JP5609749B2 - 金属板からなる液圧バルジ成形品の製造方法、液圧バルジ成形用金型、及び液圧バルジ成形品 - Google Patents
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Description
液圧バルジ成形品の外郭形状と同一の内郭形状の第1のキャビティと、第1の金属板に当接して成形素材を挟持するための第1のフランジ面とを有する第1の金型と、
液圧バルジ成形品の外郭形状と同一の内郭形状の第2のキャビティと、第2の金属板に当接して前記成形素材を挟持するための第2のフランジ面とを有する第2の金型とを備え、さらに、
第1のフランジ面であって第1のキャビティの周囲の全部又は一部に、第1のフランジ面から突出して設けられた凸部又は第1のフランジ面から凹んで設けられた凹部であって、第1の金属板のフランジ部を沿わせながら第1の金属板を第1のキャビティに流入させるための流入抵抗増加部を備えること
を特徴とする液圧バルジ成形用金型である。
1.本発明に係る液圧バルジ成形用金型
図1(a)〜図1(e)は、本発明に係る液圧バルジ成形用金型20の各種構成を示す説明図である。
流入抵抗増加部26は、図1(a)、図1(b)、図1(d)に示すように、第1のフランジ面24bに設けられた凸部26であるか、又は図1(c)、図1(e)に示すように第1のフランジ面24bに設けられた凹部26であることが好ましい。
図5に示すように、流入抵抗増加部26は、キャビティ24aを囲む全周や、キャビティ24aを囲む一部に設ければよい。特に、図6(a)に示すように、伸びフランジ変形となる部分に相当する部分24cや、T字形状の直線部分に相当する部分24d、さらには図6(b)に示すように面外に屈曲した形状の部分に相当する部分24eに限定して、流入抵抗増加部26を設けることによって膨出部の無用な肉厚減少を防止しながらエッジ付近の割れや膨出部のしわを抑制する大きな効果を得られる。
図7は、伸びフランジ形状部品を成形する場合に、流入抵抗増加部を設けるべき部分と、流入抵抗増加部が無用な部分とを示す説明図である。
この本発明に係る液圧バルジ成形用金型を用いることにより、後述する本発明に係る金属板の液圧バルジ成形方法を実施することができる。なお、狭部26−1は、第1の金型24の肩から離れた位置でも構わないが、第1の金型24の肩に隣接するほうが、成形後のフランジ巾を縮小できるために好ましい。
本発明は、金型20を用いる液圧バルジ成形方法であって、具体的には、上述した成形素材19を、第1の金型24の第1のフランジ面24bと、第2の金型25の第2のフランジ面25bとの間で挟持し、成形素材19の内部に液体を注入して内部を加圧することによって、少なくとも、第1の金属板21を第1のキャビティ24aの内部へ流入させるとともに第2の金属板22を第2のキャビティ25aの内部へ流入させて、成形素材19を膨出変形させる。
本発明に係る液圧バルジ成形品は、最外側に第1の金属板21及び第2の金属板22を有して重ね合わされるとともに周縁部を接合部19aにより接合された複数の金属板を成形素材とし、かつ外縁部にフランジを有する液圧バルジ成形品である。
この本発明によれば、フランジ部が、従来品のフランジ部に比べて、より加工硬化しているため、製品全体の剛性が向上する。
本実施例では、まず1枚のみに予め注水孔をあけた2枚1組の平板ブランク(引張強さ:632MPa、伸び:32.6%、板厚:1.4mm)を重ね合わせ、全周を溶接した接合ブランクを用意した。
この接合ブランクを、L字形状の図8に示すキャビティを有する上下の金型で侠持し、2枚のブランク間に成形水を圧入する液圧バルジ成形試験を行った。本試験は通常の液圧バルジ成形とは異なり、あえて接合ブランクのエッジ付近が大きく変形するように金型を設計したものである。
(i)図10は、伸びフランジ部におけるフランジ流入量を示す説明図である。図11は、本発明例及び比較例の試験結果をまとめて示す説明図である。
(ii)図12は、本発明例及び比較例それぞれの伸びフランジ部のエッジに発生する伸びひずみを示すグラフである。
(iii)比較例の試験サンプルでは、伸びフランジ形状部分の中央で、板のエッジに割れが発生したのに対して、本発明による試験サンプルでは、割れを防止することができた。
本実施例では、まず1枚のみに予め注水孔をあけた2枚1組の平板ブランク(引張強さ:632MPa、伸び:32.6%、板厚:1.4mm)を重ね合わせ、全周を溶接した接合ブランクを用意した。
この接合ブランクを、T字形状の図15に示すキャビティを有する上下の金型で侠持し、2枚のブランク間に成形水を圧入する液圧バルジ成形について、符号30の部分に、図9に示す形状の流入抵抗増加部26を設けた本発明例と、従来技術の比較例とを実施した。
比較例では、図13の部分31にしわが発生したのに対して、本発明による試験結果では、しわの発生を抑制することができた。
本実施例では、まず1枚のみに予め注水孔をあけた2枚1組の平板ブランク(引張強さ:632MPa、伸び:32.6%、板厚:1.4mm)を重ね合わせ、全周を溶接した接合ブランクを用意した。
この接合ブランクを、面外に屈曲した形状の図14に示すキャビティ33を有する上下金型で侠持し、2枚のブランク間に成形水を圧入する液圧バルジ成形について、部分32に、図9に示す形状の流入抵抗増加部26を設けた本発明例と、従来技術の比較例とを実施した。
比較例では、図14における部分33にしわが発生したのに対して、本発明による試験結果では、しわの発生を抑制することができた。
