JP2003264203A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2003264203A
JP2003264203A JP2002065428A JP2002065428A JP2003264203A JP 2003264203 A JP2003264203 A JP 2003264203A JP 2002065428 A JP2002065428 A JP 2002065428A JP 2002065428 A JP2002065428 A JP 2002065428A JP 2003264203 A JP2003264203 A JP 2003264203A
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semiconductor
chip
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博 本間
Hitoshi Odajima
均 小田島
Chuichi Miyazaki
忠一 宮崎
Takashi Wada
和田  隆
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピックアップ工程にて半導体装置を損傷せず
に粘着シートから分離する。 【解決手段】 粘着シート5上で半導体ウェハをダイシ
ングして得られた複数の半導体チップ2(半導体装置)
の各々を、超音波振動が印加された突き上げピン11で
粘着シート5を介して裏面側から押し上げることで、粘
着シート5を突き破らずに、超音波エネルギにて選択的
に剥離させ、剥離した半導体チップ2を吸着コレット1
6で吸着保持してピックアップする。半導体チップ2の
裏面損傷等を生じることなく、確実に粘着シート5から
分離することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
技術に関し、特に、半導体装置の組立工程における半導
体チップのピックアップ技術等に適用して有効な技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造における組立工程で
は、先行するウェハプロセスにて複数の半導体装置が一
括して形成された半導体ウェハを粘着シートに貼り付け
た状態で半導体装置単位(半導体チップ)に切断し、該
切断された半導体チップを粘着シートから剥がしてピッ
クアップする工程がある。
【0003】このピックアップに関する従来技術とし
て、特開平6―295930号公報(従来技術1)及び
特開平7−106353号公報(従来技術2)が知られ
ている。
【0004】上述の従来技術1には、摺動ピンとその周
囲に配置された複数の突き上げピンとを備えた剥離ヘッ
ドを粘着シートの下面に配置し、剥離すべき半導体チッ
プを接着している粘着シートの裏面をカム等の機構を介
して外部から駆動される摺動ピンで2〜3回程度擦るこ
とで、半導体チップとの粘着力を弱めた後、該摺動ピン
の周囲に設けられた複数の突き上げピンを摺動ピンと一
緒に上昇させて半導体チップを均等に持ち上げることに
よって、粘着力の弱まった半導体チップを粘着シートか
ら剥離する技術が記載されている。
【0005】また上述の従来技術2には、ダイシングテ
ープを突き上げ棒によって下から上に押し当て、ダイ
(半導体チップ)上にコレットを被せてから、バイブレ
ータによってコレットをダイシングテープと平行に振動
させ、ダイをコレット内に吸着してリードフレームのア
イランドに装着する技術が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体装置の大
容量化に伴う半導体チップの薄形化及び小形化により、
実装する半導体チップも薄く、微小寸法のチップが要求
されている。このように、薄形かつ小形の半導体チップ
を被搭載基板等に搭載する場合、半導体チップの強度を
確保するため、半導体チップに傷をつけたり、割ること
なく搭載する必要がある。
【0007】しかし上記従来技術1は、摺動ピンによる
テープ裏面の摺動回数が2〜3回程度と少ないため、粘
着力の低下が不十分となる懸念があり、しかも、摺動ピ
ンの周囲に設けられた突き上げピンを摺動ピンと一緒に
上昇させて半導体チップを均等に持ち上げることによっ
て半導体チップを粘着シートから剥離するものであるた
め、チップが粘着シートの接着力に負けて剥がれない場
合には、分離できずに割ってしまう可能性がある。
【0008】また、たとえば一辺が数mm以下の小形の
半導体チップを剥離する場合、チップ面積が小さいた
め、複数の突き上げピンや摺動ピンなどの多数のピンを
チップ裏面の微小面積に当てるような複雑な機構にする
ことが困難である。
【0009】また、上記の従来技術2においては、ダイ
に接するコレットに対して水平面内で振動を与えるた
め、ダイの回路表面及び端面に傷を付けてしまう可能性
がある。
【0010】本発明の目的は、半導体装置の組立工程に
おけるダイシング後の半導体チップのピックアップにお
いて、半導体チップの寸法の大小等に関係なく、半導体
チップを損傷することなく粘着シートから分離すること
にある。
【0011】本発明の他の目的は、薄形かつ小形の半導
体チップのダイシング後のピックアップ工程において、
粘着シートを破ることなく粘着シートより半導体チップ
を分離し、半導体チップの裏面に傷がない信頼性の高い
半導体装置を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、組立工程における半
導体装置の歩留りを向上させることが可能な半導体装置
の製造技術を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体ウェハ
の状態で粘着シートに貼り付けられ、半導体装置単位に
