JPH078963B2 - アルミニウム製熱交換器またはそのフィン材用親水性皮膜形成剤 - Google Patents

アルミニウム製熱交換器またはそのフィン材用親水性皮膜形成剤

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JPH078963B2 JP24797390A JP24797390A JPH078963B2 JP H078963 B2 JPH078963 B2 JP H078963B2 JP 24797390 A JP24797390 A JP 24797390A JP 24797390 A JP24797390 A JP 24797390A JP H078963 B2 JPH078963 B2 JP H078963B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば家庭用および業務用空調機器等のア
ルミニウム製熱交換器、あるいはまた自動車等の輸送機
のアルミニウム製熱交換器、またはそれらのフィン材の
表面に親水性皮膜を形成するために用いられる親水性皮
膜形成剤に関するものである。
この明細書において、アルミニウムとは、アルミニウム
およびアルミニウム合金を含むものとする。
従来の技術 近年、空調機器の分野では、快適性の要素として温度、
湿度、および気流とともに、室内空気の清潔さ、臭いな
ども重視されるようになってきた。
空調機器作動時の悪臭の要因は、まだ明らかにされてい
ないが、つぎの3つの要因が考えられている。
フィン材料表面から飛散する微粒子、 フィン材料表面に吸着した臭気物質、 フィン材料表面に繁殖したカビ、細菌。
上記要因のうち、要因については、 (i)吸着、消臭、防臭法(活性炭などの利用)、 (ii)マスキング消臭、防臭法(芳香剤の利用)、 (iii)中和などの化学的消臭、防臭法(例えば特開昭6
1−119998号公報参照)などが数多く提案されている。
また、要因についても、(iv)抗菌剤、防腐剤などの
添加方法(例えば特開昭57−192557号公報参照)などが
数多く提案されている。
しかし、要因のフィン材料自身に起因する臭気に対す
る改善提案は、ほとんど見当たらないのが現状である。
本出願人は、先に、アルミニウム製熱交換器またはその
フィン材の表面に、アルカリケイ酸塩(水ガラス)と有
機化合物との複合皮膜よりなるすぐれた親水性持続性を
有する親水性皮膜を形成し得る親水性皮膜形成剤を提案
した(特開昭60−101156号公報参照)。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記先提案の親水性皮膜は、アルカリケ
イ酸塩(水ガラス)と有機化合物との複合皮膜であるた
め、親水性無機材料(水ガラス)に特有な、いわゆるセ
メント臭やカビ臭に似た微弱な臭気があり、この親水性
皮膜を有するアルミニウムフィン材を備えた熱交換器を
ルームエアコン(室内機)に組み込んだ場合には、エア
コン吹出口よりセメント臭やカビ臭が感知され、居住環
境が悪化するおそれがあるという問題があった。
そこで本出願人は、上記の問題に対し、界面活性剤水溶
液での洗浄方法(特開昭61−253390号公報参照)、脱臭
剤添加方法(特開昭62−129694号公報参照)を提案した
が、まだ充分満足な結果が得られないという問題があっ
た。
このように親水性皮膜に、親水性無機材料であるアルカ
リケイ酸塩が含まれると、セメント臭やカビ臭に似た微
弱な臭気を生じるものであるが、本発明者の永年の研究
により、このようなアルカリケイ酸塩およびカルボニル
基を有する低分子有機化合物と共に、特定のアミド比す
なわちアクリルアミドの含有率と粘度を有するアクリル
アミド共重合体またはその塩を使用すれば、アルカリケ
イ酸塩に特有のセメント臭やカビ臭を、大幅に低減せし
めることができることを見い出し、この発明を完成する
に至ったものである。
この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、と
くにアルカリケイ酸塩(水ガラス)と有機化合物との複
合皮膜よりなる親水性皮膜について、アルカリケイ酸塩
に特有のセメント臭やカビ臭を、大幅に低減せしめるこ
とができる、アルミニウム製熱交換器またはそのフィン
材用親水性皮膜形成剤を提供しようとするにある。
