JP2003160715A - 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品 - Google Patents

電子部品封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品

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JP2003160715A
JP2003160715A JP2001359392A JP2001359392A JP2003160715A JP 2003160715 A JP2003160715 A JP 2003160715A JP 2001359392 A JP2001359392 A JP 2001359392A JP 2001359392 A JP2001359392 A JP 2001359392A JP 2003160715 A JP2003160715 A JP 2003160715A
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epoxy resin
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mpa
phenol
resin
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JP2001359392A
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Masashi Kaji
正史 梶
Kiyokazu Yonekura
清和 米倉
Hisafumi Yamada
尚史 山田
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ブロッキング性が改善され、取り扱い作業
性、低吸湿性、高耐熱性、異種材料との密着性及び難燃
性等に優れた電子・電気部品の封止材用エポキシ樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】 主たる成分として、(a)150℃での
溶融粘度が5〜100mPa・sであるエポキシ樹脂、
(b)150℃での溶融粘度が5〜500mPa・sで
あるフェノール樹脂、(c)アセナフチレン類を主成分
とするモノマーを重合して得られる芳香族オリゴマー及
び(d)組成物中70wt%以上を占める無機充填材を
含有してなる電子部品封止用エポキシ樹脂組成物、並び
にこのエポキシ樹脂組成物で封止された電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低吸湿性、耐熱
性、密着性及び難燃性等に優れた硬化物を与える電子部
品封止用エポキシ樹脂組成物並びにこの硬化物で封止さ
れた電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エポキシ樹脂組成物は半導体
等の電子部品の封止材料として多用されてきているが、
半導体素子の集積度の向上、表面実装方式の進展、更に
は鉛フリー化による実装温度の向上等により、半田耐熱
性に優れた材料の開発が望まれている。従って、封止材
料としては、低吸湿化に加え、リードフレーム、チップ
等の異種材料界面での接着性・密着性の向上が強く求め
られている。また最近では、環境負荷低減の観点から、
ハロゲン系難燃剤排除の動きがあり、非ハロゲン系での
難燃性向上が求められている。
【0003】低吸水率化のためには、無機充填材の高充
填率化が指向されているが、従来より広く使用されてき
ている多官能性のo‐クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂は、粘度が高い欠点が有り、フィラー高充填率化に
限界があった。従って、o‐クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂の低分子量化が検討されているが、低粘度と
するに従い、樹脂の軟化点が低下し耐ブロッキング性が
悪化する問題があり、低粘度化に限界がある。
【0004】これらの背景から、エポキシ樹脂としては
ビフェニル系エポキシ樹脂(特公平4‐7365号公
報)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(特開平6‐3
45850公報)等の常温で結晶性の二官能型のエポキ
シ樹脂を用いた半導体封止材用エポキシ樹脂組成物が提
案されている。これらのエポキシ樹脂は溶融状態での低
粘度性に優れ、フィラー高充填率化、流動性向上に特徴
があるが、コンパウンドの耐ブロッキング性、及び保存
安定性等の取り扱い性に劣る欠点がある。更には、エポ
キシ樹脂自体の低吸湿性が十分ではない。
【0005】エポキシ樹脂の硬化剤としては、従来より
フェノール‐ホルムアルデヒド樹脂が多く使用されてき
ているが、フェノール‐ホルムアルデヒド樹脂は、その
構造中に極性の高い水酸基を有することにより吸湿率が
高くなる欠点があるため、吸湿率を低減させる目的か
ら、樹脂構造中の水酸基の濃度を低減させる方法が検討
され、フェノールアラルキル型樹脂(特開昭63‐23
8129号公報)、ナフトール系樹脂(特開平3‐90
075号公報)等が検討されている。
【0006】更に、フェノール樹脂においても、フィラ
ー高充填率化の観点から低粘度化の要求があるが、低粘
度とするに従い、樹脂の軟化点が低下し耐ブロッキング
性が悪化する問題があった。
【0007】以上のように、エポキシ樹脂及び硬化剤と
しては、様々な新規構造の樹脂が検討されているが、樹
脂側の改良だけでは、低粘度化に伴う耐ブロッキング性
