JP6126340B2 - 熱交換器用フィン材及び熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、エアーコンディショナーなどの熱交換器に用いられ、親水性及びプレス加工性に優れるとともにプレス加工時のスリット工程で切断不良が生じ難い熱交換器用フィン材及び熱交換器に関する。
エアーコンディショナーでは、熱交換器を冷却側で使用する場合に結露水が凝集して水滴となり、隣り合うフィン間に水のブリッジが形成される場合がある。このような現象が発生すると、空気の通路が狭くなって通風抵抗が大きくなり、熱交換効率が低下する。このため、熱交換器用フィン材にあっては、その表面に濡れ性(親水性)を付与する親水性皮膜が設けられるのが一般的である。
従来から、フィン材に用いられる親水性皮膜として、アルカリ珪酸塩を主体とする親水性無機皮膜とアクリル樹脂等の水溶性樹脂を主体とする親水性樹脂皮膜が知られている。特許文献1には、親水性無機皮膜上に親水性樹脂皮膜を積層した2層構成が提案され、特許文献2には、親水性皮膜にアルカリ金属塩等を含有させることによって、環境中の化学物質付着による皮膜の撥水化を防止するようにした構成が提案されている。
フィン材は、これらの親水性皮膜等が予め設けられたアルミニウム製の板材をプレス加工することで得られるが、前述のような親水性皮膜はプレス加工で用いる金型表面に対する滑りが悪く、これに起因してフィンのカラーが破断するカラー飛びや割れ等の加工不良、金型摩耗という問題が生じている。
特に、珪酸ナトリウム(水ガラス)を親水性無機皮膜の材料として用いた場合には、プレス加工時に、皮膜成分中のNaが表面に析出して金型表面へ転写し、潤滑性を悪化させるため、カラー飛び等の加工不良が発生し易い。さらに、珪酸ナトリウムからなる親水性皮膜では、プレス加工の際に塗布するプレス油を皮膜表面ではじいて油滴となる現象が見られ、プレス油の乾燥不良が発生する問題もある。
金型に対する皮膜の滑り悪さに対しては、親水性皮膜の表面に、ポリエチレングリコール等の水溶性潤滑剤を塗布するか、親水性基を有するシロキサン化合物を含む潤滑皮膜を設けることにより、潤滑性を付与することが行われている(例えば、特許文献3参照)。
特開平7−316837号公報 特開2006−213859号公報 特開平6−172777号公報
しかし、親水性皮膜上に水溶性潤滑剤等からなる潤滑皮膜を設けていると、プレス加工時のスリット工程で、皮膜表面が滑り過ぎ、板材の切断不良が生じる問題がある。この切断不良を防ぐ対策として、水溶性潤滑剤を薄塗りする方法も考えられるが、水溶性潤滑剤の量が微量となるため、その塗布厚を精度良く調整することが難しい。
また、親水性皮膜の潤滑剤成分にはポリエチレングリコールが多用されるが、ポリエチレングリコールを、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム等と混合して皮膜形成用塗料を調製すると、塗装、焼付け後に、ポリエチレングリコールのみにはじきが生じ、皮膜を均一に形成することができない問題がある。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、適度な潤滑性を有する親水性無機皮膜を均一に形成することができ、親水性が高く、結露水の凝集を抑えることができるとともに、プレス加工時の加工不良及び切断不良を抑え、プレス油の乾燥不良を抑制できる熱交換器用フィン材および該フィン材を備えた熱交換器を提供することを目的とする。
本発明者が、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、親水性無機皮膜に含有させる潤滑剤としてノニオン系界面活性剤を用いることにより、膜厚が均一であり、適度な潤滑性を有する親水性無機皮膜を得ることができるとの知見を得るに至った。本発明は、かかる知見に基づきなされたものであって、以下の構成を有する。
