JP2004002782A - 偏光フィルム用感圧接着剤組成物及び偏光フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】剥がれ、気泡及び白ヌケ現象の発生を十分に防止することができ、且つリワーク性及びリサイクル性に優れた偏光フィルム用感圧接着剤組成物の提供。
【解決手段】Mw 90〜250万、Tg−45℃以下、SP 8.7〜9.3の反応性官能基含有高分子量アクリル系共重合体(A);Tg−50℃以下のアクリル酸エステル、それとの共重合性が比較的小さい単量体及びそれとの共重合性が比較的大きい単量体を含む単量体群の共重合体であって、Mw5〜20万、Tg−40〜0℃、SP8.7〜9.3である低分子量アクリル系共重合体(B);並びに、上記(A)成分の反応性官能基と反応して架橋構造を形成しうる多官能性化合物(C);を必須成分とする偏光フィルム用感圧接着剤組成物、並びに該組成物を用いた偏光フィルム。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示板などに使用される偏光フィルムを支持基板に貼着するための偏光フィルム用感圧接着剤組成物、及び該感圧接着剤組成物からなる感圧接着剤層を有する偏光フィルムに関するものである。
【0002】
さらに詳しくは、本発明の偏光フィルム用感圧接着剤組成物は、反応性官能基を含有し、重量平均分子量が90〜250万、ガラス転移温度(Tg)−45℃以下で、且つ溶解性パラメータ(SP)8.7〜9.3の範囲である高分子量アクリル系共重合体(A);重量平均分子量が5〜20万、ガラス転移温度(Tg)−40〜0℃で、且つ溶解性パラメータ(SP)8.7〜9.3の範囲であるアクリル系共重合体であって、該低分子量アクリル系共重合体が、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステルと、該アクリル酸エステルとの共重合性が比較的小さい単量体及び該アクリル酸エステルとの共重合性が比較的大きい単量体との少なくとも3種の単量体の共重合体である低分子量アクリル系共重合体(B);並びに、上記(A)成分の反応性官能基と反応して架橋構造を形成しうる官能基を2つ以上含有する多官能性化合物(C);を必須成分として含有してなるものである。
【0003】
【従来の技術】
表示装置として広範な分野で使用されている液晶表示板は、通常、ガラスなどの二枚の支持基板間に所定の方向に配向した液晶成分を挟持した液晶セルと、該液晶セルの支持基板の表面に感圧接着剤を用いて貼着した偏光フィルムとから構成されている。
【0004】
液晶表示板は、近年、パーソナルコンピュータ、壁掛けテレビ、カーナビゲーションなどの表示装置として使用されているため、用いられる感圧接着剤には高度の透明性が要求される。またこのような液晶表示板は、高温高湿などの過酷な条件下で使用されることが多く、その場合、感圧接着剤層と支持基板との界面における剥がれや気泡の発生及び、感圧接着剤層が偏光フィルムの収縮に追従できないために生じる液晶表示板の周辺部分から光が漏れて白くなる、所謂白ヌケ現象の発生が問題となっている。このような剥がれ、気泡、白ヌケ現象などの発生は、偏光フィルムを支持基板に貼着する感圧接着剤の接着力不足や凝集力不足、柔軟性不足などに起因している。
【0005】
さらにこの技術分野では、このような感圧接着剤層を有する偏光フィルムを液晶セルへの貼着時に、異物混入、損傷、接着ミスなどが生じた場合には、偏光フィルムを剥離して再貼着することになるが、その際、操作の容易性及び該偏光フィルム剥離後のガラスセルなどの被着体表面への感圧接着剤の部分的残留や、クモリの発生などの問題(リワーク性)が存在する。また、最近では高価な液晶セルを再生使用するために、使用済みの液晶表示板からの偏光フィルムの剥離がしばしば行われるようになったが、その際、剥離が容易であること、ガラスセルを損傷することがないこと及びガラスセル表面の汚染がないことなどの特性(リサイクル性)が、新たな解決すべき課題として求められるようになってきた。
【0006】
前記の剥がれ、気泡、白ヌケ現象などの発生を防止するために、種々の提案がなされており、例えば、後記する特許文献1には、重量平均分子量10万以下の共重合体成分15重量%以下及び重量平均分子量100万以上の共重合体成分10重量%以上含有する(メタ)アクリル系共重合体からなる感圧性接着剤を用いた偏光フィルムが記載されている。しかしながら該特許文献1記載の粘着型偏光板では、剥がれや気泡などの発生はある程度抑えられるものの、白ヌケ現象の発生は十分には防止し得ないものであった。
【0007】
また特許文献2には、本発明と同様、高分子量アクリル系共重合体と低分子量アクリル系共重合体との組合せが開示されているが、この特許文献2記載の発明は、少なくとも、低分子量アクリル系共重合体の重量平均分子量が3万以下である点で本発明とは異なっており、また該低分子量アクリル系共重合体を構成する単量体の組合せについても、本発明の技術思想については記載も示差もされておらず、該特許文献2記載の発明の具体的な実施態様である実施例において、該低分子量アクリル系共重合体形成に用いられている単量体の組合せは、本発明のものとは全く異なったものである。そして、この特許文献2記載の感圧接着剤組成物を用いた偏光フィルムは、剥がれ、気泡及び白ヌケ現象の発生がある程度防止されてはいるものの十分ではなく、且つリワーク性が不十分であり、また低分子量共重合体成分のブリードにより被着体が汚染されるなどの問題があり、リサイクル性の点では全く不十分なものであった。
【0008】
本発明者等は、前記の剥がれ、気泡及び白ヌケ現象の発生を十分に防止することができ、且つリワーク性及びリサイクル性に優れた偏光フィルム用感圧接着剤組成物を提供するために鋭意開発研究を行ってきた。
【0009】
その結果、反応性官能基を含有する重量平均分子量100〜250万の高分子量アクリル系共重合体と、ガラス転移点が0〜−80℃で重量平均分子量3〜10万の低分子量アクリル系共重合体とを併用することにより、柔らかくてしかも強度がある粘弾性に優れた感圧接着剤組成物が得られ、この感圧接着剤組成物は偏光フィルム用感圧接着剤として好適な性能バランスのとれたものであることを見出し、偏光フィルム用粘着剤組成物及び偏光フィルムとして先に特許出願を行った(特許文献3)。
【0010】
しかしながら上記の偏光フィルム用粘着剤組成物でも、例えば16インチ以上の大画面LCD用として使用した場合には剥がれが発生することがあり、またディスコティック液晶層を有する視野角拡大フィルム一体型の偏光フィルムを使用した場合には、気泡や剥がれが発生することがあるなど、必ずしも十分に満足できるものではないことが判明した。
【0011】
【特許文献1】
特開平1−66283号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平10−279907号公報(特許請求の範囲、発明の詳細な説明全文)
【特許文献3】
特開2002−121521号公報(特許請求の範囲、発明の詳細な説明全文)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等はさらに研究を続けた結果、特にリサイクル性を改善するためには、低分子量アクリル系共重合体の重量平均分子量はもう少し高い範囲である方がよく、またガラス転移温度(Tg)も低くなりすぎない方がよいことを見出した。さらにこのようなガラス転移温度(Tg)範囲の共重合体を得るためには、例えば、ブチルアクリレート(BA)などの極めて柔軟な重合体を形成する単量体と、メチルメタクリレート(MMA)などの硬い重合体を形成する単量体とが共重合されてきたが、BAなどとMMAなどとの共重合性は乏しく、通常、MMAなどの重合が先行して先に硬めの共重合体が生じ、次いで残留しているBAなどが重合して極めて軟らかく、より低分子量の共重合体が生じる傾向があることがわかった。そしてこのような低分子量アクリル系共重合体(やや硬めの共重合体と、極めて軟らかいより低分子量の共重合体との混合物と考えられる)及び、前記の高分子量アクリル系共重合体の組み合せからなるもの偏光フィルム用粘着剤組成物として用いるとき、この極めて軟らかいより低分子量の共重合体がブリードしてきて被着体を汚染することがあることを知った。
【0013】
そこで本発明者等は、低分子量アクリル系共重合体の形成に際して、BAなどの極めて柔軟な重合体を形成する単量体に対して、硬さを付与する単量体としてMMAよりは軟らかい、例えばブチルメタクリレート(BMA)やエチルメタクリレート(EMA)を用い(MMAと同様BAなどとの共重合性は小さい)、且つ残留するBAなどが極めて軟らかいより低分子量の共重合体を作らないように、さらにこのBAなどと共重合性のよい単量体(共重合体に堅さを与えるためには、例えばメチルアクリレートが考えられる)を用いることにより、上記の問題点を大いに改善できることを見出し、さらに研究を継続して本発明を完成した。
【0014】
【課題を解決するための手段】
従って本発明によれば、下記(A)〜(C):
(A)反応性官能基を含有し、重量平均分子量が90〜250万、ガラス転移温度(Tg)−45℃以下で、且つ溶解性パラメータ(SP)8.7〜9.3の範囲である高分子量アクリル系共重合体 100重量部に対して;
【0015】
(B)重量平均分子量が5〜20万、ガラス転移温度(Tg)−40〜0℃の範囲で、且つ溶解性パラメータ(SP)8.7〜9.3の範囲であって、下記単量体(b−1)〜(b−3)、
(b−1)下記一般式(1)、
C=CHCOOR           (1)
(ここでRは、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
で示され、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステル、
(b−2)上記単量体(b−1)との共重合性が比較的小さい単量体、及び
(b−3)上記単量体(b−1)との共重合性が比較的大きい単量体、
を共重合してなる低分子量アクリル系共重合体 5〜100重量部;並びに
【0016】
(C)上記(A)成分の反応性官能基と反応して架橋構造を形成しうる官能基を2つ以上含有する多官能性化合物 0.001〜10重量部;
を必須成分として含有してなることを特徴とする偏光フィルム用感圧接着剤組成物、及び該感圧接着剤組成物からなる感圧接着剤層を有する偏光フィルムが提供される。
【0017】
以下、本発明の偏光フィルム用感圧接着剤組成物について詳述する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)成分である高分子量アクリル系共重合体は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を主成分量、例えば、高分子量アクリル系共重合体(A)に基づいて合計50重量%以上含有し、且つ分子内に後記する(C)成分の官能基、例えばイソシアナト基、エポキシ基等と反応して架橋構造を形成しうる反応性官能基を含有するものである。
【0019】
