JP2003164924A - 重ね合わせ板材を素材とする中空状構造部品の液圧成形装置と液圧成形方法および中空状構造部品ならびに重ね合わせ板材 - Google Patents

重ね合わせ板材を素材とする中空状構造部品の液圧成形装置と液圧成形方法および中空状構造部品ならびに重ね合わせ板材

Info

Publication number
JP2003164924A
JP2003164924A JP2001365443A JP2001365443A JP2003164924A JP 2003164924 A JP2003164924 A JP 2003164924A JP 2001365443 A JP2001365443 A JP 2001365443A JP 2001365443 A JP2001365443 A JP 2001365443A JP 2003164924 A JP2003164924 A JP 2003164924A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection hole
injection nozzle
injection
plate material
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001365443A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3646695B2 (ja
Inventor
Nariyuki Nakagawa
成幸 中川
Hiroshi Todaka
博 戸高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2001365443A priority Critical patent/JP3646695B2/ja
Publication of JP2003164924A publication Critical patent/JP2003164924A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3646695B2 publication Critical patent/JP3646695B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形媒体の漏れを防止しながら材料の無駄を
少なくして、生産性に優れた液圧成形装置を提供する。 【解決手段】 重ね合わせ板材8を上下型11,12に
て加圧拘束し、その重ね合わせ板材8の両端に予め形成
されているノズル受容部9に注入ノズル16を圧入し
て、最初に注入孔7を成形する。成形された注入孔7の
端面26と注入ノズル16側のしごき面24および縦壁
面25との密着状態をもってシールし、その注入ノズル
16から重ね合わせ板材8の上下板2,3間に液状成形
媒体を供給して所定形状に膨出成形する。その際、媒体
圧力Pに連動して上下型11,12による金型押圧力W
を積極的に可変制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サスペンションメ
ンバに代表されるような自動車用構造部品等の中空状構
造部品の液圧成形装置と液圧成形方法のほか、その中空
状構造部品そのものの構造と素材として用いられる重ね
合わせ板材の構造に関し、特に少なくとも二枚の金属板
同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形
成された重ね合わせ板材を用いてこれを液圧にて膨出成
形するようにした中空状構造部品の液圧成形装置と液圧
成形方法および中空状構造部品ならびに重ね合わせ板材
の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】金属板同士を重ね合わせてその外周部を
溶接することにより形成した重ね合わせ板材を、凹部が
設けられた上下一対の金型間に挟み込み、その重ね合わ
せ板材の金属板同士の間に高圧の液状成形媒体を供給す
ることにより、金型の凹部形状に合致した形状に成形す
る液圧成形方法は、例えば特開平11−347643号
公報や特開平10−85944号公報などで知られてい
る。また、これらの成形方法において重ね合わせ板材の
間に成形媒体を注入する方法については、例えば、Ta
gungsband:T16 EFB−Kolloqu
ium (1996) Innovative Fer
tigungstechnologien−Umfor
men und Lochen mit Innenh
ochdruck のBild 1に掲載されている。
【0003】先ず図18にて重ね合わせ板材を用いた中
空状構造部品の液圧成形方法について説明する。同図
(A)は成形前の重ね合わせ板材100と上下型10
1,102よりなる金型103の断面図を示し、それぞ
れに凹部101aもしくは102aを有した上下型10
1,102同士の間に、二枚の金属板104,105を
重ね合わせた上でその外周部全周にわたり溶接部106
をもって連続的に溶接を施した重ね合わせ板材100が
挟まれて加圧拘束されている。次いで、同図(B)のよ
うに、重ね合わせ板材100の板間に水などの高圧の成
形媒体を注入,供給することにより液圧Pを作用させて
重ね合わせ板材100を膨出させる。その結果、上下型
101,102の凹部101a,102aの形状に合致
した外形形状の中空状構造部品107が得られる。な
お、成形後の中空状構造部品107の幅寸法Yは、重ね
合わせ板材100の幅寸法Xに比べて膨出成形に伴う材
料流入量Z分だけ小さくなる。
【0004】この成形方法において、重ね合わせ板材1
00を形成している金属板104,105同士の間への
成形媒体の注入方法については、例えば前述の文献には
図19のように記載されている。同図に示すように、成
形されるべき部品形状部分であるG部からその外側に部
品形状以外の部分であるH部としてフランジ部108を
延長し、そこに注入孔部分118を設けた構成としてい
る。重ね合わせ板材を形成している下側の金属板105
には予め直径rの注入穴109が形成され、上側の金属
板104には注入ノズル110の先端形状に対応したド
ーム形状部111と導入通路部112が形成されてい
る。また、下型102には液圧導入通路113を有する
注入ノズル110が固定されており、注入ノズル110
の先端部は下側の金属板105に形成した注入穴109
に挿入されている。さらに、注入ノズル110の外周部
には円環状のシールビード114が形成されている。一
方、上型101には上側の金属板104に形成したドー
ム形状部111に対応した凹部115が形成されてい
る。液圧導入通路113はさらに成形媒体を高圧化させ
る増圧機(図示せず)に接続されている。
【0005】このような従来の成形媒体の注入構造で
は、高圧の成形媒体は先ず液圧導入通路113を通り注
入穴109とドーム形状部111の間から金属板10
4,105同士の間の導入通路部112に導かれ、部品
形状部であるG部に到達する。この間、成形媒体の注入
穴109からの漏れは主に型締めによるシールビード1
14の金属板105への食い込みによって防止される。
これによって、図18の(B)のように重ね合わせ板材
100を形成している上下の金属板104,105同士
の間に液圧Pが作用し膨出成形されることにより金型1
03の凹部101a,102aの形状に合致した中空状
の構造部品107が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の液圧成形方法においては、注入ノズル110
の外周部に形成したシールビード114が型締めにより
注入穴109付近の金属板105に食い込むことにより
成形媒体のシール性を確保する構造としていたために、
型締め力が直接シール部に作用するように、重ね合わせ
板材100のフランジ部108を部品形状部分以外のH
部まで延長して成形媒体の注入孔部分118を設ける必
要があり、液圧成形後にこの注入孔部分118をスクラ
ップとして切除しなければならず、材料の無駄が大きく
発生するという問題点があった。
【0007】そこで、本発明は、従来の重ね合わせ板材
の成形方法に対し、成形後の注入孔部分の切除に伴う材
料の無駄を極めて少なくするとともに、成形媒体の注
入,排出時間を大幅に短くして成形に要する時間を短縮
化し、もって生産性を向上させることができ、さらには
中空状構造部品の成形自由度や性能特性を向上させるこ
とのできる液圧成形装置と成形方法のほか、中空状構造
部品そのものと重ね合わせ板材の構造を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、少なくとも二枚の金属板同士を重ね合わせてその外
周部を溶接することにより形成された重ね合わせ板材を
中空状の構造部品として膨出成形する装置であって、上
下型のそれぞれに成形されるべき構造部品の断面形状に
応じた凹部が形成されていて、それら上下型をもって上
記重ね合わせ板材を加圧拘束する金型と、上記重ね合わ
せ板材の金属板同士の間に高圧の液状成形媒体を供給す
るための注入ノズルと、重ね合わせ板材の端縁に金属板
