JP2003261826A - コーティング剤組成液、及び、磁石の防錆方法 - Google Patents

コーティング剤組成液、及び、磁石の防錆方法

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JP2003261826A
JP2003261826A JP2002061417A JP2002061417A JP2003261826A JP 2003261826 A JP2003261826 A JP 2003261826A JP 2002061417 A JP2002061417 A JP 2002061417A JP 2002061417 A JP2002061417 A JP 2002061417A JP 2003261826 A JP2003261826 A JP 2003261826A
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magnet
magnetic powder
coating
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JP2002061417A
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Koichi Iwami
公一 石見
Masami Kikuchi
正美 菊池
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーティング剤組成液の物性低下を招くこと
なく、十分な防錆機能を発揮することのできるコーティ
ング剤組成液と、磁性粉末に希土類磁性合金を用いた磁
石に対しても十分な防錆効果を有する磁石の防錆方法を
提供する。 【解決手段】 磁性粉末を熱可塑性樹脂、又は、熱硬化
性樹脂から成るバインダーに混合分散させた樹脂磁石組
成物を成型して成るボンド磁石、又は、磁性粉末を焼結
して得られる焼結磁石の表面に設けられるコーティング
層を形成するための、コーティング剤樹脂と硬化剤とを
含むコーティング剤組成液において、上記硬化剤として
防錆機能を有する硬化剤を用いるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、各種モー
タ用磁石やCD用光ピックアップなどに用いられるボン
ド磁石又は焼結磁石の防錆処理に使用されるコーティン
グ剤組成液と、上記コーティング剤組成液を用いた磁石
の防錆方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、OA機器や家電製品、生産ライ
ン、移動設備等に用いられる各種規模のモータや電磁リ
レー等に使用される永久磁石として、Baフェライトや
Srフェライト等の磁性酸化物、あるいはSmやNdの
ような希土類金属を含む磁性合金を焼結して成る焼結磁
石が用いられている。また、上記フェライト系や希土類
系の焼結磁石を微粉末にした磁性粉末を、ナイロンやポ
リエチレンあるいはEVA(エチレン−酢酸ビニル共重
合体)などの熱可塑性樹脂等の結合材(バインダー)に
分散・混合させた混練物を、周知のプラスチック成型と
同様に、成型金型を用いて射出成型、あるいは押し出し
成型やプレス成型等の加圧成型により所望の形状に成型
した後着磁して成るボンド磁石も広く使用されている。
【0003】近年、電子機器や精密機械の小型化、軽量
化の市場動向に伴い、永久磁石においては、エネルギー
積(BH)Maxが大きい希土類磁石が、モータ用の磁石
などの小型の高磁力磁石として、各分野において広く使
用されるようになってきた。なかでも、資源的に比較的
豊富で安価なNd及びFeを主成分とするNd−Fe−
B系希土類磁石は、非常に優れた磁気特性を有すること
から年々需要が増し、希土類磁石市場の大半を占めるよ
うになってきている。一方、上記希土類磁石は、高温高
湿下では錆の発生が顕著で、このため、モジュール機能
の低下が問題となっており、何らかの防錆対策がなされ
た後出荷されるのが現状である。この防錆対策として
は、コーティング剤による防錆法が一般的であり、具体
的には、母材となる樹脂中に、例えば、ベンゾトリアゾ
ールなどの防錆剤を配合したコーティング剤組成液を目
的とする材料表面にコーティングするか、又は、含浸処
理等により内部に処理を施すようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の防錆剤を配合したコーティング剤組成液を用いた防
錆法では、防錆剤は母材となるコーティング剤樹脂中に
固定されないので、コーティング剤組成液の物性低下の
原因となるだけでなく、場合によってはブリード現象に
より、周辺を汚染することもある。また、単にコーティ
ング剤樹脂に防錆剤を混合しただけでは、防錆効果は十
分とはいえなかった。
【0005】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、コーティング剤組成液の物性低下を招くことな
く、十分な防錆機能を発揮することのできるコーティン
グ剤組成液と、磁性粉末に希土類磁性合金を用いた磁石
に対しても十分な防錆効果を有する磁石の防錆方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、防錆処理に用いるコーティング剤樹脂を