切断された半導体チップのピックアップ工程において、
粘着シートを破ることなく半導体チップを粘着シートよ
り分離する製造プロセスを用いることにより、裏面等に
損傷のない半導体チップを得ること、および当該半導体
チップを用いた半導体装置の組立を可能とした。
【0014】すなわち、上記裏面にキズのない半導体装
置を得るために、半導体ウェハの状態で粘着シートに貼
り付けられ、半導体装置単位に切断された半導体装置
を、粘着シートの裏面をピンで押し上げ、吸着コレット
で半導体装置を吸着する半導体装置の分離方法におい
て、粘着シートを介して半導体装置の裏面をピンで突き
上げながらピンに超音波の振動を付加することで、粘着
シートを破ることなく半導体装置を粘着シートより分離
する半導体装置の製造方法を提供する。
【0015】また、粘着シートを介して半導体装置の裏
面を、偏心したピンを旋回させながら突き上げること
で、粘着シートを破ることなく半導体装置を粘着シート
より分離する半導体装置の製造方法を提供する。
【0016】また、粘着シートを介して半導体装置の裏
面を、粘着シートに熱を与えながら突き上げることで、
粘着シートを破ることなく半導体装置を粘着シートより
分離する半導体装置の製造方法を提供する。
【0017】また、半導体ウェハの状態で粘着シートに
貼り付けられ、半導体装置単位に切断された半導体装置
を分離する方法において、分離する半導体装置に紫外線
を選択的に照射して、分離する半導体装置部分の粘着力
だけを低下させることで半導体装置を粘着シートより分
離する半導体装置の製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0019】図1(a)〜(c)は、本発明の一実施の
形態である半導体装置の製造方法において、半導体ウェ
ハを半導体装置単位に切断するダイシング工程の一例を
工程順に例示した断面図である。
【0020】半導体ウェハ1は、シリコン等の半導体単
結晶基板上にウェハプロセス等の通常の半導体製造方法
によって、半導体回路がチップ単位で作り込まれる。半
導体回路が作り込まれた半導体ウェハ1は、ウェハを所
定の厚さにするため、ウェハ裏面を研削加工する。薄形
化した半導体ウェハ1はダイシング用の粘着シート5に
貼り付ける。この粘着シート5は例えばPVC(ポリ塩
化ビニール)、PET(ポリエチレンテレフタレート)
等の伸縮性を有する樹脂のシート基材4と、このシート
基材4の片面の粘着剤層3からなる。この粘着剤層3
は、紫外線(UV)の照射により硬化して粘着力が低下
する性質のものなどがある。
【0021】半導体ウェハ1が貼り付けられた粘着シー
ト5は、金属枠7に外周部を弛みのないように引き伸ば
されて貼り付けられている(図1(a))。
【0022】金属枠7に装着された粘着シート5上に貼
り付けられた半導体ウェハ1は、ダイシング工程におい
て、半導体装置(半導体チップ)2毎に切断される(図
1(b))。
【0023】切断された半導体チップ2の粘着シート5
に紫外線UVを照射して粘着シート5の粘着剤層3を硬
化して粘着力を低下させる(図1(c))。
【0024】このようなダイシング工程の後、以下に例
示する本発明の各実施の形態のチップ分離(ピックアッ
プ)工程に供される。
【0025】図2は、本発明の実施の形態1である半導
体装置の製造方法にて用いられるチップ分離装置の構成
の一例を示した断面図、図3(a)および(b)は、本
実施の形態1のチップ分離装置における突き上げ動作の
一例を工程順に例示した断面図である。
【0026】本実施の形態1のチップ分離装置は、ダイ
シング工程を経た粘着シート5および金属枠7を支持
し、水平方向の位置決め動作を行うピックアップステー
ジ100と、このピックアップステージ100の下方に
位置する吸着ステージ15と、この吸着ステージ15の
超音波部に開口した窓穴13の位置に昇降可能に配置さ
れた突き上げピン11と、突き上げピン11を支持して
当該突き上げピン11に超音波振動を印加する超音波振
動子17を備えている。
【0027】粘着シート5の裏面に対向する吸着ステー
ジ15の上面には、外部の吸引機構に連通する複数の吸
引穴14が開口しており、窓穴13の周辺部の粘着シー
ト5の吸着保持および吸着解除動作が可能になってい
る。
【0028】また、突き上げピン11を支持した超音波
振動子17は図示しない昇降機構に支持され、吸着ステ
ージ15とは独立に昇降動作を行うことで、突き上げピ
ン11による突き上げ動作が可能になっている。
【0029】ピックアップステージ100の上方には、
図示しない3次元移動機構に支持された吸着コレット1
6が設けられており、金属枠7に支持された粘着シート
5に貼付された複数の半導体チップ2の各々の直上部へ
の移動および位置決めや、吸着保持した半導体チップ2
の外部への搬送動作等が可能になっている。
【0030】吸着コレット16の下端(先端)部には、
外部の吸引機構に連通する吸着穴16aが開口してお
り、吸着穴16aに対する吸引機構からの吸引動作のO
N/OFFにて半導体チップ2の吸着保持および保持解
除動作が可能になっている。
【0031】粘着力の低下した粘着シート5上に貼り付
けられた切断後の薄形かつ小形の半導体チップ2を粘着
シート5より分離するピックアップ工程では、まず、分
離対象となる半導体チップ2を所定の位置になるように
金属枠7、粘着シート5を移動する。分離対象となる半
導体チップ2の粘着シートの裏面を吸着ステージ15の
吸引穴14より真空吸引し、粘着シート5を吸着保持す
る。このとき、窓穴13の大きさは半導体チップ2の1
チップ分に相当する大きさであり、分離対象以外の半導
体チップが貼り付けられている粘着シート部分を吸着す
ることとなる。上述のように、吸着ステージ15の下部
には半導体チップ2を突き上げる突き上げピン11が設
けられており、突き上げピン11はモータ駆動及び空気
