JP4189696B2 - 磁気エンコーダの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転体の回転数を検出するために用いられる磁気エンコーダの製造方法に関する。
従来、自動車のスキッド(車輪が略停止状態で滑る現象)を防止するためのアンチスキッド、又は有効に駆動力を路面に伝えるためのトラクションコントロール(発進や加速時に生じやすい駆動輪の不要な空転の制御)などに用いられる回転数検出装置としては、N極とS極とを円周方向に交互に着磁された円環状のエンコーダと、エンコーダの近傍における磁場の変化を検出するセンサとを有し、車輪を支持する軸受を密封するための密封装置にエンコーダを併設して配置することにより車輪の回転と共にエンコーダを回転せしめ、車輪の回転に同期した磁場変化をセンサにより検出するものが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1に記載のシール付回転数検出装置は、図10に示すように、外輪101aに取り付けられたシール部材102と、内輪101bに嵌合されたスリンガ103と、スリンガ103の外側面に取り付けられて磁気パルスを発生するエンコーダ104と、エンコーダ104に近接して配置されて磁気パルスを検出するセンサ105とから構成されている。このシール付回転数検出装置が取付けられた軸受ユニットでは、シール部材102とスリンガ103とにより、埃、水等の異物が軸受内部に侵入することを防止し、軸受内部に充填された潤滑剤が軸受外部に漏洩することを防止している。また、エンコーダ104は、内輪101bが1回転する間に、極数に対応した数の磁気パルスを発生させ、この磁気パルスをセンサ105により検出することで内輪101bの回転数を検出している。
従来、車輪用軸受に使用する磁気エンコーダには、ゴムあるいは樹脂等の弾性素材に磁性体粉を混入させた弾性磁性材料が用いられる。磁性ゴムからなる磁気エンコーダは、加硫接着によりスリンガと好適に接合されているため、過酷な温度環境下(−40℃〜120℃)において生じるスリンガとの熱伸縮差を、その弾性変形により吸収することができる。このため、上記のような温度環境下においてもスリンガに対する固着性が維持され、剥れの問題が生じ難い。一般的に、エンコーダ用として用いられるのは、磁性体粉としてフェライトを含有したニトリルゴムが用いられており、ロールで練られることで、機械的に磁性体粉が配向された状態になっている。
特開2001−255337号公報 特開2003−57070号公報
近年、車輪の回転数をより正確に検出するために、磁気エンコーダの磁石部を円周方向にさらに多極化する傾向にある。しかしながら、従来の機械配向法によるフェライト含有ゴム磁石エンコーダでは、一極あたりの磁束密度が小さくなり、回転数を精度よく検出するためには、センサと磁石との隙間(即ち、エアギャップ)を小さくする必要があるため組立てが困難となる虞がある。このため、組立て性の面からエアギャップを大きくとるためには、磁石の磁気特性を向上させる必要がある。
しかしながら、ゴム磁石の磁気特性を向上させるために、磁性体粉の混入量を多くした場合、強度の低下と共に弾性が低下するため、優れた耐熱衝撃性が著しく損なわれることになる。このため、ゴム磁石とスリンガとの間の熱伸張差の吸収作用が損なわれるので、ゴム磁石がスリンガから剥離して脱落、或いはゴム磁石に亀裂やひび割れが発生する虞がある。
一方、プラスチックに磁性体粉を混入したプラスチック磁石は、ゴム磁石に対して比較的多量の磁性体粉を混入することが可能であり、この点において、ゴム磁石を凌ぐ磁気特性を有するエンコーダ素材となり得る可能性を持つ。更に、プラスチック磁石は、磁界をかけた状態での射出成形(磁場成形)が容易であり、これにより、優れた磁気特性発現に不可欠な異方性磁石を得ることができる。
しかしながら、プラスチック磁石は、ゴム磁石のように加硫接着法によりスリンガに定着させるという手法を採ることができないため、通常、単純に接着剤等により接合するか、インサート成形法により一体的に成形するという手法が採られるが、いずれの方法によっても、バインダーであるプラスチックの種類によっては、加硫接着の場合と同等の、大きな接着強度を得ることができない場合がある。そして、そのような場合には、過酷な使用条件下では、最悪、剥れの発生が生じる可能性がある。
また、プラスチック磁石は、通常、ゴム磁石のような柔軟性がないため、急激な温度変化時の熱膨張差の吸収作用がほとんどなく、磁性体粉の配合量を高めたゴム磁石の場合と同様、剥れや亀裂の問題が生じる可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、過酷な使用条件においても磁石部に亀裂が発生したり、磁石部が固定部材であるスリンガから脱落することを防止し、磁気特性が高く、高精度な回転数検出を可能にした信頼性の高いエンコーダの製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 回転体に取り付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法であって、
表面にインサート成形時に硬化反応が進む接着剤を半硬化状態で焼き付けた前記固定部材をコアにして、溶融したプラスチック磁石材料を射出する工程、を備えることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。
(2) 該射出工程と併せて、一方向の磁界で前記プラスチック磁石材料を着磁する工程と、
着磁方向と逆方向の磁界で脱磁する脱磁と、着磁時のコイル電流より高い初期コイル電流に始まって、極性が交互に反転し振幅が徐々に小さくなる複数のパルス電流を印加して脱磁する反転脱磁の少なくとも一方によって脱磁する工程と、
2mT以下の磁束密度に脱磁後、着磁ヨークにより多極着磁する工程と、
を備えることを特徴とする(1)に記載の磁気エンコーダの製造方法。
本発明のエンコーダの製造方法は、過酷な使用条件においても磁石部に亀裂が発生したり、磁石部が固定部材であるスリンガから脱落することを防止し、磁気特性が高く、高精度な回転数検出を可能にした信頼性の高いものとなる。