本発明に特に好適に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)は、具体的には、必須成分として、下記単量体(a−1)及び(a−2)、
(a−1)下記一般式(1)、
C=CHCOOR           (1)
(ここでRは、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
で示され、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステル〔以下、アクリル酸エステル又は単に単量体(a−1)ということがある〕、及び
【0020】
(a−2)分子内にカルボキシル基を有する単量体〔以下、カルボン酸単量体(a−2)ということがある〕を共重合してなり、さらに必要に応じてこれら単量体(a−1)及び(a−2)と共に、下記単量体(a−3)、
【0021】
(a−3)上記単量体(a−1)及び(a−2)と共重合可能で、該単量体(a−1)及び(a−2)以外の共単量体〔以下、単に共単量体又は単量体(a−3)ということがある〕を共重合してなるものであることが好ましい。
【0022】
上記一般式(1)のアクリル酸エステル(a−1)は、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を有し、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステルであるが、その具体例は、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレートなどが挙げられ、これらの中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートが好ましく、n−ブチルアクリレートが特に好ましい。これらのアクリル酸エステルは、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0023】
なお、ここでいう「単独重合体のガラス転移温度(Tg)」には、L. E.ニールセン著、小野木宣治訳「高分子の力学的性質」第11〜35頁に記載されている単量体のガラス転移温度が適用される。
【0024】
前記のアクリル酸エステル(a−1)の共重合量は、アクリル酸共重合体(A)を構成する前記単量体成分(a−1)〜(a−3)の合計100重量%に基づいて、一般に67.5〜99.5重量%、好ましくは78.3〜99.3重量%、さらに好ましくは84.3〜99.3重量%の範囲であるのがよい。アクリル酸エステル(a−1)の共重合量が該上限値以下であれば、凝集力不足などに伴う気泡発生が抑制されるので好ましく、一方該下限値以上であれば、凝集力過多などに伴う剥がれや白ヌケ現象などの不都合が生じにくいので好ましい。
【0025】
前記カルボン酸単量体(a−2)の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基もしくはその無水物基含有単量体を挙げることができる。これらのうち、アクリル酸又はメタクリル酸の使用が特に好ましい。
【0026】
カルボン酸単量体(a−2)の共重合量は、前記単量体成分(a−1)〜(a−3)の合計100重量%に基づいて、一般に0.5〜2.5重量%重量%、好ましくは0.7〜2重量%、さらに好ましくは0.7〜1.5重量%の範囲であるのがよい。単量体(a−2)の共重合量が該上限値以下であれば、凝集力過多などに伴う剥がれや白ヌケ現象などの不都合が生じにくいので好ましく、一方該下限値以上用いることによって、凝集力不足などに伴う気泡発生が抑制されるので好ましい。
【0027】
本発明においてこれら単量体(a−1)及び(a−2)と共に、必要に応じて用いられる、前記共単量体(a−3)の具体例としては、前記(a−1)以外のアクリル酸エステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、オレイルアクリレート等(好ましくはメチルアクリレート);メタクリル酸エステル、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等(好ましくはメチルメタクリレート);飽和脂肪酸ビニルエステル、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品名)等;芳香族ビニル単量体、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等;及びシアン化ビニル単量体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等;を挙げることができる。
【0028】
また共単量体(a−3)としては、例えば、ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、ジ−n−オクチルマレート、ジメチルフマレート、ジ−n−ブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジ−n−オクチルフマレート等のマレイン酸もしくはフマル酸のジエステル;も使用可能である。
【0029】
さらにまた共単量体(a−3)としては、必要に応じて、分子内に1個のラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記単量体(a−2)以外の単量体(以下、官能性共単量体ということがある)を共重合することもできる。
【0030】
このような官能性共単量体としては、官能基として、例えば、アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは置換アミノ基、ヒドロキシル基、低級アルコキシル基、エポキシ基、メルカプト基又は珪素含有基等を有する単量体を挙げることができ、また、分子内にラジカル重合性不飽和基を2個以上有する単量体も使用できる。
【0031】
これら官能性共単量体の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−i−ブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアミド基もしくは置換アミド基含有単量体;例えば、アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体;
【0032】
例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール、メタリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等のヒドロキシル基含有単量体;例えば、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−n−ブトキシエチルアクリレート、2−メトキシエトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、2−n−ブトキシエトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−n−ブトキシエチルメタクリレート、2−メトキシエトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエトキシエチルメタクリレート、2−n−ブトキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート等の低級アルコキシル基含有単量体;
【0033】
例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルメタリルエーテル等のエポキシ基含有単量体;アリルメルカプタン等のメルカプト基含有単量体;
【0034】
例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(2−ヒドロキシメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジエトキシシラノール、ビニルエトキシシラジオール、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、2−アクリルアミドエチルトリエトキシシラン等の珪素含有基を有する単量体;等の単量体群を挙げることができる。
【0035】
これら共単量体(a−3)の共重合量は、前記単量体成分(a−1)〜(a−3)の合計100重量%に基づいて、一般に0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜15重量%の範囲であるのがよい。単量体(a−4)の共重合量が該上限値以下であれば、凝集力過多などに伴う剥がれや白ヌケ現象などの不都合が生じにくいので好ましく、一方該下限値以上用いることによって、凝集力不足などに伴う気泡発生が抑制されるので好ましい。
【0036】
さらにまた共単量体(a−3)としては、必要に応じて、分子内に2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体を共重合することも可能である。このような共単量体(a−3)には、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどが含まれる。このような分子内に2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体の使用量は、例えば0.5重量%以下など、本発明の優れた効果を損なわない範囲において使用することができる。
【0037】
本発明に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)は、その重量平均分子量(Mw)が90〜250万の範囲であることが必要であり、好ましくは100〜200万、さらに好ましくは105〜150万の範囲であるのがよい。該重量平均分子量(Mw)が該下限値未満と低すぎては、凝集力不足などに伴って気泡が発生するので好ましくない。一方該上限値を超えて高すぎては、低分岐度な構造を有するアクリル系共重合体が得られにくく、また製造に際して共重合体溶液の粘度が高くなりすぎるか、またはそれを避けるため共重合体溶液の濃度が低くなりすぎるなど重合操作が難しくなるので好ましくない。
【0038】
また本発明に好適に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnは、一般に20以下、好ましくは5〜15の範囲であるのがよい。Mw/Mnの値が該上限値以下であれば、凝集力不足などに伴う気泡発生やリワーク性低下などの不都合が生じにくいので好ましい。
【0039】
なお、アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、下記の方法により測定された値である。
【0040】
平均分子量( Mw 及び Mn )の測定方法:
 下記(1)〜(3)に従って測定する。
(1)アクリル系共重合体溶液を剥離紙に塗布し、100℃で2分間乾燥し、フィルム状のアクリル系共重合体を得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状のアクリル系共重合体をテトラヒドロフランにて固形分0.2%になるように溶解させる。
(3)下記条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定する。
【0041】
(条件)
GPC   :HLC−8220 GPC〔東ソー(株)製〕
カラム   :TSK−GEL GMHXL 4本使用
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流速   :0.6ml/min
カラム温度:40℃
【0042】
本発明に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)はまた、そのガラス転移温度(Tg)が−45℃以下であることが必要であり、好ましくは−50℃以下であるのがよい。Tgが該温度を超えて高すぎては、支持基板に対する接着力が高くなりすぎるため、リワーク性が低下するので好ましくない。
【0043】
なお本明細書におけるアクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)とは、以下の計算により求められるモル平均ガラス転移温度をいう。
【0044】
ガラス転移温度( Tg )の計算:
【数1】
Figure 2004002782
ここでTg、Tg・・・・・・及びTgは、成分1、成分2・・・・・・及び成分nそれぞれの単独重合体のガラス転移温度であり、絶対温度(゜K)に換算し計算する。m、m・・・・・・及びmはそれぞれの成分のモル分率である。
【0045】
また本発明に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)は、その溶解性パラメーター(SP)が8.7〜9.3の範囲であることが必要であり、好ましくは8.9〜9.2の範囲であるのがよい。SPが該上限値を超えて高すぎては、後記する低分子量アクリル系共重合体(B)との相溶性が低下しやすく、また凝集力過多などに伴う剥がれや白ヌケ現象などの不都合が生じやすいので好ましくない。一方、該下限値未満と低すぎては、低分子量アクリル系共重合体(B)との相溶性が低下しやすく、また凝集力不足などに伴う気泡が発生しやすいので好ましくない。
【0046】
ここで溶解性パラメーター(SP値)とは、物質の溶解性の傾向を表わす指標である。SP値は種々の方法で測定又は計算されるものであり、例えば、「ポリマーハンドブック第4版(Polymer Handbook, Fourth Edition)」J. Brandrup, E.H. Immergut, and E. A. Grulke著:(1999年)に詳述されている。
【0047】
なお重合体のSP値は、それぞれの単量体の分子引力定数Gに基づいた下式のSP値計算式により算出した。
SP=dΣG/M
ここでdは、密度(g/l)を、ΣGは分子中の分子引力定数の総和を、Mは分子量(g/mol)を表わす。
【0048】
共重合体のSP値については、その構成単量体の各々のSP値に、その各々の構成モル分率を乗じたものを合算して溶解性パラメータとした。
【0049】
さらに、本発明に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)は低分岐度ポリマーであることが好ましい。
【0050】
一般にポリマーは、一般式[η]=KM α〔マーク・ホーインク(Mark−Houwink)の式〕で表されることが知られている。ここで[η]は固有粘度、Mはポリマーの分子量、Kとαはポリマーと溶媒の種類及び温度に依存する定数である。この式は、log[η]=αlogM+logKと書き換えることができ、このとき(α)は、logMをX軸、log[η]をY軸としてプロットしたときの勾配(マーク・ホーインク・プロットの勾配)となり、logKはY切辺となる。
【0051】
前記のポリマー分岐度は、上記マーク・ホーインク(Mark−Houwink)プロットの勾配(α)によって知ることができ、この値が大きいポリマーは低分岐度構造を有し、小さいポリマーは高分岐度構造を有する。本発明に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)の(α)としては、0.3〜1.5、特に0.5〜1.0の範囲であることが好ましい。このような低分岐度の高分子量アクリル系共重合体(A)を用いることにより、粘弾性に一層優れた感圧接着剤層を得ることができる。該勾配が該上限値以下であれば、感圧接着剤組成物の溶液を塗布した後の塗工面の平滑性が低下するなどの不都合が生じることがなく、また該下限値以上であれば、耐久性改善の効果が得られるので好ましい。
【0052】
なお、マーク・ホーインクプロットとは、下記方法により測定したものである。
【0053】
マーク・ホーインクプロットの勾配の測定方法:
 下記(1)〜(6)に従って測定する。
(1)アクリル系共重合体溶液を剥離紙に塗布し、100℃で2分間乾燥し、フィルム状のアクリル系共重合体を得る。
(2)得られたフィルム状のアクリル系共重合体をテトラヒドロフランにて固形分1重量%、2重量%、3重量%、及び4重量%になるように溶解させる。
(3) 25℃の条件下にて、高感度示差屈折計〔DRM−1021、大塚電子(株)製〕を用いて、屈折率変化量(dn)と濃度変化量(dc)との比(dn/dc)を測定する。
(4)上記(1)で得られたフィルム状のアクリル系共重合体をテトラヒドロフランにて固形分0.2重量%になるように溶解させる。
(5)下記条件にて、屈折/差圧粘度検出器〔T60A、旭テクネイオン(株)製〕を用いて、アクリル系共重合体の固有粘度([η])及び重量平均分子量(Mw)を測定する。
【0054】
(条件) GPC   :HLC−8220 GPC〔東ソー(株)製〕
カラム   :TSK−GEL GMHXL 2本使用
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流速   :0.8ml/min
カラム温度:40℃
【0055】
測定に際してアクリル系共重合体のdn/dcは、上記(3)で求めた測定値を用いた。
(6)下式によりマーク・ホーインクプロットの勾配を計算する。
マーク・ホーインクプロットの勾配(α)=Log[η]/Log(Mw)
【0056】
本発明の偏光フィルム用感圧接着剤組成物は、以上述べた高分子量アクリル系共重合体(A)と共に、低分子量アクリル系共重合体(B)を必須の共重合体成分として含有してなるものである。
【0057】
上記の低分子量アクリル系共重合体(B)は、前記高分子量アクリル系共重合体(A)と同様、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を主成分量、例えば、高分子量アクリル系共重合体(A)に基づいて合計50重量%以上含有してなるものであって、下記単量体(b−1)〜(b−3)、
(b−1)下記一般式(1)、
C=CHCOOR           (1)
(ここでRは、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
で示され、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステル、
(b−2)上記単量体(b−1)との共重合性が比較的小さい単量体、好ましくは共重合性比(1/γb−2/b−1)が0.5未満の単量体、及び
(b−3)上記単量体(b−1)との共重合性が比較的大きい単量体、好ましくは共重合性比(1/γb−3/b−1)が0.5以上の単量体を共重合してなり、そのガラス転移温度(Tg)が−40〜0℃の範囲のものである。
【0058】
本発明者等は、特にリサイクル性などを改善するためには、後述するように、上記(B)成分としてガラス転移温度(Tg)が、従来用いられていた、例えば−50℃以下のものよりもやや高めの、例えば−30〜−5℃などのものを用いた方がよいことを見出した。そしてこのようなガラス転移温度(Tg)範囲の共重合体を得るためには、例えば、ブチルアクリレート(BA)などの極めて柔軟な重合体を形成する単量体と、メチルメタクリレート(MMA)などの硬い重合体を形成する単量体とを共重合しようとすると、BAなどとMMAなどとの共重合性は乏しいため、通常、MMAなどの重合が先行して、先に硬めの共重合体が生じ、次いで残留しているBAなどが重合して極めて軟らかく、より低分子量の共重合体が生じがちとなることがわかった。そしてこのような低分子量アクリル系共重合体(やや硬めの共重合体と、極めて軟らかいより低分子量の共重合体との混合物と考えられる)を、前記の高分子量アクリル系共重合体と組合せたものを偏光フィルム用感圧接着剤組成物として用いるとき、この極めて軟らかいより低分子量の共重合体がブリードしてきて被着体を汚染することがあることを知った。
【0059】
そこで本発明者等は、低分子量アクリル系共重合体の形成に際して、BAなどの極めて柔軟な重合体を形成する単量体に対して、硬さを付与する単量体としてMMAや、それよりは軟らかい、例えばブチルメタクリレート(BMA)、エチルメタクリレート(EMA)等を用い(それらもMMAと同様BAなどとの共重合性は小さい)、且つ残留するBAなどが極めて軟らかいより低分子量の共重合体を作らないように、さらにこのBAなどと共重合性のよい単量体(共重合体に堅さを与えるためには、例えばメチルアクリレートが考えられる)を用いることにより、上記の問題点を大いに改善できることを見出した。
【0060】
本発明の(B)成分である低分子量アクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)は−40〜0℃の範囲であることが必要であり、−30〜−5℃の範囲であることが好ましい。Tgが該上限温度を超えて高すぎては、ガラスに対する感圧接着剤の濡れ性の低下に伴う剥がれが発生しやすいので好ましくなく、一方、該下限温度未満と低すぎては、凝集力不足などに伴う気泡が発生しやすく、またリサイクル性も低下しやすくなるので好ましくない。
【0061】
低分子量アクリル系共重合体(B)を構成する必須単量体である前記単量体(b−1)は、前記一般式(1)で示されるものであり、具体的には前記(A)成分である高分子量アクリル系共重合体(A)における単量体(a−1)で用いられるものを使用することができるが、高分子量アクリル系共重合体(A)との溶解性パラメータの差(ΔSP=SP−SP)を小さくしやすいなどの観点からブチルアクリレート(BA)の使用が好ましい。
【0062】
単量体(b−1)の使用量は、前記該単量体(b−1)それ自体の種類並びに、後記する単量体(b−2)及び(b−3)の種類により、前記ガラス転移温度範囲を満足するように適宜選択されることができるが、一般には、低分子量アクリル系共重合体(B)を構成する単量体(b−1)〜(b−3)の合計100重量%に基づいて、20〜80重量%、さらには25〜75重量%、特には30〜70重量%であることが好ましい。
【0063】
前記単量体(b−2)は、上記単量体(b−1)との共重合性が比較的小さい単量体、好ましくは共重合性比(1/γb−2/b−1)が0.5未満の単量体である。ここでいう共重合性比とは、単量体の共重合理論のLewis−Mayoの式における反応性比γの逆数(1/γ)である。
