JP2004060426A - カーポート付き住宅 - Google Patents
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Abstract
【課題】利便性およびデザイン性に優れ、さらに防犯機能と居住性を向上させることができる、カーポート付き住宅を提供すること。
【解決手段】上階と下階を有する建物の上階の直下に設けられたカーポートスペースKであって、上階の外壁のうち、カーポートスペースK上の外壁部分が張り出し外壁5に形成され、下階の外壁のうち、張り出し外壁5に対応する外壁部分が引き込み外壁4に形成され、カーポートスペースKに隣接して第1の玄関扉40を備えた玄関40aが設けられ、その玄関40aとカーポートスペースKとの間に連絡通路34が設けられ、その連絡通路34に連絡通路34を開閉する第2の玄関扉30が設けられている構造とした。
【選択図】 図1
【解決手段】上階と下階を有する建物の上階の直下に設けられたカーポートスペースKであって、上階の外壁のうち、カーポートスペースK上の外壁部分が張り出し外壁5に形成され、下階の外壁のうち、張り出し外壁5に対応する外壁部分が引き込み外壁4に形成され、カーポートスペースKに隣接して第1の玄関扉40を備えた玄関40aが設けられ、その玄関40aとカーポートスペースKとの間に連絡通路34が設けられ、その連絡通路34に連絡通路34を開閉する第2の玄関扉30が設けられている構造とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーポート付き住宅に関し、特にカーポートスペースを効率よく利用することで居住性を向上させたカーポート付き住宅に関する。
【0002】
【背景の技術】
住宅等の建物に隣接させて設けられる屋根付きのカーポートとしては、一般に、以下のような種類がある。
【0003】
第一は、鋼板や耐候性樹脂板などからなる屋根材を鋼材やアルミニウム材などからなる支柱および屋根フレームで支持し、この屋根材より駐車空間を被うようにしたカーポートで、通常は、建物本体から構造的に独立した単独の構築物として設置される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
第二は、建物の外側に庇を延設し、その庇の下方を駐車空間とするカーポートで、建物の外側に張り出した庇の荷重を支持するために、庇の先端部に支柱や壁状の構造物を立設するか、あるいは庇の先端部付近を外壁の上部から斜めに懸吊する、という構造が採用される(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
第三は、建物の2階部分を1階部分の上方に張り出させてオーバーハング部を形成し、このオーバーハング部の下方を駐車空間とするカーポートである。ただし、住宅等の建物に採用される一般的な建物構造では、駐車可能スペースに相当する大きさのオーバーハング部を無柱で支持するのが構造的に厳しいため、通常は、オーバーハング部の先端部付近に独立柱や構造壁が立設される(例えば、特許文献3。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−262849
【特許文献2】
特開平11−236772
【特許文献3】
特開平9−242358
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第一のカーポートによれば、その素材や構造が建物本体とは異質なものであるため、建物本体とカーポートとの外観的な一体感が得られにくく、カーポートの存在感も軽薄あるいは貧相な印象になりがちであった。また、第二のカーポートによれば、建物の外側に張り出した庇の先端部を支持する支柱や壁状の構造物、あるいは外壁から懸吊する斜材などの構造材が、建物本体の外観に違和感を与えて建物本体のデザインが損なわれることがあった。さらに、支柱や壁状の構造物が車両の出し入れや乗降の際に邪魔になるという不便もあった。
【0008】
第三のカーポートによれば、建物本体とカーポートとの外観的な一体感は得られやすいが、建物に大きなオーバーハング部を形成するため建物全体の構造的なバランスが損なわれやすく、オーバーハング部を支持する柱や壁も重厚になるため、駐車空間の使い勝手がさらに窮屈になるという不便もあった。
【0009】
また、建物に隣接してカーポートを設けた住宅において、建物の居住性を向上させるため、1階居室空間の壁一面もしくは一部を大きな窓で形成している建物が広く見受けられる。通常、1階居室空間はリビングやダイニングを配置していることが多いので、居室内に採光を十分に取り入れたいことが大きな理由とされている。しかし、壁一面もしくは一部を大きな窓で形成すると、隣接した建物や通行人からの視線に常に配慮しなければならないという問題があった。
【0010】
一方、近年、増加傾向にある犯罪から住宅内の財産等を守るために、住宅セキュリティの向上が望まれている。この住宅セキュリティには住宅内に防犯センサー等を設置し、犯罪を最小限に防ぐことを目的とするセキュリティシステムを導入する方法などが一般的である。しかしながら、セキュリティシステムがある場合でも、住宅構造によっては容易に侵入されてしまう恐れがあった。したがって、住宅は泥棒などの侵入者が侵入し難い住宅構造であることが望ましい。
【0011】
本発明は、利便性およびデザイン性に優れ、さらに防犯機能と居住性を向上させることができる、カーポート付き住宅を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上階と下階を有する建物の上階の直下に設けられたカーポートスペースであって、上階の外壁のうち、カーポートスペース上の外壁部分が張り出し外壁に形成され、下階の外壁のうち、張り出し外壁に対応する外壁部分が引き込み外壁に形成されている構造とした。
【0013】