課題を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、フィンとチ
ューブを備えたアルミニウム製熱交換器またはそのフィ
ン材の表面に親水性皮膜を形成するために用いられる親
水性皮膜形成剤であって、アルカリケイ酸塩(A)と、
カルボニル基を有する低分子有機化合物(B)と、アク
リルアミド共重合体またはその塩(C)とを主成分と
し、アクリルアミド共重合体またはその塩(C)は、
(メタ)アクリル酸−アクリルアミド共重合体、マレイ
ン酸−アクリルアミド共重合体、ビニルスルホン酸−ア
クリルアミド共重合体、および(メタ)アリルスルホン
酸−アクリルアミド共重合体、並びにこれらの塩よりな
る群の中から選ばれたものであり、かつアクリルアミド
共重合体またはその塩(C)において塩成分を除いた重
合体の重量に基づくアクリルアミド単位含有率が30〜90
%であるとともに、アクリルアミド共重合体またはその
塩(C)の固形分25〜30重量%水溶液における粘土が20
0〜2000cpsの範囲内であることを特徴とする、アルミニ
ウム製熱交換器またはそのフィン材用親水性皮膜形成剤
を要旨としている。
上記において、まずこの発明の親水性皮膜形成剤によっ
て処理されるものは、フィンとチューブとを組み合わせ
たアルミニウム製熱交換器、あるいは熱交換器用フィン
を製造するためのアルミニウム製フィン材である。
ここで、アルミニウム製フィン材は、所要長さを有する
平板の状態で処理および加工をすることができるが、と
くにコイル状の状態で連続的に処理および加工をするの
が好適である。
上記アルカリケイ酸塩(A)は皮膜に親水性を与えるた
めの主成分を構成するものであり、SiO2/M2O(式中Mは
リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を意
味する)で表わされる比が1以上のものを使用する必要
がある。とくに、SiO2/M2Oが2〜5のアルカリケイ酸塩
を用いるのが好ましい。
ここで、SiO2/M2Oの比が1未満である場合には、アルカ
リ成分に対してSiO2が少ないため、アルカリ成分による
アルミニウムの侵食作用が大きくなる。
また上記低分子有機化合物(B)は、分子内にカルボニ
ル基(>C=O)を有する低分子有機化合物であって、
これはアルカリケイ酸塩(A)による皮膜を安定化させ
て、より親水性を向上させ、かつ皮膜に柔軟性を与える
ものである。
このような低分子有機化合物(B)としては、具体的に
はアルデヒド類、エステル類、およびアミド類などがあ
げられる。
ここで、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、グリオキサール、マロンジアルデヒ
ド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒドおよ
びフルフラールジアルデヒドなどを使用する。
またエステル類としては、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢
酸メチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸メチ
ルなどの1価アルコールの脂肪酸エステル、またエチレ
ングリコールジ酢酸エステル、グリセリントリ酢酸エス
テル、エチレングリコールジプロピオン酸エステルなど
の多価アルコールの脂肪酸エステル、またγ−ブチロラ
クトン、ε−カプロラクトンなどの分子内エステル、ま
たエチレングリコールモノギ酸エステル、エチレングリ
コールモノ酢酸エステル、エチレングリコールモノプロ
ピオン酸エステル、グリセリンモノギ酸エステル、グリ
セリンモノ酢酸エステル、グリセリンモノプロピオン酸
エステル、グリセリンジギ酸エステル、グリセリンジ酢
酸エステル、ソルビトールモノギ酸エステル、ソルビト
ールモノ酢酸エステル、およびグリコース酸モノ酢酸エ
ステルなどの多価アルコール部分エステル、またコハク
酸ジメチル、マレイン酸ジメチルなどの多塩基酸の1価
アルコールエステル、またエチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、グリセリンカーボネートなどの環
状カーボネートなどを使用する。
