JP2003276744A - 袋 体 - Google Patents
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Abstract
衝撃では亀裂が生じず、内容物が漏れない袋体を提供す
る。 【解決手段】 開封の起点となるノッチ14と、該ノッ
チ14に連続し、前記開封を誘導する凹状の開封補助線
15とが形成された袋体であって、前記開封補助線15
は、少なくともそのノッチ14側の先端近傍部分15a
の向きが、該ノッチ14に加わる力の向きと異なるよう
に形成されている。または、前記開封補助線15は、前
記ノッチ14と非連続に形成されている。前記開封補助
線15が、前記ノッチ14と非連続である場合、前記開
封補助線15は、少なくともそのノッチ14側の先端近
傍部分15aの向きが、該ノッチ14に加わる力の向き
と異なるように形成されていることが好ましい。
Description
つ、衝撃に強い、トイレタリー用品、加工食品などを包
装するための袋体に関する。
シャンプーなどのトイレタリー用品や加工食品は、単層
あるいは多層の樹脂フィルムからなる袋体(パウチとも
いう。)に充填されて流通することが多い。このような
袋体には、これを開封する際にハサミなどの道具を使用
せずに、手で容易に開封できるように、その注ぎ口にノ
ッチが形成されている場合がある。また、ノッチを起点
として開封する際に、より開封しやすいように、開封を
誘導する凹状の開封補助線が形成されていることもあ
る。
が充填されたこのような袋体を誤って落下させ、ノッチ
と開封補助線とが形成された注ぎ口が床にぶつかると、
その衝撃によって、ノッチを起点として開封補助線に沿
う方向などに亀裂が生じ、袋体内に充填された内容物が
漏れ出してしまう場合があった。
で、開封時には手で容易に開封でき、落下などの衝撃で
は亀裂が生じず、内容物が漏れない袋体を提供すること
を課題とする。
開封の起点となるノッチと、該ノッチに連続し、前記開
封を誘導する凹状の開封補助線とが形成された袋体であ
って、前記開封補助線は、少なくともそのノッチ側の先
端近傍部分の向きが、該ノッチに加わる力の向きと異な
るように形成されていることを特徴とする。本発明の第
2の袋体は、開封の起点となるノッチと、前記開封を誘
導する凹状の開封補助線とが形成された袋体であって、
前記開封補助線は、前記ノッチと非連続に形成されてい
ることを特徴とする。前記第2の袋体にあっては、前記
開封補助線が、少なくともそのノッチ側の先端近傍部分
の向きが、該ノッチに加わる力の向きと異なるように形
成されていることが好ましい。また、前記第2の袋体に
あっては、前記開封補助線のノッチ側の先端と、該ノッ
チの開封補助線側の先端とが、0.3〜0.8mmの間
隔を有していることが好ましい。
詳細に説明する。 [第1実施形態例]図1は本発明の第1実施形態例であ
る袋体10Aの平面図であって、2枚の樹脂シートの図
中上端部16を除く周縁部(以下、シール部という。)
11が熱溶着され、袋状に形成されたものである。袋体
10Aの上端部16は開口していて、ここから内容物が
充填された後、熱溶着により密封可能となっている。ま
た、この袋体10Aの角の1つには、この袋体10Aか
ら他の容器に内容物を注ぐための注ぎ口12が形成され
ている。図2は、図1におけるA−A’線に沿う断面図
であって、シール部11間は熱溶着されていない未シー
ル部13になっている。
その外層が、例えば厚さ12〜25μmの二軸延伸のポ
リエチレンテレフタレート(PET)層や、厚さ15〜
25μmの二軸延伸のポリアミド系樹脂層であり、内層
が、例えば厚さ100〜150μmの直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)層からなる積層シートであっ
て、ウェットラミネーション法、ドライラミネーション
法、無溶剤型ドライラミネーション法、押出ラミネーシ
ョン法、共押出ラミネーション法などで製造されたもの
である。
の起点となる線状の切り欠きであるノッチ14がそのシ
ール部11に形成されている。また、このノッチ14を
起点として開封する際に、容易に手で開封できるように
開封を誘導するための凹状の開封補助線15が、ノッチ