図15に示す断面形状について、横軸回りの全塑性曲げモーメントを比較した。図15(a)は従来の液圧バルジ成形による成形品を表しており、断面の全域に4%の成形ひずみが生じていると仮定して、全塑性曲げモーメントを演算により求めた。図15(b)は本発明による成形品を表しており、フランジ面に設けた凹凸に接するフランジ部(両斜線部)のみ、前述の強加工により、引張強さに近い強度まで加工硬化しているものとした。
1a、1b ブランク
2 注水口
3 成形品
4a キャビティ
4b 板押さえ面
4 上金型
5a キャビティ
5b 板押さえ面
5 下金型
6 注入孔
7 シール溝
8,9 金属板
8a、9a フランジ部
10 接合部
11 成形素材
12,13 金型
12a、13a ビード
19 成形素材
19a 接合部
20 本発明に係る液圧バルジ成形用金型
21〜23 金属板
24 第1の金型(上金型)
24a 第1のキャビティ
24b 第1のフランジ面
25 第2の金型(下金型)
25a 第2のキャビティ
25b 第2のフランジ面
26 流入抵抗増加部
26−1 狭部
26−2 広部
27〜33 部分
Claims (6)
- 最外側に第1の金属板及び第2の金属板を有して重ね合わされて周縁部を接合された複数の金属板からなる成形素材を、製品の外郭形状と同一の内郭形状の第1のキャビティを有する第1の金型の第1のフランジ面と、製品の外郭形状と同一の内郭形状の第2のキャビティを有する第2の金型の第2のフランジ面との間で挟持し、該成形素材の内部に液体を注入して該内部を加圧することによって、少なくとも、前記第1の金属板を前記第1のキャビティの内部へ流入させるとともに前記第2の金属板を前記第2のキャビティの内部へ流入させて、前記成形素材を膨出変形させる液圧バルジ成形品の製造法において、
前記第1の金属板を、該第1の金属板のフランジ部が前記第1のフランジ面であって前記第1のキャビティの周囲の全部又は一部に、前記第1のフランジ面から突出して設けられた凸部又は前記第1のフランジ面から凹んで設けられた凹部である流入抵抗増加部に沿いながら、前記第1のキャビティの内部に流入させるとともに、前記第2の金属板のフランジ部を、該第2の金型の前記第2のフランジ面に沿いながら、前記第2のキャビティの内部に流入させること
を特徴とする金属板からなる液圧バルジ成形品の製造方法。 - 前記流入抵抗増加部は、前記成形素材の伸びフランジ形状部分、T字型の前記成形素材における、少なくとも二辺の接合部の外辺部分を含む部分、又は型締めした際に円弧部を有する成形素材における、少なくとも一方の金属板の円弧形状となるフランジ部分のうちの1又は2以上に相当する部分にのみ設けられることを特徴とする請求項1に記載された金属板からなる液圧バルジ成形品の製造方法。
- 最外側に第1の金属板及び第2の金属板を有して重ね合わされるとともに周縁部を接合された複数の金属板を成形素材とする液圧バルジ成形品を製造するための液圧バルジ成形用金型であって、
前記液圧バルジ成形品の外郭形状と同一の内郭形状の第1のキャビティと、前記第1の金属板に当接して前記成形素材を挟持するための第1のフランジ面とを有する第1の金型と、前記液圧バルジ成形品の外郭形状と同一の内郭形状の第2のキャビティと、前記第2の金属板に当接して前記成形素材を挟持するための第2のフランジ面とを有する第2の金型とを備え、さらに、
前記第1のフランジ面であって前記第1のキャビティの周囲の全部又は一部に、前記第1のフランジ面から突出して設けられた凸部又は前記第1のフランジ面から凹んで設けられた凹部であって、該第1の金属板のフランジ部を沿わせながら前記第1の金属板を前記第1のキャビティに流入させるための流入抵抗増加部を備えること
を特徴とする液圧バルジ成形用金型。 - 前記流入抵抗増加部は、前記第1の金型と前記第2の金型との間隔が挟持された前記成形素材の厚さ以上である狭部と、前記間隔が前記狭部の間隔よりも大きい広部とを有し、
前記狭部及び前記広部は、前記成形素材の接合部を挟持する部分と、前記第1のキャビティ又は前記第2のキャビティとの間に隣り合って配置されるとともに、
前記狭部は前記広部よりも前記第1のキャビティ又は前記第2のキャビティに近い位置に配置されること
を特徴とする請求項3に記載された液圧バルジ成形用金型。 - 前記流入抵抗増加部は、前記成形素材の伸びフランジ形状部分、T字型の前記成形素材における、少なくとも二辺の接合部の外辺部分を含む部分、又は、型締めした際に円弧部を有する成形素材における、少なくとも一方の金属板の円弧形状となるフランジ部分のうちの1又は2以上に相当する部分にのみ設けられることを特徴とする請求項3または請求項4に記載された液圧バルジ成形用金型。
- 最外側に第1の金属板及び第2の金属板を有して重ね合わされるとともに周縁部を接合された複数の金属板を成形素材とし、かつ外縁部にフランジを有する液圧バルジ成形品であって、
前記第1の金属板における前記フランジを構成する部分に、曲げ変形による凸部及び/又は凹部を備えること、
前記第2の金属板における前記フランジを構成する部分であって前記凸部及び/又は凹部に対向する位置に、略平坦な形状部を有すること、及び
前記凸部及び/又は凹部が形成された位置における、前記第1の金属板の外面と、前記第2の金属板の外面との間隔は、前記複数枚の金属板それぞれの板厚の合計よりも大きいこと
を特徴とする液圧バルジ成形品。
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