等の成形性の低下、耐熱性向上に伴う耐湿性の低下及び
密着性の低下等、物性バランスを取ることが困難であっ
た。
【0008】このような背景から、エポキシ樹脂改質剤
が検討されている。その一例としては、従来よりインデ
ンクマロン樹脂が知られており、特開平1‐24982
4号公報にはクマロン・インデン・スチレン共重合樹脂
を半導体封止材へ応用することが示されているが、密着
性及び流動性が十分ではない。また、特開平6‐107
905号公報にはインデン含有量を高めたインデン系樹
脂を電子材料用途に応用することが示されているが、難
燃性を低下させる問題がある。非ハロゲン系で難燃性を
確保するために、無機リン、リン酸エステル等のリン系
難燃剤の使用が提案されているが、耐湿性及び耐熱性を
低下させる問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、低吸湿性、耐熱性、密着性、難燃性等に優れた
硬化物を与える電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を提
供することにある。他の目的は、低吸湿性、耐熱性、密
着性、難燃性等に優れた封止材で封止された電子部品を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、主た
る成分として、(a)150℃での溶融粘度が5mPa
・sから50mPa・sであるエポキシ樹脂、(b)1
50℃での溶融粘度が5mPa・sから100mPa・
sであるフェノール樹脂、(c)アセナフチレン類を4
0wt%以上含有するモノマーを重合して得られる芳香
族オリゴマー、(d)組成物中70wt%以上を占める
無機充填材を含有してなる電子部品封止用エポキシ樹脂
組成物である。また、本発明は、上記電子部品封止用エ
ポキシ樹脂組成物で封止された電子部品である。
【0011】本発明に使用されるエポキシ樹脂として
は、150℃での溶融粘度が5mPa・sから100m
Pa・sであり、かつ1分子中にエポキシ基を2個以上
有するもの中から選択され、1種又は2種以上を混合し
て用いることができる。例えば、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフ
ェノール、4,4’‐ビフェノール、2,2’‐ビフェ
ノール、テトラブロモビスフェノールA、ハイドロキノ
ン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいは、ト
リス(4‐ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,
2‐テトラキス(4‐ヒドロキシフェニル)エタン、フ
ェノール、クレゾール、ナフトール等のノボラック樹
脂、フェノール、クレゾール、ナフトール等のアラルキ
ル樹脂等の3価以上のフェノール性化合物のグルシジル
エーテル化物等がある。なお、2種以上のエポキシ樹脂
を使用する場合は、その混合物としての溶融粘度が上記
範囲にあればよい。また、上記溶融粘度は、好ましく
は、5〜80mPa・sである。
【0012】中でもフィラー高充填化の観点から、常温
結晶状の二官能性エポキシ樹脂が好適に使用される。こ
れら結晶性エポキシ樹脂の好ましい融点範囲としては、
40℃〜150℃であり、更に好ましくは50℃〜13
0℃の範囲である。これより高いものは、硬化剤等との
溶融混合性に劣る。また、これより融点の低いものは、
エポキシ樹脂組成物としての耐ブロッキング性に劣る。
【0013】好ましいエポキシ樹脂を例示すると4,
4’‐ジヒドロキシジフェニルメタンのエポキシ化物、
3,3’‐ジメチル‐4,4’‐ジヒドロキシジフェニ
ルメタンのエポキシ化物、3,3’,5,5’‐テトラ
メチル‐4,4’‐ジヒドロキシジフェニルメタンのエ
ポキシ化物、2,2’,3,3’,5,5’‐ヘキサメ
チル‐4,4’‐ジヒドロキシジフェニルメタンのエポ
キシ化物、2,2’‐ジメチル‐5,5’‐ジtert
ブチル‐4,4’‐ジヒドロキシジフェニルメタンのエ
ポキシ化物、1,4‐ビス(4‐ヒドロキシクミル)ベ
ンゼンのエポキシ化物、1,4‐ビス(3‐メチル‐4
‐ヒドロキシクミル)ベンゼンのエポキシ化物、1,4
‐ビス(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロキシクミル)ベ
ンゼンのエポキシ化物、4,4’‐ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルのエポキシ化物、4,4’‐ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィドのエポキシ化物、2,2’‐ジメ
チル‐5,5‐ジtertブチル‐4,4’‐ジヒドロ
キシジフェニルスルフィドのエポキシ化物、3,3’,
5,5’‐テトラメチル‐4,4’‐ジヒドロキシビフ
ェニルのエポキシ化物、1,7‐ナフタレンジオールの
エポキシ化物等が挙げられる。
【0014】エポキシ樹脂の純度、特に加水分解性塩素
量は、封止する電子部品の信頼性向上の観点から少ない
ものがよい。特に限定するものではないが、1000p
pm以下が好ましい。なお、本発明でいう加水分解性塩
素とは、以下の方法により測定された値をいう。すなわ
ち、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N
KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室
温まで冷却し、更に80%アセトン水100mlを加
え、0.002N AgNO3水溶液で電位差滴定を行
い得られる値である。