以下、本発明のエンコーダ、及び転がり軸受ユニットの各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態の一例として、独立懸架式のサスペンションに支持する、非駆動輪を支持するための車輪支持用転がり軸受ユニット2aに、本発明を適用した場合について示している。尚、本発明の特徴以外の構成及び作用については、従来から広く知られている構造と同等であるから、説明は簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
ハブ7aの内端部に形成した小径段部15に外嵌した内輪16aは、このハブ7aの内端部を径方向外方にかしめ広げる事により形成したかしめ部23によりその内端部を抑え付ける事で、ハブ7aに結合固定されている。そして、このハブ7aと内輪16aは回転輪(回転体)を構成している。また、車輪は、このハブ7aの外端部で、固定輪である外輪5aの外端部から突出した部分に形成した取付フランジ12に円周方向に所定間隔で植設されたスタッド8によって、結合固定自在としている。これに対して外輪5aは、その外周面に形成した結合フランジ11により、懸架装置を構成する、図示しないナックル等に結合固定自在としている。外輪5aとハブ7a及び内輪16aとの間には、保持器18によって案内された複数の転動体である玉17a,17aが周方向に転動自在に配置されている。
更に、外輪5aの両端部内周面と、ハブ7aの中間部外周面及び内輪16aの内端部外周面との間には、それぞれシールリング21a、21bが設けられる。これら各シールリング21a、21bは、外輪5aの内周面とハブ7a及び内輪16aの外周面との間で、各玉17a、17aを設けた空間と外部空間とを遮断している。
各シールリング21a、21bは、それぞれ軟鋼板を曲げ形成して、断面L字形で全体を円環状とした芯金24a、24bにより、弾性材22a、22bを補強してなる。この様な各シールリング21a、21bは、それぞれの芯金24a、24bを外輪5aの両端部に締り嵌めで内嵌し、それぞれの弾性材22a、22bが構成するシールリップの先端部を、ハブ7aの中間部外周面、或は内輪16aの内端部外周面に外嵌固定したスリンガ25に、それぞれの全周に亙り摺設させている。
また、図2に示すように、磁気エンコーダ26は、固定部材であるスリンガ25と、スリンガ25の側面に一体接合された磁石部である磁極形成リング27とで構成される。図3に示すように、磁極形成リング27は多極磁石であり、その周方向には、交互にN極とS極が形成されている。そして、この磁極形成リング27に磁気センサ28が対面配置される(図1参照。)。
本発明では、磁気エンコーダ26の磁極形成リング27の磁石材料としては、異方性用の磁性体粉を86〜92重量%含有し、熱可塑性樹脂をバインダーとした異方性磁石コンパウンドを好適に用いることができる。磁性体粉としては、耐侯性を考慮すると、ストロンチウムフェライト等のフェライトが最も好適であり、更にフェライトの磁気特性を向上させるためにランタンとコバルト等を混入させたり、フェライトの一部をネオジウム−鉄−ボロン、サマリウム−コバルト、サマリウム−鉄等の希土類磁性体粉に置き換えても良い。磁性体粉の含有量が86重量%未満の場合は、従来から用いられているフェライト系ゴム磁石と同等以下の磁気特性になると共に、細かいピッチで円周方向に多極磁化させるのが困難になり、好ましくない。それに対して、磁性体粉の含有量が92重量%を越える場合は、樹脂バインダー量が少なくなりすぎて、磁石全体の強度が低くなると同時に、成形が困難になり、実用性が低下する。
バインダーとしては、温度変化など様々な環境で発生する亀裂を防止するために、ポリアミド12等のポリアミドからなるハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド系熱可塑性エラストマーを主要な構成成分とし、引張強度・耐熱性等とのバランスを保つために、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一種類の通常のポリアミドを更に混合した混合物としてもよい。
ポリアミド12をハードセグメントとしたポリアミド12系熱可塑性エラストマーとしては、式(A1)で表わされるアミノカルボン酸化合物及び/又は式(A2)で表わされるラクタム化合物、式(B)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物、そして式(C)で表わされるジカルボン酸化合物を重合して得られるものが挙げられる。
(但し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表わす。)
(但し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表わす。)
(但し、xは1〜20の数値、yは4〜50の数値、そしてzは1〜20の数値を表わす。)
(但し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表わし、mは0または1である。)
ここで、式(A1)の化合物、式(A2)の化合物、式(B)の化合物及び式(C)の化合物の総量に対して、アミノカルボン酸化合物及び/又はラクタム化合物が10乃至95質量%の量にて用いられることが好ましい。
また、式(A1)の化合物及び/又は式(A2)の化合物が15乃至70質量%、そして式(B)の化合物と式(C)の化合物との合計量が30〜85質量%の量にて用いられることが好ましい。
さらに、式(A1)のR1が炭素原子数2〜20のアルキレン基を含んでもよく、式(
A2)のR2が炭素原子数3〜20のアルキレン基を含んでもよい。
また、式(B)のxが2〜6の数値、yは6〜12の数値、そしてzは1〜5の数値を表わすか、或いは、式(B)のxが2〜10の数値、yは13〜28の数値、そしてzは1〜9の数値を表わすことが好ましい。
ポリアミド12系熱可塑性エラストマーは、融点で145〜176℃、曲げ弾性率で60〜500MPaの範囲に入るものを好適に用いることができる。耐熱性、亀裂発生防止を考慮すると、より好ましくは、融点で150〜162℃、曲げ弾性率で65〜250MPaの範囲である。融点が145℃未満、あるいは曲げ弾性率が60未満のポリアミド12系熱可塑性エラストマーを用いると、磁石材料全体としては、柔軟性は向上するが、耐熱性、引張強度等が低下することが想定され、好ましくない。それに対して、曲げ弾性率が500MPaを越える場合は、柔軟性の改善効果が低く、亀裂発生防止に効果を発揮するレベルまで、曲げたわみ量を向上させることが難しくなる。
