JP2004011157A - 住宅の小屋裏構造 - Google Patents

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JP2004011157A JP2002162495A JP2002162495A JP2004011157A JP 2004011157 A JP2004011157 A JP 2004011157A JP 2002162495 A JP2002162495 A JP 2002162495A JP 2002162495 A JP2002162495 A JP 2002162495A JP 2004011157 A JP2004011157 A JP 2004011157A
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Hibiki Imoto
井本 響
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Misawa Homes Co Ltd
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【課題】小屋裏収納空間の使い勝手を良好にすると共に、それを安全かつ快適に有効利用することができる住宅の小屋裏構造を提供すること。
【解決手段】建物内に小屋裏収納空間Sを設けたユニット住宅Tにおいて、小屋裏収納空間Sには幕天井31が設けられ、小屋裏収納空間Sの床面38から幕天井31までの高さが1.4m以下に設定され、幕天井31は布製であって、幕天井31とその幕天井31の上部に位置する屋根との間(上部空間35)は、空間となっている構造とした。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物内に小屋裏収納空間を設けた、住宅の小屋裏構造に関する。
【0002】
【背景の技術】
建物内に小屋裏収納空間(小屋裏スペース)を設けた住宅は、従来から広く知られている。この小屋裏スペースは、例えば上階である二階の天井裏に相当する小屋裏部分に設けられる。小屋裏スペースは、以下の条件に該当するものについては、建築基準法の規定の適用に当たっては、階とみなさない、とされている。
【0003】
▲1▼ 小屋裏スペースの部分の水平投影面積は、直下の階の床面積の1/2以下であること。
▲2▼ 小屋裏スペースの天井の最高の高さは、1.4m以下であること。
▲3▼ 物の出し入れのために利用するはしご(梯子)等は、固定式のものとしないこと。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、住宅のような建物の設計・建築においては、延べ床面積が問題となることが多い。この問題は、特に、敷地面積に対する建物の建坪率や容積率との関係において重要である。
【0005】
例えば、近年において、3階建ての戸建て住宅の建築も多く見られるが、敷地面積が充分でない場合には、建ぺい率や容積率との関係で床面積を抑制する必要性が生じる。しかし、可能な限り大きな物置や収納などを建物内に設けることは、建物の使い勝手の点で効果的である。
【0006】
この点、小屋裏スペースは、上記▲1▼〜▲3▼に該当する場合、階とみなさないため、延べ床面積に算入されない。したがって、建物内に収納として利用できる大型の物置が存在するものの、実質的に延べ床面積が抑制され、容積率制限等を受けにくい利点が得られる。
【0007】
しかしながら、この小屋裏スペースの場合、人の出入りや物の出し入れの際に天井が1.4m以下に設定されているため、通常の大人が作業等を行うには使い勝手が悪く、効率的に物の出し入れ等を行うことが出来ない問題があった。しかも、小屋裏スペースは屋根の直下にあたるため小屋裏スペース内が暗くなり、また換気なども効率よく行われにくい、ということで有効利用されないという問題もあった。
【0008】
本発明の課題は、小屋裏スペース(小屋裏収納空間)の使い勝手を良好にすると共に、それを安全かつ快適に有効利用することができる住宅の小屋裏構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、建物内の小屋裏収納空間に幕天井を設け、小屋裏収納空間の床面から幕天井までの高さが1.4m以下に設定されている構造とした。
【0010】
