JP2003302192A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】プレート素材の表面処理方法及び熱交換器用放熱フィン
【特許請求の範囲】
【請求項1】圧延用油を用いて圧延されてなるプレート素材(1)の表面を処理するための方法であって、
前記プレート素材(1)を準備する第1工程と、
前記プレート素材(1)の表面に、脱脂処理を施すことなく塗料を塗布する第2工程と、
を備えたプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項2】前記第2工程では、前記プレート素材(1)の表面に、粗面化処理を施すことなく前記塗料を塗布する、請求項1に記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項3】前記第2工程では、前記プレート素材(1)の搬送方向に50m/分以下の速度で前記塗料を塗布する、請求項1または2に記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項4】前記塗料は、前記プレート素材(1)に対する塗布速度との関係で使用可能な粘度を有している、請求項3に記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項5】前記第2工程では、240℃以上270℃以下の雰囲気下で、前記塗料を乾燥させる、請求項1から4のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項6】前記塗料は、耐食性塗料と親水性塗料とを含み、前記第2工程は、前記プレート素材(1)の表面に前記耐食性塗料を塗布する第3工程と、前記第3工程を経たプレート素材(1)の表面に前記親水性塗料を塗布する第4工程とを有している、請求項1から5のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項7】前記第4工程では、前記プレート素材(1)は、前記第3工程での搬送経路と同一の搬送経路を逆方向に搬送される、請求項1から6のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項8】前記第3工程では、前記第4工程より低温度の雰囲気下で、前記プレート素材(1)に前記塗料を塗布する、請求項7に記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項9】 前記プレート素材(1)は、熱交換器の放熱フィン(11)として用いられる、請求項1から8のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項10】前記プレート素材は、純アルミニウム製である、請求項1から9のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項11】圧延用油を用いて圧延されたプレート素材(1)からなる板状のフィン(11)であって、
フィン本体(13)と、
前記フィン本体(13)の表面に形成された塗膜(15)とを備え、
前記圧延用油が、前記フィン本体(13)表面1m2当たりに、10mg以下含まれている、
フィン(11)。
【請求項12】圧延用油を用いて圧延されたプレート素材(1)からなる板状のフィン(11)であって、
フィン本体(13)と、
前記フィン本体(13)の表面に形成された塗膜(15)とを備え、
前記塗膜(15)は、赤外線スペクトルにおいて、前記圧延油の構成主成分に相当するピークを有している、
フィン(11)。
【請求項13】前記塗膜(15)は、赤外線スペクトルにおいて、1500cm-1以上2000cm-1以下の範囲にピークを有する、請求項12に記載のフィン(11)。
【請求項14】前記塗膜(15)表面における板厚方向の凹凸が2μm以上5μm以下の範囲にある、請求項11から13のいずれかに記載のフィン(11)。
【請求項15】請求項1から10のいずれかに記載の表面処理方法により処理されたプレート素材(1)を用いてなるフィン(11)。
【請求項16】熱交換器内に配置される放熱のための、請求項11から15のいずれかに記載のフィン(11)。
【請求項17】前記プレート素材は、純アルミニウム製である、請求項11から16のいずれかに記載のフィン(11)。
【請求項18】 請求項1から10のいずれかに記載の表面処理方法により処理されてなる、プレート部材。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレート素材の表面処理方法、特に、圧延油を用いて圧延されてなり、熱交換器の放熱フィンとして用いられるプレート素材の表面を処理するための方法に関する。
【0002】
また、本発明は、熱交換器用放熱フィン、特に、圧延油を用いて圧延されたプレート素材からなり、熱交換器内に配置される板状のフィンに関する。
【0003】
【従来の技術】
空気調和装置の室外機及び室内機等の装置は、一般に、外気との間で熱交換するための熱交換器を備えている。熱交換器は、通常、複数の放熱フィンと、複数の伝熱管と、プロペラファン等の送風手段とを備えている。複数の放熱フィンは、板厚方向に所定間隔ごとに配置されたプレート状部材である。複数の伝熱管は、複数の放熱フィンを板厚方向に貫通して装着される。送風手段は、複数の放熱フィン及び伝熱管に空気流を送るためのものである。
【0004】
この熱交換器では、送風手段により、隣接する放熱フィン間の隙間に空気流が送られることで熱交換され、伝熱管の内側を流通する冷媒が蒸発または凝縮される。
【0005】
放熱フィンは、一般に、純アルミニウム製のプレート素材からなり、このプレート素材を金型により所定のフィン形状に型取りして製造される。プレート素材は、型取りされる前に、通常、耐食性を向上させるべく、耐食性塗料が塗布されて耐食性被膜が形成される。
【0006】
ところで、プレート素材は、圧延油を用いて圧延されて製造されるため、表面に圧延油が残存している。このため、表面に塗料を塗布する際に、塗料が圧延油に弾かれて塗布作業が困難となる。そこで、従来の表面処理では、塗料の塗布を行う前に、プレート素材をアルカリ溶液の処理槽に浸漬して脱脂処理され、さらに、表面に耐食性被膜を形成しかつ表面を粗面化するために、クロム酸処理剤の処理槽に浸漬してクロム酸処理される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプレート素材の表面処理方法では、脱脂処理及びクロム酸処理のための処理槽を必要とするため、設備費用が増大する。
【0008】
