JP2003171430A - 低臭気重合性樹脂組成物、これを用いた管ライニング材及び管ライニング工法 - Google Patents

低臭気重合性樹脂組成物、これを用いた管ライニング材及び管ライニング工法

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JP2003171430A
JP2003171430A JP2001374412A JP2001374412A JP2003171430A JP 2003171430 A JP2003171430 A JP 2003171430A JP 2001374412 A JP2001374412 A JP 2001374412A JP 2001374412 A JP2001374412 A JP 2001374412A JP 2003171430 A JP2003171430 A JP 2003171430A
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resin composition
pipe lining
polymerizable resin
pipe
lining material
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JP2001374412A
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Masahiko Watanabe
雅彦 渡邉
Yutaka Namatame
豊 生田目
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発生する臭気の低減化が実現可能な重合性樹
脂組成物、及びこれを使用した管ライニング工法の提
供。 【解決手段】 エポキシ樹脂に塩基酸を反応させて得ら
れる不飽和エステル(a)及び、化学式(I)で示され
る特定の構造のジシクロペンテニルオキシアルキルアク
リレート又はジシクロペンテニルオキシアルキルメタク
リレート(b)を必須成分としてなる重合性樹脂組成
物。特に、不飽和エステル(a)の合成の際に炭素数1
2個以上の二塩基酸が用いられる請求項1に記載の重合
性組成物。必須成分である不飽和エステル(a)とジシ
クロペンテニルオキシアルキルアクリレート又はジシク
ロペンテニルオキシアルキルメタクリレート(b)の組
成比が、(a)成分と(b)成分の総量を100重量%
として、(a)/(b)が5/95〜93/7である請
求項1又は2記載の重合性樹脂組成物。さらに、充填材
として、炭酸カルシウム及び/又は水酸化アルミニウム
を含有する重合性樹脂組成物。この重合性樹脂組成物を
使用して得られる管ライニング材及びこれを使用した管
ライニング工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管状の管ライニン
グ材を既設管路内に挿入し、この管ライニング材を流体
圧により既設管内側壁面に押圧し、硬化性樹脂組成物を
硬化させて既設管内面に合成樹脂管を形成する管ライニ
ング工法において、管ライニング材に使用される重合性
樹脂組成物及び重合性樹脂組成物を使用して得られる管
ライニング材及び、その管ライニング材を使用して行わ
れる管ライニング工法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、ガス管、水道管や下水道管などの主
として地中に埋設された管路に対し、既設管の強度補強
や防蝕対策、漏水・浸水対策あるいは流量改善などの目
的として、既設管内面に液状硬化性樹脂組成物を含浸し
た内張り用管ライニング材を既設管路内に挿入し、この
管ライニング材を流体圧により既設管内側壁面に押圧
し、硬化性樹脂組成物を硬化させて既設管内面に合成樹
脂管を形成する管ライニング工法が脚光を浴びている。
【0003】この管ライニング工法の中のひとつである
反転管ライニング工法の概略を順に説明すると、まず、
既設管の内径全長に合致する外側に柔軟なフィルム層を
有し、その内側に繊維強化材を有する管状体を作成す
る。次に、主に液状硬化性樹脂及び硬化剤及び必要に応
じて硬化促進剤などからなる硬化性樹脂組成物が繊維強
化材に均一に含浸しやすくなる目的でこの管状体の内部
を減圧にして空気を排除し、管状体の一方の端より徐々
に管状体の全長にわたり硬化性樹脂組成物を含浸させ管
ライニング材を得る。次に、この管ライニング材を冷凍
状態または冷蔵状態に維持しながら既設管の挿入口まで
運搬し、空気、水圧等の流体圧により既設管に密着させ
ながら反転し、その後、熱風、熱水蒸気、温水等を用い
て既設管に密着させながら硬化させる。最後に、施工し
た最先端の管ライニング材止め部及び挿入部の余分な管
ライニング材を切断し、内張りした管を継ぎ込んで完了
する。
【0004】この反転管ライニング工法では、管ライニ
ング材を含浸処理した後、管ライニング材を定位置に設
