞれ1つずつの極大を有することが好ましい。また、それ以外の領域には極大を有しないことが好ましい。
粒子径分布曲線の求め方について説明しておく。
粒子径分布曲線は、例えば、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により得ることができる。例えば、HORIBA社製の粒子径分布測定装置「LA-950」により、磁性体粒子を乾式で測定することで粒子径分布曲線を得ることができる。なお、この測定で得られる粒子径は、一般には1次粒子径であると認識される。
所望の粒子径分布曲線の磁性体粒子を得る方法としては、例えば、複数の粒子径分布等が既知の磁性体粒子を混合する方法などが挙げられる。
磁性体粒子の化学組成等については後述する。
以下、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の各成分について詳述する。
(磁性体粒子)
磁性体粒子は、全体として上記の分布等を満たす限りにおいて、任意のもの、公知のものを用いることができる。具体的には、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、銀およびマンガンからなる群より選択される1種以上の元素を含む磁性体粒子を挙げることができる。このような磁性体粒子を選択することで、磁気特性を一層高めることができる。
磁性体粒子は、結晶材料であってもよく、アモルファス材料であってもよく、これらが混在した材料であってもよい。また、磁性体粒子としては、1種の化学組成からなるものを用いてもよいし、異なる化学組成のものを2種以上併用してもよい。
特に、磁性体粒子としては、鉄基粒子を含むものが好ましい。なお、鉄基粒子とは、鉄原子を主成分とする(化学組成において鉄原子の含有質量が一番多い)粒子のことを言い、より具体的には化学組成において鉄原子の含有質量が一番多い鉄合金のことをいう。
鉄基粒子としてより具体的には、軟磁性を示し、鉄原子の含有率が85質量%以上である粒子(軟磁性鉄高含有粒子)を用いることができる。なお、軟磁性とは、保磁力が小さい強磁性のことを指し、一般的には、保磁力が800A/m以下である強磁性のことを軟磁性という。
このような粒子の構成材料としては、構成元素としての鉄の含有率が85質量%以上である金属含有材料が挙げられる。このように構成元素としての鉄の含有率が高い金属材料は、透磁率や磁束密度等の磁気特性が比較的良好な軟磁性を示す。このため、例えばコイルの磁性コアや外装部材等に成形されたとき、良好な磁気特性を示し得る樹脂組成物が得られる。
上記の金属含有材料の形態としては、例えば、単体の他、固溶体、共晶、金属間化合物のような合金等が挙げられる。このような金属材料で構成された粒子を用いることにより、鉄に由来する優れた磁気特性、すなわち、高透磁率や高磁束密度等の磁気特性を有する樹脂組成物を得ることができる。
また、上記の金属含有材料は、構成元素として鉄以外の元素を含んでいてもよい。鉄以外の元素としては、例えば、B、C、N、O、Al、Si、P、S、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
上記の金属含有材料の具体例としては、例えば、純鉄、ケイ素鋼、鉄-コバルト合金、鉄-ニッケル合金、鉄-クロム合金、鉄-アルミニウム合金、カルボニル鉄、ステンレス鋼、またはこれらのうちの1種もしくは2種以上を含む複合材料等が挙げられる。入手性などの観点からカルボニル鉄を好ましく用いることができる。
上記では鉄基粒子を中心に説明したが、もちろん、磁性体粒子はそれ以外の粒子であってもよい。例えば、Ni基軟磁性粒子、Co基軟磁性粒子等を含む磁性体粒子であってもよい。
また、磁性体粒子は、表面処理が施されていてもよい。例えば、表面をカップリング剤で処理したり、プラズマ処理したりすることが挙げられる。このような表面処理により、磁性体粒子の表面に官能基を結合させることが可能である。官能基は、これらの粒子表面の一部または全面を被覆することができる。
このような官能基としては、下記一般式(1)で表される官能基を用いることができる。
*-O-X-R ・・・(1)
[式中、Rは、有機基を表し、Xは、Si、Ti、Al、またはZrであり、*は、磁性体粒子を構成する原子の1つである。]
上記官能基は、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等の公知のカップリング剤による表面処理によって形成された残基であるが、シラン系カップリング剤およびチタン系カップリング剤からなる群より選択されるカップリング剤の残基であることが好ましい。これにより、磁性体粒子を樹脂組成物に配合して樹脂組成物としたとき、その流動性をより高めることができる。
カップリング剤で表面処理する場合、その方法としては、磁性体粒子をカップリング剤の希釈溶液に浸漬したり、磁性体粒子にカップリング剤を直接噴霧したりする方法が挙げられる。
カップリング剤の使用量は、磁性体粒子の100質量部に対して、例えば、0.05~1質量部であるのが好ましく、0.1~0.5質量部であるのがより好ましい。
カップリング剤と磁性体粒子を反応させるときの溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。また、このときのカップリング剤の使用量は、溶媒100質量部に対して、0.1~2質量部であるのが好ましく、0.5~1.5質量部であるのがより好ましい。
カップリング剤と磁性体粒子との反応時間(例えば希釈溶液への浸漬時間等)は、1~24時間であることが好ましい。
また、上述したような官能基を結合させる際には、磁性体粒子に対する表面処理の一環として、あらかじめプラズマ処理を施してもよい。例えば、酸素プラズマ処理を施すことにより、磁性体粒子の表面にOH基が生じて、酸素原子を介した磁性体粒子とカップリング剤の残基との結合が容易になる。これにより、より強固に官能基を結合させることができる。
ここでのプラズマ処理は、酸素プラズマ処理であるのが好ましい。これにより、磁性体粒子の表面に対して効率よくOH基を修飾することができる。
酸素プラズマ処理の圧力は、特に限定されないが、100~200Paであることが好ましく、120~180Paであることがより好ましい。
酸素プラズマ処理における処理ガスの流量は、特に限定されないが、1000~5000mL/分であることが好ましく、2000~4000mL/分であることがより好ましい。
酸素プラズマ処理の出力は、特に限定されないが、100~500Wであることが好ましく、200~400Wであることがより好ましい。
酸素プラズマ処理の処理時間は、上述の各種条件に応じて適宜設定されるが、5~60分であることが好ましく、10~40分であることがより好ましい。
また、酸素プラズマ処理を施す前に、さらにアルゴンプラズマ処理を施すようにしてもよい。これにより、磁性体粒子の表面にOH基を修飾するための活性点を形成することができるので、OH基の修飾をより効率よく行うことができる。