また、本発明で用いられる磁極形成リング27の磁石材料は、ゴム系フェライト磁石より高い最大エネルギー積BHmaxを有し、具体的には、1.63〜2.38MGOe(13〜19kJ/m)の範囲のフェライト系磁石として高い磁気特性を保持すると同時に、23℃での曲げたわみ量(厚さt=3.0mm、ASTM D790;スパン間距離50mm)が2〜10mmの範囲に入る、たわみ性に優れることで、耐亀裂性が高いものとなっている。
上記磁気特性、曲げたわみ量等を達成するために、本発明の磁石材料は、主材料の構成として、異方性用ストロンチウムフェライトが86〜92重量%、ポリアミド12系熱可塑性エラストマーが1〜7重量%、ポリアミド12が1〜13重量%となる。また、曲げたわみ量を達成すると共に、耐亀裂性を向上させるために、ベンゼンスルホン酸アルキルアミド類、トルエンスルホン酸アルキルアミド類、及びヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類から選ばれる少なくとも1種類の特定の可塑剤を、全重量の中で、0.1〜4重量%程度含有してもよい。
ベンゼンスルホン酸アルキルアミド類としては、具体的には、ベンゼンスルホン酸プロピルアミド、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド、及びベンゼンスルホン酸2−エチルヘキシルアミドなどを挙げることができる。トルエンスルホン酸アルキルアミド類としては、具体的には、N−エチル−o−またはN−エチル−p−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−o−またはN−エチル−p−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミドなどを挙げることができる。ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類としては、具体的には、o−またはp−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、o−またはp−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシル、o−またはp−ヒドロキシ安息香酸エチルデシル、o−またはp−ヒドロキシ安息香酸オクチル、o−またはp−ヒドロキシ安息香酸デシルドデシル、o−またはp−ヒドロキシ安息香酸ドデシルなどを挙げることができる。上記の中で、樹脂への相溶性、低ブリードアウト性、耐熱性から、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシルが特に好ましい。更に、上記配合材料の他に、フェライトの分散性とポリアミド類との密着性を改良するシランカップリング剤や酸化防止剤等各種添加剤を加えてもよい。
また、スリンガの材質としては、エンコーダ磁石の磁気特性を低下させず、尚且つ使用環境から鉄系磁性材料が用いられ、スリンガの取り付け位置によって、耐食性、コストを鑑みて適宜選択可能である。鉄系磁性材料としては、一定レベル以上の耐食性を有するフェライト系ステンレス(SUS430等)、マルテンサイト系ステンレス(SUS410、SUS420等)等の磁性材料が最も好ましい。また、このステンレス鋼製のスリンガ表面は、接着剤の選定を行えば、BA5号等の光輝仕上げを行ったものや、表面に微細な凹凸が残るNo.2B等の仕上げを行ったものを使用可能であるが、磁石材料との接合性を向上させるために、ショットブラスト等の機械的粗面化処理や以下の工程で行われる化学エッチング処理を伴う粗面化処理を行うことが好適である。
第一の工程では、スリンガの表面をアルカリ脱脂剤にて清浄した後、常温の希塩酸等中に数分間浸漬して酸洗後、少なくともシュウ酸イオンとフッ素化合物イオンを含有するシュウ酸鉄処理液に数分間浸漬して、表面にシュウ酸鉄皮膜が形成される。第二の工程では、このシュウ酸鉄皮膜が形成された磁性ステンレス鋼製のバックヨークを、常温で硝酸−フッ化水素酸混酸の水溶液などに数分間浸漬し、下地のステンレス鋼が浸されないレベルまで、シュウ酸鉄皮膜の大部分が除去され、バックヨーク表面に化学エッチングされた凹凸が形成される。この凹凸は化学的に形成されるので、ショットブラスト法などによる機械的凹凸に比べて、形状依存性がなく、全表面に均一に形成され、部分的に凹部の内側空間が広くなったようなシャープな(角のある)窪み状の凹凸となる。このスリンガの凹凸には、接着剤が入り込みやすく、接着剤をスリンガに塗布後半硬化状態で焼き付けたものをコアにしてインサート成形し、必要に応じて二次加熱することで、凹凸がないスリンガを用いたものに比べて強固な接着状態を達成することができる。
また更に防錆性あるいは接着剤の密着性を向上させる第三の工程を行ってもよい。防錆性を向上させる処理の具体例としては、第二工程で使用したシュウ酸鉄皮膜処理であるが、第二工程でせっかく形成された凹凸表面を覆い尽くさないような微細な結晶で形成される薄膜が好ましい。この微細結晶を得る手段としては、処理前に表面調整液に浸漬処理して、結晶核を形成しておく方法が効果的である。
接着剤の密着性を向上させる処理としては、シランカップリング剤処理が効果的である。シランカップリング剤皮膜は接着剤のプライマーとして働き、片末端に接着剤の官能基と反応性が高いアミノ基、エポキシ基等を有するものが好ましく、具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等であり、アルコール等の希釈液に浸漬後、必要に応じて乾燥することで形成される。第三工程で形成される皮膜の厚みは、0.01〜1.0μm、より好ましくは0.01〜0.5μmである。皮膜の厚みが0.01μm未満であると、防錆性、接着剤密着性の改善効果が乏しくなり、好ましくない。それに対して、皮膜の厚みが1.0μmを越えると、第二工程で設けた凹凸表面が覆い尽くす割合が増えるので好ましくない。第二工程、あるいは第三工程まで行って得られたスリンガの表面の凹凸の状態は、JIS B 0601(2001)で規定される算術平均高さRaで0.2〜2.0μm、最大高さRzで1.5〜10μm程度である。凹凸の状態が下限値未満であると、くさび効果を発現させるのが困難になる。またそれに対して、凹凸の状態が上限値を越えるとそれだけくさび効果は向上するが、化学エッチング法で達成するのが難しくなり、実用性が低下すると共に、スリンガの裏面部が接触するゴムシールリップとのシール性が低下し好ましくない。
