JP2008119723A - 金属板のハイドロフォーム加工装置、加工方法およびこれらを用いた加工製品 - Google Patents

金属板のハイドロフォーム加工装置、加工方法およびこれらを用いた加工製品 Download PDF

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Abstract

【課題】2枚以上の金属板の全ての周縁部を溶接することなく、シール性に優れ、深絞り成形品を得ることができるハイドロフォーム加工装置及び加工方法を得る。
【解決手段】2枚以上の金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工装置であり、金属板のいずれか一方または両方に当接する板押さえ面に摺動シールと、他方に当接する板押さえ面に非摺動シールとを配設する「第1の加工装置」、または金属板の最上面および最下面に当接する板押さえ面に摺動シールと、板押さえ面を外れた部位に金型シールとを配設する「第1の加工装置」である。さらにこれらの加工装置を用い、2枚以上の金属板を出発素材として、金属板の間に加工液が注入し膨出加工を施すハイドロフォーム加工方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は、2枚以上の金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工装置、加工方法およびこれらを用いた加工製品に関し、さらに詳しくは、全ての金属板の周縁部を重ね合わせ溶接することなく、膨出加工におけるシール性を確保し、深絞り成形品を得ることができ、かつ複数部品を同時に成形できる、生産効率に優れたハイドロフォーム加工装置、ハイドロフォーム加工方法およびハイドロフォーム加工製品に関するものである。
ハイドロフォーム加工は、通常のプレス成形加工に比べ、多くの特長を備えている。例えば、長手方向に断面形状の異なるような複雑な形状の部品に加工できることから、従来方法では溶接接合が必要であった機械部品を、一体成形で加工できる。また、当該加工は、加工を付与した部位の全体に亘って加工硬化を生じさせるため、軟質な素材を用いても高強度の製品を得ることができる。
さらに、加工後のスプリングバックが少なく、製品の寸法精度が良好である(形状凍結性が良好である)。このため、製品寸法の手直しの工程を必要とせず、工程の省略を図ることができる。ハイドロフォーム加工は、このような優れた特長が評価され、最近では、特に自動車用部品の製造方法として広範囲に採用されるようになっている。
特許文献1では、2枚の金属板(以下の説明では「ブランク」ともいう)の膨出加工が施される部分よりも外側領域(周縁部)の合わせ面で溶接し、その合わせ面間に加圧された加工液を導入することにより、複雑な形状を有する製品でも容易に成形ができるハイドロフォーム加工方法を提案している。
図1は、従来のハイドロフォーム加工(例えば、特許文献1で提案の方法)に用いるブランクおよびそのシール接合を説明する斜視図であり、(a)は加工素材となる2枚のブランクを、(b)は2枚のブランクを重ね合わせ溶接した重ね板ブランクを、(c)は膨出加工された成形品の外観構成を示している。
図1(a)に示すように、上ブランク1aと、加工液を注入するために打ち抜きまたはレーザ切断などにより、所定位置に注水口2が加工された下ブランク1bとを準備する。次に、2枚のブランク1a、1bは、膨出加工におけるシール性を確保するため、溶接ラインLに沿って周縁部を全周に亘り溶接し、重ね板ブランク1を作製しハイドロフォーム加工用の出発素材とする。溶接にはレーザー溶接、シーム溶接、アーク溶接およびプラズマ溶接などが用いられる。最終的には、図1(c)に示すように、ハイドロフォーム加工により重ね板ブランク1に膨出加工が施され、製品3に成形される。
図2は、従来のハイドロフォーム加工により、重ね板ブランクを出発素材として成形品を加工する方法を説明する断面図であり、(a)は加工前の状態を、(b)は膨出加工の状態を、(c)は加工終了時の状態を示している。図2(a)に示すように、加工前に、成形品の外郭形状と同じ内郭形状を有するキャビティー4a、5aおよびその周縁部に設けられた板押さえ面4b、5bからなる上下金型4、5を用い、加工素材である重ね板ブランク1を、上金型4と下金型5の板押さえ面4b、5bの間に挟持する。
下金型5には高圧の加工液を注入する注入孔6が設けられ、シールのために注入孔6を囲んでシール溝7が備えられている。下ブランク1bに設けられた注水口2は、下金型5の注入孔6が設けられた部位およびシール溝7に囲まれた領域に一致するよう配置される。そして、上下金型4、5は、図示しないハイドロフォーム加工装置に設けられた加圧装置によって押圧される。
次に、図2(b)に示すように、図示しない圧力発生装置に接続された注入孔6を通じて、高圧の加工液が供給され、さらに加工液は注水口2を通してブランク1の内部に注入される。その際、ブランク1a、1b間には注入孔6に対向する位置から上下金型のキャビティーに通じる流路が形成される。この流路を通じて、重ね板ブランク1の内部に加工液が注入され、上ブランク1aおよび下ブランク1bに膨出加工が施される。このとき、図示しないが、上下金型4、5にはキャビティー内の空気を外部に排出するための空気抜き孔が設けられる。