硬化させる硬化剤自体に防錆機能を持たせることによ
り、上記目的を達成することができることを見いだし本
発明に到ったものである。すなわち、本発明の請求項1
に記載の発明は、磁性粉末を熱可塑性樹脂、又は、熱硬
化性樹脂から成るバインダーに混合分散させた樹脂磁石
組成物を成型して成るボンド磁石、又は、磁性粉末を焼
結して得られる焼結磁石の表面に設けられるコーティン
グ層を形成するための、コーティング剤樹脂と硬化剤と
を含むコーティング剤組成液であって、上記硬化剤が防
錆機能を有する硬化剤であることを特徴とするものであ
る。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のコーティング剤組成液において、上記硬化剤を、以下
の(1)〜(4)のいずれかで表わせる基本構造を少な
くとも1つ有する化合物又は重合体としたことを特徴と
するものである。 (1)はエチレンジアミン骨格 (2)はグアニジン骨格 (3)は尿素骨格 (4)はプロピレンジアミン骨格 請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載
のコーティング剤組成液において、上記コーティング剤
樹脂を、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、又は、オ
キサゾリン樹脂としたものである。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、磁石の防
錆方法であって、磁性粉末を熱可塑性樹脂、又は、熱硬
化性樹脂から成るバインダーに混合分散させた樹脂磁石
組成物を成型して成るボンド磁石、又は、磁性粉末を焼
結して得られる焼結磁石の表面に、上記請求項1〜請求
項3のいずれかに記載のコーティング剤組成液を用いた
コーティング層を形成するようにしたことを特徴とす
る。請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の磁石の
防錆方法において、上記磁性粉末を、Nd−Fe−B系
合金粉末、又は、Sm−Fe−N系合金粉末としたもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。なお、本例では、磁性粉末を熱可塑
性樹脂、又は、熱硬化性樹脂から成るバインダーに混合
分散させた樹脂磁石組成物を射出成型,プレス成型,あ
るいは、押し出し成型して製造されるボンド磁石を例に
とって説明する。まず、成型前段階について説明する。
磁性粉末となる合金組成物は、その目的に応じ炉内で調
質した後、一般にはインゴットとして取り出す。このイ
ンゴットは粗粉砕、微粉砕後、必要に応じて表面処理、
樹脂粉等との混合配合がなされる。上記磁性粉末として
は、公知の磁性粉末を用いることができる。具体的に
は、Srフェライト,Baフェライト等のフェライト系
磁性粉末や、Sm−Co合金,Nd−Fe−B合金,S
m−Fe−N合金等の希土類系磁性合金粉末等を例示す
ることができる。特に、目覚しい技術革新下にある水素
処理法で得られた不規則形状の磁気異方性Nd−Fe−
B合金粉末を例示することができる。上記磁性粉末を粗
粉砕する方法としては、ジョークラッシャーやスタンプ
ミルが用いられる。また、上記磁性粉末を微粉砕する方
法としては、回転ボールミル,振動ボールミル,アトラ
イター等の各種ボールミル又はジェットミルが用いられ
る。中でも、結晶構造に大きなストレスを与えずに粉砕
する方法としては、ジェットミルによる粉砕が有効であ
る。上記ジェットミルはその粉砕機構から衝突式と気流
式に大別されるが、粒子同士を相互に衝突させる気流式
ジェットミルが結晶に与えるストレスを最小にする点で
は最良である。また、上記磁気異方性Nd−Fe−B合
金等のニュークリエーションタイプの希土類磁性合金粉
末を作製する際には、原料粗分はジェットミルなどの粉
砕機により、含有酸素量が実質的に0wt%の不活性ガ
ス雰囲気中にて微粉砕を行って、平均1〜10μm程度
の微粉末とすることが好ましい。
【0010】本例で用いられる熱可塑性バインダー樹脂
としては、ボンド磁石のバインダー樹脂として通常用い
られている樹脂を使用することができる。具体的には、
ポリアミド樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
スチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレン
サルファイド(PPS)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート(EE
A)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVO
H)、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリビニル
ブチラール、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン等の
熱可塑性樹脂を単独又は2種以上組合わせて用いること
ができる。また、熱硬化性バインダー樹脂としては、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、ポリイミド樹脂を用いることができる。