またアミド類としては、ホルムアミド、ジメチルホルム
アミド、アセトアミド、ジメチルアセトアミド、プロピ
オンアミド、ブチルアミド、アクリルアミド、マロンジ
アミド、ピロリドンおよびカプロラタムなどを使用す
る。
上記低分子有機化合物(B)のうちでは、均一な処理を
行なうために水溶性の化合物を使用するのが好ましく、
とくにアルデヒド類およびエステル類を使用するのが好
ましい。
さらに、親水性の高い皮膜が形成される点でグリオキサ
ールまたはγ−ブチロラクトンを使用するのが望まし
い。
アクリルアミド共重合体またはその塩(C)は、アルカ
リケイ酸塩(A)とカルボニル基を有する低分子有機化
合物(B)によって形成される皮膜の親水性をさらに向
上させるとともに、柔軟性をも向上させるものである。
つぎに、上記アクリルアミド共重合体は、具体的には、
アクリル酸−アクリルアミド共重合体、メタアクリル酸
−アクリルアミド共重合体、マレイン酸−アクリルアミ
ド共重合体、ビニルスルホン酸−アクリルアミド共重合
体、アリルスルホン酸−アクリルアミド共重合体、およ
びメタアリルスルホン酸−アクリルアミド共重合体より
なる群の中から選ばれたものであり、また、これらのア
クリルアミド共重合体の塩は、アクリルアミド共重合体
のアルカリ金属塩、有機アミン塩およびアンモニウム塩
よりなる群の中から選ばれたものである。
上記のアクリルアミド共重合体またはその塩(C)は、
そのアミド比すなわちアクリルアミドの含有率が30〜90
%、好ましくは40〜80%であるとともに、特定の平均分
子量をを有している。
ここで、アクリルアミド共重合体またはその塩(C)の
平均分子量は、これを粘度で表わすと、アクリルアミド
共重合体またはその塩(C)の固形分25〜30重量%水溶
液における粘度(25℃、B型粘度計で測定)で200〜200
0cps、好ましくは400〜1000cpsの範囲内のものである。
この粘度の値よりアクリルアミド共重合体またはその塩
(C)の粘度平均分子量を容易に算出し得るが、この明
細書においては、これを省略して、固形分25〜30重量%
水溶液における粘度(25℃、B型粘度計で測定)によっ
てアクリルアミド共重合体またはその塩(C)を特定す
るものとする。
上記アクリルアミド共重合体またはその塩(C)のアミ
ド含有率が30%未満では、フィン材表面のアルカリケイ
酸塩を含む親水性皮膜自体から生じる特有のセメント臭
やカビ臭に似た微弱な臭気を除去できず、臭気の改善効
果が少ない。またアクリルアミド共重合体またはその塩
(C)のアミド含有率が90%を越えると、返って親水性
の持続性が低下するので、好ましくない。
また、上記アクリルアミド共重合体またはその塩の固形
分25〜30重量%水溶液における粘度が、200cps未満で
は、臭気改善効果が表われず、また該粘度が2000cpsを
越えると、作業性が悪くなるので、好ましくない。
上記において、アルカリケイ酸塩(A)と、カルボニル
基を有する低分子有機化合物(B)と、アクリルアミド
共重合体またはその塩(C)との配合比は、つぎのとお
りである。
すなわち、アルカリケイ酸塩(A)1重量部に対して、
カルボニル基を有する低分子有機化合物(B)を0.1〜
5重量部、およびアクリルアミド共重合体またはその塩
(C)を0.01〜5重量部の割合で配合する。
上記において、親水性皮膜形成剤におけるアルカリケイ
酸塩(A)の配合量が少ない場合には、アルミニウム製
熱交換器またはそのフィン材の表面に充分な親水性皮膜
が形成されない。またあまり多すぎると皮膜が硬くなり
すぎ、成形性および耐金型摩耗性が悪くなる。
またカルボニル基を有する低分子有機化合物(B)がア
ルカリケイ酸塩(A)1重量部に対して0.1重量部未満
では、低分子有機化合物(B)を添加した効果が表われ
ず、また5重量部をこえると、相対的にアルカリケイ酸
塩(A)が少なくなるので、親水性が充分発揮されな
い。
また、アクリルアミド共重合体またはその塩(C)がア
ルカリケイ酸塩(A)1重量部に対して0.01重量部未満
では、これを添加した効果が表われず、また5重量部を
越えると、形成される皮膜が水に溶出され易くなり、親
水性の持続効果が低下する。
ここで、アルカリケイ酸塩(A)と、カルボニル基を有
する低分子有機化合物(B)と、アクリルアミド共重合
体またはその塩(C)とは、水に希釈して使用する。希
