JP2004100297A - 仏壇スペースを備えた住宅 - Google Patents
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Abstract
【課題】和室が設けられていない住宅においても、住宅と仏壇等を互いの美観や機能を損ねることなく融合させることができ、さらに、居住性の向上を図ることができる仏壇スペースを備えた住宅を提供することにある。
【解決手段】天窓26と収納スペースAとを備えた住宅Tであって、天窓26は、収納スペースAの上方に配置されており、その天窓26を経由した光が収納スペースA内に直接射し込まれる位置に設けられている構造とした。
【選択図】 図1
【解決手段】天窓26と収納スペースAとを備えた住宅Tであって、天窓26は、収納スペースAの上方に配置されており、その天窓26を経由した光が収納スペースA内に直接射し込まれる位置に設けられている構造とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、仏壇スペースを備えた住宅に関し、特に天窓からの光を利用して仏壇および神棚等を好適に配置可能な仏壇スペースに関する。
【0002】
【背景の技術】
住宅の様式を大きく区分けすると、和式住宅、洋式住宅、和洋住宅の3つのタイプに分類される。和式住宅は、日本の伝統の中で培われた和の形式を外観や間取りに取り入れた住宅で、居室に畳を敷き詰めて和室を形成し、居室間には襖や障子などを設けるなど、上品で趣のある日本の伝統的住宅である。洋式住宅は、快適な暮らしのための合理性と個性を合わせもった住宅で、フローリングやクローゼットを使用した洋室と、自然を楽しむことができるサンルームやテラス等を配置するなど、オープンな雰囲気と現代的なデザインで形成された住宅である。
【0003】
和洋住宅においては、和の安らぎと洋の合理性を備えた住宅で、住宅内の居室は、和室と洋室の両方が複合されている。これら住宅の様式は、住人の好みに応じて選択されるが、近年では核家族化の影響と、ライフスタイルの変化から、合理性や個性的なデザインを備えた住宅が人気であり、現代的な洋式住宅や和洋住宅の建築比率が高くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、住宅内には先祖を祀る仏間や仏壇、または信仰する宗教を崇める部屋などを設けている場合が多い。例えば、日本において最も信仰が多い仏教の場合では、仏壇や仏像を配置するスペースを設けている(例えば、特許文献1参照。)。従来、日本の住宅は和室が設けられた和式住宅や和洋住宅が多く、その和室内に仏壇や仏像を配置することが一般的であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−256617
【0006】
しかしながら、洋式住宅で仏壇や仏像等を配置する場合、住宅内に和室が設けられていないことで、取り扱いが困難になるという問題があった。つまり、洋式住宅の洋風なデザインと、和の趣をもつ仏壇や仏像の雰囲気とは相反してしまうからである。よって、いかにお互いの美観を保ちつつ調和させるかが大きな課題とされている。また、和洋住宅においては、和室内に仏壇等を配置するのが一般的であるが、和室の間取りやスペースに問題がある場合、また洋室に設けたい場合など、仏壇等を希望する場所に配置できない恐れもあった。従って、デザイン性に配慮し、かつ洋式・和洋住宅と仏壇等とが効果的に融合できる配置構造であることが望ましい。
【0007】
本発明は、和室が設けられていない住宅においても、住宅と仏壇等を互いの美観や機能を損ねることなく融合させることができ、さらに、居住性の向上を図ることができる仏壇スペースを備えた住宅を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、天窓と収納スペースとを備えた住宅であって、天窓は、収納スペースの上方に配置されている構成とした。
【0009】
このような本発明によれば、和室のない現代住宅と仏壇等を互いの美観や機能を損ねることなく融合させることができ、さらに、居住性の向上を図ることができる。すなわち、和室の設けられていない住宅(洋式住宅)内に、仏像や神棚等を配置すると、住宅全体のデザイン性が損なわれてしまうので、取り扱いが困難になるという問題があったが、住宅内に仏壇等を配置できる収納スペースを設け、この収納スペースの上方に天窓を配置することで、洋式住宅ともスムーズに融合できる。
【0010】
つまり、収納スペースの直上の天窓より外部の光が直接取り込まれるため、仏壇や仏像等に光が当たり、いかにも神々しい雰囲気を醸し出すことができる。従って、洋式住宅に和の趣が形成され、住む人の心を和ませることができ、さらに、自然光の美しさによってリラクゼーションにも効果的である。