【0015】本発明で使用するフェノール樹脂は、15
0℃での溶融粘度が5mPa・sから500mPa・s
のものであり、1分子中にフェノール性水酸基を2個以
上有するもの全てを指す。例えば、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビス
フェノール、4,4’‐ビフェノール、2,2’‐ビフ
ェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジ
オール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス(4
‐ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2‐テト
ラキス(4‐ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール
ノボラック、o‐クレゾールノボラック、ナフトールノ
ボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以
上のフェノール類、更にはフェノール類、ナフトール類
又は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’‐ビフ
ェノール、2,2’‐ビフェノール、ハイドロキノン、
レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール
類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアル
デヒド、p‐ヒドロキシベンズアルデヒド、p‐キシリ
レングリコール、p‐キシリレングリコールジメチルエ
ーテル、4,4’‐ジメトキシメチルビフェニル、4,
4’‐ジメトキシメチルジフェニルエーテル、ジビニル
ベンゼン類、ジビニルビフェニル類、ジビニルナフタレ
ン類等の架橋剤との反応により合成される多価フェノー
ル性化合物等がある。
【0016】フェノール樹脂としては、特にその構造を
限定するものではないが、特には、下記一般式(1)、
【化1】 で表されるアラルキル型フェノール樹脂であることが好
ましい。ここで、Aは同時に又は別々に、炭化水素基で
置換されていてもよいベンゼン環、又はナフタレン環を
示し、R1、R2は水素原子又はメチル基を示し、mは1
又は2の整数を示し、nは0から15の整数を示す。
【0017】アラルキル構造を有するフェノール樹脂
は、アルキル置換若しくは未置換のベンゼン環又はナフ
タレン環を有するフェノール性水酸基含有化合物と芳香
族架橋剤とを反応させることにより製造できる。
【0018】フェノール性水酸基含有化合物としては、
アルキル置換若しくは未置換のフェノール類がある。こ
のようなフェノール類としては、Aがベンゼン環の場
合、例えばフェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、
p-クレゾール、エチルフェノール類、イソプロピルフェ
ノール類、ターシャリーブチルフェノール、フェニルフ
ェノール類等が挙げられる。またAがナフタレン環の場
合、例えば1-ナフトール、2-ナフトール等が挙げられ
る。
【0019】芳香族架橋剤としては、ベンゼン骨格を有
するものとビフェニル骨格を有するものがある。ベンゼ
ン骨格を有するものとしては、o‐体、m‐体、p‐体
のいずれでもよいが、好ましくは、m‐体、p‐体であ
る。具体的には、p‐キシリレングリコール、α,α’
‐ジメトキシ‐p‐キシレン、α,α’‐ジエトキシ‐
p‐キシレン、α,α’‐ジイソプロピル‐p‐キシレ
ン、α,α’‐ジブトキシ‐p‐キシレン、m‐キシリ
レングリコール、α,α’‐ジメトキシ‐m‐キシレ
ン、α,α’‐ジエトキシ‐m‐キシレン、α,α’‐
ジイソプロポキシ‐m‐キシレン、α,α’‐ジブトキ
シ‐m‐キシレン、1,4‐ジ(α‐ヒドロキシ‐1‐
エチル)ベンゼン、1,4‐ジ(α‐メトキシ‐1‐エ
チル)ベンゼン、1,4‐ジ(α‐ヒドロキシ‐1‐エ
チル)ベンゼン、1,4‐ジ(α‐エトキシ‐1‐エチ
ル)ベンゼン、1,4‐ジ(α‐イソプロポキシ‐1‐
エチル)ベンゼン、1,4‐ジ(2‐ヒドロキシ‐2‐
プロピル)ベンゼン、1,4‐ジ(2‐メトキシ‐2‐
プロピル)ベンゼン、1,4‐ジ(2‐ヒドロキシ‐2
‐プロピル)ベンゼン、1,4‐ジ(2‐エトキシ‐2
‐プロピル)ベンゼン、1,4‐ジ(2‐イソプロポキ
シ‐2‐プロピル)ベンゼン、1,3‐ジ(2‐ヒドロ
キシ‐2‐エチル)ベンゼン、1,3‐ジ(2‐メトキ
シ‐2‐エチル)ベンゼン、1,3‐ジ(2‐ヒドロキ
シ‐2‐プロピル)ベンゼン、1,3‐ジ(2‐メトキ
シ‐2‐プロピル)ベンゼン、1,2‐ジビニルベンゼ
ン、1,3‐ジビニルベンゼン、1,4‐ジビニルベン
ゼン、1,2‐ジ(2-プロペニル)ベンゼン、1,3
‐ジ(2-プロペニル)ベンゼン、1,4‐ジ(2-プロ
ペニル)ベンゼン等が挙げられる。
【0020】また、ビフェニル骨格を有するものとして
は、4,4’‐ジヒドロキシメチルビフェニル、2,
4’‐ジヒドロキシメチルビフェニル、2,2’‐ジヒ
ドロキシメチルビフェニル、4,4’‐ジメトキシメチ
ルビフェニル、2,4’‐ジメトキシメチルビフェニ
ル、2,2’‐ジメトキシメチルビフェニル、4,4’
‐ジイソプロポキシメチルビフェニル、2,4’‐ジイ
ソプロポキシメチルビフェニル、2,2’‐ジイソプロ
ポキシメチルビフェニル、4,4’‐ジブトキシメチル
ビフェニル、2,4’‐ジブトキシメチルビフェニル、
2,2’‐ジブトキシメチルビフェニル、4,4’‐ジ
(2‐ヒドロキシ‐2‐エチル)ビフェニル、4,4’
‐ジ(2‐メトキシ‐2‐エチル)ビフェニル、4,