釈割合は、皮膜の親水性、膜厚および作業性を考慮して
定める必要がある。
アルミニウム製熱交換器またはそのフィン材の表面を上
記混合物の水溶液で処理するには、ロールコート、スプ
レーおよびはけ塗りなどによって塗布するか、または水
溶液中にアルミニウム製熱交換器またはそのフィン材を
浸漬すればよい。
上記この発明の親水性皮膜形成剤によってアルミニウム
製熱交換器またはそのフィン材の表面を処理し、処理
後、加熱乾燥することによって親水性皮膜を形成するも
のである。
すなわち、水溶液で処理した後のアルミニウム製熱交換
器またはそのフィン材は、50〜200℃、好ましくは150〜
180℃の温度で、30秒〜30分の時間加熱乾燥して、表面
に親水性皮膜を形成する。
ここで、加熱乾燥温度が50℃未満であれば、組成物の皮
膜化が十分なされず、200℃を越えると、それ以上加熱
しても効果がないばかりか、アルミニウムの材質に悪影
響を及ぼす。
また加熱乾燥時間が30秒未満であれば、組成物の皮膜化
が十分なされず、30分を越えると、生産性が低下する。
そして加熱乾燥温度が160〜200℃と高い場合には、乾燥
時間は30秒〜1分と短くてもよいが、温度が低い場合に
は、乾燥時間を長くする必要がある。加熱乾燥が不充分
であると、組成物の皮膜化が十分なされない。
また親水性皮膜は、アルミニウム製熱交換器またはフィ
ン材の表面に0.1〜10g/m2、好ましくは0.5〜3g/m2の割
合で形成する。
ここで、皮膜が0.1g/m2以上であれば、初期の親水性は
良好であるが、さらに良好な親水性を維持するために
は、0.5g/m2以上の皮膜を形成するのが好ましい。
また皮膜が10g/m2を越えると、乾燥に長時間を要すると
ともに、プレス成形性に悪影響を与えるので好ましくな
い。
なお、上記水溶液中には、従来より公知の添加剤、例え
ば亜硝酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタホウ
酸ナトリウムなどの無機系防錆剤、安息香酸およびその
塩、パラニトロ安息香酸およびその塩、シクロヘキシル
アミン炭酸塩、ベンゾトリアゾールなどの有機系防錆剤
を配合しても勿論よい。
またアルミニウムの耐食性と上記親水性皮膜に対する密
着性を増大させるために、アルミニウムの表面に予め親
水性と耐食性を有する下地皮膜を形成しておくのが望ま
しい。このような下地皮膜としては、(a)陽極酸化皮
膜、(b)化学皮膜、(c)親水性合成樹脂よりなる皮
膜があげられる。
(a)まず下地皮膜が陽極酸化皮膜である場合には、ア
ルミニウムフィン材を陽極として種々の電解液中で酸化
し常法によって陽極酸化皮膜を形成する。
(b)つぎに下地皮膜が化学皮膜である場合には、アル
ミニウム板の表面にこのような化学皮膜を形成するに
は、常法によればよいが、なかでも酸系溶液若しくは4
℃〜沸騰温度の脱イオン水による浸漬ないし噴霧処理ま
たは水蒸気処理によるのが適当である。
酸系溶液としては、クロム酸、クロム酸塩、重クロム酸
塩、クロム酸・リン酸、リン酸、リン酸塩、チタン酸塩
またはタンニン酸−チタン酸を含む溶液が好ましい。酸
系溶液による処理時間は、一般的に5秒ないし20分間で
ある。
脱イオン水としては蒸溜水も使用可能であるし、また処
理液中における金属酸化物の沈澱防止のために、脱イオ
ン水にトリエタノールアミンのようなアミン類を含有さ
せておくのが好ましい。
脱イオン水のpHは、6〜13が好ましい。この範囲外では
化学皮膜の形成よりもアルミニウムの溶解の方が進行す
る。脱イオン水または水蒸気による処理時間は、通常1
〜60分である。
上記のようにしてアルミニウム板の表面に形成された化
学皮膜は、つぎの親水性被覆層の形成に良好な下地を提
供するうえに、親水性と優れた耐食性を付与するが、酸
系溶液による処理の方が脱イオン水によるそれよりも一
層優れた耐食性を付与する。
(c)さらに下地皮膜が親水性合成樹脂よりなる皮膜で
ある場合には、親水性合成樹脂としては、水溶性アクリ
ル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂およびその共重合体、
水溶性アルキッド樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、並び