【0064】
一般に単量体Aの単量体Bに対する反応性比は、単量体A同士が連鎖結合する成長反応速度定数 kpAAを、単量体Aと単量体Bとが連鎖結合する成長反応速度定数 kpABで除した値(kpAA/kpAB)として表される。従って、単量体(b−1)との共重合性比(1/γb−2/b−1)が0.5未満の単量体(b−2)とは、
(1/γb−2/b−1)=[kp(b−1)(b−2)/kp(b−2)(b−2)]<0.5
を満足するような単量体である。
【0065】
なおLewis−Mayoの式についての詳細は、例えば、尾見信三著「ラジカル重合反応の操作設計」〔(株)アイピーシー刊〕第73頁以降を参照されたい。
【0066】
前記単量体(b−1)がBAであるとき、該単量体(b−1)との共重合性比(1/γb−2/b−1)が0.5未満の単量体(b−2)としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル;例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体;例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのヒドロキシル基含有単量体;を挙げることができるが、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートなどの官能基を有していないメタクリル酸エステルを用いることが好ましい。
【0067】
前記単量体(b−1)がBA以外であるとき、所望の単量体の該単量体(b−1)との共重合性比(1/γb−2/b−1)は、例えば、前記の「ポリマーハンドブック第4版」に詳述されている方法に従って計算で求めることができるので、これら単量体のうちから共重合性比(1/γb−2/b−1)が0.5未満の単量体を単量体(b−2)として適宜選択して用いればよい。
【0068】
単量体(b−2)の使用量は、該単量体(b−2)の種類並びに、前記単量体(b−1)及び後記する単量体(b−3)の種類により適宜選択されることができるが、一般には、低分子量アクリル系共重合体(B)を構成する単量体(b−1)〜(b−3)の合計100重量%に基づいて、10〜70重量%、さらには15〜65重量%、特には20〜60重量%であることが好ましい。該使用量が該下限値以上であれば、凝集力不足などに伴う気泡が発生しにくく、リサイクル性が低下しにくいので好ましく、一方、該上限値以下であれば、ガラスに対する感圧接着剤の濡れ性の低下に伴う剥がれが発生しにくいので好ましい。
【0069】
本発明における低分子量アクリル系共重合体(B)を構成するもう一つの必須単量体(b−3)は、前記単量体(b−1)との共重合性が比較的大きい単量体、好ましくは共重合性比(1/γb−3/b−1)が0.5以上の単量体、すなわち、
(1/γb−3/b−1)=[kp(b−1)(b−3) /kp(b−3)(b−3)]≧0.5
を満足するような単量体である。
【0070】
前記単量体(b−1)がBAであるとき、該単量体(b−1)との共重合性比(1/γb−3/b−1)が0.5以上の単量体(b−3)としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸エステル;例えば蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの飽和脂肪酸ビニルエステル;例えば、アクリルアミド等のアミド基含有単量体を挙げることができるが、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどの官能基を有しないアクリル酸エステルを用いることが好ましい。
【0071】
前記単量体(b−1)がBA以外であるとき、所望の単量体の該単量体(b−1)との共重合性比(1/γb−3/b−1)は、前記と同様の方法により計算で求めることができるので、これら単量体のうちから共重合性比(1/γb−3/b−1)が0.5以上の単量体を単量体(b−3)として適宜選択して用いればよい。
【0072】
単量体(b−3)の使用量は、該単量体(b−3)の種類並びに、前記単量体(b−1)及び後記する単量体(b−2)の種類により適宜選択されることができるが、一般には、低分子量アクリル系共重合体(B)を構成する単量体(b−1)〜(b−3)の合計100重量%に基づいて5〜70重量%、さらには10〜60重量%、特には10〜50重量%であることが好ましい。該使用量が該下限値以上であれば、凝集力不足などに伴う気泡が発生しにくく、リサイクル性が低下しにくいので好ましく、一方、該上限値以下であれば、ガラスに対する感圧接着剤の濡れ性の低下に伴う剥がれが発生しにくいので好ましい。
【0073】
なお低分子量アクリル系共重合体(B)は、必要に応じて、分子内に後記する(C)成分の官能基、例えばイソシアナト基、エポキシ基等と反応して架橋構造を形成しうる反応性官能基、例えば前記単量体(b−2)中のカルボキシル基含有単量体やヒドロキシル基含有単量体、前記単量体(b−3)中のアミド基含有単量体などに由来する反応性官能基を含有することもできるが、凝集力過多などに伴う剥がれや白ヌケ現象などの不都合が生じにくいなどの観点から反応性官能基を含まないものであることが好ましい。
【0074】
本発明に用いられる低分子量アクリル系共重合体(B)は、前記「重量平均分子量の測定方法」に従って測定したその重量平均分子量(Mw)が5〜20万の範囲であることが必要であり、好ましくは6〜18万、さらに好ましくは7〜16万の範囲であるのがよい。該重量平均分子量(Mw)が該下限値未満と低すぎては、凝集力不足などに伴う気泡が発生しやすく、またリサイクル性も低下しやすいので好ましくない。一方、該上限値を超えて高すぎては、白ヌケ現象などの不都合が生じやすいので好ましくない。
【0075】
また本発明に用いられる低分子量アクリル系共重合体(B)は、その溶解性パラメーター(SP)が8.7〜9.3の範囲であることが必要であり、好ましくは8.9〜9.2の範囲であるのがよい。SPが該上限値を超えて高すぎては、高分子量アクリル系共重合体(A)との相溶性が低下しやすく、ガラスに対する感圧接着剤の濡れ性の低下に伴う剥がれが発生しやすいので好ましくなく、該下限値未満と低すぎては、高分子量アクリル系共重合体(A)との相溶性が低下しやすく、凝集力不足などに伴う気泡が発生しやすいので好ましくない。
【0076】
また低分子量アクリル系共重合体(B)の溶解性パラメーター(SP)と、前記高分子量アクリル系共重合体(A)の溶解性パラメーター(SP)との差ΔSP(=SP−SP)は、0.5以下、さらには0.3以下であることが好ましい。該溶解性パラメータの差ΔSPが該上限値以下であれば、高分子量アクリル系共重合体(A)と低分子量アクリル系共重合体(B)との相溶性が低下しないので好ましい。
【0077】
本発明の感圧接着剤組成物においては、前記の高分子量アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、以上述べた低分子量アクリル系共重合体(B)を5〜100重量部、好ましくは7〜70重量部、さらに好ましくは10〜40重量部を含有してなるものである。該成分(B)の使用量が該下限値未満と少なすぎては、白ヌケ現象の発生を十分に防止することができないことがあり好ましくなく、一方、該上限値を超えて多過ぎると、気泡の発生を防止することができなかったり、リワーク性が低下したりするなどの問題が生じがちであり好ましくない。
【0078】
本発明に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)及び低分子量アクリル系共重合体(B)は、その重合方法に特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できるが、重合により得られた共重合体の混合物を用いて本発明の感圧接着剤組成物を製造するに当り、処理工程が比較的簡単で且つ短時間で行えることから溶液重合により重合することが好ましい。
【0079】
溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤、及び、必要に応じて用いられる連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中又は有機溶媒の還流温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させることにより行われる。この場合に有機溶媒、単量体、重合開始剤及び/又は連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
【0080】
上記の重合用有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリン、芳香族ナフサなどの芳香族炭化水素類;例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油などの脂肪系もしくは脂環族系炭化水素類;例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸2−ヒドロキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、安息香酸メチルなどのエステル類;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン類;
【0081】
例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類;などを挙げることができる。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
【0082】
これら重合用有機溶媒のうち、前記高分子量アクリル系共重合体(A)の重合に際しては、重合反応中に連鎖移動を生じにくい有機溶媒、例えば、エステル類、ケトン類を使用することが好ましく、特に、高分子量アクリル系共重合体(A)の溶解性、重合反応の容易さなどの点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンなどの使用が好ましい。また、低分子量アクリル系共重合体(B)を製造する場合には、連鎖移動を生じやすい有機溶媒、例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類を使用することが好ましい。特に、重合反応の容易さなどから、トルエン、イソプロピルアルコールなどが好ましい。
【0083】
前記の重合開始剤としては、通常の溶液重合で使用できる有機過酸化物、アゾ化合物などを使用することが可能である。
【0084】
