JP2005014033A - 管状部材の液圧成形方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液圧成形を用いて管状部材を形成する際に発生する管状部材のしわや薄肉化の発生を防止すること。
【解決手段】金属板K1、K2同士を重ね合わせてその外周部9aを溶接することにより形成された仮成形品9を上下一対の凹状型間1,2に挟み込み、該仮成形品1,2の金属板K1、K2間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品9を凹状型1,2内で膨張させる管状部材の液圧成形方法において、前記外周部9aの凹状型内1,2への流入を任意に調整しながら該仮成形品9を凹状型1,2内で膨張させることとした。
【選択図】 図2
【解決手段】金属板K1、K2同士を重ね合わせてその外周部9aを溶接することにより形成された仮成形品9を上下一対の凹状型間1,2に挟み込み、該仮成形品1,2の金属板K1、K2間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品9を凹状型1,2内で膨張させる管状部材の液圧成形方法において、前記外周部9aの凹状型内1,2への流入を任意に調整しながら該仮成形品9を凹状型1,2内で膨張させることとした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の排気管などの管状部材の製造に好適に用いられる管状部材の液圧成形装置及び成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、2枚の金属板を重ね合わせてその外周部同士を溶接して形成された仮成形品を上下一対の凹状型で挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させて所望の管状部材を得る技術が公知となっている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−347643号公報 (第1−3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した仮成形品の外周部は該仮成形品の膨張に伴って凹状型内に引き込まれて流入するが、金属板の製品ロッドの違いによる性質の変化や凹状型内と液状成形媒体の潤滑具合によって前記外周部の流入が安定しないため、成形具合の再現性に乏しく品質も低下するという問題点があった。
なお、前記外周部の流入が多い場合には管状部材にしわが発生し、一方、少ない場合には膨張した部位が薄肉化して強度が低下する。
【0005】
また、このような問題は外周部の流入具合から金属板材の厚みや外周部の溶接位置を予め決定することである程度対応できるものの、製造ライン上で大量生産される自動車の排気管のような管状部材において、材料の製品ロッド毎に仮成形品の溶接位置や厚みをその都度設定することは実際上不可能である。
【0006】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、仮成形品の外周部における凹状型内への流入を調整して管状部材のしわの発生や薄肉化を防止できる管状部材の液圧成形方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型間に挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形方法において、前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整しながら該仮成形品を凹状型内で膨張させることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明では、金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型で挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形装置において、前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整可能な調整機構を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の管状部材の液圧成形装置において、調整機構が外周部を固定して凹状型内への流入を抑止させることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明では、請求項2記載の管状部材の液圧成形装置において、調整機構が外周部の凹状型内への流入を任意に促進させることを特徴とする。
【0011】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の発明にあっては、金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型間に挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形方法において、前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整しながら該仮成形品を凹状型内で膨張させるため、前記外周部の流入の多少により生じる管状部材のしわの発生や薄肉化を防止でき、製造ライン上で大量生産される自動車の排気管のような管状部材の製造に用いて好適となる上、成形具合の再現性と品質が著しく向上した管状部材の液圧成形方法を提供できる。