このような本発明によれば、上階の外壁の外壁部分が張り出し外壁に形成され、下階の外壁の張り出し外壁に対応する外壁部分を引き込み外壁に形成することで、張り出し外壁の張り出し寸法を実質的に半分にすることができる。これにより支柱の存在しない使い勝手の優れたカーポートスペースを形成することができる。また、建物と一体構造となっていることで、建物と調和し、デザイン性にも優れている。
【0014】
前記張り出し外壁および引き込み外壁は、建物の外壁の隣り合う二つの角部の間に設けられていることが望ましい。このように構成した場合、隣接する建物および外部から居室空間に対して、左右からの視界を遮ることが可能となる。すなわち、カーポートスペースは外壁のほぼ中間部に位置しており、建物全体としては、カーポートスペースが引き込まれている構造となっているため、居室空間に対しての目隠し作用が効果的になる。
【0015】
前記建物は、上下階に積層された建物ユニットを複数個組み合わせて形成されるユニット式建物であって、建物ユニット同士は互いに所定の間隔を離して配置され、その間隔部分には建物ユニット間をそれぞれ接続する複数の接続梁が設けられ、張り出し外壁及び引き込み外壁は、間隔部分に設けられていることが望ましい。このように構成した場合、建物ユニットと張り出し外壁および引き込み外壁の施工が容易で、しかも建物ユニットおよび接続梁を利用することで張り出し部分の強度も十分に確保することができる。
【0016】
前記カーポートスペースに隣接した部分にリビングやダイニング等の共用居住空間が配置されていることが望ましい。このように配置した場合、リビングやダイニング等を配置した居室空間の壁一面または一部に、大きな窓を配置した際にも隣接する建物および外部から視線を遮ることが可能である。すなわち、採光を十分に取り入れることが可能な大きな窓を配置しても、窓部分が引き込まれた形態となるので、外部等からの視線を気にせずに、快適に過ごすことができ、居住性が向上する。
【0017】
前記張り出し外壁および引き込み外壁の張り出し寸法および引き込み寸法は、それそれ1m前後であることが望ましい。このようにした場合、建物のバランスが安定し、強度が向上する。つまり、張り出し外壁および引き込み外壁の張り出し寸法および引き込み寸法がどちらかに偏ることなく、ほぼ同じ寸法(1m前後)とすることで、建物全体のバランスを保ち強固な構造とすることができる。また、上方からの視界を効果的に遮り、カーポート自体のスペースも十分に保つことができる。さらにバランスが保たれることでデザイン性も良好となる。
【0018】
前記カーポートスペースの外側に樹木を有する庭が設けられていることが望ましい。このように配置した場合、隣接する建物および外部から視線をより効果的に遮ることできる。特に、隣接する建物の2階もしくは3階などの上方からの視線や居室空間から見て正面方向からの視線には有効に作用する。
【0019】
上階と下階を有する建物の上階の直下に設けられたカーポートスペースであって、上階の外壁のうち、カーポートスペース上の外壁部分が張り出し外壁に形成され、下階の外壁のうち、張り出し外壁に対応する外壁部分が引き込み外壁に形成され、カーポートスペースに隣接して第1の玄関扉を備えた玄関が設けられ、その玄関とカーポートスペースとの間に連絡通路が設けられ、その連絡通路に連絡通路を開閉する第2の玄関扉が設けられていることが望ましい。
【0020】
このように形成した場合、防犯効果および利便性に優れた住宅とすることができる。つまり、玄関には居室内へ通じる本物の第1の玄関扉と、カーポートスペースへ連絡され、ダミーである第2の玄関扉が設けられており、これら2つの玄関扉が隣接して配置されていることで、侵入者から侵入されにくい構造とすることができる。また、住人にとっては、カーポートスペースから第2の玄関扉を通ることで、第1の玄関扉から居室内に入ることが可能であるため利便性に優れている。さらに、来客者にとっては第2の玄関扉を開けるとカーポートスペースへと繋がってしまうので、驚嘆することになり、お互いが楽しめる住宅となっている。
【0021】
前記第2の玄関扉は左右に扉が設けられ、その左右の扉のうち、何れか一方が開閉可能であることが望ましい。このように形成した場合、より防犯効果に優れた構造とすることができる。つまり、左右に配置されている2つの扉は、片側のみ開けることが可能になっているため、侵入者の侵入時間を多く要することができる。特に泥棒などの侵入者は、容易に侵入しやすい住宅に侵入することが多く、侵入時間の掛かる住宅はリスクが高いため侵入しないというデータがあり、防犯に非常に効果的である。
【0022】
前記第2の扉は、千鳥格子状に複数の開口部を有することが望ましい。このように形成した場合、防犯およびデザイン性が良好となる。つまり、第2の扉の開口部からはカーポートスペースや周囲の壁面が見え、いかにも室内という雰囲気を醸しだしており、侵入者に居室内に入る本物の玄関扉と思わせることができる。また、住人にとっては採光性と統一感の高いデザイン性に優れたエクステリアとして楽しむことができる。
【0023】
前記開口部の一部が閉じられていることが望ましい。このように形成した場合、より頑丈な扉を形成することができる。つまり、第2玄関扉は防犯およびデザイン性を向上させるため千鳥格子状に形成しているが、開口部の一部を閉じることで扉の強度を補強することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るユニット式建物の断面図である。
この実施の形態では、本発明を2階建てユニット式建物に適用した例を示す。
【0025】
図1〜3において、ユニット式建物10は2階建ての建物であり、基礎1の上に建物本体3が固定され、この建物本体3の上部には勾配屋根2と開閉可能な天窓Mが配置されている。建物本体3は、間隔部分L1(後述する)をあけて両側に、上下2段に積層された建物ユニット20が配置されている。
【0026】
ユニット式建物10の1階に配置された、建物ユニット20aと建物ユニット20cの間隔L1には複数の接続梁(図示しない)によってユニット間を接続して組み立てられている。この1階の間隔部分L1にはカーポートスペースKが設けられている。