置する前に硬化剤及び必要に応じて使用される硬化促進
剤を含む硬化性樹脂組成物が、早期に硬化しないように
するため、できるだけ管ライニング材の貯蔵可能期間を
長くする一方、工期をできる限り短くするため、一旦硬
化が開始されたら速やかに硬化を完了させる速硬化性が
望まれている。
【0005】この対策として、例えば特開平2−188
227号公報では、光硬化性樹脂組成物を含浸した繊維
層を最内層とし、光不透過性のフィルムが最外層となる
ようにした管状管ライニング材とその製造方法が提案さ
れている。しかし、この方法は上記の問題点に対する十
分な解決策ではなく、実際には、熱風、熱水蒸気、温水
等の加熱硬化が主流を占めている。
【0006】また、特開平3−281223号公報、特
開平3−281224号公報及び特開平4−44830
号公報では、エポキシ樹脂を主成分とした主剤と、特定
の化学構造を有する硬化剤とを配合したエポキシ樹脂組
成物が提案されている。しかし、エポキシ樹脂組成部か
らなる管ライニング材の使用は、一般には内圧管や上水
管に限られており、管ライニング工法が最も行われてい
る下水道管や農業用水管では、不飽和ポリエステル樹脂
組成物やビニルエステル樹脂組成物が主流である。
【0007】特開平11−1623号公報では、不飽和
ポリエステル樹脂及び/またはビニルエステル樹脂に硬
化剤を添加した硬化性組成物として、ジフェニルジスル
フィドとパーオキサイドとを混合した硬化剤組成物が検
討されている。しかし、この検討は、ハンドレイアップ
やスプレーアップにに代わる成形法として注目されてい
るレジンインジェクション成形を対象とし、かつ、硬化
性組成物の室温貯蔵中にゲル化を生じさせることなく、
かつ、硬化作業時には硬化時間を遅くすることなく成形
品を得ることを目的としたものであり、本発明とは異な
る。
【0008】また、特開平2−235723号公報で
は、常温で活性化する硬化剤または硬化促進剤をマイク
ロカプセル化して熱硬化性樹脂中に混合した熱硬化性樹
脂組成物を含浸した管ライニング材を既設管内に反転・
挿入した後、樹脂組成物中に混合されたマイクロカプセ
ルを熱、圧力または光により破壊して硬化させることを
特徴とする管ライニング工法が検討されている。さら
に、特表平9−500586号公報では、硬化剤として
過酸化ベンゾイル、硬化促進剤としてアミンを用い、こ
れらをマイクロカプセル中に封入し、このマイクロカプ
セルを混合した不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸し
て得られる管ライニング材を使用した管ライニング工法
において、マイクロカプセルを破壊して内容物を放出さ
せるために、管ライニング材の所定位置に超音波式機械
的衝撃装置を取り付け、管ライニング材を既設管内に反
転・挿入する際にこの超音波式装置を作動させて硬化反
応が開始するように調整し、樹脂組成物の硬化時間が管
ライニング材を反転・挿入する時間よりもあまり長くな
らないようにする管ライニング材及び管ライニング工法
が提案されている。
【0009】しかし、これら2つの公報では、常温で容
易に活性化する硬化剤及び/または硬化促進剤をマイク
ロカプセル化して封入しているため、樹脂組成物を攪
拌し調整する際、攪拌によるせん断力や繊維層へ樹脂
組成物を含浸する際の樹脂組成物と繊維層との摩擦力な
どによってマイクロカプセルが破壊して硬化反応を開始
してしまったり、一方では管ライニング材を反転・挿入
後、樹脂組成物を硬化させる際に、マイクロカプセルの
破壊が十分に起こらず内容物が放出されないために、
管ライニング材を硬化させる際、所定の時間よりも硬化
時間が長くなったり、また管ライニング材硬化後、部
分的に樹脂組成物の未硬化が発生するなどの問題がある
ばかりでなく、本発明が解決しようとする目的とは異な
る。
【0010】一方、低公害性、生産性の高さ、素材に対す
る熱の影響の低さなどの利点から紫外線照射による硬化
法が注目されている。例えば、特開平6−15736号
公報「管路を補修する方法、装置および補修材」が挙げ
られる。これは、管路の部分補修材として液状紫外線硬
化性樹脂を含浸させたシート状ライニング材を使用する
ものであるため、紫外線照射装置を必要とし、紫外線照
射灯を管路走行補修装置に内装している。紫外線照射灯
は高出力が要求され、紫外線照射灯による紫外線照射に
より高温となるので補修材の管内壁への圧着に使用され
るセロハン袋体が引火燃焼し易いという問題がある。ま
た、紫外線はライニング材における光透過性が悪いた
め、管路内面と対向するライニング材外面側の光硬化が
不十分で、所望の厚さのライニング材を管路内面に張り
付けるためには、ライニング材の外側面(管路内面側)
の硬化不良となり、硬化物の強度低下を招く問題があ
り、
【0011】このように、主に液状硬化性樹脂及び硬化
剤及び必要に応じて硬化促進剤からなる重合性樹脂組成
物を繊維層に含浸して得られた管状の管ライニング材に