【0011】
前記天窓は、その天窓を経由した光が前記収納スペース内に直接射し込まれる位置に設けられていることが望ましい。このように形成した場合、収納スペース内に、上方に配置された天窓から太陽光や月光などの自然光を取り込むことができる。
【0012】
前記収納スペースの上部には天板が設けられ、その天板は透過性であることが望ましい。このように形成した場合、収納スペースに配置した仏壇等を上方からの埃や塵などの汚れから守ることができる。また、この天板は透過性であるため、天窓からの光を遮ることなく効果的に取り込むことが可能である。
【0013】
前記収納スペースの周囲の壁面は、同系色および同材質で形成され、収納スペースの床面は、周囲の床面より高いことが望ましい。このように形成した場合、収納スペースに配置した仏壇等の雰囲気を良好にすることができる。すなわち、収納スペースの壁面を同系色および同材質にすることで、周囲との統一感も生まれ、光の当てられた仏壇等を惹きたてることが可能になる。さらに、周囲の床面よりも高く配置することで、崇拝および敬意を表すことができる。
【0014】
前記収納スペースの前面は、開閉可能な吊り戸または開き戸の少なくとも一方が設けられ、それらは、収納スペースおよび周囲の壁面と同系色であることが望ましい。このように形成した場合、外観上、収納スペースを目隠しすることができる。つまり、吊り戸または開き戸は、周囲の壁面と同系色で形成され、かつ開閉自在であることから外観上は見分けがつかないようになる。
【0015】
前記収納スペースは、仏壇や神棚、またはマリアが設置できるように配慮されている仏壇スペースであることが望ましい。このようにした場合、住人の信仰している宗教に応じて自由に配置可能になる。また、天窓26からの光がそれぞれに当たり神々しい雰囲気を醸し出すことができ、周囲と効果的に融合させることができる。
【0016】
前記収納スペースに隣接配置された居室の天井は、吹き抜け天井であって、その吹き抜け天井は、天窓を経由した光が居室内に射し込まれる位置に設けられていることが望ましい。このように形成した場合、天窓から居室内に光が射し込まれ、居室の雰囲気が良好になる。すなわち、吹き抜け天井の広々とした居室空間と、その上方から射し込まれる光とが調和して、より一層快適な居室空間を形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るユニット住宅の正面図である。
この実施の形態では、本発明を2階建てユニット住宅に適用した例を示す。
また、ユニット住宅は全体として符号Tで示す。
【0018】
図1は、ユニット住宅Tの縦断面図を示し、図2,3は、ユニット住宅Tの1階および2階の平面間取り図を示している。これらの図において、ユニット住宅Tは、基礎1の上に設けられた住宅ユニット10を上下2段に積層して構成されており、各住宅ユニット10は間隔をあけて離し置いている(図2,3)。この間隔部分は居室空間として利用可能な形態となっている。
【0019】
このユニット住宅Tは南側から見て間口6間、奥行き5間半のほぼ正方形の住宅で、屋根の形状は勾配屋根となっている。1階西側には、自動玄関扉2とダミー玄関扉3が設けられ、ダミー玄関扉3は本物の玄関(自動玄関扉2)のすぐ隣に配置しているため、防犯上、効果的である。自動玄関扉2から室内に入った左側には、乾燥および脱臭機能を備えた、玄関収納4が設けられている。
【0020】
正面には、引き戸5とそれに隣接して隠しクローゼット6が配置されており、引き戸5は、隠しクローゼット6の内部に引き込むことが可能になっている。隠しクローゼット6は、緩勾配階段7の階段下空間を利用しており、付近の壁面と同様の表面仕上げ材で形成されている。
【0021】
南側の窓の外側にはインナーテラス8と、それに隣接して池9が設けられ、自然を楽しむことができるスペースとなっている。1階中央部に、リビングダイニングLと、その上部に間接照明を備えた折上げ天井Wが形成されており、天井の高い広々とした快適ルームが形成されている。北側の窓の外側には、カーポートスペース11とルーバーフェンス12が設けられ、東側にシステムキッチンKと可動キッチン13が設けられている。
【0022】
システムキッチンKの南側には、トイレ14とTV収納15が設けられ、それらの先には、3畳のプライベートスペース16が配置されている。また、1階床は全てフラット床になっているため、バリアフリーに配慮されている。このユニット住宅Tは、人感知センサーにより照明が操作される構造となっており、照明スイッチはない。さらに、自動玄関扉2周辺を映し出す防犯カメラや人感知センサーを備え、インターホンには携帯電話等の携帯端末を使用し、住人の区別を行うため、防犯に優れた構造となっている。