圧駆動で上下動作を行う。上記突き上げピン11(ホー
ン)の下部には超音波振動子17が内蔵されており、図
示されていないが、該超音波振動子17には超音波発振
器が接続され、突き上げピン11の先端が超音波振動す
る機構となっている。
【0032】以下、本実施の形態1の作用の一例につい
て説明する。
【0033】半導体チップ2のピックアップに際して
は、吸着コレット16を分離対象の半導体チップ2の直
上部の所定の高さに位置決めするとともに、窓穴13を
目的の分離対象の半導体チップ2の直下に一致するよう
に吸着ステージ15を位置決めした後(図2)、吸着ス
テージ15で窓穴13の周辺部のシート裏面を真空吸引
し、粘着シート5を保持した状態で突き上げピン11を
上昇させ、粘着シート5を介して半導体チップ2を押し
上げる(図3(a))。
【0034】なお、吸着コレット16の高さは、たとえ
ば、この突き上げピン11による突き上げ状態における
半導体チップ2の上面に接触することなく近接する高さ
に設定される。
【0035】突き上げピン11の押し上げ量は吸着ステ
ージ15の上面(粘着シート5の下面)を基準に10〜
200μmとし、粘着シート5を破ることのない押し上
げ量とする。ただし、使用する粘着シート5によって、
シートの伸び量が異なるため、前記押し上げ量に限定さ
れるものではない。
【0036】また、本実施の形態1では、前記突き上げ
ピン11の先端形状は、平らあるいは円弧の形状のピン
とする。この形状により突き上げピン11を押し上げる
時に粘着シート5が破れにくく、また超音波振動による
熱が伝わりやすくなる。円弧の大きさ、先端角度は使用
する粘着シートの特性に応じて設定する。
【0037】突き上げピン11を所定量上昇した後、超
音波振動子17から、当該突き上げピン11の先端が周
波数10〜100kHz、振幅10〜50μmになるよ
うに縦方向の超音波の振動を与え、粘着シート5を介し
て半導体チップ2に超音波の振動を与えることにより、
粘着シート5より半導体チップ2が剥がれる(図3
(b))。
【0038】このとき、本実施の形態1では、可撓性の
粘着シート5及び剛性の大きな半導体チップ2に超音波
の振動を与えることで、粘着シート5が張力変化を起こ
し、剛性等の物性の互いに異なる粘着シート5と半導体
チップ2の境界面の粘着剤層3の部分が破壊され、粘着
シート5より半導体チップ2が剥がれやすくなる。すな
わち、従来技術のように粘着シート5に数回の機械的な
摺動を与える場合に比較して、はるかに高いエネルギで
効率良く短時間に半導体チップ2を剥離状態とすること
ができる。
【0039】また、突き上げピン11に超音波を与える
ことで当該突き上げピン11の先端部が数十度に発熱す
るが、発熱したピン先端を分離する半導体チップ2の貼
り付けられた粘着シート5に押しつけることにより、粘
着シート5が膨張、収縮し、上述の超音波振動の効果と
相まって半導体チップ2がより剥がれやすくなる。
【0040】粘着シート5から剥離した半導体チップ2
は、粘着シート5から分離して直上部に位置する吸着コ
レット16の吸引力にて当該吸着コレット16側に移行
して吸着保持され、たとえば、ボンディングステージ2
00上のリードフレーム等の被搭載基板19に搭載され
る。このとき、吸着コレット16が半導体チップ2を吸
引するタイミングは、超音波振動を与える前でも後でも
よい。
【0041】図11に、本実施の形態1におけるチップ
分離装置の各部の連携動作の一例を示すタイミングチャ
ートを示す。この図11において、グラフ301は吸着
コレット16の吸引タイミング、グラフ302はコレッ
ト高さ位置、グラフ303はチップ上面位置、グラフ3
04は突き上げピン高さ位置、グラフ305は超音波印
加タイミングである。
【0042】突き上げピン11に超音波振動を印加する
タイミングや印加時間Tusは、図11のグラフ305に
例示されるように、一例として、たとえば0.05秒〜
0.5秒程度である。また、印加開始のタイミングとし
ては、図11のグラフ305のように突き上げピン11
の突き上げ後に印加が開始されるように設定することが
できる。
【0043】このように超音波振動を付加した突き上げ
ピン11を備えた剥離機構を用いることにより、粘着シ
ート5を破ることなく、半導体チップ2の裏面に傷のな
い半導体装置を得ることができる。
【0044】また、本実施の形態1の場合、単一の突き
上げピン11の昇降動作による超音波振動を援用した剥
離が行われるので、たとえば突き上げピン11の口径寸
法や形状等を、半導体チップ2のサイズに応じて変化さ
せるだけで、比較的大きなサイズの半導体チップ2から
1辺が数mm以下の薄形かつ小形の半導体チップ2ま
で、あらゆるサイズの半導体チップ2のピックアップに
適用でき、裏面に傷のないあらゆるサイズの半導体チッ
プ2からなる半導体装置を得ることができる。
【0045】実施の形態の変形例として、 本実施の形態
1の場合、 単一の突き上げピン11の昇降動作による超
音波振動を援用した剥離が行われているが、 半導体チッ
プが大きい場合、 剥離対象となる半導体チップの面積内
に、 突き上げピンを複数個設け、 同時に突き上げ、 超音
波を印加して、半導体チップを剥離するチップ分離装置
でもよい。
【0046】実施の形態の変形例として、 本実施の形態
1の場合、 単一の突き上げピン11の昇降動作による超
音波振動を援用した剥離を1つのチップのみを対象に行
われているが、 図2で示したチップ分離装置を同一ウェ
ハ内で複数個設け、 複数個の半導体チップを同時に剥離
するチップ分離装置でもよい。
【0047】以上、実施の形態1について具体的に説明
したが、本発明の実施の形態1は上記開示内容に限定さ
れるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で変更で