アルゴンプラズマ処理の圧力は、特に限定されないが、10~100Paであることが好ましく、15~80Paであることがより好ましい。
アルゴンプラズマ処理における処理ガスの流量は、特に限定されないが、10~100mL/分であることが好ましく、20~80mL/分であることがより好ましい。
アルゴンプラズマ処理の出力は、100~500Wであることが好ましく、200~400Wであることがより好ましい。
アルゴンプラズマ処理の処理時間は、5~60分であることが好ましく、10~40分であることがより好ましい。
なお、磁性体粒子とカップリング剤の残基とが酸素原子を介して結合していることは、例えばフーリエ変換赤外分光光度計によって確認することができる。
また、上述したような表面処理は、樹脂組成物中に含まれるすべての粒子に施されてもよく、一部の粒子のみに施されてもよい。
また、上述した表面処理の下地には、別のコート処理が施されてもよい。かかるコート処理としては、例えば、シリコーン樹脂のような樹脂コートの他、シリカコート等が挙げられる。このようなコート処理が施されることにより、磁性体粒子の絶縁性をより高めることができる。このようなコート処理は、必要に応じて施されればよく、省略されてもよい。このコート処理は、上述した表面処理の下地としてではなく、単独で施されていてもよい。
磁性体粒子は、別観点として、真円(真球)に近い形状であることが好ましい。これにより、粒子同士の摩擦が少なくなり、流動性を一層高めることができると考えられる。
具体的には、以下で定義される「真円度」を、磁性体粒子の任意の10個以上(好ましくは50個以上)について求め、その値を平均することで求められる平均真円度が0.60以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましい。
真円度の定義:磁性体粒子の輪郭を走査型電子顕微鏡で観察したときの、当該輪郭から求められる等面積円相当径をReq、当該輪郭に外接する円の半径をRcとしたときの、Req/Rcの値。
磁性体粒子の含有量は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体に対して、好ましくは95質量%以上、より好ましくは95~99.5質量%、さらに好ましくは95~98.5質量%である。磁性体粒子をこの量とすることで、磁気特性を一層良化することができる。
また、別観点として、磁性体粒子の含有量は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体に対して、好ましくは60体積%以上、より好ましくは70~95体積%、さらに好ましくは70~90体積%である。磁性体粒子をこの量とすることで、磁気特性を一層良化することができる。特に、磁性体粒子の「充填率」という点で、この体積%を大きくすることが好ましい。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シアネートエステル樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂(オキセタン化合物)、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
熱硬化性樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ビスマレイミド化合物等のマレイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ジアリルフタレート樹脂;シリコーン系樹脂;ベンゾオキサジン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のシアネート樹脂等のシアネートエステル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、同種の樹脂であっても異なる重量平均分子量のものを併用してもよい。さらに、ある樹脂とそのプレポリマーとを併用してもよい。
熱硬化性樹脂は、室温25℃において半硬化(固形)状のものであってもよい。
熱硬化性樹脂は、耐熱性の観点から、例えば、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。上記エポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を含むことができる。上記エポキシ樹脂として、例えば、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、およびテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上の固形のエポキシ樹脂を用いることができる。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含むことにより、得られる成形体の耐熱性を高くすることができる。
特に、エポキシ樹脂については、低粘度化による成形性向上の観点から、以下の一般式(I)で表される構造を含むエポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2023111957000002
一般式(I)中、2つのRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
Rのアルキル基は、好ましくは炭素数1~6であり、より好ましくは炭素数1~3であり、さらに好ましくは炭素数1(すなわちメチル基)である。2つのRは、メチル基または水素原子であることが好ましい。
熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物の不揮発成分全体を100質量%としたとき、例えば0.5~20質量%であり、好ましくは1~15質量%である。また、熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物の不揮発成分全体を100体積%としたとき、例えば、5~30体積%であり、好ましくは10~30体積%である。このような数値範囲とすることにより、成形性および機械的特性を向上させることができる。
(硬化剤)
本実施形態の樹脂組成物は、上記の熱硬化性樹脂の硬化剤を含んでもよい。これにより、樹脂組成物を十二分に硬化させることができ、得られる成形体の耐熱性、耐久性の向上などが期待できる。
硬化剤は、室温25℃において半硬化(固形)状のものを使用してもよい。
熱硬化性樹脂がノボラック型フェノール樹脂等のフェノール樹脂を含む場合、硬化剤としては例えばヘキサメチレンテトラミン等を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む場合、硬化剤として、例えば脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアミンジアミドのようなアミン化合物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物のような酸無水物、ノボラック型フェノール樹脂のようなポリフェノール化合物(フェノール系硬化剤)、イミダゾール化合物等を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂がマレイミド樹脂を含む場合、硬化剤としては例えばイミダゾール化合物を用いることができる。