また、クロム酸処理によって生じる処理廃液は重金属を含み耐環境の点で問題があることから、所定の処理を施した後で廃棄する必要がある。しかし、この廃液処理に際しては、専用の処理層が別途必要になるとともに、定期的に廃液処理作業を行う必要があることからランニングコストも増大する。
【0009】
本発明の目的は、プレート素材の表面処理にかかる設備費用等を低減することにある。また、本発明の目的は、そのような表面処理を施して熱交換器用放熱フィンを得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る表面処理方法は、圧延用油を用いて圧延されてなるプレート素材の表面を処理するための方法であって、第1工程と、第2工程とを備えている。第1工程では、プレート素材を準備する。第2工程では、プレート素材の表面に、脱脂処理を施すことなく塗料を塗布する。
【0011】
この方法では、脱脂処理を行わずにプレート素材に塗料を塗布できるため、従来のように脱脂のための処理層が不要となり、設備費用が低減される。
請求項2に係る表面処理方法は、請求項1の表面処理方法において、第2工程では、プレート素材の表面に、粗面化処理を施すことなく塗料を塗布する。
【0012】
この方法では、プレート素材の粗面化処理を行わずに塗料を塗布できるため、従来のようにクロム酸処理のための処理層が不要となり、設備費用が低減される。また、廃液処理もせずに済むため、ランニングコストを抑えることができる。
【0013】
請求項3に係る表面処理方法は、請求項1または2の表面処理方法において、第2工程では、プレート素材の搬送方向に50m/分以下の速度で塗料を塗布する。
【0014】
この方法では、塗料は、比較的遅い速度でプレート素材に塗布されるため、油に弾かれにくい粘度の高い塗料を用いることが可能である。そして、このような方法を採用することにより、脱脂処理を省略することが可能となる。
【0015】
請求項4に係る表面処理方法は、請求項3の表面処理方法において、塗料は、プレート素材に対する塗布速度との関係で使用可能な粘度を有している。
塗料の塗布速度が異なると、その塗布速度において使用可能な塗料の粘度も異なってくる。ここでは、そのような塗布速度との関係で使用可能な粘度を有する塗料を用いることとしている。
【0016】
請求項5に係る表面処理方法は、請求項1から4のいずれかの表面処理方法において、第2工程では、240℃以上270℃以下の雰囲気下で塗料を乾燥させる。
【0017】
この方法では、比較的高温度の雰囲気下で塗料を乾燥させるため、プレート素材に残存した圧延油が塗料中に分散しやすくなる。これにより、脱脂処理を省いてもプレート素材表面に安定して塗膜が形成される。
【0018】
請求項6に係る表面処理方法は、請求項1から5のいずれかの表面処理方法において、塗料は、耐食性塗料と親水性塗料とを含む。また、第2工程は、第3工程と、第4工程とを有している。第3工程では、プレート素材の表面に耐食性塗料を塗布する。第4工程では、第3工程を経たプレート素材の表面に親水性塗料を塗布する。
【0019】
放熱フィンは、例えば、室内機用の熱交換器に用いられる場合は耐食性に加えて親水性がさらに要求される。この場合、プレート素材表面には、通常、耐食性被膜が形成された後、その上にさらに親水性被膜が形成される。
【0020】
ここでは、主として、室外機用熱交換器の放熱フィンとして用いられるプレート素材に対し表面処理を施す場合を対象としている。
請求項7に係る表面処理方法は、請求項1から6のいずれかの表面処理方法において、第4工程では、プレート素材は、第3工程での搬送経路と同一の搬送経路を逆方向に搬送される。
【0021】
プレート素材は、通常、所定の速度で搬送させた状態で、塗料の塗布、乾燥等が行われるが、この方法では、耐食性塗料の塗布と親水性塗料の塗布とが同一経路上で行われることとなるため、例えば、乾燥炉を搬送経路上に1つだけ配置しておくことで、両工程の乾燥を行えるようになる。このため、設備費用をさらに削減でき、作業効率を向上させることができる。
【0022】
請求項8に係る表面処理方法は、請求項7の表面処理方法において、第3工程では、第4工程より低温度の雰囲気下で、プレート素材に塗料を塗布する。
この方法では、耐食性塗料は、後で塗布される親水性塗料の塗布時よりも低温で塗布されるため、親水性塗料の乾燥時に耐食性塗料に熱履歴が生じるのを抑えることができる。
【0023】
請求項9に係る表面処理方法は、請求項1から8のいずれかの表面処理方法において、プレート素材は、熱交換器の放熱フィンとして用いられる。
請求項10に係る表面処理方法は、請求項1から9のいずれか表面処理方法において、プレート素材は、純アルミニウム製である。
【0024】
請求項11に係るフィンは、圧延用油を用いて圧延されたプレート素材からなる板状のフィンであって、フィン本体と、塗膜とを備えている。塗膜は、フィン本体の表面に形成されている。そして、圧延用油が、フィン本体表面1m2当たりに、10mg以下含まれている。
【0025】
このフィンは、所定量の圧延油が残存しているため、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
請求項12に係るフィンは、圧延用油を用いて圧延されたプレート素材からなる板状のフィンであって、フィン本体と、塗膜とを備えている。塗膜は、フィン本体の表面に形成されている。そして、塗膜は、赤外線スペクトルにおいて、圧延油の構成主成分に相当するピークを有している。
【0026】
このフィンは、圧延油の一部が塗膜中に分散した状態で残存しているため、塗膜の赤外線スペクトルを測定すると、圧延油の構成主成分に相当するピークが現れる。したがって、このフィンは、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0027】
請求項13に係るフィンは、請求項12のフィンにおいて、塗膜は、赤外線スペクトルにおいて、1500cm-1以上2000cm-1以下の範囲にピークを有する。
【0028】
このフィンでは、一般に用いられる圧延油としてはこのような範囲にピークを有するものが多いことから、かかる範囲に赤外線スペクトルのピークを有するものを対象としている。
【0029】
このフィンは、圧延油の一部が塗膜中に分散した状態で残存しているため、塗膜の赤外線スペクトルを測定すると、圧延油の構成成分に相当するピークが現れる。したがって、このフィンは、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0030】