また、磁性ステンレス以外の鉄系磁性材料、例えば、SPCC等の冷延鋼板等の場合は、第一工程で用いられる表面処理液を、亜鉛イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、カルシウムイオン及びマンガンイオンからなる群から選ばれる少なくとも一種の重金属イオンと、リン酸イオンとを含有するもの、具体的にはリン酸亜鉛処理液、リン酸マンガン処理液等に変更して同様に他の工程を実施することで化学エッチングによる凹凸が形成される。
本実施形態のエンコーダは、化学エッチング等によって設けられた凹凸に接着剤が入り込み、金属側と強固に接着状態を維持している。この接着剤層は、インサート成形時に硬化反応が進む接着剤であり、インサート成形時に溶融した高圧のプラスチック磁石材料によって、脱着して流失しない程度まで半硬化状態になっており、溶融樹脂からの熱、あるいはそれに加えて成形後の二次加熱によって完全に硬化状態となる。使用可能な接着剤としては、溶剤での希釈が可能で、2段階に近い硬化反応が進むフェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤等が、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して好ましい。
フェノール樹脂系接着剤は、ゴムの加硫接着剤として用いられているものが好適であり、組成としては特に限定されないが、ノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂と、ヘキサメチレンテトラミンなどの硬化剤を、メタノールやメチルエチルケトンなどの溶解させたものが使用できる。また、接着性を向上させるために、これらにノボラック型エポキシ樹脂を混合したものであってもよい。
エポキシ樹脂系接着剤としては、原液としては一液型エポキシ系接着剤で、溶剤への希釈が可能なものが好適である。この一液型エポキシ系接着剤は、溶剤を蒸発させた後、適当な温度・時間でスリンガ表面に、インサート成形時の高温高圧の溶融樹脂によって流失されない程度の半硬化状態となり、インサート成形時の樹脂からの熱、及び二次加熱によって完全に硬化状態となるものである。
本実施形態で用いる一液型エポキシ系接着剤は、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤とからなり、硬化剤は室温近辺ではほとんど硬化反応が進まず、例えば80〜120℃程度で半硬化状態となり、120〜180℃の高温の熱を加えることによって完全に熱硬化反応が進むものである。この接着剤には、反応性希釈剤として使用されるその他のエポキシ化合物、熱硬化速度を向上させる硬化促進剤、耐熱性や耐硬化歪み性を向上させる効果がある無機充填材、応力がかかった時に変形する可撓性を向上させる架橋ゴム微粒子等を更に添加しても良い。
前記エポキシ樹脂としては、分子中に含まれるエポキシ基の数が2個以上のものが、充分な耐熱性を発揮し得る架橋構造を形成することができるなどの点から好ましい。また、4個以下、さらに3個以下のものが低粘度の樹脂組成物を得ることができるなどの点から好ましい。分子中に含まれるエポキシ基の数が少なすぎると、硬化物の耐熱性が低くなると共に強度が弱くなるなどの傾向が生じ、一方、分子中に含まれるエポキシ基の数が多すぎると、樹脂組成物の粘度が高くなると共に硬化収縮が大きくなるなどの傾向が生じるためである。
また、前記エポキシ樹脂の数平均分子量は、200〜5500、特に200〜1000が、物性のバランスの面から好ましい。数平均分子量が少なすぎると、硬化物の強度が弱くなると共に耐湿性が小さくなるなどの傾向が生じ、一方、数平均分子量が大きすぎると、樹脂組成物の粘度が高くなると共に作業性調整のために反応性希釈剤の使用が多くなるなどの傾向が生じるためである。
さらに、前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100〜2800、特に100〜500が、硬化剤の配合量が適正範囲になるなどの点から好ましい。エポキシ当量が小さすぎると、硬化剤の配合量が多くなりすぎると共に硬化物の物性が悪くなるなどの傾向が生じ、一方、エポキシ当量が大きすぎると、硬化剤の配合量が少なくなると共にエポキシ樹脂自体の分子量が大きくなって樹脂組成物の粘度が高くなるなどの傾向が生じるためである。
前記エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエステル変性エポキシ樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂のような他のポリマーとの共重合体などが挙げられる。このうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが、比較的低粘度で、硬化物の耐熱性と耐湿性に優れるので好ましい。
前記硬化剤としては、アミン系硬化剤、ポリアミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、潜在性硬化剤等を用いることができる。
アミン系硬化剤は、アミン化合物であり、硬化反応によりエステル結合を生成しないため、酸無水物系硬化剤を用いた場合に比べて、優れた耐湿性を有するようになり好ましい。アミン化合物としては、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミンのどれでもよいが、芳香族アミンが配合物の室温での貯蔵安定性が高いと共に、硬化物の耐熱性が高いので最も好ましい。
芳香族アミンとしては、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンと3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミンとの混合物、等を例示することができる。
ポリアミド系硬化剤は、ポリアミドアミンとも呼ばれ、分子中に複数の活性なアミノ基を持ち、同様にアミド基を一個以上持つ化合物である。ポリエチレンポリアミンから合成されるポリアミド系硬化剤は、二次的な加熱によりイミダジリン環を生じ、エポキシ樹脂との相溶性や機械的性質が向上するので好ましい。ポリアミド系硬化剤は、少量のエポキシ樹脂を予め反応させたアダクト型のものでもよく、アダクト型にすることで、エポキシ樹脂との相溶性に優れ、硬化乾燥性や耐水・耐薬品性が向上し好ましい。このポリアミド系硬化剤を用いることで、エポキシ樹脂との架橋により特に可撓性に富んだ強靭な硬化樹脂となるので、本発明の磁気エンコーダに求められる耐熱衝撃性に優れ、好適である。