特に、硬化剤はフェノール系硬化剤を含むことが好ましい。より具体的には、一分子中に2~5個のフェノール性水酸基を含むフェノール系硬化剤が好ましく、一分子中に3~4個のフェノール性水酸基を含むフェノール系硬化剤がより好ましい。
フェノール系硬化剤を用いることで、硬化性を一層高めることができ、成形物の耐久性の一層の向上などが期待できる。この効果は、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む場合に特に顕著である。
硬化剤を用いる場合、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
硬化剤を用いる場合、その含有量は、樹脂組成物の固形分全体を100質量%として、例えば、0.5~20質量%であり、好ましくは1~15質量%である。また、硬化剤の含有量は、樹脂組成物の不揮発成分全体を100体積%としたとき、例えば、5~30体積%であり、好ましくは10~30体積%である。このような数値範囲とすることにより、成形性および機械的特性を向上させることができる。
また、硬化剤を用いる場合、前述の熱硬化性樹脂との量比を適切に調整することが好ましい。具体的には、いわゆる「当量」の値が、1前後となるように量比を調整することが好ましい。より具体的には、熱硬化性樹脂が含む反応性の官能基(エポキシ基など)のモル数に対する、硬化剤が含む反応性の官能基(フェノール性水酸基など)のモル数の比が、0.8~1.2となることが好ましい。
(硬化促進剤)
本実施形態の樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。これにより、樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂の架橋反応を促進させるものであれば任意のものを用いることができる。例えば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;2-メチルイミダゾール等のイミダゾール類(イミダゾール系硬化促進剤);1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、ベンジルジメチルアミン等が例示されるアミジンや3級アミン、アミジンやアミンの4級塩等の窒素原子含有化合物などを挙げることができる。
硬化促進剤を用いる場合、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
硬化促進剤を用いる場合、その含有量は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体を100質量%としたとき、好ましくは0.01~1質量%であり、より好ましくは0.05~0.8質量%である。このような数値範囲とすることにより、十分に硬化性向上の効果が得られる。
(離型剤)
本実施形態の樹脂組成物は、離型剤を含んでもよい。これにより、成形時の樹脂組成物の離型性を高めることができる。
離型剤としては、例えばカルナバワックス等の天然ワックス、モンタン酸エステルワックスや酸化ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類、ならびにパラフィン等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
離型剤を用いる場合、その含有量は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体を100質量%としたとき、好ましくは0.01~3質量%であり、より好ましくは0.05~2質量%である。これにより、離型性向上の効果を確実に得ることができる。
(非磁性体粒子)
本実施形態の樹脂組成物は、流動性の調整などの観点で、非磁性を示す非磁性体粒子を含んでもよい。非磁性体粒子は、例えば、粒子径分布曲線における累積50%値が3μm以下の粒子を用いることができる。なお、本明細書において、非磁性とは、強磁性を有さないことを指す。
このような非磁性体粒子を含む樹脂組成物は、成形時においてより高い流動性を示すとともに、成形時における熱硬化性樹脂の染み出しがさらに抑制される。このため、樹脂組成物の成形性がより良好になり、磁性体粒子の充填性と均一性とをさらに高めることができる。よって、成形体においてとりわけ良好な磁気特性が得られる。
また、熱硬化性樹脂の染み出しが抑制されることによって、成形時における樹脂バリ等の発生が抑制される。加えて、熱硬化性樹脂の染み出しに伴って樹脂組成物の成分バランスが崩れてしまい成形体の機械的特性が低下するのを防止することができる。したがって、成形不良の少ない成形体が得られる。
非磁性体粒子の構成材料としては、例えば、セラミックス材料、ガラス材料等が挙げられる。このうち、セラミックス材料を含むものが好ましく用いられる。このような非磁性体粒子は、熱硬化性樹脂との親和性が高いため、樹脂組成物の流動性を維持することができる。
上記セラミックス材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、カルシア等の酸化物系セラミックス材料、窒化ケイ素、窒化アルミニウムのような窒化物系セラミックス材料、炭化ケイ素、炭化ホウ素のような炭化物系セラミックス材料等が挙げられる。
また、セラミックス材料は、特にシリカを含むのが好ましい。シリカは、熱硬化性樹脂との親和性が高く、絶縁性が高いため、非磁性体粒子の構成粒子として有用である。
非磁性体粒子の構成材料の真比重は、1.0~6.0であるのが好ましく、1.2~5.0であるのがより好ましく、1.5~4.5であるのがさらに好ましい。このような非磁性体粒子は、比重が小さいため、熱硬化性樹脂の溶融物とともに流動し易い。このため、成形時において熱硬化性樹脂の溶融物が成形型の隙間等に向かって流動するとき、その溶融物とともに非磁性体粒子が流れ易くなる。その結果、隙間が非磁性体粒子によって塞がれ、熱硬化性樹脂の染み出しをより確実に抑制することができる。なお、成形型の隙間とは、例えば、トランスファー成形機のプランジャーとシリンダーとの隙間(クリアランス)等が挙げられる。
非磁性体粒子の、体積基準の粒子径分布曲線における累積50%値は、特に限定されないが、典型的には3μm以下であり、好ましくは0.1~2.8μmであり、より好ましくは0.5~2.5μmである。このような粒子径は、非磁性体粒子が熱硬化性樹脂の染み出し経路を埋めるのに必要な粒子径であって、かつ、熱硬化性樹脂の溶融物とともに流れ易い粒子径である。
また、非磁性体粒子の、体積基準の粒子径分布曲線における累積50%値は、3μm以下であってかつ磁性体粒子のD50より小さければ好ましいが、その差が5μm以上であるとより好ましく、10~100μmであるのがさらに好ましく、15~60μmであるのが特に好ましい。