請求項14に係るフィンは、請求項11から13いずれかのフィンにおいて、塗膜表面における板厚方向の凹凸が2μm以上5μm以下の範囲にある。
このフィンは、粗面化処理が施されていないため、粗面化処理が施されたものに比べ塗膜表面の凹凸が少なく、上記範囲内に抑えられている。したがって、このフィンは、粗面化処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0031】
請求項15に係るフィンは、請求項1から10のいずれかに記載の表面処理方法により処理されたプレート素材を用いてなる。
このフィンは、上述の表面処理方法により処理されたプレート素材を用いて製造されたものであって、表面処理のための設備費用等を低減しうる処理方法を経て製造されたものである。
【0032】
請求項16に係るフィンは、請求項11から15のいずれかのフィンにおいて、熱交換器内に配置される放熱のためのものである。
請求項17に係るフィンは、請求項11から16のいずれかのフィンにおいて、プレート素材は、純アルミニウム製である。
【0033】
請求項18に係るプレート部材は、請求項1から10のいずれかの表面処理方法により処理されてなる。
【0034】
【発明の実施の形態】
[プレート素材の表面処理方法]
図1に、本発明の一実施形態が採用された表面処理方法の概要を示す。
【0035】
まず、この表面処理方法に用いられる装置について説明する。
プレート素材1は、2つのコイラー21,31の間に掛け渡してセットされる。コイラー21,31は、それぞれプレート素材1の巻き出し及び巻き取りが可能な装置であり、一方でプレート素材1を巻き出し、他方でプレート素材1を巻き取ることで、プレート素材1を図1の左右いずれかの方向に搬送することができる。
【0036】
2つのコイラー21,31の中間部分には、プレート素材1の表面に塗布された塗料を乾燥させるための乾燥炉23が配置されている。乾燥炉23は、搬送方向に沿って開口されており、内側にプレート素材1が移動自在に配置される。
【0037】
乾燥炉23のコイラー21側には、耐食性塗料(後述)を塗布するためのロールコータ25が配置され、コイラー31側には、親水性塗料(後述)を塗布するためのロールコータ35が配置されている。ロールコータ25のロール表面は、塗料の保持性を上げるためにメッシュ仕上げされており、ロールコータ35のロール表面はダル仕上げされている。
【0038】
また、ロールコータ25,35の搬送方向下流側にはそれぞれ、塗料の表面に処理剤を添加するための処理部27,37が配置され、乾燥炉23を介したさらに下流側には、乾燥炉23で過熱されたプレート素材1を冷却するための冷却ブロー29,39が配置されている。
【0039】
次に、この表面処理方法について説明する。
この方法は、圧延用油を用いて圧延されてなるプレート素材1の表面を処理するための方法である。プレート素材1は、主として、空気調和装置の室外機及び室内機の熱交換器内に配置される放熱フィンに用いられる。
【0040】
この方法は、準備工程と、塗料塗布工程とを備えている。
準備工程では、ロール状に巻かれたプレート素材1を用意し、コイラー21,31にセットする。このプレート素材1は、純アルミニウム製であり、圧延油を用いて圧延されて製造されたものである。
【0041】
塗料塗布工程では、プレート素材1の表面に、脱脂処理及び粗面化処理を施すことなく塗料を塗布する。この工程は、耐食性塗料塗布工程と、親水性塗料塗布工程とを有している。
【0042】
耐食性塗料塗布工程では、ロールコータ25によりプレート素材1の表面に耐食性塗料を塗布する。この工程では、プレート素材1が一定の速度で図1の右方向に搬送されることで、ロールコータ25により一定の速度で塗料が塗布される。ここでは、50m/分以下の速度で、好ましくは10〜40m/分の速度で塗料が塗布される。
【0043】
耐食性塗料としては、エポキシ樹脂系塗料等の塗料が用いられる。ここで用いられる塗料は、プレート素材1に対する塗布速度との関係で使用可能な粘度を有している。具体的には、図2の斜線で示される領域に粘度を有する塗料が用いられる。なお、塗布速度が大きい場合は粘度の小さい塗料は本方法での使用に適さない。これは、粘度が小さい場合は、ロールコータ25のロール上に塗料を十分に保持できず、プレート素材1に良好に塗布できないためである。したがって、例えば、塗布速度が50m/分である場合は、40秒以上の粘度を有する塗料が好ましく使用される。なお、従来の表面処理においては、100〜250m/分の速度で塗布される。
【0044】
また、塗料塗布後は、プレート素材1は、乾燥炉23に搬送されて240℃以上270℃以下の雰囲気下で乾燥される。この際、後の親水性塗料塗布工程での乾燥温度よりも低い温度で乾燥される。
【0045】
親水性塗料塗布工程では、ロールコータ35によりプレート素材1の表面に耐食性塗料が塗布される。この工程では、プレート素材1が一定の速度で図1の左方向に搬送されることで、一定の速度で塗布される。塗布速度は、耐食性塗料の塗布と同様である。
【0046】
親水性塗料としては、アクリル樹脂系塗料等の塗料が用いられる。親水性塗料の、塗布速度との関係において使用可能な粘度は、耐食性塗料の場合と同様である。また、この工程では、耐食性塗料の乾燥と同様の温度雰囲気下で乾燥されるが、前述のように、耐食性塗料の乾燥温度よりも高い温度で乾燥される。
【0047】
この表面処理方法では、プレート素材1は、まず、コイラー21からコイラー31に向かって搬送される。このとき、プレート素材1は、脱脂処理及びクロム酸処理が施されることなく、ロールコータ25により耐食性塗料が塗布される。そして、処理部27で処理剤が添加された後、乾燥炉23内で、上記所定温度まで加熱され、塗料が乾燥、固化される。その後、プレート素材1は、冷却ブロー29で冷却されてコイラー31に巻き取られる。
【0048】
次いで、プレート素材1は、コイラー31からコイラー21に向かって搬送され、この間にロールコータ35により親水性塗料が塗布される。そして、処理部37で処理剤が添加された後、乾燥炉23内で、上記所定温度まで加熱され、塗料が乾燥、固化される。その後、プレート素材1は、冷却ブロー39で冷却されてコイラー21に巻き取られる。
【0049】
このような表面処理方法によれば、塗料は、従来に比べ比較的遅い速度でプレート素材1に塗布され、これにより、比較的粘度の高い塗料を用いることができる。このため、プレート素材1上に圧延油が残存していても、塗料が圧延油に弾かれるのを抑えて塗膜を形成することができる。そして、このような方法を採用することで、従来の脱脂処理及び粗面化処理を省略でき、これにより、各処理に要する処理層が不要となり、設備費用が大幅に低減される。