最終的には、図2(c)に示すように、上ブランク1aおよび下ブランク1bは、製品の外郭形状と同じ内郭形状であるキャビティー4a、5aに沿うように押し付けられ、加工を終了し、前記図1(c)に示す製品3が得られる。
また、他のハイドロフォーム加工として、特許文献2では、2枚の金属板に半側注水口を対向させ重ね合わせて注水口を形成し、この注水口を除いて連続的に溶接し溶接部の内側にプレ膨出部を形成したブランクを用い、ハイドロフォーム加工により排気管等の所定形状に折曲した金属管体を製造する方法を開示している。このように、ハイドロフォーム加工において、ブランクの周縁部を全周に亘りまたは注水口部を除いて溶接することにより、高圧の加工液の漏洩を確実に防止することでき、複雑な部品であっても一体成形が可能になる。
ところが、ブランクの周縁部を溶接するハイドロフォーム加工には、種々の問題がある。まず、製品の大きさにもよるが成形後の加工液の抜き取りにおいて、比較的長時間を要する場合があるとともに、完全に加工液が抜けきらず乾燥が不十分となる場合があり、このような場合には錆発生の問題が生じ、自動車部品には適用できないことがある。また、ブランクの溶接において外縁部の全長に亘る溶接が必要になることから、従来のプレス部品をスポット溶接していた部品について、溶接箇所が長くなるのにともない、作業工数が増加することになる。
さらに、従来のプレス加工により成形後に上下部品を溶接する工程では、上下のプレス部品を成形してから、これらの内部にウエルドナットなどを装着し、上下の部品を溶接することが可能である。しかし、ブランクの周縁部を溶接するハイドロフォーム加工では、加工液の注入による成形加工の後に、成形品の内部にウエルドナットなどの付加的な部品を装着することが困難になる。
このようなハイドロフォーム加工での問題をなくすため、非特許文献1では、ブランクの周縁部を溶接するのに替えて、2枚の金属板の周縁部を上下方向から押し付けてハイドロフォーム加工を行うことにより、その押付け力で加工液のシールが行えることを解説している。さらに、前述の特許文献1では、ブランクの周縁部を溶接することなく、キャビティーの外縁部にビードを設けて、加工液をシールする方法も提案している。
しかしながら、本発明者の実用的な試験機を用いた実験によれば、非特許文献1が解説する装置構成、および特許文献1が提案するシール方法であっても、ブランクの内部に注入された加工液の漏洩をある程度防止することができるものの、有効に漏洩防止が図れるのはブランクの形状によって絶対値は異なるが、その値は高々30〜50MPaに留まり、50MPa以上、特に100MPaを超える高圧の加工液の漏洩防止は困難である。このため、例えば絶対値が100MPaを超えるような高圧の加工液を用いた成形加工は難しく、製品の膨出深さが浅い、いわゆる浅絞り成形品の加工にのみ適用できる。
本発明者の研究結果によれば、1枚のブランクを出発素材としてハイドロフォーム加工を行う場合に、ブランクの周縁部を溶接することなく、上下金型のキャビティー周縁部の板押さえ面に設けるビード条件の最適化を図ることにより、加工液の漏洩防止が図れ、ハイドロフォーム加工により複雑な深絞り品を成形できることが明らかである。
ビード条件の選択により、上記の問題を殆ど解決することができるが、1枚の金属板をハイドロフォーム加工する場合には、1回の成形により1部品の成形しかできないため生産効率が悪く、さらに2部品を組み立てるときに部品フランジの合わせ面での加工精度が十分に確保できない事態も生じる。このため、1枚の金属板を用いたハイドロフォーム加工は、生産効率よく自動車用部品の製造する方法として、一定の制限が生ずることになる。
特開2003−25022号公報 特開平9−29329号公報 Journal of Materials Processing Technology 87(1999)154−164
前述の通り、2枚以上の金属板を用いて膨出加工するハイドロフォーム加工において、加工液の漏洩を防止するため、ブランクの周縁部で溶接し、重ね板ブランクの間に加圧された加工液を導入する方法が適用されるが、成形加工後における錆発生や作業工数の増加等の種々の問題が生じる。また、ブランク周縁部の溶接に替えて、金属板の押付け力により加工液のシールを行う方法および金型の板押さえ面にビードを設けて、加工液をシールする方法も提案されているが、圧力値が50MPa以上、特に100MPaを超えるような高圧の加工液を用いた成形加工は困難であり、加工対象が浅絞り成形品に制限される。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、2枚以上の金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工において、全ての金属板に重ね合わせ溶接しない場合でも、加工液の漏洩防止が図れて確実なシールが可能となり、深絞り成形品が得られ、かつ複数部品を同時に成形できる、生産効率に優れたハイドロフォーム加工装置、加工方法およびそれを用いた加工製品を提供することを目的としている。