【0012】
請求項2記載の発明にあっては、金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型で挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形装置において、前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整可能な調整機構を備えるため、前記外周部の流入の多少により生じる管状部材のしわの発生や薄肉化を防止でき、成形具合の再現性と品質が向上した管状部材の液圧成形装置を提供できる。
【0013】
請求項3記載の発明にあっては、調整機構が外周部を固定して凹状型内への流入を抑止させるため、外周部の流入が安定しない場合でも、該流入が多くなるのを防止でき、結果、管状部材のしわの発生を防止できる。
【0014】
請求項4記載の発明にあっては、調整機構が外周部を凹状型内へ押圧して凹状型内への流入を促進させるため、外周部の流入が安定しない場合でも、該流入が少なくなるのを防止でき、結果、管状部材の薄肉化を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の管状部材の液圧成形方法及び装置の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態では管状部材を自動車の排気管に適用した例について説明する。
【0016】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1を説明する。
図1は本発明の実施の形態1の管状部材の側断面図、図2は本実施の形態の管状部材の液圧成形装置の作動を説明する図、図3は抑止機構の作動を説明する図である。
【0017】
本実施の形態では調整機構が後述する抑止機構3である場合について説明する。
図1に示すように、本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Aは、図外の油圧装置により上下方向に移動可能な凹状型1と、該凹状型1に対面して下方に設置された凹状型2と、前記凹状型1内の左右に設けられた抑止機構3を主要な構成としている。
【0018】
前記凹状型1,2の当接面1a,2aには製造すべき排気管の外周半径に対応する凹状の成形面4,5が製造すべき排気管の長さで形成されると共に、該成形面4,5のそれぞれの両端部に連続して外周溝6,7がそれぞれ形成されている。
【0019】
前記抑止機構3は、前記外周溝7の上方に配置される押圧部3aと、該押圧部3aを支持するアクチュエータ3bと、該アクチュエータ3bに接続された油圧ケーブル3c及び油圧ポンプ3d等から構成されている。
【0020】
また、前記油圧ポンプ3dの作動は図外の制御装置によって制御され、該油圧ポンプ3dによりアクチュ−エータ3bのロッドRが上下方向に伸縮することにより、押圧部3aが上下動するようになっている。
なお、前記油圧ポンプ3dは左右2つ配置されて同時に作動するが、1つの油圧ポンプで左右のアクチュ−エータ3bを作動させても良い。
【0021】
以下、図2、3を用いて本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Aの作動について説明する。
本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Aを用いて自動車の排気管を製造する際には、先ず、排気管の材料となる金属板K1,K2を重ね合わせてその外周部9aを溶接することにより仮成形品9を形成する。
【0022】
次に、図2(a)、(b)に示すように、仮成形品9を凹状型2に載置した状態で凹状型1を下方へ移動させて当接面1a,2a同士を重ね合わせると、仮成形品9の外周部9aが凹状型1,2の外周溝6,7に当接して挟まれた状態となる。
【0023】
次に、図2(c)に示すように、該仮成形品9の金属板K1,K2間に高圧の液状成形媒体を供給して仮成形品9を凹状型1,2内で膨張させることにより、外周部9aを除く部位が凹状型1,2内の成形面4,5に当接して排気管Hが形成される。
この際、図3(a)に示すように、仮成形品9は液状成形媒体により凹状型1,2内で膨張に伴って図中矢印x方向へ引き込まれて凹状型1,2内へ流入するが、予め決められたタイミングで抑止機構3が作動し、図3(b)に示すように、押圧部3aが下方へ移動して外周溝7との間で外周部9aを固定することにより、外周部9aの凹状型1,2内への流入を抑止し、結果、該流入の多すぎによる排気管のしわの発生を防止する。
【0024】
なお、前記タイミングは液圧成形が始まって一定時間が経過した際や凹状型1,2内の液状成形媒体の圧力が所定値になった際など適宜設定することができる。
また、センサやカメラ、目視等で外周部9aの流入具合を監視しながら抑止機構3を作動させても良い。
また、押圧部3aの下方への押圧力を連続的に変化させて流入具合を調整することもできる。
【0025】
従って、本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Aにあっては、外周部9aを押圧部3aで任意に固定して凹状型1,2内への流入を抑止することにより、排気管にしわが発生するのを防止でき、従来の発明と比べて品質の向上した所望の管状部材を得ることができる。