同士を局部的に相互離間させるようにして予備成形され
たノズル受容部に上記注入ノズルを圧入して、成形媒体
の導入に先立って上記ノズル受容部をその注入ノズルに
密着する注入孔形状に成形する手段と、上記注入ノズル
と注入孔との密着部において成形媒体をシールするシー
ル手段と、上記金型の型締め力と注入ノズルの圧入力お
よび成形媒体の圧力をそれぞれ制御するコントローラ
と、を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のシール手段は、金属板同士の相互離間開始位置に相当
する位置であって且つ注入ノズルのうち注入孔の開口縁
部と当接する位置に設けられた突起部をもって形成され
ていることを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2の記載
における上型側の凹部内周面の延長線と下型側の凹部内
周面の延長線とのなす交点が上記突起部の端面に位置す
るように設定されていることを特徴とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
のシール手段は、金属板同士の相互離間開始位置に相当
する位置であって且つ注入ノズルのうち注入孔の開口縁
部と当接する位置に設けられたくさび状突起部をもって
形成されていることを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
のくさび状突起部はその断面形状が金属板同士の相互離
間開始位置近傍の断面形状と相似形をなしていて、注入
孔となるべきノズル受容部への注入ノズルの圧入進行に
伴い上記金属板同士の相互離間開始位置近傍にしごき加
工を施すようになっていることを特徴とする。
【0013】請求項6に移載の発明は、請求項1に記載
の注入ノズルの断面形状が略多角形形状であって、且つ
この注入ノズルの圧入をもって形成される同じく断面略
多角形形状の注入孔の一辺と金属板同士の重ね合わせ面
とのなす角度θが5度以上で60度以下に設定されてい
ることを特徴とする。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項6の記載
を前提として、注入孔を成形するべくノズル受容部に圧
入される注入ノズルのうち、金属板同士の相互離間開始
位置に相当する位置にくさび状突起部を形成したことを
特徴とする。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項1に記載
のコントローラは、重ね合わせ板材のうち少なくとも注
入孔近傍に型締め力によって付与される板厚方向の押圧
力を可変制御するようになっていることを特徴とする。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項1に記載
のコントローラは、注入ノズルの圧入によって注入孔が
成形される際に、重ね合わせ板材のうちその注入孔近傍
に型締め力によって付与されることになる板厚方向の押
圧力をそれ以降よりも小さくするかもしくは零とするこ
とで注入孔となるべき領域への材料流入を促進させ、そ
れ以降の液圧成形の際には押圧力を再度上昇させるよう
になっていることを特徴とする。
【0017】請求項10に記載の発明は、請求項1に記
載のコントローラは、重ね合わせ板材のうち少なくとも
注入孔近傍に型締め力によって付与される板厚方向の押
圧力を、成形媒体の圧力に連動させて可変制御するよう
になっていることを特徴とする。
【0018】請求項11に記載の発明は、請求項1に記
載の液圧成形装置により成形された中空状構造部品とし
て、上記注入ノズルの圧入によって成形される注入孔近
傍にエンボス部やジョッグル部を形成した車体構造部
品、またはこれらと接続されるジョイント部材からなる
ことを特徴とする。
【0019】請求項12に記載の発明は、同じく請求項
1に記載の液圧成形装置により成形された中空状構造部
品として、上記注入ノズルの圧入によって成形される注
入孔近傍に潰れ促進ビードを形成した車体構造部品であ
ることを特徴とする。
【0020】請求項13に記載の発明は、同じく請求項
1に記載の液圧成形装置により成形された中空状構造部
品として、上記注入ノズルの圧入によって成形される注
入孔近傍の板厚を増加させた車両用サスペンションメン
バであることを特徴とする。
【0021】請求項14に記載の発明は、請求項1に記
載の液圧成形装置に用いる重ね合わせ板材として、予備
成形されるノズル受容部の形状を、成形されるべき中空
状構造部品の軸直角断面形状に対して上面周長等価形状
としたことを特徴とする。
【0022】請求項15に記載の発明は、 請求項14
の記載における上面周長等価形状の上面周長等価率を9
3〜103%、望ましくは96〜100%としたことを
特徴とする。
【0023】請求項16に記載の発明は、請求項1に記
載の液圧成形装置に用いる重ね合わせ板材として、予備
成形されるノズル受容部の形状を、成形されるべき中空
状構造部品の軸直角断面形状に対して全周長等価形状と
したことを特徴とする。
【0024】請求項17に記載の発明は、請求項16の
記載における全周長等価形状の全周長等価率を87〜1
03%、望ましくは93〜100%としたことを特徴と
する。
【0025】請求項18に記載の発明は、少なくとも二
枚の金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接するこ
とにより形成された重ね合わせ板材を上下型にて加圧拘
束し、その重ね合わせ板材を形成している金属板同士の
間に注入ノズルを介して高圧の液状成形媒体を供給する
ことにより中空状の構造部品として膨出成形する方法に
おいて、重ね合わせ板材の端縁に金属板同士を局部的に
相互離間させるようにして予備成形されたノズル受容部
に対し型締め状態で注入ノズルを圧入して、その重ね合
わせ板材の一部を塑性変形させることにより注入孔を成
形し、上記注入ノズルと注入孔との間に両者を密着させ
る方向のシール力を全周にわたって発生させ、その後に
成形媒体の導入による液圧成形を行うことを特徴とす
る。
【0026】請求項19に記載の発明は、請求項18の
記載において、上記注入ノズルをノズル受容部に圧入し
て注入孔を成形する際、注入ノズルから重ね合わせ板材
に軸方向の押圧力を付与して注入孔近傍の板厚を制御す
ることを特徴とする。
【0027】請求項20に記載の発明は、請求項18の
記載において、上記注入ノズルをノズル受容部に圧入し
て注入孔を成形する際、注入ノズルから重ね合わせ板材
に軸方向の押圧力を付与して、注入ノズルの縦壁面と注
入孔となるべき金属板端面との間でシール力を発生させ
ることを特徴とする。
【0028】請求項21に記載の発明は、請求項18の
記載において、上記注入ノズルをノズル受容部に圧入し
て注入孔を成形する際、注入ノズルから重ね合わせ板材
に軸方向の押圧力を付与することにより、注入孔近傍の
板厚を制御するとともに、注入ノズルの縦壁面と注入孔
となるべき金属板端面との間でシール力を発生させるこ
とを特徴とする。
【0029】請求項22に記載の発明は、請求項18の
記載において、上記注入ノズルの断面形状を成形される
べき中空状構造部品の軸直角断面形状よりも大きく且つ
略相似形に形成し、注入孔となるべきノズル受容部に注
入ノズルを圧入する際にその注入孔となるべき領域にし
ごき加工を施すことを特徴とする。
【0030】請求項23に記載の発明は、請求項22の
記載において、上記注入孔となるべき領域であって且つ
金属板同士の相互離間開始位置に相当する位置のしごき
代を他の部位よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ノズル受
容部への注入ノズルの圧入によって注入孔を成形しつつ
シール手段をもってシールした上で液圧成形を行うよう
にしたので、重ね合わせ板材を素材とする中空状構造部
品の液圧成形に際して、高圧の成形媒体の漏れを確実に
防止できる上、成形後に切除する部分を大幅に削減でき
るために材料の無駄が少なくなり、また、成形に要する
時間も短縮できるので生産性の向上が図れる効果があ
る。
【0032】特に請求項2,3に記載の発明によれば、
重ね合わせ板材を形成している金属板同士の合わせ目の
うちその金属板同士の相互離間開始位置近傍を突起部に
てシールするようにしたので、とかく液圧漏れが発生し
やすい金属板同士の相互離間開始位置近傍でのシールを
確実に行うことができ、成形媒体の漏れ防止効果が一段
と向上する。
【0033】さらに請求項4〜7に記載のように、上記
突起部をくさび状のものとして、そのくさび状突起部を
もってしごき加工を施したり、あるいは断面略多角形形
状の注入孔の一辺と金属板同士の合わせ面とのなす角度
を特定の値に設定すると、注入ノズルと注入孔との密着
によるシール性が高くなって上記の成形媒体の漏れ防止
効果がなお一層顕著となり、とりわけ成形可能な構造部
品の形状自由度が飛躍的に向上する。
【0034】請求項8〜10に記載の発明によれば、重
ね合わせ板材のうち少なくとも注入孔近傍に型締め力に
よって付与される板厚方向の押圧力を積極的に可変制御
するようにしたので、注入孔となるべき領域への材料を