に水溶性アミノ樹脂の少なくとも1種を使用する。ここ
で、アミノ樹脂は、アミノ基を含む化合物とアルデヒド
との縮合反応によって得られる樹脂をいゝ、具体的には
メラミン樹脂、尿素樹脂およびアニリンアミノ樹脂等が
含まれる。
上記水溶性合成樹脂は、水に完全に溶解して溶液となる
ものおよび水に一部溶解して分散状の溶液となるものが
含まれる。
板状アルミニウム材の表面に、親水性合成樹脂よりなる
下地皮膜を形成する処理は、上記親水性合成樹脂を含む
水溶液を用いて、浸漬、噴霧または塗布により行なう。
このようにして形成された下地皮膜は、親水性とともに
すぐれた耐食性を有している。
上記のような下地皮膜の厚みは、例えば1〜50μmであ
るのが好ましい。ここで下地皮膜の厚みが1μmより薄
い場合には耐食性に問題があり、逆に50μmを越えると
アルミニウム製フィン材の熱伝導が阻害されるととも
に、成形性が悪くなる。
また場合によっては、上記下地皮膜と親水性皮膜の密着
性の向上と両皮膜の親水性の向上を図るために、必要に
応じて、下地皮膜を形成するための水溶液にシランカッ
プリング剤やチタンカップリング剤を添加したり、ある
いは親水性皮膜を形成するための水溶液に界面活性剤を
添加してもよい。ここで、界面活性剤としては、非イオ
ン系界面活性剤が好適に使用し得る。
また親水性皮膜を形成するための水溶液中には、従来よ
り公知の添加剤、例えば亜硝酸ナトリウム、ポリリン酸
ナトリウム、メタホウ酸ナトリウムなどの無機系防錆
剤、安息香酸およびその塩、パラニトロ安息香酸および
その塩、シクロヘキシルアミン炭酸塩、ベンゾトリアゾ
ールなどの有機系防錆剤を配合してもよい。
なお、アルミニウム板の表面に上記下地皮膜と親水性皮
膜を形成する処理は、熱交換器に組み立てる前のコイル
状のアルミニウム板に対して行なってもよいし、あるい
はアルミニウム板よりなるフィンを熱交換器に組み立て
た後に、この熱交換器全体を所定の処理溶液に浸漬する
ことにより行なってもよい。
また、この発明の親水性皮膜形成剤によりフィン材用ア
ルミニウム薄板に形成された親水性皮膜の表面に、さら
にワックス、あるいはワックスとポリビニルアルコール
等の水溶性高分子化合物よりなる被覆層を形成すること
により、このアルミニウム薄板を所定のフィン形状に成
形するさのに金型の摩耗をより一層少なくするようにす
るのが好ましい。このようなワックスと水溶性高分子化
合物の使用については、特願昭57−234293号に詳しく述
べられている。
作用 上記親水性皮膜形成剤によれば、アルカリケイ酸塩
(A)およびカルボニル基を有する低分子有機化合物
(B)と共に、特定のアミド比すなわちアクリルアミド
の含有率と、特定の粘度(これは粘度平均分子量に換算
し得る)を有するアクリルアミド共重合体またはその塩
(C)を使用するものであるから、アルカリケイ酸塩
(A)(水ガラス)に特有のセメント臭やカビ臭に似た
微弱な臭気を、大幅に低減せしめることができ、これに
よってルームエアコン等の運転のさいにおける居住環境
の悪化を有効に防止し得る。
そして、この発明の上記親水性皮膜形成剤を用いて表面
に親水性皮膜が形成されたアルミニウム製フィンを具備
する熱交換器においては、フィンに付着した水滴は、た
ちまちその形を崩してフィンの表面に膜状となって広が
り、流下除去せられる。表面張力によりフィンに残存し
た水も薄い膜状となるため、これは通風の妨げにならな
い。したがって、水滴付着によって通風抵抗が増大する
ようなことがなく、熱交換効率のよい熱交換器が得られ
る。
実 施 例 つぎに、この発明の実施例を比較例とともに説明する。
実施例1〜3 アルミニウム板として、厚さ1mm、幅50mmおよび長さ100
mmのJIS A−1100H24アルミニウム板を用い、これの表面
を2重量%のクロム酸(日本ペイント社製アロジン)を
含む溶液を用いて、30℃で3分間処理し、アルミニウム
板の表面にクロメート皮膜を形成した。
つぎに、アルカリケイ酸塩(A)2重量%、低分子有機
化合物(B)0.8重量%、アクリルアミド共重合体の塩
(C)2重量%を含む水溶液を塗布し、160℃で10分
間、加熱乾燥して、クロメート皮膜の表面に親水性皮膜
を形成し、熱交換器用フィン材を製造した。
ここで、実施例1においては、低分子有機化合物(B)
としてグリオキサールを使用し、アクリルアミド共重合