【0011】磁性粉末のシランカップリング剤処理法と
しては、アルコール溶液,水溶液等の湿式処理法やバル
ク処理法、あるいは、インテグラル法が適用できる。シ
ランカップリング剤としては、γ一アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ一アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、(3−トリメトキシシリルプロピ
ル)ジエチレントリアミン、ウレイドプロピルトリエト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ一メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ一イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン等が挙げられる。更に、エチレンイミンユニット数
が2以上のシランカップリング剤としては、一般構造
が、 H2N(C24NH)n36Si(OCH33 、 又は、H2N(C24NH)n36Si(OC253 であり、ここにおいてnは2以上の整数である。なお、
これらオリゴマー体は必ずしも直鎖状である必要はな
く、分岐構造であってもよい。また、アルコキシル基の
一部をメチル基、エチル基等で置きかえることも可能で
ある。具体例としては、(3−トリメトキシシリルプロ
ピル)ジエチレントリアミン、(3−トリメトキシシリ
ルプロピル)トリエチレンテトラミン、(3−トリエト
キシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、(3−ト
リエトキシシリルプロピル)トリエチレンテトラミン等
を挙げることができる。
【0012】また、粉末の処理に用いる混合機として
は、リボンミキサー、V型ミキサー、ロータリーミキサ
ー、ヘンシェルミキサー、フラッシュミキサー、ダンブ
ラー等を例示することができる。また、必要に応じ、プ
ロセス性改良を目的として滑剤を併用できる。滑剤とし
ては、パラフィンワックス,流動パラフィン,ポリエチ
レンワックス,ポリプロピレンワックス,エステルワッ
クス,カルナバワックス,ミクロクリスタリンワックス
等のワックス類、ステアリン酸,ラウリン酸等の脂肪酸
類、ステアリン酸亜鉛, ステアリン酸カルシウム, ステ
アリン酸バリウム, ステアリン酸アルミニウム等の脂肪
酸金属類、ステアリン酸アミド, オイレン酸アミド等の
脂肪酸アミド類、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステ
ル類、ステアリン酸アルコール等の高級アルコール類、
ポリエチレングリコール等のジオール類を例示すること
ができる。
【0013】更に、本発明の樹脂磁石組成物には、上記
樹脂バインダー成分、磁性粉末に加えて、必要に応じて
マイカやウィスカあるいはタルク、炭素繊維、ガラス繊
維等の補強効果の大きな充填剤を本発明の趣旨を妨げな
い範囲にて添加することができる。すなわち、成型物に
要求される磁力が比較的低く、上記磁性粉末の充填量が
少ない場合には、成型物の剛性が低くなりやすく、その
場合には、剛性を補うためマイカやウィスカ等の充填剤
を添加して成型品の補強を行うことができる。
【0014】次に、成型・着磁段階について説明する。
成型方法としては、射出成型、押し出し成型、プレス成
型などが可能である。射出成型と押し出し成型とは高い
流動性が必要なため、バインダーとしては一般に熱可塑
性樹脂が使用される。プレス成型(圧縮成型、加圧成型
ともいう)には熱硬化性樹脂がバインダーとして使用さ
れる。また、磁性粉末が等方性磁粉である場合には後着
磁、異方性磁粉の場合には磁場中成型が実施され、上記
モータ用磁石やマグネットローラが作製される。
【0015】次に、防錆処理段階について説明する。成
型後の磁石表面のコーティングに用いるコーティング剤
組成液中には、防錆機能を有する硬化剤を配合する。こ
の硬化剤は、下記の(1)〜(4)のいずれかで表わせ
る基本構造を少なくとも1つ有する化合物又は重合体で
ある。 具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ジシアノシアンア
ミド等を挙げることができる。また、ヘンケルジャパン
社セアミド235,バーミサイド115X70等の市販
品を用いることができる。
【0016】また、上記コーティング剤組成液の母材と
して使用するコーティング剤樹脂としては、エポキシ樹
脂、イソシアネート樹脂、又は、オキサゾリン樹脂を用
いることができる。エポキシ樹脂のうち、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂の典型的な例はビスフェノールA型又
はビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、前者の市販
品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ
(株);エポキシ当量180〜190)、エピコート1
001(同;エポキシ当量450〜500)、エピコー