流入を促進することができ、特に注入孔が略多角形形状
のものである場合にその角部での板厚減少を抑制できる
ことから、注入孔と注入ノズルとの密着部におけるシー
ル力を向上させて、高圧の成形媒体の漏れを確実に防止
できる効果がある。特に請求項10に記載の発明のよう
に、成形媒体の圧力に連動させて板厚方向の押圧力を制
御すると材料流入制御をより容易に行える効果がある。
【0035】請求項11に記載の発明によれば、液圧成
形装置により成形された中空状構造部品として、上記注
入ノズルの圧入によって成形される注入孔近傍にエンボ
ス部やジョッグル部を形成した車体構造部品、またはこ
れらと接続されるジョイント部材からなることとしたの
で、液圧成形時の形状自由度が向上し、構造が複雑な車
体構造部材等を容易に成形できる効果がある。
【0036】特に請求項12に記載の発明のように、液
圧成形される中空状構造部品を、注入ノズルの圧入によ
って成形される注入孔近傍に潰れ促進ビードを形成した
車体構造部品とすると、その潰れ変形によるエネルギー
吸収性能に優れた車体構造部品を容易に成形することが
でき、また、請求項13に記載の発明のように、液圧成
形される中空状構造部品を、注入ノズルの圧入によって
成形される注入孔近傍の板厚を増加させた車両用サスペ
ンションメンバとすると、必要部分に効果的に材料を配
分した軽量で高性能のサスペンションメンバを容易に成
形できる効果がある。
【0037】請求項14に記載の発明によれば、重ね合
わせ板材に予備成形されるノズル受容部の形状を、成形
されるべき中空状構造部品の軸直角断面形状に対して上
面周長等価形状としたので、成形される注入孔が略多角
形形状のものである場合にその角部での板厚減少を抑制
して注入ノズルとなるべき領域でのしごき代を確実に確
保することができ、もって注入孔と注入ノズルとの密着
部におけるシール力を向上させて、高圧の成形媒体の漏
れを確実に防止できる効果がある。
【0038】特に請求項15に記載の発明のように、上
記上面周長等価率を93〜103%、望ましくは96〜
100%としたり、請求項16,17に記載の発明のよ
うに、上面周長等価形状に代えて全周長等価形状とし、
その全周長等価率を87〜103%、望ましくは93〜
100%とすると、上記効果が一段と顕著となる。
【0039】請求項18に記載の発明によれば、重ね合
わせ板材の端縁に金属板同士を局部的に相互離間させる
ようにして予備成形されたノズル受容部に対し型締め状
態で注入ノズルを圧入して、その重ね合わせ板材の一部
を塑性変形させることにより注入孔を成形し、上記注入
ノズルと注入孔との間に両者を密着させる方向のシール
力を全周にわたって発生させ、その後に成形媒体の導入
による液圧成形を行う方法としたので、重ね合わせ板材
を素材とする中空状構造部品の液圧成形に際して、高圧
の成形媒体の漏れを確実に防止できる上、成形後に切除
する部分を大幅に削減できるために材料の無駄が少なく
なり、また、成形に要する時間も短縮できるので生産性
の向上が図れる効果がある。
【0040】特に請求項19〜21に記載の発明によれ
ば、上記注入ノズルをノズル受容部に圧入して注入孔を
成形する際、注入ノズルから重ね合わせ板材に軸方向の
押圧力を付与して注入孔近傍の板厚を制御したり、注入
ノズルの縦壁面と注入孔となるべき金属板端面との間で
シール力を発生させ、もしくはその両者を併用するよう
にしたので、上記成形媒体の漏れ防止効果が一段と顕著
となり、材料の無駄が少なくなるとともに、中空状構造
部品の形状自由度や性能向上に貢献できる効果がある。
【0041】請求項22に記載の発明によれば、上記注
入ノズルの断面形状を成形されるべき中空状構造部品の
軸直角断面形状よりも大きく且つ略相似形に形成し、注
入孔となるべきノズル受容部に注入ノズルを圧入する際
にその注入孔となるべき領域にしごき加工を施すように
し、特に請求項23に記載の発明によれば、上記注入孔
となるべき領域であって且つ金属板同士の相互離間開始
位置に相当する位置のしごき代を他の部位よりも大きく
設定したので、成形媒体の漏れ防止効果や材料の無駄削
減効果、ならびに成形時間の短縮効果が一段と顕著とな
る効果がある。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。
【0043】図1は本発明を適用して液圧成形された中
空状構造部品の一例として自動車用構造部品であるサス
ペンションメンバ1の概略構造を示す斜視図で、上側の
金属板(以下、単に上板と略称する)2と下側の金属板
(以下、単に下板と略称する)3とがその外周のフラン
ジ部4の周縁の溶接部5にて溶接された略多角形断面形
状のものとして形成されており、その長手方向両端面が
注入孔7として外部に開口している。両端の注入孔7は
液圧成形後に適宜端末加工が施され、例えばその一部を
切除した上でサスペンションカラー6が溶接されること
でサスペンションメンバ1となる。
【0044】図2はそのサスペンションメンバ1の成形
用素材として用いられる重ね合わせ板材8を示す斜視図
であり、この重ね合わせ板材8は注入孔7となるべき領
域を除き上板2と下板3とがその外周部の溶接部5にお
いて連続的に溶接されているもので、その重ね合わせ板
材8のうち上記注入孔7に相当する部分には上板2と下
板3とを局部的に相互離間させるようにしてノズル受容
部9が予備成形されている。
【0045】図3の(A),(B)は図1のa−a線に
沿った断面での成形前と成形後の状態をそれぞれ示し、
同図(A)に示すように、金型10はそれぞれに凹部1
1aもしくは12aを有した上型11と下型12とで構
成され、それら両者の間に重ね合わせ板材8が挟まれて
いる。そこで、上型11と下型12とをもって所定の型
締め力のもとで重ね合わせ板材8を加圧拘束するととも
に、後述する注入ノズル16から重ね合わせ板材8を形
成している上下板2,3の間に高圧の液状成形媒体とし
て水等を注入すると、同図(B)のように成形媒体の圧
力Pを受けて重ね合わせ板材8が膨出し、上下型11,
12の凹部11a,12aに合致する形状に成形されて
図1のサスペンションメンバ1となる。
【0046】図4は上記サスペンションメンバ1の成形
を目的とした液圧成形装置の概略構成を示す図であり、
金型10の主要素である上型11はスライド13もしく
はプレスラムに、下型12はボルスタ14にそれぞれ固
定されていて、型締めシリンダ15による型締め力Wを
もって上型11を可動側とした型締め,型開き動作が行
われるようになっている。また、金型10の両側には上
記重ね合わせ板材8のノズル受容部9に圧入されること
で注入孔7を成形しつつ液圧導入部としても機能するこ
とになる注入ノズル16が個別に設けられている。この
注入ノズル16は後述するように断面略扁平六角形状の
ものとして形成されているとともに、先端部は略扁平六
角錐形状のテーパ状もしくは先細り形状となっている。
注入ノズル16はそれぞれに注入孔成形手段としての軸
押しシリンダ(油圧シリンダ)17のピストンロッド1
7aに連結されていて、この軸押しシリンダ17の押圧
力Fをもって上記ノズル受容部9に圧入される。同時
に、注入ノズル16には液圧導入通路18が形成されて
いて、この液圧導入通路18には液圧成形媒体として例
えば増圧機19にて増圧された水が導入されることにな
る。
【0047】上記の金型10の型締め力Wや注入ノズル
16の圧入力Fおよび液圧である成形媒体の圧力Pは、
コントローラ20を上位に持つ比例電磁弁等の圧力制御
弁21〜23にて個別に可変制御されるようになってい
て、コントローラ20からの指令を受けて各圧力制御弁
21〜23の開度を調整することで上記型締め力Wやノ
ズル圧入力Fおよび成形媒体圧力Pが個別に制御され
る。
【0048】本実施の形態では、後から詳述するよう
に、金型10にて重ね合わせ板材8を加圧拘束した状態
で先ずその重ね合わせ板材8のノズル受容部9に注入ノ
ズル16を圧入して、その注入ノズル16の圧入力Fを
もって注入孔7を成形し、それに続いて注入ノズル16
と注入孔7との密着状態をもって液圧を重ね合わせ板材
8の上下板2,3の間に導入して膨出成形を行うことか
ら、上記の各々の圧力制御としては、図5に示すように
金型10にてきわめて小さい圧力Wかもしくは圧力を零
として重ね合わせ板材8を拘束したならば、軸押しシリ
ンダ17による注入ノズル16の圧入力Fを徐々に増大
させて注入孔7を成形し、その注入孔7の成形が完了し
たならばノズル圧入力Fをほぼ一定に維持した状態で型
締め力Wおよび成形媒体圧力Pを徐々に増大させて液圧
による膨出成形を行い、同図に示すように成形末期に至
った時点で型締め力Wおよび成形媒体圧力Pを共に急増
させて、最終的には共に最大圧力で一定化した状態をも
って成形を完了するようになっている。なお、ノズル圧
入力Fや型締め力Wは圧力による制御としたが、それに
代わりノズル位置や型締め位置による位置制御を用いる
こともできる。
【0049】次に、上記液圧成形装置を用いた場合の図
1のサスペンションメンバ1の成形手順を図6に基づい
てさらに詳しく説明する。
【0050】図6の(A)〜(C)は図1に示したサス
