JP2003309262A - 炭化珪素半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置およびその製造方法

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JP2003309262A
JP2003309262A JP2002114846A JP2002114846A JP2003309262A JP 2003309262 A JP2003309262 A JP 2003309262A JP 2002114846 A JP2002114846 A JP 2002114846A JP 2002114846 A JP2002114846 A JP 2002114846A JP 2003309262 A JP2003309262 A JP 2003309262A
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silicon carbide
impurity concentration
channel layer
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JP2002114846A
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Takeshi Endo
剛 遠藤
Yuichi Takeuchi
有一 竹内
Nobuyuki Oya
信之 大矢
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な構成にてチャネル移動度を向上させ、オ
ン抵抗の低減を図ることができる炭化珪素半導体装置お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】n+型炭化珪素基板1の上に、n-型ドリフ
ト層2が形成され、このドリフト層2の表層部にp型ベ
ース領域3a,3bが形成されるとともに当該ベース領
域3a,3bの表層部にn+型ソース領域4a,4bが
形成され、さらに、ベース領域3a,3bの表面部にお
いてソース領域4a,4bとドリフト層2を繋ぐように
チャネル層5が配置され、チャネル層5に対しゲート絶
縁膜7を介してゲート電極8を配している。チャネル層
5における少なくともゲート絶縁膜7と接する部位での
不純物濃度は1×1017cm-3以上となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素半導体装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体材料として炭化珪素を用いた縦型
MOSFETにおいて、特開平10−308510号公
報や特開平9−74193号公報にはオン抵抗を低減さ
せた構造が提案されている。
【0003】SiC−MOSFETは、SiCとゲート
酸化膜との界面における界面準位密度が大きいため、チ
ャネル移動度が低下し、チャネル抵抗が増加するという
問題を抱えている。そこで、チャネル移動度を更に向上
させ、低オン抵抗化を図ったデバイスが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような背
景の下になされたものであり、新規な構成にてチャネル
移動度を向上させ、オン抵抗の低減を図ることができる
炭化珪素半導体装置およびその製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一般的に、半導体材料に
ドープする不純物濃度を濃くするとバルク移動度は低下
すると言われているが、本発明者らは炭化珪素を半導体
材料とした場合においてエピタキシャル膜よりなるチャ
ネル層での不純物濃度を濃くすることによりチャネル移
動度が向上することを見出した。
【0006】つまり、本発明者らは、実験により、チャ
ネルエピ膜の不純物濃度を変化させ、チャネル移動度の
変化を調べた結果、チャネルエピ膜の不純物濃度を高く
することにより、オン抵抗が飛躍的に低減することを見
出した。
【0007】図1において横軸には「チャネルエピ膜の
不純物濃度」をとり、縦軸には、「(チャネルエピ膜の
不純物濃度が1×1016cm-3の時の同膜の抵抗)/
(各濃度での抵抗)」をとっている。図1から、チャネ
ルエピ膜の不純物濃度を高くすることにより、抵抗が大
幅に低減することが明らかとなった。
【0008】さらに、7×1017cm-3以上にすると、
特に顕著にオン抵抗が低減する。ここで、不純物濃度を
高くしただけであると、閾値電圧が低下し、ノーマリー
オンとなってしまうため、ノーマリーオフにするため、
チャネルエピ膜の厚さを薄くする。ノーマリーオフ型が
得られるための不純物濃度に対するチャネルエピ膜の条
件としては、図2においてハッチングを付した領域す
る。即ち、チャネル層の不純物濃度を「X」、チャネル
層の膜厚を「Y」としたとき、Y≦9.2×10 3・X
-0.5を満足させる。
【0009】これにより、ノーマリーオフ型で理論耐圧
(例えば耐圧1000ボルト)が得られる。また、デバ
イス作製上、ゲート酸化時のチャネルエピ膜の喪失量と
エピ膜厚の制御性を加味すると、1×1019cm-3程度
がデバイス作製上限界となる。
【0010】これらのことを考慮して、請求項1,14
に記載の発明によれば、不純物濃度増加により、チャネ
ル移動度を向上させオン抵抗を低減することができる。
請求項4,10,17,23に記載の発明によれば、制
御性の点から好ましいものとなる。
【0011】請求項5,12,18,25に記載の発明
によれば、ノーマリーオフ型で高耐圧化が得られる。請
求項6,7,8,9,19,20,21,22に記載の
発明によれば、不純物濃度増加によりオン抵抗の低減を
図ることができるとともにチャネル層の結晶性が良好と
なる。
【0012】請求項26に記載の炭化珪素半導体装置の
製造方法によれば、請求項8に記載の炭化珪素半導体装
置が得られる。また、熱拡散によりチャネル部が高濃度
化できる。さらに、熱処理温度と時間を制御すれば、高
濃度層の膜厚と濃度が容易に制御できる。
【0013】請求項27に記載の炭化珪素半導体装置の
製造方法によれば、請求項9に記載の炭化珪素半導体装
置が得られる。請求項28に記載の炭化珪素半導体装置
の製造方法によれば、請求項8に記載の炭化珪素半導体
装置が得られる。また、イオン化していないので、ゲー
ト絶縁膜にダメージを与えず、効率的に窒素を導入でき
る。
【0014】請求項29に記載の炭化珪素半導体装置の
製造方法によれば、請求項9に記載の炭化珪素半導体装
置が得られる。請求項30に記載の炭化珪素半導体装置
の製造方法によれば、請求項21に記載の炭化珪素半導
体装置が得られる。また、熱拡散によりチャネル部が高
濃度化できる。さらに、熱処理温度と時間を制御すれ
ば、高濃度層の膜厚と濃度が容易に制御できる。
【0015】請求項31に記載の炭化珪素半導体装置の
製造方法によれば、請求項22に記載の炭化珪素半導体
装置が得られる。請求項32に記載の炭化珪素半導体装
置の製造方法によれば、請求項21に記載の炭化珪素半
導体装置が得られる。また、イオン化していないので、
ゲート絶縁膜にダメージを与えず、効率的に窒素を導入
できる。
【0016】請求項33に記載の炭化珪素半導体装置の
製造方法によれば、請求項22に記載の炭化珪素半導体
装置が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明
する。
【0018】図3に、本実施の形態におけるnチャネル
タイプのプレーナ型MOSFET(縦型パワーMOSF
ET)の断面図を示す。本デバイスは、インバータや車
両用オイルネータのレクチファイヤに適用すると好適な
ものである。
【0019】n+型炭化珪素基板1は、六方晶系炭化珪
素が用いられている。なお、n+型炭化珪素基板1は、