本発明の熱交換器用フィン材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板と、該基板上に被着された親水性無機皮膜を有し、前記親水性無機皮膜がケイ酸リチウムとSiOとノニオン系界面活性剤からなり、前記親水性無機皮膜中のSiO量が80〜600mg/mであり、前記SiO100重量部に対してLiOを5〜15重量部含み、前記ノニオン系界面活性剤が炭素数10以上のアルキル基を導入したノニオン系界面活性剤であり、該ノニオン系界面活性剤が前記親水性無機皮膜100重量部に対して15〜50質量部含まれ、前記親水性無機皮膜の水接触角が5゜〜15゜、油滴接触角が6゜〜9゜であることを特徴とする。
本発明の熱交換器用フィン材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板と、該基板上に被着された親水性無機皮膜を有し、前記親水性無機皮膜がケイ酸ナトリウムとSiOとノニオン系界面活性剤からなり、前記親水性無機皮膜中のSiO量が80〜600mg/mであり、前記SiO100重量部に対してNaOを2738重量部含み、前記ノニオン系界面活性剤が炭素数10以上のアルキル基を導入したノニオン系界面活性剤であり、該ノニオン系界面活性剤が前記親水性無機皮膜100重量部に対して15〜50質量部含まれ、前記親水性無機皮膜の水接触角が5゜〜16゜、油滴接触角が10゜〜15゜であることを特徴とする
熱交換器用フィン材において、前記親水性無機皮膜中のSiO 量が150〜300mg/m であり、前記ケイ酸リチウムを含む場合に前記SiO 100重量部に対してLi Oを7〜15重量部含み、水接触角が9゜〜10゜、油滴接触角が6゜〜7゜であり、前記ケイ酸ナトリウムを含む場合に前記SiO 100重量部に対してNa Oを33〜38重量部含み、水接触角が9゜〜12゜であることが好ましい。
熱交換器用フィン材においてフレアが形成された構成を採用できる。
本発明の熱交換器は、本発明の熱交換器用フィン材を複数備えてなることを特徴とする 。
発明の熱交換器用フィン材によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板上に、炭素数が10以上のアルキル基が導入されたノニオン系界面活性剤を含有する親水性無機皮膜であって、該親水性無機皮膜100重量部中に対しノニオン系界面活性剤を15〜50質量部含有する親水性無機皮膜を設けるので、フィン材表面での結露水の凝集が抑制され、隣り合うフィン間に水のブリッジが形成されて通風抵抗が増大する現象を回避できる。 親水性無機皮膜がケイ酸リチウムとSiO とノニオン系界面活性剤からなる場合は、親水性無機皮膜中のSiO 量を80〜600mg/m 、SiO 100重量部に対してLi Oを5〜15重量部含むことで、親水性無機皮膜の水接触角を5゜〜15゜、油滴接触角を6゜〜9゜とすることができる。
親水性無機皮膜がケイ酸ナトリウムとSiO とノニオン系界面活性剤からなる場合は、親水性無機皮膜中のSiO 量を80〜600mg/m 、SiO 100重量部に対してNa Oを27〜38重量部含むことで、親水性無機皮膜の水接触角を5゜〜16゜、油滴接触角を10゜〜15゜とすることができる。
親水性無機皮膜に含有されたノニオン系界面活性剤によって皮膜表面に潤滑性が付与されるため、親水性無機皮膜がプレコートされた板材をプレス加工してフィン形状に成形する際、親水性無機皮膜と金型との摩擦を低減でき、良好なプレス加工性を得ることができる。
また、本発明では、潤滑剤となるノニオン系界面活性剤を親水性無機皮膜に含有させているため、潤滑剤を皮膜表面に塗布するのに比べて、潤滑剤の含有量に応じて潤滑性を精度良く制御することができる。このため、親水性無機皮膜に過不足なく潤滑性を付与することができ、親水性無機皮膜と金型との摩擦を低減できると同時に、滑り過ぎによるスリット工程での切断不良を抑えることが可能である。
潤滑剤として所定の炭素数を有するノニオン系界面活性剤を用いることにより、皮膜形成用の親水性塗料を板材に塗布する際、潤滑剤のはじきが抑えられ、親水性無機皮膜を均一に形成することができる。このため、フィン材に親水性及び潤滑性を均一に付与することができる。
さらに、親水性無機皮膜の材料が珪酸ナトリウムである場合には、親水性無機皮膜にノニオン系界面活性剤を含有させたことによって、Na成分が金型へ転写することが抑制され、潤滑性の悪化を低減できる。このため、カラー飛び等の加工不良が効果的に抑えられ、良好なプレス加工性を得ることができる。また、親水性無機皮膜表面でのプレス油のはじきが抑えられ、プレス油の乾燥不良を抑制することが可能である。