2枚以上の金属板を用いたハイドロフォーム加工において、加工液の漏洩を発生させることなく深絞り成形品を加工するには、金属板を膨出加工する成形過程での金属板の流れ込みの促進とそのコントロールが必要になる。しかし、従来から加工液の漏洩防止として用いられているシールリングやOリングは、シール部に固定される構造を前提として設計されているため、成形過程において金属板に流れ込みが生じるようになると、巻き込みや噛み出しによる破損が発生し易くなる。
図3は、ハイドロフォーム加工において金属板の流れ込みが生じた場合にOリングに発生する破損状態を説明する図であり、(a)は巻き込み状態、(b)は噛み出し状態を示している。例えば、重ね板ブランク1のうち下ブランク1bに流れ込みが生じると、下ブランク1bはOリング8と相対滑りを生じながらキャビティーに向けて流入するが(矢印F1方向)、これにともなってOリング8が巻き込みを生じ易い(図2(a))。一方、下ブランク1bの流れ込みにともないブランクの板厚に不均一な分布が生じると、成形過程で部分的に隙間が発生し、特に加工液が高圧である場合には、Oリング8がシール溝7から噛み出しを生じ易い(図2(b))。なお、図中の矢印F2は、加工液の作用方向を示す。
そこで、本発明者は、上記課題を解決するため、種々の検討を加えた結果、金属板のハイドロフォーム加工において、良好なシール性を確保するとともに、金属板フランジの流れ込み量を調整するには、金属板の流れ込みに対応して加工液の漏洩を防止するシール機構を配置することが必要であることに着目した。すなわち、金属板のキャビティーへの流れ込みを発生し易くして、さらに絞り深さが深い成形品を得ることに着目した。
膨出加工の初期過程から上下金型の板押さえ面によって、金属板は所定の面圧で押し付けられているが、注入された加工液の圧力が上昇するのにともない、加工液の漏洩は避けられない。したがって、金属板の流れ込みに対応して加工液の漏洩を防止するシール機構を配置したとしても、上金型および下金型の間を通して、金型の外部へ加工液が漏洩することになる。加工液の漏洩が少ない場合には問題がないが、漏洩が多くなると加工圧力の上昇に支障が生ずるおそれがある。
このため、上記の金属板の流れ込みに対応したシール機構に加え、さらに金属板の流れ込みをなくし、かつ加工液の漏洩を防止するシール機構を配置することが必要であることに着目した。
本発明は、上記の検討経緯に基づいて完成されたものであり、下記の(1)〜(3)のハイドロフォーム加工装置、(4)〜(6)のハイドロフォーム加工方法、および(7)のハイドロフォーム加工製品を要旨としている。
(1)成形品の外郭形状と同じ内郭形状を有するキャビティーおよびその周縁部に設けられた板押さえ面を具備し、2枚以上の金属板を前記板押さえ面で峡持する上下一対の金型と、前記金属板の間に加工液を注入する手段とを設け、前記注入手段を駆動させて加工液を注入し、前記キャビティーに沿わせて前記金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工装置であって、前記金属板の最上下面のいずれか一方または両方に当接する前記板押さえ面の全周に亘り設けられ、膨出加工にともなう前記金属板の流れ込みに対応して加工液をシールする摺動シールと、前記摺動シールの外周側であって、前記金属板の最上下面の他方に当接する前記板押さえ面の全周に亘り設けられ、前記金属板の流れ込みをなくし、かつ加工液をシールする非摺動シールと、を配設することを特徴とするハイドロフォーム加工装置である(以下、「第1の加工装置」という)。
(2)成形品の外郭形状と同じ内郭形状を有するキャビティーおよびその周縁部に設けられた板押さえ面を具備し、2枚以上の金属板を前記板押さえ面で峡持する上下一対の金型と、前記金属板の間に加工液を注入する手段とを設け、前記注入手段を駆動させて加工液を注入し、前記キャビティーに沿わせて前記金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工装置であって、前記金属板の最上面および最下面に当接する前記板押さえ面の全周に亘り設けられ、膨出加工にともなう前記金属板の流れ込みに対応して加工液をシールする摺動シールと、前記摺動シールのいずれもの外周側であって、前記金属板を峡持する領域を外れた部位に上下金型間で加工液をシールする金型シールと、を配設することを特徴とするハイドロフォーム加工装置である(以下、「第2の加工装置」という)。
(3)上記第1、第2の加工装置では、前記金属板の周縁部を押圧する板押さえ手段を設けること、さらに前記板押さえ手段の板押さえ力を可変とする機構を設けることが望ましい。また、前記摺動シールの他に絞りビードを設けることができる。
(4)成形品の外郭形状と同じ内郭形状を有するキャビティーおよびその周縁部に設けられた板押さえ面を具備する上下一対の金型を用い、2枚以上の金属板を前記板押さえ面で峡持したのち、前記金属板の間に加工液を注入し、前記キャビティーに沿わせて前記金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工方法であって、前記金属板の最上下面のいずれか一方または両方に当接する前記板押さえ面の全周に亘り、前記金属板の流れ込みに対応して加工液をシールする摺動シールを設けるとともに、前記摺動シールの外周側であって、前記金属板の最上下面の他方に当接する前記板押さえ面の全周に亘り、前記金属板の流れ込みをなくし、かつ加工液をシールする非摺動シールを設けた状態で膨出加工を施すことを特徴とするハイドロフォーム加工方法である(以下、「第1の加工方法」という)。
