以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、建物として、一階部分と二階部分とを有する二階建ての建物について具体化している。図1は建物の一階部分の間取りを示す平面図であり、図2は二階部分の間取りを示す平面図である。なお、図2では便宜上、建物の大きさを図1よりも拡大して示している。
図1及び図2に示すように、建物10は、平面視において、その間口寸法(幅寸法)が奥行き寸法よりも長い長方形状をなしている。本実施形態では、建物10が、その間口方向(幅方向)を東西方向に向けて設けられている。
図1に示すように、建物10の一階部分11には、屋内空間として、玄関13と、LDK14と、和室15と、トイレ16とが設けられている。LDK14は、リビング14a、ダイニング14b及びキッチン14cが連続する連続空間として形成されている。また、一階部分11には、これら屋内空間13〜16の他に、テラス18が設けられている。
図2に示すように、建物10の二階部分12には、屋内空間として、洋室21,22と、寝室23と、洗面室24と、浴室25と、トイレ26と、納戸27と、ウォークインクローゼット28と、廊下29とが設けられている。また、二階部分12には、これら屋内空間21〜29の他に、バルコニー31が設けられている。
洋室21,22は、二階部分12の西側において南北に隣接して設けられている。洋室21,22は、いずれも子供部屋として用いられており、連通部34を介して連通する続き間となっている。
寝室23は、各洋室21,22のうち南側の洋室22に隣接して設けられている。寝室23は、洋室22の東側に隣接している。洋室22と寝室23とはいずれも南向きの部屋となっており、(南側の)外壁36によって屋外と仕切られている。なお、寝室23が隣接空間に相当する。
外壁36には、寝室23と屋外とを連通する窓部37が形成されている。窓部37には、当該窓部37を開閉するガラス戸38が設けられている。窓部37は、その上下寸法(上下幅)が寝室23の天井高さ(床面から天井面までの高さ寸法)の半分程度となっており、その上端部が寝室23の天井面よりも低い位置に設定されている(図4参照)。なお、窓部37が屋外窓部に相当する。
寝室23の東側にはウォークインクローゼット28が隣接して設けられている。ウォークインクローゼット28は、寝室23を挟んで洋室22とは反対側に設けられている。この場合、ウォークインクローゼット28は、外壁36の幅方向において寝室23と隣接している。
ウォークインクローゼット28は、間仕切壁41により寝室23と仕切られている。間仕切壁41には、寝室23からウォークインクローゼット28へ出入りするための出入口42が設けられている。出入口42には、折り戸からなる開閉扉43が設けられており、この開閉扉43により出入口42が開閉される。なお、出入口42が第3出入口に相当する。
ウォークインクローゼット28の東側には洗面室24が隣接して設けられている。洗面室24は、ウォークインクローゼット28を挟んで寝室23とは反対側に設けられている。洗面室24には、洗濯機45と洗面台46とが横並びで設けられている。
洗面室24は間仕切壁47によりウォークインクローゼット28と仕切られている。間仕切壁47には、洗面室24からウォークインクローゼット28へ出入りするための出入口48が設けられている。出入口48には、折り戸からなる開閉扉49が設けられており、この開閉扉49により出入口48が開閉される。なお、出入口48が第1出入口に相当する。
上記のように、ウォークインクローゼット28へは、寝室23側からの出入口42と、洗面室24側からの出入口48とのいずれかを介して出入りができるようになっている。これらの出入口42,48はウォークインクローゼット28を挟んで互いに対向している。この場合、これら両出入口42,48を介して洗面室24から寝室23へウォークインクローゼット28を経由して一直線に行き来することが可能となっている。したがって、本ウォークインクローゼット28は、いわゆるウォークスルー型のウォークインクローゼットとなっている。
洗面室24の北側には、浴室25が隣接して設けられている。浴室25は洗面室24と間仕切壁51により仕切られている。間仕切壁51には洗面室24から浴室25へ出入りするための出入口52が設けられており、出入口52には折り戸からなる開閉扉53が設けられている。なお、洗面室24及び浴室25が水廻り空間に相当する。