【0026】
<実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2を説明する。
図4は本発明の実施の形態2の管状部材の側断面図、図5は本実施の形態の管状部材の液圧成形装置の作動を説明する図、図6は促進機構の作動を説明する図である。
【0027】
本実施の形態では調整機構が後述する促進機構30である場合について説明する。
図4、5に示すように、本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Bは、図外の油圧装置により上下方向に移動可能な凹状型10と、該凹状型10に対面して下方に設置された凹状型20と、前記凹状型10内の左右に設けられた促進機構30を主要な構成としている。
【0028】
前記凹状型10,20の当接面10a,20aには製造すべき排気管の外周半径に対応する凹状の成形面40,50が製造すべき排気管の長さで形成されている。
前記促進機構30は、突片30eを備える押圧部30aと、該押圧部30aを支持するアクチュエータ30bと、該アクチュエータ30bに接続された油圧ケーブル30c及び油圧ポンプ30d等から構成されている。
また、前記油圧ポンプ30dの作動は図外の制御装置によって制御され、該油圧ポンプ30dによりアクチュ−エータ30bのロッドR1が左右方向に伸縮することにより、押圧部30aが左右に移動するようになっている。
【0029】
以下、図5、6を用いて本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Bの作動について説明する。
本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Bを用いて自動車の排気管を製造する際には、先ず、排気管の材料となる金属板K10,K20を重ね合わせてその外周部90aを溶接することにより仮成形品90を形成する。
【0030】
次に、図5(a)、(b)に示すように、仮成形品90を凹状型20に載置した状態で凹状型10を下方へ移動させて凹状型1,2同士を重ね合わせると、仮成形品90の外周部90aは、凹状型10,20の当接面10a,20aに当接して挟まれた状態となる。
【0031】
次に、図5(c)に示すように、該仮成形品90の金属板K10,K20間に高圧の液状成形媒体を供給して仮成形品90を凹状型10,20内で膨張させることにより、外周部90aを除く部位が凹状型10,20内の成形面40,50に当接して排気管H1が形成される。
この際、図6(a)に示すように、仮成形品9は液状成形媒体により凹状型1,2内で膨張に伴って図中矢印x1方向へ引き込まれて凹状型1,2内へ流入するが、予め決められたタイミングで促進機構3が作動し、図6(b)に示すように、押圧部30aが凹状型10,20内の方へ移動して突片30eの先端で外周部90aを押圧することにより、外周部90aの凹状型10,20内への流入を促進させ、結果、該流入の少なすぎによる排気管の薄肉化を防止する。
【0032】
なお、前記タイミングは液圧成形が始まって一定時間が経過した際や凹状型10,20内の液状成形媒体の圧力が所定値になった際など適宜設定することができる。
また、センサやカメラ、目視等で外周部90aの流入具合を監視しながら促進機構30を作動させても良い。
また、突片30eの凹状型10,20内の方への押圧力を連続的に変化させて流入具合を調整することもできる。
【0033】
従って、本実施の形態の管状部材の液圧成形装置にあっては、促進機構30が外周部90aを突片30eで任意に押圧して凹状型10,20内への流入を促進させることにより、排気管が薄肉化して強度が低下するのを防止でき、従来の発明と比べて品質の向上した所望の管状部材を得ることができる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、本実施の形態で説明した抑止機構3は、外周部9aが凹状型1,2内へ流入するのを抑止する機能を備えていれば良く、本実施の形態の構造に限定されるものではない。
また、促進機構30も同様に外周部90aが凹状型10,20内へ流入するのを促進させる機能を備えている構造であれば良い。
さらに、1つの仮成形品に対して抑止機構3及び促進機構30を適宜組み合わせることによって複雑な形状の管状部材に対応できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態1の管状部材の側断面図である。
【図2】本実施の形態の管状部材の液圧成形装置の作動を説明する図である。
【図3】抑止機構の作動を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態2の管状部材の側断面図である。
【図5】本実施の形態の管状部材の液圧成形装置の作動を説明する図である。
【図6】促進機構の作動を説明する図である。
【符号の説明】
A、B 管状部材の液圧成形装置
K1、K2、K10、K20 金属板
O1、O2 空間
R1、R2 ロッド
1、10、2、20 凹状型
1a、2a、10a、20a
3 抑止機構
3a、30a 押圧部
3b、30b アクチュエータ
3c、30c 油圧ケーブル
3d、30d 油圧ポンプ
30e 突片
30 促進機構
4、40、5、50 成形面
6、7 外周溝
9、90 仮成形品
9a、90a 外周部