また、本発明の熱交換器によれば、前述の熱交換器用フィン材を備えているので、通風抵抗を低く抑えられ、高い熱交換効率を得ることができる。また、フィン材の生産性が高いことにより、熱交換器としての生産性向上及びコストの低減を図ることが可能である。
本発明に係る熱交換器用フィン材の実施形態を一部拡大して示す断面図。 図1に示す熱交換用フィン材を複数備えた熱交換器の一例を示す斜視図。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る熱交換器用フィン材の実施形態を一部拡大して示す断面図である。
図1に示す熱交換器用フィン材1は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるフィン用の基板2の表面に、リン酸クロメート皮膜3と、親水性無機皮膜4が順次形成されている。
基板2は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板材からなり、基板2上に皮膜3と皮膜4を形成した後、フィン形状にプレス加工することでフィンが成形される。アルミニウムまたはアルミニウム合金としては、特に限定されず、一般的に熱交換器用の基材に適用されている組成のアルミニウム材を適宜用いて良い。なお、例示するならばJIS規定A1050、A1200材等が挙げられる。
リン酸クロメート皮膜3は、基板2を、リン酸塩を含むクロム酸又は重クロム酸の水溶液に浸漬することによって、該基板2表面に化学的に生成される化成皮膜であり、必要に応じて設けられる。
このリン酸クロメート皮膜3は、フィン材1に耐食性を付与し、熱交換器使用時のフィン材1表面での腐食生成物の発生を抑えるとともに、その上に設けられる親水性無機皮膜4の塗装密着性を高める機能を有する。
リン酸クロメート皮膜3を設ける場合、その被着量は特に限定されないが、10〜30mg/mであることが好ましい。リン酸クロメート皮膜3の被着量が10mg/m未満であると、フィン材1の耐食性が不足し、その上に設けられる皮膜3、4の密着性が不十分となって皮膜3、4の機能が十分得られなくなる可能性がある。また、熱交換器使用時の腐食生成物の発生や、プレス加工時の潤滑不足、カラー割れ等の問題が生じ易くなる。一方、リン酸クロメート皮膜3の被着量を30mg/mより大きくしても、それ以上の効果は得られず、材料コストが高くなる。
親水性無機皮膜4は、親水性無機材料と、炭素数が10以上のアルキル基を有するノニオン系界面活性剤から構成されている。
この親水性無機皮膜4は、フィン材1に親水性を付与する機能を有する。これにより、フィン材1表面での結露水の凝集が抑制され、隣り合うフィン間に水のブリッジが形成されて通風抵抗が増大する現象を回避することができる。
また、親水性無機皮膜4は、ノニオン系界面活性剤を所定量含んでいることによって適度な潤滑性を有する。このため、親水性無機皮膜4がプレコートされた板材をプレス加工してフィン形状に成形する際、親水性無機皮膜4と金型との摩擦を低減でき、良好なプレス加工性を得ることができる。
また、本発明では、潤滑剤となるノニオン系界面活性剤を親水性無機皮膜4に所定量含有させているため、潤滑剤を皮膜表面に塗布する構成に比べて、潤滑性を精度良く制御することができる。このため、親水性無機皮膜4に適度な潤滑性を過不足なく付与することができ、親水性無機皮膜4と金型との摩擦を低減できると同時に、滑り過ぎによるスリット工程での切断不良を抑えることが可能である。
また、潤滑剤として所定の炭素数を有するノニオン系界面活性剤を用いることにより、後述する皮膜形成用の親水性塗料を板材に塗布する際、潤滑剤のはじきが抑えられ、膜厚の均一な親水性無機皮膜4を得ることができる。このため、フィン材に親水性及び潤滑性を均一に付与することができる。
さらに、親水性無機皮膜4の材料が珪酸ナトリウムである場合は、親水性無機皮膜4にノニオン系界面活性剤を含有させることによって、そのNa成分が金型へ転写することを抑制することができ、潤滑性の悪化を低減できる。このため、カラー飛び等の加工不良を効果的に抑えることができ、良好なプレス加工性を得ることができる。また、親水性無機皮膜4表面でのプレス油のはじきが抑えられ、プレス油の乾燥不良を抑制することが可能である。
親水性無機皮膜4に含まれる親水性無機材料としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等のアルカリ珪酸塩等が挙げられる。これらのアルカリ珪酸塩は、水分の蒸発によってOH基あるいはOM基(式中Mはリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属を示す。)が結合したシロキサン結合(Si−O−Si)を形成し、OH基が表面に露出することで親水性を発揮する。
アルカリ珪酸塩として珪酸リチウム又は珪酸ナトリウムを用いる場合、珪酸リチウムはSiO100重量部に対してLiOを5〜15重量部含むことが好ましく、珪酸ナトリウムはSiO100重量部に対してNaOを10〜40重量部含むことが好ましい。SiO量に対するLiO量又はNaO量の割合が前記範囲から外れると、親水性塗料中で各アルカリ珪酸塩が紛体として分散している状態になってしまい、塗装性が悪化する可能性がある。
親水性無機皮膜4に含まれるノニオン系界面活性剤としては、炭素数が10以上のアルキル基を有するものであれば、特に限定されないが、具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、スルビダン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ソルビタントリステアレート、グリセロールモノステアレート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ノニオン系界面活性剤は、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤に比べて塗料に分散し易いという利点がある。
親水性無機皮膜4は、例えば、アルカリ珪酸塩とノニオン系界面活性剤を含有する親水性塗料を、リン酸クロメート皮膜3が形成された基板2の表面にバーコーターやロールコーターなどの塗布装置により塗布した後、加熱乾燥させて形成できる。
本実施形態では、親水性塗料100重量部に対して、ノニオン系界面活性剤を5〜50重量部の割合で含有させる。親水性塗料におけるノニオン系界面活性剤の含有量が5重量部未満であると、プレス加工時に、板材の潤滑性が不十分となり、加工不良や金型摩耗、プレス油の乾燥不良の問題が生じる。一方、ノニオン系界面活性剤の含有量が50重量部を超えると、板材の潤滑性が大きくなり過ぎ、プレス加工時のスリット工程で切断不良が生じてしまう。
また、親水性無機皮膜4は、皮膜中のSiO 量を80〜600mg/m の範囲として設けられている。親水性無機皮膜4中のSiO が80mg/m未満であると、フィン材の親水性が不十分となり 、フィン材表面での結露水の凝集によって通風抵抗の増大する問題が生じる。一方、親水性無機皮膜4中のSiO を600mg/mより大きくしても、それ以上の効果は得られず 、材料コストが高くなる。
皮膜形成用塗料には、アルカリ珪酸塩、ノニオン系界面活性剤の他、皮膜への密着性を高める目的で、親水性を阻害しないような樹脂成分を添加することも可能である。具体的にはポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸を主成分とするアクリル樹脂等が挙げられる。
なお、アルカリ珪酸塩を含む親水性無機皮膜は、塗布後に十分洗浄し、洗浄後十分乾燥することが好ましい。
本実施形態に係る熱交換器用フィン材は、基板2上にリン酸クロメート皮膜3を介し親水性無機皮膜4を設け、該親水性無機皮膜4として、炭素数が10以上のアルキル基を導入したノニオン系界面活性剤を含有するので、フィン材1表面での結露水の凝集を抑制し、隣り合うフィン間に水のブリッジを形成することを防止し、通風抵抗が増大する現象を回避することができる。また、プレス加工時に、板材が適度な潤滑性を発揮し、良好なプレス加工性が得られるとともに、切断不良及びプレス油の乾燥不良が抑制されるため、フィン材の生産性を向上させることが可能である。
図2は、本発明のフィン材1を備えた熱交換器の一例を示す斜視図である。
図2に示す熱交換器20は、図1に示すフィン材1と、複数の伝熱管30とを備えたものである。アルミニウムフィン材10は、一定の等間隔で平行に並べられており、アルミニウムフィン材10の相互間に空気が流動するようになっている。伝熱管30は、アルミニウムフィン材10のフレア11を貫通しており、その内部を冷媒が流動するようになっている。
このような構成の熱交換器20は、先に説明したフィン材1を備えているので、通風抵抗が低く抑えられ、高い熱交換効率を得ることができる。また、フィン材1の生産性が高いので、熱交換器20としての生産性向上とコストの低減を図ることができる。
以上、本発明の熱交換器用フィン材及び熱交換器について各実施形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
以下実施例に基づき本発明を更に説明する。
1. フィン材の作成
(実施例1〜16)
JIS規定A1050のアルミニウムからなる基板を用意した。この基板に、リン酸クロメート処理を行なってリン酸クロメート皮膜を形成した。
次に、アルカリ珪酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテル(ノニオン系界面活性剤)を含有する親水性塗料を用意し、この親水性塗料を、リン酸クロメート皮膜を形成した基板の表面にバーコーターを用いて塗装し、加熱乾燥することで親水性無機皮膜を形成した。
親水性塗料において、アルカリ珪酸塩の種類、ポリオキシアルキルエーテルの含有量(潤滑剤含有量)、親水性無機皮膜の被着量を以下の表1に示す通りに設定して各例のフィン材を得た。
(比較例1〜6)
親水性塗料における潤滑剤含有量を調整したこと以外は、実施例1の製造方法と同等の方法でフィン材を作成した。
(比較例7〜10)
親水性無機皮膜の被着量を調整したこと以外は、実施例1の製造方法と同等の方法でフィン材を作成した。
2.評価
各実施例及び各比較例で作成したフィン材について、以下のようにして評価を行った。
(1) 塗装性
バーコーターにて塗装、加熱焼付を行った後の塗装状態を評価
○塗装性良好、△はじきあり、×全面はじき
(2)親水性
各フィン材について、24時間水洗を行った後(前処理)に水接触角を測定した。ここでは、水接触角が20°以下の場合を、親水性の適正範囲として評価した。
(3)耐食性
各フィン材について、JIS Z2371に規定された塩水噴霧試験を240時間行い、試験後の腐食面積率をレイティングナンバ(R.N)で評価した。ここでは、塩水噴霧試験でのR.Nが9.8以上の場合を、耐食性の許容範囲とした。
(4)動摩擦係数
バウデン式摩擦試験機を用い、試験機の摺動面にプレス油を塗布しない状態で1サイクル試験を行い、各フィン材表面の動摩擦係数を測定した。ここでは、動摩擦係数が0.2〜0.5の場合を適正範囲として評価した。
(5)プレス加工性
プレス加工性の評価は、以下の(a)〜(c)の条件で行った。
(a)プレス成形を行う前の各板材(各皮膜が形成された状態)について、プレス加工を5000ショットまで行い、カラー飛びの発生状況を目視観察した。この観察結果を、以下の基準に従い評価した。
○:カラー飛びなし、×:カラー飛あり
(b)プレス成形を行う前の各板材について、プレス加工を5000ショットまで行い、スリット工程での切断不良の発生状況を調べた。この結果を、以下の基準に従い評価した。
○:切断不良なし、×:切断不良あり
(c)プレス成形を行う前の各板材について、プレス加工を100万ショットまで行い、その後の金型の摩耗状態を目視観察した。この観察結果を、以下の基準に従い評価した。
○:金型摩耗ほとんどなし、△:金型摩耗やや多い、×:金型摩耗多い
(6)油はじき性
各フィン材について、油滴接触角を測定した。ここでは、油滴接触角が20°以下の場合を、許容範囲として評価した。
以上の評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 0006126340