おいて、低公害性という観点から、発生する臭気の低減
化対策は、ほとんど行われていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題を解決し、管ライニング材の製造及びこ
れを用いて内張り管を製造する際の低臭気性及び機械的
特性に優れる重合性樹脂組成物を提供することにある。
【0013】請求項1記載の発明は、エポキシ樹脂に不
飽和一塩基酸及び必要に応じて更に多塩基酸を反応させ
て得られる不飽和エステル(a)及び下記式(I)
【0014】
【化2】 [式中RはH又はCHであり、Rは2〜12個の炭
素原子を有するアルキレン基又は少なくとも2個の炭素
原子を有する2個以上のアルキレン基が酸素原子で結合
された、全体として4〜12個の炭素原子を有するオキ
シアルキレン基である]で表わされる少なくとも1種のジ
シクロペンテニルオキシアルキルアクリレート又はジシ
クロペンテニルオキシアルキルメタクリレート(b)を
必須成分としてなる重合性樹脂組成物を提供することに
ある。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
発明を一層奏でることができる重合性組成物を提供する
ものである。 請求項3に記載の発明は、本発明の効果をより具体的に
実現可能とする重合性樹脂組成物を提供するものであ
る。さらに、請求項4に記載の発明は、優れた機械的特
性を有する重合性樹脂組成物を提供することにある。請
求項5に記載の発明は、管ライニング材を提供すること
にある。また、請求項6記載の発明は、内張り管を製造
することができる管ライニング工法を提供するものであ
る。
【0016】
【課題が解決しようとする手段】本発明は、エポキシ樹
脂に不飽和一塩基酸及び必要に応じて更に多塩基酸を反
応させて得られる不飽和エステル(a)及び下記式
(I)
【0017】
【化3】 [式中RはH又はCHであり、Rは2〜12個の炭
素原子を有するアルキレン基又は少なくとも2個の炭素
原子を有する2個以上のアルキレン基が酸素原子で結合
された、全体として4〜12個の炭素原子を有するオキ
シアルキレン基である]で表わされる少なくとも1種のジ
シクロペンテニルオキシアルキルアクリレート又はジシ
クロペンテニルオキシアルキルメタクリレート(b)を
必須成分としてなる重合性樹脂組成物に関する。本発明
は、不飽和エステル(a)の合成の際に必要に応じて更
に用いられる多塩基酸が炭素数12個以上の二塩基酸で
ある重合性組成物に関する。また、本発明は、必須成分
である不飽和エステル(a)とジシクロペンテニルオキ
シアルキルアクリレート又はジシクロペンテニルオキシ
アルキルメタクリレート(b)の組成比が、(a)成分
と(b)成分の総量を100重量%として、(a)/
(b)が5/95〜93/7である重合性樹脂組成物に
関する。
【0018】本発明は、充填材として、炭酸カルシウム
及び/又は水酸化アルミニウムを含有する重合性樹脂組
成物に関する。
【0019】また、本発明は、繊維強化材を有する管状
体に重合性樹脂組成物を含浸させてなる管ライニング材
に関する。
【0020】さらに、本発明は、管ライニング材を管路
内に挿入し、この管ライニング材を流体圧により管路の
内側壁面に押圧したまま、これに含浸した重合性樹脂組
成物を硬化させて管路の内側に内張り管をライニングす
ることを特徴とする管ライニング工法に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の重合性樹脂組成物は上述
の(a)及び(b)成分で構成されるが、(a)成分の
不飽和エステルの原料として用いられるエポキシ樹脂と
しては、特に制限はなく、例えば一般式(II)
【0022】
【化4】 [式中、xは0〜15の範囲の整数である]で表わされ
るものが用いられる。 市販されているものとしては、シェル化学社製エピコ−
ト828、エピコ−ト1001、エピコ−ト1004、旭
化成工業製AER−664H、AER−331、AER−
337、ダウケミカル社製D.E.R.330、D.E.
R.660、D.E.R.664などがある。 また、上述エポキシ樹脂の水素原子の一部をハロゲン(例
えば臭素)で置換したタイプも使用できる。この種の市販
品の例としては、東都化成社製エポト−トYDB−40
0、YDB−340、住友化学製スミエポキシESB−3
40、ESB−400、ESB−500、ESB−70
0、ダウケミカル社製DER−542、DER−511、
DER−580、油化シェル社製1045、1050、
1046、DX−248などがある。また一般式(II
I)
【0023】
【化5】 [式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又
はアアルキル基を示し、xは0〜15の範囲の整数であ
る]で示されるものを用いることができる。 市販されているものとしては、ダウケミカル社製D.