4’‐ジ(2‐ヒドロキシ‐2‐エチル)ビフェニル、
4,4’‐ジ(2‐エトキシ‐2‐エチル)ビフェニ
ル、4,4’‐ジ(2‐イソプロポキシ‐2‐エチル)
ビフェニル、4,4’‐ジ(2‐ヒドロキシ‐2‐プロ
ピル)ビフェニル、4,4’‐ジ(2‐メトキシ‐2‐
プロピル)ビフェニル、4,4’‐ジ(2‐ヒドロキシ
‐2‐プロピル)ビフェニル、4,4’‐ジ(2‐エト
キシ‐2‐プロピル)ビフェニル、4,4’‐ジ(2‐
イソプロポキシ‐2‐プロピル)ビフェニル、2,4’
‐ジ(2‐ヒドロキシ‐2‐エチル)ビフェニル、2,
4’‐ジ(2‐メトキシ‐2‐エチル)ビフェニル、
2,4’‐ジ(2‐ヒドロキシ‐2‐プロピル)ビフェ
ニル、2,4’‐ジ(2‐メトキシ‐2‐プロピル)ビ
フェニル、2,4’‐ジビニルビフェニル、2,2’‐
ジビニルビフェニル、4,4’‐ジビニルビフェニル、
2,4’‐ジ(2-プロペニル)ビフェニル、2,2’
‐ジ(2-プロペニル)ビフェニル、4,4’‐ジ(2-
プロペニル)ビフェニル等が挙げられる。メチロール基
等の官能基のビフェニルに対する置換位置は、4,4’
‐位、2,4’‐位、2,2’‐位のいずれでもよい
が、縮合剤として望ましい化合物は4,4’‐体であ
り、全架橋剤中に4,4’‐体が50wt%以上含まれ
たものが特に好ましい。これより少ないとエポキシ樹脂
硬化剤としての硬化速度が低下したり、得られた硬化物
が脆くなる等の欠点がある。
【0021】上記一般式(1)において、nは0から1
5の整数である。nの値は、上記フェノール性水酸基含
有化合物と上記架橋剤を反応させる際の両者のモル比を
変えることにより容易に調製できる。すなわち、フェノ
ール性水酸基含有化合物を架橋剤に対して、過剰に用い
るほどnの値は小さくコントロールできる。nの値が大
きいほど得られた樹脂の軟化点及び粘度が高くなる。ま
た、nの値が小さいほど粘度が低下するが、合成時の未
反応フェノール性水酸基含有化合物が多くなり、樹脂の
生産効率が低下する。両者のモル比は、実用上、フェノ
ール性水酸基含有化合物1モルに対して架橋剤が1モル
以下でなければならず、好ましくは、0.1〜0.9モ
ルの範囲である。0.1モルより少ないと未反応のフェ
ノール性水酸基含有化合物量が多くなり、工業上好まし
くない。
【0022】フェノール樹脂の150℃での溶融粘度は
5mPa・sから500mPa・sであるが、好ましく
は8mPa・sから250mPa・sであり、更に好ま
しくは10mPa・sから200mPa・sである。ま
た軟化点は、好ましくは30〜90℃、より好ましくは
40〜85℃である。これより低いと保存時のブロッキ
ングの問題があり、これより高いとエポキシ樹脂組成物
調製時の混練性と成形性に問題がある。これらのフェノ
ール樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して
用いてもよい。
【0023】本発明でエポキシ樹脂組成物の改質剤とし
て用いる芳香族オリゴマーは、アセナフチレン類を40
wt%以上含有するモノマーを重合して得られるもので
ある。本発明の効果である優れた耐熱性、密着性、耐湿
性及び難燃性は芳香族オリゴマー中のアセナフチレン構
造の含有率に大きく依存しており、物性バランスの観点
からはアセナフチレン構造の含有率が高い程よく、その
含有率は40wt%以上、好ましくは60wt%以上、
更に好ましくは80wt%以上である。
【0024】この芳香族オリゴマーの軟化点は60℃か
ら250℃であり、好ましくは70℃から160℃、更
に好ましくは80℃から140℃の範囲である。また、
その数平均分子量は400から4000、重量平均分子
量では500から5000であることが好ましい。これ
より低いと、これをエポキシ樹脂に配合したとき、硬化
物の耐熱性が低下するとともに、芳香族オリゴマーのブ
リードアウト等により成形性が低下する問題があり、こ
れより高いと成形時の流動性が低下する。
【0025】本発明で使用する芳香族オリゴマーを合成
する際の重合方法としては、ラジカル重合、カチオン重
合、アニオン重合等の方法が適用できるが、カチオン重
合が有利である。カチオン重合を行う際の触媒として
は、周知の無機酸、有機酸より適宜選択することがで
き、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュ
ウ酸、トリフルオロ酢酸、p‐トルエンスルホン酸、メ
タンスルホン酸等の有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニ
ウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸あるいは活
性白土、シリカアルミナ、ゼオライト等の固体酸等が挙
げられる。カチオン重合を行う際の好ましい触媒は、三
フッ化ホウ素である。これは、高反応性であるとともに
得られたオリゴマーの着色が小さい点でその他の触媒に
比べて優れている。
【0026】カチオン重合反応後の触媒の除去は、通
常、用いた触媒に対して過剰量の水酸化カルシウムを加
えることで難溶性の中和塩とした後、ろ過することによ
り行われる。この重合は、通常、10〜200℃で1〜
20時間行われる。
【0027】また、重合は触媒を用いることなく、熱だ
けで行うことができる。この際の温度は、通常60〜2
00℃であり、好ましくは80〜160℃である。これ
より低いと重合に長時間を要し、これより高いと反応速
度が大きく、反応のコントロールが困難となり、場合に
よりゲル化し不溶不融の硬化物となる。重合時間は、通
常1〜20時間である。
【0028】重合に際しては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類
