JP6567120B1 - ハイドロフォーミング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】割れ、座屈及びしわが発生しにくく、且つ実用的なハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置を提供する。【解決手段】ハイドロフォーミング方法は、金型11の加工空間S1に配置された管体30に内圧を加えつつ、管体30の軸方向の長さを縮小させる方向に管体30を両端側から押圧することによって、管体30の軸と直交する断面形状を変形させるハイドロフォーミング方法であって、少なくとも第1ハイドロフォーミング工程と、第1ハイドロフォーミング工程に続く第2ハイドロフォーミング工程とを有し、第1ハイドロフォーミング工程において、管体30の軸方向と直交する断面の周長を第1長さに拡張し、第2ハイドロフォーミング工程において、管体30の軸方向と直交する断面を、管体30の第1長さの周長を維持しつつ変形させる。【選択図】図3

Description

本発明は、ハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置に関する。
近年、管体のハイドロフォーミング方法は、部品の軽量化、剛性の向上、部品数削減によるコスト削減等の観点から、自動車業界や家電業界だけでなくエネルギー産業分野においても注目されるようになってきている。ハイドロフォーミング方法は、金型内に設置された管体の内圧と軸方向の押し込み量とを調整することにより、管体を様々な形状に加工するものである。
ハイドロフォーミング方法では、最終的な内圧と押し込み量が同じでも、その内圧と押し込み量に至るまでの途中の負荷経路が異なると、最終的な成形品の出来映えが変わってくる。例えば、負荷経路によっては、管体に亀裂やしわが生じたり、座屈したり、コーナー部形状が目標値に達しない等の不良品が発生する。
このため、特許文献1のハイドロフォーミング方法では、負荷内圧を縦軸、軸方向の押し込み量を横軸として、割れ限界線及びしわ座屈限界線を作成して、軸方向の押し込み量が所定値になった時点で、割れ限界線としわ座屈線の間の所定内圧まで内圧の付与を行うことで、管体の割れ、しわ及び座屈発生を防止している。
特許文献2のハイドロフォーミング方法は、ハイドロフォーミング工程前に、局部的に軟化処理や硬化処理を行い、成形品の形状に応じて素管の変形能を変化させておくことで、管体の割れ、しわ及び座屈発生を防止している。
特開2005−262241号公報 特開2001−150050号公報
特許文献1に記載のハイドロフォーミング方法は、加工設備によっては、軸方向の押し込み量を変更している際に、内圧を変更できないものがある。この場合、軸方向の押し込み量と内圧との最適な負荷経路を選定できない可能性がある。
この場合、一旦、割れの生じない範囲で内圧を上げて、その内圧を一定に保ったまま、軸方向の押し込み量を所望の押し込み量まで増加させる。その際、座屈やしわが発生する場合があるが、軸方向の押し込みが所定量になった後、内圧を割れの生じない範囲でさらに上昇させて座屈やしわを除去している。
しかし、大きな座屈やしわは、内圧を上げても改善することができない場合がある。
特許文献2によると、管体の変形能を予め部分的に調整をしておくことで、上述したような、軸方向の押し込み量を変更している際に内圧を変更できない設備であっても、しわや座屈を生じにくくなるが、前処理に時間やコストがかかり、量産加工においては現実的ではない。
本発明は、割れ、座屈及びしわが発生しにくく、且つ実用的なハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、金型に設けられた加工空間に配置された管体に内圧を加えつつ、前記管体の軸方向の長さを縮小させる方向に前記管体を両端側から押圧することによって、前記管体の軸と直交する断面形状を変形させるハイドロフォーミング方法であって、前記ハイドロフォーミング方法は、少なくとも第1ハイドロフォーミング工程と、前記第1ハイドロフォーミング工程に続く第2ハイドロフォーミング工程とを有し、前記第1ハイドロフォーミング工程において、前記管体の軸方向と直交する断面の周長を第1長さに拡張し、前記第2ハイドロフォーミング工程において、前記管体の軸方向と直交する断面を、前記管体の前記第1長さの周長を維持しつつ変形させるハイドロフォーミング方法を提供する。
前記第2ハイドロフォーミング工程で前記管体に加える圧力は、前記第1ハイドロフォーミング工程で前記管体に加える圧力以下であることが好ましい。
前記第1ハイドロフォーミング工程において、前記管体は、前記軸方向と直交する断面形状が楕円に成形され、前記第2ハイドロフォーミング工程において、前記管体は、前記軸方向と直交する断面形状が矩形に成形されることが好ましい。
前記矩形の短辺は前記楕円の短径より短いことが好ましい。