ト1010(同;エポキシ当量3000〜4000)な
どがあり、後者の市販品としてはエピコート807
(同;エポキシ当量170)などがある。ノボラック型
エポキシ樹脂の市販品としては、フェノールノボラック
型として、エピコート152,154(以上、いずれも
油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN−201(日
本化薬(株)製)、エポトートYDPN−638(東都
化成(株)製)などが挙げられ、クレゾールノボラック
型として、エピコート180S65,180H65(以
上、いずれも油化シェルエポキシ(株)製)、EOCN
−102S,103S,104S(以上、いずれも日本
化薬(株)製)、エポトートYDPN−701,70
2,703,704(以上、いずれも東都化成(株)
製)などが挙げられ、その他に、エポトートZX−10
71T,ZX−1015,ZX−1247,YDG−4
14S(以上、いずれも東都化成(株)製)などを挙げ
ることができる。
【0017】多官能性イソシアネート化合物としてはp
−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシア
ネート、トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチ
ル−4,4’− ビフェニレンジイソシアネート、1,
4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−
1,6−ジイソシアネート、メチレンビス(フェニルイ
ソシアネート)、リジンメチルエステルイソシアネー
ト、ビス(イソシアネートエチル)フマレート、イソホ
ロンイソシアネート、メチルシクロヘキシルイソシアネ
ート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシア
ネートヘキサエート、及び、これらのビュレット体やイ
ソシアヌレート体、更には、これらのイソシアネート類
と上記ポリオールとのアダクト化合物などのイソシアネ
ート基を有する化合物を挙げることができる。ジイソシ
アネートより誘導されるポリイソシアネートとしては、
例えば、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュ
レット型ポリイソシアネート、ウレタン型ポリイソシア
ネート、アロハネート型ポリイソシアネート、及びイソ
シアヌレート型ポリイソシアネートを合成する際に誘導
される化合物、例えば、特開昭57−47321号公
報、特開昭61−111371号公報、特開平6−31
2969号公報等に開示されている化合物を挙げること
ができる。なかでも、ウレタン変成イソシアヌレート型
ポリイソシアネートは、1分子当たりの平均イソシアネ
ート官能基数を4.5〜12にするためには有利であ
る。
【0018】多官能基オキサゾリン化合物としては、
1,2−ビス(2−オキサゾリニル−2)エタン、1,
4−ビス(2−オキサゾリニル−2)ブタン、1,6−
ビス(2−オキサゾリニル−2)ヘキサン、1,8−ビ
ス(2−オキサゾリニル−2)オクタン、1,4−ビス
(2−オキサゾリニル−2)シクロヘキサンなどのアル
キル鎖にオキサゾリン環が結合したオキサゾリン化合
物、1,2−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼ
ン、1,3−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼ
ン、5,5’−ジメチル−2,2’−ビス(2−オキサ
ゾリニル−2)ベンゼン、4,4,4’,4’−テトラ
メチル−2,2’−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベ
ンゼン、1,2−ビス(5−メチル−2−オキサゾリニ
ル−2)ベンゼン,1,3−ビス(5−メチル−2−オ
キサゾリニル−2)ベンゼン,1,4−ビス(5−メチ
ル−2−オキサゾリニル−2)ベンゼンなどの芳香族に
2個のオキサゾリン環が結合したオキサゾリン化合物、
及び2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−
ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビ
ス(5−メチル−2−オキサゾリン)などのビス(2−
オキサゾリン)化合物、ヒドロアルキル−2−オキサゾ
リンと上記ポリイソシアネート化合物との反応によって
得られる多価オキサゾリン化合物、更には、2−ビニル
−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オ
キサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリ
ン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどの単独
重合体、又は共重合体などのオキサゾリン基含有化合
物、更には、例えば、商品名CX−RS−1200,C
X−RS−3200(いずれも(株)日本触媒製)など
のような市販のオキサゾリン基含有化合物を用いること
ができる。
【0019】ボンド磁石の表面にこれら防錆機能を有す