【0023】
緩勾配階段7を上がった2階南側には、子供部屋17とインナーバルコニー18が設けられている。子供部屋17の一部の天井は吹き抜け勾配天井となっており、梯子(図示しない)または非常用の昇降棒20等で小屋裏スペースCとの往来が可能になっている。この小屋裏スペースCは主に収納スペースとして利用される。
【0024】
2階東側には、ユニットバス19,洗面所21,トイレ22等の水廻り設備が整っている。トイレ22の奥には、家事コーナー23や大容量収納棚24が設けられ、2階で簡単な調理等を行うことができ、利便性に優れている。
【0025】
子供部屋17と北側に位置する主寝室25の間には、仏壇スペースAが配置されている。図4に仏壇スペースAおよび天窓26の詳細構造を示す。仏壇スペースAは、間口が約2m,奥行きが約0.7mのスペースを有し、主寝室25側へ突き出して形成されている。仏壇スペースAの上方には天窓26が配置されている。天窓26は、勾配屋根Yに配置され、電動で開閉可能な構造となっている。
【0026】
天窓26は、仏壇スペースA内に天窓26を経由した自然光が直接射し込まれる位置に設けられているため、仏像28に光が当たり、いかにも神々しい雰囲気を醸し出すことができる。つまり、このユニット住宅Tのような洋式住宅においても、仏壇等の取り扱いに困ることなく、互いの美観およびデザイン性を損ねることがない。従って、このような位置関係にすることで和と洋を上手に融合させた空間を形成できる。ここで述べた自然光とは、太陽光および月光を指している。
【0027】
この仏壇スペースAの上部にはブラストガラス27が設けられている。ブラストガラス27は、透過性のガラス板で、上側からの、特に天窓26の開口時に発生する埃や塵を防ぐことができる。また、このブラストガラス27は透過性であるため、天窓26から射し込まれる光を遮ることのない形態とすることができる。
【0028】
仏壇スペースAの周囲の壁29は、白色系で形成され、その材質も同様となっている。また、仏壇スペースAの上床30は、周囲の床面よりも高く形成されている。従って、白色系の壁29が光を反射するとともに、周囲の居室空間とも調和され、光の当てられた仏像28を惹きたてることができる。さらに、周囲の床面よりも高くすることで、仏に崇拝および敬意を表すことができる。
【0029】
再度、図2において、仏壇スペースAの前面は、開閉可能な吊り戸31が設けられ、周囲の壁面と同じ白色系で形成されている。この吊り戸31は、レール(図示しない)に沿って移動可能な6枚の吊り戸31が連なっている。移動する際は、子供部屋17側に移動する。従って、外観上、仏壇スペースAを目隠しすることができる。つまり、吊り戸31は、周囲の壁面と同系色で形成され、かつ開閉自在であることから、吊り戸31を閉めると外観上の見分けがつかないようにできる。この実施形態では、吊り戸31を使用しているが、開き戸にしてもよい。このようにした場合も仏壇スペースAの目隠しは可能である。
【0030】
また、主寝室25の天井は、吹き抜け天井Fとなっている(図4)。この吹き抜け天井Fの斜め上方には、天窓26が配置されており、そこから経由した光が主寝室25内に射し込まれるようになっている。従って、主寝室25の雰囲気が良好になり、上方から射し込まれる光と調和して、より一層快適な居室空間を形成することができる。
【0031】
主寝室25の西側には、システムクローゼット32が配置されている。システムクローゼット32は、内部で不自由なく着替え等を行えるウォーキング式となっている。
【0032】
この実施形態では、仏壇スペースA内に仏像28を配置した例を示しているが、仏壇や神棚、またはマリア様のように、住人の信仰している宗教に応じて自由に配置可能である。このようにした場合も、天窓26からの光がそれぞれに当たり神々しい雰囲気を醸し出すことができ、周囲と融合することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、和室が設けられていない住宅においても、住宅と仏壇等を互いの美観や機能を損ねることなく融合させることができ、さらに、居住性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るユニット住宅の1階の縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るユニット住宅の1階の平面間取図である。
【図3】本発明の実施形態に係るユニット住宅の2階の平面間取図である。
【図4】本発明の実施形態に係る天窓と仏壇スペースの拡大正面図である。
【符号の説明】
1 基礎
2 自動玄関扉
3 ダミー玄関扉
4 玄関収納
5 引き戸
6 隠しクローゼット
7 緩勾配階段
8 インナーテラス
9 池