また、非磁性体粒子に含まれる非磁性粒子の平均真円度(この定義は、磁性体粒子におけるものと同じである)は特に限定されないが、0.50~1であるのが好ましく、0.75~1であるのがより好ましい。真円度がこの範囲内であることにより、非磁性体粒子自体の転がりを活かして樹脂組成物の流動性を確保できる一方、非磁性体粒子が隙間等に詰まり易くなって熱硬化性樹脂の染み出しを抑制し易くなる。すなわち、樹脂組成物の流動性と、熱硬化性樹脂の染み出しの抑制と、を両立させることができる。
非磁性体粒子を用いる場合、その量は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体を100質量%としたとき、1~10質量%が好ましく、2~5質量%がより好ましい。これにより、流動性が一層高く、また、熱硬化性樹脂の染み出しをより確実に抑制可能な樹脂組成物が得られる。
(熱可塑性樹脂)
本実施形態の樹脂組成物は、熱硬化性であるが、流動性や成形性の調整の観点などから、熱可塑性樹脂を含んでもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン等)、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。
熱可塑性樹脂を用いる場合は、1種を単独で用いてもよいし、異なる2種以上を併用してもよい。また、同種の樹脂であっても異なる重量平均分子量の2種以上を併用してもよい。さらに、ある樹脂と、そのプレポリマーとを併用してもよい。
熱可塑性樹脂を用いる場合、その量は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体を100質量%としたとき、1~10質量%が好ましく、2~5質量%がより好ましい。これにより、流動性や成形性の調整効果を十分に得られると考えられる。
(その他の成分)
本実施形態の樹脂組成物は、上述した成分以外の成分を含んでいてもよい。
例えば、低応力剤、カップリング剤、密着助剤、着色剤、酸化防止剤、耐食剤、染料、顔料、難燃剤等を含んでもよい。
低応力剤としては、ポリブタジエン化合物、アクリロニトリルブタジエン共重合化合物、シリコーンオイル、シリコーンゴム等のシリコーン化合物が挙げられる。低応力剤を用いる場合、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
カップリング剤としては、上述の、磁性体粒子の表面処理に用いられるカップリング剤を用いることができるが、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニア系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤を用いる場合、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物がその他の成分を含む場合、その量は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体を100質量%としたとき、例えば0.001~10質量%の範囲で適宜調整される。
(樹脂組成物の物性、性状など)
本実施形態の樹脂組成物は、前述のように、特定の粒子径分布の磁性体粒子を用いることにより、成形時の流動性が良好である。定量的に述べるならば、温度175℃のスパイラルフロー試験により測定される流動長が好ましくは50cm以上である。なお、この流動長は、より好ましくは60cm以上、さらに好ましくは70cm以上である。樹脂組成物がこのような流動長を有することは、磁性コアおよび/または外装部材の量産適性等の点で好ましい。
なお、流動長の上限は、例えば、260cmである。
ここで、上記のスパイラルフロー試験は、たとえば低圧トランスファー成形機(コータキ精機(株)製「KTS-15」)を用いて、EMMI-1-66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で封止用樹脂組成物を注入し、流動長を測定することにより行うことができる。
また、流動性・成形性については、いわゆる溶融粘度で評価することもできる。具体的には、本実施形態の樹脂組成物の175℃における溶融粘度は、例えば、1~500Pa・sであり、好ましくは1~200Pa・sであり、より好ましくは1~100Pa・sであり、更に好ましくは1~50Pa・sであり、特に好ましくは1~20Pa・sである。
溶融粘度を上記の上限値以下とすることにより、流動性を高め、優れた成形性を実現することができる。また、溶融粘度を上記の下限値以上とすることにより、成形時に金型から樹脂漏れが発生することを抑制でき、成形時に樹脂組成物中の磁性体粒子が沈降してしまうことを抑制できる。また、磁性体粒子や非磁性体粒子の粒子表面における絶縁層の損傷を抑制することができる。
溶融粘度の測定方法については、後述の実施例を参照されたい。
さらに、本実施形態の樹脂組成物は、樹脂組成物を溶融し成形することで得られた成形品の、熱収縮率が小さいというメリットが期待できる。これは、前述のように、磁性体粒子が適当な粒子径分布を持つことにより、成形品中での磁性体粒子の「隙間」が少なくなり、磁性体粒子が密に充填される結果、熱収縮率が小さくなるものと推定される。熱収縮率が小さいという特性は、コイル(リアクトル)の磁性コアおよび/または外装部材を形成する際の寸法制御性などの点で好ましい。
熱収縮率について定量的に述べると、熱硬化性樹脂組成物を加熱溶融の後冷却して作製した硬化成形体を、175℃で4時間保持する試験を行ったとき、その試験前の硬化成形体の縦方向の長さをLとし、その試験後の硬化成形体の熱収縮量をLとしたとき、(L/L)×100で表される寸法収縮率が1%以下であることが好ましい。
この測定方法の条件の詳細については、後述の実施例を参照されたい。
本実施形態の樹脂組成物は、室温25℃において固形であってよく、粉末状、顆粒状またはタブレット状等の形状とすることができる。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態の樹脂組成物の製造方法の一例を説明する。
まず、上記の各成分(磁性体粉末や熱硬化性樹脂など)を、ミキサーを用いて混合した後、ロールを用いて、例えば120℃、5~10分の条件で混練することにより混練物を得る。なお、磁性体粉末については、必要に応じてあらかじめ前述の表面処理を行っておく。
その後、得られた混練物を冷却し、そして粉砕することにより、粉末状の樹脂組成物(成形材料)を得ることができる。
なお、この後、必要に応じて粉末状の樹脂組成物を打錠するなどして、顆粒状またはタブレット状に圧粉してもよい。
以上により、トランスファー成形に適する樹脂組成物が得られる。また、樹脂組成物を室温25℃で固形とすることにより、搬送性や保管性を高めることができる。
<成形品の製造方法>
上述の本実施形態の樹脂組成物を用いて、コイル(リアクトル)の磁性コアや外装部材などの成形品を製造することができる。