きる。
【0048】実施の形態1の変形例として、超音波を発
振するタイミングは、前記では突き上げピンを上昇後
に、突き上げピン11に超音波の振動を加えていたが、
超音波の連続発振能力、超音波の発熱原理を考慮して、
前記とは逆に突き上げピンに超音波の振動を加えなが
ら、突き上げピン11を押し上げる手順でもよい(図1
1の破線のグラフ305aの開始タイミング)。
【0049】上述の説明では突き上げピン11に印加さ
れる超音波の振動方向及び振幅方向は縦方向だったが、
図4に例示されるように、突き上げピン12に対して水
平方向の超音波振動を加える機構でもよい。振動方向を
水平方向にした場合も、チップ分離動作自体は、上述の
図1の場合と同様の動作手順である。
【0050】分離対象の半導体チップ2は、吸着ステー
ジ15でシート裏面を真空吸引し、粘着シート5を保持
した状態で突き上げピン12を上昇し、粘着シート5を
介して半導体チップ2を押し上げる。押し上げた後、突
き上げピン12に周波数10〜100kHz、振幅10
〜50μmの水平方向の超音波振動を加え、半導体チッ
プ2に粘着シート5を介して超音波の振動を与えること
により、粘着シート5より半導体チップ2が剥がれる。
このとき、半導体チップ2を粘着シート5を介して突き
上げピン12で押し上げながら、水平方向に超音波振動
を与えることにより、まずシート裏面を擦ることで、粘
着シート5の張力変化を起こし、粘着シート5の半導体
チップ2に接する粘着剤層3の部分が破壊され、半導体
チップ2が剥がれやすくなる。また超音波による突き上
げピン12の先端の加熱及びシート裏面を擦ることでの
摩擦熱の発生により、粘着シート5が膨張、収縮するこ
とでさらに半導体チップ2が剥がれやすくなる。
【0051】また上記以外でも、超音波振動子17に対
する突き上げピン12の取付け角度を変えて、振動方向
に角度をつける振動方法でも同様の効果が得られる。
【0052】次に本発明の実施の形態2である半導体装
置の製造方法について詳細に説明する。図5は本実施の
形態2の半導体装置の製造方法にて用いられるチップ分
離装置を示した断面図、図6(a)および(b)は本実
施の形態2の突き上げ動作の一例を工程順に例示した断
面図である。
【0053】上述の実施の形態1と同様に、半導体チッ
プ2が貼り付いた粘着シート5の裏面を吸着ステージ1
5の吸引穴より真空吸引し、粘着シート5を吸着保持す
る。このとき、窓穴13の大きさは半導体チップ2の1
チップ分に相当する大きさであり、分離対象以外の半導
体チップ2が貼り付けられている粘着シート部分を吸着
することとなる。
【0054】本実施の形態2の場合、吸着ステージ15
の下部には半導体チップ2を突き上げる突き上げピン2
1が設けられており、モータ駆動及び空気圧駆動で上下
動作を行う。前記突き上げピン21の下部には突き上げ
ピン21を回転駆動する高速回転モータ27が設けられ
ている。突き上げピン21の先端の偏心した位置には偏
心ピン22が設けられている。
【0055】このような突き上げピン21の先端部の偏
心した位置に偏心ピン22を設けた構成により、突き上
げピン21が高速回転すると、先端の偏心ピン22が円
を描くように偏心旋回する機構となる。
【0056】前記偏心ピン22の先端形状は円弧の形状
のピンとする。この形状により偏心ピン22を押し上げ
る時に粘着シート5が破れにくくなり、また、旋回する
偏心ピン22が擦ることによって発生した摩擦熱が伝わ
りやすくなる。偏心ピン22の先端部の円弧の大きさは
使用する粘着シート5の特性に応じて設定する。
【0057】分離対象の半導体チップ2は、吸着ステー
ジ15でシート裏面を真空吸引し、粘着シート5を保持
した状態で突き上げピン21(偏心ピン22)を上昇さ
せ、粘着シート5を介して半導体チップ2を押し上げ
る。突き上げピン21(偏心ピン22)の押し上げ量
は、吸着ステージ15の上面を基準に10〜200μm
とし、粘着シート5を破ることのない押し上げ量とす
る。ただし、使用する粘着シート5によって、シート基
材4の伸び量が異なるため、前記押し上げ量は限定され
るものではない。
【0058】突き上げピン21(偏心ピン22)を所定
量上昇した後、突き上げピン21を高速回転させると、
偏心した位置に設けられた偏心ピン22は円を描くよう
に旋回して粘着シート5の下面に摺接する。前記偏心ピ
ン22(突き上げピン21)の回転数は1000〜30
000rpmとする。このように半導体チップ2の貼り
付けられた粘着シート5を偏心旋回する偏心ピン22で
高速に擦ることにより、粘着シート5より半導体チップ
2が短時間に剥がれやすくなる。
【0059】ここで突き上げピン21と偏心ピン22の
オフセット量ΔR(旋回半径)は分離する半導体チップ
2の辺の半分(図12(a))から半導体チップ2の対
角長の半分(図12(b))に設定するのがよい。この
構造により、オフセット量ΔRで偏心旋回する偏心ピン
22の先端が図12(a)のように半導体チップ2の四
辺近傍、あるいは図12(b)のように四隅近傍を通過
して擦ることになり、粘着シート5の張力変化及び粘着
シート5の粘着剤層3の部分の破壊により、半導体チッ
プ2が剥がれやすくなる。これは、粘着シート5に貼り
付けられた半導体チップ2はチップ端部近傍が剥がれる
と、そこを起点にして全体が剥がれやすくなる傾向のた
めである。またシート裏面を偏心ピン22で擦ること
で、粘着シート5が摩擦熱を持ち、シート基材4が膨
張、収縮等の熱変形を生じてより剥がれやすくなる。
【0060】粘着シート5から剥がした半導体チップ2
は、吸着コレット16によって粘着シート5から分離し
て被搭載基板19に搭載する。このとき、吸着コレット
16が半導体チップ2を吸引するタイミングは、突き上
げピン21(偏心ピン22)を回転させる前でも後でも
よい。
【0061】このようにピンを偏心回転させ、チップ端