E.N.431、D.E.N.438、シェル化学社製
エピコ−ト152、エピコ−ト154、チバ社製EPN1
138などがある。 また、ユニオンカ−バイド社製ERL4211、チバガ
イギ−社製CY208、VY221、CY350、XB
2615、CY192、CY184なども用いられる。
これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種類以上併用す
ることができる。 また、エピ−ビスタイプのエポキシ樹脂、フェノ−ルノ
ボラックタイプのエポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック
のエポキシ樹脂等と低粘度エポキシ樹脂とを併用するこ
ともできる。
【0024】エポキシ樹脂に反応させる不飽和一塩基酸
としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けいひ
酸、トリシクロ[5.2.1.02.6]−4−デセン−
8又は9残基と不飽和二塩基酸を構成要素として含む部
分エステル化カルボン酸などを用いることができる。部
分エステル化カルボン酸の例としては、8又は9−ヒド
ロキシトリシクロデセン−4−[5.2.1.02.6]
1.00〜1.20モル及び無水マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸などの不飽和二塩基酸1モルを不活性
ガス気流下で70〜150℃で加熱して得られる不飽和
二塩基酸モノエステルがある。 トリシクロデカジエン−4・8−[5.2.1.0
2.6]にマレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽
和二塩基酸を硫酸、ルイス酸などの触媒の存在下で付加
して得られる不飽和二塩基酸モノエステルを用いることも
できる。 マレイン酸を例に採って例示すると、下記式(IV)の
ようになる。
【0025】
【化6】
【0026】エポキシ樹脂に必要に応じて反応させる多
塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸などが挙
げられる。 必要に応じ更に用いられる多塩基酸としては、炭素数が
12個以上の二塩基酸を用いるのが好ましい。その具体
例としては、ドデカン二酸、市販品として岡村製油社製S
LB−12、また、炭素数16の不飽和二塩基酸の異性
体の混合物であるULB−20(同じく岡村製油社
製)、炭素数20の飽和二塩基酸主体の混合物であるS
L−20(同じく岡村製油社製)、更に炭素数36の通
称ダイマ−酸と呼ばれるト−ル油脂肪酸を原料とする2
量化脂肪酸などがある。このダイマ−酸の市販品として
は、エメリ−社製エンポ−ル1022、エンポ−ル102
4、第一ゼネラル社製バ−サダイム216、バ−サダイ
ム288、ハリマ化成社製ハリダイマ−#200などが
ある。
【0027】エポキシ樹脂、不飽和一塩基酸及び必要に
応じて用いられる多塩基酸は、60〜150℃、好ましく
は70〜130℃の温度で反応させて不飽和エステルと
される。不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いる多塩基
酸の割合は、これらの酸成分のカルボキシル基とエポキ
シ樹脂のエポキシ基がほぼ当量となる割合で用いること
が好ましい。不飽和エステルの生成は、不飽和一塩基酸
及び必要に応じて用いる多塩基酸のカルボキシル基を定
量し、酸価により確認することができる。この酸価は好ま
しくは50KOHmg/g以下、より好ましくは15K
OHmg/gである。
【0028】反応に際し重合によるゲル化を防止するた
めにヒドロキノン、パラベンゾキノン、p−第3級ブチ
ルカテコ−ル、ヒドキノンモノメチルエ−テルなどの重
合禁止剤を用いるのが好ましい。 また、このエステル化反応に際しては、トリメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、ピリジニウムクロライドな
どの第4級アンモニウム塩、トリエチルアミン、ジメチ
ルアニリンなどの第3級アミン、塩化リチウム、塩化第
二スズなどのエステル化触媒を用いて反応時間を短縮す
ることもできる。 本発明における重合性樹脂組成物は、さらに(b)成分
を含有する。 (b)成分としては、下記の一般式(I)
【0029】
【化7】 [式中RはH又はCHであり、Rは2〜12個の炭
素原子を有するアルキレン基又は少なくとも2個の炭素
原子を有する2個以上のアルキレン基が酸素原子で結合
された、全体として4〜12個の炭素原子を有するオキ
シアルキレン基である]で表わされる少なくとも1種のジ
シクロペンテニルオキシアルキルアクリレート又はジシ
クロペンテニルオキシアルキルメタクリレート(b)を
含む。 これらの化合物は、公知の化合物であって、例えばジシ
クロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペ
ンテニルオキエチルメタクリレート、ジシクロペンテニ
ルオキシプロピルアクリレート、ジシクロペンテニルオ
キシプロピルメタクリレート等が挙げられる。これらの
化合物は、ジシクロペンタジエンにアルキレングリコ−
ル又はオキサアルキレングリコ−ルを付加反応させ、生
成したアルキレングリコ−ルモノジシクロペンテニルエ
−テル又はオキサアルキレングリコ−ルモノジシクロペ
ンテニルエ−テルをメタクリル酸と縮合反応させるか又
はメタクリル酸メチルとエステル交換反応させることに
よっても製造できる。
【0030】本発明の重合性樹脂組成物において、
(a)の不飽和エエステルと(b)の一般式(I)で示
される化合物の組成比は、(a)成分と(b)成分の総
量を100重量%として、(a)/(b)で5/95〜
93/75である。
【0031】本発明の重合性樹脂組成物には、さらに、
充填材として、炭酸カルシウム及び/又は水酸化アルミ
ニウムを含有させることができる。炭酸カルシウムの市
販品として、ス−パ−S、ス−パ−SS、ス−パ−SS
S、ス−パ−4S、ス−パ−#1500、ス−パ−#1
700、ス−パ−#2000(丸尾カルシウム株式会社
製、商品名)、NS#100、NS#200、NS#4
00、NS#600、NS#1000、NS#300
0、S−Lite1200、SS#30、SS#50、
SS#80(日東粉化工業株式会社製、商品名)、エス
カロン#100、エスカロン#200、エスカロン#4
00、エスカロン#1500、エスカロン#2000、
エスカロン#2200(三共精粉株式会社製、商品名)
などが挙げられる。また、水酸化アルミニウムの市販品
としては、A−30、A−30F、A−325、A−3
15、A−308、A−305、C−31、C−33、
C−331、C−333(アルコア化成株式会社製、商
品名)、B103、B153、B303、B703、B
W153、BW103(日本軽金属株式会社製、商品
名)、H−31、H−32、H−42、H−43、H−
100、H−210、H310、H320(昭和電工株
式会社製、商品名)などが挙げられる。これらは単独あ
るいは併称して用いることができる。これらの配合割合
は、本発明の前述の(a)成分と(b)成分からなる重
合性樹脂組成物の総量を100重量部に対して、5〜5
0重量部の範囲で配合されるのが好ましく、10〜30
重量部の範囲内で配合されるのがより好ましい。配合割
合が上記の範囲内より多いと、機械的特性は良好である
が管ライニング材製造時の含浸作業性が著しく低下する
ようになり、一方、上記の範囲内より少ないと、充填材
を含有することによる機械的特性の向上効果が得られに
くい。
【0032】本発明の重合性樹脂組成物の硬化に際して
は、硬化触媒または硬化触媒及び硬化促進剤が用いられ
る。
【0033】硬化触媒としては、特定の温度で硬化反応
を開始する熱硬化剤と、有機金属化合物又は金属を含有
する硬化促進剤又は第三級アミンとの組み合わせでレド
ックス反応を開始する硬化剤とが挙げられる。特定の温
度で硬化反応を開始する熱硬化剤としては、特に、80
℃未満で硬化反応を開始する熱硬化剤が好ましく、パ−
カ−ボネ−ト類では、Bis−(4−t−ブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキ
シエチルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシ
ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパー
オキシジカーボネート、アルキルパ−エステル類では、
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデ
カネート、α−クメンパーオキシネオデカネート、t−
ブチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオ
キシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,
3−テトラメチルブチルパーオキシジ−2−エチルヘキ
サネ−ト、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ネート、 t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネ
ート、 t−ブチルパーオキシイソブチレート、2,5
−ジメチル−2,5− Bis−(2−エチルヘキサノ
イルパーオキシ)ヘキサン、t−アミルパーオキシ−2
−エチルヘキサネート、ジアシルパ−オキサイド類で
は、イソブチロイルパーオキサイド、 Bis−3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ
る。また、有機金属化合物又は金属を含有する硬化促進
剤又は第三級アミンとの組み合わせでレドックス反応を
開始する硬化剤としては、メチルエチルケトンパーキサ
イド、アセチルアセトンパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5
−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシジイ
ソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物
が挙げられる。本発明においては、80℃未満でも硬化
反応を開始する熱硬化剤と有機金属化合物又は金属を含
有する硬化促進剤又は第三級アミンとの組み合わせでレ
ドックス反応を開始する硬化剤のそれぞれから選ばれて
用いられ、必要に応じて80℃未満でも硬化反応を開始
する熱硬化剤の中から2種類以上が選ばれて用いられて
も構わない。また、必要に応じて有機金属化合物又は金
属を含有する硬化促進剤又は第三級アミンとの組み合わ
せでレドックス反応を開始する硬化剤の中から2種類以
上が選ばれて用いられても構わない。硬化剤の使用量
は、前述の(a)成分と(b)成分からなる重合性樹脂
組成物の総量を100重量部に対して、0.1〜5重量
部が好ましく、0.3〜3重量部の範囲内で用いられる
のがより好ましい。
【0034】硬化促進剤としては、最も一般的である有
機金属化合物、例えば、金属石鹸(酢酸、オクテン酸、
ステアリン酸等の脂肪酸又はナフテン酸のMg、Ca、
Zn、AL、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、P
b、Cu、Zr等の金属の金属塩、特に好ましくは、コ
バルト塩、マンガン塩)、有機金属錯体(コバルトアセ
チルアセトネート、マンガンアセチルアセトナート等の
遷移元素のアセチアセトン錯体等)、第三級アミン
(N,N−ジメチルアニリン等)などが挙げられる。こ
れらの硬化促進剤は、有機金属化合物又は金属を含有す
る硬化促進剤又は第三級アミンとの組み合わせでレドッ
クス反応を開始する硬化剤と組み合わせ用いられる。ま
たこれらは単独でもしくは併用して用いられる。硬化促
進剤の使用量は、前述の(a)成分と(b)成分からな
る重合性樹脂組成物の総量を100重量部に対して、
0.01〜3重量部が好ましく、0.05〜2重量部の
範囲内で用いられるのがより好ましい。
【0035】本発明の重合性樹脂組成物には、成形条件
や要求特性など必要に応じて、硬化時間調整のための硬
化遅延剤や増粘剤などを添加して用いることができる。
【0036】硬化遅延剤としては、例えば、2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノ
ン、pーベンゾキノン、メチルハイドロキノンなどが挙
げられ、前述の(a)成分と(b)成分からなる重合性
樹脂組成物の総量を100重量部に対して、0.1重量
部以下であることが好ましく、使用する場合0.001
重量部以上使用することが好ましい。
【0037】増粘剤としては、2価の金属酸化物あるい
は水酸化物からなる金属化合物が使用され、例えば、酸
化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらは単独で
もしくは併用して用いられる。増粘剤の使用量は、前述
の(a)成分と(b)成分からなる重合性樹脂組成物の
総量を100重量部に対して、3重量部以下であること
が好ましく、使用する場合0.1重量部以上使用するこ
とが好ましい。
【0038】本発明の重合性樹脂組成物は、繊維強化材
を有する管状体に含浸させ管ライニング材を製造でき
る。繊維強化材としては、ポリエステル繊維が最も一般
的であるが、アクリル繊維、ビニロン繊維、炭素繊維、
ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの繊維
のフェルト、布、不織布、マットなどが使用できる。こ
れらの種類、使用量などは要求特性に応じて選択するこ
とができ、その使用量は、前述の(a)成分と(b)成
分からなる重合性樹脂組成物及び充填剤、硬化触媒また
は硬化触媒及び硬化促進剤、並びに必要に応じて使用す
る硬化遅延剤及び増粘剤の総量100重量部に対して、
5〜100重量部が好ましい。
【0039】本発明の重合性樹脂組成物を含浸して得ら
れる繊維強化材を有する管状の管ライニング材を用い
て、管路の内側に内張り管をライニングする管ライニン
グ工法において、管ライニング材を管路内に挿入する際
の挿入方法及び管路の内側壁面に押圧する際の流体の種
類及び圧力などの条件は、適宜選択することができ、さ
らに、管路の内側壁面に押圧された管ライニング材を含
浸した重合性樹脂組成物を硬化する際の加熱温度、加熱
時間などの成形条件は、前記の熱硬化剤及び/又は有機
金属化合物又は金属を含有する硬化促進剤又は第三級ア
ミンとの組み合わせでレドックス反応を開始する硬化剤
の組み合わせ及び使用量を考慮し、適宜選択することが
できる。
【0040】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明がこれに限定されるものではない。
【0041】合成例1 ((b)成分のジシクロペンテ
ニルオキシエチルメタクリレ−トの合成)ジシクロペン
タジエン660部、エチレングリコ−ル160部及びパ
ラトルエンスルホン酸4部を120℃で4時間反応させ
た後、80℃まで温度を下げ、更にメタクリル酸430
部とパラトルエンスルホン酸4部を添加し、100℃で
水を留出させつつ5時間反応させ、得られた反応物を酸
化マグネシウムで中和した。反応物を水洗した後、減圧蒸
留により精製した。
【0042】合成例2 ((a)成分の不飽和エステル
−Iの合成) メタクリル酸411部、シェル社製のエピ−ビス型エポ
キシ樹脂Ep−828を453部、Ep−1001を1
136部、ヒドロキノン0.4部及びトリメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド4部を100℃で10時間加
熱して酸価15の不飽和エステル−Iを得た。
【0043】合成例3 ((a)成分の不飽和エステル
−IIの合成) エピ−ビス型エポキシ樹脂Ep−828を1017部、
ハリマ化成社製のハリダイマ−#200(ダイマ−酸)
752部及びトリメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド4部を110℃で2時間加熱して酸価が4になったと
ころで、更にメタクリル酸230部及びヒドロキノン
0.4部を加え、更に110℃で6時間加熱して酸価が
10の不飽和エステル−IIを得た。
【0044】合成例4(不飽和ポリエステル樹脂組成物
の合成) イソフタル酸1412g(0.40モル)、ネオペンチ
ルグリコール1548g(0.70モル)及びハイドロ
キノン0.25gから成る配合物を、温度計、撹拌羽
根、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた5,00
0mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で235℃
まで昇温し、通常の方法にて脱水縮合反応を行った。酸
価が5KOHmg/gになったところで反応を止めた。
これに、無水マレイン酸1251g(0.60モル)、
ジエチレンレングリコ−ル789g(0.35モル)を
加え、再び225℃まで昇温して、脱水縮合反応を行っ
た。酸価が24KOHmg/gになったところで、反応
温度を215℃に下げ、そのまま反応を続けた。酸価が
16KOHmg/gになったところで反応を止めた。こ
れに、ハイドロキノン0.25gを添加して、不飽和ポ
リエステル樹脂を得た。
【0045】製造例1 (重合性樹脂組成物(1A)の
調整) 合成例1で得られたジシクロペンテニルオキシエチルメ
タクリレ−ト65部と合成例2で得られた不飽和エステ
ル−I35部を混合し、さらにエアロジルを0.5部加
えて、低臭気重合性樹脂組成物(1A)を調整した。
【0046】製造例2(重合性樹脂組成物(2A)の調
整) 合成例1で得られたジシクロペンテニルオキシエチルメ
タクリレ−ト60部と合成例3で得られた不飽和エステ
ル−II40部を混合し、さらにエアロジルを0.8部
加えて、低臭気重合性樹脂組成物(2A)を調整した。
【0047】製造例3 (不飽和ポリエステル樹脂組成
物(3A)の調整) 合成例4で得られた不飽和ポリエステル樹脂60重量部
をスチレンモノマ40重量部に溶解し、さらに2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.003部
及びエアロジルを0.5部加えて、不飽和ポリエステル
樹脂組成物(3A)を調整した。
【0048】製造例1〜2で得られた重合性樹脂組成物
(A1〜A2)及び製造例3で得られた不飽和ポリエス
テル樹脂組成物(A3)について、匂い感度値を測定
し、臭気発生の程度を調べた。その結果を他の溶剤と共
に表1に示す。なお、試験方法は以下に示すとおりとし
た。
【0049】匂い感度値測定:内容量20リットルの密
閉容器に吸気管及び排気管を有する臭いセンサ−を取り
付けて、樹脂組成物5gをこの容器の底部に放置し、9
0分後の匂い感度値を測定した。センサ−の匂い感度値
は、値が大きい程、強い匂いを示しており、測定値か
ら、臭気性を評価した。なお、センサ−としては、新コ
スモス電機(株)製ニオイセンサ−XP329型を用い
た。
【0050】
【表1】
【0051】製造例4(管ライニング材樹脂組成物1及
び管ライニング材A1の製造) 製造例1で得られた重合性樹脂組成物(A1)460g
に硬化促進剤として6%オクテン酸コバルトを0.6
g、硬化剤としてパーロイルTCP(日本油脂社製、商
品名)1.4g及びカヤブシルB(化薬アクゾ社製、商
品名)2.3gを添加し、管ライニング材用樹脂組成物
(1)を調整した。次に、厚さ100μmのポリエチレ
ン製フィルムの袋の中に、厚さ4.5mmで単位面積当
たりの重量が0.2g/cm2の大きさ22cm×28
cmのポリエステル製フェルトを入れ、調整直後の管ラ
イニング材用樹脂組成物(1)を注入した。次に、真空
ポンプを用いて、ポリエチレン製フィルムの袋内を減圧
・脱泡しながら、ポリエステル製フェルトに管ライニン
グ材用樹脂組成物(1)を含浸し、ポリエチレン製フィ
ルムを密閉して、管ライニング材(A1)を得た。
【0052】製造例5(管ライニング材樹脂組成物2及
び管ライニング材A2の製造) 製造例1で得られた重合性樹脂組成物(A1)400g
に硬化促進剤として6%オクテン酸コバルトを0.6
g、硬化剤としてパーロイルTCP(日本油脂社製、商
品名)1.2g及びカヤブシルB(化薬アクゾ社製、商
品名)を2.0g添加し、さらに充填材としてハイジラ
イトH−32(昭和電工社製、商品名)60gを添加
し、管ライニング材用樹脂組成物(2)を調整した。さ
らに、製造例4に準じて、管ライニング材(A2)を得
た。
【0053】製造例6(管ライニング材樹脂組成物3及
び管ライニング材A3の製造) 製造例1で得られた重合性樹脂組成物(A1)380g
に硬化促進剤として6%オクテン酸コバルトを0.5
g、硬化剤としてパーロイルTCP(日本油脂社製、商
品名)1.2g及びカヤブシルB(化薬アクゾ社製、商
品名)1.9gを添加し、さらに充填材としてハイジラ
イトH−32(昭和電工社製、商品名)114gを添加
し、管ライニング材用樹脂組成物(3)を調整した。さ
らに、製造例4に準じて、管ライニング材(A3)を得
た。
【0054】製造例7(管ライニング材樹脂組成物4及
び管ライニング材A4の製造) 製造例5において、重合性樹脂組成物(A1)に代わ
り、製造例2で得られた重合性樹脂組成物(A2)を用
いる以外は製造例5に準じて管ライニング材用樹脂組成
物(4)を調整した。さらに、製造例4に準じて、管ラ
イニング材(A4)を得た。
【0055】製造例8(管ライニング材樹脂組成物5及
び管ライニング材A5の製造) 製造例3で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物(A
3)460gに硬化促進剤として6%オクテン酸コバル
トを0.6g、硬化剤としてパーロイルTCP(日本油
脂社製、商品名)1.4g及びカヤブシルB(化薬アク
ゾ社製、商品名)2.3gを添加し、管ライニング材用
樹脂組成物(5)を調整した。さらに、製造例4に準じ
て、管ライニング材(A5)を得た。
【0056】製造例4から8で得られた管ライニング材
用樹脂組成物及び管ライニング材について表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】管ライニング材用樹脂組成物(A1〜A
5)を硬化して得られた管ライニング材硬化物(B1〜
B5)について、それぞれ曲げ特性及び引張り特性を調
べた。その結果を表3に示す。なお、試験方法は以下に
示すとおりとした。