例えば、本実施形態の樹脂組成物を、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、プレス成形法等の各種成形法により成形することで、所望の成形品を製造することができる。これらの成形法においては、加熱により樹脂組成物が溶融するとともに流動し、所望の形状に成形される。
本実施形態の樹脂組成物は、特に、トランスファー成形法により成形されることが好ましい。つまり、成形品の製造方法としては、トランスファー成形装置を用いて、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、その溶融物が硬化した成形品を得ることが好ましい。すなわち、予熱した樹脂組成物を、トランスファー室とも言われる加熱室に入れて溶融させてから、プランジャーで金型に注入し、そのまま保持して樹脂を硬化させることで、所望の成形品を得ることができる。
トランスファー成形は、成形品の寸法の制御性や形状自由度の向上などの点で他の成形法に比べて好ましい。
トランスファー成形における各種条件は、任意に設定することができる。例えば、予熱の温度は60~100℃、加熱室での加熱温度は150~250℃、金型温度は、150~200℃、金型に樹脂組成物の溶融物を注入する際の圧力は1~20MPaである。
<コイル>
本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成された磁性コアを備えるコイル(リアクトル)の概要について、図2を参照しつつ説明する。
図2(a)は、上面から見たコイル100の概要を示す。図2(b)は、図2(a)におけるA-A'断面視における断面図を示す。
コイル100は、図2に示すように、巻線10および磁性コア20を備えることができる。磁性コア20は、空芯コイルである巻線10の内部に充填されている。図2(a)に示す一対の巻線10は、並列した状態で連結されている。この場合、環状の磁性コア20は、図2(b)に示す1対の巻線10の内部を貫通する構造を有する。これらの磁性コア20と巻線10とは一体化した構造を有することができる。
なお、コイル100は、巻線10と磁性コア20との間に、これらの絶縁を確保する観点から、不図示のインシュレータを介在させた構造としてもよい。
コイル100において、巻線10および磁性コア20は、外装部材30(封止部材)で封止されていてもよい。例えば、筐体(ケース)中に巻線10および磁性コア20を収容し、そこに液状樹脂を導入し、必要に応じて液状樹脂を硬化することにより、巻線10および磁性コア20の周囲に外装部材30を形成してもよい。このとき巻線10は、巻線の端部を外装部材30の外部に引き出した不図示の引き出し部を有していてもよい。
巻線10は、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した巻線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線の断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20の断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20は、本実施形態の樹脂組成物のトランスファー成形品で構成されるため、所望の形状を有することが可能である。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および磁気特性に優れた磁性コア20を実現できる。すなわち、この磁性コア20を備えるコイル100は、量産適性が良好であり、また、鉄損が小さいことなどが期待される。また、機械的特性に優れた磁性コア20を実現できるため、コイル100の耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。このため、本実施形態のコイル100は、昇圧回路用や大電流用のリアクトルとして用いることができる。
<コイル(別の態様)>
上記のコイルとは別の態様として、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成された外装部材を備えるコイル(インダクタ)の概要を、図3を参照しつつ説明する。
図3(a)は、コイル100Bの上面からみたコイルの概要を示す。図3(b)は、図3(a)におけるB-B'断面視における断面図を示す。
コイル100Bは、図3に示されるように、巻線10Bおよび磁性コア20Bを備えることができる。磁性コア20Bは、空芯コイルである巻線10Bの内部に充填されている。図3(a)に示す一対の巻線10Bは、並列した状態で連結されている。この場合、環状の磁性コア20Bは、図3(b)に示される1対の巻線10Bの内部を貫通する構造を有する。これらの磁性コア20Bと巻線10Bとは、それぞれ個別に作成し、組み合わせた組合せ構造を有することができる。
なお、コイル100Bは、巻線10Bと磁性コア20Bとの間に、これらの絶縁を確保する観点から、不図示のインシュレータを介在させた構造としてもよい。
コイル100Bにおいて、巻線10Bおよび磁性コア20Bは、外装部材30B(封止部材)で封止されている。例えば、巻線10Bに充填された磁性コア20Bを金型に配置し、本実施形態の樹脂組成物を用いて、トランスファー成形等の金型成形することにより、当該樹脂組成物を硬化させて、巻線10Bおよび磁性コア20Bの周囲に外装部材30Bを形成することができる。このとき巻線10Bは、巻線の端部を外装部材30Bの外部に引き出した不図示の引き出し部を有してもよい。
巻線10Bは、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した導線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線10Bの断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20Bの断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20Bは、例えば、磁性粉とバインダーとで構成された圧粉鉄芯を用いることができる。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および高透磁率などの磁気特性に優れた外装部材30Bを実現できるため、磁性コア20Bを備えるコイル100Bにおいては、低磁気損失が期待される。また、機械的特性に優れた外装部材30Bを実現できるため、コイル100Bの耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。
<コイル(一体型インダクタ)>
更に別の態様として、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成された磁性コアと外装部材を備える一体型インダクタの概要を、図4を参照しつつ説明する。