表1に示すように、実施例2、3、5、6、7〜16のフィン材は、いずれも親水性、耐食性、潤滑性及びプレス加工性に優れており、プレス油はじきが抑えられている。
これに対し、比較例1、2、4、5のフィン材は、動摩擦係数が比較的大きく、プレス加工時にカラー飛びや割れ、金型摩耗が生じた。特に、比較例1のフィン材は、油滴接触角が大きく、プレス油の乾燥不良が生じた。一方、比較例3、6は、動摩擦係数が小さ過ぎ、プレス加工時のスリット工程で切断不良が生じた。
比較例7、8のフィン材は、水接触角が大きく親水性が小さいため、結露水の凝集による通風抵抗の増大が懸念された。一方、比較例9、10のフィン材は、動摩擦係数が比較的大きく、プレス加工時に金型摩耗が生じた。
表1に示す結果から、比較例7〜10の皮膜のSiO量が多すぎたり、少なすぎると親水性に劣るか、金型摩耗性が生じるため、皮膜のSiO量は80mg/m以上、600mg/m以下であることが望ましいことがわかる。
潤滑剤含有量について比較例1〜6の含有量が多すぎたり、少なすぎる場合、動摩擦係数が滑り過ぎない望ましい範囲である0.2〜0.5の範囲を外れるか、カラー飛びや割れが発生するか、スリット加工に問題を生じるか、金型摩耗に問題を生じるので、潤滑剤含有量は5%以上、50%以下であることが好ましい。

なお、SiO100重量部に対しNaOが5重量部又は50重量部の珪酸ナトリウムを用いた場合、もしくは、SiO100重量部に対してLiOが2.5重量部又は20重量部の珪酸リチウムを用いた場合には、親水性塗料中で各アルカリ珪酸塩が紛体として分散している状態になってしまい、塗装することができなかった。
1…フィン材(熱交換器用フィン材)、2…基板、3…リン酸クロメート皮膜、4…親水性無機皮膜、20…熱交換器、30…伝熱管。

Claims (5)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板と、該基板上に被着された親水性無機皮膜を有し、前記親水性無機皮膜がケイ酸リチウムとSiOとノニオン系界面活性剤からなり、前記親水性無機皮膜中のSiO量が80〜600mg/mであり、前記SiO100重量部に対してLiOを5〜15重量部含み、前記ノニオン系界面活性剤が炭素数10以上のアルキル基を導入したノニオン系界面活性剤であり、該ノニオン系界面活性剤が前記親水性無機皮膜100重量部に対して15〜50質量部含まれ、前記親水性無機皮膜の水接触角が5゜〜15゜、油滴接触角が6゜〜9゜であることを特徴とする熱交換器用フィン材。
  2. アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板と、該基板上に被着された親水性無機皮膜を有し、前記親水性無機皮膜がケイ酸ナトリウムとSiOとノニオン系界面活性剤からなり、前記親水性無機皮膜中のSiO量が80〜600mg/mであり、前記SiO100重量部に対してNaOを27〜38重量部含み、前記ノニオン系界面活性剤が炭素数10以上のアルキル基を導入したノニオン系界面活性剤であり、該ノニオン系界面活性剤が前記親水性無機皮膜100重量部に対して15〜50質量部含まれ、前記親水性無機皮膜の水接触角が5゜〜16゜、油滴接触角が10゜〜15゜であることを特徴とする熱交換器用フィン材。
  3. 前記親水性無機皮膜中のSiO 量が150〜300mg/m であり、前記ケイ酸リチウムを含む場合に前記SiO 100重量部に対してLi Oを7〜15重量部含み、水接触角が9゜〜10゜、油滴接触角が6゜〜7゜であり、前記ケイ酸ナトリウムを含む場合に前記SiO 100重量部に対してNa Oを33〜38重量部含み、水接触角が9゜〜12゜であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器用フィン材。
  4. フレアが形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱交換器用フィン材。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱交換器用フィン材を複数備えてなることを特徴とする熱交換器。
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