ペンションメンバ1の長手方向の断面を示したものであ
り、先ず同図(A)にて上型11と下型12の間に重ね
合わせ板材8が挟み込まれる。なお、重ね合わせ板材8
の両端には図2に示すように注入孔7に相当する部分に
予め所定形状のノズル受容部9が予備成形されている。
そして、金型10の左右両側には、進退移動可能な一対
の注入ノズル16が待機している。
【0051】次いで、同図(B)に示すように左右の注
入ノズル16を前進動作させて重ね合わせ板材8のノズ
ル受容部9に圧入させてゆくと、注入ノズル16の先端
部は扁平六角錘形状となっているために、ノズル受容部
9は注入ノズル16の形状に倣って塑性変形して所定の
注入孔7の形状に仕上げられる。この際、注入ノズル1
6の全周に形成されたしごき面24は成形品であるサス
ペンションメンバ1の内径より大きく設定されているた
め、金型10と注入ノズル16のしごき面24との間に
はさまれた注入孔7の開口縁部はしごき加工を受け、両
者は互いに密着した状態となる。また注入ノズル16に
はしごき面24に隣接する縦壁面25が形成されている
ため、その縦壁面25が注入孔7の開口端面26と密着
する。
【0052】これらにより、重ね合わせ板材8すなわち
注入孔7と注入ノズル16との間にはその全周にわたり
シール力が発生する。そして、この注入孔7の成形に続
いて、図4の(C)に示すように注入ノズル16に形成
された液圧導入通路18から高圧の成形媒体を供給し、
この圧力Pにより重ね合わせ板材8を形成している上板
2と下板3をそれぞれ上下方向に膨出させるとともに、
注入ノズル16をさらに押圧力Fのもとで押圧しながら
成形を行い、成形品としてのサスペンションメンバ1を
得る。
【0053】図7は上記注入ノズル16と注入孔7の拡
大図を示しており、前述したように注入ノズル16に形
成されたしごき面24は成形品たるサスペンションメン
バ1の内径よりも予め大きく設定されているため、重ね
合わせ板材8を形成している板厚t1の上板2および下
板3は注入ノズル16のしごき面24によりしごき加工
を受け、その結果としてしごき部板厚t2となり、この
部分でシール力を発生させている。さらに、注入ノズル
16の縦壁面25は注入孔7の開口端面26と密着し、
ここでもシール力を発生させている。これら板厚方向の
しごき面24でのシール力と縦壁面25でのシール力は
それぞれどちらか一方を選択して発生させても良く、本
実施の形態のように両方を併用することもできる。
【0054】なお、本実施の形態では、サスペンション
メンバ1の外形断面形状と注入孔7の外形断面形状を同
一としているため、成形後はそのまま製品とするか、少
なくとも図7の(B)に示すしごき部Ls部分のみを切
除すればよく、従来工法と比較しスクラップとなるべき
部分が大幅に減少するために材料の無駄を省くことがで
きる。
【0055】ここで、重ね合わせ板材8の液圧成形の問
題点である上下板2,3の合わせ目部分に生ずる空間2
7からの液圧漏れの防止について次に説明する。
【0056】図7において、上下板2,3同士の合わせ
目すなわち上下板2,3の相互離間開始位置に生ずる空
間27は上下板2,3の曲げ半径によって生じるもので
あり、注入ノズル16の断面形状が多角形形状の時には
フランジ部4に隣接する一辺のなす角度θが、または断
面形状が円筒形状の場合もこれに相当するフランジ部4
からつながる接線方向とのなす角度が、共に零度の時に
空間27の面積が最も大きくなり、角度θが大きくなる
のに伴って空間27の面積は減少してゆく。このため、
角度θが大きくなほど後述する注入ノズル16の突起縦
面29によるシールが容易となる。また、角度θが大き
いほど材料流入も促進されて成形性が向上する。しかし
ながら、逆に角度θが大き過ぎると注入ノズル16側の
角度βが小さくなるため、注入ノズル16自体の強度や
剛性が低下する。したがって、角度θは5度以上で60
度以下が最も望ましい。
【0057】図8は上記注入ノズル16の詳細を示し、
同図(A)は注入ノズル16全体の斜視図であり、同図
(B)は同図(A)のb部つまり突起縦面29の拡大図
を示す。成形品であるサスペンションメンバ1の外形断
面形状と略相似形の多角形形状であって且つ先端が六角
錘状である注入ノズル16は、全周にわたりシール手段
としてのしごき面24とこれに隣接する同じくシール手
段としての縦壁面25、ならびに液圧導入通路18が形
成されている。上下板2,3同士の相互離間開始位置に
生じる空間27に相当する位置にはシール手段としての
断面矩形状の突起部28が形成されていて、その端面が
突起縦面29となっており、そのためにこの突起縦面2
9が軸方向の押圧力Fにより空間27に蓋のごとき形態
で密着し、重ね合わせ板材8の液圧成形の問題点である
上下板2,3同士の合わせ目からの液圧の漏れを確実に
防止できる構造となっている。言い換えるならば、上型
11側の凹部11aの内周面の延長線と下型12側の凹
部12aの内周面の延長線とのなす交点が上記突起端面
29に位置するように設定されていることになる。
【0058】図9の(A)は注入ノズルの他の実施の形
態を示す全体斜視図であり、同図(B)は同図(A)の
c部、つまりその重ね合わせ板材8の合わせ目ひいては
上下板2,3同士の相互離間開始位置に相当する位置に
設けたシール手段としてのくさび状突起部31の拡大図
を示す。同図(A)に示すように、注入ノズル30はサ
スペンションメンバ1の外形縦面形状と略相似形の多角
形形状をなしているとともに、先端が六角錘形状であっ
て、その全周にわたりしごき面24とこれに隣接する縦
壁面25とが形成されていて、さらに液圧導入通路18
が形成されている。重ね合わせ板材8の合わせ目に生じ
る空間27に相当する位置には断面矩形状の突起部28
が形成されているとともに、前記しごき面24ではこの
突起部28に相当する部分だけをテーパ状のものとする
べくくさび状突起部31が形成されている。したがっ
て、くさび状突起部31のテーパ面32が軸方向の押圧
力Fを受けて前記空間27にしごき加工を施しながら密
着してゆき、先の実施の形態と同様に、重ね合わせ板材
8の液圧成形の問題点である上下板2,3同士の合わせ
目からの液圧の漏れを確実に防止できる構造となってい
る。
【0059】図10の(A)には重ね合わせ板材8に予
備成形されるノズル受容部9の断面形状を示し、図2か
らも明らかなように中央部が湾曲した滑らかな形状を呈
している。図10の(B)は、このノズル受容部9に図
6の(B)のように注入ノズル16を圧入して、その塑
性変形をもって成形した注入孔7の断面図を示す。
【0060】ここで、ノズル受容部9に注入ノズル16
を圧入する際、図10の(A)の断面形状の上半分で示
せば、ノズル受容部9の点P1,P2が注入ノズル16
の稜線33に接触し、さらに注入ノズル16を圧入して
ゆくと、この点P1,P2のスパンが押し広げられなが
ら同図(B)に示す注入孔7の断面での点Q1,Q2と
なる。この際、点P1,P2より外側の部分は板材2の
材料流入があるために注入孔7の成形時に材料があまり
伸ばされることはないが、点P1とP2の間の部分は点
P1,P2が注入ノズル16の稜線33に接触している
ため、この部分への材料流入は相対的に少なくなり、点
P1とP2とに相当する部分が集中的に伸ばされて板厚
減少が発生するため、この部分が注入ノズル16のしご
き面24と密着しなくなり、所定のシール力を発生でき
なくなる。
【0061】本実施の形態では、このノズル受容部9の
断面形状を、図10の(A)のように中央部が湾曲した
滑らかな形状とし、且つ点P1とP2との間の実長L1
を、注入孔7の点Q1とQ2と間の距離L10と略等し
くした形状としているため、ノズル受容部9に注入ノズ
ル16を圧入する際、点P1とP2との間の材料に引張
り力が作用しても、材料に板厚減少が作用する程度が大
幅に削減され、所定のしごき代が常に確保できるという
効果が得られる。
【0062】図11には、このノズル受容部9の形状を
いろいろ変えて、つまり注入孔7の点Q1,Q2間の距
離L10とノズル受容部9の点P1,P2間の実長L1
との比である上面周長等価率(α)=(L1/L10)
×100(%)と、注入孔7の成形後の点Q1,Q2近
傍の角部板厚減少率を実験により求めた結果を示す。上
面周長等価率(α)は小さすぎると注入孔7の板厚減少
が大きくなり、また上面周長等価率(α)が大き過ぎる
と板厚減少は生じないが材料に肉余りが生じ、しわや座
屈が発生する。図11から明らかなように、所望のシー
ル力を確保するために必要な板厚を確保するには、上面
周長等価率(α)=93〜103%で、望ましくは96
〜100%とするのがよい。
【0063】なお、本実施の形態では上下対称形状を例
として示したために上半分で説明したが、下半分につい
ても同様であり、また、上下非対称形状の場合でも同様
の考え方によりノズル受容部9の形状を決定できること
は言うまでもない。
【0064】図12には本発明の他の実施の形態をを示
し、図10に示した先の実施の形態と同様に、図12の
(A)には重ね合わせ板材8に予備成形されたノズル受
容部34の断面形状を示し、同図のように中央部が湾曲
した滑らかな形状を呈している。同図(B)は、このノ