立方晶でもよい。また、n+型炭化珪素基板1は上面を
主表面1aとし、主表面の反対面である下面を裏面1b
としている。このn+型炭化珪素基板1の主表面1a上
にn-型ドリフト層2が形成されている。このn-型ドリ
フト層2は、エピタキシャル膜よりなり、かつ、基板1
よりも低い不純物濃度である。以下、本例では第1導電
型をn型とし、第2導電型をp型としている。
【0020】ここで、n+型炭化珪素基板1およびn-
ドリフト層2の上面を(0001)Si面としている。
あるいは、n+型炭化珪素基板1およびn-型ドリフト層
2の上面を(112バー0)a面としてもよい。つま
り、(0001)Si面を用いると低い表面状態密度が
得られ、(1120)a面を用いると、低い表面状態密
度で、かつ、完全にらせん転位の無い結晶が得られる。
【0021】n-型ドリフト層2の表層部における所定
領域には、所定深さを有するp型ベース領域3aおよび
p型ベース領域3bが離間して形成されている。また、
p型ベース領域3aの表層部における所定領域には、ベ
ース領域3aよりも浅いn+型ソース領域4aが、ま
た、p型ベース領域3bの表層部における所定領域に
は、ベース領域3bよりも浅いn+型ソース領域4bが
形成されている。さらに、n+型ソース領域4aとn+
ソース領域4bとの間におけるn-型ドリフト層2およ
びp型ベース領域3a,3bの表面部にはn型チャネル
層5が延設されている。つまり、ベース領域3a,3b
の表面部においてソース領域4a,4bとn -型ドリフ
ト層2とを繋ぐようにn-型チャネル層5が配置されて
いる。このn-型チャネル層5は、エピタキシャル膜よ
りなり、このエピタキシャル膜の結晶が4H,6H,3
Cのものを用いている。なお、エピタキシャル層は下地
の基板に関係なく各種の結晶を形成できるものである。
【0022】一方、p型ベース領域3a,3b、n+
ソース領域4a,4bの表面部には凹部6a,6bが形
成されている。チャネル層5の上面およびn+型ソース
領域4a,4bの上面にはゲート絶縁膜(シリコン酸化
膜)7が形成されている。さらに、ゲート絶縁膜7の上
にはポリシリコンゲート電極8が形成されている。ポリ
シリコンゲート電極8は絶縁膜9にて覆われている。絶
縁膜9としてLTO(Low Temperature Oxide)膜が用
いられている。その上にはソース電極10が形成され、
ソース電極10はn+型ソース領域4a,4bおよびp
型ベース領域3a,3bと接している。また、n +型炭
化珪素基板1の裏面1bには、ドレイン電極11が形成
されている。
【0023】ここで、前述のチャネル層5に関して詳し
くは図4に示すようになっている。図4の左側にはチャ
ネル層5およびその周辺部での縦断面を示し、図4の右
側にはチャネル層5の膜厚方向(A−A線)での不純物
濃度分布を示す。図4において、チャネル層5の膜厚方
向での不純物濃度を一定としており、具体的には、9×
1017cm-3である。このように、チャネル層5におけ
る少なくともゲート絶縁膜7と接する部位での不純物濃
度を1×1017cm-3以上にすることにより、不純物濃
度の増加によりチャネル移動度を向上させオン抵抗を低
減することができる。特に、チャネル層5における少な
くともゲート絶縁膜7と接する部位での不純物濃度を7
×1017cm-3以上とすると、さらに低オン抵抗化を図
ることができる。また、チャネル層5の不純物濃度は1
×1019cm-3以下にするのがよく、こうすることによ
り、制御性の点から好ましいものとなる。
【0024】また、図4に示すように、チャネル層5の
膜厚は60nmである。このチャネル層5の濃度と膜厚
の関係は、図2のハッチング領域に在り、条件(不等
式)を満たしている。このように、チャネル層5の不純
物濃度を「X」、チャネル層5の膜厚を「Y」としたと
き、 Y≦9.2×103・X-0.5 を満足している。こうすることにより、ノーマリーオフ
型で高耐圧化が得られる。
【0025】次に、パワープレーナ型MOSFETの製
造工程を、図5,6を用いて説明する。まず、図5
(a)に示すように、n型4Hまたは6Hまたは3C−
SiC基板、即ち、n+型炭化珪素基板1を用意する。
ここで、n+型炭化珪素基板1はその厚さが400μm
であり、主表面1aが(0001)Si面、または、
(1120)a面である。この基板1の上(主表面1
a)に厚さ5μmのn-型ドリフト層2をエピタキシャ
ル成長する。本例では、n-型ドリフト層2は下地の基
板(1)と同様の結晶が得られ、n型4Hまたは6Hま
たは3C−SiC層となる。
【0026】そして、図5(b)に示すように、n-
ドリフト層2の上の所定領域にLTO膜20を配置し、
これをマスクとしてAl(アルミニウム)をイオン注入
して、ドリフト層2の表層部にp型ベース領域3a,3
bを形成する。このときのイオン注入条件は、温度が7
00℃で、ドーズ量が1×1016cm-2である。
【0027】さらに、LTO膜20を除去した後、図5
(c)に示すように、n-型ドリフト層2およびベース
領域3a,3bの上にn型のチャネル層5をエピタキシ
ャル成長する。このときの成長条件は、ソースガスとし
てSiH4,C38,H2を用い、成長温度を1600℃
とする。
【0028】引き続き、図5(d)に示すように、チャ
ネル層5の上の所定領域にLTO膜21を配置し、これ
をマスクとしてN2をイオン注入して、ベース領域3
a,3bの表層部にn+型ソース領域4a,4bを形成
する。このときのイオン注入条件は、700℃、ドーズ
量は1×1016cm-2である。
【0029】そして、LTO膜21を除去した後、図6
(a)に示すように、フォトレジスト法を用いてチャネ
ル層5の上の所定領域にLTO膜22を配置し、これを
マスクとしてRIEによりn+型ソース領域4a,4b
の一部およびp型ベース領域3a,3bをエッチングし
て凹部6a,6bを形成する。このとき、RIEガスと
してCF4+O2を用いる。
【0030】さらに、LTO膜22を除去した後、図6
(b)に示すように、基板の上にウェット酸化によりゲ
ート絶縁膜(ゲート酸化膜)7を形成する。このとき、
雰囲気温度は1080℃とする。
【0031】その後、図6(c)に示すように、ゲート
絶縁膜7の上にポリシリコンゲート電極8をLPCVD
により堆積する。このときの成膜温度は600℃とす
る。引き続き、図6(d)に示すように、ゲート絶縁膜
7の不要部分を除去した後、LTOよりなる絶縁膜9を
形成しゲート電極8を覆う。より詳しくは、成膜温度は
425℃であり、成膜後に1000℃のアニールを行
う。
【0032】そして、図3に示すように、室温での金属
スパッタリングによりソース電極10及びドレイン電極
11を配置する。また、成膜後に1000℃のアニール
を行う。
【0033】このようにして、パワープレーナ型MOS
FETが完成する。次に、このパワープレーナ型MOS
FETの作用(動作)を説明する。本MOSFETは蓄
積モードで動作するものであって、チャネル層5におい
てキャリアは、p型ベース領域3a,3bとチャネル層
5との間の静電ポテンシャルの差、及びチャネル層5と
ポリシリコンゲート電極8との間の仕事関数の差により
生じた電位によって空乏化される。ポリシリコンゲート
電極8に電圧を印加することにより、チャネル層5とポ
リシリコンゲート電極8との間の仕事関数の差により生
じる電位を変化させる。このことにより、チャネルの状
態を制御することができる。
【0034】つまり、ポリシリコンゲート電極8の仕事
関数電位を第1の仕事関数電位とし、p型ベース領域3
a,3bの仕事関数電位を第2の仕事関数電位とし、チ
ャネル層5の仕事関数電位を第3の仕事関数電位とした
とき、第1〜第3の仕事関数電位を調整して、チャネル
層5にn型のキャリアを封じ込めるように設定すること
ができる。即ち、第1〜第3の仕事関数電位を、ポリシ
リコンゲート電極8がドレイン領域に対してゼロ電位に