【0050】
また、この方法では、クロム酸処理を省略できることから、廃液処理を行う必要も生じず、表面処理にかかるランニングコストが抑えられる。
[熱交換器用放熱フィン]
図3及び図4に、本発明の一実施形態が採用された熱交換器用放熱フィン11を示す。
【0051】
この放熱フィン11は、熱交換器内に配置される放熱のための板状のフィンである。放熱フィン11は、上記表面処理方法により処理されたプレート素材1からなり、フィン本体13と、塗膜15とを備えている。
【0052】
フィン本体13は、プレート素材1を金型により所定のフィン形状に型取りして製造され、図示されるような形状に形成される。また、フィン本体13は、熱交換器の内に配置される複数の伝熱管(図示せず)が貫通して装着される複数の孔13aを有している。
【0053】
塗膜15は、フィン本体13の表面に形成されている。そして、この塗膜15は、圧延用油がフィン本体13表面1m2当たりに10mg以下含まれている。また、この塗膜15は、赤外線スペクトルにおいて、1500cm-1以上2000cm-1以下の範囲にピークを有する。さらに、塗膜15の表面は、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定される板厚方向の凹凸が、2μm以上5μm以下の範囲にある。
【0054】
上述のような表面処理がなされて得られる放熱フィン11は、脱脂処理が施されていないため、圧延油を所定量含んでいる。また、赤外線スペクトルを測定した場合は、圧延油の存在を示すピークが現れることから、脱脂処理を行っていないことを確認できる。さらに、走査型電子顕微鏡により塗膜15表面の凹凸を測定した場合は、クロム酸処理を施す表面処理を行った場合に比べ少ない範囲に抑えられているため、クロム酸処理を行っていないことを確認できる。
【0055】
また、この放熱フィン11は、表面に親水性塗膜が形成されているため、主として、室内機の熱交換器の放熱フィンとしての使用に適している。
[他の実施形態]
(a)上記表面処理方法は、空気調和装置の室外機及び室内機以外の装置の熱交換器等に用いられる放熱フィンを製造するためのプレート素材の表面処理に用いてもよい。
【0056】
(b)上記表面処理方法では、プレート素材に耐食性塗料のみを塗布してもよい。この場合は、主として、室外機の熱交換器用放熱フィンとして用いることができる。
【0057】
(c)上記表面処理方法では、所定の発色剤を添加した塗料を用いて表面処理を行ってもよい。この場合は、圧延油によって弾かれなかった塗膜の部分が着色して見えるため、着色の程度(濃淡)によって、塗膜の膜厚を目視で確認することができる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1に係る発明では、脱脂処理を行わずにプレート素材に塗料を塗布できるため、従来のように脱脂のための処理層が不要となり、設備費用が低減される。
【0059】
請求項2に係る発明では、プレート素材の粗面化処理を行わずに塗料を塗布できるため、従来のようにクロム酸処理のための処理層が不要となり、設備費用が低減される。また、廃液処理もせずに済むため、ランニングコストを抑えることができる。
【0060】
請求項3に係る発明では、塗料は、比較的遅い速度でプレート素材に塗布されるため、油に弾かれにくい粘度の高い塗料を用いることが可能である。そして、このような方法を採用することにより、脱脂処理を省略することが可能となる。
【0061】
請求項4に係る発明では、塗料の塗布速度が異なるとその塗布速度において使用可能な塗料の粘度も異なってくるために、そのような塗布速度との関係で使用可能な粘度を有する塗料を用いることとしている。
【0062】
請求項5に係る発明では、比較的高温度の雰囲気下で塗料を乾燥させるため、プレート素材に残存した圧延油が塗料中に分散しやすくなる。これにより、脱脂処理を省いてもプレート素材表面に安定して塗膜が形成される。
【0063】
請求項6に係る発明では、主として、室外機用熱交換器の放熱フィンとして用いられるプレート素材に対し表面処理を施す場合を対象としている。
請求項7に係る発明では、例えば、乾燥炉を搬送経路上に1つだけ配置しておくことで、両工程の乾燥を行えるようになる。このため、設備費用をさらに削減でき、作業効率を向上させることができる。
【0064】
請求項8に係る発明では、耐食性塗料は、後で塗布される親水性塗料の塗布時よりも低温で塗布されるため、親水性塗料の乾燥時に耐食性塗料に熱履歴が生じるのを抑えることができる。
【0065】
請求項9に係る発明では、特に、熱交換器の放熱フィンとして用いられるプレート素材に対し表面処理を施す場合を対象としている。
請求項11に係る発明では、所定量の圧延油が残存しているため、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0066】
請求項12に係る発明では、圧延油の一部が塗膜中に分散した状態で残存しているため、塗膜の赤外線スペクトルを測定すると、圧延油の構成成分に相当するピークが現れる。したがって、このフィンは、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0067】
請求項13に係る発明では、一般に用いられる圧延油としてはこのような範囲にピークを有するものが多いことから、かかる範囲に赤外線スペクトルのピークを有するものを対象としている。
【0068】
請求項14に係る発明では、粗面化処理が施されていないため、粗面化処理が施されたものに比べ塗膜表面の凹凸が少なく、上記範囲内に抑えられている。したがって、このフィンは、粗面化処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0069】
請求項15に係る発明では、上述の表面処理方法により処理されたプレート素材を用いて製造されたものであって、表面処理のための設備費用等を低減しうる処理方法を経て製造されたものである。
【0070】
請求項16に係る発明では、特に、熱交換器の放熱のために用いられるフィンにおいて、脱脂処理を経ずに表面処理が施されていること等を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるプレート素材の表面処理方法の概要を示す図。
【図2】上記表面処理方法で使用される塗料の塗布速度と粘度との関係を表すグラフ。
【図3】本発明の一実施形態による熱交換器用放熱フィンを示す平面図。
【図4】上記放熱フィンの縦断面図。
【符号の説明】
1 プレート素材