洗面室24の南側には、バルコニー31が隣接して設けられている。バルコニー31は、洗面室24を挟んで浴室25とは反対側に設けられている。バルコニー31は仕切壁55により洗面室24と仕切られている。仕切壁55には洗面室24からバルコニー31へ出入りするための出入口56が設けられている。出入口56はいわゆる掃き出し窓となっており、その出入口56には引き戸からなる開閉扉57が設けられている。なお、出入口56が第2出入口に相当する。また、バルコニー31は、寝室23の東側に隣接しており、寝室23に対して仕切壁58により仕切られている。
バルコニー31は、洗濯機45で洗濯した洗濯物を干すための物干しスペースとなっている。バルコニー31には、洗濯物をかけるための物干し竿59が設けられている。また、バルコニー31は、一階部分11のLDK14上方に形成されたいわゆるルーフバルコニーとなっている。
浴室25と洗面室24とバルコニー31とはいずれも二階部分12の東側に設けられており、一方向(つまり南北方向)に並んで配置されている。また、洗面室24とウォークインクローゼット28と寝室23とは上記一方向と直交する方向(つまり東西方向)に並んで配置されている。この場合、洗面室24は、浴室25とバルコニー31とウォークインクローゼット28とにそれぞれ隣接している。そのため、洗面室24を経由してこれら各空間25,28,31へそれぞれ行き来することが可能となっている。
このような間取りによれば、洗濯の際、洗面室24の洗濯機45で洗濯した洗濯物を隣接するバルコニー31で干すことができる。また、洗濯物が乾いた後は、その洗濯物をバルコニー31から洗面室24を経由してウォークインクローゼット28に取り込むことができる。そのため、洗濯物をウォークインクローゼット28でたたんで、その後速やかに収納することができる。これにより、洗濯物を洗濯して干し収納するといった一連の作業を速やかに行うことができる。
また、浴室25で体を洗った後は、洗面室24で体を拭き、それからウォークインクローゼット28に入って衣類を取り出し着ることができる。この場合、ウォークインクローゼット28を衣服を着用する着用スペースとして利用することができる。このように上記の間取りによれば、ウォークインクローゼット28の有効利用を図ることができる。
寝室23及びウォークインクローゼット28の北側には廊下29が隣接して設けられている。廊下29は、各洋室21,22から洗面室24へと通じており、寝室23とウォークインクローゼット28とが並ぶ並び方向(東西方向)に沿って延びている。また、廊下29は、トイレ26や納戸27にも通じており、さらには一階部分11へ延びる階段61にも通じている。
廊下29は、間仕切壁63により寝室23と仕切られている。間仕切壁63には廊下29から寝室23へ出入りするための出入口64が設けられており、その出入口64には開き戸からなる開閉扉65が設けられている。また、廊下29は、上記間仕切壁63と連続する間仕切壁67によりウォークインクローゼット28と仕切られている。なお、間仕切壁67が窓対向壁部に相当する。
廊下29は、間仕切壁71により洗面室24と仕切られている。間仕切壁71には廊下29から洗面室24へ出入りするための出入口72が設けられており、その出入口72には引き戸からなる開閉扉73が設けられている。
続いて、ウォークインクローゼット28周辺の構成について図3を用いながら詳しく説明する。図3は、ウォークインクローゼット28周辺を拡大して示す平面図である。
図3に示すように、ウォークインクローゼット28は、外壁36に対して北側に離間した位置で、その一部が寝室23側に入り込むようにして設けられている。この場合、ウォークインクローゼット28と外壁36との間には寝室23の一部が袋状に入り込んでおり(張り出しており)、その入り込んだ部分が袋状空間部23aとなっている。
ウォークインクローゼット28は、その一部が外壁36の幅方向(以下、外壁幅方向Xともいう)において袋状空間部23a(寝室23)よりも寝室23側とは反対側(東側)に延出している。この延出した部分は延出空間部28aとなっており、この延出空間部28aが間仕切壁47を隔てて洗面室24と隣接している。また、延出空間部28aはバルコニー31の北側に隣接しており、仕切壁55と連続する仕切壁69によりバルコニー31と仕切られている。なお、本実施形態では、外壁幅方向Xが東西方向となっている。