あるとき、チャネル層5にn型のキャリア(電子)を封
じ込めるべく設定する。つまり、チャネル層5を空乏化
する。
【0035】動作説明に戻り、オフ状態において、空乏
領域は、p型ベース領域3a,3b及びポリシリコンゲ
ート電極8により作られた電界によって、チャネル層5
内に形成される。この状態からポリシリコンゲート電極
8に対して正のバイアスを供給すると、ゲート絶縁膜
(SiO2)7とチャネル層5との間の界面においてn+
型ソース領域4a,4bからn-型ドリフト領域2方向
へ延びるチャネル領域が形成され、オン状態にスイッチ
ングされる。このとき、電子は、n+型ソース領域4
a,4bからチャネル層5を経由しチャネル層5からn
-型ドリフト層2に流れる。そして、n-型ドリフト層2
に達すると、電子は、n+型炭化珪素基板1(n+ドレイ
ン)へ垂直に流れる。
【0036】このようにゲート電極8に正の電圧を印加
することにより、チャネル層5に蓄積型チャネルを誘起
させ、ソース電極10とドレイン電極11との間にキャ
リアが流れる。
【0037】これまで述べた本実施の形態での構成の他
にも、上述した例では、nチャネル縦型MOSFETに
適用した場合について説明したが、図3においてp型と
n型を入れ替えた、pチャネル縦型MOSFETにおい
ても、同じ効果が得られる。
【0038】また、チャネル層5の代わりにイオン注入
によるSiC層を用いてもよい。即ち、図5(c)にお
いて基板の上にエピタキシャル層5を形成したが、この
ときに、図7に示すように、SiC基板に対しN2をイ
オン注入して基板表層部にn型チャネル層25を形成し
てもよい。
【0039】さらに、図4に代わる構成として図8に示
すようにしてもよい。つまり、チャネル層30の膜厚方
向での不純物濃度分布として、ゲート絶縁膜7から離れ
ると低濃度となる傾向を有し、かつ、ゲート絶縁膜7と
接する部位の不純物濃度が1×1017cm-3以上(より
好ましくは7×1017cm-3以上)となるように濃度勾
配を付ける。詳しくは、チャネル層30を2層構造と
し、ゲート絶縁膜7に近い第1層31では不純物濃度を
1×1017cm-3以上にするとともに、ゲート絶縁膜7
から離れた第2層32では第1層31よりも低不純物濃
度にする。具体的には、n-層32は不純物濃度が1×
1016cm-3で、厚さが100nmであり、n+層31
は不純物濃度が9×1017cm-3で、厚さが40nmで
ある。よって、不純物濃度増加によりオン抵抗の低減を
図ることができるとともにチャネル層の結晶性が良好と
なる。
【0040】ここで、チャネル層30における第1層3
1の不純物濃度を7×1017cm-3以上にするのがよ
い。また、第1層31の不純物濃度を1×1019cm-3
以下にするとよい。さらには、チャネル層30における
第2層32の不純物濃度を1×1017cm-3以下にする
と、制御性の点から好ましいものとなる。また、チャネ
ル層30における第1層31の不純物濃度を「X」、そ
の厚さを「Y」としたとき、 Y≦9.2×103・X-0.5 を満足させるようにすると、ノーマリーオフ型で高耐圧
化が得られる。
【0041】製造する際には次のようにする。図5
(c)の工程におけるn型エピ膜5を形成する代わり
に、図9(a)に示すように、n-型エピ膜35を形成
する。つまり、低濃度な不純物濃度のチャネル層形成用
エピタキシャル膜35を形成する。そして、図9(b)
に示すように、マスク材36を用いてイオン注入してベ
ース領域3a,3bの表層部にn+ソース領域4a,4
bを形成する。さらに、マスク材36を除去した後、図
9(c)に示すように、チャネル層形成用エピタキシャ
ル膜35に接するようにゲート酸化膜7を形成する。続
いて、図9(d)に示すように、原子状窒素を注入する
とともに熱処理することにより、チャネル層形成用エピ
タキシャル膜35(32)における少なくともゲート絶
縁膜7と接する部位での不純物濃度を1×1017cm-3
以上にしてn+層31を形成する。この際、イオン化し
ていないので、ゲート酸化膜7にダメージを与えず、効
率的に窒素を導入できる。つまり、イオン注入において
はゲート酸化膜7にダメージが入り信頼性の低下を招き
やすいが、それを回避することができる。ここで、原子
状窒素を注入するとともに熱処理することによりチャネ
ル層形成用エピタキシャル膜35における少なくともゲ
ート絶縁膜7と接する部位での不純物濃度を7×1017
cm-3以上にするとよい。
【0042】その後、図8のごとく、ゲート絶縁膜7の
上にゲート電極8を形成する。これに代わる手法(図9
(d)でのn+層31の形成方法)として、図9(c)
の状態からN2O雰囲気中で1200℃のアニールを行
い、ゲート酸化膜界面に高濃度n層31を形成してもよ
い。つまり、図9(a),(b)のようにn-ドリフト
層(エピタキシャル層)2およびベース領域3a,3b
の上に低濃度なn型のチャネル層形成用エピタキシャル
膜35を形成するとともにベース領域3a,3bの表層
部にソース領域4a,4bを形成する。その後、図9
(c)のようにチャネル層形成用エピタキシャル膜35
に接するようにゲート絶縁膜7を形成する。そして、N
原子を含むガスで熱処理することによりチャネル層形成
用エピタキシャル膜35における少なくともゲート絶縁
膜7と接する部位での不純物濃度を1×1017cm-3
上にする(より好ましくは7×1017cm-3以上にす
る)。この際、熱拡散によりチャネル部が高濃度化で
き、さらに、熱処理温度と時間を制御すれば、高濃度層
31の膜厚と濃度が容易に制御できる。なお、n+層3
1を形成する際に、p型コンタクト部(ベース層3a,
3b)がn型に反転しないように制御して行う。また、
雰囲気ガスはN2Oの他にも、N2,NH3,NOを使用
してもよい。その後、図8のごとく、ゲート絶縁膜7上
にゲート電極8を形成する。
【0043】このようにして、エピ成長界面は結晶性が
悪いため、図9(a)において1×1016cm-3と低濃
度で膜厚が140nmのバッファー層35を形成した後
に、図9(d)において表面側に高濃度層31を形成す
る。その結果、2層構造のチャネル層が得られる。
【0044】以上のごとく、エピ成長界面は、結晶性が
悪いため、良質な高濃度の薄膜層が形成されにくい。そ
のため、1×1016cm-3、140nmの低濃度層35
(32)を形成した後、高濃度層31を形成すると、効
果的である。低濃度層32は、膜厚制御の公差が緩いた
め、デバイス特性にはほとんど影響しない。
【0045】また、図8のようなチャネル層30を2層
構造とする際の製造方法として、エピ成長時のドーパン
トの添加量を変えることにより、n-エピ層32の上に
+エピ層31を形成してもよい。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0046】図10に、本実施の形態における縦型パワ
ーMOSFETの断面構成を示す。n+型SiC基板4
0の上にn-型ドリフト層(エピ膜)41が形成され、
ドリフト層41の表層部にp型ベース領域42a,42
bが形成されている。さらに、ベース領域42a,42
bの表層部にはn+型ソース領域43a,43bが形成
されている。また、n+型ソース領域43a,43bの
上面にチャネル層44が形成されている。ここで、n+
型ソース領域43a,43bとチャネル層44とのオー
バラップとして距離Bが確保された構成となっている。
【0047】また、チャネル層44の上にはゲート酸化
膜(ゲート絶縁膜)45を介してゲート電極46が形成
され、その上には絶縁膜47を介してソース電極48が
形成されている。また、基板40の裏面にはドレイン電
極49が形成されている。ここで、前述のチャネル層4
4の端部がゲート電極46の端部よりも外側に距離Lだ
け張り出している。
【0048】さらに、ゲート電極46のチャネル長方向
における幅が、隣り同士のn+型ソース領域43a,4