近傍を擦る偏心ピン22による剥離機構を用いることに
より、粘着シート5を破ることなく、また半導体チップ
2のサイズの大小に関係なく、半導体チップ2の裏面に
傷のない半導体装置を得ることができる。すなわち、半
導体チップ2のサイズの大小に合わせて、突き上げピン
21および偏心ピン22の口径や偏心ピン22のオフセ
ット量ΔRを設定することで半導体チップ2の四辺部分
や四隅部分を効果的に偏心ピン22にて擦ることが可能
であり、薄形かつ小形の半導体チップ2から比較的大き
な半導体チップ2まで、あらゆるサイズの半導体チップ
2の剥離工程に用いることができる。
【0062】以上、実施の形態2について具体的に説明
したが、本実施の形態2は上述の開示内容に限定される
ものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で変更でき
る。
【0063】本実施の形態2の変形例として、図11に
グラフ306として例示されるように、偏心ピン22を
高速回転させるタイミングは、上述の説明では突き上げ
ピン21を押し上げた後、偏心ピン22を回転させた
(グラフ306のタイミング)が、前記とは逆に偏心ピ
ン22を高速回転させながら(破線で示されるグラフ3
06aのタイミング)、突き上げピン21を押し上げる
手順でもよい。また、偏心回転の継続時間Tspinは、上
述のTusと同程度に設定できる。
【0064】また上記以外でも、突き上げピン21の取
付け角度を変えて、押し上げ方向に角度をつけて偏心ピ
ン22を高速旋回させる方法でも同様の効果が得られ
る。
【0065】さらに、偏心ピン22は一つにかぎらず、
オフセット量ΔRの異なる複数の偏心ピン22を突き上
げピン21の先端部に配置してもよい。
【0066】あるいは、偏心ピン22の代りに、先端部
を凹凸加工した突き上げピン21を回転させることで偏
心ピン22の高速旋回と同様の効果を得られるようにし
てもよい。
【0067】次に本発明の実施の形態3である半導体装
置の製造方法について詳細に説明する。図7は、本実施
の形態3の半導体装置の製造方法にて用いられるチップ
分離装置を示した断面図、図8(a)および(b)は本
実施の形態3の突き上げ動作の一例を工程順に例示した
断面図である。
【0068】上述の実施の形態1と同様に、半導体チッ
プ2が貼り付いた粘着シート5の裏面を吸着ステージ1
5の吸引穴14より真空吸引し、粘着シート5を吸着保
持する。このとき、窓穴13の大きさは半導体チップ2
の1チップに相当する大きさであり、分離対象以外の半
導体チップ2が貼り付けられている粘着シート5の部分
を吸着することになる。吸着ステージ15の下部には、
半導体チップ2を突き上げる突き上げピン31が設けら
れており、突き上げピン31はモータ駆動及び空気圧駆
動で上下動作を行う。
【0069】本実施の形態3の場合、突き上げピン31
にはヒータ37が装備され、当該突き上げピン31の先
端部が必要な温度に制御される構成となっている。この
場合、前記突き上げピン31の先端形状は平らあるいは
円弧の形状とする。この形状により突き上げピン31を
押し上げる時に粘着シート5が破れにくく、また熱が伝
わりやすくなる。突き上げピン31の先端部の円弧の大
きさ、先端角度は使用する粘着シート5の特性に応じて
設定する。
【0070】ヒータ37にて制御される突き上げピン3
1の先端温度はチップが熱破壊しない温度、あるいは粘
着シートが熱によって膨張、収縮する温度とし、たとえ
ば50℃〜80℃に設定する。分離対象の半導体チップ
2は、吸着ステージ15でシート裏面を真空吸引し、粘
着シート5を保持した状態で、突き上げピン31の先端
が所定の温度になった状態で当該突き上げピン31を上
昇させ、粘着シート5を介して半導体チップ2を押し上
げる。突き上げピン31の押し上げ量は、吸着ステージ
15の上面を基準に10μm〜200μmとし、粘着シ
ート5を破ることのない押し上げ量とする。このように
粘着シート5の裏面を突き上げピン31の先端部にて加
熱することで、粘着シート5が膨張、収縮など熱変形を
生じ、半導体チップ2が剥がれやすくなる。また、粘着
シート5の粘着剤層3の粘着力が、加熱することで弱ま
り、半導体チップ2が剥がれやすくなる。突き上げピン
31の先端温度は、熱によるシート基材4の変形量及び
粘着剤層3の粘着力などの粘着シート5の諸特性に応じ
て適宜設定する。
【0071】粘着シート5から剥がした半導体チップ2
を吸着コレット16によって粘着シート5から分離して
被搭載基板19にボンディング等で搭載する。このと
き、吸着コレット16が半導体チップ2を真空吸引する
タイミングは、突き上げピン31を押し上げる前でも後
でもよい。
【0072】このように先端を加熱した突き上げピン3
1の突き上げ動作による剥離機構を用いることにより、
粘着シート5を破ることなく、半導体チップ2の裏面に
傷のない半導体装置を得ることができる。また、突き上
げピン31の先端部の形状や口径寸法を半導体チップ2
のサイズ等に合わせて設定するだけで、サイズの大きな
ものから薄形で小形のサイズの半導体チップ2まで、あ
らゆるサイズの半導体チップ2に適用することができ
る。
【0073】以上、実施の形態3について具体的に説明
したが、本発明の実施の形態3は上記開示内容に限定さ
れるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で変更で
きる。
【0074】たとえば、上述の説明で突き上げピン31
の先端の加熱温度を例示したが、半導体チップ2が熱破
壊しない範囲あるいは粘着シート5の特性に応じて適宜
設定することができる。
【0075】また、粘着シート5の粘着剤層3等の特性
にもよるが、粘着シート5における剥離対象の半導体チ
ップ2の接着部位のみを選択的に冷却して粘着力を低下