前記矩形の長辺は前記楕円の長径以下であることが好ましい。
また、本発明は、上記課題を解決するために、管体が配置される第1加工空間が設けられた第1金型と、前記第1加工空間に配置された前記管体に内圧を加える第1加圧部と、前記第1加工空間に配置された前記管体を、前記管体の軸方向の長さを縮小させる方向に両端側から押圧する第1押圧部とを備える第1ハイドロフォーミング部と、前記管体が配置される第2加工空間が設けられた第2金型と、前記第2加工空間に配置された前記管体に内圧を加える第2加圧部と、を備える第2ハイドロフォーミング部と、を具備するハイドロフォーミング装置であって、前記第1加工空間の前記管体の軸方向と直交する断面の内周長は、前記第2加工空間の前記軸方向と直交する断面の内周長と等しい、
ハイドロフォーミング装置を提供する。
本発明によれば、割れ、座屈及びしわが発生しにくく、且つ実用的なハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置を提供することができる。
第1実施形態によりハイドロフォーミングされる管体の断面形状であり、(a)は素管、(b)は1次加工管、(c)は2次加工管である。 第1実施形態の第1ハイドロフォーミング装置の軸方向に沿った断面図である。 第1実施形態の第1ハイドロフォーミング部の、第1中央空間が設けられている部分における、軸と直交する方向の概略断面図である。 第1実施形態の第2ハイドロフォーミング部の、第2中央空間が設けられている個所における、軸と直交する方向の概略断面図である。 ハイドロフォーミング方法を説明するフローチャートである。 縦軸を管体に加える内圧、横軸を押込み量としたときの、割れ限界線及びしわ座屈限界線を示したグラフである。 第1実施形態において、第1接触拡管率が異なる場合における、座屈の発生状態を測定した結果を示す表である。 第2実施形態のハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置によりハイドロフォーミングされる管体の軸方向と直交する断面形状を示した図である。 第2実施形態における第1ハイドロフォーミング部の概略断面図であり、素管を点線で示す。 第2実施形態において、第1接触拡管率が異なる場合における、座屈の発生状態を測定した結果を示す表である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態による管体30のハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置1について説明する。
(管体30)
図1は、第1実施形態のハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置1によりハイドロフォーミングされる管体30の軸方向と直交する断面形状を示した図である。
実施形態のハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置1では、図1(a)で示す軸方向と直交する断面形状が円形の管体30(素管30a)から、図1(b)で示す断面形状が楕円の管体30(1次加工管30b)を経て、図1(c)で示す断面形状が矩形の管体30(2次加工管30c)を成形する。
図1(a)に示すように素管30aは、素管30aの軸Aと直交する断面形状が径a1の円形である。また素管30aは電縫管であり、外周に軸Aと平行なライン状の溶接部31を有する。
図1(b)に示すように1次加工管30b(両端を除く)は、軸Aと直交する断面形状が略楕円形であり、短径はa2、長径はb、周長はLである。短径a2はa1<a2、長径bはa1<a2<bである。
なお、短径a2は、径aの素管30aが拡管されて、後述する第1金型11の凹部12u、12d(第1中央空間S1m)の内壁)と最初に接触する際の素管30aの径でもあり、そのときの素管30aの拡管率(以下、第1接触拡管率という)は12.5%である。
また、本明細書で略楕円形とは、平面上のある2定点からの距離の和が一定となるような点の集合から作られる曲線である楕円(真楕円)に限るものではない。例えば、長径を挟んだ上下が対称で、短径を挟んだ左右が対称であるが、平面上のある2定点からの距離の和が一定でなく、真楕円から多少変形しているものも含む。
図1(c)に示すように2次加工管30c(両端を除く)は、軸Aと直交する方向の断面形状が略矩形で、短辺a3、長辺b、周長はLである。短辺a3はa3<a1<a2、長辺bはa1<a2<bである。すなわち、2次加工管30cは、1次加工管30bと周長Lが等しく、1次加工管30bの長径bと長辺bの長さが等しい。
実施形態のハイドロフォーミング方法は、第1ハイドロフォーミング工程と、第2ハイドロフォーミング工程とを含む。第1ハイドロフォーミング工程は、素管30aを拡管し(膨張させ)、1次加工管30bに成形する工程である。第2ハイドロフォーミング工程は、1次加工管30bを2次加工管30cに成形する工程である。