ズル受容部34に注入ノズル16を圧入し、塑性変形さ
せて成形した注入孔7の断面図を示す。本実施の形態で
は、ノズル受容部34のフランジ部4との境界である点
R1,R2間の実長L2を、注入孔7の対応する箇所で
ある点S1,S2間の実長L20と略等しくした形状と
し、且つ注入孔7の点S1,S2間の距離L20とノズ
ル受容部34の点R1,R2間の実長L2との比である
全周長等価率(β)=(L2/L20)×100(%)
を、全周長等価率(β)=87〜103%で、望ましく
は93〜100%とするのがよい。
【0065】この場合は、注入ノズル16の先端の六角
錘部の稜線33により材料流入が拘束されないように稜
線33を滑らかな円弧形状とし、先の実施の形態よりも
材料流入をより促進させたり、後述する材料流入手段を
併用したりすることにより、材料の伸びが断面全体に分
散し、より広い範囲の全周長等価率を選択できる。ま
た、本実施の形態は、注入ノズル16の断面形状が複数
の稜線33を持たない菱形や楕円形の場合にも適用で
き、形状の適用範囲が広くなるという特徴がある。
【0066】図13には本発明のさらに別の実施の形態
を示す。先の実施の形態では、予備成形されるノズル受
容部34の形状を工夫し、注入孔7成形時の角部での板
厚減少を低減して、所望のシール力を注入ノズル16の
全周にわたり発生させる構造としたが、本実施の形態で
は、注入孔成形時に注入ノズル16が接触する角部に板
厚減少が発生することをある程度許容した上で、注入ノ
ズル16のしごき面の高さを部位毎に変化させて、板厚
減少に応じたしごき代を確保できるような注入ノズル構
造とした。
【0067】同図に示すように、注入ノズル35は成形
品であるサスペンションメンバ1の外形断面形状と略相
似形の多角形形状のものとして形成されているととも
に、先端は六角錘形状に形成されていて、重ね合わせ板
材8の合わせ目に生じる空間すなわち上下板2,3同士
の相互離間開始位置に相当する位置には断面矩形状の突
起部28が形成され、この突起部28の端面が突起縦面
29となっている点、ならびに液圧導入通路18が形成
されている点については図8に示す実施の形態と同様で
ある。その一方、本実施の形態では、前述したように注
入ノズル35の全周にわたるしごき面のうち、一般面で
は先の実施の形態と同様のしごき面24とするも、注入
孔7の成形時の板厚減少の大きい角部はその高さを高く
した角部しごき面36とし、これらに隣接して縦壁面2
5が形成されている。
【0068】本実施の形態では、注入孔7の予備成形形
状によることなく、注入孔成形時に発生する角部の板厚
減少に対してもそれに応じた注入ノズル35のしごき面
24,36の高さを設定しているため、板厚減少に応じ
たしごき代が確保できるノズル構造であり、常に一定の
シール力を注入ノズル16の全周にわたり発生させるこ
とができ、板厚減少部からの液圧の漏れを確実に防止で
きることになる。
【0069】ところで、注入孔7の成形時や液圧成形時
に、局部的な板厚減少による不均一部分を排除して所望
の性能を得るには、材料の流入制御、すなわち必要なタ
イミングで必要な量の材料を金型空間内に流入させるこ
とが重要であり、この手段について次に説明する。
【0070】注入孔7の成形時や液圧成形時の重ね合わ
せ板材8の材料流入は、図3の(A),(B)および図
4に示すように、上型11と下型12による加圧拘束力
(押圧力)Wを成形過程の進行とともに変化させること
により、それを促進したり制限したりすることができ
る。
【0071】先に示した図5,6を例にとって説明すれ
ば、図6の(B)のように注入孔7を成形する際の成形
初期に材料流入を促進させて注入孔7の角部の板厚減少
を低減させるために、上型11と下型12による押圧力
Wを零、つまり上型11と下型12との間にわずかな隙
間が確保されるか、もしくは押圧力Wが極めて小さくな
るように制御を行う。続いて、同図(C)の液圧成形時
における成形初期にも必要とする液圧力が小さく且つ多
くの材料流入を必要とするため、押圧力Wは小さくして
材料流入を促進させ、液圧成形の後半では、所望のシャ
ープな形状を得るために材料流入を制限しつつ液圧力を
高くし、それに応じてシール力を維持するために押圧力
Wを相対的に高くすることにより良好な成形を行うこと
ができる。
【0072】これらの制御は、図4,5に基づいて説明
したように、液圧成形時の成形媒体の圧力Pに応じて上
下型11,12による押圧力Wを変化させる制御手法と
することにより、これらの成形に必要な複雑な制御を容
易に達成することができる。なお、図4には図示してな
いが、成形媒体の圧力Pを圧力センサにて検出し、この
圧力Pの関数として押圧力Wをコントローラ20にて可
変制御するとよい。
【0073】ここで、上記の各実施の形態では、注入ノ
ズル16をノズル受容部9に圧入する際に注入ノズル1
6から重ね合わせ板材8に軸方向の押圧力Fを付与し、
注入孔7の近傍の板厚を制御する方法であり、この軸方
向の押圧力Fの付与による板厚制御について、次にその
適用例と効果を説明する。
【0074】図14は、液圧成形後のサスペンションメ
ンバ1の注入孔7の近傍と注入ノズル16の拡大断面図
を示している。注入ノズル16に形成されたしごき面2
4は成形品の内径より大きく設定されているため、重ね
合わせ板材8の上下板2,3の板厚t1は注入ノズル1
6のしごき面24によりしごき加工を受け、その結果と
してしごき部板厚t2となり、この間でシール力を発生
させている。さらに、注入ノズル16の縦壁面25は重
ね合わせ板材8をもって形成された注入孔7の端面26
と密着し、ここでもシール力を発生させている。ここ
で、注入孔成形時および液圧成形時に、注入ノズル16
の軸方向の押圧力Fと成形媒体の圧力Pおよび上下型
2,3の押圧力Wを適宜制御することにより、注入孔7
近傍の板厚が局部的に増肉されて板厚t3の増肉部37
を形成することができる。そして、しごき部板厚t2と
なった部分を成形後に適宜除去すると、製品端末部は板
厚t3の増肉部37となるため、図1のようにサスペン
ションメンバ1の両端にサスペンションカラー6を溶接
した場合でも、この溶接部が増肉部37となるため、溶
接により材料が熱影響を受けた場合でも接合強度が高く
維持され、軽量で性能の高いサスペンションメンバ1が
得られる。
【0075】なお、本実施の形態では、一例として増肉
部37をサスペンションカラー6の溶接部に適用したサ
スペンションメンバ1を示したが、この部品に限定され
るものではなく、注入孔7の近傍に肉厚t3の増肉部3
7を形成し、強度や剛性などを向上させた他の部品にも
広く適用できる。
【0076】図15には本発明の他の実施の形態を示
す。同図は車体骨格構造の一例を示したもので、上記と
同様の重ね合わせ板材8を素材として用いた液圧成形を
もって成形される。
【0077】図15の(A)は中空状の車体骨格部品同
士を接続するためのジョイント部材40を示したもので
あり、これまでの実施の形態は成形品の両端に一対の注
入孔を有していたのに対し、本実施の形態は注入孔41
〜43を3方向(矢印で示す)に設けたものである。素
材となる重ね合わせ板材の上板44と下板45はそれら
の外周のフランジ46で連続溶接によって溶接されてい
る。注入孔は、前部注入孔41と後部注入孔42および
側部注入孔43として三箇所に形成されている。三箇所
の注入孔41〜43の断面形状は、同図(B)に示すよ
うに車体骨格部品同士のジョイント部材40として他部
品を接続しやすいように、ジョッグル部47として一般
面と各注入孔41〜43相当部の外周面との間に所定の
段差が形成されている。
【0078】これらは、注入孔41〜43の成形時およ
び液圧成形時に、注入ノズル48の軸方向の押圧力Fと
成形媒体の圧力Pおよび前述した上下型11,12の押
圧力Wのほか金型形状を適宜制御することにより、比較
的低い液圧力でもシャープな形状に成形できる。そのた
め、設備費が低減し、しかも本体の成形と同時に極めて
容易に成形することができるという効果が得られる。
【0079】また、注入孔41〜43には、図15の
(B)に示すようなジョッグル部47に代えて図16に
示すようなエンボス部49を形成したとしても同様に同
時成形が可能であるほか、複数の注入孔41〜43にお
ける個々の注入孔の形状を互いに異ならせることもでき
る。さらに、複数の注入孔41〜43を設けることによ
り、成形媒体の注入,排出に要する時間を短縮化するこ
とができ、成形に要する時間を短縮でき、生産性の向上
にも寄与できるようになる。
【0080】図17の(A),(B)には、さらに他の
実施の形態として車体骨格構造のメンバ部材50を示
す。素材として用いられる重ね合わせ板材の上下板5
1,52はその外周のフランジ部53で連続的に溶接さ
れ、且つ前部注入孔55から車体後方に向かうにしたが
いその断面形状が大きくなる形状を呈している。メンバ
部材50の前端には潰れ変形促進のためのビード部54
が形成されているが、本部品は車体骨格構造の前端部ま
たは後端部にいわゆる衝突時のエネルギー吸収部材であ
るメンバ部材として用いられるため、このビード部54
は吸収エネルギーを制御するための重要な要素形状とな