(5)成形品の外郭形状と同じ内郭形状を有するキャビティーおよびその周縁部に設けられた板押さえ面を具備する上下一対の金型を用い、2枚以上の金属板を前記板押さえ面で峡持したのち、前記金属板の間に加工液を注入し、前記キャビティーに沿わせて前記金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工方法であって、前記金属板の最上面および最下面に当接する前記板押さえ面の全周に亘り、膨出加工にともなう前記金属板の流れ込みに対応して加工液をシールする摺動シールを設けるとともに、前記摺動シールのいずれもの外周側であって、前記金属板を峡持する領域を外れた部位に上下金型間で加工液をシールする金型シールを設けた状態で膨出加工を施すことを特徴とするハイドロフォーム加工方法である(以下、「第2の加工方法」という)。
(6)上記第1、第2の加工方法は、前記金属板を3枚以上挟持した場合に、少なくとも2枚の金属板の全周に亘り重ね合わせ溶接を施し、溶接された当該金属板の間にも加工液を注入し、膨出加工を行うことができる。さらに、前記金属板の板押さえ面を押圧する板押さえ手段を設け、板押さえ力を制御しつつ、膨出加工を行うこともできる。
また、上記第1、第2の加工方法は、プリフォーム成形を実施した2枚以上の金属板を峡持したのち、前記金属板の間に加工液を注入し、膨出加工を行うことができる。
(7)上記(1)〜(3)のハイドロフォーム加工装置を用い、2枚以上の金属板を出発素材として、前記金属板の間に加工液が注入され、膨出加工が施されたことを特徴とするハイドロフォーム加工製品である。
本発明で規定する「摺動シール」とは、膨出加工にともなう金属板の流れ込みに対応し、金属板を摺動させながら加工液をシールする機能を発揮するシールをいい、「非摺動シール」とは、金属板の流れ込みをなくし、金属板と非摺動の状態で加工液をシールする機能を発揮するシールをいう。また、「金型シール」とは、金属板と当接することなく、上下金型間で加工液をシールする機能を発揮するシールをいう。
本発明のハイドロフォーム加工装置および加工方法によれば、全ての金属板の周縁部に重ね合わせ溶接をすることなく、加工液の漏洩防止が図れて確実なシールが可能となり、深絞り成形品が得られ、かつ複数部品を同時に成形できるので、優れた生産効率でハイドロフォーム加工製品を得ることができる。
さらに、周縁部に重ね合わせ溶接がなくとも深絞り部品が成形できるので、成形品の内部にウエルドナットなどの付加的な部品を装着も可能である。また、上下部品等の複数部品を同時に成形できるので、複数部品の組み立て時のフランジ合わせ面の加工精度が良好であり、最終工程の複数部品の溶接組み立てにおいて良好な組み立て精度を確保できる。
本発明が採用する特徴ある構成、およびその具体的な実施形態について、図面に基づいて説明する。以下に説明する形態は、本発明を実施可能に具体化する実施例に相当するものであり、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
図4は、本発明の第1の加工装置の全体構成を示す図であり、(a)は上下金型で2枚の金属板を峡持した成形前の構成を示し、(b)は金属板を膨出加工した成形後の構成を示している。
出発素材となる2枚のブランク(金属板)1は、その周縁部を溶接されることなく、ベッド12に固定された下金型5の上面に載置され、上金型4を取り付けたプレス機のスライド11を降下させることにより、上金型4と下金型5とで峡持された構成となる。上下金型には成形品の外郭形状と同一内郭形状のキャビティー4a、5aが設けられるとともに、そのキャビティー4a、5aの周縁部には板押さえ面4b、5bが設けられる。そして、上下金型の板押さえ面4b、5bによってブランク1の周縁部を保持している。
加工液の注入手段として、注入孔6が下金型5内に設けられる。そして、この注入孔6は継ぎ手を介して、それぞれ外部配管に連結されている。図示しないが、上下金型4、5には、成形過程においてキャビティー内の空気を外部に排出するための空気抜き孔を設けてもよい。
上ブランク1aの表面に当接する板押さえ面4bの全周に亘り、摺動シール9が設けられる。この摺動シール9は、膨出加工にともないブランクにキャビティーへ向かう流れ込みが発生しても、この流れ込みに対応して加工液をシールする機能を発揮する。これにより、膨出加工の成形過程で、上ブランク1aの表面から流入し、上金型4のキャビティー4aへの加工液の漏洩を防止することができる。
一方、下ブランク1bの表面に当接する板押さえ面5bには、上記摺動シール9が設けられた位置より外周側の部位に全周に亘り、非摺動シール10が設けられる。この非摺動シール10は、加工液をシールする機能を発揮するので、膨出加工にともない、加工液が金型の外部に漏洩するのを防止することができる。ただし、この構成では、下ブランク1bの流れ込みは、非摺動シール10により抑制されるため、下ブランク1bの成形深さはやや浅いものとなる。
図5は、本発明で採用することができる摺動シールの構成例を示す図であり、(a)および(b)は具体的な断面構成例を示している。摺動シール9の基本構成は、ブランクと当接するシールリング13と当該シールリング13より高強度の補強材14を配置する。このような構成により、シールリング13はシール溝7内で容易に回転することがなく、局部的なブランクの不均一な滑りによっても巻き込みを生ずることなく、また部分的に下金型5とブランクとの隙間が生じても噛み出しを発生することがない。図中の矢印F2は、加工液の作用方向を示している。
本発明では、シールリング13や補強材14の材質を限定するものではないが、シールリング13としてはブランクとの摺動、加工液(油、エマルジョン等)との対応、さらに強度や剛性の観点から、例えば、NBR、繊維補強NBR、およびエラストマー等を適用することができる。また、補強材としては、ブランクと摺動するため、さらに焼き付き防止を図るため、例えば、ベリリウム銅、砲金、青銅、アルミ青銅、PTFEおよびソラマイト等を採用することができる。
図6は、本発明で採用することができる非摺動シールの断面を示す図である。非摺動シール10はいわゆる三角シールと呼ばれ、下ブランク1bの下面に当接する板押さえ面5bに全周に亘り設けられる。図6に示すように、非摺動シール10は上金型4および下金型5で下ブランク1bを保持する構造であり、加工液の漏洩を防止することができる。このように、非摺動シール10は摺動シール9から外れた、外周側に設ける必要がある。
本発明の第1の加工装置では、前記図4に示すように、金属板の最上下面のいずれか一方に摺動シール9を設けることにより、金属板のキャビティーへの流れ込みを発生し易くし、さらに絞り深さが深い成形品を得ることが可能となる。さらに、後述する図10に示すように、第1の加工装置を用いて3枚の金属板を膨出加工する場合には、金属板の最上下面の両方に摺動シール9を設けることになる。
前記図4に示す膨出加工の初期過程では、上金型および下金型の板押さえ面4b、5bでブランク1は押し付けられているが、注入された加工液の圧力が上昇するのにともなって、加工液の漏洩は避けられない。しかし、膨出加工にともなって漏洩した加工液は、摺動シール9および非摺動シール10の作用により、上金型および下金型のキャビティー4a、5aへの流入や金型外部への流出は防止できる。
このため、ブランク1の内部に注入された加工液は、加工圧力の上昇にともない、上金型の板押さえ面4bと上ブランク1a側面のスペース(図6のSで示すスペース)に入り込む場合がある。このように上ブランク1a側面のスペースに入り込んだ加工液は、上ブランク1aの端面を内部に押し込むことから、上ブランク1aはよりキャビティー4aへの流れ込みを発生し易くなる場合がある。
図6のSで示すスペースと外部に孔を設け、リリーフバルブなどを設けることにより、上ブランク1a側面のスペースの圧力が所定の上限値に達した後に加工液を外部に流出することも可能である。さらに、機構的にはやや複雑となるが、上記の外部に孔と別のポンプを設けることにより、上ブランク1a側面のスペースの圧力をコントロールすることも可能である。
したがって、前記図4に示す装置構成を用いる、本発明の第1の加工方法では、従来の金属板の周縁部を溶接するハイドロフォーム加工方法に比べ、片側の板の絞り深さが深く、他方の板の絞り深さが浅い、非対称な成形品を得ることができる。
上述の通り、本発明の第1の加工装置では、摺動シール9により上ブランク1aの流れ込みが発生し易くなり、深絞り成形品の加工が容易となるが、下ブランク1bについては、非摺動シール10によりキャビティー5aへの流れ込みが制限されているため、比較的、絞り深さが浅い成形品に限定される。
このようなことから、前記図4に示す装置構成は、上金型または下金型で加工される成形品の絞り深さが異なる非対称部品の成形に好適であり、その構成も比較的簡単である。しかし、前記図4に示す装置構成は例示であり、製品形状や必要な成形内圧、材質、板厚などの成形条件により適宜選択することができる。
図7は、本発明の第2の加工装置の全体構成を示す図であり、(a)は上下金型で2枚の金属板を峡持した成形前の構成を示し、(b)は金属板を膨出加工した成形後の構成を示している。前記図4に示す構成と同様に、出発素材となるブランク1は、上金型と下金型の板押さえ面4b、5bによって挟持される。加工液の注入手段として、注入孔6が下金型5内に設けられる。
ブランク1の最上面および最下面に当接する板押さえ面4b、5bの全周に亘り摺動シール9が設けられている。この摺動シール9は、前記図5に示す構成を採用することができ、膨出加工にともないブランク1にキャビティーへ向かう流れ込みが発生しても、この流れ込みに対応して加工液をシールする機能を発揮する。これにより、膨出加工の成形過程で、ブランク1の最上下面から流入し、上金型および下金型のキャビティー4a、5aへの加工液の漏洩を防止することができる。
膨出加工の初期過程では、上金型および下金型の板押さえ面4b、5bでブランク1は押し付けられているが、注入された加工液の圧力が上昇するのにともない加工液の漏洩は避けられない。このため、膨出加工により漏洩した加工液は、上金型と下金型の板押さえ面4b、5bに設けられた摺動シール9により、上金型および下金型のキャビティー4a、5aへ流入することは防止できるが、上金型および下金型の間を通して金型外部への漏洩は防ぐことができない。
