JP4589266B2 - 半導体超音波接合方法 - Google Patents
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Description
裏面が熱剥離層を介してウェハーシートに接着されたウェハーの表面に、当該表面に形成された電極及び当該電極に形成された金属バンプを覆うように熱硬化シートで形成される熱硬化層を貼付又は塗布形成し、
ダイサーにより、前記熱硬化層、前記ウェハー、前記熱剥離層、及び前記ウェハーシートの一部をダイシングして、前記熱硬化層に覆われた前記電極及び前記バンプを有する半導体素子を複数形成し、
前記熱剥離層を介して前記複数の半導体素子が接着された前記ウェハーシートの周囲を前記ウェハーシート保持体に保持させ、
前記保持させた状態で、前記複数の半導体素子のうちの1つの半導体素子の前記バンプと、前記1つの半導体素子の前記バンプに対応する前記電子基板の電極とを対向させて位置決めし、
前記1つの半導体素子の前記バンプと前記電子基板の前記電極とを接触させつつ、前記1つの半導体素子と前記電子基板とを加熱しながら超音波を印加して、前記1つの半導体素子の前記バンプとそれに対応する前記電子基板の前記電極とを前記熱硬化層を介して超音波接合すると同時的に、前記加熱により前記熱剥離層の接着力を弱めて、前記電子基板に接合された前記1つの半導体素子を前記ウェハーシートから離脱させることを特徴とする半導体超音波接合方法を提供する。
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態にかかる半導体超音波接合方法及び装置に用いられる半導体素子2について、図1A〜図1D、図2A〜図2E、及び図3A〜図3Cを参照しつつ説明する。図1Aは、本発明の第1実施形態にかかる半導体超音波接合装置のウェハーシート保持体1に、個々の半導体素子2に相互に分割されたウェハー2Aが保持されている状態を示す斜視図であり、図1Bは1つの半導体素子2の斜視図であり、図1Cは1つの半導体素子2の電極及び金属バンプの拡大断面図であり、図1Dは熱剥離層の一例である熱剥離シート3の断面図である。図2A〜図2Eは、個々の半導体素子2に相互に分割される前のウェハー2Aが、ウェハーシート保持体1の一部であるウェハーシート4に保持されている工程から、ウェハー2Aが個々の半導体素子2に相互に分割されて、ウェハーシート保持体1に保持されるまでの工程を説明するための概略説明図である。図3Aは、複数の半導体素子2を1つの電子基板7に超音波接合する状態を示す概略図であり、図3Bは、1つの半導体素子2を1つの電子基板7に超音波接合する状態を示す概略図であり、図3Cは、図3A及び図3Bの電極接合部分の部分拡大図である。
熱剥離シート3の熱剥離粘着剤層3aの加熱前の接着力及び感圧粘着剤層3cの接着力は夫々、ウェハーシート保持体1の各半導体素子2の電極面2bを下向きにされたり、前記下向きの状態のまま搬送されるなどしても、各半導体素子2がウェハーシート4から落下及び位置ズレしないように設定されている。
熱剥離シート3の一例としては、日東電工製、商品名リバアルファが挙げられる。このリバアルファは、加熱前の被接着物との粘着力が例えば2.5〜7.3N/20mmであり、例えば90℃〜170℃で加熱されると被接着物との粘着力がほぼ0となり、被接着物が熱剥離粘着剤層3aから容易に剥離するようになっている。なお、熱剥離シート3に代えて、熱剥離層の一例である熱剥離フィルム又は熱剥離接着剤を用いても同様の効果を得ることができる。
なお、初期状態においては、図2Aに示すように、ウェハー2Aの表面(上面)、つまり電極面2bには、多数の電極2aが形成されており、電極2a上には夫々、金属バンプ(例えば金バンプ)2cが形成されている。ウェハー2Aの裏面(下面)には熱剥離層3の熱剥離粘着剤層3aが接着されているものとする。つまり、ウェハー2Aと熱剥離層3との接着力は、加熱されることにより弱くなるようになっている。また、ウェハーシート4の表面(上面)には、熱剥離層3の感圧粘着剤層3cが接着されているものとする。