させることで半導体チップ2を分離してもよい。
【0076】また、突き上げピン31を加熱するタイミ
ングは、前記では突き上げピン31を押し上げる前、突
き上げピン31の先端が所定の温度になるように加熱し
ていたが、前記とは逆に突き上げピン31を押し上げて
から、突き上げピン31の先端が所定の温度になるよう
に加熱する手順でもよい。ただし、突き上げピン31の
先端が瞬間的に加熱するように、突き上げピン31の材
料には熱伝導率のよい材料を用いる。
【0077】次に本発明の実施の形態4である半導体装
置の製造方法について詳細に説明する。図9は本実施の
形態4の半導体装置の製造方法にて用いられるチップ分
離装置を示した断面図である。
【0078】分離対象となる半導体チップ2が所定の位
置になるように、金属枠7および粘着シート5を支持し
たピックアップステージ100を移動および位置決めす
る。分離する半導体チップ2の下方には、チップサイズ
とほぼ同様の窓穴45aの開口した遮蔽治具45を設
け、下方よりUV照射装置41から紫外線UVを照射す
る構造となっている。この機構により、分離対象となる
半導体チップ2の粘着シート5の粘着剤層3のみを選択
的に硬化させ、半導体チップ2を剥がれやすくする。次
に粘着シート5から剥がしやすくなった半導体チップ2
を吸着コレット16によって、粘着シート5から分離し
て被搭載基板19に搭載する。このとき、吸着コレット
16が半導体チップ2を真空吸引するタイミングは、粘
着シート5に紫外線UVを照射する前でも後でもよい。
【0079】このように突き上げピンを用いることな
く、ピックアップする直前に紫外線UVを選択的に照射
して粘着シート5の粘着力を低下させる突き上げピンレ
ス剥離機構を用いることにより、粘着シート5を破るこ
となく、半導体チップ2の裏面に傷のない半導体装置を
得ることができる。
【0080】また、遮蔽治具45に開口した窓穴45a
の開口寸法を、単一の半導体チップ2のサイズに合わせ
て設定することで、比較的大きなサイズのものから薄形
かつ小形のサイズのものまであらゆる寸法の半導体チッ
プ2の剥離に適用することができる。
【0081】ただし、この分離方法を用いる場合、使用
する粘着シート5上の粘着剤層3としては紫外線UVの
照射により粘着力がほぼ零になる粘着剤層3及び粘着シ
ート5を用いる必要がある。
【0082】以上、実施の形態4の半導体装置の製造方
法について具体的に説明したが、本実施の形態4は上記
開示内容に限定されるものではなく、その主旨を逸脱し
ない範囲で変更できる。
【0083】図10は本実施の形態4の変形例を示した
断面図である。上述の説明では、分離する半導体チップ
2の下方にはチップサイズと同様の窓穴45aの空いた
遮蔽治具45を設け、下方より窓穴45aから紫外線U
Vを選択的に照射する構造であったが、スポット状に収
束された紫外線UVの照射が可能なスポットUV照射装
置42を用いることで、遮蔽治具45等の部品を用いる
ことなく、より簡単な装置構成にて、粘着シート5にお
ける分離対象の半導体チップ2の接着部位のみに選択的
に紫外線UVを照射して粘着力を低下させて分離する方
法も用いることができる。
【0084】また、紫外線UVの代わりに、粘着シート
5における分離対象の半導体チップ2の接着部位のみに
レーザ50を照射して選択的に瞬間的な加熱等のエネル
ギの印加により剥離を促進させる方法でもよい。
【0085】その場合、図9に例示されるように、ブロ
ードなレーザ50を出射するレーザ源51と、遮蔽治具
45とを併用して、窓穴45aから分離対象の半導体チ
ップ2の接着部位のみにレーザ50を選択的に照射する
方法、および図10に例示されるようにスポット状のレ
ーザ50を出射するスポットレーザ源52を用いて、遮
蔽治具45を用いることなく、分離対象の半導体チップ
2の接着部位のみにレーザ50を選択的に照射する方法
を用いることができる。
【0086】また、紫外線UV等の代わりに、粘着シー
ト5における分離対象の半導体チップ2の接着部位のみ
にマイクロ波等を照射して加熱効果等による剥離促進を
用いてもよい。
【0087】図13は、本発明の半導体装置の製造方法
の全体工程の一例を示すフローチャートである。
【0088】半導体単結晶のインゴットのスライス、研
磨等の工程にて半導体ウェハ1を準備する(ステップ5
01)。
【0089】フォトリソグラフィ技術等を用いたウェハ
プロセスにて、半導体ウェハに複数の半導体装置を一括
して形成する(ステップ502)。
【0090】ウェハプロセス完了後、ウェハプローブ等
のウェハレベルでの各半導体装置の機能試験による良品
選別(たとえば、不良の半導体チップにマークを付けて
外観選別を可能にしておく)を行う(ステップ50
3)。
【0091】その後、図1に例示されるような半導体ウ
ェハのダイシングにて半導体装置を粘着シート5上で個
別の半導体チップ2に分離する(ステップ504)。
【0092】さらに、上述の実施の形態1〜実施の形態
4等に例示された技術を用いて、粘着シート5からの不
良マークのない良品の半導体装置(半導体チップ2)の
みの選択的な剥離およびピックアップ(ステップ50
5)を実行し、さらにリードフレーム等の被搭載基板1
9へのボンディング(ステップ506)、さらには封止
および外部接続端子の形成等のパッケージング工程を経
て製品としての半導体装置が完成する(ステップ50
7)。
【0093】さらに、エージング等の出荷前の良品選別
工程(出荷前検査)を経て(ステップ508)、良品の
半導体装置のみを出荷する(ステップ509)。
【0094】本実施の形態の半導体装置の製造方法で
は、上述のようにピックアップ工程での半導体チップ2
(半導体装置)の裏面損傷等が全く発生しないので、半
導体チップ2の信頼性が向上し、これらの損傷等に起因
する製品不良が大きく減少し、半導体装置の製造歩留り