10 住宅ユニット
11 カーポートスペース
12 ルーバーフェンス
13 可動キッチン
14,22 トイレ
15 TV収納
16 プライベートスペース
17 子供部屋
18 インナーバルコニー
19 ユニットバス
20 昇降棒
21 洗面所
23 家事コーナー
24 大容量収納棚
25 主寝室
26 天窓
27 ブラストガラス
28 仏像
29 壁
30 上床
31 吊り戸
32 システムクローゼット
A 仏壇スペース
C 小屋裏スペース
K システムキッチン
L リビングダイニング
T ユニット住宅
W 折上げ天井
Y 勾配屋根
【発明の属する技術分野】
本発明は、仏壇スペースを備えた住宅に関し、特に天窓からの光を利用して仏壇および神棚等を好適に配置可能な仏壇スペースに関する。
【0002】
【背景の技術】
住宅の様式を大きく区分けすると、和式住宅、洋式住宅、和洋住宅の3つのタイプに分類される。和式住宅は、日本の伝統の中で培われた和の形式を外観や間取りに取り入れた住宅で、居室に畳を敷き詰めて和室を形成し、居室間には襖や障子などを設けるなど、上品で趣のある日本の伝統的住宅である。洋式住宅は、快適な暮らしのための合理性と個性を合わせもった住宅で、フローリングやクローゼットを使用した洋室と、自然を楽しむことができるサンルームやテラス等を配置するなど、オープンな雰囲気と現代的なデザインで形成された住宅である。
【0003】
和洋住宅においては、和の安らぎと洋の合理性を備えた住宅で、住宅内の居室は、和室と洋室の両方が複合されている。これら住宅の様式は、住人の好みに応じて選択されるが、近年では核家族化の影響と、ライフスタイルの変化から、合理性や個性的なデザインを備えた住宅が人気であり、現代的な洋式住宅や和洋住宅の建築比率が高くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、住宅内には先祖を祀る仏間や仏壇、または信仰する宗教を崇める部屋などを設けている場合が多い。例えば、日本において最も信仰が多い仏教の場合では、仏壇や仏像を配置するスペースを設けている(例えば、特許文献1参照。)。従来、日本の住宅は和室が設けられた和式住宅や和洋住宅が多く、その和室内に仏壇や仏像を配置することが一般的であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−256617
【0006】
しかしながら、洋式住宅で仏壇や仏像等を配置する場合、住宅内に和室が設けられていないことで、取り扱いが困難になるという問題があった。つまり、洋式住宅の洋風なデザインと、和の趣をもつ仏壇や仏像の雰囲気とは相反してしまうからである。よって、いかにお互いの美観を保ちつつ調和させるかが大きな課題とされている。また、和洋住宅においては、和室内に仏壇等を配置するのが一般的であるが、和室の間取りやスペースに問題がある場合、また洋室に設けたい場合など、仏壇等を希望する場所に配置できない恐れもあった。従って、デザイン性に配慮し、かつ洋式・和洋住宅と仏壇等とが効果的に融合できる配置構造であることが望ましい。
【0007】
本発明は、和室が設けられていない住宅においても、住宅と仏壇等を互いの美観や機能を損ねることなく融合させることができ、さらに、居住性の向上を図ることができる仏壇スペースを備えた住宅を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、天窓と収納スペースとを備えた住宅であって、天窓は、収納スペースの上方に配置されている構成とした。
【0009】
このような本発明によれば、和室のない現代住宅と仏壇等を互いの美観や機能を損ねることなく融合させることができ、さらに、居住性の向上を図ることができる。すなわち、和室の設けられていない住宅(洋式住宅)内に、仏像や神棚等を配置すると、住宅全体のデザイン性が損なわれてしまうので、取り扱いが困難になるという問題があったが、住宅内に仏壇等を配置できる収納スペースを設け、この収納スペースの上方に天窓を配置することで、洋式住宅ともスムーズに融合できる。
【0010】
つまり、収納スペースの直上の天窓より外部の光が直接取り込まれるため、仏壇や仏像等に光が当たり、いかにも神々しい雰囲気を醸し出すことができる。従って、洋式住宅に和の趣が形成され、住む人の心を和ませることができ、さらに、自然光の美しさによってリラクゼーションにも効果的である。
【0011】
前記天窓は、その天窓を経由した光が前記収納スペース内に直接射し込まれる位置に設けられていることが望ましい。このように形成した場合、収納スペース内に、上方に配置された天窓から太陽光や月光などの自然光を取り込むことができる。
【0012】