ウォークインクローゼット28において上記延出空間部28a以外の部分は寝室23に隣接する隣接空間部28bとなっている。隣接空間部28bは、その一部が延出空間部28aよりも外壁36側に張り出しており、その張り出し部分が張出空間部75となっている。この場合、隣接空間部28b(張出空間部75)と袋状空間部23aとが外壁36と直交する方向(以下、外壁直交方向Yという)に並んで配置されている。また、張出空間部75(ひいては隣接空間部28b)は、その幅(外壁幅方向Xの長さ)がウォークインクローゼット28の幅(外壁幅方向Xの長さ)の略半分となっている。なお、本実施形態では、外壁直交方向Yが南北方向となっている。
隣接空間部28bは、上述した間仕切壁41によりウォークインクローゼット28と仕切られている。間仕切壁41は、張出空間部75と袋状空間部23aとを仕切る第1壁部41aと、第1壁部41aと間仕切壁67とに跨がって設けられた第2壁部41bとを有している。これら第1壁部41aと第2壁部41bとは平面視においてL字状をなすようにして配置されている。また、これら各壁部41a,41bのうち、第2壁部41bに出入口42が設けられている。また、第1壁部41aは袋状空間部23aを挟んで外壁36と対向しており、対向壁部に相当する。
第2壁部41bは張出空間部75を挟んで上述した仕切壁58と対向している。仕切壁58は、仕切壁69と外壁36とに跨がって延びており、その途中で第1壁部41aと繋がっている。この場合、第1壁部41aは、第2壁部41bと仕切壁58とに跨がって設けられている。
仕切壁58は、第1壁部41aに対して外壁36側に位置する壁部58aと、第1壁部41aに対して外壁36側とは反対側に位置する壁部58bとを有している。これら各壁部58a,58bのうち壁部58bが張出空間部75を挟んで第2壁部41bと対向している。この場合、第2壁部41bと第1壁部41aと壁部58bにより3方が囲まれて張出空間部75が形成されている。また、壁部58bにより、ウォークインクローゼット28とバルコニー31とが仕切られている。
なお、間仕切壁41,47,67と壁部58bと仕切壁69とによりウォークインクローゼット28の周囲を囲む「周囲壁」が構成されている。
壁部58aは、第1壁部41aと外壁36とに跨がって延びている。この場合、第1壁部41aと壁部58bと外壁36とにより3方が囲まれて袋状空間部23aが形成されている。袋状空間部23aにはこれらの壁36,41a,58bに取り付けられた壁付けのテーブル77が設けられている。テーブル77は、寝室23(袋状空間部23a)に床座した状態で使用可能な高さ位置に配置されている。なお、壁部58aにより袋状空間部23aとバルコニー31とが仕切られている。
続いて、ウォークインクローゼット28の内部構成について図3に加えて図4及び図5を用いながら説明する。図4は、ウォークインクローゼット28及びその周辺の構成を示す縦断面図である。図5は(a)がウォークインクローゼット28の第1収納領域を示す正面図であり、(b)が第2収納領域を示す正面図である。なお、図4は図3のA−A線断面図に相当する。
図3及び図4に示すように、ウォークインクローゼット28には、衣類を収納するための収納領域81,82と、人(居住者)が移動するための移動領域83とが設けられている。収納領域81,82としては、間仕切壁67の壁際に設けられた第1収納領域81と、張出空間部75に設けられた第2収納領域82とがある。移動領域83は、これら各収納領域81,82の間の領域となっている。
第1収納領域81と移動領域83との間、及び第2収納領域82と移動領域83との間には収納扉等の建具(仕切部材)が一切設けられていない。したがって、各収納領域81,82はいずれも移動領域83に向けて開放された開放空間となっている。これにより、収納された衣類を収納領域81,82から取り出したり収納領域81,82に衣類を収納したりする際に、いちいち建具を開閉しなくても衣類の収納作業を行える。
図4及び図5(a)に示すように、第1収納領域81は、間仕切壁67の壁際において互いに対向する各間仕切壁41(41b),47の間に跨がるように形成されている。第1収納領域81には、衣類等を収納可能な収納棚85と、衣類を吊り下げるためのハンガーパイプ86とが設けられている。収納棚85は、第1収納領域81における幅方向の略中央部に設けられている。収納棚85は、上下方向に延びる縦長の棚となっており、対向する一対の側板88と、それら各側板88の間に架設された上下複数の棚板89とを有している。これら各棚板89上には衣服等を載せて収納することが可能となっている。なお、収納棚85が「衣類を収納可能な収納部」に相当する。