実施形態はこのように2段階のハイドロフォーミング工程を含む多段工程である。ただし、本発明のハイドロフォーミング方法が含むハイドロフォーミング工程は2段階に限らず3段階以上の多段工程であってもよい。又はハイドロフォーミング工程は1段階であってもよい。
(ハイドロフォーミング装置1)
ハイドロフォーミング装置1は、第1ハイドロフォーミング工程を行う第1ハイドロフォーミング部10と、第2ハイドロフォーミング工程を行う第2ハイドロフォーミング部20とを備える。
(第1ハイドロフォーミング部10)
図2は第1ハイドロフォーミング装置1の軸A方向に沿った断面図である。第1ハイドロフォーミング部10は、第1金型11と、軸押し部15とを備える。第1金型11は、第1下金型11dと、第1下金型11dに対して進退可能(近接及び離間可能)な第1上金型11uと、を有する。
以下、適宜、軸Aと直交し且つ第1上金型11uが第1下金型11dに対して進退する方向を上下方向、軸Aの方向を前後方向、前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向として説明する。
(第1金型11)
第1金型11は、上述のように第1下金型11d及び第1上金型11uを有する。第1金型11は略直方体であるがこれに限定されず、管体30の形状に合わせて種々変形可能である。
第1下金型11dと第1上金型11uとの互いの対向面には、それぞれ第1下凹部12dと第1上凹部12uとが設けられている。第1上凹部12uと第1下凹部12dとは互いに対向し、第1下金型11d上に第1上金型11uが配置されると、第1上凹部12uと第1下凹部12dとで、管体30が配置される第1加工空間S1が形成される。
(第1加工空間S1)
第1加工空間S1は、その中心の軸A1が管体30の軸Aと一致し、軸Aに沿うように延びている。実施形態において管体30は直線的に延びるため、第1加工空間S1も直線的に延びている。しかし、第1加工空間S1は、管体30の形状に対応して、U字型等種々変形可能である。
第1加工空間S1は、前空間S1f及び後空間S1bと、前空間S1f及び後空間S1bの間に位置する第1中央空間S1mとを有する。前空間S1f及び後空間S1bは、軸Aと直交する断面形状が円形であり、径は素管30aと同じ約a1である。
図3は、第1ハイドロフォーミング部10の、第1中央空間S1mが設けられている部分における、軸Aと直交する方向の概略断面図であり、素管30aを点線で示す。図示するように第1中央空間S1mは、1次加工管30bと同様に軸Aと直交する断面形状が略楕円形であり、短径(内径)は、1次加工管30bの短径と略等しい約a2、長径(内径)は1次加工管30bの長径と略等しい約b、内周長は、1次加工管30bの外周と略等しい約Lである。すなわち、成形完了後、1次加工管30bの外壁は、第1中央空間S1mの内壁と当接する。
ただし、内圧等を調整することで、1次加工管30bを、短径a2、長径b、周長Lにすることができるのであれば、第1中央空間S1mの長径側の内壁と1次加工管30bの外壁との間に隙間があってもよい。
さらに、1次加工管30bを、短径a2、周長Lにすることができるのであれば、長径(内径)はb以下であってもよい。
なお、1次加工管30bの長径がb以上になると、次の第2ハイドロフォーミング部20の第2中央空間S2mに配置することができないので、1次加工管30bの長径はbより大きくならないようにする。
(第1軸押し部15)
ハイドロフォーミング装置1は、さらに第1軸押し部15を備える。第1軸押し部15は、第1加工空間S1の前後に設けられた一対の部材である。一対の第1軸押し部15は、それぞれが前空間S1f及び後空間S1b内を前後に進退可能で、管体30の軸方向に押し込んで管体30の長さを縮小させる方向に、管体30を両端側から押圧する。
第1軸押し部15には、それぞれ前後に延びる貫通孔16が設けられている。その貫通孔16を介して、例えば水である加圧用流体が管体30の内部に流入可能となっている。
(第2ハイドロフォーミング部20)
図4は、第2ハイドロフォーミング部20の、第2中央空間S2mが設けられている個所における、軸Aと直交する方向の概略断面図である。
第2ハイドロフォーミング部20の加工空間である第2加工空間S2の第2中央空間S2mの形状が、第1加工空間S1の第1中央空間S1mと異なっている。
第2加工空間S2の第2中央空間S2mの、軸Aと直交する方向の断面形状は、2次加工管30cと同様に略矩形で、短辺は約a3、長辺は約b、周長は約Lである。短辺a3はa3<a1<a2、長辺bはa1<a2<bである。
(第2金型21)
第2金型21は、第2下金型21d及び第2上金型21uを有する。
第2下金型21dは略直方体で、上部に軸Aに沿った第2下凹部22dが形成されている。第2上金型21uは、第2下凹部22dに挿入可能な略直方体形状である。