図4(a)は、一体型インダクタ100Cの上面からみた構造体の概要を示す。図4(b)は、図4(a)におけるC-C'断面視における断面図を示す。
一体型インダクタ100Cは、図4に示されるように、巻線10Cおよび磁性コア20Cを備えることができる。磁性コア20Cは、空芯コイルである巻線10のC内部に充填されている。巻線10Cおよび磁性コア20Cは、外装部材30C(封止部材)で封止されている。磁性コア20Cおよび外装部材30Cは、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成することができる。磁性コア20Cおよび外装部材30Cは、シームレスの一体部材として形成されていてもよい。
一体型インダクタ100Cの製造方法としては、例えば、巻線10Cを金型に配置し、本実施形態の樹脂組成物を用いて、トランスファー成形等の金型成形をする。これにより、樹脂組成物を硬化させて、巻線10C中に充填された磁性コア20Cおよびこれらの周囲に外装部材30Cを一体的に形成することができる。このとき、巻線10Cは、巻線の端部を外装部材30Cの外部に引き出した不図示の引き出し部を有してもよい。
巻線10Cは、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した導線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線10Cの断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20Cの断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20Cは、本実施形態の樹脂組成物のトランスファー成形品で構成されるため、所望の形状を有することが可能である。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および高透磁率などの磁気特性に優れた磁性コア20Cおよび外装部材30Cを実現できるため、これらを有する一体型インダクタ100Cにおいては、低磁気損失が期待される。また、機械的特性に優れた外装部材30Cを実現できるため、一体型インダクタ100Cの耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。このため、一体型インダクタ100Cは、昇圧回路用や大電流用のインダクタとして用いることができる。
<トランスファー成形用の熱硬化性樹脂組成物>
上述のように、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するために用いられるものである。
一方、別観点として、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、好ましくは、トランスファー成形法により成形することで、コイルの磁性コアおよび/または外装部材に限らない、所望の形状の成形品を得ることができる。つまり、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、「トランスファー成形用」でありうる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物が「トランスファー成形用」であるときの参考形態を以下に記す。
1.
トランスファー成形用の熱硬化性樹脂組成物であって、
磁性体粒子と、熱硬化性樹脂とを含み、
前記磁性体粒子の体積基準の粒子径分布曲線における累積10%値をD10、累積50%値をD50、累積90%値をD90としたとき、D50の値が5~30μmであり、D90/D10の値が25~50である熱硬化性樹脂組成物。
2.
1.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記粒子径分布曲線が、粒子径1~3μmの領域と、粒子径20~45μmの領域とに極大を有する熱硬化性樹脂組成物。
3.
1.または2.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記磁性体粒子の含有量が、組成物の固形分全体に対して95質量%以上である熱硬化性樹脂組成物。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記磁性体粒子が、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、銀およびマンガンからなる群より選択される1種以上の元素を含む熱硬化性樹脂組成物。
5.
1.~4.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
以下で定義される真円度を前記磁性体粒子の任意の10個以上について求め、その値を平均することで求められる平均真円度が0.60以上の磁性体粒子を含む熱硬化性樹脂組成物。
〔真円度の定義〕
磁性体粒子の輪郭を走査型電子顕微鏡で観察したときの、当該輪郭から求められる等面積円相当径をReq、当該輪郭に外接する円の半径をRcとしたときの、Req/Rcの値。
6.
1.~5.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物。
7.
6.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記エポキシ樹脂が、前掲の一般式(I)で表される化合物を含む熱硬化性樹脂組成物。
(一般式(I)中、2つのRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。)
8.
1.~7.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記熱硬化性樹脂の硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物。
9.
8.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記硬化剤が、フェノール系硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物。
10.
1.~9.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
温度175℃のスパイラルフロー試験により測定される流動長が50cm以上である熱硬化性樹脂組成物。
11.
1.~10.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記熱硬化性樹脂組成物を加熱溶融の後冷却して作製した硬化成形体を175℃で4時間保持する試験を行ったとき、当該試験前の前記硬化成形体の縦方向の長さをLとし、当該試験後の前記硬化成形体の熱収縮量をLとしたとき、(L/L)×100で表される寸法収縮率が1%以下である熱硬化性樹脂組成物。
12.
1.~12.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された成形品。
13.