前記収納スペースの上部には天板が設けられ、その天板は透過性であることが望ましい。このように形成した場合、収納スペースに配置した仏壇等を上方からの埃や塵などの汚れから守ることができる。また、この天板は透過性であるため、天窓からの光を遮ることなく効果的に取り込むことが可能である。
【0013】
前記収納スペースの周囲の壁面は、同系色および同材質で形成され、収納スペースの床面は、周囲の床面より高いことが望ましい。このように形成した場合、収納スペースに配置した仏壇等の雰囲気を良好にすることができる。すなわち、収納スペースの壁面を同系色および同材質にすることで、周囲との統一感も生まれ、光の当てられた仏壇等を惹きたてることが可能になる。さらに、周囲の床面よりも高く配置することで、崇拝および敬意を表すことができる。
【0014】
前記収納スペースの前面は、開閉可能な吊り戸または開き戸の少なくとも一方が設けられ、それらは、収納スペースおよび周囲の壁面と同系色であることが望ましい。このように形成した場合、外観上、収納スペースを目隠しすることができる。つまり、吊り戸または開き戸は、周囲の壁面と同系色で形成され、かつ開閉自在であることから外観上は見分けがつかないようになる。
【0015】
前記収納スペースは、仏壇や神棚、またはマリアが設置できるように配慮されている仏壇スペースであることが望ましい。このようにした場合、住人の信仰している宗教に応じて自由に配置可能になる。また、天窓26からの光がそれぞれに当たり神々しい雰囲気を醸し出すことができ、周囲と効果的に融合させることができる。
【0016】
前記収納スペースに隣接配置された居室の天井は、吹き抜け天井であって、その吹き抜け天井は、天窓を経由した光が居室内に射し込まれる位置に設けられていることが望ましい。このように形成した場合、天窓から居室内に光が射し込まれ、居室の雰囲気が良好になる。すなわち、吹き抜け天井の広々とした居室空間と、その上方から射し込まれる光とが調和して、より一層快適な居室空間を形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るユニット住宅の正面図である。
この実施の形態では、本発明を2階建てユニット住宅に適用した例を示す。
また、ユニット住宅は全体として符号Tで示す。
【0018】
図1は、ユニット住宅Tの縦断面図を示し、図2,3は、ユニット住宅Tの1階および2階の平面間取り図を示している。これらの図において、ユニット住宅Tは、基礎1の上に設けられた住宅ユニット10を上下2段に積層して構成されており、各住宅ユニット10は間隔をあけて離し置いている(図2,3)。この間隔部分は居室空間として利用可能な形態となっている。
【0019】
このユニット住宅Tは南側から見て間口6間、奥行き5間半のほぼ正方形の住宅で、屋根の形状は勾配屋根となっている。1階西側には、自動玄関扉2とダミー玄関扉3が設けられ、ダミー玄関扉3は本物の玄関(自動玄関扉2)のすぐ隣に配置しているため、防犯上、効果的である。自動玄関扉2から室内に入った左側には、乾燥および脱臭機能を備えた、玄関収納4が設けられている。
【0020】
正面には、引き戸5とそれに隣接して隠しクローゼット6が配置されており、引き戸5は、隠しクローゼット6の内部に引き込むことが可能になっている。隠しクローゼット6は、緩勾配階段7の階段下空間を利用しており、付近の壁面と同様の表面仕上げ材で形成されている。
【0021】
南側の窓の外側にはインナーテラス8と、それに隣接して池9が設けられ、自然を楽しむことができるスペースとなっている。1階中央部に、リビングダイニングLと、その上部に間接照明を備えた折上げ天井Wが形成されており、天井の高い広々とした快適ルームが形成されている。北側の窓の外側には、カーポートスペース11とルーバーフェンス12が設けられ、東側にシステムキッチンKと可動キッチン13が設けられている。
【0022】
システムキッチンKの南側には、トイレ14とTV収納15が設けられ、それらの先には、3畳のプライベートスペース16が配置されている。また、1階床は全てフラット床になっているため、バリアフリーに配慮されている。このユニット住宅Tは、人感知センサーにより照明が操作される構造となっており、照明スイッチはない。さらに、自動玄関扉2周辺を映し出す防犯カメラや人感知センサーを備え、インターホンには携帯電話等の携帯端末を使用し、住人の区別を行うため、防犯に優れた構造となっている。
【0023】
緩勾配階段7を上がった2階南側には、子供部屋17とインナーバルコニー18が設けられている。子供部屋17の一部の天井は吹き抜け勾配天井となっており、梯子(図示しない)または非常用の昇降棒20等で小屋裏スペースCとの往来が可能になっている。この小屋裏スペースCは主に収納スペースとして利用される。
【0024】