【0059】加熱試験機:加熱可能な水が内部を循環す
る30cm×50cmの大きさの上型と、温度15℃に
保たれた水が内部を循環する30cm×50cmの大き
さの下型との間に、製造例4〜8で得られた管ライニン
グ材をセットした。次に、上型内循環水を所定の工程に
したがって加熱・昇温し、管ライニング材を硬化させ、
管ライニング材硬化物を作成した。加熱試験機で10℃
から85℃まで150分(昇温速度:30℃/時間)で
昇温し、次に85℃で60分保持して、管ライニング材
を硬化させた。この時の硬化時間は210分であった。 曲げ特性:JIS K7203に準じて、加熱硬化後の
管ライニング材を用いて、硬化物の強度試験を行った。 引張り特性:JIS K7113に準じて、加熱硬化後
の管ライニング材を用いて、硬化物の強度試験を行っ
た。
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】管ライニング工法分野において、主に液
状硬化性樹脂及び硬化剤及び必要に応じて硬化促進剤か
らなる重合性樹脂組成物を繊維層に含浸して得られた管
状の管ライニング材について、低公害性という観点か
ら、発生する臭気の低減化を実現可能な重合性樹脂組成
物を提供するものであって、請求項1記載の発明は、エ
ポキシ樹脂に不飽和一塩基酸及び必要に応じて更に多塩
基酸を反応させて得られる不飽和エステル(a)及び下
記式(I)
【0062】
【化8】 [式中RはH又はCHであり、Rは2〜12個の炭
素原子を有するアルキレン基又は少なくとも2個の炭素
原子を有する2個以上のアルキレン基が酸素原子で結合
された、全体として4〜12個の炭素原子を有するオキ
シアルキレン基である]で表わされる少なくとも1種のジ
シクロペンテニルオキシアルキルアクリレート又はジシ
クロペンテニルオキシアルキルメタクリレート(b)を
必須成分としてなる重合性樹脂組成物を用いることによ
り低臭気化を実現可能とするものである。請求項2記載
及び請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明をより
具体的に実行できる重合性樹脂組成物を提供するもので
ある。さらに、請求項4に記載の発明は、優れた機械的
特性を有する重合性樹脂組成物を提供することにある。
請求項5に記載の発明は、発生する臭気の少ない管ライ
ニング材を提供することにある。また、請求項6記載の
発明は、内張り管を製造することができる管ライニング
工法を提供するものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 23:00 B29L 23:00 C08L 63:00 C08L 63:00 C Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 BA24 CC03 DB01 4F072 AB05 AB29 AD34 AE01 AE07 AF03 AF04 AG18 AL09 AL17 4F211 AA39 AA41 AB03 AB11 AB25 AD12 AD19 AG08 AH43 SC03 SD04 SD23 SN03 SP12 4J027 AB02 AB06 AE01 AE02 BA07 CB04 CC02 CD02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸及び必要に
    応じて更に多塩基酸を反応させて得られる不飽和エステ
    ル(a)及び下記式(I) 【化1】 [式中RはH又はCHであり、Rは2〜12個の炭
    素原子を有するアルキレン基又は少なくとも2個の炭素
    原子を有する2個以上のアルキレン基が酸素原子で結合
    された、全体として4〜12個の炭素原子を有するオキ
    シアルキレン基である]で表わされる少なくとも1種のジ
    シクロペンテニルオキシアルキルアクリレート又はジシ
    クロペンテニルオキシアルキルメタクリレート(b)を
    必須成分としてなる重合性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】不飽和エステル(a)の合成の際に必要に
    応じて更に用いられる多塩基酸が炭素数12個以上の二
    塩基酸であることを特徴とする請求項1に記載の重合性
    組成物。
  3. 【請求項3】必須成分である不飽和エステル(a)とジ
    シクロペンテニルオキシアルキルアクリレート又はジシ
    クロペンテニルオキシアルキルメタクリレート(b)の
    組成比が、(a)成分と(b)成分の総量を100重量
    %として、(a)/(b)が5/95〜93/7である
    請求項1又は2記載の重合性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】さらに、充填材として、炭酸カルシウム及
    び/又は水酸化アルミニウムを含有する請求項1〜3の
    いずれかに記載の重合性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】繊維強化材を有する管状体に請求項1〜4
    のいずれかに記載の重合性樹脂組成物を含浸させてなる
    管ライニング材。
  6. 【請求項6】請求項5記載の管ライニング材を管路内に
    挿入し、この管ライニング材を流体圧により管路の内側
    壁面に押圧したまま、これに含浸した重合性樹脂組成物
    を硬化させて管路の内側に内張り管をライニングするこ
    とを特徴とする管ライニング工法。
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