JPH08157851A - フィンプレス用揮発性潤滑油 - Google Patents

フィンプレス用揮発性潤滑油

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JPH08157851A
JPH08157851A JP29964894A JP29964894A JPH08157851A JP H08157851 A JPH08157851 A JP H08157851A JP 29964894 A JP29964894 A JP 29964894A JP 29964894 A JP29964894 A JP 29964894A JP H08157851 A JPH08157851 A JP H08157851A
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JP
Japan
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volatile
fin
lubricating oil
oil
polyalkylene oxide
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Application number
JP29964894A
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English (en)
Inventor
Hideo Fujimoto
日出男 藤本
Kenichi Kamiya
憲一 神谷
Manabu Fukui
学 福井
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑性が優れ、且つ潤滑油の加熱除去後に優
れた親水性をフィンに付与することができるフィンプレ
ス用揮発性潤滑油を提供する。 【構成】 粘度1.5〜3.5cstのパラフィン系揮
発性油にポリアルキレンオキサイドを0.1〜3.0%
添加したフィンプレス用揮発性潤滑油である。この場合
に、前記ポリアルキレンオキサイドは、分子量5000
以下のポリエチレングリコール若しくはポリプロビレン
グリコール又はそれらの共重合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルームエアコンの熱交
換器等に使用されるアルミニウム製フィンを、所定組成
のアルミニウム材をプレス成形して製造する際に使用さ
れるフィンプレス用揮発性潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウムフィン材のプレ
ス成形の際には、難揮発性の潤滑油が使用されていた。
その後、プレス成形されたフィン表面に残留した潤滑油
を除去するため、トリクロロエチレン又はトリクロロエ
タン等の有機溶剤で洗浄することにより、脱脂処理が行
われていた。
【0003】また、近年アルミニウムフィン材の表面に
は、フィン表面に親水性を付与するため、有機化合物と
アルカリケイ酸塩等の無機化合物を混合して表面形態を
微細に粗面化した皮膜(以下「シリカ系皮膜」という)
(特開昭55−99976号等)がプレコートされてい
る。
【0004】しかしながら、現状では、塩素系溶剤の規
制により、前記有機溶剤による脱脂洗浄エ程の省略を目
的として、従来の難揮発性潤滑油よりも潤滑性が劣る低
粘度の揮発性潤滑油の使用が一般的となってきた。
【0005】これらの揮発性潤滑油は、潤滑性を向上さ
せるため、低粘度のパラフィン系揮発性油に、リン酸エ
ステル、脂肪酸エステル類又は脂肪酸類等の油性剤又は
極圧剤等が含有されている。
【0006】また、それに伴い、これらの揮発性潤滑油
を用いたプレス成形では、前述したようにアルミニウム
フィン材の表面が硬質なアルカリケイ酸塩等の無機化合
物を含むシリカ系皮膜で表面処理されているため、フィ
ンカラー内面に焼付きが生じたり、プレスエ具の摩耗が
大きくなる等、プレス成形性が低下するという問題点が
顕著になってきた。
【0007】このような間題点を解決するために、従
来、シリカ系皮膜の上にワックス等を含む潤滑性樹脂皮
膜をプレコートする(特公昭61−46190号、特公
平1−21785号等)という方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、アルミニウムフ
ィン材のプレス成形用潤滑油としては、揮発性潤滑油が
一般的に使用されている。
【0009】しかしながら、難揮発性の潤滑油と比べて
低粘度の揮発性潤滑油は、潤滑性の向上のため種々の油
性剤又は極圧剤等を含有しているのであるが、潤滑性は
未だ充分とはいえず、フィンのカラー内面に焼付きが生
じると共に、プレスエ具の摩耗が大きくなり、成形性が
劣化する等の問題点がある。
【0010】更に、揮発性潤滑油の除去の際には、約1
50〜200℃の熱を与えて揮発性潤滑油を蒸発除去す
るという方法(以下「加熱乾燥エ程」という)が実施さ
れているが、この加熱乾燥工程の後に、潤滑性の向上の
ため添加されているリン酸エステル、脂肪酸エステル
類、及び脂肪酸類等の油性剤及び極圧剤等が、フィン表
面に残存し、更に親水皮膜と各添加成分の親水基が反応