3bの間の距離よりも十分に長くなるように設定されて
いる。具体的には、n+型ソース領域43a,43bの
うちJ−FET部側の端部からゲート電極46の端部ま
でが距離Cだけ見込めるような構成となっている。
【0049】このような構成により、n+型ソース領域
43a,43bとチャネル層44とのオーバラップが十
分に確保され、ゲート電極46とチャネル層44との間
のゲート酸化膜45が均一な膜厚となるようにされてい
る。
【0050】次に、縦型パワーMOSFETの製造工程
について説明する。図11(a)に示すように、裏面側
にドレイン電極49が備えられたn+型基板40を用意
したのち、n+型基板40の上にエピタキシャル成長に
よりn-型ドリフト層41を形成する。続いて、n-型ド
リフト層41の表層部にp型ベース領域42a,42b
を形成したのち、さらにp型ベース領域42a,42b
の表層部にn+型ソース領域43a,43bを形成す
る。
【0051】そして、図11(b)に示すように、n+
型ソース領域43a,43b及びp型ベース領域42
a,42bの表面を含むn-型ドリフト層41の表面上
にn型チャネル層44をエピタキシャル成長させる。ド
ーパント濃度は1×1017cm -3以上、特に7×1017
cm-3以上にすると、さらに低オン抵抗化することがで
きる。また、エピ成長界面は結晶性が悪いため、図8,
9において説明したように低濃度(1×1016cm-3
で厚さが140nmのバッファー層を形成し、表面側に
高濃度層(1×1017cm-3以上、より好ましくは7×
1017cm-3以上)を形成してもよい。このように形成
したチャネル層44は、その表面がイオン注入等による
ダメージを受けていない表面状態の良好な膜となってい
る。
【0052】さらに、図12(a)に示すように、熱酸
化により、チャネル層44の表面にゲート酸化膜45を
形成する。このとき、上述したように、チャネル層44
が表面状態の良好な膜となっていることから、ゲート酸
化膜45の膜厚は均一となり、部分的に増速酸化された
りしない。
【0053】そして、図12(b)に示すように、ゲー
ト酸化膜45の表面に、不純物がドープされたポリシリ
コンを成膜したのち、そのポリシリコンをパターニング
することでゲート電極46を形成する。そして、ゲート
電極46を覆うようにLTO膜等からなる層間絶縁膜4
7を形成したのち層間絶縁膜47及びゲート酸化膜45
を選択的にエッチングすることで、ソースコンタクトと
なるコンタクトホールを形成する。そして、図10に示
すように、チャネル層44のうち、n+型ソース領域4
3a,43bの上に形成され部分を選択的にエッチング
する。このとき、チャネル層44をエッチングするため
のフォトマスクとして、チャネル層44の端部がゲート
電極46の端部よりも張り出すような形状となるものを
用いる。そして、層間絶縁膜47の上に電極を成膜した
のち、この電極をパターニングすることでソース電極4
8を配置し、図10に示す縦型パワーMOSFETが完
成する。
【0054】以上説明した縦型パワーMOSFETにお
いては、n+型ソース領域43a,43bの表面が熱酸
化されないようにし、チャネル層44のみを熱酸化する
ことでゲート酸化膜45を形成しているため、ゲート酸
化膜45の膜厚を均一なものにできる。このため、n+
型ソース領域43a,43bが増速酸化されることによ
るチャネル抵抗の高抵抗化を防止をすることができる。
また、n+型ソース領域が増速酸化されることによるソ
ース抵抗の高抵抗化を防止することもできる。
【0055】また、上記縦型パワーMOSFETにおい
ては、n+型ソース領域43a,43bの上にチャネル
層44を形成することによって、n+型ソース領域43
a,43bとチャネル層44との接触面積を確保するよ
うにしている。このため、n +型ソース領域43a,4
3bとチャネル層44との接触抵抗の高抵抗化を防止す
ることも可能である。
【0056】なお、第2の実施の形態においてこれまで
説明してきた以外にもチャネル層44の不純物濃度・膜
厚・製造方法について第1の実施形態でのチャネル層
5,30と同様な構造・方法を採用してもよい。 (第3の実施の形態)次に、第3の実施の形態を説明す
る。
【0057】図13に、本実施の形態におけるnチャネ
ルタイプのトレンチゲート型パワーMOSFET(縦型
パワーMOSFET)の断面図を示す。n+型炭化珪素
基板60は、六方晶系炭化珪素が用いられている。この
+型炭化珪素基板60上に、n-型炭化珪素層(ドリフ
ト層)61とp型炭化珪素層(ベース層)62が順に形
成されている。ドリフト層61とベース層62はエピタ
キシャル膜よりなり、ドリフト層61は基板60よりも
低い不純物濃度である。このように、n+型炭化珪素基
板60とn-型ドリフト層61とp型ベース層62とか
ら単結晶炭化珪素よりなる半導体基板が構成されてお
り、その上面を略(0001)カーボン面としている。
【0058】p型ベース層62の表層部における所定領
域には、n+型ソース領域63が形成されている。さら
に、p型ベース層62の表層部におけるn+型ソース領
域63の外周側の所定領域には、低抵抗p型炭化珪素領
域64が形成されている。
【0059】また、n+型ソース領域63の所定位置に
トレンチ65が形成され、このトレンチ65は、n+
ソース領域63とp型ベース層62を貫通しn-型ドリ
フト層61に達している。トレンチ65は半導体基板の
表面に垂直な側面65aおよび半導体基板の表面に平行
な底面65bを有する。
【0060】トレンチ65の側面65aにおけるn+
ソース領域63とp型ベース層62とn-型ドリフト層
61の表面には、n型炭化珪素薄膜層(チャネル層)6
6が延設されている。n型チャネル層66の結晶型は、
p型ベース層62の結晶型と同じであり、例えば6H−
SiCとなっている。この他にも4H−SiCであった
り、3C−SiCであってもよい。また、n型チャネル
層66の不純物濃度は、n+型炭化珪素基板60および
+型ソース領域63の不純物濃度より低くなってい
る。
【0061】さらに、トレンチ65内でのn型チャネル
層66の表面とトレンチ65の底部65bにはゲート絶
縁膜67が形成されている。トレンチ65内におけるゲ
ート絶縁膜67の内側にはゲート電極68が充填されて
いる。
【0062】ここで、前述のチャネル層66における少
なくともゲート絶縁膜67と接する部位での不純物濃度
は1×1017cm-3以上、より好ましくは7×1017
-3以上である。このような不純物濃度とすることによ
って不純物濃度の増加によりチャネル移動度を向上させ
オン抵抗を低減することができる。また、図4を用いて
説明したように、チャネル層66の膜厚方向での不純物
濃度を一定とし、チャネル層66の不純物濃度を1×1
19cm-3以下にすることにより制御性の点から好まし
いものとなる。また、チャネル層66の不純物濃度を
「X」、チャネル層66の膜厚を「Y」としたとき、 Y≦9.2×103・X-0.5 を満足するようにしている。よって、ノーマリーオフ型
で高耐圧化が得られる。
【0063】一方、図13のゲート電極68は絶縁膜6
9にて覆われている。n+型ソース領域63の表面およ
び低抵抗p型炭化珪素領域64の表面にはソース電極7
0が形成されている。また、n+型炭化珪素基板60の
裏面にはドレイン電極71が形成されている。
【0064】このトレンチゲート型パワーMOSFET
の動作としては、ゲート電極68に正の電圧を印加する
ことにより、n型チャネル層66に蓄積型チャネルを誘
起させ、ソース電極70とドレイン電極71との間にキ
ャリアが流れる。
【0065】このように、MOSFET動作モードとし
てチャネルを誘起させる蓄積モードとすることで、導電
型を反転させてチャネルを誘起する反転モードのMOS
FETに比べ、低いゲート電圧でMOSFETを動作さ
せることができるとともに、チャネル移動度を大きくす
ることができ、低電流損失で閾値電圧が低くなる。ま