第2下凹部22dの底面と第2上金型21uの下面とは互いに対向し、第2下凹部22dに第2上金型21uが挿入されて、第2下金型21dの上面と第2上金型21uの上面とが同じ高さになると、第2下凹部12dの内面と第2上金型21uの下面とで、管体30が配置される第2加工空間S2が形成される。
(製造方法)
次に、実施形態のハイドロフォーミング装置1を用いた、管体30のハイドロフォーミング方法について説明する。図5はハイドロフォーミング方法を説明するフローチャートである。
(第1ハイドロフォーミング工程)
まず、素管30aを、第1ハイドロフォーミング部10の第1下金型11dの第1下凹部12d上に配置する(ステップS1)。この際、管体30の溶接部31が、第1中央空間S1mの短径方向の上にくるようにする。管体30の外周における溶接部31と軸Aを挟んだ反対側の部分32は、第1中央空間S1mの短径方向の下となる。
このとき、素管30aの前後の端部は、前空間S1f及び後空間S1bの下部を構成する第1下凹部12dの前端部と後端部上に載置される。素管30aの中央部は、第1中央空間S1mの下部を構成する第1下凹部12dの底面とは接しておらず、浮いた状態である。
次いで、第1上金型11uを第1下金型11d側に下降させ、第1上金型11uの上面と第1下金型11dの下面とを接触させて、第1上金型11uを第1下金型11dの方向へ押圧する(ステップS2)。
第1加工空間S1に配置された素管30aの前後の端部は、前空間S1f及び後空間S1b内に配置され、第1下金型11dと第1上金型11uとで挟持される。
一方、素管30aの中央部は、第1中央空間S1m内に配置されているが、第1下金型11dと第1上金型11uとは接していない。
一対の軸押し部15をそれぞれ素管30aの両端に接触させて、貫通孔16より流体を流し込み、素管30a内部を加圧する(ステップS3)。
素管30aの内部が加圧された状態で、一対の軸押し部15を互いに近づく方向に移動させ、すなわち素管30aを収縮させる(ステップS4)。
ここで素管30aは第1ハイドロフォーミング工程の初期段階において、断面円形を保ったまま径を拡大していく。そして溶接部31と、溶接部31と軸Aを挟んだ反対側の部分32は、素管30aの拡管率が第1接触拡管率の12.5%になったときに、第1金型11の凹部12u、12dの内壁と接触する。
その後、溶接部31と軸Aを挟んだ反対側の部分32との間の距離はa2に保たれたまま、それと直交する方向の距離が拡大し続け楕円形となり、長径がbになったところで第1金型11の凹部12u、12dの内壁と接触する。これにより、素管30aは断面楕円、短径a1、長径bの1次加工管30bに成形される。
なお、本実施形態では、第1接触拡管率は12.5%であるが、これに限らず、14%以下であればよい。
ここで、図6は、縦軸を管体30に加える内圧、横軸を押込み量(管体30の収縮量)としたときの、割れ限界線W及びしわ座屈限界線Sを示したグラフである。割れ限界線Wは、管体30の内圧と軸押し込み量の関係が、この割れ限界線W以上になった場合に、管体30に割れが発生するラインである。
しわ座屈限界線Sは、管体30の内圧と軸押し込み量の関係が、このしわ座屈限界線S以下になった場合に、管体30にしわ及び座屈が発生するラインである。しわ座屈限界線Sは、管体30の収縮量が少ない領域ではしわ限界線Ssと座屈限界線Szに分岐している。
管体30の断面形状を所望の形状にハイドロフォーミングするには、管体30に内圧を加えて拡管(膨張)させる。管体30の壁厚は、拡管させると減少するので、拡管が進んで壁厚が薄くなると、割れや亀裂が発生する可能性がある。
しかし、管体30を軸押し部15により軸A方向に押圧して、管長を収縮させることにより、管体30の材料が拡管部分に移動され、拡管による壁厚の減少が低減、又は防止され、これにより割れ等の発生の可能性が低減される。
ところで、管体30を所望の形状に変形させるには、所定の内圧、所定の軸押し込み量が必要となる。図6において、例えば点Pの位置が、その所定内圧と所定軸押し込み量の場合、管体30を内圧0及び軸押し込み量0の状態点Oから点Pの状態にする必要がある。
点Oから点Pの状態に遷移させるとき、しわ座屈限界線Sと割れ限界線Wとの間の図中斜線で示す領域Rから逸脱せずに状態が変化するように軸押し込み量及び内圧を調整していくことが好ましい。斜線の中からはみ出ると、割れが発生したり、しわや座屈が生じやすくなったりするからである。
しかし、ハイドロフォーミング装置1によっては、軸押し込み量を変更することと、内圧を変えることを同時に行うことができない装置がある。その場合、領域Rからはみ出ずに、点Oから点Pに状態を変化させるには以下の方法が考えられる。
領域Rからはみ出さない範囲で内圧を上げて、その内圧で軸押し込み量を増加させ、領域Rからはみ出しそうになったら、押し込みを停止して、領域Rからはみ出さない範囲でさらに内圧を上げる、というステップを何回か繰り返す方法である。