このような有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、カプロイルペルオキシド、ジ−i−プロピルペルオキシジカルボナト、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボナト、t−ブチルペルオキシビバラト、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)ブタンなどが挙げられ、アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス−i−ブチルニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどを挙げることができる。
【0085】
これら有機過酸化物のうち、前記高分子量アクリル系共重合体(A)の重合に際しては、重合反応中にグラフト反応を起こさない重合開始剤の使用が好ましく、特にアゾビス系の使用が好ましい。その使用量は、通常、単量体合計100重量部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部である。また、前記低分子量アクリル系共重合体(B)を製造する場合は、反応温度により異なるが、10時間半減期温度の低い重合開始剤が好ましく、例えば、10時間半減期温度が80℃以下、好ましくは70℃以下の重合開始剤がより好ましい。その使用量は、通常、単量体合計100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。
【0086】
また、本発明に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)の製造に際しては、連鎖移動剤は使用しないのが普通であるが、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、必要に応じて使用することは可能である。一方低分子量アクリル系共重合体(B)を製造する場合には、しばしば連鎖移動剤の存在下に重合が行われる。
【0087】
このような連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;アントラセン、フェナントレン、フルオレン、9−フェニルフルオレンなどの芳香族化合物類;p−ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノール、p−ニトロトルエンなどの芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノンなどのベンゾキノン誘導体類;トリブチルボランなどのボラン誘導体;
【0088】
四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3−クロロ−1−プロペンなどのハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒドなどのアルデヒド類:炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、トルエンメルカプタンなどの芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;ビネン、ターピノレンなどのテルペン類;などを挙げることができる。
【0089】
本発明に用いられる高分子量アクリル系共重合体(A)を製造する場合には、連鎖移動剤を使用しない方が好ましく、また、低分子量アクリル系共重合体(B)を製造する場合には、上記連鎖移動剤のうち、好ましくはメルカプタン類、ハロゲン化炭化水素を、単量体(b−1)〜(b−3)の合計100重量部に対して0.005〜3.0重量部使用することができる。
【0090】
重合温度としては、一般に約30〜180℃、好ましくは50〜150℃の範囲がよいが、高分子量アクリル系共重合体(A)を製造する場合には、好ましくは50〜90℃、より好ましくは50〜80℃であり、低分子量アクリル系共重合体(B)を製造する場合には、好ましくは70〜110℃、より好ましくは80〜100℃である。
【0091】
なお、溶液重合法などで得られた重合物中に未反応の単量体が含まれる場合は、該単量体を除くために、メタノールなどによる再沈澱法で精製することも可能である。
【0092】
本発明の偏光フィルム用感圧接着剤組成物は、必須成分として、高分子量アクリル系共重合体(A)及び低分子量アクリル系共重合体(B)と共に、該高分子量アクリル系共重合体(A)と反応して架橋構造を形成しうる官能基を2つ以上、好ましくは2〜4含有する多官能性化合物(C)を含んでなるものである。
【0093】
上記の多官能性化合物(C)は、高分子量アクリル系共重合体(A)と反応して架橋構造を形成するものである限り、特に限定されるものではなく、ポリイソシアナト化合物、ポリエポキシ化合物、ポリアジリジン化合物、メラミンホルムアルデヒド縮合物、金属塩、金属キレート化合物などを挙げることができる。これら多官能性化合物のうち、偏光フィルムとの密着性、アクリル系共重合体(A)と配合した後の安定性等の観点から、ポリイソシアナト系化合物、ポリアジリジン化合物及び/又はポリエポキシ化合物の使用が好ましい。これら多官能性化合物(C)はそれぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0094】
上記ポリイソシアナト化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアナト、ジフェニルメタンジイソシアナト、トリフェニルメタントリイソシアナト、トリレンジイソシアナト等の芳香族ポリイソシアナト;例えば、ヘキサメチレンジイソシアナト、イソホロンジイソシアナト、該芳香族ポリイソシアナト化合物の水素添加物等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアナト;それらポリイソシアナトの2量体もしくは3量体、又はそれらポリイソシアナトとトリメチロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体などの各種ポリイソシアナトに由来するポリイソシアナト化合物を挙げることができる。
【0095】
これらのポリイソシアナト化合物の中では、ヘキサメチレンジイソシアナトの2量体もしくは3量体、又は、ヘキサメチレンジイソシアナトもしくはキシリレンジイソシアナトと、トリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト体など、ヘキサメチレンジイソシアナト又はキシリレンジイソシアナトに由来するポリイソシアナト化合物が好ましい。
【0096】
これらのポリイソシアナト化合物は、例えば「コロネートHX」、「コロネートHL−S」、「コロネート2234」〔以上日本ポリウレタン(株)製〕、「デスモジュールN3400」〔住友バイエルウレタン(株)製〕、「デュラネートE−405−80T」、「デュラネートTSE−100」〔旭化成工業(株)製〕、「タケネートD−110N」、「タケネートD−120N」、「タケネートM−631N」〔以上三井武田ケミカル(株)製〕などの商品名により市販されているものを好適に使用することができる。
【0097】
ポリアジリジン化合物としては、ポリイソシアナト化合物とエチレンイミンとの反応生成物が使用でき、ポリイソシアナト化合物としては、上記で例示したものを用いることができる。またトリメチロールプロパンやペンタエリトリトールなどのポリオールと(メタ)アクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸との多価エステルにエチレンイミンを付加させた化合物も知られており、本発明の多官能性化合物(C)として使用することができる。
【0098】
このようなポリアジリジン化合物としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレンビス(1−アジリジンカルボアミド)、メチレンビス[N−(1−アジリジニルカルボニル)−4−アニリン]、テトラメチロールメタントリス(β−アジリジニルプロピオナト)、トリメチロールプロパントリス(β−アジリジニルプロピオナト)などを挙げることができ、これらのうち、例えば「TAZO」、「TAZM」〔以上相互薬工(株)製〕、「ケミタイトPZ−33」〔(株)日本触媒製〕などの商品名により市販されているものを好適に使用することができる。
【0099】
前記のポリエポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリス(グリシジル)イソシアヌレート、トリス(グリシドキシエチル)イソシアヌレート、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなどを挙げることができる。
【0100】
これらのポリエポキシ化合物のうち、3つ以上のエポキシ基を含有するポリエポキシ化合物が好ましく、中でもトリス(グリシジル)イソシアヌラト、トリス(グリシドキシエチル)イソシアヌラト、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなどのポリエポキシ化合物の使用がさらに好ましく、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンの使用が特に好ましい。
【0101】
これらのポリエポキシ化合物は、例えば「TETRAD−C」、「TETRAD−X」〔三菱瓦斯化学(株)製〕などの商品名により市販されているものを好適に使用することができる。
【0102】
これらの多官能性化合物(C)の使用量は、前記高分子量アクリル系共重合体(A)100重量部に基づいて、通常0.001〜10重量部、好ましくは0.005〜5重量部の範囲である。多官能性化合物(C)の使用量が該下限値未満と少なすぎては、凝集力不足などに伴う気泡が生じやすく、被着体表面汚染性が低下するので好ましくなく、一方、該上限値を超えて多すぎては、凝集力過多などに伴う剥がれや白ヌケ現象が生じやすいので好ましくない。
【0103】
特に多官能性化合物(C)としてポリイソシアナト化合物を用いるときの使用量は、前記高分子量アクリル系共重合体(A)100重量部に基づいて、ポリイソシアナト化合物の有効成分として0.15〜3重量部、特には0.5〜2重量部の範囲であることが好ましい。またポリアジリジン化合物を用いるときの使用量は、前記高分子量アクリル系共重合体(A)100重量部に基づいて、ポリアジリジン化合物の有効成分として0.001〜0.1重量部、特には0.001〜0.05重量部の範囲であることが好ましい。さらにポリエポキシ化合物を用いるときの使用量は、高分子量アクリル系共重合体(A)100重量部に基づいて、ポリエポキシ化合物の有効成分として0.005〜0.3重量部、特には0.01〜0.2重量部の範囲であることが好ましい。
【0104】
また多官能性化合物(C)は、前記のとおり2種以上組み合わせて使用することができ、前記のポリイソシアナト化合物とポリアジリジン化合物、又はポリイソシアナト化合物とポリエポキシ化合物を組み合わせるのがよい。その場合、ポリイソシアナト化合物、ポリアジリジン化合物及びポリエポキシ化合物は、それぞれ前記の使用量範囲において、適宜選択することができるが、好ましくは、何れも有効成分重量比で、ポリイソシアナト化合物:ポリアジリジン化合物=1〜500:1、特には10〜300:1又は、ポリイソシアナト化合物:ポリエポキシ化合物=1〜300:1、特には10〜100:1の範囲となるように使用するのがよい。