た、ゲート電圧無印加時のソース・ドレイン電流制御
は、p型ベース層62(ボディー層)とn型チャネル層
66により形成されるpn接合の空乏層の広がりにより
行う。ノーマリオフ特性はn型チャネル層66を完全に
空乏化することで達成することができる。さらに、p型
ベース層62(ボディー層)とn-型ドリフト層61は
pn接合を形成するため、素子の耐圧はソース電極に固
定されたp型ベース層62とn-型ドリフト層61との
間のpn接合のアバランシェブレークダウンで決まるよ
うに設計できるため、破壊耐量を大きくできる。
【0066】また、p型ベース層62の不純物濃度とn
型チャネル層66の不純物濃度とを独立に制御すること
で、高耐圧、低電流損失で閾値電圧が低いMOSFET
となる。ソース・ドレイン間耐圧は、n-型ドリフト層
61、p型ベース層62の不純物濃度及びその膜厚で主
に支配されるので、p型ベース層62の不純物濃度を上
げて、高抵抗半導体層61と半導体領域63に挟まれた
距離dを短くすることができ、高耐圧性を維持しなが
ら、チャネル長を短くすることができる。そのため、チ
ャネル抵抗を飛躍的に低減でき、ソース・ドレイン間の
オン抵抗を低減することができる。
【0067】次に、トレンチゲート型パワーMOSFE
Tの製造工程を、図14,15,16を用いて説明す
る。まず、図14(a)に示すように、n+型炭化珪素
基板60を用意し、その上にn-型ドリフト層61をエ
ピタキシャル成長し、さらにn-型ドリフト層61上に
p型ベース層62をエピタキシャル成長する。このよう
にして、n+型炭化珪素基板60とn-型ドリフト層61
とp型ベース層62とからなる半導体基板が形成され
る。
【0068】次に、図14(b)に示すように、p型ベ
ース層62の表層部の所定領域に、n+型ソース領域6
3を、例えば窒素のイオン注入により形成する。さら
に、p型ベース層62の表層部の別の所定領域に低抵抗
p型炭化珪素領域64を、例えばアルミニウムのイオン
注入により形成する。
【0069】そして、図14(c)に示すように、n+
型ソース領域63とp型ベース層62を貫通してn-
ドリフト層61に達するトレンチ65を形成する。さら
に、図15(a)に示すように、トレンチ65の側面6
5aにn型チャネル層66を形成する。つまり、トレン
チ65の内壁におけるn+型ソース領域63、p型ベー
ス層62およびn-型ドリフト層61の表面に延びるn
型チャネル層66を形成する。ここで、溝側面65aの
n型チャネル層66の不純物濃度は、n+型炭化珪素基
板60およびn+型ソース領域63の不純物濃度より低
く設定する。より具体的なn型チャネル層66の形成方
法としては、CVD法により、6H−SiCの上に6H
−SiCのチャネル層66をホモエピタキシャル成長さ
せる。
【0070】引き続き、図15(b)に示すように、半
導体基板およびn型チャネル層66の表面とトレンチ6
5の底面65bにゲート絶縁膜67を形成する。そし
て、図15(c)に示すように、トレンチ65内のゲー
ト絶縁膜67の内側にゲート電極68を充填する。さら
に、図16に示すように、ゲート電極68の上面に絶縁
膜69を形成する。その後、図13に示すように、絶縁
膜69上を含むソース領域63と低抵抗p型炭化珪素領
域64の上に、ソース電極70を形成する。また、n+
型炭化珪素基板60の裏面に、ドレイン電極71を形成
して、トレンチゲート型パワーMOSFETが完成す
る。
【0071】このように、トレンチ65の側面65aに
n型チャネル層66を配置し、このn型チャネル層66
に対しゲート絶縁膜67を介してゲート電極68を設け
たので、n型チャネル層66をp型ベース層62とは独
立して濃度調整でき、高耐圧、低電流損失で閾値電圧を
低くできる。
【0072】また、n型チャネル層66は、不純物濃度
を1×1017cm-3以上、特に、7×1017cm-3以上
の高濃度にすると、低オン抵抗化することができる。別
の例として、エピ成長界面は結晶性が悪いため、図8,
9を用いて説明したように、1×1016cm-3、厚さ1
40nmの低濃度のバッファー層35を形成し、表面側
に高濃度層(1×1017cm-3以上、より好ましくは7
×1017cm -3以上の層)を形成してもよい。つまり、
チャネル層66の膜厚方向での不純物濃度分布として、
ゲート絶縁膜67から離れると低濃度となる傾向を有
し、かつ、ゲート絶縁膜67と接する部位の不純物濃度
が1×1017cm-3以上(より好ましくは7×1017
-3以上)となるように濃度勾配を付ける。具体的に
は、チャネル層66を2層構造とし、ゲート絶縁膜67
に近い第1層では不純物濃度を1×1017cm-3以上に
するとともに、ゲート絶縁膜67から離れた第2層では
第1層よりも低不純物濃度にする。ここで、チャネル層
66における第1層の不純物濃度を7×1017cm-3
上にするとよい。また、チャネル層66における第1層
の不純物濃度を1×1019cm-3以下にすると、制御性
の点から好ましいものとなる。また、チャネル層66に
おける第2層の不純物濃度を1×1017cm-3以下にす
るとよい。また、チャネル層66における第1層の不純
物濃度を「X」、その厚さを「Y」としたとき、 Y≦9.2×103・X-0.5 を満足させる。こうすると、ノーマリーオフ型で高耐圧
化が得られる。
【0073】製造方法としては、トレンチ65の側面6
5aにおけるベース層62の表面に低濃度なn型のチャ
ネル層形成用エピタキシャル膜66を形成する。そし
て、トレンチ65内においてチャネル層形成用エピタキ
シャル膜66に接するようにゲート絶縁膜67を形成す
る。さらに、N原子を含むガスで熱処理することによ
り、チャネル層形成用エピタキシャル膜66における少
なくともゲート絶縁膜67と接する部位での不純物濃度
を1×1017cm-3以上(より好ましくは7×10 17
-3以上)にする。この際、熱拡散によりチャネル部が
高濃度化でき、さらに、熱処理温度と時間を制御すれ
ば、高濃度層の膜厚と濃度が容易に制御できる。
【0074】その後にトレンチ65内におけるゲート絶
縁膜67に接するようにゲート電極68を形成する。こ
れに代わる手法(2層構造のチャネル層の形成方法)と
しては、トレンチ65の側面65aにおけるベース層6
2の表面に低濃度なn型のチャネル層形成用エピタキシ
ャル膜66を形成した後に、トレンチ65内においてチ
ャネル層形成用エピタキシャル膜66に接するようにゲ
ート絶縁膜67を形成する。そして、原子状窒素を注入
するとともに熱処理することにより、チャネル層形成用
エピタキシャル膜66における少なくともゲート絶縁膜
67と接する部位での不純物濃度を1×1017cm-3
上(より好ましくは7×1017cm-3以上)にする。こ
の際、イオン化していないので、ゲート酸化膜67にダ
メージを与えず、効率的に窒素を導入できる。その後に
トレンチ65内におけるゲート絶縁膜67に接するよう
にゲート電極68を形成する。
【0075】また、他の2層構造のチャネル層の形成方
法としては、エピ成長時のドーパントの添加量を変える
ことによりn-エピ層の上にn+エピ層を形成する手法を
用いてもよい。
【0076】これまで述べた構成の他にも、例えば、n
+型ソース領域63と低抵抗p型炭化珪素領域64に形
成されるソース電極は、異なる材料でもよい。また、低
抵抗p型炭化珪素領域64は省略も可能であり、この場
合ソース電極70はn+型ソース領域63とp型ベース
層62に接するように形成される。また、ソース電極7
0は、少なくともn+型ソース領域63の表面に形成さ
れていればよい。
【0077】さらに、上述した例では、nチャネル縦型
MOSFETに適用した場合について説明したが、図1
3においてp型とn型を入れ替えた、pチャネル縦型M
OSFETにおいても、同じ効果が得られる。
【0078】さらには、図13では、トレンチ65は基
板表面に対し側面65aが90°となっているが、図1