14に連続して、注ぎ口12におけるノッチ14と反対
側の端部にまで形成されている。なお、この例の開封補
助線15は、注ぎ口12の片面だけでなく両面に形成さ
れている。
4に連続して形成されているが、そのノッチ14側の先
端近傍部分15aは半円状の曲線に形成され、その向き
がノッチに加わる力の向きと異なるように形成されてい
る。すなわち、この例のノッチ14に加わる力は、ノッ
チ14の長さ方向に沿う図4中矢印で示す向きである
が、開封補助線15におけるノッチ14側の先端近傍部
分15aは曲線状であって、ノッチ14に加わる力の向
きとは異なるように形成されている。一方、開封補助線
15における先端近傍部分以外の部分15bは、図3の
例では、ノッチ14の延長線上にあり、ノッチ14に加
わる力と同じ向きに形成されている。図3中Wで示す注
ぎ口12の幅は33mm程度であり、このうちノッチ1
4の長さLは1〜2mmである。また、開封補助線15
の先端近傍部分15aは、直径が3〜4mm程度の半円
状である。
が形成された注ぎ口12を、手で引きちぎって開封しよ
うとすると、ノッチ14に力が集中するため容易に開封
を開始できる。また、開封補助線15がノッチ14に連
続して形成されているため、開封補助線15に沿って安
定に開封を進行させることができ、開封箇所が所望の位
置からずれてしまうことがない。一方、ここでは、特に
開封補助線15のノッチ14側の先端近傍部分15aが
半円状の曲線に形成され、ノッチ14の延長線上には形
成されていない。したがって、例えば、内容物が充填さ
れたこの例の袋体10Aを落下させ、その注ぎ口12が
床などにぶつかり、ノッチ14に対して力が加わって
も、その力が開封補助線15に伝わって、これに沿う亀
裂が生じることはない。
15がノッチ14に連続し、かつ、ノッチ14側の先端
近傍部分15aの向きがノッチ14に加わる力の向きと
異なるように形成されていると、手で力を加えた場合に
は容易に開封できる一方で、衝撃などの外部からの力に
よって開封補助線15に沿う亀裂が生じることがない。
の先端近傍部分15aの向きが、ノッチ14に加わる力
の向きと異なるように形成され、かつ、ノッチ14と連
続している限りは、その先端近傍以外の部分15bが、
図3のようにノッチに加わる力の向きと同じ向きに形成
されていてもよいし、あるいは図4に示すように、先端
近傍部分とそれ以外の部分とが明確に区別されておら
ず、ともにノッチ14に加わる力の向きと異なる方向に
形成されていてもよい。図4のような形態であっても、
手で力を加えた場合には容易に開封でき、衝撃などの外
部からの力によっては開封補助線15に沿う亀裂が生じ
ない。
他、U字状、V字状の切り欠きや単なる切り込みでもよ
く、形状に制限はない。さらに、開封補助線15におけ
るノッチ14側の先端近傍部分15aは、その向きがノ
ッチ14に加わる力の向きと異なるように形成されてい
る限り、図示例のような半円状の他、略半円状、V字
状、コ字状などに形成されてもよい。また、半円状であ
る場合にも、その大きさは適宜設定可能である。
と開封補助線15とは、例えば、次に示す方法で形成可
能である。まず、炭酸ガスレーザなどのレーザを、シー
ル部11における所定の箇所に、その両面から複数回走
査させて照射して、ノッチ14を形成する。ここで、こ
の注ぎ口12は、外層がレーザを吸収しやすいPET層
などからなるため、レーザ照射された外層の当該箇所は
発熱、溶融し、さらには蒸発する。そして、この際の発
熱などにより、レーザを吸収しにくいLLDPE層など
からなる内層も溶融、蒸発して、ノッチ14が形成され
ると考えられる。
レーザを走査、照射して、ノッチ14に連続した凹状の
開封補助線15を形成する。この際、開封補助線15
は、十分な強度を有し、かつ、手で容易に引きちぎれる
深さで形成される必要があるので、レーザ照射を適切に
制御して、その箇所を切断してしまったり、あるいは深
さが不十分で手で引きちぎることが不可能となったりし
ないようにする。通常、外層が蒸発して内層が露出する
程度にレーザを照射して、開封補助線15を形成する。
封補助線15とを形成できるものであれば特に制限はな
く、炭酸レーザ以外の気体レーザ、YAGレーザなどの