2階東側には、ユニットバス19,洗面所21,トイレ22等の水廻り設備が整っている。トイレ22の奥には、家事コーナー23や大容量収納棚24が設けられ、2階で簡単な調理等を行うことができ、利便性に優れている。
【0025】
子供部屋17と北側に位置する主寝室25の間には、仏壇スペースAが配置されている。図4に仏壇スペースAおよび天窓26の詳細構造を示す。仏壇スペースAは、間口が約2m,奥行きが約0.7mのスペースを有し、主寝室25側へ突き出して形成されている。仏壇スペースAの上方には天窓26が配置されている。天窓26は、勾配屋根Yに配置され、電動で開閉可能な構造となっている。
【0026】
天窓26は、仏壇スペースA内に天窓26を経由した自然光が直接射し込まれる位置に設けられているため、仏像28に光が当たり、いかにも神々しい雰囲気を醸し出すことができる。つまり、このユニット住宅Tのような洋式住宅においても、仏壇等の取り扱いに困ることなく、互いの美観およびデザイン性を損ねることがない。従って、このような位置関係にすることで和と洋を上手に融合させた空間を形成できる。ここで述べた自然光とは、太陽光および月光を指している。
【0027】
この仏壇スペースAの上部にはブラストガラス27が設けられている。ブラストガラス27は、透過性のガラス板で、上側からの、特に天窓26の開口時に発生する埃や塵を防ぐことができる。また、このブラストガラス27は透過性であるため、天窓26から射し込まれる光を遮ることのない形態とすることができる。
【0028】
仏壇スペースAの周囲の壁29は、白色系で形成され、その材質も同様となっている。また、仏壇スペースAの上床30は、周囲の床面よりも高く形成されている。従って、白色系の壁29が光を反射するとともに、周囲の居室空間とも調和され、光の当てられた仏像28を惹きたてることができる。さらに、周囲の床面よりも高くすることで、仏に崇拝および敬意を表すことができる。
【0029】
再度、図2において、仏壇スペースAの前面は、開閉可能な吊り戸31が設けられ、周囲の壁面と同じ白色系で形成されている。この吊り戸31は、レール(図示しない)に沿って移動可能な6枚の吊り戸31が連なっている。移動する際は、子供部屋17側に移動する。従って、外観上、仏壇スペースAを目隠しすることができる。つまり、吊り戸31は、周囲の壁面と同系色で形成され、かつ開閉自在であることから、吊り戸31を閉めると外観上の見分けがつかないようにできる。この実施形態では、吊り戸31を使用しているが、開き戸にしてもよい。このようにした場合も仏壇スペースAの目隠しは可能である。
【0030】
また、主寝室25の天井は、吹き抜け天井Fとなっている(図4)。この吹き抜け天井Fの斜め上方には、天窓26が配置されており、そこから経由した光が主寝室25内に射し込まれるようになっている。従って、主寝室25の雰囲気が良好になり、上方から射し込まれる光と調和して、より一層快適な居室空間を形成することができる。
【0031】
主寝室25の西側には、システムクローゼット32が配置されている。システムクローゼット32は、内部で不自由なく着替え等を行えるウォーキング式となっている。
【0032】
この実施形態では、仏壇スペースA内に仏像28を配置した例を示しているが、仏壇や神棚、またはマリア様のように、住人の信仰している宗教に応じて自由に配置可能である。このようにした場合も、天窓26からの光がそれぞれに当たり神々しい雰囲気を醸し出すことができ、周囲と融合することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、和室が設けられていない住宅においても、住宅と仏壇等を互いの美観や機能を損ねることなく融合させることができ、さらに、居住性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るユニット住宅の1階の縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るユニット住宅の1階の平面間取図である。
【図3】本発明の実施形態に係るユニット住宅の2階の平面間取図である。
【図4】本発明の実施形態に係る天窓と仏壇スペースの拡大正面図である。
【符号の説明】
1 基礎
2 自動玄関扉
3 ダミー玄関扉
4 玄関収納
5 引き戸
6 隠しクローゼット
7 緩勾配階段
8 インナーテラス
9 池
10 住宅ユニット
11 カーポートスペース
12 ルーバーフェンス
13 可動キッチン
14,22 トイレ
15 TV収納
16 プライベートスペース
17 子供部屋
18 インナーバルコニー
19 ユニットバス
20 昇降棒
21 洗面所
23 家事コーナー
24 大容量収納棚
25 主寝室
26 天窓
27 ブラストガラス
28 仏像
29 壁
30 上床
31 吊り戸