るコーティング剤組成液をコーティングする方法として
は、ディッピング法、スプレー法、真空含浸処理法、静
電塗装法、電着塗装法、メカニカルな圧着処理法が使用
できる。上記硬化剤兼防錆剤の配合量は、コーティング
剤樹脂100g当たり30mMol〜300mMolが
適当であり、30mMol未満では防錆硬化が不十分で
あったり未硬化であったりする。また、300mMol
を超えると表面にタッグがでやすく作業性が劣る。
【0020】このように、ボンド磁石の表面にコーティ
ングするためのコーティング剤組成液において、コーテ
ィング剤樹脂を硬化させる硬化剤自体に防錆機能持たせ
るようにしたので、コーティング剤の物性低下を招くこ
となく、十分な防錆機能を発揮することができ、防錆性
に優れたボンド磁石を得ることができる。また、磁性粉
末を焼結して成る焼結磁石においても、上記と同様のコ
ーティング剤組成液を用いてコーティングを行うことに
より防錆性を著しく向上させることができる。なお、本
発明に用いる磁性粉末としては、上述したように、フェ
ライト系磁性粉末、希土類系磁性粉末のいずれでもよい
が、希土類系磁性粉末、特に、磁気異方性Nd−Fe−
B合金粉末を用いることにより、高い磁力特性を有する
ボンド磁石を得ることができる。なお、本発明によるコ
ーティング剤組成液は、上記のように優れた防錆機能を
有するので、磁性粉末に上記希土類磁性合金を用いた場
合でも十分な防錆効果を発揮することができる。
【0021】<実施例>以下、実施例及び比較例,参考
例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は
その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるも
のではない。なお、以下の実施例及び比較例,参考例に
おいて成型に用いた原料としては既に磁性粉が配合され
た市販のペレットを使用し、これを射出成型してボンド
磁石を作製し、防錆処理を施した。上記市販ペレットは
愛知製鋼(株)製、商品名;マグファイン;品番MFC
18で、異方性Nd−Fe−B系希土類金属間化合物永
久磁石粉末をナイロン12樹脂中に配合したものであ
る。また、射出成型は、樹脂温度;280℃、キャビテ
ィー部表面磁力;1.4T、キャビティー形状;20
φ,t=12にて実施した。 [実施例1]上記作製されたボンド磁石に対し、以下の
条件で室温真空含浸処理により防錆処理を実施した。 処理液組成; 主剤;エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株);エピ
コート828)100g 硬化剤兼防錆剤;テトラエチルペンタミン9.45g
(50mMol) 硬化条件;室温下、1日放置 [実施例2] 処理液組成; 主剤;エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株);エピ
コート828)100g 硬化剤兼防錆剤;エチレンジアミン骨格含有低分子樹脂
(ヘンケルジャパン(株);ゼナミド235)30g
(50mMol) 硬化条件;室温下、7日放置 [実施例3] 処理液組成; 主剤;エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株);エピ
コート828)100g 硬化剤兼防錆剤;ジシアノジアミド4.2g(50mM
ol) 硬化条件;150℃、4時間
【0022】[比較例1] 処理液組成; 主剤;エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株);エピ
コート828)100g 硬化剤兼防錆剤;ウラリルアミン7.9g(50mMo
l) 硬化条件;室温下、7日放置 [比較例2] 処理液組成; 主剤;エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株);エピ
コート828)100g 硬化剤兼防錆剤;N,N−ジブチルエチレンジアミン
9.1g(50mMol) 硬化条件;室温下、2日放置 [比較例3] 処理液組成; 主剤;エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株);エピ
コート828)100g 硬化剤兼防錆剤;イミノジエタノール5.25g(50
mMol) 硬化条件;室温下、7日放置 [比較例4] 処理液組成; 主剤;エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株);エピ
コート828)100g 硬化剤兼防錆剤;イミノジエタノール10.5g(10
0mMol) 硬化条件;室温下、7日放置
【0023】[比較例5] 処理液組成; 主剤;エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株);エピ
コート828)100g 硬化剤兼防錆剤;テトラエチレンペンタミン3.78g
(20mMol) 硬化条件;室温下、7日放置 [比較例6] 処理液組成; 主剤;エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株);エピ
コート828)100g 硬化剤兼防錆剤;エチレンジアミン骨格含有低分子樹脂