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の排気管などの管状部材の製造に好適に用いられる管状部材の液圧成形装置及び成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、2枚の金属板を重ね合わせてその外周部同士を溶接して形成された仮成形品を上下一対の凹状型で挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させて所望の管状部材を得る技術が公知となっている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−347643号公報 (第1−3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した仮成形品の外周部は該仮成形品の膨張に伴って凹状型内に引き込まれて流入するが、金属板の製品ロッドの違いによる性質の変化や凹状型内と液状成形媒体の潤滑具合によって前記外周部の流入が安定しないため、成形具合の再現性に乏しく品質も低下するという問題点があった。
なお、前記外周部の流入が多い場合には管状部材にしわが発生し、一方、少ない場合には膨張した部位が薄肉化して強度が低下する。
【0005】
また、このような問題は外周部の流入具合から金属板材の厚みや外周部の溶接位置を予め決定することである程度対応できるものの、製造ライン上で大量生産される自動車の排気管のような管状部材において、材料の製品ロッド毎に仮成形品の溶接位置や厚みをその都度設定することは実際上不可能である。
【0006】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、仮成形品の外周部における凹状型内への流入を調整して管状部材のしわの発生や薄肉化を防止できる管状部材の液圧成形方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型間に挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形方法において、前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整しながら該仮成形品を凹状型内で膨張させることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明では、金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型で挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形装置において、前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整可能な調整機構を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の管状部材の液圧成形装置において、調整機構が外周部を固定して凹状型内への流入を抑止させることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明では、請求項2記載の管状部材の液圧成形装置において、調整機構が外周部の凹状型内への流入を任意に促進させることを特徴とする。
【0011】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の発明にあっては、金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型間に挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形方法において、前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整しながら該仮成形品を凹状型内で膨張させるため、前記外周部の流入の多少により生じる管状部材のしわの発生や薄肉化を防止でき、製造ライン上で大量生産される自動車の排気管のような管状部材の製造に用いて好適となる上、成形具合の再現性と品質が著しく向上した管状部材の液圧成形方法を提供できる。
【0012】
請求項2記載の発明にあっては、金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型で挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形装置において、前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整可能な調整機構を備えるため、前記外周部の流入の多少により生じる管状部材のしわの発生や薄肉化を防止でき、成形具合の再現性と品質が向上した管状部材の液圧成形装置を提供できる。
【0013】
請求項3記載の発明にあっては、調整機構が外周部を固定して凹状型内への流入を抑止させるため、外周部の流入が安定しない場合でも、該流入が多くなるのを防止でき、結果、管状部材のしわの発生を防止できる。
【0014】
請求項4記載の発明にあっては、調整機構が外周部を凹状型内へ押圧して凹状型内への流入を促進させるため、外周部の流入が安定しない場合でも、該流入が少なくなるのを防止でき、結果、管状部材の薄肉化を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の管状部材の液圧成形方法及び装置の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態では管状部材を自動車の排気管に適用した例について説明する。