酸無水物系硬化剤で硬化した硬化物は、耐熱性が高く、高温での機械的・電気的性質が優れている一方でやや脆弱な傾向があるが、第三級アミン等の硬化促進剤と組み合わせることで改善が可能である。酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチレンエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸等を例示することができる。
潜在性硬化剤は、エポキシ樹脂との混合系において、常温での貯蔵安定性に優れ、一定温度以上の条件下にて速やかに硬化するものであり、実際の形態としては、エポキシ樹脂の硬化剤たり得る酸性または塩基性化合物の中性塩又は錯体で加熱時に活性化するもの、マイクロカプセル中に硬化剤が封入され圧力により破壊するもの、結晶性で高融点かつ室温でエポキシ樹脂と相溶性がない物質で加熱溶解するもの等がある。
潜在性硬化剤としては、高融点の化合物である1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、エイコサン二酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ジシアンジアミド、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド等を例示することができる。このうち、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジドは、硬化剤として使用することで、エポキシ樹脂との架橋により特に可撓性に富んだ強靭な硬化樹脂となるので、本発明の磁気エンコーダに求められる耐熱衝撃性に優れ、好適である。
前記反応性希釈剤としては、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等を用いることができ、反応性希釈剤を添加することで硬化物に適度な可撓性を付与することができる。ただし、これらの反応性希釈剤は、多量に使用すると、硬化物の耐湿性や耐熱性を低下させるので、主体となるエポキシ樹脂の重量に対して、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下の割合で添加される。
前記硬化促進剤としては、常温では硬化反応を促進させせずに充分な保存安定性を有し、100℃以上の高温になったときに速やかに硬化反応を進行させるものが好ましく、例えば、分子内の1−アルコキシエタノールとカルボン酸の反応により生じるエステル結合を一個以上有する化合物等がある。この化合物は、例えば一般式(I):
[COO−CH(OR)−CH (I)
(式中、Rは炭素数2〜10個で、窒素原子、酸素原子などの1種以上が含まれてい
てもよいn価の炭化水素基、Rは炭素数1〜6個で、窒素原子、酸素原子などの1種以
上が含まれていてもよい1価の炭化水素基、nは1〜6の整数)で表される化合物である。その具体例を化5に示す。
他の具体例としては、Rが2価のフェニル基でRがプロピル基の化合物、Rが3
価のフェニル基でRがプロピル基の化合物、Rが4価のフェニル基でRがプロピル
基の化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。このうち、化5で表される化合物が硬化反応性と貯蔵安定性のバランスの点から、最も好ましい。
また、上記した化合物以外に、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物を硬化促進剤として用いても良い。
また、硬化促進剤として、エポキシ基と反応して開環反応を引き起こすような活性水素を有する化合物である、例えばアジピン酸等のカルボン酸類を使用してもよい。硬化促進剤としてアジピン酸を使用することで、エポキシ樹脂のエポキシ基及び硬化剤のアミノ基と反応し、得られた硬化物はアジピン酸の添加量が増えるに従って可撓性を有するようになる。可撓性を発現させるためには、アジピン酸の添加量は、接着剤全量に対して、10〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%である。添加量が10重量%未満の場合は、充分な可撓性が発現しない。それに対して、添加量が40重量%を越えると、その分エポキシ樹脂の接着剤中での全体量が減り、接着力、機械的強度が低下して好ましくない。尚、アジピン酸は、ポリアミド樹脂の出発原料でもあるので、磁性体粉のバインダーをポリアミド12、ポリアミド6などのポリアミド系樹脂とした場合、バインダー材料自体に極微量残存するモノマーやオリゴマー成分との反応性も有し、アジピン酸を含有する接着剤組成とすることで、より強固な接着が可能である。
更に硬化促進剤として、エポキシ基の開環反応を促進する触媒として働く、ジメチルベンジルアミン等の3級アミン、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩、3−(3’,4’−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素等のアルキル尿素などを添加しても良い。
上記したアミン類等も含めて、上記の開環反応で生成したOH基は、被着材である金属表面の水酸基と水素結合を作り、また、バインダー材料であるナイロンのアミド結合等に作用して強固な接着状態を保つことができる。
前記無機充填材としては、従来から使用されているものであれば特に限定なく使用することができる。例えば溶融シリカ粉末、石英ガラス粉末、結晶ガラス粉末、ガラス繊維、アルミナ粉末、タルク、アルミニウム粉末、酸化チタンなど挙げられる。
前記架橋ゴム微粒子としては、エポキシ基と反応しうる官能基を有するものが好ましく、具体的には分子鎖中にカルボキシル基を有する加硫されたアクリロニトリルブタジエンゴムが最も好ましい。粒子径はより細かいものが好ましく、平均粒子径で30〜200nm程度の超微粒子のものが、分散性と安定した可撓性を発現させるために最も好ましい。