【0105】
本発明の偏光フィルム用感圧接着剤組成物は、必須成分としての高分子量アクリル系共重合体(A)、低分子量アクリル系共重合体(B)及び該高分子量アクリル系共重合体(A)と反応して架橋構造を形成しうる官能基を2つ以上含有する多官能性化合物(C)と共に、シランカップリング剤(D)を含有することが好ましい。
【0106】
このようなシランカップリング剤(D)としては、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシランなどのメルカプト基含有シラン系化合物;例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどの脂環式エポキシ基含有シラン系化合物;例えば、メチルトリ(グリシジル)シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シラン系化合物;例えば、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、3−メチルジメトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、1−カルボキシ−3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)などのカルボキシル基含有シラン系化合物;
【0107】
例えば、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シラン系化合物;例えば、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシランなどのヒドロキシル基含有シラン系化合物;例えば、γ−アミドプロピルトリメトキシシランなどのアミド基含有シラン系化合物;例えば、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシランなどのイソシアナト基含有シラン系化合物;などを挙げることができ、中でもメルカプト基含有シラン系化合物及び脂環式エポキシ基含有シラン系化合物の使用が好ましい。
【0108】
シランカップリング剤(D)の使用量は、前記高分子量アクリル系共重合体(A) 100重量部に基づいて、好ましくは0.01〜2重量部、より好ましくは0.05〜1.5重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部、よりさらに好ましくは0.15〜1重量部、特に好ましくは0.2〜0.8重量部である。該使用量が該下限値以上であれば、剥がれなどの不都合が生じにくいので好ましく、一方、該上限値以下であれば、剥がれなどの不都合が生じにくいので好ましい。
【0109】
本発明の感圧接着剤組成物には、以上述べた高分子量アクリル系共重合体(A)、低分子量アクリル系共重合体(B)、多官能性化合物(C)及びシランカップリング剤(D)の他に、必要に応じて、偏光フィルム用感圧接着剤組成物に通常配合される配合物、例えば、耐候性安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機充填剤などを適宜配合することができる。
【0110】
本発明の偏光フィルム用感圧接着剤組成物は、前記高分子量アクリル系共重合体(A)及び、必要に応じては低分子量アクリル系共重合体(B)と、前記多官能性化合物(C)との間で架橋構造が形成された後におけるゲル分が、40〜80重量%、特に50〜75重量%であることが好ましい。ゲル分が該下限値以上であれば、気泡が生じるなどの不都合を抑制することができるので好ましく、また該上限値以下であれば、剥がれ、白ヌケ現象などの不都合が生じにくいので好ましい。なお、上記ゲル分とは、下記方法により測定したものである。
【0111】
感圧接着剤組成物のゲル分の測定:
 下記(1)〜(7)に従って測定する。
(1)感圧接着剤組成物の溶液を剥離紙上に塗布し、室温で風乾30分後、100℃で5分間本乾燥し、フィルム状の感圧接着剤層を形成する。
(2)上記感圧接着剤層を23℃,相対湿度65%で10日間養生する。
(3)精秤したガラス棒(径5mm×30mm)に上記フィルム状感圧接着剤層を約1g貼付し、デシケーター内で1時間乾燥させる。その後、精密天秤にて重量を正確に測定して試料を作成する。
(4)円筒濾紙(No.84)の中に(3)で得られた試料を入れる。
(5) 100ml程度の溶剤(酢酸エチル)をソックスレー抽出器の精秤した200ml丸底フラスコに入れ、ソックスレー抽出を4時間実施する。
(6)冷却後、ロータリーエバポレーターにて丸底フラスコ内の溶剤(酢酸エチル)を揮発させた後、上記抽出分を含む丸底フラスコを100℃で3時間及びデシケーター内で1時間乾燥させる。その後、精密天秤にて重量を正確に測定する。
(7)下式によりゲル分を計算する。
ゲル分(重量%)=100−[(A−B)/(C−D)]×100
但し、Aは抽出後の丸底フラスコの重量(g)、Bは丸底フラスコの重量(g)、Cは試料の重量(g)、Dはガラス棒の重量(g)である。
【0112】
また本発明の偏光フィルム用感圧接着剤組成物は、30〜100℃における対数減衰率が0.1〜0.5、特に0.15〜0.4であることが好ましい。対数減衰率が該下限値以上であれば、剥がれ、白ヌケ現象などの発生を防止することができるので好ましく、また該上限値以下であれば、気泡を生じたり、リワーク性が低下したりするなどの不都合が生じにくいので好ましい。なお対数減衰率とは、下記方法により測定した値である。
【0113】
感圧接着剤組成物の対数減衰率の測定:
 下記(1)〜(3)に従って測定する。
(1)感圧接着剤組成物の溶液をポリエステル系剥離フィルムに塗布し、100℃で2分間乾燥し、厚さ25μmの感圧接着剤層を形成する。
(2)上記感圧接着剤層に偏光フィルムを圧着させ、23℃、相対湿度65%で10日間養生させた後、10mm×20mmの大きさにカットする。
(3)下記条件にて、剛体振子試験機〔TEIC RPT−α100、(株)エー・アンド・ディ製〕を用いて、先ず30℃における対数減衰率を測定し、次に下記の昇温速度で100℃まで昇温して100℃における対数減衰率を測定する。
(条件) フレーム:FRB−10
測定部 :RBP−30
昇温速度:2℃/min
(表記法)次のように標記する。
30℃対数減衰率→100℃対数減衰率
【0114】
次に、本発明における偏光フィルムについて説明する。
【0115】
本発明における偏光フィルムは、上述の本発明の感圧接着剤組成物からなる感圧接着剤層が、偏光ベースフィルムの少なくとも一方の面に形成されているものであり、偏光フィルムを液晶セルの支持基板の表面に貼着するための感圧接着剤層が、上述の本発明の感圧接着剤組成物で形成されている以外は、従来の偏光フィルムと同様に構成されているものである。すなわち、例えば図1に示すように、本発明における偏光フィルム1は、偏光子2aと該偏光子2aの両面に積層された保護層2b,2cとからなる偏光ベースフィルム2と、上記保護層2cの表面に形成された感圧接着剤層3と、該感圧接着剤層3を介して貼付された剥離紙4とから構成されている。
【0116】
上記感圧接着剤層3は、その厚さが、乾燥厚で10〜50μm、特に15〜30μmであることが好ましい。
【0117】
また、図1に示す本発明における偏光フィルムでは、感圧接着剤層3及び剥離紙4は、保護層2c側にのみ設けたが、保護層2b側と保護層2c側の両方に感圧接着剤層3及び剥離紙4をそれぞれ設けてもよい。また、保護層2b,2cは設けても設けなくてもよく、また保護層の代わりに或いは保護層と共に、反射層、防眩層などの他の機能を有する層を設けることもできる。
【0118】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、実施例及び比較例において用いた、試験片の作成、並びに各種の試験方法及び評価方法は以下のとおりである。
【0119】
(1)  試験用偏光フィルムの作成
 シリコーン系離型剤で表面処理された離型紙上に、乾燥後の塗工量が25g/mとなるように、感圧接着剤組成物を塗布し、100℃で90秒間熱風循環式乾燥機にて乾燥して感圧接着剤層を形成した後、偏光ベースフィルム〔ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを主体とする偏光子の両面にセルローストリアセタト(TAC)フィルムをラミネートしたもの;約190μm〕の裏面を該感圧接着剤層面と貼り合せ、加圧ニップロールに通して圧着した後、23℃、65%RHで10日間養生させて偏光フィルムを得る。
【0120】
(2)  初期接着力測定及び被着体表面汚染性の評価(リワーク性の評価)
 前(1)項により作成した偏光フィルムを25mm×150mmにカットしたのち、この偏光フィルム片を、卓上ラミネート機を用いて厚さ1.1mmのソーダガラス板に圧着して試験サンプルとする。該サンプルをオートクレーブ処理(50℃、5kg/ cm2 、20分)し、23℃、65%RHの条件下で24時間放置(コンディショニング処理)した後、180゜剥離における接着力(剥離速度:300mm/min)を測定する。
【0121】
また、剥離後のガラス板表面の状態を目視により観察して、次の基準に従って評価する。
(評価基準)
◎:クモリ等の外観異常が確認できない。
○:剥離開始部分に薄いクモリが確認できる。
△:全面に薄いクモリが確認できる。
×:全面に濃いクモリが確認できる。
【0122】
偏光フィルム用感圧接着剤組成物から形成される感圧接着剤層のうち、液晶セル(ガラスセル)に対して剥離ができない程高い接着力を有しているものは、リワーク性の点で好ましくない。上記方法により測定した接着力が1200g/25mm以下、特に1000g/25mm以下のものがリワーク性に優れており、上記接着力が1200g/25mmを超える場合はリワーク性に問題がある。また、剥離後のガラス面に糊残りやクモリが生じた場合もリワーク性に問題がある。
【0123】
(3)  熱処理後の接着力測定及び被着体表面汚染性の評価(リサイクル性の評価) 前(2)項と同様に作成し、オートクレーブ処理を施した試験サンプルを、23℃、65%RHの条件下で1時間放置した後、70℃で3時間加熱処理を行い、次いでこれを前(1)項と同様にコンディショニング処理した後、180゜剥離における接着力(剥離速度:300mm/min)を測定する。
【0124】
また、剥離後のガラス板表面の状態を目視により観察して、次の基準に従って評価する。
(評価基準)
◎:クモリ等の外観異常が確認できない。
○:剥離開始部分に薄いクモリが確認できる。
△:全面に薄いクモリが確認できる。
×:全面に濃いクモリが確認できる。
【0125】
偏光フィルム用感圧接着剤組成物から形成される感圧接着剤層のうち、液晶セル(ガラスセル)に対して剥離ができない程高い接着力を有しているものは、リサイクル性の点で好ましくない。上記方法により測定した接着力が1500 g/25mm以下、特に1000g/25mm以下のものが、リサイクル性に優れており、上記接着力が1500g/25mmを超える場合はリサイクル性に問題がある。また、剥離後のガラス面に糊残りが生じた場合もリサイクル性に問題がある。