32 システムクローゼット
A 仏壇スペース
C 小屋裏スペース
K システムキッチン
L リビングダイニング
T ユニット住宅
W 折上げ天井
Y 勾配屋根
Claims (7)
- 天窓と収納スペースとを備えた住宅であって、前記天窓は、前記収納スペースの上方に配置されていることを特徴とする仏壇スペースを備えた住宅。
- 請求項1記載の仏壇スペースを備えた住宅において、前記天窓は、その天窓を経由した光が前記収納スペース内に直接射し込まれる位置に設けられていることを特徴とする仏壇スペースを備えた住宅。
- 請求項1記載の仏壇スペースを備えた住宅において、前記収納スペースの上部には天板が設けられ、その天板は透過性であることを特徴とする仏壇スペースを備えた住宅。
- 請求項1記載の仏壇スペースを備えた住宅において、前記収納スペースの周囲の壁面は、同系色および同材質で形成され、前記収納スペースの床面は、周囲の床面より高いことを特徴とする仏壇スペースを備えた住宅。
- 請求項1記載の仏壇スペースを備えた住宅において、前記収納スペースの前面は、開閉可能な吊り戸または開き戸の少なくとも一方が設けられ、それらは、前記収納スペースおよび周囲の壁面と同系色であることを特徴とする仏壇スペースを備えた住宅。
- 請求項1記載の仏壇スペースを備えた住宅において、前記収納スペースは、仏壇や神棚、またはマリア様が設けられた仏壇スペースであることを特徴とする仏壇スペースを備えた住宅。
- 請求項1記載の仏壇スペースを備えた住宅において、前記収納スペースに隣接配置された居室の天井は、吹き抜け天井であって、その吹き抜け天井は、前記天窓を経由した光が前記居室内に射し込まれる位置に設けられていることを特徴とする仏壇スペースを備えた住宅。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002264341A JP2004100297A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 仏壇スペースを備えた住宅 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002264341A JP2004100297A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 仏壇スペースを備えた住宅 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004100297A true JP2004100297A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32263810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002264341A Pending JP2004100297A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 仏壇スペースを備えた住宅 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004100297A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007107297A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Misawa Homes Co Ltd | 建物 |
JP2008202225A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Misawa Homes Co Ltd | 収納構造 |
JP2016199925A (ja) * | 2015-04-10 | 2016-12-01 | 旭化成ホームズ株式会社 | 建物 |
-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002264341A patent/JP2004100297A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007107297A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Misawa Homes Co Ltd | 建物 |
JP2008202225A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Misawa Homes Co Ltd | 収納構造 |
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