次いで、図2Eに示すように、ウェハーシート4の外側全周が外側リング体1aと内側リング体1bとの間で挟持されて、ウェハー2Aがエキスパンドされる。これにより、ウェハーシート4が外側リング体1aと内側リング体1bとで挟持される部分に対する中央付近のたわみが例えば1.0mm以下となるように張設されるとともに、隣り合う半導体素子2間の隙間が例えば0.5mm〜1.0mmに広げられる。
以上のようにして、ウェハー2Aが、図1Aに示すように個々の半導体素子2に相互に分割され、ウェハーシート保持体1に保持される。
なお、電子基板7の電極面7bには、例えば金メッキで形成された複数の電極7aが設けられている。
また、図3A及び図3B中の符号8は超音波接合ツールを示している。超音波接合ツール8は、ウェハーシート保持体1の前記1つの半導体素子2が半導体素子用接合位置A1(超音波接合ツール8により半導体素子2が電子基板7に接触して金属バンプ2cを介しての電極同士の超音波接合を行うときの半導体素子2の接合位置)に位置した状態で、超音波印加位置C1(超音波接合時に超音波接合ツール8により超音波を半導体素子2の金属バンプ2cに印加するときの超音波接合ツール8の位置)に移動することで、熱剥離層3を介して接着しているウェハーシート4に対向し且つ1つの半導体素子2の裏面に対応する超音波印加領域D1(超音波接合時に超音波接合ツール8により超音波を半導体素子2の金属バンプ2cに直接印加できないため、ウェハーシート4を介して半導体素子2に超音波を印加するときに超音波接合ツール8が接触するウェハーシート4の領域)に所定の圧力で接触して、超音波印加領域D1を介して前記1つの半導体素子2に対応する熱剥離層3を加熱しながら、前記1つの半導体素子2の金属バンプ2cに超音波を印加可能に構成されている。
また、電子基板7は、初期状態において、半導体素子用接合位置A1に位置する前記1つの半導体素子2の電極面2bに対向する電子基板用接合位置B1(超音波接合ツール8により半導体素子2が電子基板7に接触して金属バンプ2cを介しての電極同士の超音波接合を行うときの電子基板7の接合位置)に、例えば図3A及び図3Bに示すように後述する吸着ヘッド51に吸着保持され、位置決め固定されているものとする。
次いで、超音波接合ツール8を上昇させて前記1つの半導体素子2を、電子基板用接合位置B1で位置決め固定された電子基板7に向けて半導体用接合位置A1まで移動させる。これにより、図3A〜図3Cに示すように前記1つの半導体素子2と電子基板7との間に熱硬化層5を介在させた状態で、前記1つの半導体素子2の電極2a上の金属バンプ2cをそれに対応する電子基板7の電極7aに所定の圧力で接触させる。このとき、前記1つの半導体素子2は、ウェハーシート保持体1に保持されたウェハー2Aの隣接する他の半導体素子2−1よりも図3Aの上方へ(例えば0.5mm程度)突出し、他の半導体素子2−1は電子基板7と接触しないようになっている(なお、図3Aは理解を容易にするため、突出量を誇張して記載している)。
以上のようにして、ウェハーシート保持体1に保持されたウェハー2Aの前記1つの半導体素子2の電子基板7への超音波接合が完了する。
超音波接合ツール8は、超音波接合時に前記1つの半導体素子2に超音波を印加するものであって、超音波印加部8aと超音波ホーン8fと超音波発振器8gとより構成されている。
超音波印加部8aは、上部が直方体で形成されるとともに下部が細い円柱体で形成され、上部の直方体部分の上面に前記1つの半導体素子2の裏面と略同じ大きさの超音波印加面8cを持って前記1つの半導体素子2の裏面に超音波を印加する。
超音波ホーン8fは、円錘台形状に形成され且つ直径の短い側の部分が超音波印加部8aの下部の細い円柱体に連結されて超音波を伝達する。