本発明の第2の加工装置では、摺動シール9のいずれもの外周側であって、ブランク1を峡持する領域を外れた部位に上下金型間で加工液をシールする金型シール15を設けることにより、加工液の金型外部への漏洩は防ぐことができる。金型シール15は、ブランク1を峡持する領域を外れた部位に設けるものであるから、ブランク1の流れ込み等の影響を考慮する必要がなく、慣用されるシールリングやOリングを適用することができる。
このように、本発明の第2の加工装置では、膨出加工にともなって漏洩した加工液は、摺動シール9および金型シール15の作用により、上金型および下金型のキャビティー4a、5aへの流入や金型外部への流出が防止されるため、加工圧力の上昇にともない、上金型の板押さえ面4bと上ブランク1a側面のスペースおよび下金型の板押さえ面5bと下ブランク1b側面のスペースに入り込む。そして、上ブランク1aおよび下ブランク1b側面のスペースに入り込んだ加工液は、ブランク1の端面を内部に押し込むことから、ブランク1はキャビティーへの流れ込みを発生し易くなる場合もある。
なお、前記上ブランク1a側面と下ブランク1b側面のスペースと外部に孔を設け、リリーフバルブなどを設けることにより、該スペースの圧力が所定の上限値に達した後に加工液を外部に流出することも可能である。さらに、機構的にはやや複雑となるが、上記の外部に孔と別のポンプを設けることにより、上ブランク1a側面と下ブランク1b側面のスペースの圧力をコントロールすることも可能である。
したがって、図7に示す装置構成を用いる、本発明の第2の加工方法では、摺動シール9および金型シール15を設けることにより、従来の金属板の周縁部を溶接するハイドロフォーム加工方法に比べ、同様かそれ以上の絞り深さが深い成形品を得ることができる。
図8は、本発明の第1の加工装置の実施形態における要部構成を示す図である。図8に示す実施形態では、前記図4に示す装置構成に加え、ブランク1の周縁部を押圧する板押さえ手段16を上金型4に設け、下金型5の板押さえ面5aとの間でブランク1を押圧している。
前述の通り、ブランク1の内部に注入された加工液は、加工圧力の上昇にともない、上金型の板押さえ面4bと上ブランク1a側面のスペース(図8中のSで示すスペース)に入り込み、上ブランク1aの端面を内部に押し込む作用を発揮することから、上ブランク1aはキャビティーへの流れ込みを発生し易くなる。このとき、図8に示す実施形態のように、板押さえ手段16を用いることにより、膨出加工にともなう上ブランク1aの流れ込みを調整することができる。
さらに、ブランク1の流れ込みをより高精度にコントロールするため、板押さえ手段16を油圧シリンダーに接続し、油圧シリンダーの圧力制御を行うことができる。すなわち、膨出加工の成形過程における内圧変動、さらには加工スケジュールに応じて、板押さえ圧力を制御することにより、成形品に発生するしわを防止したり、成形品の加工硬化をコントロールすることができる。
例えば、成形過程の最終段階において、板押さえ圧力を上昇させることにより、成形品に発生するしわを防止することができる。一方、初期の成形過程で板押さえ圧力を上昇させ、成形品全体を加工硬化させた後、板押さえ圧力を低下させることにより、安定した加工硬化を生じさせることができる。板押さえ圧力の制御パターンは、成形品の形状や金属板の材質など多くのパラメータにより定まることから、製品に応じて実験的に決定すればよい。
ブランク1を押圧する板押さえ手段16は、ブランク1の周縁部を周方向に均一に押圧できるように配置するのが望ましい。さらに、板押さえ手段16には、成形品の取り出し時に加工液の飛散、または油圧系や機械系の汚れを防止するため、シール手段16aを設けるのが望ましい。
図9は、本発明の第2の加工装置の実施形態における要部構成を示す図である。図9に示す実施形態では、前記図7に示す装置構成に加え、ブランク1を峡持する上下金型の板押さえ面4b、5bに、摺動シール9とは別個に、ブランク1の流れ込み量を調整する絞りビード17を配置することにより、ブランク1の流れ込みを制御し、成形品に発生するしわを防止したり、成形品の加工硬化をコントロールする。
絞りビード17は、前記図8に示す板押さえ手段16と同様に、膨出加工にともなうブランク1の流れ込みを調整することができる。すなわち、ブランク1が通過する際の曲げ変形によって絞り抵抗を付与し流れ込みを抑制する構造であり、上金型の板押さえ面4bに設けられたビード溝と下金型の板押さえ面5bに設けられたビード山とを嵌合するように構成する。
摺動シール9は板押さえ面4b、5bの全周に亘って設けられるのに対し、絞りビード17は、成形品のキャビティー周縁部の直辺部などフランジの絞り抵抗を増やす必要がある部位に選択的に配置してもよく、また全周に亘って配置してもよい。
図10は、本発明の第1の加工装置を用いて3枚の金属板を膨出加工する成形過程を説明する図であり、(a)は上下金型で3枚の金属板を峡持した成形前の構成、(b)は金属板を膨出加工した成形後の構成、(c)は3枚の金属板の構成例を示している。出発素材となるブランク1は、上金型と下金型の板押さえ面4b、5bによって挟持され、その両面に摺動シール9が設けられ、これらの外周側に非摺動シール10が設けられる。加工液の注入手段として、注入孔6を上金型と下金型とに設置される。
出発素材となる3枚のブランク1は、上ブランク1a、下ブランク1bおよび中ブランク1cで構成され、溶接は行われず重ね合わせた状態で上下金型内に設置される(図10(a)、(c))。