【0126】
(4)  耐久性の評価
 長辺が吸収軸に対して45゜になるようにカットした70mm×140mm(長辺)の偏光フィルム片を用いる以外は前(2)項と同様にして、試験サンプルを作成し、オートクレーブ処理し、これを前(2)項と同様にコンディショニング処理した後、次の温度及び湿度条件下に1000時間放置し、気泡の発生、剥がれの状態を目視観察にて評価する。評価基準は次の通りである。
【0127】
a)   100 ℃、ドライ( 100 ℃、ドライの評価基準)
  ◎:気泡の発生が認められない。
○:直径100μm未満の気泡の発生が僅かに認められる。
△:直径100〜200μmの気泡の発生が多数認められる。
×:直径200μm以上の気泡の発生が多数認められる。
【0128】
b)   65 ℃、 95%RH 65 ℃、 95 RH の評価基準)
   ◎:剥がれがない。
○:500μm以内の剥がれ。
△:2mm未満の剥がれ。
×:2mm以上の剥がれ。
【0129】
(5)  白ヌケ現象の評価試験
 前(4)項と同様にしてソーダガラス板の両面に、偏光フィルムをその偏光軸が互いに直交するように貼付した試験サンプルを作成し、前(4)項と同様にコンディショニング処理した後、90℃、ドライの条件下に24時間放置する。次に図2に示す簡易光度測定装置を用いて、試験サンプルを動かしながら、図3に示す偏光フィルム表面の各点について輝度を測定する。白ヌケ性の評価は、測定点▲2▼、▲4▼、▲6▼及び▲8▼における光度の平均値を、測定点▲1▼、▲3▼、▲5▼、▲7▼及び▲9▼における輝度の平均値で除した値によって表す。その際、測定点▲5▼の輝度が0.05以下になるようにバックライトの光量を調整し、輝度測定を実施する。
【0130】
上記方法により測定した値は1.0であることが理想であるが、実際にはその値が2.5以下、特に2.0以下であれば実質的に白ヌケ現象が認められず使用上問題がない。しかしこの値が2.5を超えて大きくなると、白ヌケ現象が視認され問題が生じる。
【0131】
高分子量アクリル系共重合体 (A) の製造
製造例1
温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却管を備えた反応器内に、n−ブチルアクリレート(BA)99重量部、アクリル酸(AA)1重量部、酢酸エチル(EAc)100重量部及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を入れ、該反応容器の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌下に窒素雰囲気中で、該反応容器を65℃に昇温させて6時間反応させ、さらに70℃に昇温させて2時間反応させた。その後、EAc 20重量部にAIBN 0.4重量部を溶解させた溶液を1時間かけて滴下し、さらに2時間反応させた。反応後、トルエンで希釈し、固形分約20%、粘度約6500mPa・sの高分子量アクリル系共重合体溶液を得た。
【0132】
得られた高分子量アクリル系共重合体は、ガラス転移点(Tg)約−55℃、溶解性パラメータ(SP)約9.1、重量平均分子量(Mw)約120万、重量平均分子量(Mn)と数平均分子量の比(Mw/Mn)約6.7及びマーク−ホーインクプロットの勾配値(α)0.75を有していた。
【0133】
製造例2〜3
製造例1において、初期反応温度を65℃から70℃に変更すると共に、初期AIBNの添加量をそれぞれ適宜増量した以外は製造例1と同様にして、高分子量アクリル系共重合体の溶液をそれぞれ得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度並びに、該共重合体のTg、SP、Mw、Mw/Mn及び勾配値(α)の値を表1に示す。
【0134】
製造例4〜8
製造例1において、単量体としてBA 99重量部及びAA1重量部を用いる代わりに、表1に示される単量体を用いる以外は製造例1と同様にして、高分子量アクリル系共重合体の溶液をそれぞれ得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度、並びに、該共重合体のTg、SP、Mw、Mw/Mn及び勾配値(α)を表1に示す。
【0135】
なお表1における単量体の略号は以下のとおりである。
EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
AA:アクリル酸
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
【0136】
【表1】
Figure 2004002782
【0137】
低分子量アクリル系共重合体 (B) の製造
製造例11
BA 36重量部、メチルアクリレート〔MA;BAに対する共重合性比(1/γMA/BA)=(kpBA・MA/kpMA・MA)=0.738〕20重量部、n−ブチルメタクリレート〔nBMA;BAに対する共重合性比(1/γnBMA/BA)=(kpBA・nBMA/kpnBMA・nBMA)=0.395〕44重量部、トルエン350重量部及びAIBN 0.5重量部を反応容器に入れ、該反応容器の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌下に窒素雰囲気中で、該反応容器を90℃に昇温させて6時間反応させた。その後、EAc 30重量部にAIBN 1.0重量部を溶解させた溶液を1時間かけて滴下し、さらに2時間反応させた。反応後、トルエンで希釈し、固形分約20重量%、粘度約20mPa・sの低分子量アクリル系共重合体の溶液を得た。
【0138】
得られた低分子量アクリル系共重合体は、ガラス転移点(Tg)約−15℃、溶解性パラメータ(SP)約9.1及び重量平均分子量(Mw)約9万を有していた。
【0139】
製造例12〜14
製造例11において、製造例12では初期AIBNの添加量を適宜増量し、製造例13及び製造例14では初期トルエンの添加量をそれぞれ適宜減量した以外は製造例11と同様にして、低分子量アクリル系共重合体の溶液をそれぞれ得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度並びに、該共重合体のTg、SP及びMwの値を表2に示す。
【0140】
製造例15〜22
製造例11において、単量体としてBA 36重量部、メチルアクリレート(MA)20重量部及びn−ブチルメタクリレート(nBMA)44重量部を用いる代わりに、表2に示される単量体を用いる以外は製造例11と同様にして、低分子量アクリル系共重合体の溶液をそれぞれ得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度並びに、該共重合体のTg、SP及びMwの値を表2に示す。
【0141】
なお表2における単量体の略号は以下のとおりである。
BA:ブチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート〔(1/γMMA/BA)=0.407〕
EMA:エチルメタクリレート〔(1/γEMA/BA)=0.445〕
nBMA:n−ブチルメタクリレート〔(1/γnBMA/BA)=0.395〕
iBMA:i−ブチルメタクリレート〔(1/γiBMA/BA)=0.396〕
tBMA:t−ブチルメタクリレート〔(1/γtBMA/BA)=0.432〕
MA:メチルアクリレート〔(1/γMA/BA)=0.738〕
EA:エチルアクリレート〔(1/γEA/BA)=0.786〕
【0142】
【表2】
Figure 2004002782
【0143】
偏光フィルム用感圧接着剤組成物の作製
実施例1
成分(A)として、製造例1で得られた高分子量アクリル系共重合体溶液500重量部(高分子量アクリル系共重合体として約100重量部)を用い、また成分(B)として、製造例11で得られた低分子量アクリル系共重合体溶液125重量部(低分子量アクリル系共重合体として約25重量部)を用いてこれらを混合し、この混合物に多官能性化合物としてイソシアナト化合物〔商品名:デュラネートE−405−80T、旭化成工業(株)製〕1.56重量部(有効成分約1.25重量部)(E−405)及び、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン〔商品名:サイラエースS810;チッソ(株)製〕(S810)0.5重量部〔成分(A)及び成分(B)の合計100重量部に対して0.4重量部〕を添加し十分に攪拌して、固形分約20.3重量%、粘度約6000mPa・sの偏光フィルム用感圧接着剤組成物の溶液を得た。
【0144】
得られた偏光フィルム用感圧接着剤組成物溶液を用い、前記に従って試験用偏光フィルムを作成し、この偏光フィルムについて前記の各種物性試験を行った。得られた感圧接着剤層の対数減衰率及びゲル分の値を表4に、各種物性試験の結果を表5に示す。
【0145】
実施例2〜8及び比較例1〜4
実施例1において、多官能性化合物(C)としてポリイソシアナト化合物「デュラネートE−405−80T」を有効成分として1.25重量部及びシランカップリング剤(C)として「サイラエースS810」を0.5重量部〔成分(A)及び成分(B)の合計100重量部に対して0.4重量部〕用いる代わりに、表3に示すように、多官能性化合物(B)の種類及び/もしくは量を変え、並びに/又は、シランカップリング剤(D)の種類及び/もしくは量を変え又はこれを用いない以外は実施例1と同様にして、偏光フィルム用感圧接着剤組成物の溶液をそれぞれ得た。これらの感圧接着剤組成物溶液を用い、以下実施例1と同様にして試験用偏光フィルムを作成し、この偏光フィルムについて前記の各種物性試験を行った。
【0146】
得られた偏光フィルム用感圧接着剤組成物の配合組成並びに、その特性値すなわち該組成物の溶液の粘度、感圧接着剤層の対数減衰率及びゲル分を表4に、偏光フィルムの各種物性試験の結果を表5に示す。
【0147】
実施例9〜12及び比較例5〜6
実施例1において、成分(B)の使用量を変え又はこれを用いず、また成分(A)及び成分(B)の合計量100重量部に対してシランカップリング剤(D)が0.4重量部となるように加減する以外は実施例1と同様にして偏光フィルム用感圧接着剤組成物の溶液を得た。
【0148】
得られた偏光フィルム用感圧接着剤組成物の配合組成及びその特性値を表3に、偏光フィルムの各種物性試験結果を表5に示す。
【0149】
実施例13〜26及び比較例7〜10
実施例1において、成分(A)として製造例1で得られた製造例1で得られた高分子量アクリル系共重合体溶液を用いると共に、成分(B)として製造例11で得られた低分子量アクリル系共重合体溶液を用いる代わりに、製造例12〜22で得られた低分子量アクリル系共重合体溶液を用い、或いは成分(B)として製造例11で得られた低分子量アクリル系共重合体溶液を用いると共に、成分(A)として製造例2〜8で得られた高分子量アクリル系共重合体溶液を用い、さらに必要に応じて、多官能性化合物(B)の種類及び/もしくは量を変える以外は実施例1と同様にして偏光フィルム用感圧接着剤組成物の溶液を得た。