【0016】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1を説明する。
図1は本発明の実施の形態1の管状部材の側断面図、図2は本実施の形態の管状部材の液圧成形装置の作動を説明する図、図3は抑止機構の作動を説明する図である。
【0017】
本実施の形態では調整機構が後述する抑止機構3である場合について説明する。
図1に示すように、本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Aは、図外の油圧装置により上下方向に移動可能な凹状型1と、該凹状型1に対面して下方に設置された凹状型2と、前記凹状型1内の左右に設けられた抑止機構3を主要な構成としている。
【0018】
前記凹状型1,2の当接面1a,2aには製造すべき排気管の外周半径に対応する凹状の成形面4,5が製造すべき排気管の長さで形成されると共に、該成形面4,5のそれぞれの両端部に連続して外周溝6,7がそれぞれ形成されている。
【0019】
前記抑止機構3は、前記外周溝7の上方に配置される押圧部3aと、該押圧部3aを支持するアクチュエータ3bと、該アクチュエータ3bに接続された油圧ケーブル3c及び油圧ポンプ3d等から構成されている。
【0020】
また、前記油圧ポンプ3dの作動は図外の制御装置によって制御され、該油圧ポンプ3dによりアクチュ−エータ3bのロッドRが上下方向に伸縮することにより、押圧部3aが上下動するようになっている。
なお、前記油圧ポンプ3dは左右2つ配置されて同時に作動するが、1つの油圧ポンプで左右のアクチュ−エータ3bを作動させても良い。
【0021】
以下、図2、3を用いて本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Aの作動について説明する。
本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Aを用いて自動車の排気管を製造する際には、先ず、排気管の材料となる金属板K1,K2を重ね合わせてその外周部9aを溶接することにより仮成形品9を形成する。
【0022】
次に、図2(a)、(b)に示すように、仮成形品9を凹状型2に載置した状態で凹状型1を下方へ移動させて当接面1a,2a同士を重ね合わせると、仮成形品9の外周部9aが凹状型1,2の外周溝6,7に当接して挟まれた状態となる。
【0023】
次に、図2(c)に示すように、該仮成形品9の金属板K1,K2間に高圧の液状成形媒体を供給して仮成形品9を凹状型1,2内で膨張させることにより、外周部9aを除く部位が凹状型1,2内の成形面4,5に当接して排気管Hが形成される。
この際、図3(a)に示すように、仮成形品9は液状成形媒体により凹状型1,2内で膨張に伴って図中矢印x方向へ引き込まれて凹状型1,2内へ流入するが、予め決められたタイミングで抑止機構3が作動し、図3(b)に示すように、押圧部3aが下方へ移動して外周溝7との間で外周部9aを固定することにより、外周部9aの凹状型1,2内への流入を抑止し、結果、該流入の多すぎによる排気管のしわの発生を防止する。
【0024】
なお、前記タイミングは液圧成形が始まって一定時間が経過した際や凹状型1,2内の液状成形媒体の圧力が所定値になった際など適宜設定することができる。
また、センサやカメラ、目視等で外周部9aの流入具合を監視しながら抑止機構3を作動させても良い。
また、押圧部3aの下方への押圧力を連続的に変化させて流入具合を調整することもできる。
【0025】
従って、本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Aにあっては、外周部9aを押圧部3aで任意に固定して凹状型1,2内への流入を抑止することにより、排気管にしわが発生するのを防止でき、従来の発明と比べて品質の向上した所望の管状部材を得ることができる。
【0026】
<実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2を説明する。
図4は本発明の実施の形態2の管状部材の側断面図、図5は本実施の形態の管状部材の液圧成形装置の作動を説明する図、図6は促進機構の作動を説明する図である。
【0027】
本実施の形態では調整機構が後述する促進機構30である場合について説明する。
図4、5に示すように、本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Bは、図外の油圧装置により上下方向に移動可能な凹状型10と、該凹状型10に対面して下方に設置された凹状型20と、前記凹状型10内の左右に設けられた促進機構30を主要な構成としている。
【0028】
前記凹状型10,20の当接面10a,20aには製造すべき排気管の外周半径に対応する凹状の成形面40,50が製造すべき排気管の長さで形成されている。
前記促進機構30は、突片30eを備える押圧部30aと、該押圧部30aを支持するアクチュエータ30bと、該アクチュエータ30bに接続された油圧ケーブル30c及び油圧ポンプ30d等から構成されている。
また、前記油圧ポンプ30dの作動は図外の制御装置によって制御され、該油圧ポンプ30dによりアクチュ−エータ30bのロッドR1が左右方向に伸縮することにより、押圧部30aが左右に移動するようになっている。
【0029】