が向上する。また、大きなサイズの半導体チップから薄
形で小形のサイズの半導体チップまであらゆるサイズの
半導体チップのピックアップを、簡素な構成のチップ分
離装置を用いて迅速に行うことができ、製造工程での原
価低減やスループットの向上に寄与できる。
【0095】本願の特許請求の範囲に記載された発明を
見方を変えて表現すれば以下の通りである。
【0096】(1).半導体ウェハの状態で粘着シート
に貼り付けられ、半導体装置単位に切断された半導体装
置において、粘着シートを破ることなく半導体装置を粘
着シートより分離する製造プロセスを用いることによ
り、半導体装置の裏面にキズがないことを特徴とする半
導体装置。
【0097】(2).前記項目(1)の半導体装置を得
るために、半導体ウェハの状態で粘着シートに貼り付け
られ、半導体装置単位に切断された半導体装置を、半導
体装置の裏面をピンで押し上げ、吸着コレットで吸着す
る半導体装置の分離方法において、粘着シートを介して
半導体装置の裏面をピンで突き上げながら、ピンに超音
波の振動を与えることで、粘着シートを破ることなく、
半導体装置を粘着シートより分離することを特徴とする
半導体装置の製造方法及び装置。
【0098】(3).粘着シートを介して半導体装置の
裏面を、偏心したピンを回転させながら突き上げること
で、粘着シートを破ることなく半導体装置を粘着シート
より分離することを特徴とする項目(2)記載の半導体
装置の製造方法及び装置。
【0099】(4).粘着シートを介して半導体装置の
裏面を、粘着シートに熱を与えながら突き上げること
で、粘着シートを破ることなく半導体装置を粘着シート
より分離することを特徴とする項目(2)記載の半導体
装置の製造方法及び装置。
【0100】(5).前記項目(1)の半導体装置を得
るために、半導体ウェハの状態で粘着シートに貼り付け
られ、半導体装置単位に切断された半導体装置を分離す
る方法において、分離する半導体装置だけに紫外線を照
射して、分離する半導体装置部分の粘着力だけを低下さ
せることで半導体装置を粘着シートより分離することを
特徴とする半導体装置の製造方法及び装置。
【0101】以上本発明者によってなされた発明を実施
の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施
の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0102】
【発明の効果】半導体装置の組立工程におけるダイシン
グ後の半導体チップのピックアップにおいて、半導体チ
ップの寸法の大小等に関係なく、半導体チップを損傷す
ることなく粘着シートから分離することができる。
【0103】薄形かつ小形の半導体チップのダイシング
後のピックアップ工程において、粘着シートを破ること
なく粘着シートより半導体チップを分離し、半導体チッ
プの裏面に傷がない信頼性の高い半導体装置を提供する
ことができる。
【0104】半導体装置の製造工程における歩留りを向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の一実施の形態であ
る半導体装置の製造方法におけるダイシング工程の一例
を工程順に例示した断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造
方法にて用いられるチップ分離装置の構成の一例を示し
た断面図である。
【図3】(a)および(b)は、実施の形態1のチップ
分離装置における突き上げ動作の一例を工程順に例示し
た断面図である。
【図4】実施の形態1のチップ分離装置の変形例を示す
断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法
にて用いられるチップ分離装置を示した断面図である。
【図6】(a)および(b)は、実施の形態2の突き上
げ動作の一例を工程順に例示した断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法
にて用いられるチップ分離装置を示した断面図である。
【図8】(a)および(b)は、本実施の形態3の突き
上げ動作の一例を工程順に例示した断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4の半導体装置の製造方法
にて用いられるチップ分離装置を示した断面図である。
【図10】実施の形態4の変形例を示した断面図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態1および実施の形態2に
おけるチップ分離装置の各部の連携動作の一例を示すタ
イミングチャートである。
【図12】(a)および(b)は、実施の形態2の作用
の一例を示す平面図である。
【図13】本発明の半導体装置の製造方法の全体工程の
一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…半導体ウェハ、2…半導体チップ、3…粘着剤層、
4…シート基材、5…粘着シート、7…金属枠、11…
突き上げピン(当接治具)、12…突き上げピン(当接
治具)、13…窓穴、14…吸引穴、15…吸着ステー
ジ、16…吸着コレット、16a…吸着穴、17…超音
波振動子、19…被搭載基板、21…突き上げピン(当
接治具)、22…偏心ピン、27…高速回転モータ、3
1…突き上げピン(当接治具)、37…ヒータ、41…
UV照射装置、42…スポットUV照射装置、45…遮
蔽治具、45a…窓穴、50…レーザ、51…レーザ
源、52…スポットレーザ源、100…ピックアップス