また、収納棚85において各側板88は最上段の棚板89よりも上方に延びており、それら各側板88の上端部には枕を載せるための枕棚91が設けられている。枕棚91は、第1収納領域81の幅方向全域に亘って延びる棚板であり、各間仕切壁41,47の間に架け渡されて設けられている。また、枕棚91は、収納棚85の天板部を構成している。
ハンガーパイプ86は、対向する各間仕切壁41,47の間に架け渡されて設けられている。ハンガーパイプ86は、収納棚85の上端部に設けられた枕棚91よりも若干低い位置に配置され、収納棚85(詳しくは各側板88)を貫通して延びている。ハンガーパイプ86において収納棚85を挟んだ両側部分が衣類をかけるハンガー93を引っ掛け可能な引っ掛け部86aとなっている。したがって、第1収納領域81において収納棚85を挟んだ両側領域では、衣類をハンガー93にかけた状態で収納することが可能となっている。なお、当該両側領域では、ハンガーパイプ86よりも下方の領域が「衣類を収納可能な収納部」に相当する。
図4及び図5(b)に示すように、第2収納領域82には、衣類等を収納可能な収納棚95が設けられている。収納棚95は、上下に並んだ複数の棚板96を有している。これらの棚板96は、第1壁部41aの壁面に上下に延びる向きで取り付けられた一対の支持レール(図示略)により支持されている。棚板96は、その横幅が第2収納領域82(換言すると張出空間部75)の幅よりも若干小さい幅とされている。これら各棚板96上には、衣類を載せた状態で収納することが可能となっている。また、収納棚95は、その高さ寸法が第1収納領域81の収納棚85よりも高くなっており、詳しくは最上段の棚板96の高さ位置が枕棚91よりも高い位置に配置されている。
ちなみに、収納棚95と上述した第1収納領域81の収納棚85にはいずれも、収納扉が設けられていない。そのため、これらの収納棚85,95はいずれも移動領域83に向けて開放された開放棚となっている。
ウォークインクローゼット28の床部には床材98が敷設されている。床材98は、クッション性を有する素材により形成された矩形の軟質床材であり、ウォークインクローゼット28の床部に複数敷き詰められている。これら各床材98によりウォークインクローゼット28の床面が形成されている。これにより、ウォークインクローゼット28で床座して衣類をたたんだりする際には、その作業を快適に行うことができる。また、床材98は、さらに耐水性を有して形成されている。そのため、浴室25から出てウォークインクローゼット28で衣類を着る際に、濡れた体でウォークインクローゼット28に入っても、床材98を腐食させる等の不都合が生じるのを抑制できる。
なお、床材98は、必ずしも上述のようなものでなくてもよく、畳や絨毯、カーペット等その他の軟質床材であってもよい。また、床材98をフローリング材等の硬質床材としてもよい。
ここで、本実施形態では、ウォークインクローゼット28に自然光を取り込むための構成を有している。以下、かかる構成について説明する。
図3、図4及び図5(b)に示すように、間仕切壁41の第1壁部41aには、袋状空間部23aとウォークインクローゼット28(詳しくは張出空間部75)とを連通する窓部101が形成されている。窓部101は、第1壁部41aにおいて天井付近の高さ位置に配置されている。詳しくは、第1壁部41aは、その上端部が袋状空間部23a(及びウォークインクローゼット28)の天井面39から下方に離間した位置に設定されており、その第1壁部41aの上端部と天井面39との間に窓部101が形成されている。窓部101は、横長の矩形形状をなしており、その横幅が張出空間部75の幅と同じとなっている。
窓部101は、その横幅が窓部37の横幅よりも小さくなっており、詳しくは窓部37の横幅の半分程度となっている。また、窓部101は、その上下高さ(上下幅)が窓部37の上下高さよりも小さくなっており、詳しくは窓部37の上下高さの半分よりも小さくなっている。より詳しくは、窓部101の上下高さは窓部37の上下高さの1/4〜1/6程度となっている。したがって、窓部101は、その開口面積が窓部37の開口面積よりも小さくなっており、詳しくは窓部37の開口面積の半分(より詳しくは窓部37の開口面積の1/4〜1/16)よりも小さくなっている。
窓部101には、嵌め殺しの窓パネル102が嵌め込まれている。窓パネル102は、透明性を有する板材(例えばガラス板)により形成されており、採光性を有している。窓パネル102は、サッシ枠にはめ込まれた状態で第1壁部41aに取り付けられている。なお、窓部101が屋内窓部に相当する。
窓部101は、寝室23の外壁36に設けられた窓部37よりも高い位置に配置されている。この場合、窓部101の下端部は窓部37の上端部よりも高い位置に位置している。また、窓部101は、平面視で見た場合に、窓部37と外壁直交方向Yに重複しない位置に配置されている。詳しくは、窓部101は、外壁幅方向Xにおける一方側(西側)の端部が、窓部37における他方側(東側)の端部と同位置になるように配置されている。なお、かかる配置構成に代えて、窓部101を、平面視において、その少なくとも一部が窓部37と外壁直交方向Yに重複するように配置してもよい。
また、窓部101は、その下端部が第2収納領域82の収納棚95(最上段の棚板96)よりも高い位置に配置されている。さらに、窓部101は、その下端部が第1収納領域81の収納棚85及びハンガーパイプ86よりも高い位置に配置されている。すなわち、窓部101は、移動領域83を挟んで対向する収納棚85及びハンガーパイプ86よりも高い位置に配置されている。
上述の構成では、寝室23詳しくは袋状空間部23aに窓部37(ガラス戸38)を通じて屋外から自然光(日光)が取り込まれると、その袋状空間部23aに取り込まれた自然光が窓部101(窓パネル102)を通じてウォークインクローゼット28に取り込まれる。これにより、その自然光によりウォークインクローゼット28を明るくすることができる。
ちなみに、本ウォークインクローゼット28の周囲壁41,47,69,58bにはこの窓部101以外に(採光用の)窓部が設けられていない。したがって、ウォークインクローゼット28をバルコニー31と仕切る壁部58b及び仕切壁69にも(採光用の)窓部が設けられていない。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
外壁36には寝室23への採光が可能な窓部37を設け、間仕切壁41には寝室23に取り込まれた光をウォークインクローゼット28に取り込み可能な窓部101を設けた。この場合、屋外からの自然光が2つの窓部37,101を介してウォークインクローゼット28に取り込まれるため、屋外からの自然光が直接ウォークインクローゼット28に取り込まれる場合と比べて、収納された衣類が日焼けするのを抑制することができる。
窓部101を天井付近に設けたため、窓部37を通じて(斜めに)寝室23に射し込む自然光が窓部101を通じて直接ウォークインクローゼット28に入り込みにくくなっている。そのため、衣類が日焼けするのをより確実に抑制することができる。
窓部101の下端部を、窓部101とウォークインクローゼット28を挟んで対向する間仕切壁67の壁際に設けた収納棚85及びハンガーパイプ86よりも高い位置に設定した。ここで、窓部101を天井付近に設けた構成であっても、西日等平行に近い角度で自然光が射し込むと、自然光が各窓部37,101を介して直接(直射日光として)ウォークインクローゼット28に入り込む可能性があるが、このような構成とすれば仮に自然光が平行に近い角度でウォークインクローゼット28に直接射し込んだとしても、その直射日光が収納棚85に収納された衣類やハンガーパイプ86にかけられた衣類に当たるのを回避することができる。そのため、衣類が日焼けするのをより一層確実に抑制することができる。なお、かかる効果は、窓部37を、その上端部が天井面39と同じ高さ位置に設定されたものとしても得ることができる。
窓部101の下端部を窓部37の上端部よりも高い位置に設定したため、これら各窓部37,101を通じて日光が直接ウォークインクローゼット28に入り込みにくい。そのため、衣類の日焼けをより確実に抑制することができる。
間仕切壁41のうち寝室23を挟んで外壁36と対向する第1壁部41aに窓部101を設けたため、自然光を2つの窓部37,101を介してウォークインクローゼット28に取り込む構成にあって、自然光の取り込み量を確保し易く、ウォークインクローゼット28において自然光による明るさを確保し易い。
ウォークインクローゼット28の一部に外壁36側に張り出した張出空間部75を設け、その張出空間部75を区画しかつ外壁36と対向する第1壁部41aに窓部101を設けた。この場合、窓部101を通じてウォークインクローゼット28に自然光が取り込まれる際、その光が幅狭の張出空間部75を経由して取り込まれることになる。そのため、張出空間部75の両側の壁面(詳しくは第2壁部41b及び仕切壁58の壁面)で光が反射しながら取り込まれることになる。この場合、その反射光によりウォークインクローゼット28を明るくする効果を得ることができる。
寝室23の一部に外壁36と第1壁部41aとの間に袋状に張り出した袋状空間部23aを設け、その袋状空間部23aに窓部37を通じて自然光を取り込むようにした。袋状空間部23aでは、その取り込まれた自然光が周囲の壁(詳しくは第1壁部41a、外壁36及び仕切壁58)に反射することで明るい空間をつくりだすことができる。そして、かかる袋状空間部23aから窓部101を通じてウォークインクローゼット28に自然光を取り込むようにしたため、ウォークインクローゼット28を自然光により明るくすることが可能となる。
上述したように、ウォークインクローゼット28は洗濯物をたたむ等の作業を行うスペースとして利用することが可能となっているが、窓部101を通じて自然光をウォークインクローゼット28に取り込み可能としたことで、自然光による明るさの下でかかる作業を快適に行うことができる。
また、ウォークインクローゼット28は、着替えを行う着替えスペースとしても利用可能となっている。この点、窓部101が天井付近に設けられているため、寝室23(袋状空間部23a)側から窓部101を通じてウォークインクローゼット28内を視認することが困難となっているため、ウォークインクローゼット28が着替えスペースとして利用される構成にあって、プライバシ性を確保しながら自然光の取り込みを行うことができる。特に、上記の実施形態では、袋状空間部23aに壁付けのテーブル77を設けたため、窓部101を通じたウォークインクローゼット28内の視認が極めて困難となっており、その点でもプライバシ性が大いに確保されている。
ところで、夜間においてウォークインクローゼット28を着替え等で使用する際には、ウォークインクローゼット28を照明により明るくして使用することになる。この場合、その照明光を窓部101を通じて寝室23(ひいては居室)側から視認することができるため、ウォークインクローゼット28が使用中であることを寝室23側から確認することができる。そのため、ウォークインクローゼット28が着替え等で使用中であるにもかかわらず、出入口42を介してウォークインクローゼット28に他者が立ち入ってしまう不都合を回避することができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、窓部101を第1壁部41aの天井付近に設けたが、これに代えて、窓部101を第1壁部41aの床付近に設けてもよい。この場合、収納棚95を窓部よりも高い位置に設置すればよい。また、窓部101を第1壁部41aの中間高さに設けてもよい。
上記実施形態では、窓部101の下端部を窓部37の上端部よりも高い位置に設定したが、窓部101の下端部を窓部37の上端部と同じか又はそれよりも低い位置に設定してもよい。また、上記実施形態では、窓部101の下端部を第1収納領域81の収納棚85及びハンガーパイプ86よりも高い位置に設定したが、それら85,86よりも低い位置に設定してもよい。
(2)上記実施形態では、窓部101を間仕切壁41において第1壁部41aに設けたが、これに代えて又は加えて第2壁部41bに設けてもよい。その場合にも、窓部37を通じて寝室23に取り込まれる自然光を第2壁部41bの窓部を通じてウォークインクローゼット28に取り込むことが可能である。
また、窓部101は必ずしも寝室23との間仕切壁41に設ける必要はなく、例えば洗面室24との間仕切壁47に設けてもよい。洗面室24には屋外から自然光を取り込み可能な窓部62(図2参照)が設けられているため、この場合、その窓部62(屋外窓部に相当)を通じて取り込まれた自然光を間仕切壁47の窓部(屋内窓部に相当)を通じてウォークインクローゼット28に取り込むことができる。なお、この場合、洗面室24が隣接空間に相当する。
(3)上記実施形態では、ウォークインクローゼット28を寝室23からも洗面室24からも出入り可能なウォークインスルー型のウォークインクローゼットとしたが、これに代えて、寝室23からのみ出入り可能なウォークインクローゼットとしてもよい。また、ウォークインクローゼット28への出入口として寝室23側の出入口42に代えて、廊下29側に出入口を設けてもよい。
(4)二階部分12の間取りは必ずしも上記実施形態の間取りに限らない。ウォークインクローゼット28を有していれば間取りは任意である。また、一階部分11にウォークインクローゼットが設けられている場合に、そのウォークインクローゼットに本発明の窓部を適用してもよい。