しかし、この場合、ハイドロフォーミング装置1の操作が煩雑になり、作業時間がかかり効率的でない。
このため一点鎖線Mで示すように、一旦領域Rからはみ出さない範囲で内圧を上げて、その内圧で軸押し込み量を増加させる。押し込み量を増加させている最中に領域Rからはみ出すが、そのまま軸押し込み量を増加し続け、所定の軸押し込み量になったら、再度内圧を上げる方法もある。このとき、しわ座屈限界線を超えるのでしわが発生するが、最後に再度内圧を所定値まで上げる際にある程度のしわを取ることができる。
しかし、この方法だと、座屈やしわが大きい場合、発生した座屈やしわを取りきれない可能性がある。座屈やしわが残ると製品として利用できず、歩留まりが悪化する。
そこで、実施形態の第1ハイドロフォーミング工程は、第1金型11に設けられた第1加工空間S1に配置された素管30aに内圧を加えて拡管させつつ、素管30aの軸A方向の長さを縮小させる方向に管体30を軸押し部15によって両端側から押圧することによって、素管30aの軸と直交する断面形状を変形させる。
そして素管30aの外周における、軸Aと平行な、ライン状の溶接部31と、その溶接部31と軸Aを挟んだ反対側のライン状の部分とを、素管30aの拡管過程において、他の部分よりも早期に第1金型11に接触させる。
すなわち、実施形態の第1ハイドロフォーミング部10の第1加工空間S1は略楕円であるので、溶接部31と反対側のライン状部分32との互いの間の距離が広がらないように、素管30aが第1金型11に保持される。
そうすると、管体30がさらに拡管し続けても、溶接部31と反対側の部分32との互いの間の距離はこれ以上広がらず、管体30はそれと直交する横方向に延びていくので、管体30は楕円になる。
さらに管体30の軸押し込み量を増加していくと、図6のグラフのしわ座屈限界線Sの下方領域に入り、若干のしわが発生する可能性がある。
しかし、管体30の溶接部31が第1上凹部12uの内面、溶接部31と径方向の反対側のライン状の部分が第1下凹部12dの内面と当接して押さえられているため、管体30に座屈が発生しにくい。
また、管体30が、長手方向の継目部を電気抵抗溶接により接合して成形した電縫鋼管の場合、溶接部31近傍は変形しにくい。したがって拡管していくと他の部分よりも早い段階で割れが発生する可能性が高い。
しかし、実施形態ではこの溶接部31が拡管過程において早期に金型と接触して押圧されて拡管しにくくなるので、溶接部31に割れが生じにくい。
また、本実施形態によると、管体30に内圧を加えると、管体30は拡管(膨張)し始める。この状態で、軸押し部15によって管体30を軸A方向に収縮させていくと、管体30は径方向に膨張するが、長さ方向に収縮することによって、管壁の厚さの減少が補われ、管体30の割れ等が生じにくい。
ここで、第1実施形態の効果を検証するために、第1実施形態に係るハイドロフォーミング装置1の第1ハイドロフォーミング部10として、第1中央空間S1mの短径と長径とが異なる3つの第1ハイドロフォーミング部10を実施例1、実施例2、実施例3として用意した。
実施例1、実施例2、実施例3における第1中央空間S1mの短径は、素管30aが円形を保ったまま14%,6.6%,0%拡管した場合の素管30aの直径と等しい。
すなわち、第1中央空間S1mの短径は、素管30aの第1接触拡管率が本実施形態の範囲である14%以下(14%,6.6%,0%)となる長さである。
また、比較例として、第1接触拡管率が21%の第1ハイドロフォーミング部も用意した。
それぞれの第1ハイドロフォーミング部を用いて、素管30aを拡管し、座屈が発生したかどうかを測定した。第1接触拡管率以外の条件は以下である。
素管:外径φ27mm,厚み1.5mm,長さ250mm
第1中央空間S1m:周長110mm
経路G=内圧増加分(MPa)/軸押込み量(mm)=1.0
図7は、第1実施形態において、第1接触拡管率が異なる場合における、座屈の発生状態を測定した結果を示す表である。図7に示すように、比較例の拡管率が21%においては座屈が発生した。一方、本実施形態に係る実施例1、実施例2、実施例3においては座屈が発生しなかった。
以上の結果より、本実施形態のように第1中央空間S1mの短径が、素管30aの第1接触拡管率が本実施形態の範囲である14%以下(14%,6.6%,0%)となる長さの場合、管体30に座屈が発生しにくいことがわかる。
図5のフローチャートに戻り、管体30を所定の軸押し込み量まで押し込んだら内圧を上げる(ステップS5)。これにより、若干のしわが発生していたとしても、大きな座屈を伴うものでない為、しわが消滅する。
最終的に、管体30が短径a2、長径b、周長Lの1次加工管30bになったら第1ハイドロフォーミング工程を終了する。
(第2ハイドロフォーミング工程)
次いで、第1ハイドロフォーミング工程により成型された、短径a2、長径b、周長Lの楕円の1次加工管30bを、第2ハイドロフォーミング部20の第2下金型21dの第2下凹部22d内に配置する(ステップS6)。