以上説明した一液型エポキシ接着剤は、常温ではほとんど硬化反応進が行せず、例えば80〜120℃程度で半硬化状態となり、120〜180℃の高温の熱を加えることによって完全に熱硬化反応が進むものである。より好ましくは、150〜180℃で比較的短時間で硬化反応が進むものが好ましく、180℃程度の高周波加熱での接着が可能なものが最も好ましい。
以上説明したフェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤の熱硬化後の硬化物は、物性として、曲げ弾性率あるいはヤング率が0.02〜5GPa、より好ましくは0.03〜4GPaの範囲であり、あるいは硬度(デュロメータDスケール;HDD)が40〜90、より好ましくは60〜85の範囲であること
が好ましい。曲げ弾性率あるいはヤング率が0.02GPa未満、あるいは硬度(HDD)が40未満の場合は、接着剤自体が柔らか過ぎて自動車等の走行時の振動によって変形しやすく、それにより磁石部が動き易いため、回転数の検出精度が低下する虞があり好ましくない。一方、曲げ弾性率あるいはヤング率が5GPaを越える、あるいは硬度(HDD)が90を越える場合は、接着剤自体が硬すぎて、磁気エンコーダの磁石と固定部材との熱伸縮差(即ち、両者の線膨張係数の差による伸縮量の差)を吸収するように変形するのは難しく、最悪の場合、磁石に亀裂等が発生する虞があり好ましくない。本発明の一液型エポキシ系接着剤は、自動車での使用を前提とすると耐熱衝撃性が求められ、硬化状態で可撓性(応力がかかったときに変形する)を有するものがより好ましい。
以下、上記材料を用いた本発明の磁気エンコーダの製造方法について詳細に説明する。まず、スリンガの表面に、上述した工程で化学エッチング処理を伴う粗面化処理が行なわれ、図4の断面電子顕微鏡写真に示されるように、表面が粗面化される。そして、この表面に接着剤を半硬化状態で焼き付けたスリンガをコアにしたプラスチック磁石材料の射出成形(インサート成形)を、磁場射出成形機80を用いて行なう。
磁場射出成形機80は、図5に示されるように、支持台81上に型締め装置82と射出装置83とを備える。型締め装置82は、トグル機構等の可動機構84により、支持台81に固定されたハウジング85に対して移動可能な可動部86と、支持台81に固定された固定部87と、可動部86をハウジング85と固定部87間で案内する4本のタイバー88とを有する。可動部86と固定部87は、可動側金型89と固定側金型90をそれぞれ備える。また、可動部86及び固定部87の側面には、コイル91,92が配置されており、電源装置93によって通電される。制御装置94は、可動機構84、電源装置91、射出装置83に接続されており、これらを制御するように構成される。
図6(a)に示されるように、可動側金型89は、当板95にボルト固定された複数の可動側金型片89a〜89cからなり、固定側金型90も、複数の固定側金型片90a〜90cからなる。そして、可動側金型89と固定側金型90との対向面間には、キャビティ96とディスクゲート97が形成される。これにより、射出装置83のノズル98から射出された溶融したプラスチック磁石材料は、スプルー部99からディスクゲート97を介してキャビティ96内に充填される。図6(b)に示されるように、可動側金型片89a,89b間には、スリンガ25の円筒状の嵌合部を収容する環状空間が構成されており、中央に位置する固定側金型片90aは、その外径側に位置する固定側金型片90bよりも可動側金型89に向けて突出しており、固定側金型片90aは、収容されたスリンガ25と径方向に重なって位置する。
また、磁場射出成形機80に取り付けられた金型89,90中で溶融したプラスチック磁石材料の射出時に併せて、コイル電流を金型89,90の両端のコイル91,92に印加して、発生する一方向(極性同一)の磁界でプラスチック磁石材料を着磁し、磁性体粉を配向させる。その後、金型89,90中で冷却時に着磁方向と逆方向の磁界で脱磁する脱磁と、着磁時のコイル電流より高い初期コイル電流に始まって極性が交互に反転し振幅が徐々に小さくなる複数のパルス電流を金型両端のコイル91,92に印加して脱磁する反転脱磁の少なくとも一方の工程により脱磁を行なう。次に、ゲート部を除去してから、恒温槽等で一定温度、一定時間加熱することで、接着剤を完全に硬化させる。なお、場合によっては、高周波加熱等で高温、短時間加熱することで、完全に硬化させても良い。その後、周知のオイルコンデンサ式等の脱磁機を用いて、2mT以下、より好ましくは1mT以下の磁束密度まで、更に脱磁する。その後の工程で、周知の着磁ヨークと重ね合わせて多極着磁し、磁石部の製造を完了する。磁石部の極数は70〜130極程度、好ましくは90〜120極である。極数が70極未満の場合は、極数が少なすぎて回転数を精度良く検出することが難しくなる。それに対して、極数が130極を越える場合は、各ピッチが小さくなりすぎて、単一ピッチ誤差を小さく抑えることが難しく、実用性が低い。
なお、エンコーダ部の成形は、上述したように、内径厚み部から溶融したプラスチック磁石材料が同時に金型中に高圧で流れ込み、金型中で急冷され固形化する、ディスクゲート方式の射出成形(インサート成形)が好ましい。溶融樹脂はディスク状に広がってから、内径厚み部にあたる部分の金型に流入することで、中に含有する燐片状の磁性体粉が面に対して平行に配向する。特に、内径厚み部近傍の、回転センサの検出する内径部と外径部との間の部分はより配向性が高く、厚さ方向に配向させたアキシアル異方性に非常に近くなっている。成形時に金型に、厚さ方向に磁場をかけるようにすると、異方性はより完全に近いものとなる。
尚、磁場成形を行なっても、ゲートをディスクゲート以外の、例えばサイドゲートとした場合、徐々に固形化に向かって樹脂粘度が上がっていく過程で、ウェルド部での配向を完全に異方化するのは困難であり、それによって、磁気特性が低下すると共に、機械的強度が低下するウェルド部に長期間の使用によって、亀裂等が発生する可能性があり好ましくない。従って、本実施形態では、スリンガをコアにして厚み方向に磁界をかけた状態で、ディスクゲートによるインサート成形が行われる。
なお、成形された磁気エンコーダ26の磁極形成リング27の色は、フェライト粉を入れるため黒色であるが、添加剤によって若干変化する。また、図2に示されるように、磁石材料は、スリンガ25のフランジ部の外周部分にも回りこみ、機械的にも接合されている。