以下、図5、6を用いて本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Bの作動について説明する。
本実施の形態の管状部材の液圧成形装置Bを用いて自動車の排気管を製造する際には、先ず、排気管の材料となる金属板K10,K20を重ね合わせてその外周部90aを溶接することにより仮成形品90を形成する。
【0030】
次に、図5(a)、(b)に示すように、仮成形品90を凹状型20に載置した状態で凹状型10を下方へ移動させて凹状型1,2同士を重ね合わせると、仮成形品90の外周部90aは、凹状型10,20の当接面10a,20aに当接して挟まれた状態となる。
【0031】
次に、図5(c)に示すように、該仮成形品90の金属板K10,K20間に高圧の液状成形媒体を供給して仮成形品90を凹状型10,20内で膨張させることにより、外周部90aを除く部位が凹状型10,20内の成形面40,50に当接して排気管H1が形成される。
この際、図6(a)に示すように、仮成形品9は液状成形媒体により凹状型1,2内で膨張に伴って図中矢印x1方向へ引き込まれて凹状型1,2内へ流入するが、予め決められたタイミングで促進機構3が作動し、図6(b)に示すように、押圧部30aが凹状型10,20内の方へ移動して突片30eの先端で外周部90aを押圧することにより、外周部90aの凹状型10,20内への流入を促進させ、結果、該流入の少なすぎによる排気管の薄肉化を防止する。
【0032】
なお、前記タイミングは液圧成形が始まって一定時間が経過した際や凹状型10,20内の液状成形媒体の圧力が所定値になった際など適宜設定することができる。
また、センサやカメラ、目視等で外周部90aの流入具合を監視しながら促進機構30を作動させても良い。
また、突片30eの凹状型10,20内の方への押圧力を連続的に変化させて流入具合を調整することもできる。
【0033】
従って、本実施の形態の管状部材の液圧成形装置にあっては、促進機構30が外周部90aを突片30eで任意に押圧して凹状型10,20内への流入を促進させることにより、排気管が薄肉化して強度が低下するのを防止でき、従来の発明と比べて品質の向上した所望の管状部材を得ることができる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、本実施の形態で説明した抑止機構3は、外周部9aが凹状型1,2内へ流入するのを抑止する機能を備えていれば良く、本実施の形態の構造に限定されるものではない。
また、促進機構30も同様に外周部90aが凹状型10,20内へ流入するのを促進させる機能を備えている構造であれば良い。
さらに、1つの仮成形品に対して抑止機構3及び促進機構30を適宜組み合わせることによって複雑な形状の管状部材に対応できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態1の管状部材の側断面図である。
【図2】本実施の形態の管状部材の液圧成形装置の作動を説明する図である。
【図3】抑止機構の作動を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態2の管状部材の側断面図である。
【図5】本実施の形態の管状部材の液圧成形装置の作動を説明する図である。
【図6】促進機構の作動を説明する図である。
【符号の説明】
A、B 管状部材の液圧成形装置
K1、K2、K10、K20 金属板
O1、O2 空間
R1、R2 ロッド
1、10、2、20 凹状型
1a、2a、10a、20a
3 抑止機構
3a、30a 押圧部
3b、30b アクチュエータ
3c、30c 油圧ケーブル
3d、30d 油圧ポンプ
30e 突片
30 促進機構
4、40、5、50 成形面
6、7 外周溝
9、90 仮成形品
9a、90a 外周部
Claims (4)
- 金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型間に挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形方法において、
前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整しながら該仮成形品を凹状型内で膨張させることを特徴とする管状部材の液圧成形方法。 - 金属板同士を重ね合わせてその外周部を溶接することにより形成された仮成形品を上下一対の凹状型で挟み込み、該仮成形品の金属板間に高圧の液状成形媒体を供給して該仮成形品を凹状型内で膨張させる管状部材の液圧成形装置において、
前記外周部の凹状型内への流入を任意に調整可能な調整機構を備えることを特徴とする管状部材の液圧成形装置。 - 請求項2記載の管状部材の液圧成形装置において、
前記調整機構が外周部を固定して凹状型内への流入を抑止させることを特徴とする管状部材の液圧成形装置。 - 請求項2記載の管状部材の液圧成形装置において、
前記調整機構が外周部を凹状型内へ押圧して凹状型内への流入を促進させることを特徴とする管状部材の液圧成形装置。
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2003
- 2003-06-25 JP JP2003181623A patent/JP2005014033A/ja active Pending
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