11 放熱フィン
13 フィン本体
15 塗膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】圧延用油を用いて圧延されてなるプレート素材(1)の表面を処理するための方法であって、
前記プレート素材(1)を準備する第1工程と、
前記プレート素材(1)の表面に、脱脂処理を施すことなく塗料を塗布する第2工程と、
を備えたプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項2】前記第2工程では、前記プレート素材(1)の表面に、粗面化処理を施すことなく前記塗料を塗布する、請求項1に記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項3】前記第2工程では、前記プレート素材(1)の搬送方向に50m/分以下の速度で前記塗料を塗布する、請求項1または2に記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項4】前記塗料は、前記プレート素材(1)に対する塗布速度との関係で使用可能な粘度を有している、請求項3に記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項5】前記第2工程では、240℃以上270℃以下の雰囲気下で、前記塗料を乾燥させる、請求項1から4のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項6】前記塗料は、耐食性塗料と親水性塗料とを含み、前記第2工程は、前記プレート素材(1)の表面に前記耐食性塗料を塗布する第3工程と、前記第3工程を経たプレート素材(1)の表面に前記親水性塗料を塗布する第4工程とを有している、請求項1から5のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項7】前記第4工程では、前記プレート素材(1)は、前記第3工程での搬送経路と同一の搬送経路を逆方向に搬送される、請求項1から6のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項8】前記第3工程では、前記第4工程より低温度の雰囲気下で、前記プレート素材(1)に前記塗料を塗布する、請求項7に記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項9】 前記プレート素材(1)は、熱交換器の放熱フィン(11)として用いられる、請求項1から8のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項10】前記プレート素材は、純アルミニウム製である、請求項1から9のいずれかに記載のプレート素材(1)の表面処理方法。
【請求項11】圧延用油を用いて圧延されたプレート素材(1)からなる板状のフィン(11)であって、
フィン本体(13)と、
前記フィン本体(13)の表面に形成された塗膜(15)とを備え、
前記圧延用油が、前記フィン本体(13)表面1m2当たりに、10mg以下含まれている、
フィン(11)。
【請求項12】圧延用油を用いて圧延されたプレート素材(1)からなる板状のフィン(11)であって、
フィン本体(13)と、
前記フィン本体(13)の表面に形成された塗膜(15)とを備え、
前記塗膜(15)は、赤外線スペクトルにおいて、前記圧延油の構成主成分に相当するピークを有している、
フィン(11)。
【請求項13】前記塗膜(15)は、赤外線スペクトルにおいて、1500cm-1以上2000cm-1以下の範囲にピークを有する、請求項12に記載のフィン(11)。
【請求項14】前記塗膜(15)表面における板厚方向の凹凸が2μm以上5μm以下の範囲にある、請求項11から13のいずれかに記載のフィン(11)。
【請求項15】請求項1から10のいずれかに記載の表面処理方法により処理されたプレート素材(1)を用いてなるフィン(11)。
【請求項16】熱交換器内に配置される放熱のための、請求項11から15のいずれかに記載のフィン(11)。
【請求項17】前記プレート素材は、純アルミニウム製である、請求項11から16のいずれかに記載のフィン(11)。
【請求項18】 請求項1から10のいずれかに記載の表面処理方法により処理されてなる、プレート部材。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレート素材の表面処理方法、特に、圧延油を用いて圧延されてなり、熱交換器の放熱フィンとして用いられるプレート素材の表面を処理するための方法に関する。
【0002】
また、本発明は、熱交換器用放熱フィン、特に、圧延油を用いて圧延されたプレート素材からなり、熱交換器内に配置される板状のフィンに関する。
【0003】
【従来の技術】
空気調和装置の室外機及び室内機等の装置は、一般に、外気との間で熱交換するための熱交換器を備えている。熱交換器は、通常、複数の放熱フィンと、複数の伝熱管と、プロペラファン等の送風手段とを備えている。複数の放熱フィンは、板厚方向に所定間隔ごとに配置されたプレート状部材である。複数の伝熱管は、複数の放熱フィンを板厚方向に貫通して装着される。送風手段は、複数の放熱フィン及び伝熱管に空気流を送るためのものである。
【0004】
この熱交換器では、送風手段により、隣接する放熱フィン間の隙間に空気流が送られることで熱交換され、伝熱管の内側を流通する冷媒が蒸発または凝縮される。
【0005】
放熱フィンは、一般に、純アルミニウム製のプレート素材からなり、このプレート素材を金型により所定のフィン形状に型取りして製造される。プレート素材は、型取りされる前に、通常、耐食性を向上させるべく、耐食性塗料が塗布されて耐食性被膜が形成される。
【0006】
ところで、プレート素材は、圧延油を用いて圧延されて製造されるため、表面に圧延油が残存している。このため、表面に塗料を塗布する際に、塗料が圧延油に弾かれて塗布作業が困難となる。そこで、従来の表面処理では、塗料の塗布を行う前に、プレート素材をアルカリ溶液の処理槽に浸漬して脱脂処理され、さらに、表面に耐食性被膜を形成しかつ表面を粗面化するために、クロム酸処理剤の処理槽に浸漬してクロム酸処理される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプレート素材の表面処理方法では、脱脂処理及びクロム酸処理のための処理槽を必要とするため、設備費用が増大する。
【0008】