7に示すように、トレンチ65の側面65aと基板表面
のなす角度は必ずしも90°でなくてもよい。また、ト
レンチ65は、底面を有しないV字形でもよい。なお、
トレンチ65の側面と基板表面のなす角度は、チャネル
移動度が大きくなるように設計することにより、よりよ
い効果が得られる。
【0079】また、図18に示すように、ゲート電極6
8の上部が、n+型ソース領域63の上方に延びる形状
であってもよい。本構成とすることで、n+型ソース領
域63とn型チャネル層66に誘起されたチャネルとの
接続抵抗を低減することができる。
【0080】さらに、図19に示すように、n型チャネ
ル層66の下端より下までゲート電極68が延びた構造
であってもよい。本構成とすることでn型チャネル層6
6に誘起されたチャネルとドレイン領域との接続抵抗を
低減することができる。
【0081】さらには、図20に示すように実施しても
よい。つまり、図18に示したようにゲート電極68の
上部がn+型ソース領域63の上方に延びる形状であっ
て、かつ、図19に示したようにn型チャネル層66の
下端より下までゲート電極68が延びている構造であっ
てもよい。
【0082】また、n型チャネル層66とp型ベース層
62とは異なる結晶型でもよく、例えば、p型ベース層
62を6HのSiC、n型チャネル層66を4HのSi
Cとしてキャリアが流れる方向の移動度を大きくするこ
とにより低電流損失のMOSFETが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】不純物濃度を変えたときの抵抗の測定結果を示
す図。
【図2】不純物濃度と膜厚の最適化を図るための条件を
示す図。
【図3】第1の実施の形態における炭化珪素半導体装置
の縦断面図。
【図4】要部における拡大図。
【図5】(a)〜(d)は製造工程を説明するための断
面図。
【図6】(a)〜(d)は製造工程を説明するための断
面図。
【図7】製造工程を説明するための断面図。
【図8】要部における拡大図。
【図9】(a)〜(d)は製造工程を説明するための断
面図。
【図10】第2の実施の形態における炭化珪素半導体装
置の縦断面図。
【図11】(a),(b)は製造工程を説明するための
断面図。
【図12】(a),(b)は製造工程を説明するための
断面図。
【図13】第3の実施の形態における炭化珪素半導体装
置の縦断面図。
【図14】(a)〜(c)は製造工程を説明するための
断面図。
【図15】(a)〜(c)は製造工程を説明するための
断面図。
【図16】製造工程を説明するための断面図。
【図17】別例の炭化珪素半導体装置の縦断面図。
【図18】別例の炭化珪素半導体装置の縦断面図。
【図19】別例の炭化珪素半導体装置の縦断面図。
【図20】別例の炭化珪素半導体装置の縦断面図。
【符号の説明】
1…n+型炭化珪素基板、2…n-型ドリフト層、3a,
3b…p型ベース領域、4a,4b…n+型ソース領
域、5…チャネル層、7…ゲート絶縁膜、8…ゲート電
極、30…チャネル層、31…第1層(n+層)、32
…第2層(n-層)、35…チャネル層形成用エピタキ
シャル膜、44…チャネル層、45…ゲート酸化膜、4
6…ゲート電極、60…n+型炭化珪素基板、61…n-
型ドリフト層、62…p型ベース層、63…n+型ソー
ス領域、65…トレンチ、66…チャネル層、67…ゲ
ート絶縁膜、68…ゲート電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大矢 信之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の炭化珪素基板(1)の上
    に、エピタキシャル膜よりなり前記基板(1)よりも低
    い不純物濃度の第1導電型のドリフト層(2)が形成さ
    れ、このドリフト層(2)の表層部に第2導電型のベー
    ス領域(3a,3b)が形成されるとともに当該ベース
    領域(3a,3b)の表層部に第1導電型のソース領域
    (4a,4b)が形成され、さらに、前記ベース領域
    (3a,3b)の表面部において前記ソース領域(4
    a,4b)とドリフト層(2)を繋ぐように炭化珪素よ
    りなる第1導電型のチャネル層(5)が配置され、当該
    チャネル層(5)に対しゲート絶縁膜(7)を介してゲ
    ート電極(8)を配した炭化珪素半導体装置において、 前記チャネル層(5)における少なくとも前記ゲート絶
    縁膜(7)と接する部位での不純物濃度を1×1017
    -3以上にしたことを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記チャネル層(5)における少なくと
    も前記ゲート絶縁膜(7)と接する部位での不純物濃度
    を7×1017cm-3以上にしたことを特徴とする請求項
    1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記チャネル層(5)の膜厚方向での不
    純物濃度を一定としたことを特徴とする請求項1または
    2に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記チャネル層(5)の不純物濃度を1
    ×1019cm-3以下にしたことを特徴とする請求項3に
    記載の炭化珪素半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記チャネル層(5)の不純物濃度を
    「X」、チャネル層(5)の膜厚を「Y」としたとき、 Y≦9.2×103・X-0.5 を満足するようにしたことを特徴とする請求項3または
    4に記載の炭化珪素半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記チャネル層(30)の膜厚方向での
    不純物濃度分布として、前記ゲート絶縁膜(7)から離
    れると低濃度となる傾向を有し、かつ、ゲート絶縁膜
    (7)と接する部位の不純物濃度が1×1017cm-3
    上となるように濃度勾配を付けたことを特徴とする請求
    項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記チャネル層(30)におけるゲート
    絶縁膜(7)と接する部位の不純物濃度が7×1017
    -3以上となるように濃度勾配を付けたことを特徴とす
    る請求項6に記載の炭化珪素半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記チャネル層(30)を2層構造と
    し、前記ゲート絶縁膜(7)に近い第1層(31)では
    不純物濃度を1×1017cm-3以上にするとともに、前
    記ゲート絶縁膜(7)から離れた第2層(32)では第
    1層(31)よりも低不純物濃度にしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記チャネル層(30)における第1層
    (31)の不純物濃度を7×1017cm-3以上にしたこ
    とを特徴とする請求項8に記載の炭化珪素半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記チャネル層(30)における第1
    層(31)の不純物濃度を1×1019cm-3以下にした
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の炭化珪素半
    導体装置。
  11. 【請求項11】 前記チャネル層(30)における第2
    層(32)の不純物濃度を1×1017cm-3以下にした
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載
    の炭化珪素半導体装置。