このとき、3枚のブランク1のうち、上側ブランク1aおよび下側ブランク1bに注水口2が設けられているので、上ブランク1aの注水口2から流入する加工液は上ブランク1aと中ブランク1cの間に充満され、下ブランク1bの注水口2から流入する加工液は下ブランク1bと中ブランク1cの間に充満される。なお、中ブランク1cに孔を設けることにより、上側ブランク1aおよび下側ブランク1cに設けられた注水口2のうち、いずれかを省略することができる。
上記構成のブランク1を上下金型4、5に装入し、上ブランク1aの注水口2と下ブランク1bの注水口2とから同時に同一圧力の加工液を注入することにより、加工液の漏洩を生ずることなく、上ブランク1aと下ブランク1bが膨出変形し上下金型のキャビティー4a、5aに沿って張り付く。このとき、中間部に位置する中ブランク1cは、その両側から等しい圧力を受けるために変形しない成形品を得ることができる(図10(b))。
図11は、本発明の第2の加工装置を用いてプリフォーム成形を実施した3枚の金属板を膨出加工する成形過程を説明する図であり、(a)および(b)は長手方向の直角面における断面構成を、(c)は長手方向に沿う断面構成を、(d)は3枚の金属板の構成例を示している。プレス加工によってプリフォーム成形を実施することにより、さらに複雑な成形品を加工することができる。
出発素材となる3枚のブランク1は、上ブランク1a、下ブランク1bおよび中ブランク1cで構成され、下ブランク1bと中ブランク1cは溶接ラインLに沿って重ね合わせ溶接され、その上面に接合されていないブランク1aを配して構成される(図11(d))。
図11(a)に示すように、準備された3枚のブランク1は、プレス金型16内でポンチ17を用いて3枚板とも同時に加工され、プリフォーム成形される。次に、図11(b)、(c)に示すように、内圧付与し膨出加工を施すため、3枚のブランク1はハイドロフォーム加工装置内の上下金型4、5で挟持され、その両面に摺動シール9が設けられ、これらの外周側に金型シール15が設けられる。
下金型5に設けられた注入孔6からブランク1に加工液を注入すると、加工液の漏洩を生ずることなく、3枚のブランクのうち上側ブランク1aと下側ブランク1bが膨出変形する。中ブランク1cは、その上下両側から等しい圧力を受けるために変形を生じない。
本発明のハイドロフォーム加工製品は、第1、第2の加工装置を用い、2枚以上の金属板を出発素材として膨出加工が施されたものであるから、自動車の車体構造部品として多層部材に最適であり、例えば、サイドメンバ、サイドシル、フロントピラー、サイドルーフレール、センターピラー、バンパーなどに適用することができる。この場合に、出発素材となるブランクは、衝突特性を改善するため高張力鋼板(例えば、引張強さ400MPa以上)を採用するのが望ましい。
本発明のハイドロフォーム加工装置および加工方法によれば、金属板の周縁部に重ね合わせ溶接を実施しなくとも、加工液の漏洩防止を図り確実なシールが可能となり、深絞り成形品が得られ、かつ複数部品を同時に成形できるので、優れた生産効率からなるハイドロフォーム加工製品を得ることができる。
さらに、周縁部を溶接しなくとも深絞り部品が成形できるので、成形品の内部にウエルドナットなどの付加的な部品を装着も可能である。また、上下部品等の複数部品を同時に成形できるので、複数部品の組み立て時のフランジ合わせ面の加工精度も良好であり、最終工程の複数部品の溶接組み立てにおいて良好な組み立て精度を確保できる。これらにより、益々、高度化する自動車用部品に対する要求レベルにも対応できるので、自動車用部品の加工技術として広く適用できる。
従来のハイドロフォーム加工(例えば、特許文献1で提案の方法)に用いるブランクおよびそのシール接合を説明する斜視図である。 従来のハイドロフォーム加工により、重ね板ブランクを出発素材として成形品を加工する方法を説明する断面図である。 ハイドロフォーム加工において金属板の流れ込みが生じた場合にOリングに発生する破損状態を説明する図である。 本発明の第1の加工装置の全体構成を示す図であり、(a)は上下金型で2枚の金属板を峡持した成形前の構成を示し、(b)は金属板を膨出加工した成形後の構成を示している。 本発明で採用することができる摺動シールの構成を示す図であり、(a)および(b)は具体的な断面構成例を示している。 本発明で採用することができる非摺動シールの断面を示す図である。 本発明の第2の加工装置の全体構成を示す図であり、(a)は上下金型で2枚の金属板を峡持した成形前の構成を示し、(b)は金属板を膨出加工した成形後の構成を示している。 本発明の第1の加工装置の実施形態における要部構成を示す図である。 本発明の第2の加工装置の実施形態における要部構成を示す図である。 本発明の第1の加工装置を用いて3枚の金属板を膨出加工する成形過程を説明する図である。 本発明の第2の加工装置を用いてプリフォーム成形を実施した3枚の金属板を膨出加工する成形過程を説明する図である。
符号の説明
1:金属板、ブランク、 1a:上ブランク
1b:下ブランク、 1c:中ブランク
2:注水口、 3:製品、成形品
4:上金型、 5:下金型
4a、5a:キャビティー、 4b、5b:板押さえ面
6:注入孔、 7:シール溝
8:Oリング、 9:摺動シール
10:非摺動シール、 11:スライド
12:ベッド、 13:シールリング
14:補強材、 15:金型シール