っている。
【0081】前部注入孔55の断面形状は、同図(B)
に示すように前述したビード部54を含んだ形状となっ
ているが、これは注入孔成形時および液圧成形時に注入
ノズル56の軸方向の押圧力Fや成形媒体の圧力Pおよ
び前述した上下型11,12の押圧力Wのほか金型形状
を適宜制御することにより、比較的低い液圧力でも注入
孔55の近傍のビード部54をシャープな形状に成形で
きるため、設備費が低減し、しかも本体の成形と同時に
極めて容易に成形することができるという効果が得られ
る。また、本実施の形態のビード部54は凹状のビード
の例を示したが、凸形状のビード部を設けてもよく、そ
れらの形状は適宜選択できる。
【0082】なお、以上示した各実施の形態において
は、素材としての重ね合わせ板材を形成することなる上
板および下板の板厚、材質、形状が異なる場合でも同様
の考え方が適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して液圧成形されたサスペンショ
ンメンバの一例を示す斜視図。
【図2】図1のサスペンションメンバの素材として用い
られる重ね合わせ板材の斜視図。
【図3】(A),(B)ともに図1のa−a線に沿う断
面での金型の断面図。
【図4】液圧成形装置全体の構成説明図。
【図5】図4の装置でのノズル押圧力Fと金型押圧力W
および液圧力Pの相互関係を示す圧力特性説明図。
【図6】(A)〜(C)ともに図4の液圧成形装置での
成形過程を示す工程説明図。
【図7】(A)は図6における注入ノズルと注入孔との
関係を示す拡大断面図、(B)は同図(A)の垂直断面
図。
【図8】(A)は図7に示す注入ノズルの要部拡大斜視
図、(B)は同図(A)のb部拡大図。
【図9】(A)は注入ノズルの第2の実施の形態を示す
要部拡大斜視図、(B)は同図(A)のc部拡大図。
【図10】(A)は注入ノズルと注入孔となるべきノズ
ル受容部との関係を示す断面説明図、同図(B)は注入
ノズルと成形後の注入孔との関係を示す断面説明図。
【図11】ノズル受容部と注入孔とを比較した場合の上
部周長等価率と板厚減少率とを示した関係グラフ。
【図12】図10の変形例示す図であって、(A)は注
入ノズルと注入孔となるべきノズル受容部との関係を示
す断面説明図、同図(B)は注入ノズルと成形後の注入
孔との関係を示す断面説明図。
【図13】注入ノズルの第3の実施の形態を示す要部拡
大斜視図。
【図14】各注入ノズルにより形成された増肉部を示す
断面図。
【図15】(A)は自動車構造部材の別の例を示す斜視
図、(B)は同図(A)の要部断面図。
【図16】図15の(B)の変形例を示す要部断面図。
【図17】(A)は自動車構造部材のさらに別の例を示
す斜視図、(B)は同図(A)の要部断面図。
【図18】(A),(B)ともに従来の方法による成形
過程を示す金型の断面図。
【図19】従来の方法による成形媒体の注入部の断面
図。
【符号の説明】
1…自動車用構造部品としてのサスペンションメンバ
(中空状構造部品) 2…上側の金属板 3…下側の金属板 5…溶接部 6…サスペンションカラー 7…注入孔 8…重ね合わせ板材 9…ノズル受容部 10…金型 11…上型 11a…凹部 12…下型 12a…凹部 16…注入ノズル 18…液圧導入通路 20…コントローラ 24…しごき面 25…縦壁面 28…突起部 29…突起縦面 31…くさび状突起部 32…テーパ面 34…ノズル受容部 35…注入ノズル 36…角部しごき面 37…増肉部 40…車体骨格構造ジョイント部材 41,42,43…注入孔 44…上側の金属板 45…下側の金属板 47…ジョグル部 48…注入ノズル 49…エンボス部 50…車体骨格構造メンバ部材 51…上側の金属板 52…下側の金属板 54…ビード部 55…前部注入孔 56…注入ノズル

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二枚の金属板同士を重ね合わ
    せてその外周部を溶接することにより形成された重ね合
    わせ板材を中空状の構造部品として膨出成形する装置で
    あって、 上下型のそれぞれに成形されるべき構造部品の断面形状
    に応じた凹部が形成されていて、それら上下型をもって
    上記重ね合わせ板材を加圧拘束する金型と、 上記重ね合わせ板材の金属板同士の間に高圧の液状成形
    媒体を供給するための注入ノズルと、 重ね合わせ板材の端縁に金属板同士を局部的に相互離間
    させるようにして予備成形されたノズル受容部に上記注
    入ノズルを圧入して、成形媒体の導入に先立って上記ノ
    ズル受容部をその注入ノズルに密着する注入孔形状に成
    形する手段と、 上記注入ノズルと注入孔との密着部において成形媒体を
    シールするシール手段と、 上記金型の型締め力と注入ノズルの圧入力および成形媒
    体の圧力をそれぞれ制御するコントローラと、 を備えたことを特徴とする中空状構造部品の液圧成形装
    置。
  2. 【請求項2】 上記シール手段は、金属板同士の相互離
    間開始位置に相当する位置であって且つ注入ノズルのう
    ち注入孔の開口縁部と当接する位置に設けられた突起部
    をもって形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の中空状構造部品の液圧成形装置。
  3. 【請求項3】 上型側の凹部内周面の延長線と下型側の
    凹部内周面の延長線とのなす交点が上記突起部の端面に
    位置するように設定されていることを特徴とする請求項
    2に記載の中空状構造部品の液圧成形装置。
  4. 【請求項4】 上記シール手段は、金属板同士の相互離
    間開始位置に相当する位置であって且つ注入ノズルのう
    ち注入孔の開口縁部と当接する位置に設けられたくさび
    状突起部をもって形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の中空状構造部品の液圧成形装置。
  5. 【請求項5】 上記くさび状突起部はその断面形状が金
    属板同士の相互離間開始位置近傍の断面形状と相似形を
    なしていて、注入孔となるべきノズル受容部への注入ノ
    ズルの圧入進行に伴い上記金属板同士の相互離間開始位
    置近傍にしごき加工を施すようになっていることを特徴
    とする請求項4に記載の中空状構造部品の液圧成形装
    置。
  6. 【請求項6】 上記注入ノズルの断面形状が略多角形形
    状であって、且つこの注入ノズルの圧入をもって形成さ
    れる同じく断面略多角形形状の注入孔の一辺と金属板同
    士の重ね合わせ面とのなす角度θが5度以上で60度以
    下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の
    中空状構造部品の液圧成形装置。
  7. 【請求項7】 上記注入孔を成形するべくノズル受容部
    に圧入される注入ノズルのうち、金属板同士の相互離間
    開始位置に相当する位置にくさび状突起部を形成したこ
    とを特徴とする請求項6に記載の中空状構造部品の液圧
    成形装置。
  8. 【請求項8】 上記コントローラは、重ね合わせ板材の
    うち少なくとも注入孔近傍に型締め力によって付与され
    る板厚方向の押圧力を可変制御するようになっているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の中空状構造部品の液圧
    成形装置。
  9. 【請求項9】 上記コントローラは、注入ノズルの圧入
    によって注入孔が成形される際に、重ね合わせ板材のう
    ちその注入孔近傍に型締め力によって付与されることに
    なる板厚方向の押圧力をそれ以降よりも小さくするかも
    しくは零とすることで注入孔となるべき領域への材料流
    入を促進させ、それ以降の液圧成形の際には押圧力を再
    度上昇させるようになっていることを特徴とする請求項
    1に記載の中空状構造部品の液圧成形装置。
  10. 【請求項10】 上記コントローラは、重ね合わせ板材
    のうち少なくとも注入孔近傍に型締め力によって付与さ
    れる板厚方向の押圧力を、成形媒体の圧力に連動させて
    可変制御するようになっていることを特徴とする請求項
    1に記載の中空状構造部品の液圧成形装置。
  11. 【請求項11】 上記注入ノズルの圧入によって成形さ
    れる注入孔近傍にエンボス部やジョッグル部を形成した
    車体構造部品、またはこれらと接続されるジョイント部
    材からなることを特徴とする請求項1に記載の液圧成形
    装置により成形された中空状構造部品。
  12. 【請求項12】 上記注入ノズルの圧入によって成形さ
    れる注入孔近傍に潰れ促進ビードを形成した車体構造部
    品であることを特徴とする請求項1に記載の液圧成形装
    置により成形された中空状構造部品。
  13. 【請求項13】 上記注入ノズルの圧入によって成形さ
    れる注入孔近傍の板厚を増加させた車両用サスペンショ