超音波発振器8gは、超音波ホーン8fに接続されるとともに後述する制御部80に接続されて制御部80の制御の下に超音波を発振する。
ヒータ300による加熱温度は、半導体素子2の電極2a及び金属バンプ2c、熱剥離層3、熱硬化層5、及び電子基板7の電極7aの材料に応じて最適温度が異なるが、熱硬化層5が熱硬化しかつ熱剥離層3が前記1つの半導体素子2から剥がれるとともに金属バンプ2cが溶融しない温度、例えば50℃から250℃の範囲で設定されることが好ましい。
なお、ヒータ300は、超音波接合ツール8の超音波印加部8aにのみ設けられることに限定されるものではなく、図3Bに示すように、超音波印加部8aに代えて、電子基板7を吸着保持する吸着ヘッド51に内蔵されてもよい。または、ヒータ300は、超音波接合ツール8の超音波印加部8a及び吸着ヘッド51の両方に設けられてもよい。
以上のように、超音波接合ツール8は構成されている。
半導体素子収納部11は、ネジ軸13が正方向に回転することにより上方向(以下、+Z方向という)に移動可能であるとともに、ネジ軸13が逆方向に回転することにより下方向(以下、−Z方向という)に移動可能となるように、ネジ軸13の上端部に取り付けられている。
Y軸テーブルは、±Y方向に延在し、基台200に回転自在に固定されたネジ軸(図示せず)と、前記ネジ軸が回転することにより前記ネジ軸上を移動可能に構成され、保持フレーム21に固定されるナット部材(図示せず)と、前記ネジ軸を回転させるモータ20Mとで構成されている。
超音波接合ツール移動装置30の各テーブル31〜33の夫々は、X、Y、又は±Z方向に延在するネジ軸(図示せず)と、前記ネジ軸が回転することにより前記ネジ軸上を移動可能なナット部材(図示せず)と、前記ネジ軸を回転させるモータ31M〜33Mとを備えている。X軸テーブル31のナット部材はY軸テーブル32に連結され、Y軸テーブル32のネジ軸が回転することにより前記ネジ軸上を移動可能なナット部材はZ軸テーブル33に連結され、Z軸テーブル33のネジ軸が回転することにより前記ネジ軸上を移動可能なナット部材は超音波接合ツール8に連結されている。これにより、超音波接合ツール8は、各テーブル31〜33の夫々のモータ31M〜33Mが正逆方向に駆動されることで±X方向、±Y方向及び±Z方向に夫々移動可能となっている。
超音波接合ツール移動装置30は、各テーブル31〜33のモータ31M〜33Mが駆動することにより、半導体素子搬送装置20により搬送されて半導体素子用接合位置A1(図3A参照)に位置したウェハーシート保持体1のウェハーシート4に対向し、且つウェハーシート4に保持されたウェハー2Aの前記1つの半導体素子2の裏面に対応する超音波印加位置C1(図3A参照)に超音波接合ツール8を移動させることができるように構成されている。
なお、ウェハーシート保持体1に保持された各半導体素子2は、ダイサー6により分割された方向と、本第1実施形態の半導体接合装置におけるX方向及びY方向とが略同一方向になるように配置されて、つまり各半導体素子2がX方向に整列するとともにY方向に整列するように配置されて、半導体素子収納部11内の搬送可能位置10Aから半導体素子用接合位置A1に搬送されるのが好ましい。以下の本発明の第2実施形態等においても、同様とする。
また、ウェハーシート保持体1に保持された各半導体素子2が、ダイサー6により分割された方向と、本第1実施形態の半導体接合装置におけるX方向及びY方向とが略同一方向にならないように配置された場合には、熱超音波接合ツール移動装置30に超音波接合ツール8をXY平面上で回動可能にするθ軸(図示しない)をさらに設けて、前記分割方向と前記X方向及びY方向とが略同一方向になるように調整可能に構成されることが好ましい。以下の本発明の第2実施形態等においても、同様とする。
トレイ搬送装置45は、前記のように±Y方向に移動可能に構成された保持台46により、電子基板供給装置40の搬送可能位置40Aに位置するトレイ42を引き出し、電子基板収納部41の外部に搬送可能に構成されている。
本第1実施形態にかかる半導体超音波接合装置は、以上のように構成されている。
次いで、超音波接合ツール移動装置30の各テーブル31〜33の夫々のモータ31M〜33Mの駆動を夫々制御して、超音波接合ツール8を、前記接合対象の1つの半導体素子2の裏面に接触するウェハーシート4の超音波印加領域D1の下方で前記超音波印加領域D1に対向する超音波印加準備位置C2(超音波印加領域D1の下方でかつ超音波印加領域D1に対向して離れた位置であって超音波印加のための超音波接合ツール8の準備位置)に移動させる(図7A参照)。
この超音波接合及び加熱動作により、前記1つの半導体素子2の電極2a上の金属バンプ2cと前記1つの電子基板7の電極7bとが超音波接合されるとともに、ウェハーシート4を介して熱剥離層3も加熱されて、前記1つの半導体素子2と熱剥離層3との接着力が弱まるとともに、ウェハーシート4、熱剥離層3及び半導体素子2を介して熱硬化層5が加熱されて、前記1つの半導体素子2の全ての電極2aが熱硬化層5を貫通して前記電子基板7の電極7aと夫々当接した状態で熱硬化層5が熱硬化して、前記1つの半導体素子2と前記電子基板7とが、前記1つの半導体素子2と加熱後の熱剥離層3との接着力よりも強い力で接合される。
このとき、超音波接合ツール移動装置30の各テーブル31〜33の夫々のモータ31M〜33Mの駆動を夫々制御して、超音波接合ツール8を超音波印加準備位置C2から、次の超音波印加準備位置C2−1まで移動させる(図7E及び図7F参照)。
以下、前述したように、吸着ヘッド51により保持された電子基板7と、超音波接合ツール8の上方の半導体素子2とが、吸着ヘッド51と超音波接合ツール8との間で加熱しながら超音波接合される。
以下、本発明の第1実施形態にかかる半導体超音波接合装置は、前記と同様の動作を行うことで、複数の接合後の前記1つの電子基板7及び前記1つの半導体素子2を順に得ることができる。
なお、トレイ42に載置され且つ接合対象となる複数の電子基板7の全てが半導体素子2と接合されると、トレイ搬送装置45のモータ47Mの駆動を制御して、接合が完了したトレイ42を電子基板供給装置40の電子基板収納部41内にトレイ搬送装置45により戻し、接合前の複数の電子基板7を載置した新たな1つのトレイ42を、電子基板収納部41内の搬送可能位置40Aから電子基板収納部41外にトレイ搬送装置45により搬送させる。同様に、ウェハーシート保持体1の接合対象となる全ての半導体素子2の接合が完了した場合には、半導体素子搬送装置20のY軸テーブル(図示せず)のモータ20Mの駆動を制御して、接合が完了したウェハーシート保持体1を半導体素子供給装置10の半導体素子収納部11に戻し、接合前の複数の半導体素子2を保持した新たなウェハーシート保持体1を、半導体素子収納部11内で搬送可能位置10Aから半導体素子収納部11外の半導体素子用接合位置A1に搬送させる。
本発明の第2実施形態にかかる半導体超音波接合方法及び装置について、図8及び図9を用いて、参照しつつ説明する。図8は、本発明の第2実施形態にかかる半導体超音波接合装置の全体構成を示す斜視図であり、図9は、本発明の第2実施形態にかかる半導体超音波接合装置の横から見た概略説明図である。本発明の第2実施形態にかかる半導体超音波接合装置は、第1実施形態にかかる半導体超音波接合装置の半導体素子搬送装置20、超音波接合ツール移動装置30及び電子基板搬送装置50に代えて、半導体素子搬送装置20a、超音波接合ツール移動装置30a及び電子基板搬送装置50aを備え、さらに吸着ステージ9を備える点で、本発明の第1実施形態にかかる半導体超音波接合装置と異なる。それ以外の点については、本発明の第1実施形態にかかる半導体超音波接合装置と同様であるので、重複する説明は省略する。
吸着ヘッド51aは、180度位相を異ならせて配置された2つの吸引ノズル51a−1,51a−2を有している。2つの吸引ノズル51a−1,51a−2の夫々には、吸引装置56aが独立に各吸引ノズル51a−1,51a−2に働くように接続されている。
また、吸着ステージ9側では、吸引ノズル51a−1,51a−2の一方の吸引ノズルにより、吸着ステージ9の電子基板用接合位置B1aに位置した、接合後の電子基板7を吸着保持し、Z軸回転駆動モータ55aMによりZ軸55aを180度回転させたのち、他方の吸引ノズルにより、トレイ側で他方の吸引ノズルに吸着保持した接合対象の電子基板7を吸着ステージ9の電子基板用接合位置B1aに載置して吸着解除する。
次に、本第2実施形態にかかる半導体超音波接合装置の接合動作を、図8、図9、図10A〜図10Eを参照しつつ説明する。図10A〜図10Eは、本第2実施形態にかかる半導体超音波接合装置の接合動作を示す概略説明図であって、この接合動作は制御部80の制御の下に行われる。なお、ここでは、前記1つの電子基板7のサイズは、前記1つの半導体素子2のサイズよりも十分大きなもの(例えば10倍のサイズ)とする。
次いで、電子基板搬送装置50aの駆動を制御して、吸着ステージ9上に吸着保持された前記接合対象となる1つの電子基板7の上方に、電子基板搬送装置50aに固定される電子基板認識装置60aを移動させることにより、電子基板認識装置60aが、前記接合対象となる1つの電子基板7の認識対象部(図示せず)を認識して、電子基板認識装置60aから制御部80に電子基板認識データを出力する。
また、このとき、超音波接合ツール移動装置30aの各テーブル31〜33の夫々のモータ31M〜33Mの駆動を夫々制御して、超音波接合ツール8を、前記接合対象の1つの半導体素子2の裏面に接触するウェハーシート4の超音波印加領域D1aの上方で対向する超音波印加準備位置C2a(超音波印加領域D1aの上方でかつ超音波印加領域D1aから離れた位置であって超音波接合ツール8により超音波を印加するための準備位置)に向けて搬送させる(図10B参照)。
この超音波接合及び加熱動作により、前記1つの半導体素子2の電極2a上の金属バンプ2cと前記1つの電子基板7の電極7bとが超音波接合されるとともに、ウェハーシート4を介して熱剥離層3も加熱されて、前記1つの半導体素子2と熱剥離層3との接着力が弱まるとともに、ウェハーシート4、熱剥離層3及び半導体素子2を介して熱硬化層5が加熱されて、前記1つの半導体素子2の全ての電極2aが熱硬化層5を貫通して前記電子基板7の電極7aと夫々当接し、当該当接した状態で熱硬化層5が熱硬化して前記1つの半導体素子2と前記電子基板7とが、前記1つの半導体素子2と加熱後の熱剥離層3との接着力よりも強い力で接合される。
次いで、吸着ステージ9のZ軸テーブル9bのモータの駆動を制御して、保持板9aを電子基板保持位置E1から電子基板保持準備位置E2に下降させ、前記1つの半導体素子2が接合された前記電子基板7と保持板9aとの接触状態を解除させる。このとき、一方の吸引ノズル51a−1により、前記1つの半導体素子2が接合された前記電子基板7を吸着保持された状態が維持されている。
次いで、電子基板搬送装置50aのZ軸55aのZ軸回転駆動モータ55aMの駆動を制御して、吸着ヘッド51aを180°回転させ、他方の吸引ノズル51a−2に吸着保持され且つ前記次の接合対象となる1つの電子基板7を電子基板用接合位置B1aに移動させる(図10E参照)とともに、一方の吸引ノズル51a−1に吸着保持され且つ前記半導体素子2が接合された前記電子基板7を電子基板用接合位置B1aから退避させる。このとき同時的に、吸着ステージ9のZ軸テーブル9bのモータ(図示せず)の駆動及び吸引装置(図示せず)の駆動を制御して、保持板9aを電子基板保持準備位置E2から電子基板保持位置E1に上昇させて、前記電子基板用接合位置B1aで前記次の接合対象となる1つの電子基板7を保持板9aに吸着保持させるとともに、電子基板搬送装置50aの吸引装置56aの駆動を制御して、吸引ノズル51a−2による前記次の接合対象となる1つの電子基板7の吸着保持状態を解除させる。
電子基板搬送装置50aの吸着ヘッド51aがトレイ42の方に移動した後、又は移動すると同時に、半導体素子搬送装置20aの各テーブル22a〜24aの夫々のモータ22aM〜24aMの駆動を制御してウェハーシート保持体1を半導体素子認識装置70aの上方に移動させ、半導体素子認識装置70aにより、次の接合対象となる1つの半導体素子2の認識対象部(図示せず)を認識させて、制御部80に半導体素子認識データを出力させたのち、次の1つの半導体素子2を半導体素子用接合準備位置A2aに位置させる。
なお、トレイ42に載置された多数の電子基板7の全てが半導体素子2と超音波接合される場合、及びウェハーシート保持体1の複数の半導体素子2の超音波接合が完了した場合の動作は、第1実施形態の半導体超音波接合装置と同様であるので説明は省略する。
なお、本発明の第2実施形態の半導体超音波接合装置においては、前記接合対象となる電子基板7を、電子基板搬送装置50aにより、トレイ42の中から吸着ステージ9上に搬送し、電子基板用接合位置B1aに位置させるように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えばコンベアのような搬送装置によって、前記接合対象となる電子基板7を吸着ステージ9上に位置決めするようにしてもよい。
例えば、本発明の第1及び第2実施形態の第1変形例として、本発明の第1及び第2実施形態の半導体超音波接合装置においては、前記電子基板7に前記1つの半導体素子2を接合する毎に吸着ヘッド51,51aを上下方向(±Z方向)に移動させたが、本発明はこれには限定されるものではない。例えば、ウェハーシート保持体1のウェハーシート4と電子基板7との隙間寸法を大略一定に(例えば1mm)維持した状態で、ウェハーシート4と電子基板7との隙間寸法をほとんど変えることなく(言い換えれば、ウェハーシート4と電子基板7とを相対的に離すようにいずれか一方の部材を他方の部材に対して上昇又は下降させることなく)、1つの電子基板7に複数の半導体素子2を超音波接合ツール8で連続的に超音波接合するように制御部80で動作制御させてもよい。
ここで、ウェハー2Aは、図11Aに上から見た透視図として示すように、±y方向(前記±Y方向と同一の方向でもよいし、前記±Y方向とは全く異なる方向でもよい。)に3列、±x方向(前記±X方向と同一の方向でもよいし、前記±X方向とは全く異なる方向でもよい。)に3行の合計9つの半導体素子S11〜S13,S21〜S23,S31〜S33に分割されてウェハーシート保持体1に保持されているものとする。すなわち、図11Aのウェハー2Aにおいて、+x方向の最も上流側でかつ+y方向の最も上流側には半導体素子S11が配置され、+y方向の最も上流側の列には、半導体素子S11,S21,S31が+x方向の上流側から下流側に向けて夫々順に配置され、次いで、+y方向の上流側と下流側の中間の列には、半導体素子S12,S22,S32が+x方向の上流側から下流側に向けて夫々順に配置され、次いで、+y方向の最も下流側には、半導体素子S13,S23,S33が+x方向の上流側から下流側に向けて夫々順に配置されているとする。
このような場合には、以下のように制御部80で動作制御する。
例えば、まず、図11Dに示すように、ウェハー2Aの+y方向の最も上流側に位置する半導体素子S11を、電子基板7の+y方向の最も上流側に位置する半導体素子用接合位置A1−1に前記したように超音波接合する。
次いで、図11Eに示すように、ウェハー2Aの+y方向の2番目に上流側に位置する半導体素子S12を、電子基板7の+y方向の2番目に上流側に位置する半導体素子用接合位置A1−2に前記したように超音波接合する。
次いで、図11Fに示すように、ウェハー2Aの+y方向の最も下流側に位置する半導体素子S13を、電子基板7の+y方向の最も下流側に位置する半導体素子用接合位置A1−3に前記したように超音波接合する。
すなわち、ウェハーシート保持体1の単一の搬送方向である+y方向の上流側に位置する半導体素子2から下流側に向けて順に、複数の半導体素子2を、電子基板7の搬送方向と同一方向に配列された複数の接合位置のうちの搬送方向である+y方向の上流側に位置する接合位置から順に複数の接合位置に夫々超音波接合するように動作制御すればよい。
先に超音波接合された半導体素子と、ウェハーシート保持体1に保持された半導体素子との接触を避けるためには、図11A〜図11Fで説明したように、半導体素子2の配列方向と半導体素子用接合位置の配列方向とを同一にするものに限られるものではなく、本発明の第1及び第2実施形態の第2変形例として図12A〜図12Dに示すように、半導体素子2の配列方向と半導体素子用接合位置の配列方向とが、ある所定の角度をなすようにしてもよい。
このような場合に超音波接合動作時間を短縮化するためには、まず、ウェハーシート保持体1を+x方向に搬送して半導体素子用接合位置A1−4,A1−5で夫々半導体素子2を超音波接合したのち、+x方向及び+y方向に搬送して半導体素子用接合位置A1−6で半導体素子2を超音波接合すればよい。
より具体的には、図12Bに示すように、図11Aのウェハー2Aにおいて+x方向の最も上流側で且つ+y方向の最も上流側に位置する半導体素子S11を、電子基板7の+x方向の最も上流側で且つ+y方向の最も上流側に位置する半導体素子用接合位置A1−4に前記したように超音波接合する。
次いで、図12Cに示すように、図11Aのウェハー2Aにおいて+x方向の2番目に上流側で且つ+y方向の最も上流側に位置する半導体素子S21を、電子基板7の+x方向の2番目に上流側で且つ+y方向の最も上流側に位置する半導体素子用接合位置A1−5に超音波接合する。
次いで、図12Dに示すように、図11Aのウェハー2Aにおいて+x方向の最も下流側で且つ+y方向の最も上流側に位置する半導体素子S31を、電子基板7の+y方向の最も下流側に位置する半導体素子用接合位置A1−6に超音波接合する。
すなわち、ウェハーシート保持体1の半導体素子S11,S21,S31の配列方向(図12B〜図12Dの下方向)と、電子基板7の接合位置の配列方向(接合位置A1−4と接合位置A1−5とでの配列方向は図12B〜図12Dの下方向、接合位置A1−5と接合位置A1−6とでの配列方向は図12B〜図12Dの斜め右上方向)とが同一及び所定の角度をなすように配置されている。
従って、半導体素子2の配列方向と半導体素子用接合位置の配列方向とが、逆方向(180度位相が異なる方向)以外の方向にすれば、すなわち、0度以上でかつ180度より小さい角度をなすようにすれば、ウェハーシート保持体1に保持された半導体素子2が、半導体素子用接合位置に超音波接合された半導体素子2と接触することを避けることができる。
なお、1つの電子基板7に対して1つの半導体素子2のみを接合するようにすれば、次に接合対象となる半導体素子2が接合後の半導体素子2と接触する恐れがないので、制御部80の制御を簡潔にすることができる。
言い換えれば、前記1つの電子基板7にウェハーシート保持体1に保持されている複数の半導体素子2を超音波接合するときには、前記接合する半導体素子2以外の前記ウェハーシート4上に残された半導体素子2と、前記1つの電子基板に既に接合されている半導体素子2とが、干渉関係にならないように超音波接合を行うようにする。このようにすれば、前記1つの電子基板7に複数の半導体素子2を超音波接合できる。
つまり、制御部80が、次に超音波接合される半導体素子2が不良半導体素子S100である場合には、不良半導体素子S100が廃棄箱90の上方に位置する廃棄位置までウェハーシート保持体1を搬送し、超音波接合ツール8で不良半導体素子S100の裏面から加熱しながら超音波を印加して、不良半導体素子S100の裏面とウェハーシート4の熱剥離層3の熱剥離粘着剤層3aとの間の接着力を弱めて、不良半導体素子S100をウェハーシート4の熱剥離層3から離脱させて廃棄箱90に入れるように各装置を制御するよう構成されるのが好ましい。このように構成されることにより、ウェハーシート保持体1に保持される複数の半導体素子2の中に不良半導体素子S100が含まれていても、不良半導体素子S100を電子基板7に超音波接合せずに容易にかつ確実に廃棄することができる。なお、この廃棄動作は、超音波接合動作開始前に、予め、不良半導体素子S100のみを廃棄するようにしてもよい。
例えば、図14A〜図14Fに示されるように、熱硬化接着剤5aを収納保持する熱硬化接着剤注入器91を別途備えて、XYZ軸テーブルなどによりXYZ方向に夫々熱硬化接着剤注入器91を移動可能に構成している。そして、半導体素子2と電子基板7とを超音波接合する直前に、熱硬化接着剤注入器91により熱硬化接着剤5aを電子基板7の電極面7b上(又は半導体素子2の電極面2b上)に塗布して熱硬化層5を形成するように構成されてもよい。なお、この場合、熱硬化接着剤5aを電子基板7に塗布する前に、熱硬化接着剤5aの温度を超音波接合ツール8の加熱設定温度近くまで予め引き上げておくと、半導体素子2と電子基板7との超音波接合時に、熱硬化接着剤5aを溶融させるのに要する加熱時間を短縮することができる。したがって、1つの又は複数の電子基板7に複数の半導体素子2を超音波接合するのに要する時間を短縮することができる。
2 半導体素子
2A ウェハー
3 熱剥離層
4 ウェハーシート
5 熱硬化層
6 ダイサー
7 電子基板
8 超音波接合ツール
8a 超音波印加部
8b 冷却ブロック
8c 超音波印加面
8d 吸引穴
8e 吸引装置
8f 超音波ホーン
8g 超音波発振器
8h 加圧機構
9 吸着ステージ
10 半導体素子供給装置
11 半導体素子収納部
12 上下リフター
13 ネジ軸
14 駆動用モータ
20 半導体素子搬送装置
21 保持フレーム
31,52 X軸テーブル
32,47,53 Y軸テーブル
33,54 Z軸テーブル
30 超音波接合ツール移動装置
40 電子基板供給装置
41 電子基板収納部
42 トレイ
45 トレイ搬送装置
46 保持台
50 電子基板搬送装置
51 吸着ヘッド
55 θ軸
60 電子基板認識装置
70 半導体素子認識装置
80 制御部
81 記憶部
90 廃棄箱
91 熱硬化接着剤注入器
Claims (1)
- 電極付きの電子基板と電極及び金属バンプ付きの半導体素子とを超音波接合する半導体超音波接合方法であって、
裏面が熱剥離層を介してウェハーシートに接着されたウェハーの表面に、当該表面に形成された電極及び当該電極に形成された金属バンプを覆うように熱硬化シートで形成される熱硬化層を貼付又は塗布形成し、
ダイサーにより、前記熱硬化層、前記ウェハー、前記熱剥離層、及び前記ウェハーシートの一部をダイシングして、前記熱硬化層に覆われた前記電極及び前記バンプを有する半導体素子を複数形成し、
前記熱剥離層を介して前記複数の半導体素子が接着された前記ウェハーシートの周囲をウェハーシート保持体に保持させ、
前記保持させた状態で、前記複数の半導体素子のうちの1つの半導体素子の前記バンプと、前記1つの半導体素子の前記バンプに対応する前記電子基板の電極とを対向させて位置決めし、
前記1つの半導体素子の前記バンプと前記電子基板の前記電極とを接触させつつ、前記1つの半導体素子と前記電子基板とを加熱しながら超音波を印加して、前記1つの半導体素子の前記バンプとそれに対応する前記電子基板の前記電極とを前記熱硬化層を介して超音波接合すると同時的に、前記加熱により前記熱剥離層の接着力を弱めて、前記電子基板に接合された前記1つの半導体素子を前記ウェハーシートから離脱させることを特徴とする半導体超音波接合方法。
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