や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を溶
媒として使用することができる。
【0029】本発明の芳香族オリゴマーを得るために使
用するモノマー中の必須成分であるアセナフチレン類と
しては、アセナフチレン又はメチルアセナフチレン、エ
チルアセナフチレン、プロピルアセナフチレン、フェニ
ルアセナフチレン等の炭化水素基置換アセナフチレン類
が挙げられるが、好ましくはアセナフチレンである。か
かるアセナフチレン類は、通常、アセナフテン類を脱水
素することにより合成することができる。
【0030】本発明の芳香族オリゴマーを得るために使
用するモノマー中には、アセナフチレン類以外の芳香族
オレフィン類が存在することができる。このような芳香
族オレフィン類としては、インデン、アルキルインデン
類、ベンゾチオフェン、メチルベンゾチオフェン類、ベ
ンゾフラン、メチルベンゾフラン類、スチレン、アルキ
ルスチレン類、α‐メチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルビフェニル等の不飽和結合を有するモノマー
が挙げられる。
【0031】また、前記モノマー中には、芳香族オレフ
ィン類(アセナフチレン類を含む)以外に、本発明の目
的に反しない範囲で少量のその他のモノマーが存在する
ことができる。このような、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル類、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル
類、無水マレイン酸、フマル酸等の脂肪族オレフィン
類、ジビニルベンゼン類、ジイソプロペニルベンゼン等
のジオレフィン類などが挙げられる。また、その他のモ
ノマーの存在量は、30wt%以下、好ましくは10w
t%以下にとどめることがよい。
【0032】これらのモノマー類は、1種又は2種以上
を混合して用いることができる。芳香族オリゴマーを含
有して得られる硬化物の物性面からは、芳香族オリゴマ
ー中のアセナフチレン類骨格の含有率が高いほどよく、
重合に際して含有させるアセナフチレン類は、通常、重
合成分中、40wt%以上、好ましくは60wt%以
上、更に好ましくは80wt%以上である。一方、合成
面からは、アセナフチレン類単独での重合は、分子量分
布のコントロールが困難であるため、上記のアセナフチ
レン類以外のモノマーを共重合させることが好ましい。
好ましい共重合モノマーはインデン類又はスチレン類で
あり、その好ましい含有率は、10〜80wt%であ
り、更に好ましくは20から60wt%である。
【0033】また、重合に際して、フェノール類を共存
させることができる。フェノール類としてはフェノー
ル、クレゾール類等のアルキルフェノール類、キシレノ
ール等のジアルキルフェノール類、ナフトール類、ナフ
タレンジオール類、ビスフェノールA、ビスフェノール
F等のビスフェノール類、あるいはフェノールノボラッ
ク、フェノールアラルキル樹脂等の多官能性フェノール
化合物が例示される。これらフェノール化合物の添加量
は、通常、20wt%以下であるが、特に制約はない。
フェノール類自体は、不飽和結合を有しないので、重合
性ではないが、カチオン触媒の存在下では、芳香族オレ
フィン類又はそのオリゴマーと反応して末端がフェノー
ル類となった芳香族オリゴマーを形成する。
【0034】上記重合反応終了後、場合により、得られ
た芳香族オリゴマー中には、未反応のアセナフチレン類
が残存する。残存したアセナフチレン類は、減圧蒸留、
溶剤分割等の方法により、系外に除去することが可能で
あるが、場合により、未反応のアセナフチレン類を含有
したまま、本発明のエポキシ樹脂組成物とすることがで
きる。この場合の、残存アセナフチレン量は、通常、1
0wt%以下であり、好ましくは5wt%以下、更に好
ましくは2wt%以下である。これより多いと硬化物の
耐熱性及び難燃性が低下する。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物を調整する
際、本発明のフェノール樹脂と上記芳香族オリゴマーを
事前に混合しておくことができる。フェノール樹脂と芳
香族オリゴマーとを混合してなるフェノール樹脂組成物
は、それぞれの軟化点以上の温度で、撹袢、混練等によ
り均一に混合する溶融混合法と、それぞれを溶解する溶
媒に両者を溶解させて、撹袢、混練等により均一に混合
する溶液混合法とにより得ることができる。溶液混合法
に用いる溶媒としては、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族系溶媒な
どを挙げることができる。なお、この組成物を得る際、
無機充填材、他のフェノール樹脂、その他の添加剤
(材)を配合することも可能であるが、エポキシ樹脂の
配合は避けることがよい。
【0036】また、フェノール樹脂と芳香族オリゴマー
とを混合してなるフェノール樹脂組成物は、フェノール
樹脂中で、アセナフチレン類を主成分とするモノマーを
重合することによっても得ることができる。この重合の
際には、触媒を用いてもよいが、触媒を用いることなく
熱重合を行ってもよい。この際の温度は、通常、60〜
200℃であり、好ましくは80〜160℃である。こ
れより低いと重合に長時間を要し、これより高いと反応
速度が大きく、反応のコントロールが困難となる。重合
時間は、通常、1〜20時間である。
【0037】この反応は、無溶媒下で行ってもよいし、
溶媒を用いてもよい。溶媒を用いる場合は、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレン
グリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の
アルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、ト
ルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族
化合物等が例示される。
【0038】反応に用いるフェノール樹脂としては、先
に述べた1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有す
るもの全てを指すが、特に好ましくは、分子量分布を有
する多官能のフェノール樹脂である。多官能性フェノー
ル樹脂の中でも、特にフェノールノボラック、フェノー
ルアラルキル樹脂、フェノールノボラックあるいはナフ
トールアラルキル樹脂が好ましい。フェノール樹脂の軟
化点は、通常、40〜200℃であり、好ましくは60
〜150℃の範囲である。これより低いと、エポキシ樹
脂の硬化剤として使用して得られた硬化物の耐熱性が低
下する。またこれより高いと芳香族オリゴマーとの相溶
性が低下する。
【0039】このフェノール樹脂と芳香族オリゴマーと
を混合してなるフェノール樹脂組成物は、芳香族オリゴ
マーがフェノール樹脂100重量部に対し3〜200重
量部となるようにすることが好ましく、このようにして
得られるフェノール樹脂組成物は、芳香族オリゴマーと
フェノール樹脂を混合して得られる前記フェノール樹脂
組成物とほぼ同等であり、同様に使用されるが、芳香族
オレフィン類とフェノール樹脂との反応生成物等が少量
副生し、存在する場合がある。
【0040】本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポ
キシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、通常採用され
る範囲で差し支えないが、好ましくはエポキシ基1モル
に対しフェノール性の水酸基が0.8〜1.2モルにな
るように配合することがよい。本発明のエポキシ樹脂組
成物は、70重量%以上の無機充填材と、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂及び芳香族オリゴマーから主として
なる成分(樹脂成分が主であるため樹脂成分ともいう)
とからなる。樹脂成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂及び芳香族オリゴマーから主としてなり、好ましくは
これらの合計が樹脂成分の80重量%以上を占めること
がよい。また、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及び芳香
族オリゴマーの樹脂成分中の含有割合は、上記のとおり
であるが、好ましい含有割合を重量%で表すと、エポキ
シ樹脂が35〜60重量%、フェノール樹脂が35〜6
0重量%、芳香族オリゴマーが5〜30重量%である。
【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物には、70重
量%以上の無機充填材が配合されるが、好ましくは75
重量%以上、更に好ましくは80重量%以上である。こ
の無機充填材の配合量は、エポキシ樹脂組成物全体のこ
れより少ないと半田耐熱性の向上効果が小さい。無機充
填材としては、例えばシリカ、アルミナ、ジルコン、珪
酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステア
タイト、スピネル、ムライト、チタニアなどの1種又は
2種以上が挙げられ、その形態は粉体、球形化したビー
ズなどが挙げられる。これらの内、無機充填材の高充填
化の観点から球状の溶融シリカが好ましい。通常、シリ
カは、数種類の粒径分布を持ったものを組み合わせて使
用される。組み合わせるシリカの平均粒径の範囲は、
0.5〜100μmがよい。
【0042】本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来よ
り公知の硬化促進剤、例えばアミン類、イミダゾール
類、有機ホスフィン類、ルイス酸などを添加してもよ
い。具体的には、1,8‐ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン‐7、トリエチレンジアミン、ベンジル
ジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミ
ノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ
ール等の三級アミン類、2‐メチルイミダゾール、2‐
フェニルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチルイミ
ダゾール、2‐へプタデシルイミダゾール等のイミダゾ
ール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホス
フイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィ
ン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラ
フェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テト
ラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレー
ト、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート
等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2
‐エチル‐4‐メチルイミダゾール・テトラフェニルボ
レート、N‐メチルモルホリン・テトラフェニルボレー
ト等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。添加
量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して
0.2〜10重量部である。
【0043】また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
カルナバワックス、エステル系ワックス等の離型剤、エ
ポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、ビニル
シラン、アルキルシラン、有機チタネート、アルミニウ
ムアルコレート等のカップリング剤、カーボンブラック
等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、シリコン
オイル等の低応力化剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩
等の滑剤などを配合してもよい。
【0044】一般的には、以上のような原材料を所定の
配合量でミキサーなどによって十分混合した後、ミキシ
ングロール、押し出し機などによって混練し、冷却、粉
砕することによって、電子部品封止用エポキシ樹脂組成
物を調製することができる。
【0045】本発明の電子部品は、この電子部品封止用
エポキシ樹脂組成物用いて封止することにより得られ
る。この封止の方法としては、低圧トランスファー成形
法が最も一般的であるが、射出成形法、圧縮成形法によ
っても可能である。このようにして得られたエポキシ樹
脂硬化物及びこれで封止された電子部品は耐熱性、電気
絶縁性が優れる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0047】合成例1(芳香族オリゴマーの合成例) アセナフチレン50g、インデン50gをキシレン30
0gに溶解し、130℃に加熱した。その後、撹拌しな
がら三弗化ホウ素ジメチルエーテルコンプレックス0.
5gを15分かけて滴下した。滴下後、更に3時間反応
させた。その後、水酸化カルシウム1.5gを加え中和
した。中和塩及び過剰の水酸化カルシウムをろ過により
除去し、その後、減圧蒸留により、キシレン及び未反応
モノマーを除去し、芳香族オリゴマー94gを得た(オ
リゴマーA)。得られた樹脂の軟化点は140℃であっ
た。
【0048】調整例1(フェノール樹脂組成物の調整
例) 150℃に溶融させた160gのフェノールノボラック
(フェノール樹脂A;PSM-4261(群栄化学製)、150℃
での溶融粘度150mPa・s、OH当量103、軟化点82℃)中
に、アセナフチレン40gを加え、均一に溶融させた
後、撹拌しながら200℃に昇温し、9.5時間反応さ
せ、フェノール樹脂組成物199gを得た(組成物
A)。得られたフェノール樹脂組成物の軟化点は79
℃、150℃での溶融粘度は、190mPa・sであった。
GPC測定により得られた残存するアセナフチレンの量は
0.3%であった。
【0049】調整例2(フェノール樹脂組成物の調整
例) 軟化点が62℃のフェノールアラルキル樹脂(フェノー
ル樹脂B;XLC-4L(三井化学製)、150℃での溶融粘
度40mPa・s、水酸基当量166)を用いて、調整例1
と同様の操作を行い、180℃で4時間反応させ、フェ
ノール樹脂組成物198gを得た(組成物B)。得られ
た樹脂組成物の軟化点は77℃、150℃での溶融粘度
は、150mPa・sであった。GPC測定により得られた残
存するアセナフチレンの量は0.2%であった。
【0050】調整例3(フェノール樹脂組成物の調整
例) 軟化点が77℃の1−ナフトールアラルキル樹脂(フェ
ノール樹脂C;SN-475(新日鐵化学製)、150℃での
溶融粘度80mPa・s、水酸基当量208)を用い、調整
例1と同様の操作を行い、200℃で4時間反応させ、
フェノール樹脂組成物196gを得た(組成物C)。得
られた樹脂組成物の軟化点は88℃、150℃での溶融
粘度は、340mPa・sであった。GPC測定により得られ
た残存するアセナフチレンの量は0.2%であった。
【0051】調整例4(フェノール樹脂組成物の調整
例) 軟化点が68℃のビフェニル系フェノールアラルキル樹
脂(フェノール樹脂D;MEH-7851(明和化成製)、15
0℃での溶融粘度80mPa・s、水酸基当量210)を用い、
調整例1と同様の操作を行い、200℃で4時間反応さ
せ、フェノール樹脂組成物197gを得た(組成物
D)。得られた樹脂組成物の軟化点は88℃、150℃
での溶融粘度は、280mPa・sであった。GPC測定によ
り得られた残存するアセナフチレンの量は0.4%であ
った。
【0052】実施例1〜6、比較例1〜4 エポキシ樹脂として、3,3’,5,5’‐テトラメチ
ル‐4,4’‐ジヒドロキシビフェニルのエポキシ化物
(エポキシ樹脂A:ジャパンエポキシレジン製、YX-400
0HK;エポキシ当量195、加水分解性塩素450ppm、融点10
5℃、150℃での溶融粘度11mPa・s)、3,3’,5,
5’‐テトラメチル‐4,4’‐ジヒドロキシジフェニ
ルメタンのエポキシ化物(エポキシ樹脂B:新日鐵化学
製、YSLV-80XY;エポキシ当量196、加水分解性塩素230p
pm、融点77℃、150℃での溶融粘度8mPa・s)、ビフェニ
ルアラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂C:日本化
薬製、NC-3000P;エポキシ当量273、加水分解性塩素140
ppm、軟化点58℃、150℃での溶融粘度80mPa・s)、硬化
剤として調整例1〜4で使用したフェノール樹脂A〜D
及び調整例1〜4で調整した組成物A〜D、芳香族オリ
ゴマーとして合成例1の芳香族オリゴマーA、充填剤と
して球状シリカ(シリカA:平均粒径、18μm)、硬
化促進剤としてトリフェニルホスフィン、及び表1に示
す添加剤を用い、表1に示す配合(重量部)で粉体混合
した後、加熱ロールで混練してエポキシ樹脂組成物を調
製した。
【0053】
【表1】
【0054】このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃
で成形し、175℃で12時間ポストキュアを行い、硬
化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。ガラス転
移点は、熱機械測定装置により、昇温速度7℃/分の条
件で求めた。曲げ試験は、240℃での高温曲げ強度、
曲げ弾性率を3点曲げ法により行った。接着強度は、42
アロイ板2枚の間に25mm×12.5mm×0.5m
mの成形物を圧縮成型機により175℃で成形し、17
5℃、12時間ポストキュアを行った後、引張剪断強度
を求めることにより評価した。吸水率は、本エポキシ樹
脂組成物を用いて、直径50mm、厚さ3mmの円盤を
成形し、ポストキュア後85℃、85%RHの条件で1
00時間吸湿させた時のものであり、クラック発生率
は、QFP-80pin(14mm×20mm×2.5
mm、194アロイ)を成形し、ポストキュア後、85
℃、85%RHの条件で所定の時間吸湿後、260℃の
半田浴に10秒間浸漬させた後、パッケージの状態を観
察し求めた。難燃性は、厚さ1/16インチの試験片を
成形し、UL94V-0規格によって評価し、n=5の
試験での合計燃焼時間で表した。また、ブロッキング試
験の結果は、エポキシ樹脂組成物の1mmパスの粉体を
用い、25℃で24時間放置後のブロッキング率を重量
%で表した結果をまとめて表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、耐ブロ
ッキング性が改善され、取り扱い作業性にも優れている
とともに、低吸湿性、高耐熱性異種材料との密着性及び
難燃性等に優れた硬化物を与え、電子・電気部品の封止
材として好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 (72)発明者 山田 尚史 福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46− 80 新日鐵化学株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BC01X CD03W CD04W CD05W CD11W DA116 DE096 DE146 DE236 DJ006 DJ016 DK006 FD016 4J036 AA01 AD08 AD15 AD21 AF05 FA01 FA05 FA06 FB01 FB08 JA07 4M109 AA01 CA21 EA02 EA20 EB03 EB18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる成分として、(a)150℃での
    溶融粘度が5mPa・sから100mPa・sであるエ
    ポキシ樹脂、(b)150℃での溶融粘度が5mPa・
    sから500mPa・sであるフェノール樹脂、(c)
    アセナフチレン類を40wt%以上含有するモノマーを
    重合して得られる芳香族オリゴマー及び(d)組成物中
    70wt%以上を占める無機充填材を含有してなる電子
    部品封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が常温で結晶性のエポキシ
    樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品
    封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール樹脂と芳香族オリゴマーが事
    前に混合されてなることを特徴とする請求項1に記載の
    電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電子部
    品封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された電子
    部品。
JP2001359392A 2001-11-26 2001-11-26 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品 Withdrawn JP2003160715A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003104295A1 (ja) * 2002-06-11 2003-12-18 新日鐵化学株式会社 アセナフチレン変性フェノール性樹脂及びエポキシ樹脂組成物
WO2014162974A1 (ja) * 2013-04-04 2014-10-09 日東電工株式会社 アンダーフィル用接着フィルム、裏面研削用テープ一体型アンダーフィル用接着フィルム、ダイシングテープ一体型アンダーフィル用接着フィルム及び半導体装置

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