このような本発明によれば、小屋裏収納空間に幕天井が設けられていることで、小屋裏収納空間内に出入りおよび作業等を行う際に、効率よく行うことができる。具体的には、幕天井であるため頭部などが天井に衝突しても衝撃がほとんどないため、通常の天井に比べて気にする必要がなくなる。また、小屋裏収納空間の床面から幕天井までの高さを1.4m以下に設定することで、小屋裏収納空間は床面積としては算入されないため、この部分での容積率制限等は受けない。従って、住宅内に大型の収納空間を確保することが可能となり、使い勝手が良好となる。
【0011】
前記幕天井は布製であって、幕天井とその幕天井の上部に位置する屋根との間は、空間となっていることが望ましい。このように形成した場合、小屋裏収納空間の天井(幕天井)が布製であるため、頭上に必要以上の注意を要することなく利用することができ、仮に、頭部等を衝突させても安全である。また、幕天井と上部の屋根との間に空間が形成されていることで、小屋裏収納空間を利用する人の背丈の大小を問わないため、ほぼ万人向けの小屋裏収納空間が形成される。従って、使い勝手の良い小屋裏収納を形成することができる。
【0012】
前記小屋裏収納空間には、下階とを連絡する昇降棒が設けられていることが望ましい。このように配置した場合、緊急時、例えば火事や地震などの災害等が発生したときにでも昇降棒をつたって、小屋裏収納空間からすばやく下階へ非難することができ、安全性に充分に配慮された構造となっている。
【0013】
前記住宅の屋根の形状は勾配屋根であって、勾配屋根の一部には開閉可能な天窓が配置されていることが望ましい。住宅の最上部に位置する勾配屋根に開閉可能な天窓を配置することで、住宅内部に通風および排熱構造を形成することができる。特に夏季においては、住宅全体の熱環境が悪化しやすい為、優れた効果を奏する。
【0014】
前記小屋裏収納空間の壁面には採光部が設けられ、採光部は開閉可能であることが望ましい。このように形成した場合、天窓より外部からの自然光を取り入れることが可能となり、小屋裏収納空間を快適に使用することができる。また、採光部が開閉できることで、小屋裏収納空間の換気も良好に作用し、作業等を行う際に発生する、塵埃を効果的に防ぐことができる。従って、健康や衛生面にも配慮した構造となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る住宅と小屋裏収納空間を示す正面図である。
この実施の形態では、本発明を2階建てユニット住宅に適用した例を示す。
【0016】
図1は、小屋裏に幕天井31を設けた小屋裏収納空間Sを有する2階建てのユニット住宅Tを示している。ユニット住宅Tは勾配屋根36を有し、勾配屋根36の一部には天窓33を備えている。天窓33については後述する。
【0017】
ユニット住宅Tの居住空間は1階にリビングルーム10、ダイニングキッチン14を設け、2階に寝室20および寝室21が配置されている。寝室20および寝室21の間には可動壁22が配置されている。小屋裏収納空間Sは2階の寝室20および寝室21のほぼ中間部の上部に位置しており、壁37および床38等で形成されている。壁37には後述する採光部32が備えられている。また、小屋裏収納空間Sの上部には布製の幕天井31が備えられており、幕天井31と勾配屋根36との間は空間となっており、上部空間35が形成されている。
【0018】
小屋裏収納空間Sの床37から幕天井31までの高さは1.4m以下(1.3m前後)に設定されている。また、幕天井31は布製で出来ているので頭部などが天井に衝突しても衝撃が少ないため、通常の天井に比べて頭上を気にする必要がなくなる。このため小屋裏収納空間Sは使い勝手が良好な上に階とみなされないため床面積にも算入されない。従って、住宅内に大型の収納空間を確保することが可能となり、小屋裏収納空間Sを有効利用することができる。
【0019】
さらに小屋裏収納空間Sの幕天井31と勾配屋根36との間に上部空間35が形成されていることで、小屋裏収納空間Sを利用する人の背丈の大小を問わないため、ほぼ万人向けの小屋裏収納空間Sが形成される。従って、使い勝手の良い小屋裏収納を形成することができる。
【0020】
小屋裏収納空間Sに隣接するように、その小屋裏収納空間Sと2階とを連絡する昇降棒34が配置されている。昇降棒34は鋼製で、2階の床23と勾配屋根36との固定されている。昇降棒34は緊急時、例えば火事や地震などの災害等が発生したときに昇降棒34をつたって、小屋裏収納空間Sからすばやく下階へ非難することができる構造となっている。
【0021】