本実施形態の磁気エンコーダによれば、磁石部は、磁性体粉を86〜92重量%含有した熱可塑性樹脂をバインダーとするプラスチック磁石材料からなり、磁石部は、インサート成形時に硬化反応が進む接着剤によって、磁性材料からなるスリンガと化学的に接合されているので、磁石部は、良好な磁気特性を持った、細かいピッチでの円周方向への多極磁化を可能にすると共に、磁石全体の強度を確保することができる。
また、本実施形態の磁気エンコーダによれば、磁石部はフェライト系磁性体粉と熱可塑性樹脂とを含有する磁石材料からなり、磁石部は磁性材料からなるスリンガに一体接合されており、磁石部は、厚さが3.0mmで、23℃での曲げたわみ量が2〜10mmの範囲にあるので、曲げたわみ量を大きくして、耐亀裂性を向上している。したがって、スリンガをコアにしてインサート成形で機械的に接合された構造としても、自動車の足回り部が晒される高温、低温、高温と低温間の移行時の熱衝撃等の応力が磁石部に掛かったとき、磁石部に亀裂が発生するのを効果的に防止し、信頼性を格段に向上することができる。また、この曲げたわみ量は、バインダーとしてポリアミド12系等の熱可塑性エラストマーを含有することで与えられる。
また、本実施形態の磁気エンコーダによれば、スリンガは、化学エッチング処理を伴う粗面化された鉄系磁性材料からなるので、接着剤のくさび効果で、スリンガと磁石部の接着性を向上している。
さらに、接着剤として、フェノール系接着剤あるいはエポキシ系接着剤を用いることで、自動車の足回り部が晒される高温、低温、高温と低温間の移行時の熱衝撃、グリースやオイル等の各種薬剤によって、接着部に剥れ等が発生する可能性が低く、信頼性を向上している。また、この2段階の硬化が可能な接着剤を用い、半硬化状態の接着剤を焼き付けた状態でインサート成形することで、機械的及び化学的に、スリンガと磁石部の接合が可能になり、生産性、信頼性も一層向上する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る、独立懸架式のサスペンションに支持する、非駆動輪を支持するための車輪支持用転がり軸受ユニットについて、詳細に説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付し、説明を省略或いは簡略化する。
第1実施形態では、磁気エンコーダ26とセンサ28がアキシアル方向に対向するタイプであったが、本実施形態では、図7に示されるように、磁気エンコーダ31とセンサ32とがラジアル方向に対向している。
本実施形態の磁気エンコーダ31では、内輪16aの内端部外周面に固定部材である円環状のスリンガ33が外嵌固定されており、内輪16aから軸方向に延びるスリンガ33の内周面には、磁石部である磁極形成リング34が取り付けられている。また、外輪5aの外周面には、静止部材であるカバー部材35が軸受ユニット2aの軸方向端部を覆うように固定されており、カバー部材35に形成された開口部にはセンサ32が磁極形成リング34とラジアル方向に対向するようにして取り付けられている。
なお、磁気エンコーダ31の組成、成形方法については、第1実施形態のものと同様である。
従って、本実施形態の磁気エンコーダ31によれば、アキシアル方向に対向する磁気エンコーダに比べて、同一スペースに対して被検出面の径を大きくできるので、ピッチ数が同一の場合、各ピッチ幅を大きくでき、製作しやすい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る磁気エンコーダ付シール装置が組み付けられた転がり軸受ユニットについて詳細に説明する。
図8および図9に示すように、本実施形態である磁気エンコーダを備えた転がり軸受ユニット40は、固定輪である外輪41と、回転輪(回転体)である内輪42と、外輪41及び内輪42により画成された環状隙間に転動自在に配置され且つ保持器44により円周方向に等間隔に保持された複数の転動体である玉43と、前記環状隙間の開口端部に配設された密封装置45と、磁気エンコーダ46と、センサ47とを備えている。
密封装置45は、外輪41の内周面に装着されたシール部材50と、シール部材50よりも軸受外方に配置され且つ内輪42の外周面に固定されたスリンガ60とを有しており、シール部材50とスリンガ60とによって前記環状隙間の開口端部を塞ぎ、埃等の異物が軸受内部に進入することを防止すると共に軸受内部に充填された潤滑剤が漏洩することを防止している。そして、磁気エンコーダ46は、スリンガ60とこのスリンガ60に取付けられた磁石部70と、から構成されており、磁石部70はスリンガ60を固定部材として内輪42に固定されている。
シール部材50は、断面略L字形の円環状に形成された芯金51により、同じく断面略L字形の円環状に形成されたシールリップ52を補強して構成されており、外輪41に内嵌して装着されている。シールリップ52の先端部は複数の摺接部に分岐しており、各摺接部は、スリンガ60のフランジ部62の軸受内方に面する端面、または嵌合部61の外周面に、全周に亙ってそれぞれ摺接している。これにより高い密封力を得ている。
スリンガ60は断面L字形の円環状に形成されており、内輪42の外周面に外嵌する略円筒状の嵌合部61と、嵌合部61の片側端部から半径方向に展開した鍔状のフランジ部62と、嵌合部61の片側端部を折り曲げることで、フランジ部62の内径側でフランジ部62より軸方向外方に突出する突き出し部63と、を有している。また、突き出し部63の外周面には、周方向の複数ヶ所に形成されたノッチ部64が設けられている。フランジ部62の軸受外方に面する端面(以後、接合面と称する。)62aには、内輪42の回転に同期して近傍の磁場(例えば、磁束密度)を変化させる磁石部70が接合されている。そして、同時に、磁石部70は、ノッチ部64とフランジ部62の外周部分とも機械的に接合されている。
なお、磁気エンコーダ46の組成、成形方法については、第1実施形態のものと同様である。
従って、本実施形態の磁気エンコーダによれば、溶融した磁石材料は、スリンガ60のフランジ部62の外径部に加えて、内径側に設けた突き出し部63の周方向に複数設けたノッチ部にも流れ込んで、機械的に接合される。これにより、磁石材料の収縮は、フランジ部62の外径部だけでなく、内径側の突き出し部63でも受けることになり、熱衝撃等で発生する磁石部の亀裂発生の頻度をより低減することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、本実施形態に係る磁気エンコーダは、各実施形態のいずれの軸受ユニットにも適用可能である。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれによって何ら制限されるものではない。