また、クロム酸処理によって生じる処理廃液は重金属を含み耐環境の点で問題があることから、所定の処理を施した後で廃棄する必要がある。しかし、この廃液処理に際しては、専用の処理層が別途必要になるとともに、定期的に廃液処理作業を行う必要があることからランニングコストも増大する。
【0009】
本発明の目的は、プレート素材の表面処理にかかる設備費用等を低減することにある。また、本発明の目的は、そのような表面処理を施して熱交換器用放熱フィンを得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る表面処理方法は、圧延用油を用いて圧延されてなるプレート素材の表面を処理するための方法であって、第1工程と、第2工程とを備えている。第1工程では、プレート素材を準備する。第2工程では、プレート素材の表面に、脱脂処理を施すことなく塗料を塗布する。
【0011】
この方法では、脱脂処理を行わずにプレート素材に塗料を塗布できるため、従来のように脱脂のための処理層が不要となり、設備費用が低減される。
請求項2に係る表面処理方法は、請求項1の表面処理方法において、第2工程では、プレート素材の表面に、粗面化処理を施すことなく塗料を塗布する。
【0012】
この方法では、プレート素材の粗面化処理を行わずに塗料を塗布できるため、従来のようにクロム酸処理のための処理層が不要となり、設備費用が低減される。また、廃液処理もせずに済むため、ランニングコストを抑えることができる。
【0013】
請求項3に係る表面処理方法は、請求項1または2の表面処理方法において、第2工程では、プレート素材の搬送方向に50m/分以下の速度で塗料を塗布する。
【0014】
この方法では、塗料は、比較的遅い速度でプレート素材に塗布されるため、油に弾かれにくい粘度の高い塗料を用いることが可能である。そして、このような方法を採用することにより、脱脂処理を省略することが可能となる。
【0015】
請求項4に係る表面処理方法は、請求項3の表面処理方法において、塗料は、プレート素材に対する塗布速度との関係で使用可能な粘度を有している。
塗料の塗布速度が異なると、その塗布速度において使用可能な塗料の粘度も異なってくる。ここでは、そのような塗布速度との関係で使用可能な粘度を有する塗料を用いることとしている。
【0016】
請求項5に係る表面処理方法は、請求項1から4のいずれかの表面処理方法において、第2工程では、240℃以上270℃以下の雰囲気下で塗料を乾燥させる。
【0017】
この方法では、比較的高温度の雰囲気下で塗料を乾燥させるため、プレート素材に残存した圧延油が塗料中に分散しやすくなる。これにより、脱脂処理を省いてもプレート素材表面に安定して塗膜が形成される。
【0018】
請求項6に係る表面処理方法は、請求項1から5のいずれかの表面処理方法において、塗料は、耐食性塗料と親水性塗料とを含む。また、第2工程は、第3工程と、第4工程とを有している。第3工程では、プレート素材の表面に耐食性塗料を塗布する。第4工程では、第3工程を経たプレート素材の表面に親水性塗料を塗布する。
【0019】
放熱フィンは、例えば、室内機用の熱交換器に用いられる場合は耐食性に加えて親水性がさらに要求される。この場合、プレート素材表面には、通常、耐食性被膜が形成された後、その上にさらに親水性被膜が形成される。
【0020】
ここでは、主として、室外機用熱交換器の放熱フィンとして用いられるプレート素材に対し表面処理を施す場合を対象としている。
請求項7に係る表面処理方法は、請求項1から6のいずれかの表面処理方法において、第4工程では、プレート素材は、第3工程での搬送経路と同一の搬送経路を逆方向に搬送される。
【0021】
プレート素材は、通常、所定の速度で搬送させた状態で、塗料の塗布、乾燥等が行われるが、この方法では、耐食性塗料の塗布と親水性塗料の塗布とが同一経路上で行われることとなるため、例えば、乾燥炉を搬送経路上に1つだけ配置しておくことで、両工程の乾燥を行えるようになる。このため、設備費用をさらに削減でき、作業効率を向上させることができる。
【0022】
請求項8に係る表面処理方法は、請求項7の表面処理方法において、第3工程では、第4工程より低温度の雰囲気下で、プレート素材に塗料を塗布する。
この方法では、耐食性塗料は、後で塗布される親水性塗料の塗布時よりも低温で塗布されるため、親水性塗料の乾燥時に耐食性塗料に熱履歴が生じるのを抑えることができる。
【0023】
請求項9に係る表面処理方法は、請求項1から8のいずれかの表面処理方法において、プレート素材は、熱交換器の放熱フィンとして用いられる。
請求項10に係る表面処理方法は、請求項1から9のいずれか表面処理方法において、プレート素材は、純アルミニウム製である。
【0024】
請求項11に係るフィンは、圧延用油を用いて圧延されたプレート素材からなる板状のフィンであって、フィン本体と、塗膜とを備えている。塗膜は、フィン本体の表面に形成されている。そして、圧延用油が、フィン本体表面1m2当たりに、10mg以下含まれている。
【0025】
このフィンは、所定量の圧延油が残存しているため、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
請求項12に係るフィンは、圧延用油を用いて圧延されたプレート素材からなる板状のフィンであって、フィン本体と、塗膜とを備えている。塗膜は、フィン本体の表面に形成されている。そして、塗膜は、赤外線スペクトルにおいて、圧延油の構成主成分に相当するピークを有している。
【0026】
このフィンは、圧延油の一部が塗膜中に分散した状態で残存しているため、塗膜の赤外線スペクトルを測定すると、圧延油の構成主成分に相当するピークが現れる。したがって、このフィンは、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0027】
請求項13に係るフィンは、請求項12のフィンにおいて、塗膜は、赤外線スペクトルにおいて、1500cm-1以上2000cm-1以下の範囲にピークを有する。
【0028】
このフィンでは、一般に用いられる圧延油としてはこのような範囲にピークを有するものが多いことから、かかる範囲に赤外線スペクトルのピークを有するものを対象としている。
【0029】
このフィンは、圧延油の一部が塗膜中に分散した状態で残存しているため、塗膜の赤外線スペクトルを測定すると、圧延油の構成成分に相当するピークが現れる。したがって、このフィンは、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0030】
請求項14に係るフィンは、請求項11から13いずれかのフィンにおいて、塗膜表面における板厚方向の凹凸が2μm以上5μm以下の範囲にある。