トランスファー成形装置を用いて、1.~12.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、前記溶融物が硬化した成形品を得る、成形品の製造方法。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<樹脂組成物の調製>
各実施例のそれぞれについて、次のようにして樹脂組成物を調製した。まず、表1に示される原料成分およびその配合比率に従い、各原料成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物をロール混練した後、冷却、粉砕して、打錠成形することでタブレット状の樹脂組成物を得た。
表1に示される原料成分は、具体的には以下である。なお、鉄基粒子1~6のD50の値は、製造・購入元から提供された値である。また、真円度は後述の測定により求めた。
(磁性体粒子)
鉄基粒子1:アモルファス磁性粉(エプソンアトミックス(株)製、KUAMET6B2、D50:25μm、真円度:0.88)
鉄基粒子2:カルボニル鉄粉(BASF社製、CIP-HQ、D50:2μm、真円度:0.90)
鉄基粒子3:アモルファス磁性粉(エプソンアトミックス(株)製、KUAMET6B2、D50:50μm、真円度:0.85)
鉄基粒子4:合金鋼粉末(大同特殊鋼(株)製、DAPMSC5、D50:10μm、真円度:0.80)
鉄基粒子5:鉄合金粉末(山陽特殊製鋼(株)製、PST-S、D50:25μm、真円度:0.89)
鉄基粒子6:アモルファス磁性粉(エプソンアトミックス(株)製、KUAMETNC1、D50:25μm、真円度:0.86)
(熱硬化性樹脂)
エポキシ樹脂1:エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、E1032H60、室温25℃で固形)
エポキシ樹脂2:エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、YL6810、室温25℃で固形)
なお、エポキシ樹脂2は、上述の一般式(I)において、2つのRがともにメチル基である化合物に相当する。
(硬化剤)
フェノール樹脂:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製、PR-HF-3、室温25℃で固形)
(離型剤)
離型剤:合成ワックス(クラリアントケミカルズ(株)製、エステルワックスWE-4)
(硬化促進剤)
イミダゾール系硬化促進剤:イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業(株)製、キュアゾール2PZ-PW)
(磁性体粒子の粒子径分布)
HORIBA社製の粒子径分布測定装置「LA-950」により、表1の各樹脂組成物に含まれる磁性体粒子(熱硬化性樹脂などの他成分は含まない)を乾式で測定することで、体積基準の粒子径分布曲線を得た。
得られた粒子径分布曲線から求められた、D10、D50、D90それぞれの値、D90/D10の値、極大位置、S、SおよびS/Sを表2に示す。
表2において、SとSの値は、粒子径分布曲線全体の面積を100としたときの相対値である。
なお、「極大位置」について、各実施例および比較例において、表2に記載された位置以外には存在しなかった(つまり、実施例1~3および比較例2では極大は2つ、比較例1では極大は1つであった)。
(磁性体粒子の平均真円度)
以下手順により求めた。
(1)各実施例の樹脂組成物中に含まれる磁性体粒子の任意の10個を選び、選ばれた各粒子の輪郭を走査型電子顕微鏡で観察した。
(2)観察した各粒子について、その輪郭から、等面積円相当径Reqと、輪郭に外接する円の半径Rcとを求め、Req/Rcの値(各粒子の真円度)を算出した。
(3)各粒子のReq/Rcの値を平均して、平均真円度を求めた。
<性能評価>
上記実施例・比較例で得られた樹脂組成物について、以下の評価項目に基づいて評価を行った。
(流動性:スパイラルフロー試験)
各実施例および比較例の樹脂組成物を用いてスパイラルフロー試験を行った。
試験は、低圧トランスファー成形機(コータキ精機(株)製「KTS-15」)を用いて、EMMI-1-66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で封止用樹脂組成物を注入し、流動長を測定することにより行った。
結果を表3に示す。数値が大きいほど、流動性が良好であることを示す。
(鉄損(50mT,50kHz))
各実施例及び比較例の樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機(コータキ精機(株)製「KTS-30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、外径27mmΦ、内径15mmΦ、厚み3mmのリング状成形品を得た。次いで、得られたリング状成形品を175℃、4時間で後硬化した。
これにより得られたリング状試験片に対して、交流直流磁化特性記録装置(メトロン技研株式会社製、MTR-3368)を用いて、励起磁束密度Bm:50mT、測定周波数:50kHzにおけるヒステリシス損Wh(kW/m)及び渦電流損We(kW/m)を測定した。そして、ヒステリシス損Whと渦電流損Weの和を鉄損(kW/m)として算出した。
評価結果を表3に示す。値が小さいほど性能が良好であることを表す。
(収縮率)
各実施例および比較例の樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機(コータキ精機(株)製「KTS-30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間の条件で注入成形した。その後放冷し、直径100mm、厚さ3mmの円形状の収縮率測定用の成形品を得た。この成形品の直径を正確に測定し記録した。
次いで、上記の成形品を、温度を175℃に保持したオーブンに4時間入れて熱処理し、その後室温まで冷却した。この冷却された成形品の直径を正確に測定し記録した。
熱処理前の成形品の直径Lと、熱処理および冷却後の成形品の直径の収縮量Lから、
式:(L/L)×100
により、熱収縮率を算出した。この値を表3に記載した。
(溶融粘度(175℃))
測定装置として、直径0.5mm、長さ10mmのダイスを装着した高化式フローテスター((株)島津製作所社製CFT-500D)を使用した。
測定温度175℃、荷重40kgfの条件下で、得られた樹脂組成物を装置に投入し、最低粘度を求めた。測定は3回行い、3回の平均値を、175℃における溶融粘度(Pa・s)とした。
得られた値を表3に記載した。
Figure 2023111957000003
Figure 2023111957000004
Figure 2023111957000005
表3等から示されるように、D50の値が5~30μmの範囲で、D90/D10の値が25~50の範囲である磁性体粒子を用いた実施例1~3の樹脂組成物は、スパイラルフロー量が大きく、かつ、鉄損が小さかった。つまり、磁気特性が良好であり、かつ、成形時の流動性が良好であることが示された。
実施例をより詳しく見ると、D90/D10の値が32~48の範囲内にある実施例1および3のほうが、D90/D10の値が26.9である実施例2よりも、スパイラルフロー量および鉄損の両方で良好な結果となった。
一方、比較例のように、D90/D10の値が小さい場合や、D50の値が大きい場合は、少なくとも実施例1~3に比べ、磁気特性は悪く、また、成形時の流動性も悪かった。
なお、比較例1の樹脂組成物は、流動性が低すぎて(スパイラルフロー量が0)、鉄損等の評価ができなかった。
10 巻線
20 磁性コア
30 外装部材
100 コイル
10B 巻線
20B 磁性コア
30B 外装部材
100B コイル
10C 巻線
20C 磁性コア
30C 外装部材
100C 一体型インダクタ
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
更に上記とは別の参考形態の例を付記する。
1.
コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物であって、
磁性体粒子と、熱硬化性樹脂とを含み、
前記磁性体粒子の体積基準の粒子径分布曲線における累積10%値をD 10 、累積50%値をD 50 、累積90%値をD 90 としたとき、D 50 の値が5~30μmであり、D 90 /D 10 の値が25~50である熱硬化性樹脂組成物。
2.
1.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記粒子径分布曲線が、粒子径1~3μmの領域と、粒子径20~45μmの領域とに極大を有する熱硬化性樹脂組成物。
3.
1.または2.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記磁性体粒子の含有量が、組成物の固形分全体に対して95質量%以上である熱硬化性樹脂組成物。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記磁性体粒子が、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、銀およびマンガンからなる群より選択される1種以上の元素を含む熱硬化性樹脂組成物。
5.
1.~4.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
以下で定義される真円度を前記磁性体粒子の任意の10個以上について求め、その値を平均することで求められる平均真円度が0.60以上の磁性体粒子を含む熱硬化性樹脂組成物。
〔真円度の定義〕
磁性体粒子の輪郭を走査型電子顕微鏡で観察したときの、当該輪郭から求められる等面積円相当径をReq、当該輪郭に外接する円の半径をRcとしたときの、Req/Rcの値。
6.
1.~5.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物。
7.
6.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記エポキシ樹脂が、前述の一般式(I)で表される化合物を含む熱硬化性樹脂組成物。
一般式(I)中、2つのRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
8.
1.~7.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記熱硬化性樹脂の硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物。
9.
8.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記硬化剤が、フェノール系硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物。
10.
1.~9.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
温度175℃のスパイラルフロー試験により測定される流動長が50cm以上である熱硬化性樹脂組成物。
11.
1.~10.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記熱硬化性樹脂組成物を加熱溶融の後冷却して作製した硬化成形体を175℃で4時間保持する試験を行ったとき、当該試験前の前記硬化成形体の縦方向の長さをL とし、当該試験後の前記硬化成形体の熱収縮量をL としたとき、(L /L )×100で表される寸法収縮率が1%以下である熱硬化性樹脂組成物。
12.
1.~11.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
コイルの磁性コアを形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物。
13.
1.~12.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された磁性コアおよび/または外装部材を備えるコイル。
14.
トランスファー成形装置を用いて1.~12.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、前記溶融物が硬化した成形品を得る、成形品の製造方法。

Claims (14)

  1. コイルの磁性コアおよび/または外装部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物であって、
    磁性体粒子と、熱硬化性樹脂とを含み、
    前記磁性体粒子の体積基準の粒子径分布曲線における累積10%値をD10、累積50%値をD50、累積90%値をD90としたとき、D50の値が5~30μmであり、D90/D10の値が25~50である熱硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記粒子径分布曲線が、粒子径1~3μmの領域と、粒子径20~45μmの領域とに極大を有する熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記磁性体粒子の含有量が、組成物の固形分全体に対して95質量%以上である熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記磁性体粒子が、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、銀およびマンガンからなる群より選択される1種以上の元素を含む熱硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    以下で定義される真円度を前記磁性体粒子の任意の10個以上について求め、その値を平均することで求められる平均真円度が0.60以上の磁性体粒子を含む熱硬化性樹脂組成物。
    〔真円度の定義〕
    磁性体粒子の輪郭を走査型電子顕微鏡で観察したときの、当該輪郭から求められる等面積円相当径をReq、当該輪郭に外接する円の半径をRcとしたときの、Req/Rcの値。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂が、以下一般式(I)で表される化合物を含む熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2023111957000006
    一般式(I)中、2つのRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記熱硬化性樹脂の硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項8に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記硬化剤が、フェノール系硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    温度175℃のスパイラルフロー試験により測定される流動長が50cm以上である熱硬化性樹脂組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物を加熱溶融の後冷却して作製した硬化成形体を175℃で4時間保持する試験を行ったとき、当該試験前の前記硬化成形体の縦方向の長さをLとし、当該試験後の前記硬化成形体の熱収縮量をLとしたとき、(L/L)×100で表される寸法収縮率が1%以下である熱硬化性樹脂組成物。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    コイルの磁性コアを形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された磁性コアおよび/または外装部材を備えるコイル。
  14. トランスファー成形装置を用いて請求項1~12のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、前記溶融物が硬化した成形品を得る、成形品の製造方法。
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