まず、本発明に係るスリンガをコアとしたインサート成形によって製造される磁気エンコーダにおいて、表面処理の違いによる接着状態について試験を行った。
(実施例1)
SUS430の表面に形成したシュウ酸鉄皮膜を化学エッチングすることで、凹凸を形成した。凹凸の算術平均高さRaは0.9μm、最大高さRzは4.5μmとなった。そして、レゾール型フェノール樹脂を主成分とする固形分30%のフェノール樹脂系接着剤(東洋化学研究所製メタロックN−15)を、更にメチルエチルケトンで3倍希釈し、浸漬処理でスリンガ表面に塗布した。その後、室温で30分乾燥してから、120℃で30分乾燥器中に放置することで半硬化状態とした。この接着剤を焼き付けたSUS430板材を金型にセットし、これをコアとしてプラスチック磁石材料(戸田工業製ストロンチウムフェライト含有12ナイロン系異方性プラスチック磁石コンパウンド「FEROTOP TP−A27N」(ストチウムフェライトの含有量91重量%))のインサート成形を内周部分からディスクゲートで行った。成形後、直ちにゲートカットを行い、更に、130℃で1時間、二次加熱で、接着剤を完全に硬化させたものを実施例1の試験体とした。
(実施例2)
SUS430の表面をショットブラストで凹凸を形成し、凹凸の算術平均高さRaを0.8μm、最大高さRzを5.0μmとした以外は、(実施例1)と同様の方法により実施例2の試験体を得た。
硬化後のエンコーダ外周部の引っ掛かり部分をペンチで引っ張った結果を、以下の表1に示す。
表1から明らかなように、凹凸処理によって表面粗さがほとんど違わないにも係らず、化学エッチング処理による凹凸は凹部の内部が広がった形状になっている(図4参照。)ことで、くさび効果で、金属側に強固に接着剤が付着するようになったことが判る。
次に、以下の表2に示されるように、磁石部の磁石材料の配合を変えて、熱衝撃試験を行った。
なお、スリンガの表面処理としては、上記の実施例1と同様、日本パーカライジング製のケミブラスト処理が行なわれた。具体的には、厚さ0.6mmのSUS430からなる板材の表面に形成したシュウ酸鉄皮膜を化学エッチングすることで、凹凸を形成した。凹凸の算術平均高さRaは0.2〜0.3μm、最大高さRzは1.8〜3.1μmとなった。
そして、レゾール型フェノール樹脂を主成分とする固形分30%のフェノール樹脂系接着剤(東洋化学研究所製メタロックN−15)を、更にメチルエチルケトンで3倍希釈し、浸漬処理でスリンガ表面に塗布した。その後、室温で30分乾燥してから、120℃で30分乾燥器中に放置することで半硬化状態とした。この接着剤を焼き付けたSUS430板材を金型にセットし、これをコアとして上記磁石材料のインサート成形を内周部分からディスクゲートで行った。成形後、直ちにゲートカットを行い、更に、150℃で1時間、二次加熱し、接着剤を完全に硬化させた。
その後、成形でスリンガと一体化して得られたエンコーダ部(内径66mm、外径76mm、磁石部厚さ0.9mm)を単体で、120℃で30分と−40℃で30分を繰り返す熱衝撃試験を行なった。実施例3,4及び比較例1のサンプルを各10個入れ、50サイクルごとに磁石部に発生する亀裂を観察した。
表2から明らかなように、PA12系熱可塑性エラストマーをバインダーとして含有させることで、材料自体の曲げたわみ量が大きくなり、耐亀裂性が向上することが分かった。
次に、実施例4の組成の磁石材料について、磁場射出成形機を用いて、磁場発生有無による磁気特性を測定した。なお、磁気エンコーダの形状は、図2に示すものとし、上記のものと同じサイズとした。また、着磁時のコイル電流は、充分飽和(配合に充分)な値とし、冷却時に反転脱磁を行ない、更にオイルコンデンサ式脱磁機で磁束密度1mT以下まで脱磁した。その後、96極(NS交互)の着磁ヨークと重ね合わせて、1000V、1000μFで着磁を行ない、回転させながら、エアギャップ1mmで磁束密度、ピッチ誤差を測定した。この結果を表3に示す。
表3の結果より、磁場成形を行なう事で、磁気特性が向上することが確認された。
本発明の第1実施形態の転がり軸受ユニットを示す断面図 本発明の第1実施形態の磁気エンコーダを備えたシール装置を示す断面図である。 エンコーダ磁石の円周方向に多極磁化された例を示す斜視図である。 化学エッチング処理されたスリンガの表面を示す断面顕微鏡写真である。 磁場射出成形機を示す模式図である。 キャビティを形成する可動側金型と固定側金型の断面図である。 本発明の第2実施形態の転がり軸受ユニットを示す拡大断面図である。 本発明の第3実施形態の転がり軸受ユニットを示す断面図である。 本発明の第3実施形態の磁気エンコーダを備えたシール装置を示す断面図である。 従来の転がり軸受ユニットを示す断面図である。
符号の説明
2a 車輪支持用転がり軸受ユニット
5a 外輪
7a ハブ
8 スタッド
10a,10b 外輪軌道
11 結合フランジ
12 取付フランジ
14a,14b 内輪軌道
15 小径段部
16a 内輪
17a 玉
18 保持器
21a,21b シールリング
22a,22b 弾性材
23 かしめ部
24b 芯金
25 スリンガ
26 磁気エンコーダ
27 磁気形成リング

Claims (2)

  1. 回転体に取り付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法であって、
    表面にインサート成形時に硬化反応が進む接着剤を半硬化状態で焼き付けた前記固定部材をコアにして、溶融したプラスチック磁石材料を射出する工程、を備えることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。
  2. 該射出工程と併せて、一方向の磁界で前記プラスチック磁石材料を着磁する工程と、
    着磁方向と逆方向の磁界で脱磁する脱磁と、着磁時のコイル電流より高い初期コイル電流に始まって、極性が交互に反転し振幅が徐々に小さくなる複数のパルス電流を印加して脱磁する反転脱磁の少なくとも一方によって脱磁する工程と、
    2mT以下の磁束密度に脱磁後、着磁ヨークにより多極着磁する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気エンコーダの製造方法。
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