固体レーザ、半導体レーザなどを樹脂シートの材質に応
じて適宜使用することができる。また、使用するレーザ
の出力は3〜100Wの範囲が好ましい。出力が3W未
満であれば、ノッチ14の形成に長時間を要する場合が
あり、100Wを超えると、レーザ装置が高価になる傾
向がある。また、ノッチ14および開封補助線15を形
成するために、当該箇所に対してレーザを走査させる回
数は適宜設定できるが、例えば、レーザの出力が上記範
囲であり、図示例のようなノッチ14と開封補助線15
を形成する場合、ノッチ14の形成にはレーザを往復で
3〜10回程度走査させ、開封補助線15の形成にはレ
ーザを往復で1〜2回走査させる。
ぎ口12の両面に形成されているので、レーザを注ぎ口
12の両面から照射したが、その場合には、レーザ照射
の際に鏡やプリズムを使用して1つのレーザ光源を分割
したり、CCDカメラ、光電管などの位置センサを設け
たりして、開封補助線15の位置が両面で互いにずれて
形成されないようにすることが好ましい。また、開封補
助線15は、この例のように注ぎ口12の両面に形成す
ることが好ましいが、注ぎ口を形成している樹脂シート
の材質、厚みなどによっては、片面だけに形成してもよ
い。さらに、ノッチ14は、以上の例では1ケ所にのみ
形成されているが、2カ所に形成され、その間に開封補
助線15が配される形態であってもよい。
レーザを吸収しにくいLLDPE層などからなり、外層
がレーザを吸収しやすいPET層などからなる積層シー
トを使用すると、上述したレーザ照射によってノッチ1
4と開封補助線15とを連続的に、容易に、かつ精度よ
く製造できる。また、袋体10Aのうち、少なくともノ
ッチ14と開封補助線15とが形成される部分が、この
ような積層シートからなれば、上述のレーザ照射でこれ
らを形成可能である。しかしながら、袋体10Aの材質
は特にこれらに限定されず、充填される内容物の性質な
どに応じて適宜選択することができる。例えば、袋体1
0Aを、レーザを吸収しにくいような材質のみから形成
してもよい。その場合には、刃型を用いてノッチ14を
機械的に形成し、さらにカッタなどで表面を機械的に傷
つけて凹状に形成することなどにより開封補助線15を
形成することができる。
は、周波数4〜6kHzの炭酸ガスレーザを、スキャン
スピード600〜1000mm/secで照射した場合
に、シート表面に傷が生じたり、樹脂が蒸発したりしな
いような樹脂層をいう。一方、「レーザを吸収しやすい
樹脂層」とは、周波数4〜4.5kHzの炭酸ガスレー
ザを、スキャンスピード700〜800mm/secで
照射した場合に、シート表面に傷が生じたり、樹脂が蒸
発したりする樹脂層をいう。
としては、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エ
チレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸
エチル共重合体などのポリオレフィン樹脂を例示でき
る。一方、「レーザを吸収しやすい樹脂層」としては、
6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン、M
XD−6ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂などを
例示できる。また、これらの層は、それぞれ単層でも多
層であってもよい。さらに、これらの層には、この袋体
10Aに充填される内容物に応じて、エチレン・ビニル
アルコール共重合体、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン
などのガスバリア性樹脂層や、金属酸化物蒸着層、印刷
層など種々の機能を付与可能な層が含まれていても良
い。
施形態例である袋体10Bの要部の平面図であり、第1
の実施形態例と同じ構成要素については、同じ符号を使
用している。この例の袋体10Bは、第1実施形態例の
袋体10Aとは、注ぎ口12に形成された開封補助線1
5の形状が異なるものであって、この例の開封補助線1
5は、そのノッチ14側の先端15cと、ノッチ14に
おける開封補助線15側の先端との間に、0.3〜0.