このフィンは、粗面化処理が施されていないため、粗面化処理が施されたものに比べ塗膜表面の凹凸が少なく、上記範囲内に抑えられている。したがって、このフィンは、粗面化処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0031】
請求項15に係るフィンは、請求項1から10のいずれかに記載の表面処理方法により処理されたプレート素材を用いてなる。
このフィンは、上述の表面処理方法により処理されたプレート素材を用いて製造されたものであって、表面処理のための設備費用等を低減しうる処理方法を経て製造されたものである。
【0032】
請求項16に係るフィンは、請求項11から15のいずれかのフィンにおいて、熱交換器内に配置される放熱のためのものである。
請求項17に係るフィンは、請求項11から16のいずれかのフィンにおいて、プレート素材は、純アルミニウム製である。
【0033】
請求項18に係るプレート部材は、請求項1から10のいずれかの表面処理方法により処理されてなる。
【0034】
【発明の実施の形態】
[プレート素材の表面処理方法]
図1に、本発明の一実施形態が採用された表面処理方法の概要を示す。
【0035】
まず、この表面処理方法に用いられる装置について説明する。
プレート素材1は、2つのコイラー21,31の間に掛け渡してセットされる。コイラー21,31は、それぞれプレート素材1の巻き出し及び巻き取りが可能な装置であり、一方でプレート素材1を巻き出し、他方でプレート素材1を巻き取ることで、プレート素材1を図1の左右いずれかの方向に搬送することができる。
【0036】
2つのコイラー21,31の中間部分には、プレート素材1の表面に塗布された塗料を乾燥させるための乾燥炉23が配置されている。乾燥炉23は、搬送方向に沿って開口されており、内側にプレート素材1が移動自在に配置される。
【0037】
乾燥炉23のコイラー21側には、耐食性塗料(後述)を塗布するためのロールコータ25が配置され、コイラー31側には、親水性塗料(後述)を塗布するためのロールコータ35が配置されている。ロールコータ25のロール表面は、塗料の保持性を上げるためにメッシュ仕上げされており、ロールコータ35のロール表面はダル仕上げされている。
【0038】
また、ロールコータ25,35の搬送方向下流側にはそれぞれ、塗料の表面に処理剤を添加するための処理部27,37が配置され、乾燥炉23を介したさらに下流側には、乾燥炉23で過熱されたプレート素材1を冷却するための冷却ブロー29,39が配置されている。
【0039】
次に、この表面処理方法について説明する。
この方法は、圧延用油を用いて圧延されてなるプレート素材1の表面を処理するための方法である。プレート素材1は、主として、空気調和装置の室外機及び室内機の熱交換器内に配置される放熱フィンに用いられる。
【0040】
この方法は、準備工程と、塗料塗布工程とを備えている。
準備工程では、ロール状に巻かれたプレート素材1を用意し、コイラー21,31にセットする。このプレート素材1は、純アルミニウム製であり、圧延油を用いて圧延されて製造されたものである。
【0041】
塗料塗布工程では、プレート素材1の表面に、脱脂処理及び粗面化処理を施すことなく塗料を塗布する。この工程は、耐食性塗料塗布工程と、親水性塗料塗布工程とを有している。
【0042】
耐食性塗料塗布工程では、ロールコータ25によりプレート素材1の表面に耐食性塗料を塗布する。この工程では、プレート素材1が一定の速度で図1の右方向に搬送されることで、ロールコータ25により一定の速度で塗料が塗布される。ここでは、50m/分以下の速度で、好ましくは10〜40m/分の速度で塗料が塗布される。
【0043】
耐食性塗料としては、エポキシ樹脂系塗料等の塗料が用いられる。ここで用いられる塗料は、プレート素材1に対する塗布速度との関係で使用可能な粘度を有している。具体的には、図2の斜線で示される領域に粘度を有する塗料が用いられる。なお、塗布速度が大きい場合は粘度の小さい塗料は本方法での使用に適さない。これは、粘度が小さい場合は、ロールコータ25のロール上に塗料を十分に保持できず、プレート素材1に良好に塗布できないためである。したがって、例えば、塗布速度が50m/分である場合は、40秒以上の粘度を有する塗料が好ましく使用される。なお、従来の表面処理においては、100〜250m/分の速度で塗布される。
【0044】
また、塗料塗布後は、プレート素材1は、乾燥炉23に搬送されて240℃以上270℃以下の雰囲気下で乾燥される。この際、後の親水性塗料塗布工程での乾燥温度よりも低い温度で乾燥される。
【0045】
親水性塗料塗布工程では、ロールコータ35によりプレート素材1の表面に耐食性塗料が塗布される。この工程では、プレート素材1が一定の速度で図1の左方向に搬送されることで、一定の速度で塗布される。塗布速度は、耐食性塗料の塗布と同様である。
【0046】
親水性塗料としては、アクリル樹脂系塗料等の塗料が用いられる。親水性塗料の、塗布速度との関係において使用可能な粘度は、耐食性塗料の場合と同様である。また、この工程では、耐食性塗料の乾燥と同様の温度雰囲気下で乾燥されるが、前述のように、耐食性塗料の乾燥温度よりも高い温度で乾燥される。
【0047】
この表面処理方法では、プレート素材1は、まず、コイラー21からコイラー31に向かって搬送される。このとき、プレート素材1は、脱脂処理及びクロム酸処理が施されることなく、ロールコータ25により耐食性塗料が塗布される。そして、処理部27で処理剤が添加された後、乾燥炉23内で、上記所定温度まで加熱され、塗料が乾燥、固化される。その後、プレート素材1は、冷却ブロー29で冷却されてコイラー31に巻き取られる。
【0048】
次いで、プレート素材1は、コイラー31からコイラー21に向かって搬送され、この間にロールコータ35により親水性塗料が塗布される。そして、処理部37で処理剤が添加された後、乾燥炉23内で、上記所定温度まで加熱され、塗料が乾燥、固化される。その後、プレート素材1は、冷却ブロー39で冷却されてコイラー21に巻き取られる。
【0049】
このような表面処理方法によれば、塗料は、従来に比べ比較的遅い速度でプレート素材1に塗布され、これにより、比較的粘度の高い塗料を用いることができる。このため、プレート素材1上に圧延油が残存していても、塗料が圧延油に弾かれるのを抑えて塗膜を形成することができる。そして、このような方法を採用することで、従来の脱脂処理及び粗面化処理を省略でき、これにより、各処理に要する処理層が不要となり、設備費用が大幅に低減される。
【0050】