(ヘンケルジャパン(株);ゼナミド235)12g
(20mMol) 硬化条件;室温下、7日放置
【0024】また、参考例1〜3として、防錆剤による
真空含浸処理を行った後、更に、本発明による防錆処理
を行った。 [参考例1]気化性防錆剤ジシクロヘキシルアミン(吉
富ファインケミカル(株);ヂヂクロヘキシルアミン)
20重量%のアルコール溶液中に真空含浸処理後直ち
に、上記実施例1と同じ処理液に含浸処理し、同一の硬
化条件で硬化させた。 [参考例2]気化性防錆剤として亜硝酸ジシクロヘキシ
ルアンモニウム(吉富ファインケミカル(株);ラスレ
ス)20重量%のエタノール/水=50/50混合溶媒
を用いた以外は上記参考例1と同様の処理を行った。 [参考例3]防錆剤として1,2,3−ベンゾトリアゾ
ール(城北化学(株);BT−120)を用いた以外は
上記参考例1と同様の処理を行った。
【0025】このようにして作製された実施例及び比較
例のボンド磁石について、試験条件;80℃、95%R
Hで7日間保持した後、これを取り出してその表面磁力
を測定した結果を以下の表1に示す。
【表1】 表1に示すように、処理液として、本発明の防錆機能を
有する硬化剤を含むコーティング剤組成液を用いて防錆
処理した実施例1〜3のボンド磁石では磁石表面に錆は
みられなかったが、比較例1〜4においては未硬化であ
ったり磁石表面に錆が発生した。また、実施例1の硬化
剤兼防錆剤を少なくした比較例5では、防錆効果が小さ
く表面に錆が発生し、実施例2の硬化剤兼防錆剤を少な
くした比較例6は未硬化であり使用できないことが分か
った。また、防錆剤による真空含浸処理を行った後、更
に、実施例1のコーティング剤組成液をコーティングし
た参考例1〜3は、いずれも表面に錆が発生したことか
ら、本発明のコーティング剤組成液は単独で用いること
が望ましいことが分かった。
【0026】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、磁性粉末を熱可塑性樹脂、又は、熱硬化性樹脂から
成るバインダーに混合分散させた樹脂磁石組成物を成型
して成るボンド磁石、又は、磁性粉末を焼結して得られ
る焼結磁石の表面に設けられるコーティング層を形成す
るための、コーティング剤樹脂と硬化剤とを含むコーテ
ィング剤組成液において、上記硬化剤として防錆機能を
有する硬化剤を用いるようにしたので、コーティング剤
の物性低下を招くことなく、十分な防錆機能を発揮する
ことができる。また、ボンド磁石や焼結磁石の表面に上
記コーティング剤組成液を用いたコーティング層を形成
することにより、優れた防錆性を有する磁石を得ること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 179/04 C09D 179/04 Z H01F 41/02 H01F 41/02 G // H01F 1/08 1/08 A Fターム(参考) 4J038 DB001 DG001 DJ001 JB02 JB23 JB24 KA03 NA03 PC02 PC08 4K018 AA11 AA27 BA05 BA18 FA25 GA04 KA45 KA46 KA58 5E040 AA04 BB03 BC05 BC08 BD01 CA01 HB14 NN05 5E062 CD04 CG07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末を熱可塑性樹脂、又は、熱硬化
    性樹脂から成るバインダーに混合分散させた樹脂磁石組
    成物を成型して成るボンド磁石、又は、磁性粉末を焼結
    して得られる焼結磁石の表面に設けられるコーティング
    層を形成するための、コーティング剤樹脂と硬化剤とを
    含むコーティング剤組成液であって、上記硬化剤が防錆
    機能を有する硬化剤であることを特徴とするコーティン
    グ剤組成液。
  2. 【請求項2】 上記硬化剤が、以下の(1)〜(4)の
    いずれかで表わせる基本構造を少なくとも1つ有する化
    合物又は重合体であることを特徴とする請求項1に記載
    のコーティング剤組成液。
  3. 【請求項3】 上記コーティング剤樹脂を、エポキシ樹
    脂、イソシアネート樹脂、又は、オキサゾリン樹脂とし
    たことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコー
    ティング剤組成液。
  4. 【請求項4】 磁性粉末を熱可塑性樹脂、又は、熱硬化
    性樹脂から成るバインダーに混合分散させた樹脂磁石組
    成物を成型して成るボンド磁石、又は、磁性粉末を焼結
    して得られる焼結磁石の表面に、上記請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載のコーティング剤組成液を用いたコ
    ーティング層を形成するようにしたことを特徴とする磁
    石の防錆方法。
  5. 【請求項5】 上記磁性粉末をNd−Fe−B系合金粉
    末、又は、Sm−Fe−N系合金粉末としたことを特徴
    とする請求項4に記載の磁石の防錆方法。
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