8mmの間隔を有するように、ノッチ14とは非連続に
形成された凹状のものである。そして、さらにこの例の
開封補助線15は、そのノッチ15側の先端近傍部分1
5aが半円状の曲線に形成され、ノッチ14に加わる力
の向き(すなわちノッチ14の長さに沿う方向)と異な
るように形成されている。一方、先端近傍部分以外の部
分15bは、ノッチ14に加わる力の向きに形成されて
いる。
が形成された注ぎ口12を、手で引きちぎって開封しよ
うとすると、ノッチ14に力が集中するため容易に開封
を開始できる。また、開封補助線15は、そのノッチ1
4側の先端が15c、ノッチ14の先端との間に0.3
〜0.8mmの間隔を有するように形成されているが、
この程度の間隔であれば、特に開封が妨げられることは
なく、開封補助線15に沿って容易に、かつ、安定に開
封を進めることができる。一方、このように開封補助線
15がノッチ14との間に0.3〜0.8mmの間隔を
あけて形成されていると、内容物が充填されたこの例の
袋体10が落下して、その注ぎ口12が床などにぶつか
って、ノッチ14に対して力が加わっても、亀裂が生じ
ることがない。さらに、たとえ、ノッチ15と開封補助
線14との間の部分に亀裂が生じてしまったとしても、
開封補助線15のノッチ14側の先端近傍部分15a
は、その向きがノッチ14に加わる力の向きと異なるよ
うに形成されているので、衝撃による力がさらに開封補
助線15に伝わって、これに沿う亀裂が生じることはな
い。
4側の先端近傍部分15aの向きがノッチ14に加わる
力の向きと異なるように形成されている限りは、それ以
外の部分15bが、図5のようにノッチ14に加わる力
の向きと同方向に形成されていても、図6に示すよう
に、先端近傍部分15aとそれ以外の部分15bとが特
段に区別されておらず、ともに力の向きと異なる方向に
形成されていてもよい。図6のような形態であっても、
手で力を加えた場合には容易に開封補助線15に沿って
開封でき、衝撃などの外部からの力によっては亀裂が生
じない。
て、その外層が厚さ15〜15μmのポリアミド系樹脂
層からなり、内層が厚さ100〜150μmの直鎖状低
密度ポリエチレン(LLDPE)層かなる積層シートを
使用している場合には、開封補助線15は、そのノッチ
14側の先端15cがノッチ14における開封補助線1
5側の先端との間に、0.3〜0.8mmの間隔を有す
るように形成されていることが好ましいが、この間隔
は、樹脂シートの種類などに応じて、適宜設定できる。
また、ノッチ14の形状は、開封の起点となる限りにお
いては線状の切り込み、U字状、V字状の切り欠きなど
でもよく、形状に制限はない。さらに、開封補助線15
のノッチ14側の先端近傍部分15aは、その向きが、
ノッチ14に加わる力の向きと異なるように形成されて
いる限り、図示例のような半円状の他、略半円状、V字
状、コ字状などいかなる形状、大きさであってもよい。
先端がノッチ14の開封補助線15側の先端との間に、
手で容易に開封できる一方で、落下などの衝撃によって
は亀裂が生じない程度の間隔を有している限りにおいて
は、例えば、図7に示すように、開封補助線15の全体
がノッチ14に加わる力の向きと同じ向きに形成されて
いてもよい。
および第2の袋体によれば、手で容易に開封でき、しか
も、内容物が充填されたこの袋体を落下させ、ノッチに
対して力が加わった場合でも、その衝撃によってノッチ
から開封補助線に沿うような亀裂が生じることがない。
したがって、開封が容易で、かつ、落下などの衝撃では
亀裂が生じず内容物が漏れることのない袋体とすること
ができる。
る。
大平面図である。
大平面図である。
大平面図である。
大平面図である。
補助線、15a・・・開封補助線のノッチ側の先端近傍部
分、15c・・・開封補助線のノッチ側の先端
Claims (4)
- 【請求項1】 開封の起点となるノッチと、該ノッチに
連続し、前記開封を誘導する凹状の開封補助線とが形成
された袋体であって、 前記開封補助線は、少なくともそのノッチ側の先端近傍
部分の向きが、該ノッチに加わる力の向きと異なるよう
に形成されていることを特徴とする袋体。 - 【請求項2】 開封の起点となるノッチと、前記開封を
誘導する凹状の開封補助線とが形成された袋体であっ
て、 前記開封補助線は、前記ノッチと非連続に形成されてい
ることを特徴とする袋体。 - 【請求項3】 前記開封補助線は、少なくともそのノッ
チ側の先端近傍部分の向きが、該ノッチに加わる力の向
きと異なるように形成されていることを特徴とする請求
項2に記載の袋体。 - 【請求項4】 前記開封補助線のノッチ側の先端と、該
ノッチの開封補助線側の先端とは、0.3〜0.8mm
の間隔を有していることを特徴とする請求項2または3
に記載の袋体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002082040A JP4173312B2 (ja) | 2002-03-22 | 2002-03-22 | 袋体 |
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