  12. 【請求項12】 前記チャネル層(30)における第1
    層(31)の不純物濃度を「X」、その厚さを「Y」と
    したとき、 Y≦9.2×103・X-0.5 を満足するようにしたことを特徴とする請求項8〜11
    のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  13. 【請求項13】 前記チャネル層(44)の端部がゲー
    ト電極(46)の端部よりも外側に張り出して形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項
    に記載の炭化珪素半導体装置。
  14. 【請求項14】 第1導電型の炭化珪素基板(60)の
    上に、エピタキシャル膜よりなり前記基板(60)より
    も低い不純物濃度の第1導電型のドリフト層(61)
    と、エピタキシャル膜よりなる第2導電型のベース層
    (62)とが順に形成され、前記ベース層(62)の表
    層部に第1導電型のソース領域(63)が形成され、前
    記ソース領域(63)とベース層(62)を貫通してド
    リフト層(61)に達するトレンチ(65)が形成され
    るとともに、同トレンチ(65)の側面(65a)にお
    けるベース層(62)の表面に炭化珪素よりなる第1導
    電型のチャネル層(66)が形成され、さらに、トレン
    チ(65)内において前記チャネル層(66)に対しゲ
    ート絶縁膜(67)を介してゲート電極(68)を配し
    た炭化珪素半導体装置において、 前記チャネル層(66)における少なくとも前記ゲート
    絶縁膜(67)と接する部位での不純物濃度を1×10
    17cm-3以上にしたことを特徴とする炭化珪素半導体装
    置。
  15. 【請求項15】 前記チャネル層(66)における少な
    くとも前記ゲート絶縁膜(67)と接する部位での不純
    物濃度を7×1017cm-3以上にしたことを特徴とする
    請求項14に記載の炭化珪素半導体装置。
  16. 【請求項16】 前記チャネル層(66)の膜厚方向で
    の不純物濃度を一定としたことを特徴とする請求項14
    または15に記載の炭化珪素半導体装置。
  17. 【請求項17】 前記チャネル層(66)の不純物濃度
    を1×1019cm-3以下にしたことを特徴とする請求項
    16に記載の炭化珪素半導体装置。
  18. 【請求項18】 前記チャネル層(66)の不純物濃度
    を「X」、チャネル層(66)の膜厚を「Y」としたと
    き、 Y≦9.2×103・X-0.5 を満足するようにしたことを特徴とする請求項16また
    は17に記載の炭化珪素半導体装置。
  19. 【請求項19】 前記チャネル層(66)の膜厚方向で
    の不純物濃度分布として、前記ゲート絶縁膜(67)か
    ら離れると低濃度となる傾向を有し、かつ、ゲート絶縁
    膜(67)と接する部位の不純物濃度が1×1017cm
    -3以上となるように濃度勾配を付けたことを特徴とする
    請求項14に記載の炭化珪素半導体装置。
  20. 【請求項20】 前記チャネル層(66)におけるゲー
    ト絶縁膜(67)と接する部位の不純物濃度が7×10
    17cm-3以上となるように濃度勾配を付けたことを特徴
    とする請求項19に記載の炭化珪素半導体装置。
  21. 【請求項21】 前記チャネル層(66)を2層構造と
    し、前記ゲート絶縁膜(67)に近い第1層では不純物
    濃度を1×1017cm-3以上にするとともに、前記ゲー
    ト絶縁膜(67)から離れた第2層では第1層よりも低
    不純物濃度にしたことを特徴とする請求項14に記載の
    炭化珪素半導体装置。
  22. 【請求項22】 前記チャネル層(66)における第1
    層の不純物濃度を7×1017cm-3以上にしたことを特
    徴とする請求項21に記載の炭化珪素半導体装置。
  23. 【請求項23】 前記チャネル層(66)における第1
    層の不純物濃度を1×1019cm-3以下にしたことを特
    徴とする請求項21または22に記載の炭化珪素半導体
    装置。
  24. 【請求項24】 前記チャネル層(66)における第2
    層の不純物濃度を1×1017cm-3以下にしたことを特
    徴とする請求項21〜23のいずれか1項に記載の炭化
    珪素半導体装置。
  25. 【請求項25】 前記チャネル層(66)における第1
    層の不純物濃度を「X」、その厚さを「Y」としたと
    き、 Y≦9.2×103・X-0.5 を満足するようにしたことを特徴とする請求項21〜2
    4のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  26. 【請求項26】 第1導電型の炭化珪素基板(1)の上
    に、エピタキシャル膜よりなり前記基板(1)よりも低
    い不純物濃度の第1導電型のドリフト層(2)が形成さ
    れ、このドリフト層(2)の表層部に第2導電型のベー
    ス領域(3a,3b)が形成されるとともに当該ベース
    領域(3a,3b)の表層部に第1導電型のソース領域
    (4a,4b)が形成され、さらに、前記ベース領域
    (3a,3b)の表面部において前記ソース領域(4
    a,4b)とドリフト層(2)を繋ぐように炭化珪素よ
    りなる第1導電型のチャネル層(5)が配置され、当該
    チャネル層(5)に対しゲート絶縁膜(7)を介してゲ
    ート電極(8)を配した炭化珪素半導体装置の製造方法
    であって、 第1導電型の炭化珪素基板(1)の上に、エピタキシャ
    ル膜よりなり前記基板(1)よりも低い不純物濃度の第
    1導電型のドリフト層(2)を形成する工程と、 前記ドリフト層(2)の表層部に第2導電型のベース領
    域(3a,3b)を形成する工程と、 前記ドリフト層(2)およびベース領域(3a,3b)
    の上に低濃度な第1導電型のチャネル層形成用エピタキ
    シャル膜(35)を形成するとともに、前記ベース領域
    (3a,3b)の表層部に第1導電型のソース領域(4
    a,4b)を形成する工程と、 前記チャネル層形成用エピタキシャル膜(35)に接す
    るようにゲート絶縁膜(7)を形成する工程と、 N原子を含むガスで熱処理することにより、前記チャネ
    ル層形成用エピタキシャル膜(35)における少なくと
    も前記ゲート絶縁膜(7)と接する部位での不純物濃度
    を1×1017cm-3以上にする工程と、 前記ゲート絶縁膜(7)上にゲート電極(8)を形成す
    る工程と、を備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装
    置の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記N原子を含むガスで熱処理するこ
    とにより、前記チャネル層形成用エピタキシャル膜(3
    5)における少なくとも前記ゲート絶縁膜(7)と接す
    る部位での不純物濃度を7×1017cm-3以上にするよ
    うにしたことを特徴とする請求項26に記載の炭化珪素
    半導体装置の製造方法。
  28. 【請求項28】 第1導電型の炭化珪素基板(1)の上
    に、エピタキシャル膜よりなり前記基板(1)よりも低
    い不純物濃度の第1導電型のドリフト層(2)が形成さ
    れ、このドリフト層(2)の表層部に第2導電型のベー
    ス領域(3a,3b)が形成されるとともに当該ベース
    領域(3a,3b)の表層部に第1導電型のソース領域
    (4a,4b)が形成され、さらに、前記ベース領域