16:板押さえ手段、 16a:シール手段
17:絞りビード、 L:溶接ライン
S:スペース

Claims (11)

  1. 成形品の外郭形状と同じ内郭形状を有するキャビティーおよびその周縁部に設けられた板押さえ面を具備し、2枚以上の金属板を前記板押さえ面で峡持する上下一対の金型と、前記金属板の間に加工液を注入する手段とを設け、前記注入手段を駆動させて加工液を注入し、前記キャビティーに沿わせて前記金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工装置であって、
    前記金属板の最上下面のいずれか一方または両方に当接する前記板押さえ面の全周に亘り設けられ、膨出加工にともなう前記金属板の流れ込みに対応して加工液をシールする摺動シールと、
    前記摺動シールの外周側であって、前記金属板の最上下面の他方に当接する前記板押さえ面の全周に亘り設けられ、前記金属板の流れ込みをなくし、かつ加工液をシールする非摺動シールと、を配設することを特徴とするハイドロフォーム加工装置。
  2. 成形品の外郭形状と同じ内郭形状を有するキャビティーおよびその周縁部に設けられた板押さえ面を具備し、2枚以上の金属板を前記板押さえ面で峡持する上下一対の金型と、前記金属板の間に加工液を注入する手段とを設け、前記注入手段を駆動させて加工液を注入し、前記キャビティーに沿わせて前記金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工装置であって、
    前記金属板の最上面および最下面に当接する前記板押さえ面の全周に亘り設けられ、膨出加工にともなう前記金属板の流れ込みに対応して加工液をシールする摺動シールと、
    前記摺動シールのいずれもの外周側であって、前記金属板を峡持する領域を外れた部位に上下金型間で加工液をシールする金型シールと、を配設することを特徴とするハイドロフォーム加工装置。
  3. 前記金属板の周縁部を押圧する板押さえ手段を設けることを特徴とする請求項1または2に記載のハイドロフォーム加工装置。
  4. 前記板押さえ手段の板押さえ力を可変とする機構を設けることを特徴とする請求項3に記載のハイドロフォーム加工装置。
  5. 前記摺動シールと別個に、前記金属板の最上下面に当接する前記板押さえ面に絞りビードを設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイドロフォーム加工装置。
  6. 成形品の外郭形状と同じ内郭形状を有するキャビティーおよびその周縁部に設けられた板押さえ面を具備する上下一対の金型を用い、2枚以上の金属板を前記板押さえ面で峡持したのち、前記金属板の間に加工液を注入し、前記キャビティーに沿わせて前記金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工方法であって、
    前記金属板の最上下面のいずれか一方または両方に当接する前記板押さえ面の全周に亘り、前記金属板の流れ込みに対応して加工液をシールする摺動シールを設けるとともに、
    前記摺動シールの外周側であって、前記金属板の最上下面の他方に当接する前記板押さえ面の全周に亘り、前記金属板の流れ込みをなくし、かつ加工液をシールする非摺動シールを設けた状態で膨出加工を施すことを特徴とするハイドロフォーム加工方法。
  7. 成形品の外郭形状と同じ内郭形状を有するキャビティーおよびその周縁部に設けられた板押さえ面を具備する上下一対の金型を用い、2枚以上の金属板を前記板押さえ面で峡持したのち、前記金属板の間に加工液を注入し、前記キャビティーに沿わせて前記金属板を膨出加工するハイドロフォーム加工方法であって、
    前記金属板の最上面および最下面に当接する前記板押さえ面の全周に亘り、膨出加工にともなう前記金属板の流れ込みに対応して加工液をシールする摺動シールを設けるとともに、
    前記摺動シールのいずれもの外周側であって、前記金属板を峡持する領域を外れた部位に上下金型間で加工液をシールする金型シールを設けた状態で膨出加工を施すことを特徴とするハイドロフォーム加工方法。
  8. 前記金属板を3枚以上挟持した場合に、少なくとも2枚の金属板の周縁部全周に亘り重ね合わせ溶接を施し、溶接された当該金属板の間にも加工液を注入し、膨出加工を施すことを特徴とする請求項6または7に記載のハイドロフォーム加工方法。
  9. 前記金属板の周縁部を押圧する板押さえ手段を設け、板押さえ力を制御しつつ、膨出加工を施すことを特徴とすることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のハイドロフォーム加工方法。
  10. プリフォーム成形を実施した2枚以上の金属板を峡持したのち、前記金属板の間に加工液を注入し、膨出加工を施すことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のハイドロフォーム加工方法。
  11. 請求項1〜5に記載のハイドロフォーム加工装置を用い、2枚以上の金属板を出発素材として、前記金属板の間に加工液が注入され、膨出加工が施されたことを特徴とするハイドロフォーム加工製品。
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