テージ、200…ボンディングステージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 忠一 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体グループ内 (72)発明者 和田 隆 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体グループ内 Fターム(参考) 5F031 CA02 CA13 DA15 GA23 HA78 MA34 MA39 MA40 5F047 FA01 FA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の半導体装置が一括して形成された
    半導体ウェハを粘着シートに貼付して個別の前記半導体
    装置にダイシングして得られた複数のチップの各々を吸
    着治具にて吸着保持して前記粘着シートから採取するピ
    ックアップ工程を含む半導体装置の製造方法であって、 前記ピックアップ工程では、前記粘着シートを介して前
    記チップに当接される当接治具に超音波振動を印加する
    ことで前記粘着シートを破ることなく、前記チップを選
    択的に前記粘着シートより分離することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記当接治具は、前記超音波振動によって前記粘着シー
    トに対する前記チップの接着面に交差する方向、または
    前記接着面に平行な方向に加振されることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 複数の半導体装置が一括して形成された
    半導体ウェハを粘着シートに貼付して個別の前記半導体
    装置にダイシングして得られた複数のチップの各々を吸
    着治具にて吸着保持して前記粘着シートから採取するピ
    ックアップ工程を含む半導体装置の製造方法であって、 前記ピックアップ工程では、先端部に偏心突起部を有す
    る当接治具を回転させて前記粘着シートを介して前記チ
    ップに当接させることで、前記粘着シートを破ることな
    く、前記チップを選択的に前記粘着シートより分離する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記当接治具の回転による前記偏心突起の旋回半径は、
    前記チップの1辺の半分からチップの対角長の半分の範
    囲に設定されることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 複数の半導体装置が一括して形成された
    半導体ウェハを粘着シートに貼付して個別の前記半導体
    装置にダイシングして得られた複数のチップの各々を吸
    着治具にて吸着保持して前記粘着シートから採取するピ
    ックアップ工程を含む半導体装置の製造方法であって、 前記ピックアップ工程では、先端部の温度が可変な当接
    治具を前記粘着シートを介して前記チップに当接させる
    ことで、前記粘着シートを破ることなく、前記チップを
    選択的に前記粘着シートより分離することを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記当接治具を加熱または冷却した状態で前記粘着シー
    トを介して前記チップに当接させることで前記粘着シー
    トを破ることなく、前記チップを選択的に前記粘着シー
    トより分離することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 複数の半導体装置が一括して形成された
    半導体ウェハを粘着シートに貼付して個別の前記半導体
    装置にダイシングして得られた複数のチップの各々を吸
    着治具にて吸着保持して前記粘着シートから採取するピ
    ックアップ工程を含む半導体装置の製造方法であって、 前記ピックアップ工程では、前記粘着シートにおける個
    々の前記チップの搭載部位の裏面に電磁波を選択的に照
    射することで、前記粘着シートを破ることなく、前記チ
    ップを選択的に前記粘着シートより分離することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記粘着シートの裏面における前記電磁波の照射部位を
    選択的に露出させる開口部を備えた遮蔽治具を用いるこ
    とで前記電磁波を選択的に照射する方法、または、前記
    電磁波を収束して前記照射部位に選択的に照射する方法
    のいずれかを用いることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の半導体装置の製
    造方法において、 前記電磁波は紫外線であることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 半導体ウェハを準備する工程と、 ウェハプロセスにて前記半導体ウェハの一主面に複数の
    半導体装置を一括して形成する工程と、 前記半導体ウェハ上の個々の前記半導体装置における機
    能の良否を判別する工程と、 一主面に粘着シートが貼付された前記半導体ウェハを個
    々の前記半導体装置からなるチップにダイシングする工
    程と、 個々の前記チップを吸着治具にて吸着保持して前記粘着
    シートから採取するピックアップ工程と、 採取された前記チップを封止する工程と、 を含む半導体装置の製造方法であって、 前記ピックアップ工程では、 請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載の
    半導体装置の製造方法におけるピックアップ工程を用い
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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