し、各添加成分の親油基が外側に配向するため、親水性
の劣化を招くという難点がある。
【0011】また、プレスエ具の摩耗の問題を解決する
ために、シリカ系皮膜の上にワックス等を含む潤滑性樹
脂皮膜をプレコートするという方法では、プレコートを
施すのに余分なコストがかかるという問題点がある。更
には、潤滑性樹脂皮膜中のワックスが親水性を低下させ
るという問題点もある。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、潤滑性が優れ、且つ潤滑油の加熱除去後に
優れた親水性をフィンに付与することができるフィンプ
レス用揮発性潤滑油を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフィンプレ
ス用揮発性潤滑油は、粘度1.5〜3.5cstのパラ
フィン系揮発性油にポリアルキレンオキサイドを0.1
〜3.0%添加したことを特徴とする。
【0014】この場合に、前記ポリアルキレンオキサイ
ドは、例えば、分子量5000以下のポリエチレングリ
コール若しくはポリプロビレングリコール又はそれらの
共重合体である。
【0015】
【作用】本発明の目的は、特定の粘度のパラフィン系揮
発性油に、ポリアルキレンオキサイドを特定量添加する
ことにより達成される。ポリアルキレンオキサイドは、
一般的に下記化学式1で表される高分子化合物であり、
直鎖状のポリエーテル化合物であるため、極めて優れた
潤滑性を示す。また、ポリアルキレンオキサイドは、エ
ーテル基を有するため、極めて優れた親水性を示す。
【0016】
【化1】−[−Cx2xO−]n−(x≧2) 従って、特定の粘度のパラフィン系揮発性油にポリアル
キレンオキサイドを添加することにより、揮発性潤滑油
が従来の不揮発性油と比して低粘度であるにも拘わら
ず、極めて優れた潤滑性を有することになる。
【0017】また、プレス加工後のフィン表面に残存す
る油分を加熱乾燥工程により除去する場合、フィン表面
に不揮発分としてポリアルキレンオキサイドが残存する
ため、親水皮膜をプレコートしたフィン表面の親水性を
更に良好にする効果がある。
【0018】更に、パラフィン系揮発性油にポリアルキ
レンオキサイドを添加する方法としては、直接添加する
ことも可能であるが、溶解性の点から、ポリアルキレン
オキサイドを一旦アルコールに溶解させた後、その溶液
をパラフィン系揮発性油に混合するという方法により添
加することが好ましい。
【0019】次に、パラフィン系揮発性油の粘度として
は、1.5〜3.5cstであることが必要である。こ
れは、粘度が1.5cst未満の場合は、引火性が高す
ぎるため、使用する上で危険性が高くなるためである。
また、粘度が3.5cstを超える場合は、揮発性が低
すきて、一般的に150〜200℃の熱風を最大5分間
送風するという加熱乾燥エ程において、ベース油である
パラフィン系揮発性油を充分に除去できない。このた
め、パラフィン系揮発性油の粘度は1.5〜3.5cs
tにする。
【0020】加熱乾燥エ程において、前記条件以上の温
度及び時間にすることにより、粘度が3.5cst以上
のパラフィン系揮発性油を除去することは可能なのであ
るが、前記条件以上の温度及び時間にするとコストがか
かりすぎるという問題がある。
【0021】また、ポリアルキレンオキサイドの添加量
としては、0.1〜3.0%であることが好ましい。こ
れは添加量が0.1%未満では充分な潤滑性が得られな
いためである。更に、添加量が増加すると潤滑性は向上
するのであるが、この潤滑性の向上効果は3.0%の添
加で飽和してしまい、また、3.0%を超えて添加する
とパラフィン系揮発性油への溶解が困難になってくるた
めである。このため、ポリアルチレンオキサイドの添加
量は0.1〜3.0%とする。
【0022】また、添加するポリアルキレンオキサイド
の分子量としては、5000以下であることが好まし
い。これは、分子量が5000を超えるとパラフィン系
揮発性油への溶解が困難になるためである。
【0023】更に、ポリアルキレンオキサイドの種類と
しては溶解性、親水性及びコストの点から考えて最も一
般的なポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、又はそれらの共重合体であることが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】揮発性潤滑剤としては、上述した特定の粘
度のパラフィン系揮発性油にポリアルキレンオキサイド
を特定量添加したものを用いた。その組成を下記表1に
示す。
【0026】但し、表1のポリアルキレンオキサイドの
種類の欄に記載の表示は、夫々以下のものを示してい
る。
【0027】PEG:ポリエチレングリコール PPG:ポリプロピレングリコール PEG+PPG:ポリエチレングリコールとポリプロピ
レングリコールの共重合体。
【0028】
【表1】
【0029】
【0030】また、供試材として、予め脱脂及び水洗し
たアルミニウム板(材質:1330、厚さ:0.1m
m、質別:H26)の表面上に、クロメート処理により
耐食皮膜を設け、更にその上層として有機化合物とアル
カリケイ酸塩を混合して表面形態を粗面化したシリカ系
親水皮膜を設けたアルミニウムフィン材を用いた。
【0031】そして、前記アルミニウムフィン材と表1
に示す揮発性潤滑油の組み合わせで、潤滑性、成形性及
び親水性の評価を行った。この評価結果を下記表2に示
す。
【0032】
【表2】
【0033】
【0034】潤滑性の評価は、以下の条件のバウデンす
べり試験により行った。
【0035】測定条件 …鋼球:3/16インチ 荷重 …0.2kg すべり速度…50mm/min 潤滑条件 …表1記載の揮発性潤滑油を塗油(塗油量
10g/m2
【0036】成形性の評価としては、しごき加工方式で
あるドローレス方式金型を用いて以下の条件で100万
パンチの連続成形を行い、フィンカラー内面の焼付き状
況及び使用工具の焼付き状況を観察することにより行っ
た。
【0037】 プレス条件…金型 :ドローレス方式金型 カラーしごき率:55% プレス速度 :250SPM 潤滑条件 :表1記載の揮発性潤滑油を塗油(塗油
量 10g/m2) 評価基準 フィンカラー内面の焼付き状況…焼付きなし :○ 若干焼付き有り:△ 焼付き大 :× 使用工具の焼付き状況 …焼付きなし :○ 若干焼付き有り:△ 焼付き大 :×
【0038】親水性の評価としては、上記条件でプレス
成形されたフィンを用い、フィン表面に残存する揮発性
潤滑油を除去するために150℃に5分間加熱して乾燥
した後の純水の接触角を測定することにより行った。ま
た、親水持続性を評価するため、加熱乾燥後に純水に2
4時間浸潰し、その後60℃で30分乾燥した後の純水
の接触角を測定した。この純粋の接触角により親水持続
性を評価した。
【0039】このようにして、各発揮性潤滑剤を評価し
た結果、表2に示すように、実施例1〜21は本発明の
規定条件を満足しているため、潤滑性が優れたものであ
った。また、実施例1〜21はフィンカラー内面の焼付
き状況及び便用工具の焼付き状況等の成形性に関しても
良好な性能を示し、更にアルミニムフィン材をプレス成
形し、加熱乾燥した後に、優れた親水性がフィン材に付
与されている。
【0040】これに対し、比較例1はポリアルキレンオ
キサイドの添加量が0.02%と少なすきるため、ま
た、比較例2はポリアルキレンオキサイドが無添加であ
るため、充分な潤滑性が得られず、よって成形性に関し
ても良好な性能が得られていない。
【0041】また、比較例3はパラフィン系揮発油の粘
度が5.0cstと高すぎるため、加熱乾燥ではプレス
成形後、フィン表面に残存した潤滑油の除去が不可能と
なる。
【0042】また、比較例4は従来の揮発性潤滑油の例
であり、充分な潤滑性及び成形性が得られないと共に、
加熱乾燥後に残存する不揮発分の影響で親水性が劣化し
た。
【0043】更に、比較例5は従来の不揮発性潤滑油の
例であり、潤滑性及び成形性は良好であるが、加熱乾燥
では、プレス成形後、フィン表面に残存した潤滑油の除
去が不可能であった。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
粘度1.5〜3.5cstのパラフィン系揮発性油にポ
リアルキレンオキサイドを0.1〜3.0%添加するこ
とにより、潤滑性が優れていると共に、潤滑油の加熱除
去後にフィンに優れた親水性を付与することができるフ
ィンプレス用揮発性潤滑油が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 20:04 40:20 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度1.5〜3.5cstのパラフィン
    系揮発性油にポリアルキレンオキサイドを0.1〜3.
    0%添加したことを特徴とするフィンプレス用揮発性潤
    滑油。
  2. 【請求項2】 前記ポリアルキレンオキサイドが分子量
    5000以下のポリエチレングリコール若しくはポリプ
    ロビレングリコール又はそれらの共重合体であることを
    特徴とする請求項1に記載のフィンプレス用揮発性潤滑
    油。
JP29964894A 1994-12-02 1994-12-02 フィンプレス用揮発性潤滑油 Pending JPH08157851A (ja)

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JP29964894A JPH08157851A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 フィンプレス用揮発性潤滑油

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004076601A1 (ja) * 2002-12-26 2006-06-08 松下電器産業株式会社 金属加工用水溶性潤滑剤、その使用に適した金属加工方法及び金属加工装置
US7493941B2 (en) * 2002-04-10 2009-02-24 Daikin Industries, Ltd. Surface treatment method for plate material, and radiating fin for heat exchanger

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