体の塩(C)として、アクリル酸−アクリルアミド共重
合体のNa塩(アミド含有率が50%)を使用した。
また実施例2においては、低分子有機化合物(B)とし
てγ−ブチロラクトンを使用し、アクリルアミド共重合
体の塩(C)として、マレイン酸−アクリルアミド共重
合体のNa塩(アミド含有率が40%)を使用した。
また実施例3においては、低分子有機化合物(B)とし
てγ−ブチロラクトンを使用し、アクリルアミド共重合
体の塩(C)として、ビニルスルホン酸−アクリルアミ
ド共重合体のNa塩(アミド含有率が70%)を使用した。
また、アクリルアミド共重合体のNa塩(C)の固形分29
%水溶液における粘度は、下表に示すように、実施例1
においては500cps、実施例2においては400cps、実施例
3においては300cpsとした。
なお、親水性皮膜形成剤の成分においてアルカリケイ酸
塩として、SiO2/Na2O比が3のものを用いた。
このようにして得られたアルカリケイ酸塩(A)を含む
親水性皮膜付きアルミニウムフィン材には、その製造直
後の段階においては、セメント臭やカビ臭に似た微弱な
特有の臭気が生じていなかった。
また、これらのフィン材をプレス成形することにより所
定形状のフィンを製作し、さらにこれらのフィンを用い
て熱交換器を組み立て、脱脂処理をしてプレス油を除去
した後に、各熱交換器をルームエアコンに組み込んで冷
房運転を行ない、セメント臭やカビ臭に似た臭気が生じ
るか、否かを測定した。得られた結果を下表にまとめて
示した。
なお、臭気の評価として、つぎのように記載した。
臭気の評価 ◎:臭気無し △:感知し得る臭気あり ×:刺激を伴う強い臭気あり 比較例1〜5 なお比較のために、比較例1において、実施例1と同じ
アクリル酸−アクリルアミド共重合体のNa塩であるが、
アミド含有率がこの発明の範囲外の20%であるものを使
用して、実施例1の場合と同様にアルミニウムフィン材
を製作した。なお、アクリル酸−アクリルアミド共重合
体のNa塩(C)の固形分29%水溶液における粘度は、実
施例1と同じ500cpsとした。
比較例2においては、実施例1と同じアクリル酸−アク
リルアミド共重合体のNa塩であるが、アミド含有率がこ
の発明の範囲外である20%であり、かつ固形分29%水溶
液におけるアクリル酸−アクリルアミド共重合体のNa塩
の粘度が、この発明の範囲外である100cpsのものを使用
して、実施例1の場合と同様にアルミニウムフィン材を
製作した。
比較例3においては、アクリル酸−アクリルアミド共重
合体のNa塩(C)の代わりに、アクリル酸−高級アルコ
ール・メタクリルエステル共重合体のNa塩を使用して、
実施例1の場合と同様にアルミニウムフィン材を製作し
た。なお、この共重合体のNa塩の固形分29%水溶液にお
ける粘度は、実施例1と同じ500cpsとした。
比較例4においては、実施例2と同じマレイン酸−アク
リルアミド共重合体のNa塩であるが、固形分29%水溶液
における該共重合体のNa塩の粘度が、この発明の範囲外
である100cpsのものを使用して、実施例2の場合と同様
にアルミニウムフィン材を製作した。
なお、マレイン酸−アクリルアミド共重合体のNa塩のア
ミド含有率は、実施例2と同じ40%とした。
比較例5においては、実施例2と同じマレイン酸−アク
リルアミド共重合体のNa塩であるが、アミド含有率がこ
の発明の範囲外である20%であり、かつ固形分29%水溶
液における該共重合体Na塩の粘度が、この発明の範囲外
である100cpsのものを使用して、実施例1の場合と同様
にアルミニウムフィン材を製作した。
このようにして成形せられた比較例1〜5のアルカリケ
イ酸塩を含む親水性皮膜付きアルミニウムフィン材につ
いて、セメント臭やカビ臭に似た臭気が生じるか、否か
を、実施例1〜3の場合と同様に測定し、得られた結果
を下表にあわせて示した。
上記表から明らかなように、この発明の親水性皮膜形成
剤によれば、アルミニウムフィン材の表面に形成された
アルカリケイ酸塩(A)を含む親水性皮膜特有のセメン
ト臭やカビ臭に似た臭気大幅に低減せしめることができ
た。
これに対し、比較例1、3および4では、セメント臭や
カビ臭に似た臭気を感知し、また比較例2と5では、刺
激を伴う強いセメント臭やカビ臭に似た臭気を感知し
た。