    ンメンバであることを特徴とする請求項1に記載の液圧
    成形装置により成形された中空状構造部品。
  14. 【請求項14】 予備成形されるノズル受容部の形状
    を、成形されるべき中空状構造部品の軸直角断面形状に
    対して上面周長等価形状としたことを特徴とする請求項
    1に記載の液圧成形装置に用いる重ね合わせ板材。
  15. 【請求項15】 上面周長等価形状の上面周長等価率を
    93〜103%、望ましくは96〜100%としたこと
    を特徴とする請求項14に記載の重ね合わせ板材。
  16. 【請求項16】 予備成形されるノズル受容部の形状
    を、成形されるべき中空状構造部品の軸直角断面形状に
    対して全周長等価形状としたことを特徴とする請求項1
    に記載の液圧成形装置に用いる重ね合わせ板材。
  17. 【請求項17】 全周長等価形状の全周長等価率を87
    〜103%、望ましくは93〜100%としたことを特
    徴とする請求項16に記載の重ね合わせ板材。
  18. 【請求項18】 少なくとも二枚の金属板同士を重ね合
    わせてその外周部を溶接することにより形成された重ね
    合わせ板材を上下型にて加圧拘束し、その重ね合わせ板
    材を形成している金属板同士の間に注入ノズルを介して
    高圧の液状成形媒体を供給することにより中空状の構造
    部品として膨出成形する方法において、 重ね合わせ板材の端縁に金属板同士を局部的に相互離間
    させるようにして予備成形されたノズル受容部に対し型
    締め状態で注入ノズルを圧入して、その重ね合わせ板材
    の一部を塑性変形させることにより注入孔を成形し、 上記注入ノズルと注入孔との間に両者を密着させる方向
    のシール力を全周にわたって発生させ、 その後に成形媒体の導入による液圧成形を行うことを特
    徴とする中空状構造部品の液圧成形方法。
  19. 【請求項19】 上記注入ノズルをノズル受容部に圧入
    して注入孔を成形する際、注入ノズルから重ね合わせ板
    材に軸方向の押圧力を付与して注入孔近傍の板厚を制御
    することを特徴とする請求項18に記載の中空状構造部
    品の液圧成形方法。
  20. 【請求項20】 上記注入ノズルをノズル受容部に圧入
    して注入孔を成形する際、注入ノズルから重ね合わせ板
    材に軸方向の押圧力を付与して、注入ノズルの縦壁面と
    注入孔となるべき金属板端面との間でシール力を発生さ
    せることを特徴とする請求項18に記載の中空状構造部
    品の液圧成形方法。
  21. 【請求項21】 上記注入ノズルをノズル受容部に圧入
    して注入孔を成形する際、注入ノズルから重ね合わせ板
    材に軸方向の押圧力を付与することにより、注入孔近傍
    の板厚を制御するとともに、注入ノズルの縦壁面と注入
    孔となるべき金属板端面との間でシール力を発生させる
    ことを特徴とする請求項18に記載の中空状構造部品の
    液圧成形方法。
  22. 【請求項22】 上記注入ノズルの断面形状を成形され
    るべき中空状構造部品の軸直角断面形状よりも大きく且
    つ略相似形に形成し、注入孔となるべきノズル受容部に
    注入ノズルを圧入する際にその注入孔となるべき領域に
    しごき加工を施すことを特徴とする請求項18に記載の
    中空状構造部品の液圧成形方法。
  23. 【請求項23】 上記注入孔となるべき領域であって且
    つ金属板同士の相互離間開始位置に相当する位置のしご
    き代を他の部位よりも大きく設定したことを特徴とする
    請求項22に記載の中空状構造部品の液圧成形方法。
JP2001365443A 2001-11-30 2001-11-30 重ね合わせ板材を素材とする中空状構造部品の液圧成形装置と液圧成形方法および重ね合わせ板材 Expired - Fee Related JP3646695B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001365443A JP3646695B2 (ja) 2001-11-30 2001-11-30 重ね合わせ板材を素材とする中空状構造部品の液圧成形装置と液圧成形方法および重ね合わせ板材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001365443A JP3646695B2 (ja) 2001-11-30 2001-11-30 重ね合わせ板材を素材とする中空状構造部品の液圧成形装置と液圧成形方法および重ね合わせ板材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003164924A true JP2003164924A (ja) 2003-06-10
JP3646695B2 JP3646695B2 (ja) 2005-05-11

Family

ID=19175467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001365443A Expired - Fee Related JP3646695B2 (ja) 2001-11-30 2001-11-30 重ね合わせ板材を素材とする中空状構造部品の液圧成形装置と液圧成形方法および重ね合わせ板材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3646695B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005059047A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形方法および液圧成形装置
JP2005211906A (ja) * 2004-01-27 2005-08-11 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形装置、液圧成形方法および液圧成形部材
JP2005313203A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形方法および液圧成形装置
JP2006026646A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形方法および液圧成形装置
JP2006035281A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形方法および液圧成形装置
JP2006075862A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形用予備成形体および液圧成形方法
JP2006075863A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Nissan Motor Co Ltd 予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP2006095570A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形用予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP2006150382A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Nissan Motor Co Ltd 重ね合わせ板材の液圧成形装置
JP2006159276A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Nissan Motor Co Ltd 予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP2006297462A (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Toyota Motor Corp ハイドロフォーム成形装置及びハイドロフォーム用メカニカルシール
US7788856B2 (en) 2004-07-28 2010-09-07 Nissan Motor Co., Ltd. Preform, hydroforming method, and hydroformed product
WO2012079156A1 (en) * 2010-12-17 2012-06-21 Magna International Inc. Apparatus and method for forming shaped articles from plural sheet metal blanks
JP2013158802A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp ハイドロフォーム加工方法
KR101318277B1 (ko) * 2012-05-01 2013-10-15 주식회사 포스코 확관액 분배기