    (3a,3b)の表面部において前記ソース領域(4
    a,4b)とドリフト層(2)を繋ぐように炭化珪素よ
    りなる第1導電型のチャネル層(5)が配置され、当該
    チャネル層(5)に対しゲート絶縁膜(7)を介してゲ
    ート電極(8)を配した炭化珪素半導体装置の製造方法
    であって、 第1導電型の炭化珪素基板(1)の上に、エピタキシャ
    ル膜よりなり前記基板(1)よりも低い不純物濃度の第
    1導電型のドリフト層(2)を形成する工程と、 前記ドリフト層(2)の表層部に第2導電型のベース領
    域(3a,3b)を形成する工程と、 前記ドリフト層(2)およびベース領域(3a,3b)
    の上に低濃度な第1導電型のチャネル層形成用エピタキ
    シャル膜(35)を形成するとともに、前記ベース領域
    (3a,3b)の表層部に第1導電型のソース領域(4
    a,4b)を形成する工程と、 前記チャネル層形成用エピタキシャル膜(35)に接す
    るようにゲート絶縁膜(7)を形成する工程と、 原子状窒素を注入するとともに熱処理することにより、
    前記チャネル層形成用エピタキシャル膜(35)におけ
    る少なくとも前記ゲート絶縁膜(7)と接する部位での
    不純物濃度を1×1017cm-3以上にする工程と、 前記ゲート絶縁膜(7)上にゲート電極(8)を形成す
    る工程と、を備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装
    置の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記原子状窒素を注入するとともに熱
    処理することにより、前記チャネル層形成用エピタキシ
    ャル膜(35)における少なくとも前記ゲート絶縁膜
    (7)と接する部位での不純物濃度を7×1017cm-3
    以上にするようにしたことを特徴とする請求項28に記
    載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  30. 【請求項30】 第1導電型の炭化珪素基板(60)の
    上に、エピタキシャル膜よりなり前記基板(60)より
    も低い不純物濃度の第1導電型のドリフト層(61)
    と、エピタキシャル膜よりなる第2導電型のベース層
    (62)とが順に形成され、前記ベース層(62)の表
    層部に第1導電型のソース領域(63)が形成され、前
    記ソース領域(63)とベース層(62)を貫通してド
    リフト層(61)に達するトレンチ(65)が形成され
    るとともに、同トレンチ(65)の側面(65a)にお
    けるベース層(62)の表面に炭化珪素よりなる第1導
    電型のチャネル層(66)が形成され、さらに、トレン
    チ(65)内において前記チャネル層(66)に対しゲ
    ート絶縁膜(67)を介してゲート電極(68)を配し
    た炭化珪素半導体装置の製造方法であって、 第1導電型の炭化珪素基板(60)の上に、エピタキシ
    ャル膜よりなり前記基板(60)よりも低い不純物濃度
    の第1導電型のドリフト層(61)と、エピタキシャル
    膜よりなる第2導電型のベース層(62)とを順に形成
    する工程と、 前記ベース層(62)の表層部に第1導電型のソース領
    域(63)を形成する工程と、 前記ソース領域(63)とベース層(62)を貫通して
    ドリフト層(61)に達するトレンチ(65)を形成す
    る工程と、 前記トレンチ(65)の側面(65a)におけるベース
    層(62)の表面に低濃度な第1導電型のチャネル層形
    成用エピタキシャル膜(66)を形成する工程と、 前記トレンチ(65)内において前記チャネル層形成用
    エピタキシャル膜(66)に接するようにゲート絶縁膜
    (67)を形成する工程と、 N原子を含むガスで熱処理することにより、前記チャネ
    ル層形成用エピタキシャル膜(66)における少なくと
    も前記ゲート絶縁膜(67)と接する部位での不純物濃
    度を1×1017cm-3以上にする工程と、 前記トレンチ(65)内において前記ゲート絶縁膜(6
    7)に接するようにゲート電極(68)を形成する工程
    と、を備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製
    造方法。
  31. 【請求項31】 前記N原子を含むガスで熱処理するこ
    とにより、前記チャネル層形成用エピタキシャル膜(6
    6)における少なくとも前記ゲート絶縁膜(67)と接
    する部位での不純物濃度を7×1017cm-3以上にする
    ようにしたことを特徴とする請求項30に記載の炭化珪
    素半導体装置の製造方法。
  32. 【請求項32】 第1導電型の炭化珪素基板(60)の
    上に、エピタキシャル膜よりなり前記基板(60)より
    も低い不純物濃度の第1導電型のドリフト層(61)
    と、エピタキシャル膜よりなる第2導電型のベース層
    (62)とが順に形成され、前記ベース層(62)の表
    層部に第1導電型のソース領域(63)が形成され、前
    記ソース領域(63)とベース層(62)を貫通してド
    リフト層(61)に達するトレンチ(65)が形成され
    るとともに、同トレンチ(65)の側面(65a)にお
    けるベース層(62)の表面に炭化珪素よりなる第1導
    電型のチャネル層(66)が形成され、さらに、トレン
    チ(65)内において前記チャネル層(66)に対しゲ
    ート絶縁膜(67)を介してゲート電極(68)を配し
    た炭化珪素半導体装置の製造方法であって、 第1導電型の炭化珪素基板(60)の上に、エピタキシ
    ャル膜よりなり前記基板(60)よりも低い不純物濃度
    の第1導電型のドリフト層(61)と、エピタキシャル
    膜よりなる第2導電型のベース層(62)とを順に形成
    する工程と、 前記ベース層(62)の表層部に第1導電型のソース領
    域(63)を形成する工程と、 前記ソース領域(63)とベース層(62)を貫通して
    ドリフト層(61)に達するトレンチ(65)を形成す
    る工程と、 前記トレンチ(65)の側面(65a)におけるベース
    層(62)の表面に低濃度な第1導電型のチャネル層形
    成用エピタキシャル膜(66)を形成する工程と、 前記トレンチ(65)内において前記チャネル層形成用
    エピタキシャル膜(66)に接するようにゲート絶縁膜
    (67)を形成する工程と、 原子状窒素を注入するとともに熱処理することにより、
    前記チャネル層形成用エピタキシャル膜(66)におけ
    る少なくとも前記ゲート絶縁膜(67)と接する部位で
    の不純物濃度を1×1017cm-3以上にする工程と、 前記トレンチ(65)内において前記ゲート絶縁膜(6
    7)に接するようにゲート電極(68)を形成する工程
    と、を備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製
    造方法。
  33. 【請求項33】 前記原子状窒素を注入するとともに熱
    処理することにより、前記チャネル層形成用エピタキシ
    ャル膜(66)における少なくとも前記ゲート絶縁膜
    (67)と接する部位での不純物濃度を7×1017cm
    -3以上にするようにしたことを特徴とする請求項32に
    記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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