【0027】
カーポートスペースKは、奥行きが約2m、間口が約6mの平面形状に形成され、1階に配置された建物ユニット20aおよび建物ユニット20cの間隔部分L1に配置された外壁部分が引き込まれた引き込み外壁4と、2階に配置された建物ユニット20eおよび建物ユニット20gの間隔部分L1に配置された外壁部分が張り出した張り出し外壁5によって構成されている。
【0028】
引き込み外壁4は張り出し外壁5の直下に位置し、引き込み外壁4の引き込み寸法Aと張り出し外壁5の張り出し寸法Bは、それぞれ約1m前後となっている。したがって、従来のような上階の一部分のみをオーバーハングするような構造と比較すると、張り出し外壁5の張り出し寸法Bを実質的に半分にすることができるうえ、ユニット式建物10全体のバランスに優れ、支柱を必要としないため車両を駐車する際の使い勝手が良好となる。
【0029】
引き込み外壁4には壁一面を覆うように、幅が約6mのフルフラットサッシ44が配置され、室内に十分に採光を取り込める構造となっている。また、1階にはダイニングDおよびリビングルームRが配置され、食事や娯楽等を楽しむ部屋となっているが、引き込み外壁4が室内側に約1m引き込まれているため、外部から室内に向けられる、特に左右からの視線が効果的に遮られる。これにより、居住性の向上を図ることが可能である。
【0030】
2階に配置された張り出し外壁5は、カーポートスペースKの庇として形成されている。この張り出し外壁5は、複数の接続梁(図示しない)を間隔部分L1の奥行き方向に延長させて形成され、外部に突出している。したがって、外部から1階の室内に向けられる、特に上方からの視線を遮ることができる。また、複数の接続梁を延長させることで、建物ユニット20と張り出し外壁5および引き込み外壁4の施工が容易となる。しかも建物ユニット20および接続梁を利用することで張り出し部分の強度も十分に確保することができるうえ、居室空間をより広く利用することができる。
【0031】
カーポートスペースKの外側には庭Nが設けられている。庭Nには樹木(図示しない)等の庭木が植栽されており、室内から樹木の観葉を楽しむとともに、外部から1階の室内に向けられる、特に居室空間(ダイニングD等)から見て正面方向からの視線をより効果的に遮ることができる。
【0032】
図2には、ユニット式建物10の1階平面間取図を示している。ユニット式建物10の西側の建物ユニット20aには、玄関40aおよび自動玄関扉40が配置されている。自動玄関扉40に隣接して、ダミー玄関扉30が配置されている。図4〜6にダミー玄関扉30の構造を示す。
【0033】
ダミー玄関扉30は、左右に配置された2枚の扉からなり、それぞれ高さが約2.5m,幅が約0.8mの木製で形成され、上下をピボットヒンジ(図示しない)で壁面に固定している。左側に配置された左扉31は、開閉可能な構造となっており、手前側の玄関40aおよび奥側のカーポートスペースKから連絡通路34を通じて出入りすることができる。右側に配置された右扉32は、引き込み外壁4の側面に面しており、開閉できない構造となっている。左扉31および右扉32は、千鳥格子状に複数の開口部33が設けられ、左扉31の開口部33からはカーポートスペースKや対向する壁35が見える位置に配置されている。
【0034】
図6にダミー玄関扉30の組み立て方法の例を示す。複数の横芯材37および縦芯材38は、それぞれ等間隔に間隔をあけて配置する。横芯材37および縦芯材38に設けられている凹部39は同寸法に形成されており、凹部39を互いに嵌合させることで、横芯材37および縦芯材38を密着して接合する。接合方法としては、接着剤や釘等を使用する。このように横芯材37および縦芯材38を格子状に組み合わせて接合することで、開口部33が形成される。
【0035】
したがって、防犯効果および利便性、デザイン性に優れた構造を形成できる。つまり、玄関40aには居室内へ通じる本物の自動玄関扉40と、カーポートスペースKへ連絡され、ダミーとなるダミー玄関扉30が設けられており、これら2つの玄関扉が隣接して配置されていることで、侵入者から侵入されにくい構造とすることができる。特に、左扉31のみ開閉可能になっていることで、侵入者の侵入時間を多く要することができる。泥棒などは、容易に侵入しやすい住宅に侵入することが多く、侵入時間の掛かる住宅はリスクが高いため侵入しないというデータがあるため、防犯に非常に効果的である。また、住人にとっては、カーポートスペースKから連絡通路34を通りぬけることで、自動玄関扉40から居室内に入ることが可能であるため利便性にも優れている。
【0036】
さらに、ダミー玄関扉30の開口部33からはカーポートスペースKや壁35、および引き込み外壁4が見える位置に配置されているため、いかにも室内という雰囲気を醸しだしており、侵入者に居室内に入る本物の玄関扉と思わせることができる。
【0037】
また、住人にとっては採光性と統一感の高いデザイン性に優れたエクステリアとして楽しむことや、来客者がダミー玄関扉30を開けるとカーポートスペースKへと繋がってしまうので、驚嘆することなど住む人達にとっても楽しめる住宅となっている。
【0038】
図5に示すのはダミー玄関扉30を閉めた状態を示している。左扉31および右扉32の開口部33のうち、天井側と床側の隅部に位置する閉口部36は閉じた形態となっている。したがって、ダミー玄関扉30をより頑丈な扉とすることができる。つまり、ダミー玄関扉30は防犯およびデザイン性を向上させるため千鳥格子状に形成しているが、閉口部36を設けることで扉の固定部材であるピボットヒンジ(図示しない)の強度を補強することができる。
【0039】
再度、図2において、自動玄関扉40の横に壁厚を利用し、乾燥および脱臭機能を備えた、玄関収納41が配置されている。建物ユニット20bには、レンガ暖炉42と緩勾配階段43が備えられている。ユニット式建物10の南側には、幅が約6mのフルフラットサッシ44と可動間仕切44aが配置され、可動間仕切44aは壁に沿って自在に可動させることが可能である。また、外側にインナーテラス45が設けられている。インナーテラス45にはジャグジーバス45aが配置されている。