図2には、小屋裏収納空間Sの拡大正面図を示している。小屋裏収納空間Sの壁37には開閉可能な採光部32が設けられている。また、勾配屋根36に備えられた天窓33は開閉可能な構造となっている。従って、小屋裏収納空間Sおよびユニット住宅T内に外部からの新鮮な空気を取り込むことができる上、室内の熱や空気を換気することが可能となり、室内環境が良好になる。特に夏季においては、住宅全体の熱環境が悪化しやすい為、優れた効果が期待できる。
【0022】
また、実施例では、採光部32は開閉可能な構造としているので、天窓33より外部からの自然光が取り入れられるため、小屋裏収納空間Sは通常の小屋裏と比較して明るくなり、快適に使用することができる。さらに開閉できることで、小屋裏収納空間Sの換気を促すことができ、荷物の出し入れなどを行う場合の塵埃を効果的に防ぐことができる。従って、健康や衛生面にも配慮した構造となっている。
【0023】
図3には、ユニット住宅Tの1階の平面間取図を示している。ユニット住宅Tは1階と2階にそれぞれ4個ずつのユニットを備えており、それらユニット同士を離し置いて配置し、その間隔部分を居室空間として利用する形態となっている。ユニット住宅Tは間口6間、奥行き5間半の住宅で、正面は西に面している。住宅ユニット30aには、西向きの玄関15が配置されている。玄関15の玄関扉は自動ドアで構成され、玄関15に隣接してダミー玄関扉15aが配置されている。ダミー玄関扉15aは、木製の戸を有し、物入れとしての機能が主であるが、外観上は玄関との見分けを付き難くしているため、防犯効果にも良好な形態としている。玄関15を抜けると、壁厚を利用し、乾燥および脱臭機能を備えた、玄関収納15bが配置されている。
【0024】
住宅ユニット30bには、レンガ暖炉12aと緩勾配階段12が備えられている。南側には、フルフラットサッシ16と可動間仕切16aが配置されている。フルフラットサッシ44と可動間仕切44aの大きさは幅が約6mで、南側の壁一面を覆っている。また、可動間仕切44aは壁に沿って自在に可動させることが可能である。フルフラットサッシ16の外側にはインナーテラス13が設けられている。インナーテラス13にはジャグジーバス13aが配置されている。
【0025】
東側に配置された、住宅ユニット30cは、移動式オープンキッチン11と開口キッチン11aが備えられている。移動式オープンキッチン11は、下部に車輪を設けているため室内を移動可能となっており、側面には複数の抽斗を備えている。住宅ユニット30cの南側に配置された、住宅ユニット30dには、トイレ18とミラー戸19が備えられている。ミラー戸19は、壁面全体を覆っており、ミラーとしての機能以外に反対側にオーディオ等を設置することができるため、リビングルーム10からも利用できる構造となっている。
【0026】
ユニット住宅Tの北側には、幅が約6mのフルフラットサッシ16が壁面全体に配置され、フルフラットサッシ16の外側には、オーバーハングカーポート17が配置されている。建物ユニット30a〜30dの間隔部分となる居室空間にはリビングルーム10およびダイニングキッチン14が設けられる。また、このユニット住宅Tは、人感知センサーにより照明が操作される構造となっており、照明スイッチはない。さらに、玄関15周辺を映し出す防犯カメラや人感知センサーを備え、インターホンには携帯電話等の携帯端末を使用し、住人の判別を行うため、防犯上、非常に優れた構造となっている。
【0027】
図4には、ユニット住宅Tの2階の平面間取図を示している。住宅ユニット30eには、システムクローゼット26が配置されている。システムクローゼット26は、内部で不自由なく着替え等を行えるようなスペースと人感知照明26aが備えられている。
【0028】
住宅ユニット30eの南側には、住宅ユニット30fが配置され、住宅ユニット30fには1階から続く緩勾配階段12と、隣接してロボットリフト27およびロボットが配置されている。ロボットは、1階から続く上部吹き抜けJを通過するロボットリフト27を使用し、1階と2階を往来することができ、料理や荷物等を運ぶことなどに利用される。従って、住人のなかに病気や介護等が必要な場合においても、利便性に優れている。
【0029】
ユニット住宅Tの南側には、長方形のインナーバルコニー24が配置されている。また、東側に面して配置された、住宅ユニット30gおよび住宅ユニット30hには、北側から風呂場25および洗面所28が備えられ、南側に向かって、トイレ27と壁収納29、家事コーナー29aが備えられている。壁収納29は寝室20の壁一面を覆うように配置されている。
【0030】
建物ユニット30e〜30hの間隔部分となる居室空間には、南側に寝室20が、北側に寝室21が配置されている。寝室20と寝室21の天井の一部は吹き抜けFとなっており、開放的な空間を形成している。寝室20と寝室21の間には、可動壁22が配置されている。寝室20の室内には昇降棒34が配置され、小屋裏収納空間Sとの連絡場所となっている。寝室21の上部には、電動開閉式の天窓33が配置され、吹き抜けFと合わせることで、採光を十分に取り入れる構造とすることができ、居住性の向上を図ることができる。なお、上記実施の形態では、本発明を二階建てユニット住宅に適用した例を示したが、三階建てユニット住宅にも適用することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、小屋裏収納空間に幕天井を設け、小屋裏収納空間の壁面に工夫を凝らし、天窓を効果的に利用することで、小屋裏収納空間の使い勝手を良好にすると共に、それを安全かつ快適に有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るユニット住宅と小屋裏を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る小屋裏の構造を示す拡大正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るユニット住宅の1階を示す平面間取図である。
【図4】本発明の実施形態に係るユニット住宅の2階を示す平面間取図である。
【符号の説明】
10  リビングルーム
11  移動式オープンキッチン
11a 開口キッチン
12  緩勾配階段
13  インナーテラス
13a ジャグジーバス
14  ダイニングキッチン
15  玄関
15a ダミー玄関扉
15b 玄関収納
16  フルフラットサッシ
16a 可動間仕切
17  カースペース
18  トイレ
19  ミラー戸
20、21 寝室
22  可動壁
23  床
24  インナーバルコニー
25  風呂場
26  システムクローゼット
26a 人感知照明
27  トイレ
28  洗面所
29  壁収納
29a 家事コーナー
30  (a〜h) 住宅ユニット
31  幕天井
32  採光部
33  天窓
34  昇降棒
35  上部空間
36  勾配屋根
37  壁
38  床
F   吹き抜け
J   上部吹き抜け
S   小屋裏収納空間
T   ユニット住宅

Claims (5)

  1. 建物内に小屋裏収納空間を設けた住宅において、前記小屋裏収納空間には幕天井が設けられ、前記小屋裏収納空間の床面から前記幕天井までの高さが1.4m以下に設定されていることを特徴とする住宅の小屋裏構造。
  2. 請求項1記載の住宅の小屋裏構造において、前記幕天井は布製であって、前記幕天井とその幕天井の上部に位置する屋根との間は、空間となっていることを特徴とする住宅の小屋裏構造。
  3. 請求項1記載の住宅の小屋裏構造において、前記小屋裏収納空間には、下階とを連絡する昇降棒が設けられていることを特徴とする住宅の小屋裏構造。
  4. 請求項1記載の住宅の小屋裏構造において、前記住宅の屋根の形状は勾配屋根であって、前記勾配屋根の一部には開閉可能な天窓が配置されていることを特徴とする住宅の小屋裏構造。
  5. 請求項1記載の住宅の小屋裏構造において、前記小屋裏収納空間の壁面には採光部が設けられ、前記採光部は開閉可能であることを特徴とする住宅の小屋裏構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009068198A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Misawa Homes Co Ltd ロフトを有する部屋構造
JP2010222918A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Misawa Homes Co Ltd 傾斜天井収納付き建物
JP2013083146A (ja) * 2011-09-28 2013-05-09 Misawa Homes Co Ltd ロフト付き建物

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