なお、上記のようにして製作した実施例および比較例の
各種フィンについて、その親水性、成形性および耐金型
摩耗性を測定した。
まず親水性は、初期の段階、およびオレイン酸汚染テス
ト(14時間)と流水浸漬テスト(8時間)を交互に3回
ずつ繰り返したサイクルテスト後の段階において、それ
ぞれフィンの水の接触角を図ることにより測定した。そ
の結果、実施例および比較例のフィンは、いずれも接触
角が15゜以下で、すぐれた親水性を有するものであっ
た。
つぎに、成形性は、クロメート皮膜と親水性皮膜を有す
る熱交換器用フィン材にバーリング加工を施し、その屈
曲部にクラックを生じるか、否かで測定した。また、耐
金型摩耗性は、クロメート皮膜と親水性皮膜を有する上
記熱交換器用フィン材を金型を用いて一定のフィン形状
に成形したときの金型の摩耗状態を測定した。
その結果、実施例および比較例のフィンは、いずれも屈
曲部にクラックを生じることなく、また、金型の摩耗
は、いずれも非常に少ないものであった。
発明の効果 この発明は、上述のように、フィンとチューブを備えた
アルミニウム製熱交換器またはそのフィン材の表面に親
水性皮膜を形成するために用いられる親水性皮膜形成剤
であって、アルカリケイ酸塩(A)と、カルボニル基を
有する低分子有機化合物(B)と、アクリルアミド共重
合体またはその塩(C)とを主成分とし、アクリルアミ
ド共重合体またはその塩(C)は、(メタ)アクリル酸
−アクリルアミド共重合体、マレイン酸−アクリルアミ
ド共重合体、ビニルスルホン酸−アクリルアミド共重合
体、および(メタ)アリルスルホン酸−アクリルアミド
共重合体、並びにこれらの塩よりなる群の中から選ばれ
たものであり、かつアクリルアミド共重合体またはその
塩(C)において塩成分を除いた重合体の重量に基づく
アクリルアミド単位含有率が30〜90%であるとともに、
アクリルアミド共重合体またはその塩(C)の固形分25
〜30重量%水溶液における粘度が200〜2000cpsの範囲内
であることを特徴とするもので、この発明の親水性皮膜
形成剤によれば、アルカリケイ酸塩(A)(水ガラス)
に特有のセメント臭やカビ臭に似た微弱な臭気を、大幅
に低減せしめることができ、これによってルームエアコ
ン等の運転のさいにおける居住環境の悪化を有効に防止
し得るという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 礒山 永三 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (72)発明者 溝口 政秋 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (72)発明者 田中 克美 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (72)発明者 伊藤 晶明 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィンとチューブを備えたアルミニウム製
    熱交換器またはそのフィン材の表面に親水性皮膜を形成
    するために用いられる親水性皮膜形成剤であって、アル
    カリケイ酸塩(A)と、カルボニル基を有する低分子有
    機化合物(B)と、アクリルアミド共重合体またはその
    塩(C)とを主成分とし、アクリルアミド共重合体また
    はその塩(C)は、(メタ)アクリル酸−アクリルアミ
    ド共重合体、マレイン酸−アクリルアミド共重合体、ビ
    ニルスルホン酸−アクリルアミド共重合体、および(メ
    タ)アリルスルホン酸−アクリルアミド共重合体、並び
    にこれらの塩よりなる群の中から選ばれたものであり、
    かつアクリルアミド共重合体またはその塩(C)におい
    て塩成分を除いた重合体の重量に基づくアクリルアミド
    単位含有率が30〜90%であるとともに、アクリルアミド
    共重合体またはその塩(C)の固形分25〜30重量%水溶
    液における粘度が200〜2000cpsの範囲内であることを特
    徴とする、アルミニウム製熱交換器またはそのフィン材
    用親水性皮膜形成剤。
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