【0040】
ユニット式建物10の東側の建物ユニット20cは、可動キッチン46とシステムキッチン46aが備えられている。可動キッチン46は移動可能で、ダイニングDや庭Nへ料理等を運ぶことができる。建物ユニット20dには、トイレ47とミラー戸47aが備えられ、その先に3畳のプライベートスペース48が配置されている。このプライベートスペース48は、室内にカンヌキがあるため、非常時における避難場所としても利用することができる。
【0041】
また、リビングルームRおよびダイニングDで形成される1階床は全てフラット床になっているため、バリアフリーに十分配慮された構造となっている。このユニット式建物10は、人感知センサーにより照明が操作される構造となっているため、照明スイッチを必要としない省エネ住宅である。さらに、玄関40a周辺を映し出す防犯カメラや人感知センサーを備え、インターホンには携帯電話等の携帯端末を使用し、住人の区別を行うことが可能なため、防犯に非常に優れた住宅構造となっている。
【0042】
図3には、ユニット式建物10の2階平面間取図を示している。ユニット式建物10の西側の建物ユニット20eには、システムクローゼット60が配置されている。システムクローゼット60は、内部で不自由なく着替え等を行えるようなスペースと人感知照明60aが備えられている。
【0043】
建物ユニット20fには、1階から続く緩勾配階段43と、ロボットリフト61およびロボットが配置されている。ロボットは、上部吹き抜けJを通すロボットリフト61を使用し、1階と2階を往来することができ、料理等、必要なものを運ぶことができる。従って、住人のなかに病気や介護等が必要な場合においても、利便性に優れている。
【0044】
ユニット式建物10の南側には、インナーバルコニー62が配置され、建物ユニット20fは、洗面所63およびユニットバス64が備えられている。建物ユニット20gには、トイレ65と壁収納66と家事コーナー67が備えられている。壁収納66は大型で壁一面に配置されている。
【0045】
寝室Hと寝室Iの上部には吹き抜けFとなっており、寝室Hと寝室Iの間には、可動間仕切黒板68が配置されている。可動間仕切黒板68は、仕切り壁であるとともに、子供が自由に書くことができる黒板となっている。寝室Hは子供部屋となっており、天井の一部は吹き抜け勾配天井で形成され、梯子または非常用の昇降棒で小屋裏(図示しない)との往来が可能となっている。寝室Iの上部には天窓Mが配置され、天窓Mから経由した光が寝室I内に射し込まれ、明るく大空間の快適ルームとなっている。
【0046】
上述した従来例ではユニット式建物を適用した例を用いたが、他の建物においても利用することができる。例えば、パネル工法住宅などのユニットを使用しない建物でも、ほぼ同様の効果がある。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、利便性およびデザイン性に優れ、さらに防犯機能と居住性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るユニット式建物を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るユニット式建物の1階の平面間取図である。
【図3】本発明の実施形態に係るユニット式建物の2階の平面間取図である。
【図4】本発明の実施形態に係るダミー玄関扉(開状態)の構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るダミー玄関扉(閉状態)の構造を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るダミー玄関扉の組み立て構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基礎
2 勾配屋根
3 建物本体
4 引き込み外壁
5 張り出し外壁
10 ユニット式建物
20 (a〜h) 建物ユニット
30 ダミー玄関扉
31 左扉
32 右扉
33 開口部
34 連絡通路
35 壁
36 閉口部
37 横芯材
38 縦芯材
39 凹部
40 自動玄関扉
40a 玄関
41 玄関収納
42 レンガ暖炉
43 緩勾配階段
44 フルフラットサッシ
44a 可動間仕切
45 インナーテラス
45a ジャグジーバス
46 可動キッチン
46a システムキッチン
47,65 トイレ
47a ミラー戸
48 プライベートスペース
60 システムクローゼット
60a 人感知照明
61 ロボットリフト
62 インナーバルコニー
63 洗面所
64 ユニットバス
66 壁収納
67 家事コーナー
68 可動間仕切黒板
A 引き込み寸法
B 張り出し寸法
D ダイニング
F 吹き抜け
H、I 寝室
J 上部吹き抜け
K カーポートスペース
L1 間隔部分
M 天窓
N 庭
R リビングルーム
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーポート付き住宅に関し、特にカーポートスペースを効率よく利用することで居住性を向上させたカーポート付き住宅に関する。
【0002】
【背景の技術】
住宅等の建物に隣接させて設けられる屋根付きのカーポートとしては、一般に、以下のような種類がある。
【0003】
第一は、鋼板や耐候性樹脂板などからなる屋根材を鋼材やアルミニウム材などからなる支柱および屋根フレームで支持し、この屋根材より駐車空間を被うようにしたカーポートで、通常は、建物本体から構造的に独立した単独の構築物として設置される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
第二は、建物の外側に庇を延設し、その庇の下方を駐車空間とするカーポートで、建物の外側に張り出した庇の荷重を支持するために、庇の先端部に支柱や壁状の構造物を立設するか、あるいは庇の先端部付近を外壁の上部から斜めに懸吊する、という構造が採用される(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
第三は、建物の2階部分を1階部分の上方に張り出させてオーバーハング部を形成し、このオーバーハング部の下方を駐車空間とするカーポートである。ただし、住宅等の建物に採用される一般的な建物構造では、駐車可能スペースに相当する大きさのオーバーハング部を無柱で支持するのが構造的に厳しいため、通常は、オーバーハング部の先端部付近に独立柱や構造壁が立設される(例えば、特許文献3。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−262849
【特許文献2】
特開平11−236772
【特許文献3】
特開平9−242358
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第一のカーポートによれば、その素材や構造が建物本体とは異質なものであるため、建物本体とカーポートとの外観的な一体感が得られにくく、カーポートの存在感も軽薄あるいは貧相な印象になりがちであった。また、第二のカーポートによれば、建物の外側に張り出した庇の先端部を支持する支柱や壁状の構造物、あるいは外壁から懸吊する斜材などの構造材が、建物本体の外観に違和感を与えて建物本体のデザインが損なわれることがあった。さらに、支柱や壁状の構造物が車両の出し入れや乗降の際に邪魔になるという不便もあった。
【0008】
第三のカーポートによれば、建物本体とカーポートとの外観的な一体感は得られやすいが、建物に大きなオーバーハング部を形成するため建物全体の構造的なバランスが損なわれやすく、オーバーハング部を支持する柱や壁も重厚になるため、駐車空間の使い勝手がさらに窮屈になるという不便もあった。
【0009】
また、建物に隣接してカーポートを設けた住宅において、建物の居住性を向上させるため、1階居室空間の壁一面もしくは一部を大きな窓で形成している建物が広く見受けられる。通常、1階居室空間はリビングやダイニングを配置していることが多いので、居室内に採光を十分に取り入れたいことが大きな理由とされている。しかし、壁一面もしくは一部を大きな窓で形成すると、隣接した建物や通行人からの視線に常に配慮しなければならないという問題があった。
【0010】
一方、近年、増加傾向にある犯罪から住宅内の財産等を守るために、住宅セキュリティの向上が望まれている。この住宅セキュリティには住宅内に防犯センサー等を設置し、犯罪を最小限に防ぐことを目的とするセキュリティシステムを導入する方法などが一般的である。しかしながら、セキュリティシステムがある場合でも、住宅構造によっては容易に侵入されてしまう恐れがあった。したがって、住宅は泥棒などの侵入者が侵入し難い住宅構造であることが望ましい。
【0011】
本発明は、利便性およびデザイン性に優れ、さらに防犯機能と居住性を向上させることができる、カーポート付き住宅を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上階と下階を有する建物の上階の直下に設けられたカーポートスペースであって、上階の外壁のうち、カーポートスペース上の外壁部分が張り出し外壁に形成され、下階の外壁のうち、張り出し外壁に対応する外壁部分が引き込み外壁に形成されている構造とした。
【0013】
このような本発明によれば、上階の外壁の外壁部分が張り出し外壁に形成され、下階の外壁の張り出し外壁に対応する外壁部分を引き込み外壁に形成することで、張り出し外壁の張り出し寸法を実質的に半分にすることができる。これにより支柱の存在しない使い勝手の優れたカーポートスペースを形成することができる。また、建物と一体構造となっていることで、建物と調和し、デザイン性にも優れている。
【0014】
前記張り出し外壁および引き込み外壁は、建物の外壁の隣り合う二つの角部の間に設けられていることが望ましい。このように構成した場合、隣接する建物および外部から居室空間に対して、左右からの視界を遮ることが可能となる。すなわち、カーポートスペースは外壁のほぼ中間部に位置しており、建物全体としては、カーポートスペースが引き込まれている構造となっているため、居室空間に対しての目隠し作用が効果的になる。
【0015】
前記建物は、上下階に積層された建物ユニットを複数個組み合わせて形成されるユニット式建物であって、建物ユニット同士は互いに所定の間隔を離して配置され、その間隔部分には建物ユニット間をそれぞれ接続する複数の接続梁が設けられ、張り出し外壁及び引き込み外壁は、間隔部分に設けられていることが望ましい。このように構成した場合、建物ユニットと張り出し外壁および引き込み外壁の施工が容易で、しかも建物ユニットおよび接続梁を利用することで張り出し部分の強度も十分に確保することができる。
【0016】
前記カーポートスペースに隣接した部分にリビングやダイニング等の共用居住空間が配置されていることが望ましい。このように配置した場合、リビングやダイニング等を配置した居室空間の壁一面または一部に、大きな窓を配置した際にも隣接する建物および外部から視線を遮ることが可能である。すなわち、採光を十分に取り入れることが可能な大きな窓を配置しても、窓部分が引き込まれた形態となるので、外部等からの視線を気にせずに、快適に過ごすことができ、居住性が向上する。
【0017】
前記張り出し外壁および引き込み外壁の張り出し寸法および引き込み寸法は、それそれ1m前後であることが望ましい。このようにした場合、建物のバランスが安定し、強度が向上する。つまり、張り出し外壁および引き込み外壁の張り出し寸法および引き込み寸法がどちらかに偏ることなく、ほぼ同じ寸法(1m前後)とすることで、建物全体のバランスを保ち強固な構造とすることができる。また、上方からの視界を効果的に遮り、カーポート自体のスペースも十分に保つことができる。さらにバランスが保たれることでデザイン性も良好となる。
【0018】
前記カーポートスペースの外側に樹木を有する庭が設けられていることが望ましい。このように配置した場合、隣接する建物および外部から視線をより効果的に遮ることできる。特に、隣接する建物の2階もしくは3階などの上方からの視線や居室空間から見て正面方向からの視線には有効に作用する。
【0019】
上階と下階を有する建物の上階の直下に設けられたカーポートスペースであって、上階の外壁のうち、カーポートスペース上の外壁部分が張り出し外壁に形成され、下階の外壁のうち、張り出し外壁に対応する外壁部分が引き込み外壁に形成され、カーポートスペースに隣接して第1の玄関扉を備えた玄関が設けられ、その玄関とカーポートスペースとの間に連絡通路が設けられ、その連絡通路に連絡通路を開閉する第2の玄関扉が設けられていることが望ましい。
【0020】
このように形成した場合、防犯効果および利便性に優れた住宅とすることができる。つまり、玄関には居室内へ通じる本物の第1の玄関扉と、カーポートスペースへ連絡され、ダミーである第2の玄関扉が設けられており、これら2つの玄関扉が隣接して配置されていることで、侵入者から侵入されにくい構造とすることができる。また、住人にとっては、カーポートスペースから第2の玄関扉を通ることで、第1の玄関扉から居室内に入ることが可能であるため利便性に優れている。さらに、来客者にとっては第2の玄関扉を開けるとカーポートスペースへと繋がってしまうので、驚嘆することになり、お互いが楽しめる住宅となっている。
【0021】
前記第2の玄関扉は左右に扉が設けられ、その左右の扉のうち、何れか一方が開閉可能であることが望ましい。このように形成した場合、より防犯効果に優れた構造とすることができる。つまり、左右に配置されている2つの扉は、片側のみ開けることが可能になっているため、侵入者の侵入時間を多く要することができる。特に泥棒などの侵入者は、容易に侵入しやすい住宅に侵入することが多く、侵入時間の掛かる住宅はリスクが高いため侵入しないというデータがあり、防犯に非常に効果的である。
【0022】
前記第2の扉は、千鳥格子状に複数の開口部を有することが望ましい。このように形成した場合、防犯およびデザイン性が良好となる。つまり、第2の扉の開口部からはカーポートスペースや周囲の壁面が見え、いかにも室内という雰囲気を醸しだしており、侵入者に居室内に入る本物の玄関扉と思わせることができる。また、住人にとっては採光性と統一感の高いデザイン性に優れたエクステリアとして楽しむことができる。
【0023】
前記開口部の一部が閉じられていることが望ましい。このように形成した場合、より頑丈な扉を形成することができる。つまり、第2玄関扉は防犯およびデザイン性を向上させるため千鳥格子状に形成しているが、開口部の一部を閉じることで扉の強度を補強することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るユニット式建物の断面図である。
この実施の形態では、本発明を2階建てユニット式建物に適用した例を示す。
【0025】
図1〜3において、ユニット式建物10は2階建ての建物であり、基礎1の上に建物本体3が固定され、この建物本体3の上部には勾配屋根2と開閉可能な天窓Mが配置されている。建物本体3は、間隔部分L1(後述する)をあけて両側に、上下2段に積層された建物ユニット20が配置されている。
【0026】
ユニット式建物10の1階に配置された、建物ユニット20aと建物ユニット20cの間隔L1には複数の接続梁(図示しない)によってユニット間を接続して組み立てられている。この1階の間隔部分L1にはカーポートスペースKが設けられている。
【0027】
カーポートスペースKは、奥行きが約2m、間口が約6mの平面形状に形成され、1階に配置された建物ユニット20aおよび建物ユニット20cの間隔部分L1に配置された外壁部分が引き込まれた引き込み外壁4と、2階に配置された建物ユニット20eおよび建物ユニット20gの間隔部分L1に配置された外壁部分が張り出した張り出し外壁5によって構成されている。
【0028】
引き込み外壁4は張り出し外壁5の直下に位置し、引き込み外壁4の引き込み寸法Aと張り出し外壁5の張り出し寸法Bは、それぞれ約1m前後となっている。したがって、従来のような上階の一部分のみをオーバーハングするような構造と比較すると、張り出し外壁5の張り出し寸法Bを実質的に半分にすることができるうえ、ユニット式建物10全体のバランスに優れ、支柱を必要としないため車両を駐車する際の使い勝手が良好となる。
【0029】
引き込み外壁4には壁一面を覆うように、幅が約6mのフルフラットサッシ44が配置され、室内に十分に採光を取り込める構造となっている。また、1階にはダイニングDおよびリビングルームRが配置され、食事や娯楽等を楽しむ部屋となっているが、引き込み外壁4が室内側に約1m引き込まれているため、外部から室内に向けられる、特に左右からの視線が効果的に遮られる。これにより、居住性の向上を図ることが可能である。
【0030】
2階に配置された張り出し外壁5は、カーポートスペースKの庇として形成されている。この張り出し外壁5は、複数の接続梁(図示しない)を間隔部分L1の奥行き方向に延長させて形成され、外部に突出している。したがって、外部から1階の室内に向けられる、特に上方からの視線を遮ることができる。また、複数の接続梁を延長させることで、建物ユニット20と張り出し外壁5および引き込み外壁4の施工が容易となる。しかも建物ユニット20および接続梁を利用することで張り出し部分の強度も十分に確保することができるうえ、居室空間をより広く利用することができる。
【0031】
カーポートスペースKの外側には庭Nが設けられている。庭Nには樹木(図示しない)等の庭木が植栽されており、室内から樹木の観葉を楽しむとともに、外部から1階の室内に向けられる、特に居室空間(ダイニングD等)から見て正面方向からの視線をより効果的に遮ることができる。
【0032】
図2には、ユニット式建物10の1階平面間取図を示している。ユニット式建物10の西側の建物ユニット20aには、玄関40aおよび自動玄関扉40が配置されている。自動玄関扉40に隣接して、ダミー玄関扉30が配置されている。図4〜6にダミー玄関扉30の構造を示す。
【0033】
ダミー玄関扉30は、左右に配置された2枚の扉からなり、それぞれ高さが約2.5m,幅が約0.8mの木製で形成され、上下をピボットヒンジ(図示しない)で壁面に固定している。左側に配置された左扉31は、開閉可能な構造となっており、手前側の玄関40aおよび奥側のカーポートスペースKから連絡通路34を通じて出入りすることができる。右側に配置された右扉32は、引き込み外壁4の側面に面しており、開閉できない構造となっている。左扉31および右扉32は、千鳥格子状に複数の開口部33が設けられ、左扉31の開口部33からはカーポートスペースKや対向する壁35が見える位置に配置されている。
【0034】
図6にダミー玄関扉30の組み立て方法の例を示す。複数の横芯材37および縦芯材38は、それぞれ等間隔に間隔をあけて配置する。横芯材37および縦芯材38に設けられている凹部39は同寸法に形成されており、凹部39を互いに嵌合させることで、横芯材37および縦芯材38を密着して接合する。接合方法としては、接着剤や釘等を使用する。このように横芯材37および縦芯材38を格子状に組み合わせて接合することで、開口部33が形成される。
【0035】
したがって、防犯効果および利便性、デザイン性に優れた構造を形成できる。つまり、玄関40aには居室内へ通じる本物の自動玄関扉40と、カーポートスペースKへ連絡され、ダミーとなるダミー玄関扉30が設けられており、これら2つの玄関扉が隣接して配置されていることで、侵入者から侵入されにくい構造とすることができる。特に、左扉31のみ開閉可能になっていることで、侵入者の侵入時間を多く要することができる。泥棒などは、容易に侵入しやすい住宅に侵入することが多く、侵入時間の掛かる住宅はリスクが高いため侵入しないというデータがあるため、防犯に非常に効果的である。また、住人にとっては、カーポートスペースKから連絡通路34を通りぬけることで、自動玄関扉40から居室内に入ることが可能であるため利便性にも優れている。
【0036】
さらに、ダミー玄関扉30の開口部33からはカーポートスペースKや壁35、および引き込み外壁4が見える位置に配置されているため、いかにも室内という雰囲気を醸しだしており、侵入者に居室内に入る本物の玄関扉と思わせることができる。
【0037】
また、住人にとっては採光性と統一感の高いデザイン性に優れたエクステリアとして楽しむことや、来客者がダミー玄関扉30を開けるとカーポートスペースKへと繋がってしまうので、驚嘆することなど住む人達にとっても楽しめる住宅となっている。
【0038】
図5に示すのはダミー玄関扉30を閉めた状態を示している。左扉31および右扉32の開口部33のうち、天井側と床側の隅部に位置する閉口部36は閉じた形態となっている。したがって、ダミー玄関扉30をより頑丈な扉とすることができる。つまり、ダミー玄関扉30は防犯およびデザイン性を向上させるため千鳥格子状に形成しているが、閉口部36を設けることで扉の固定部材であるピボットヒンジ(図示しない)の強度を補強することができる。
【0039】
再度、図2において、自動玄関扉40の横に壁厚を利用し、乾燥および脱臭機能を備えた、玄関収納41が配置されている。建物ユニット20bには、レンガ暖炉42と緩勾配階段43が備えられている。ユニット式建物10の南側には、幅が約6mのフルフラットサッシ44と可動間仕切44aが配置され、可動間仕切44aは壁に沿って自在に可動させることが可能である。また、外側にインナーテラス45が設けられている。インナーテラス45にはジャグジーバス45aが配置されている。
【0040】
ユニット式建物10の東側の建物ユニット20cは、可動キッチン46とシステムキッチン46aが備えられている。可動キッチン46は移動可能で、ダイニングDや庭Nへ料理等を運ぶことができる。建物ユニット20dには、トイレ47とミラー戸47aが備えられ、その先に3畳のプライベートスペース48が配置されている。このプライベートスペース48は、室内にカンヌキがあるため、非常時における避難場所としても利用することができる。
【0041】
また、リビングルームRおよびダイニングDで形成される1階床は全てフラット床になっているため、バリアフリーに十分配慮された構造となっている。このユニット式建物10は、人感知センサーにより照明が操作される構造となっているため、照明スイッチを必要としない省エネ住宅である。さらに、玄関40a周辺を映し出す防犯カメラや人感知センサーを備え、インターホンには携帯電話等の携帯端末を使用し、住人の区別を行うことが可能なため、防犯に非常に優れた住宅構造となっている。
【0042】
図3には、ユニット式建物10の2階平面間取図を示している。ユニット式建物10の西側の建物ユニット20eには、システムクローゼット60が配置されている。システムクローゼット60は、内部で不自由なく着替え等を行えるようなスペースと人感知照明60aが備えられている。
【0043】
建物ユニット20fには、1階から続く緩勾配階段43と、ロボットリフト61およびロボットが配置されている。ロボットは、上部吹き抜けJを通すロボットリフト61を使用し、1階と2階を往来することができ、料理等、必要なものを運ぶことができる。従って、住人のなかに病気や介護等が必要な場合においても、利便性に優れている。
【0044】
ユニット式建物10の南側には、インナーバルコニー62が配置され、建物ユニット20fは、洗面所63およびユニットバス64が備えられている。建物ユニット20gには、トイレ65と壁収納66と家事コーナー67が備えられている。壁収納66は大型で壁一面に配置されている。
【0045】
寝室Hと寝室Iの上部には吹き抜けFとなっており、寝室Hと寝室Iの間には、可動間仕切黒板68が配置されている。可動間仕切黒板68は、仕切り壁であるとともに、子供が自由に書くことができる黒板となっている。寝室Hは子供部屋となっており、天井の一部は吹き抜け勾配天井で形成され、梯子または非常用の昇降棒で小屋裏(図示しない)との往来が可能となっている。寝室Iの上部には天窓Mが配置され、天窓Mから経由した光が寝室I内に射し込まれ、明るく大空間の快適ルームとなっている。
【0046】
上述した従来例ではユニット式建物を適用した例を用いたが、他の建物においても利用することができる。例えば、パネル工法住宅などのユニットを使用しない建物でも、ほぼ同様の効果がある。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、利便性およびデザイン性に優れ、さらに防犯機能と居住性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るユニット式建物を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るユニット式建物の1階の平面間取図である。
【図3】本発明の実施形態に係るユニット式建物の2階の平面間取図である。
【図4】本発明の実施形態に係るダミー玄関扉(開状態)の構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るダミー玄関扉(閉状態)の構造を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るダミー玄関扉の組み立て構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基礎
2 勾配屋根
3 建物本体
4 引き込み外壁
5 張り出し外壁
10 ユニット式建物
20 (a〜h) 建物ユニット
30 ダミー玄関扉
31 左扉
32 右扉
33 開口部
34 連絡通路
35 壁
36 閉口部
37 横芯材
38 縦芯材
39 凹部
40 自動玄関扉
40a 玄関
41 玄関収納
42 レンガ暖炉
43 緩勾配階段
44 フルフラットサッシ
44a 可動間仕切
45 インナーテラス
45a ジャグジーバス
46 可動キッチン
46a システムキッチン
47,65 トイレ
47a ミラー戸
48 プライベートスペース
60 システムクローゼット
60a 人感知照明
61 ロボットリフト
62 インナーバルコニー
63 洗面所
64 ユニットバス
66 壁収納
67 家事コーナー
68 可動間仕切黒板
A 引き込み寸法
B 張り出し寸法
D ダイニング
F 吹き抜け
H、I 寝室
J 上部吹き抜け
K カーポートスペース
L1 間隔部分
M 天窓
N 庭
R リビングルーム
Claims (10)
- 上階と下階を有する建物の前記上階の直下に設けられたカーポートスペースであって、前記上階の外壁のうち、前記カーポートスペース上の外壁部分が張り出し外壁に形成され、前記下階の外壁のうち、前記張り出し外壁に対応する外壁部分が引き込み外壁に形成されていることを特徴とするカーポート付き住宅。
- 請求項1記載のカーポート付き住宅において、前記張り出し外壁および引き込み外壁は、建物の外壁の隣り合う二つの角部の間に設けられていることを特徴とするカーポート付き住宅。
- 請求項1記載のカーポート付き住宅において、前記建物は、上下階に積層された建物ユニットを複数個組み合わせて形成されるユニット式建物であって、前記建物ユニット同士は互いに所定の間隔を離して配置され、その間隔部分には前記建物ユニット間をそれぞれ接続する複数の接続梁が設けられ、前記張り出し外壁及び引き込み外壁は、前記間隔部分に設けられていることを特徴とするカーポート付き住宅。
- 請求項1記載のカーポート付き住宅において、前記建物の下階の、前記カーポートスペースに隣接した部分にリビングやダイニング等の共用居住空間が配置されていることを特徴とするカーポート付き住宅。
- 請求項1記載のカーポート付き住宅において、前記張り出し外壁および引き込み外壁の張り出し寸法および引き込み寸法は、それそれ1m前後であることを特徴とするカーポート付き住宅。
- 請求項1記載のカーポート付き住宅において、前記カーポートスペースの外側に樹木を有する庭が設けられていることを特徴とするカーポート付き住宅。
- 上階と下階を有する建物の前記上階の直下に設けられたカーポートスペースであって、前記上階の外壁のうち、前記カーポートスペース上の外壁部分が張り出し外壁に形成され、前記下階の外壁のうち、前記張り出し外壁に対応する外壁部分が引き込み外壁に形成され、前記カーポートスペースに隣接して第1の玄関扉を備えた玄関が設けられ、その玄関と前記カーポートスペースとの間に連絡通路が設けられ、その連絡通路に連絡通路を開閉する第2の玄関扉が設けられていることを特徴とするカーポート付き住宅。
- 請求項7記載のカーポート付き住宅において、前記第2の玄関扉は左右に扉が設けられ、その左右の扉のうち、何れか一方が開閉可能であることを特徴とするカーポート付き住宅。
- 請求項7記載のカーポート付き住宅において、前記第2の扉は、千鳥格子状に複数の開口部を有することを特徴とするカーポート付き住宅。
- 請求項9記載のカーポート付き住宅において、前記開口部の一部が閉じられていることを特徴とするカーポート付き住宅。
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JP2018104977A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | 大和ハウス工業株式会社 | 建物 |
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-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002264316A patent/JP2004060426A/ja active Pending
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