このとき、1次加工管30bの(両端を除く部分)の溶接部31と軸Aを挟んだ反対側のライン状部分32は、第2下金型21dの第2下凹部22dに配置されたときに、第2下凹部22dの底面と接している。
この状態で、1次加工管30bの両端より、1次加工管30bの両端を抑える軸押さえ部25に設けられた貫通孔26より流体を流入して1次加工管30bの内部を加圧する(ステップS7)。ここで、第2ハイドロフォーミング工程で1次加工管30bに加える圧力は、第1ハイドロフォーミング工程で素管30aに加えた圧力以下である。
第2上金型21uを下降させて第2下金型21dの第2下凹部12d内に挿入する。そして、第2上金型21uの下面と、第2下凹部12dの底面が互いに近づく方向に押圧力を加える。そうすると、まず、溶接部31が第2上金型21uの下面と接触し、長径方向一定で、短径方向の長さが押圧により縮小する。そして、短径方向の長さが縮小した分だけ、第2加工空間S2の形状に合わせて角部が膨らみ、矩形に変形を開始する(ステップS8)。
このとき、上述のように、第2ハイドロフォーミング工程で管体30に加える圧力は、第1ハイドロフォーミング工程で管体30に加える圧力以下である。したがって、管体30は、周長Lは増加しないが、金型間に挟持されて押圧されたときに、外周が歪まず、矩形の角部が変形なく角部が形成される。
第2下凹部22dに第2上金型21uが挿入されて、第2下金型21dの上面と第2上金型21uの上面とが同じ高さになると、第2下凹部12dの内面と第2上金型21uの下面とによって、断面矩形の2次加工管30cが形成され、図6のフローチャートは終了する。この2次加工管30cは、軸Aと直交する方向の断面形状が略矩形で、短辺a3、長辺b、矩形の周長はLである。短辺a3はa3<a1<a2、長径bはa1<a2<bである。加工空間の長辺は、1次加工管30bの長辺と等しくbである。周長は変わらずLである。
このように、実施形態では、径a1の断面円形の素管30aを、短径a2、長径b、周長Lの断面略楕円の1次加工管30bにしてから、その短径の長さをa3に縮小して短辺a3、長辺b、周長Lの断面略矩形の2次加工管30cにする。すなわち、周長Lを保ったまま、楕円から角部が成形されて矩形になる。
仮に、第2ハイドロフォーミング工程において、断面形状を最終形状にするだけでなく周長Lを延ばすための拡管(膨張)が必要となると、管体30の外周における多くの部分が第2中央空間S2mの内壁で押さえられた状態で、膨張が必要となる。管体30を膨張する場合、管壁の厚み減少を防止するため、軸押し部の押圧による管長の縮小が必要となる。
しかし、ハイドロフォーミング加工を複数回行う多段工程での成形の場合、後工程になるにつれて金型との接触面積が増加する。本実施形態では、第1ハイドロフォーミング工程による1次加工管30bの形成時と比べて、第2ハイドロフォーミング工程においては、金型との管体30との接触面積が増加する。
そうすると、管体30を軸方向に押し込んでも、金型11との摩擦によって材料供給がされにくくなり、材料供給がされない状態で塑性変形を起こす内圧まで圧カを上昇させると、角部だけが膨張した肉薄の張り出し成形となって割れが発生しやすくなる。
しかし、実施形態によると、金型11との接触が少ない第1ハイドロフォーミング工程の段階で、最終製品に必要な線長Lを確保し、その後の第2ハイドロフォーミング工程では、座屈防止や外金型への密着性確保のためだけに内圧を付与し、周長Lの増加が起こらない圧力下で形状を変形させる。すなわち、第2工程で線長を増加させない。したがって、割れ等が生じにくい。
また、第2ハイドロフォーミング工程においても、溶接部31が拡管過程において早期に金型11と接触するので、溶接部31における割れが生じにくい。
素管:外径φ27mm,厚み1.5mm,長さ250mm
第1中央空間S1m:内径φ35mm,周長110mm
経路G=内圧増加分(MPa)/軸押込み量(mm)=1.0
(第2実施形態)
次に、図面を参照して本発明の第2実施形態による管体30のハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置1について説明する。なお、第1実施形態と第2実施形態において、同様の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図8は、第2実施形態における、ハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置1によりハイドロフォーミングされる管体30の、軸A方向と直交する断面形状を示した図である。第2実施形態のハイドロフォーミング方法及びハイドロフォーミング装置1では、図8(a)で示す軸A方向と直交する断面形状が円形の管体30(素管30a)から、図8(b)で示す断面形状が円形の管体30(1次加工管30b)を経て、図8(c)で示す断面形状が矩形の管体30(2次加工管30c)を成形する。
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、図8(b)で示す管体30(1次加工管30b)の断面形状が、楕円ではなく円形である点である。1次加工管30b(両端を除く)の径はa2で、本実施形態においても、2次加工管30cは、1次加工管30bと周長Lが等しい。
図9は、第1ハイドロフォーミング部10の、第1中央空間S1mが設けられている部分における、軸Aと直交する方向の概略断面図であり、素管30aを点線で示す。
図示するように第2実施形態の第1中央空間S1mは、第1実施形態と異なり、1次加工管30bと同様に軸Aと直交する断面形状が円形であり、内周長は、1次加工管30bの外周と略等しい約Lである。成形完了後、1次加工管30bの外壁は、第1中央空間S1mの内壁と当接する。
また、第1実施形態では、素管30aの軸Aと、第1中央空間S1mの中心軸のA1とは一致していた。しかし、第2実施形態では、素管30aの、拡管前の軸Aと、第1中央空間S1mの中心軸のA1とは、互いに平行であるが、一致せず、Δcだけ、ずれた位置にある。
ずれている距離Δcは、第1中央空間S1mの内径φr、素管30aの外径φs、としたときに、
Δc=φr/2―(1+x/100)φs/2
である。
ここで、xは、第1接触拡管率(%)である。
本実施形態では、素管30aの拡管率が14%になったときに、素管30aのライン状の溶接部31は第1中央空間S1mの内面と最初に当接する。そして、その後、素管30aは拡管を続け、最終的に、素管30aはその径が第1中央空間S1mの内径と一致するまで拡管する。
なお、本実施形態では、第1接触拡管率は14%であるが、第1実施形態と同様に、これに限らず、14%以下であればよい。
本実施形態においても、第1ハイドロフォーミング工程は、第1金型11に設けられた第1加工空間S1に配置された素管30aに内圧を加えて拡管させつつ、素管30aの軸A方向の長さを縮小させる方向に管体30を軸押し部15によって両端側から押圧することによって、素管30aの軸と直交する断面形状を変形させる。
そして素管30aの外周における、軸Aと平行なライン状の溶接部31を、素管30aの拡管過程において、他の部分よりも早期に第1金型11に接触させる。
そうすると、管体30がさらに拡管し続ける際に、溶接部31が拡管過程において早期に金型と接触して押圧されて拡管しにくくなるので、溶接部31に割れが生じにくい。また、溶接部31が押さえられているので、座屈も発生しにくくなる。
ここで、第2実施形態の効果を検証するために、第1実施形態に係るハイドロフォーミング装置1の第1ハイドロフォーミング部10として、第1中央空間S1mの短径と長径とが異なる3つの第1ハイドロフォーミング部10を実施例1、実施例2、実施例3として用意した。
実施例1、実施例2、実施例3の第1中央空間S1mの径は、素管30aが円形を保ったまま14%,6.6%,0%拡管した場合の素管30aの径と等しい。
すなわち、第1中央空間S1mの径は、素管30aの第1接触拡管率が本実施形態の範囲である14%以下(14%,6.6%,0%)となる長さである。
また、比較例1,2として、第1接触拡管率が29%と21%の第1ハイドロフォーミング部も用意した。
そして、それぞれの第1ハイドロフォーミング部を用いて、素管を拡管し、座屈が発生したかどうかを測定した。
第1接触拡管率以外の条件は、第1実施形態と同様に以下である。
素管:外径φ27mm,厚み1.5mm,長さ250mm
第1中央空間S1m:内径φ35mm,周長110mm
経路G=内圧増加分(MPa)/軸押込み量(mm)=1.0
図10は、第2実施形態において、第1接触拡管率が異なる場合における、座屈の発生状態を測定した結果を示す表である。図10に示すように、比較例の拡管率が29%,21%においては座屈が発生した。一方、本実施形態に係る実施例1,2,3の第1接触拡管率が14%以下の場合、座屈が発生しなかった。
以上、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1ハイドロフォーミング工程は、第1金型11に設けられた第1加工空間S1に配置された素管30aに内圧を加えて拡管させつつ、素管30aの軸A方向の長さを縮小させる方向に管体30を軸押し部15によって両端側から押圧することによって、素管30aの軸と直交する断面形状を変形させる。
そして素管30aの外周における、軸Aと平行な、ライン状の溶接部31を、素管30aの拡管過程において、他の部分よりも早期に第1金型11に接触させる。
そうすると、管体30がさらに拡管し続けても、管体30の溶接部31が第1上凹部12uの内面と当接して押さえられているため、管体30に座屈が発生しにくい。