【0150】
得られた偏光フィルム用感圧接着剤組成物の配合組成及びその特性値を表4に、偏光フィルムの各種物性試験結果を表5に示す。
【0151】
なお表3及び表4における多官能性化合物(C)及びシランカップリング剤(D)の略号は以下のとおりである。
E−405:「デュラネートE−405−80T」ヘキサメチレンジイソシアナト系変性体、有効成分約80重量%、旭化成工業(株)製
TSE:「デュラネートTSE−100」ヘキサメチレンジイソシアナト系変性体、有効成分約100重量%、旭化成工業(株)製
D−120N:「タケネートD−120N」水添キシリレンジイソシアナト・トリメチロールプロパンアダクト体、有効成分約75重量%、三井武田ケミカル(株)製
D−110N:「タケネートD−110N」キシリレンジイソシアナト・トリメチロールプロパンアダクト体、有効成分約75重量%、三井武田ケミカル(株)製
HLS:「コロネートHL−S」ヘキサメチレンジイソシアナト・トリメチロールプロパンアダクト体、有効成分約75重量%、日本ポリウレタン(株)製
HX:「コロネートHX」ヘキサメチレンジイソシアナト・三量体(イソシアヌレート型)、有効成分約100重量%、日本ポリウレタン(株)製
M−631:「タケネートM−631N」ヘキサメチレンジイソシアナト系変性体、有効成分50重量%、三井武田ケミカル(株)製
L:「コロネートL」トリレンジイソシアナト・トリメチロールプロパンアダクト体、有効成分約75重量%、日本ポリウレタン(株)製
N3400:「デスモジュールN3400」ヘキサメチレンジイソシアナト・二量体(ウレトジオン型)、有効成分約100重量%、住友バイエルウレタン(株)製
【0152】
TAZO:「TAZO」テトラメチロールメタン−トリス(β−アジリジニルプロピオナト)、有効成分約100重量%、相互薬工(株)製
TAZM:「TAZM」トリメチロールプロパン−トリス(β−アジリジニルプロピオナト)、有効成分約100重量%、相互薬工(株)製
TET−C:「TETRAD−C」1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、有効成分約100重量%、三菱瓦斯化学(株)製
TET−X:「TETRAD−X」N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、有効成分約100重量%、三菱瓦斯化学(株)製
【0153】
S810:「サイラエースS810」γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、チッソ(株)製
S530:「サイラエースS530」β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、チッソ(株)製
S510:「サイラエースS510」γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、チッソ(株)製
【0154】
【表3】
Figure 2004002782
【0155】
【表4】
Figure 2004002782
【0156】
【表5】
Figure 2004002782
【0157】
【発明の効果】
本発明の偏光フィルム用感圧接着剤組成物は、反応性官能基を含有する特定の高分子量アクリル系共重合体(A)、少なくとも3種の特定の単量体の組み合わせから形成される低分子量アクリル系共重合体 (B)、及び、該(A)成分の反応性官能基と反応しうる多官能性化合物(C)を必須成分として含有してなるものである。
【0158】
このような構成を有することによって本発明の偏光フィルム用感圧接着剤組成物は、剥がれ、気泡及び白ヌケ現象の発生を十分に防止することができ、且つリワーク性及びリサイクル性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の感圧接着剤組成物からなる感圧接着剤層を有する本発明の偏光フィルムの一例を示す断面図である。
【図2】図2は、白ヌケ現象の評価試験に用いられる装置の概念図である。
【図3】図3は、白ヌケ現象の評価試験における測定点を示す概念図である。
【符号の説明】
1  偏光フィルム
2  偏光ベースフィルム
2a 偏光子
2b,2c 保護層
3  感圧接着剤層
4  剥離紙
5  簡易高度測定装置
6  光源
7  拡散板
8  輝度計
9  ガラス板
10 試験サンプル
11 遮光板

Claims (17)

  1. 下記(A)〜(C):
    (A)反応性官能基を含有し、重量平均分子量が90〜250万、ガラス転移温度(Tg)−45℃以下で、且つ溶解性パラメータ(SP)8.7〜9.3の範囲である高分子量アクリル系共重合体 100重量部に対して;
    (B)重量平均分子量が5〜20万、ガラス転移温度(Tg)−40〜0℃の範囲で、且つ溶解性パラメータ(SP)8.7〜9.3の範囲であって、下記単量体(b−1)〜(b−3)、
    (b−1)下記一般式(1)、
    C=CHCOOR           (1)
    (ここでRは、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
    で示され、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステル、
    (b−2)上記単量体(b−1)との共重合性が比較的小さい単量体、及び
    (b−3)上記単量体(b−1)との共重合性が比較的大きい単量体、
    を共重合してなる低分子量アクリル系共重合体 5〜100重量部;並びに
    (C)上記(A)成分の反応性官能基と反応して架橋構造を形成しうる官能基を2つ以上含有する多官能性化合物 0.001〜10重量部;
    を必須成分として含有してなることを特徴とする偏光フィルム用感圧接着剤組成物。
  2. 高分子量アクリル系共重合体(A)及び低分子量アクリル系共重合体(B)が、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を、それぞれのアクリル系共重合体に基づいて合計50重量%以上含有してなるものである請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  3. 高分子量アクリル系共重合体(A)が、下記単量体(a−1)〜(a−3)、
    (a−1)下記一般式(1)、
    C=CHCOOR           (1)
    (ここでRは、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
    で示され、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステル 67.5〜99.5重量%、
    (a−2)分子内にカルボキシル基を有する単量体 0.5〜2.5重量%、
    (a−3)上記単量体(a−1)及び(a−2)と共重合可能で、該単量体(a−1)及び(a−2)以外の共単量体 0〜30重量%、
    〔但し、単量体(a−1)〜(a−3)の合計を100重量%とする〕
    を共重合してなるものである請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  4. 高分子量アクリル系共重合体(A)のマーク・ホーインクプロットの勾配(α)の値が0.3〜1.5の範囲である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  5. 低分子量アクリル系共重合体(B)と高分子量アクリル系共重合体(A)との溶解性パラメータの差(ΔSP=SP−SP)が0.5以下である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  6. 低分子量アクリル系共重合体(B)が、多官能性化合物(C)の官能基と反応して架橋構造を形成しうる反応性官能基を含まない請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  7. 単量体(b−1)との共重合性が比較的小さい単量体(b−2)が該単量体(b−1)との共重合性比(1/γb−2/b−1)0.5未満の単量体であり、且つ単量体(b−1)との共重合性が比較的大きい単量体(b−3)が該単量体(b−1)との共重合性比(1/γb−3/b−1)0.5以上の単量体である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  8. 単量体(b−1)がブチルアクリレートである請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  9. 単量体(b−2)がメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート及びt−ブチルメタクリレートよりなる群から選ばれる請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  10. 単量体(b−3)がメチルアクリレート、エチルアクリレートよりなる群から選ばれる請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  11. 上記(C)成分がポリイソシアナト化合物、ポリアジリジン化合物及び/又はポリエポキシ化合物を含む請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  12. さらにシランカップリング剤(D)を含有する請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  13. シランカップリング剤(D)がメルカプト基及び脂環式エポキシ基含有シランカップリング剤から選ばれる請求項12に記載の感圧接着剤組成物。
  14. シランカップリング剤(D)の含有量が高分子量アクリル系共重合体(A)及び低分子量アクリル系共重合体(B)の合計100重量部に対して0.01〜2重量部の範囲である請求項12又は13に記載の感圧接着剤組成物。
  15. 感圧接着剤組成物から形成される感圧接着剤層の、架橋構造が形成された後のゲル分が、その重量に基づいて40〜80重量%である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  16. 感圧接着剤組成物から形成される感圧接着剤層の、30〜100℃における対数減衰率が0.1〜0.5である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  17. 請求項1〜16の何れか1項に記載の感圧接着剤組成物から形成される感圧接着剤層が、偏光ベースフィルムの少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とする偏光フィルム。
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