また、この方法では、クロム酸処理を省略できることから、廃液処理を行う必要も生じず、表面処理にかかるランニングコストが抑えられる。
[熱交換器用放熱フィン]
図3及び図4に、本発明の一実施形態が採用された熱交換器用放熱フィン11を示す。
【0051】
この放熱フィン11は、熱交換器内に配置される放熱のための板状のフィンである。放熱フィン11は、上記表面処理方法により処理されたプレート素材1からなり、フィン本体13と、塗膜15とを備えている。
【0052】
フィン本体13は、プレート素材1を金型により所定のフィン形状に型取りして製造され、図示されるような形状に形成される。また、フィン本体13は、熱交換器の内に配置される複数の伝熱管(図示せず)が貫通して装着される複数の孔13aを有している。
【0053】
塗膜15は、フィン本体13の表面に形成されている。そして、この塗膜15は、圧延用油がフィン本体13表面1m2当たりに10mg以下含まれている。また、この塗膜15は、赤外線スペクトルにおいて、1500cm-1以上2000cm-1以下の範囲にピークを有する。さらに、塗膜15の表面は、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定される板厚方向の凹凸が、2μm以上5μm以下の範囲にある。
【0054】
上述のような表面処理がなされて得られる放熱フィン11は、脱脂処理が施されていないため、圧延油を所定量含んでいる。また、赤外線スペクトルを測定した場合は、圧延油の存在を示すピークが現れることから、脱脂処理を行っていないことを確認できる。さらに、走査型電子顕微鏡により塗膜15表面の凹凸を測定した場合は、クロム酸処理を施す表面処理を行った場合に比べ少ない範囲に抑えられているため、クロム酸処理を行っていないことを確認できる。
【0055】
また、この放熱フィン11は、表面に親水性塗膜が形成されているため、主として、室内機の熱交換器の放熱フィンとしての使用に適している。
[他の実施形態]
(a)上記表面処理方法は、空気調和装置の室外機及び室内機以外の装置の熱交換器等に用いられる放熱フィンを製造するためのプレート素材の表面処理に用いてもよい。
【0056】
(b)上記表面処理方法では、プレート素材に耐食性塗料のみを塗布してもよい。この場合は、主として、室外機の熱交換器用放熱フィンとして用いることができる。
【0057】
(c)上記表面処理方法では、所定の発色剤を添加した塗料を用いて表面処理を行ってもよい。この場合は、圧延油によって弾かれなかった塗膜の部分が着色して見えるため、着色の程度(濃淡)によって、塗膜の膜厚を目視で確認することができる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1に係る発明では、脱脂処理を行わずにプレート素材に塗料を塗布できるため、従来のように脱脂のための処理層が不要となり、設備費用が低減される。
【0059】
請求項2に係る発明では、プレート素材の粗面化処理を行わずに塗料を塗布できるため、従来のようにクロム酸処理のための処理層が不要となり、設備費用が低減される。また、廃液処理もせずに済むため、ランニングコストを抑えることができる。
【0060】
請求項3に係る発明では、塗料は、比較的遅い速度でプレート素材に塗布されるため、油に弾かれにくい粘度の高い塗料を用いることが可能である。そして、このような方法を採用することにより、脱脂処理を省略することが可能となる。
【0061】
請求項4に係る発明では、塗料の塗布速度が異なるとその塗布速度において使用可能な塗料の粘度も異なってくるために、そのような塗布速度との関係で使用可能な粘度を有する塗料を用いることとしている。
【0062】
請求項5に係る発明では、比較的高温度の雰囲気下で塗料を乾燥させるため、プレート素材に残存した圧延油が塗料中に分散しやすくなる。これにより、脱脂処理を省いてもプレート素材表面に安定して塗膜が形成される。
【0063】
請求項6に係る発明では、主として、室外機用熱交換器の放熱フィンとして用いられるプレート素材に対し表面処理を施す場合を対象としている。
請求項7に係る発明では、例えば、乾燥炉を搬送経路上に1つだけ配置しておくことで、両工程の乾燥を行えるようになる。このため、設備費用をさらに削減でき、作業効率を向上させることができる。
【0064】
請求項8に係る発明では、耐食性塗料は、後で塗布される親水性塗料の塗布時よりも低温で塗布されるため、親水性塗料の乾燥時に耐食性塗料に熱履歴が生じるのを抑えることができる。
【0065】
請求項9に係る発明では、特に、熱交換器の放熱フィンとして用いられるプレート素材に対し表面処理を施す場合を対象としている。
請求項11に係る発明では、所定量の圧延油が残存しているため、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0066】
請求項12に係る発明では、圧延油の一部が塗膜中に分散した状態で残存しているため、塗膜の赤外線スペクトルを測定すると、圧延油の構成成分に相当するピークが現れる。したがって、このフィンは、脱脂処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0067】
請求項13に係る発明では、一般に用いられる圧延油としてはこのような範囲にピークを有するものが多いことから、かかる範囲に赤外線スペクトルのピークを有するものを対象としている。
【0068】
請求項14に係る発明では、粗面化処理が施されていないため、粗面化処理が施されたものに比べ塗膜表面の凹凸が少なく、上記範囲内に抑えられている。したがって、このフィンは、粗面化処理を経ずに表面処理されていることを確認できる。
【0069】
請求項15に係る発明では、上述の表面処理方法により処理されたプレート素材を用いて製造されたものであって、表面処理のための設備費用等を低減しうる処理方法を経て製造されたものである。
【0070】
請求項16に係る発明では、特に、熱交換器の放熱のために用いられるフィンにおいて、脱脂処理を経ずに表面処理が施されていること等を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるプレート素材の表面処理方法の概要を示す図。
【図2】上記表面処理方法で使用される塗料の塗布速度と粘度との関係を表すグラフ。
【図3】本発明の一実施形態による熱交換器用放熱フィンを示す平面図。
【図4】上記放熱フィンの縦断面図。
【符号の説明】
1 プレート素材
11 放熱フィン
13 フィン本体
15 塗膜
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