また、管体30が、長手方向の継目部を電気抵抗溶接により接合して成形した鋼管電縫鋼管の場合、溶接部31近傍は変形しにくい。したがって拡管していくと他の部分よりも早い段階で割れが発生する可能性が高い。
しかし、実施形態ではこの溶接部31が拡管過程において早期に金型と接触して押圧されて拡管しにくくなるので、溶接部31に割れが生じにくい。
また、本実施形態によると、管体30に内圧を加えると、管体30は拡管(膨張)し始める。この状態で、軸押し部15によって管体30を軸A方向に収縮させていくと、管体30は径方向に膨張するが、長さ方向に収縮することによって、管壁の厚さの減少が補われ、管体30の割れ等が生じにくい。
さらに、第2実施形態においても、径a1の断面円形の素管30aを、径a2、周長Lの断面円形の1次加工管30bにしてから、短辺a3、長辺b、周長Lの断面略矩形の2次加工管30cにする。すなわち、周長Lを保ったまま、楕円から角部が成形されて矩形になる。
したがって、第1実施形態と同様に、実施形態によると、金型11との接触が少ない第1ハイドロフォーミング工程の段階で、最終製品に必要な線長Lを確保し、その後の第2ハイドロフォーミング工程では、座屈防止や外金型への密着性確保のためだけに内圧を付与し、塑性変形が起こらない圧力下で形状を変形させる。すなわち、第2工程で線長を増加させない。したがって、割れ等が生じにくい。
A 軸
S1 第1加工空間
S1m 第1中央空間
S2 第2加工空間
S2m 第2中央空間
10 第1ハイドロフォーミング部
11 第1金型
11d 第1下金型
11u 第1上金型
12d 第1下凹部
12u 第1上凹部
15 第1軸押し部
16 貫通孔
20 第2ハイドロフォーミング部
21d 第2下金型
21u 第2上金型
22d 第2下凹部
30 管体
30a 素管
30b 1次加工管
30c 2次加工管
31 溶接部
32 ライン状部分

Claims (6)

  1. 金型に設けられた加工空間に配置された管体に内圧を加えつつ、前記管体の軸方向の長さを縮小させる方向に前記管体を両端側から押し込むことによって、前記管体の軸と直交する断面形状を変形させるハイドロフォーミング方法であって、
    前記ハイドロフォーミング方法は、少なくとも第1ハイドロフォーミング工程と、前記第1ハイドロフォーミング工程に続く第2ハイドロフォーミング工程とを有し、
    前記第1ハイドロフォーミング工程は、
    前記管体を、第1金型の第1中央空間内に配置し、前記管体の内部を第1の内圧にする加圧ステップと、
    前記管体の押し込み量を増加させつつ、前記管体を拡管させて、前記管体の前記軸を挟んだ両側の部分を、前記第1金型の前記第1中央空間の内壁と接触させ、前記両側の部分を前記内壁と当接させて押さえることにより、前記両側の部分の間の距離を一定に保ったまま、前記第1の内圧で前記押し込み量を増加させ、前記軸を挟んだ両側を結ぶ方向と直交する方向の距離を拡大させて前記管体の断面を楕円形にする押圧ステップと、
    前記押し込み量が所定量になった後、前記管体の内部を前記第1の内圧以上の第2の内圧にする内圧上昇ステップと、を含み、
    前記管体の状態は、
    前記加圧ステップにおいて、前記管体の内部を前記第1の内圧にする際、縦軸を前記管体に加える内圧、横軸を前記管体の押込み量としたときの、割れ限界線W及びしわ座屈限界線Sを示したグラフにおける、しわ座屈限界線Sと割れ限界線Wとの間の領域からはみ出さない範囲内に入り、
    前記押圧ステップにおいて、前記しわ座屈限界線Sの下方領域に入るように前記領域から一旦はみ出し、
    前記内圧上昇ステップにおいて、再度、前記領域に入り、
    前記第2ハイドロフォーミング工程において、前記管体の軸方向と直交する断面を、前記管体の周長を維持しつつ変形させる、
    ハイドロフォーミング方法。
  2. 前記管体は電縫鋼管で、
    前記管体の前記軸を挟んだ両側の部分の一方は溶接部である、
    請求項1に記載のハイドロフォーミング方法。
  3. 前記第2ハイドロフォーミング工程で前記管体に加える圧力は、
    前記第1ハイドロフォーミング工程で前記管体に加える圧力以下である、
    請求項1または2に記載のハイドロフォーミング方法。
  4. 前記第1ハイドロフォーミング工程において、前記管体は、前記軸方向と直交する断面形状が楕円に成形され、
    前記第2ハイドロフォーミング工程において、前記管体は、前記軸方向と直交する断面形状が矩形に成形される、
    請求項1からのいずれか1項に記載のハイドロフォーミング方法。
  5. 前記矩形の短辺は前記楕円の短径より短い、
    請求項に記載のハイドロフォーミング方法。
  6. 前記矩形の長辺は前記楕円の長径以下である、
    請求項またはに記載のハイドロフォーミング方法。
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