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005059047A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形方法および液圧成形装置
JP2005211906A (ja) * 2004-01-27 2005-08-11 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形装置、液圧成形方法および液圧成形部材
JP2005313203A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形方法および液圧成形装置
JP4581473B2 (ja) * 2004-04-28 2010-11-17 日産自動車株式会社 液圧成形方法および液圧成形装置
JP2006026646A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形方法および液圧成形装置
US7788856B2 (en) 2004-07-28 2010-09-07 Nissan Motor Co., Ltd. Preform, hydroforming method, and hydroformed product
JP2006035281A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形方法および液圧成形装置
US7861489B2 (en) 2004-07-28 2011-01-04 Nissan Motor Co., Ltd. Preform, hydroforming method, and hydroformed product
JP2006075863A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Nissan Motor Co Ltd 予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP4661141B2 (ja) * 2004-09-08 2011-03-30 日産自動車株式会社 液圧成形用予備成形体および液圧成形方法
JP4706213B2 (ja) * 2004-09-08 2011-06-22 日産自動車株式会社 予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP2006075862A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形用予備成形体および液圧成形方法
JP4639726B2 (ja) * 2004-09-29 2011-02-23 日産自動車株式会社 液圧成形用予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP2006095570A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形用予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP4539307B2 (ja) * 2004-11-26 2010-09-08 日産自動車株式会社 重ね合わせ板材の液圧成形装置
JP2006150382A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Nissan Motor Co Ltd 重ね合わせ板材の液圧成形装置
JP2006159276A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Nissan Motor Co Ltd 予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP4670334B2 (ja) * 2004-12-10 2011-04-13 日産自動車株式会社 予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP4622653B2 (ja) * 2005-04-22 2011-02-02 トヨタ自動車株式会社 ハイドロフォーム成形装置及びハイドロフォーム用メカニカルシール
JP2006297462A (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Toyota Motor Corp ハイドロフォーム成形装置及びハイドロフォーム用メカニカルシール
WO2012079156A1 (en) * 2010-12-17 2012-06-21 Magna International Inc. Apparatus and method for forming shaped articles from plural sheet metal blanks
CN103260784A (zh) * 2010-12-17 2013-08-21 麦格纳国际公司 用于由多个片状金属坯料形成成形制品的设备和方法
JP2013545617A (ja) * 2010-12-17 2013-12-26 マグナ インターナショナル インコーポレイテッド 複数の板金ブランクから異形物品を成形する装置及び方法
US9061338B2 (en) 2010-12-17 2015-06-23 Magna International Inc. Apparatus and method for forming shaped articles from plural sheet metal blanks
JP2013158802A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp ハイドロフォーム加工方法
KR101318277B1 (ko) * 2012-05-01 2013-10-15 주식회사 포스코 확관액 분배기

Also Published As

Publication number Publication date
JP3646695B2 (ja) 2005-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003164924A (ja) 重ね合わせ板材を素材とする中空状構造部品の液圧成形装置と液圧成形方法および中空状構造部品ならびに重ね合わせ板材
US5115963A (en) Superplastic forming of panel structures
KR100517584B1 (ko) 하이드로폼 성형된 각진 관형 부품 및 이를 제조하기 위한방법 및 장치
KR100472537B1 (ko) 하이드로 폼 성형방법 및 그 성형방법으로 성형되는하이드로 폼 성형품
EP1256397B1 (en) Metallic sheet hydroforming method and forming die
KR100871208B1 (ko) 액압 성형용 예비 성형체, 액압 성형 방법 및 액압 성형품
JP2837206B2 (ja) 超塑性成形/拡散接合サンドウィッチ湾曲構造体
US6070786A (en) Method of producing and utilizing deformable workpieces for high-pressure forming and products formed thereby
WO2004041458A1 (ja) 液圧バルジ加工用異形素管、並びにこれを用いる液圧バルジ加工装置、液圧バルジ加工方法、および液圧バルジ加工品
JP2008119723A (ja) 金属板のハイドロフォーム加工装置、加工方法およびこれらを用いた加工製品
JP3711882B2 (ja) 重ね合わせ板材の液圧成形方法
JP2001259754A (ja) 液圧バルジ加工部品の成形方法、金型および液圧バルジ加工部品
JP3572403B2 (ja) 構造部品の液圧成形装置および液圧成形方法
JP4924222B2 (ja) 重ね合わせ板材の液圧成形方法及び装置
JP3498615B2 (ja) 車両の車体構造及びその製造方法
JP2001009529A (ja) 液圧成形方法および液圧成形装置ならびに車体用部材
JPH115125A (ja) 液圧バルジ成形方法
JP2006095569A (ja) 液圧成形用予備成形体、液圧成形方法および液圧成形品
JP2007075844A (ja) 液圧バルジ加工製品およびその液圧バルジ成形方法
JPH11347643A (ja) 板材の液圧バルジ成形方法
JP4590956B2 (ja) 液圧成形方法
JP3627662B2 (ja) 重ね合わせ板材の液圧成形方法
JP2001225114A (ja) ハイドロフォーム加工方法
JP4622624B2 (ja) 予備成形体、液圧成形方法および液圧成形部材
JP2002096116A (ja) 重ね合せ板材のハイドロフォーム成形方法、その装置および重ね合せ板材

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees