P 漏薦 60
レン変性フユノール性樹脂及びエポキシ樹脂組成物
技術分野 明
本発明は、 エポキシ樹脂の硬化剤、 エポキシ樹脂中間体等として有用な フエノール性樹脂に関するものであり、 また、 電気 '電子部品類の封止、 書
回路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関するも のである。
景技術
従来より、 エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、 その要求性能は近年ますます高度化している。 例えば、 エポキシ樹脂を主 剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、 半導体素子 の集積度の向上に伴い、 パッケージサイズは大面積化、 薄型化に向かう と ともに、 実装方式も表面実装化への移行が進展しており、 半田耐熱性に優 れた材料の開発が望まれている。 従って、 封止材料としては、 低吸湿化に 加え、 リードフレーム、 チップ等の異種材料界面での接着性 '密着性の向 上が強く求められている。 回路基板材料においても同様に、 半田耐熱性向 上の観点から低吸湿性、 高耐熱性、 高密着性の向上に加え、 誘電損失低減 の観点から低誘電性に優れた材料の開発が望まれている。 これらの要求に 対応するため、 主剤となるエポキシ樹脂側から、 様々な新規構造のェポキ
JP03/07360 シ樹脂が検討されている。 しかし、 エポキシ樹脂側の改良だけでは、 低吸 湿化に伴う耐熱性の低下、 密着性の向上に伴う硬化性の低下等が生じ、 物 性バランスを取ることは困難であった。 更に最近では、 環境負荷低減の観 点から、 ハロゲン系難燃剤排除の動きがあり、 より難燃性に優れた改質剤 が求められている。
従って、 上記背景から種々の変性フ ノール樹脂が検討されている。 そ の一例と して、 特開平 9 - 2 0 8 6 7 3号公報にはィンデン又はィンデン オリ ゴマー変性フ ノール樹脂を硬化剤としてエポキシ樹脂組成物へ応用 することが示され、 低吸湿性、 低誘電性に優れることが開示されているが、 難燃性の向上効果は期待できない。 更に、 耐熱性も十分ではない。 また、 U S P 5 1 7 3 5 4 8号明細書には、 インデンとフエノールを反応させ、 この反応生成物をエポキシ化してエポキシ変性炭化水素樹脂を得る方法が 記載されている。 発明の開示 本発明の目的は、 エポキシ樹脂の中間体、 エポキシ樹脂組成物の硬化剤 等に有用なフエノール性化合物を提供することにある。 また、 他の目的は. 優れた成形性を有するとともに、 低吸湿性、 耐熱性、 密着性及び難燃性等 に優れた硬化物を与える電気 ■ 電子部品類の封止材料、 回路基板材料等に 有用なエポキシ樹脂組成物を提供すること、 並びにその硬化物を提供する ことにある。 本発明は、 フエノール樹脂又は多価フエノールから選択されるフエノー
ル性化合物 1 0 0重量部に対し、 3〜 5 0重量部のァセナフチレン類を用 い、 ァセナフチレン類の 3 0 ~ 1 0 0モル%をフエノール性化合物に付加 反応させて得られるァセナフチレン類変性フエノール性樹脂である。
また、 本発明は、 フエノール樹脂又は多価フエノールから選ばれるフエ ノール性化合物 1 0 0重量部に対し、 3〜 5 0重量部のァセナフチレン類 を用い、 ァセナフチレン類の 3 0〜 1 0 0モル%をフエノール性化合物に 付加反応させることを特徴とするァセナフチレン変性フエノール性樹脂の 製造方法である。
更に、 本発明は、 このァセナフチレン類変性フエノール性樹脂を、 ェピ クロロヒ ドリンと反応させて得られるエポキシ樹脂である。
また更に、 本発明は、 上記ァセナフチレン類変性フエノール性樹脂又は エポキシ樹脂を、 硬化剤成分又はエポキシ樹脂成分と して配合してなるェ ポキシ樹脂組成物、 並びに、 このエポキシ樹脂組成物を硬化してなるェポ キシ樹脂硬化物である。 本発明のァセナフチレン類変性フエノール性樹脂は、 フエノール性化合 物 (フエノール性の水酸基を 2以上有するフエノール樹脂、 多価フ ノー ル又は両者を含む意味である) にァセナフチレン類の一部又は全部を付加 反応させることにより得られる。 このァセナフチレン類変性フエノール性 樹脂は、 フ ノール性化合物であるフヱノール樹脂又は多価フエノールの O H基を有する芳香族環に、 平均して 0 . 1個以上のァセナフチレン類又 はァセナフチレン類オリゴマーが置換したものを含む樹脂であり、 その他 未反応フエノール性化合物ゃァセナフチレン類ホモオリ ゴマ一等が含まれ てもよい。
本発明の効果である優れた耐熱性、 密着性、 耐湿性及び難燃性は、 ァセ ナフチレン変性フユノール性樹脂中のァセナフチレン構造の含有率に大き く依存する。 ァセナフチレン変性フエノール性樹脂を調製する際のァセナ フチレン類の使用量は、 フエノール性化合物 1 0 0重量部に対して 3〜5 0重量部の範囲であり、 好ましくは 5〜4 0重量部、 更に好ましくは 8〜 3 0重量部の範囲である。 これより少ないと本発明の効果である耐熱性、 難燃性が発揮され難い。 これより多いと、 残存する未反応ァセナフチレン 類の含有率が高くなり、 金型汚れ、 ボイ ド発生等の成形不良を起すととも に、 硬化物の耐熱性、 難燃性等の効果が低下し、 機械的強度も低下する。 更に、 ァセナフチレン類の使用量がこれより多いと付加反応の過程におい て、 副反応として生成するァセナフチレン類自体の重合によるァセナフチ レン類ホモオリ ゴマーの生成量が多くなる。 ホモオリ ゴマーの生成量が多 くなると、 粘度が高くなり成形性が低下するとともに、 ホモオリゴマー自 体は硬化反応に関与しないため、 耐熱性、 難燃性等の性能が低下し、 場合 により、 成形の過程でホモオリゴマーのプリ一ドアゥ トによる金型汚れ等 の問題が起こり成形性の低下を招く恐れがある。
このァセナフチレン類の 3 0モル%以上、 好ましくは 5 0モル0 /0以上、 更'に好ましくは 8 0モル%以上が、 フエノール性化合物と反応し、 一部は ァセナフチレン類ホモオリ ゴマーとなる。 本発明に用いるァセナフチレン類と しては、 ァセナフチレン又はメチル ァセナフチレン、 ェチノレアセナフチレン、 プロピ /レアセナフチレン、 フエ 二ルァセナフチレン等の炭化水素基置換ァセナフチレン類が挙げられるが. 好ま しく はァセナフチレンである。 かかるァセナフチレン類は、 通常、 ァ
セナフテン類を脱水素することにより合成することができる。
本発明に用いるァセナフチレン類の純度は、 高いほど好ましく、 通常は
8 0 %以上、 好ましくは 9 0 %以上、 更に好ましくは 9 5 %以上である。 不純物と しては、 ァセナフテン類、 アルキルナフタレン類が含まれている 場合が多いが、 これらが多いと硬化物と した際の難燃性、 耐熱性、 及び機 械強度等が低下する。
また、 ァセナフチレン変性フエノール性樹脂を調製する際、 ァセナフチ レン類に、 ァセナフチレン類以外の不飽和結合を有する他のモノマーを共 存させることができる。 このようなモノマーと しては、 インデン、 アルキ ルイ ンデン類、 ベンゾチォフェン、 メチルベンゾチォフェン類、 ベンゾフ ラン、 メチノレべンゾフラン類、 スチレン、 ァノレキルスチレン類、 ひ -メチ ルスチレン、 ビニルナフタ レン、 ビエ/レビフエ二/レ、 ジビエルベンゼン類- ジイソプロぺニルベンゼン類、 アク リル酸、 アク リル酸エステル類、 メタ アク リル酸、 メタアク リル酸エステル類、 無水マレイ ン酸、 フマル酸等が 挙げられるが、 該他のモノマーの存在量は、 3 0 w t %以下、 好ましくは 1 0 w t %以下にとどめることがよレ、。
前記他のモノマー類は、 1種又は 2種以上を混合して用いることができ る。 硬化物の物性面からは、 不飽和結合を有するモノマー中のァセナフチ レン類の含有率が高いほどよく、 重合に際して含有させるァセナフチレン 類は、 通常、 重合性成分中、 6 0 wt %以上、 好ま しく は 7 0 w t %以上、 より好ましくは 8 0 w t %以上、 更に好ましくは 9 0 w t %以上である。 本発明で原料と して使用するフ ノール性化合物とは、 1分子中にフエ ノール性水酸基を 2個以上有するもの全てを指し、 例えば、 ビスフエノー
ノレ A、 ビスフエノーノレ F、 ビスフエノーノレ S 、 フゾレオレンビスフエノーノレ、 4, 4 , ービフエノ一ノレ、 2 , 2 ' -ビフエノ一ノレ、 ハイ ド ロキノ ン、 レゾ ノレシン、 ナフタレンジオール等の 2価のフエノール類、 あるいは、 ト リ ス- (4 -ヒ ドロキシフエニル) メタン、 1 , 1 , 2, 2 -テ トラキス ( 4 - ヒ ドロキシフエ二ノレ) ェタンの 3価のフエノーノレ類、 フエノーノレノボラッ ク、 o -ク レゾ一ルノボラック、 ナフ トールノポラック、 ポリ ビニルフエ ノール等に代表される 3価以上の多価フエノ一ル類ゃフエノ一ル樹脂類が ある。 更には、 フエノール、 炭素数 1〜 6のアルキル基が置換したアルキ ルフエノール類、 ナフ トール類等の 1価のフエノール類又はビスフエノー ノレ A、 ビスフエノーノレ F、 ビスフエノーノレ S、 フルオレンビスフエノール、 4 , 4 ' ービフエノール、 2 , 2 ' —ビフエノーノレ、 ハイ ドロキノン、 レゾ ルシン、 ナフタレンジオール等の 2価のフエノール類と、 ホルムアルデヒ ド、 ァセ トァノレデヒ ド、 ベンズァノレデヒ ド、 p -ヒ ドロキシベンズァノレデ ヒ ド、 : -キシリ レングリ コーノレ、 p -キシリ レングリ コーノレジメチノレエ一 テル、 4 , 4, -ジメ トキシメチルビフエニル、 4, 4 ' -ジメ トキシメチ ルジフエニルエーテル、 ジビニルベンゼン類、 ジビエノレビフエニル類、 ジ ビュルナフタレン類等の架橋剤との反応により合成されるフヱノール樹脂 類がある。
本発明でいうフエノール性化合物は、 上記のよ うに、 通常、 フヱノール 樹脂と称されるものの他、 多価フエノールを含む意味で使用される。 好ま しいフエノール性化合物の一つは、 フエノール樹脂である。 フエノール樹 脂と しては、 上記の 1価のフエノール類又は 2価のフエノール類と架橋剤 との反応によ り合成されるフェノール樹脂類である。 好ま しいフヱノール 樹脂と しては、 フ ノール、 炭素数 1〜 6のアルキル基が置換したアルキ
6
ルフエノール類、 ナフ トール類等の 1価のフエノール類と、 ホルムアルデ ヒ ドを縮合させて生じるノボラック樹脂や、 上記の 1価のフエノール類と、 R O - R ' - A r - R ' - O R (伹し、 Rは水素又は炭素数 1〜 6のアルキル 基を示し、 R, は- C n H 2 n -を示し、 nは 1 ~ 6の数を示し、 A rは炭素 数 6〜 1 5の 2価のァリ一ル基を示す) で表される化合物ゃジビュルベン ゼン、 ジビニノレナフタ レン、 ジビニルビフエエル等の芳香族ジビエル化合 物又はこれらの炭素数 1〜 6のアルキル置換体から選ばれる架橋剤とを縮 合させて生じるァラルキル構造を有するフエノール樹脂がある。 ァラルキ ル構造を有するフエノール樹脂は、 ァセナフチレンとの反応性に優れるこ と、 更には硬化物と した場合の難燃性、 耐湿性等に優れていることから、 特に好ましい。 具体的には、 1, 4 -フエ二レン基、 4, 4 ' -ビフエユレ ン基を有するフェノール又はナフト一ルのァラルキル樹脂が挙げられる。 フエノール性化合物とァセナフチレン類の反応は、 周知の無機酸、 有機 酸等の触媒を用いることができるが、 触媒を用いることなく熱だけで行う ことが好ましい。 この際の温度は、 通常、 4 0〜 1 5 0 °Cであり、 好まし くは 6 0〜 1 3 0 °Cである。 これより低いと付加反応に長時間を要し、 こ れより高いと副反応で生成するァセナフチレン類自体の重合によるァセナ フチレン類ホモオリ ゴマーの生成量が多くなる。 また、 反応時間は、 通常 3 0分〜 2 0時間である。
なお、 1 5 0 °C以上の温度であっても、 反応時間をコン ト ロールするこ とにより本発明のァセナフチレン変性フヱノール性樹脂を調製することが できる。
上記反応において、 触媒を用いる場合、 触媒としては、 例えば、 塩酸、
硫酸、 燐酸等の鉱酸や、 ギ酸、 シユウ酸、 ト リ フルォロ酢酸、 p -トルェ ンスルホン酸、 メタンスルホン酸等の有機酸や、 塩化亜鉛、 塩化アルミ二 ゥム、 塩化鉄、 三フッ化ホウ素等のルイス酸あるいは、 活性白土、 シリカ アルミナ、 ゼォライ ト等の固体酸等が挙げられる。 この場合の触媒の使用 量は、 用いるフエノール性化合物とァセナフチレン類の合計量に対して、 通常、 0 . 0 1〜 5 w t %の範囲である。 また、 反応温度は、 通常、 4 0 〜 1 5 0 °Cであり、 反応時間は、 通常、 0 . 5〜 1 ◦時間である。
反応に際しては、 メ タノール、 エタノール、 プロパノール、 ブタノール、 エチレングリ コール、 メチルセ口ソルブ、 ェチルセ口 ソルプ等のァノレコー ル類や、 アセ トン、 メチノレエチルケトン、 メチルイソブチルケトン等のケ トン類、 ジメチルエーテノレ、 ジェチルエーテル、 ジイ ソプロ ピルエーテノレ、 テ トラ ヒ ドロフラン、 ジォキサン等のエーテル類、 ベンゼン、 トノレェン、 クロ口ベンゼン、 ジクロ口ベンゼン等の芳香族化合物等を溶媒と して使用 することができる。
反応後の触媒の除去は、 水洗、 又は、 用いた触媒に対して過剰量の水酸 化カルシウムを加えることで難溶性の中和塩と した後、 ろ過することによ り行われる。
上記反応終了後、 得られたァセナフチレン変性フエノール性樹脂中には. 未反応のァセナフチレン類が残存してもよい。 この場合の残存ァセナフチ レン量は 7 0 w t %以下、 好ましくは 3 0 w t %以下、 更に好ましくは 1 0 w t %以下であることがよい。 これより多いと硬化物の耐熱性及び難燃 性が低下する。 また、 ァセナフチレン変性フエノール性樹脂中のァセナフ チレン類ホモオリ ゴマーの含有率は、 3 0 ^ 。/0以下、 好ましく は 1 5 t %以下、 より好ま しく は 1 0 w t %以下、 更に好ましく は 5 w t %以下
0 であることがよい。 また、 ァセナフチレン変性フエノール性樹脂中の未変 性のフエノール性化合物は、 8 0 wt%以下、 好ま しく は 7 0 wt%以下、 よ り好ましくは 6 Owt%以下することがよい。
未反応ァセナフチレン類は、 本発明のァセナフチレン変性フエノール性 樹脂を調製後、 系外に除く ことができる。 除去の方法と しては、 減圧蒸留、 水蒸気蒸留等の方法を適用することができる。
本発明の製造方法の付加反応で生じる反応混合物は、 少なく とも 1個の ァセナフチレン類がフエノール性化合物の O H基を有する芳香環に付加し たァセナフテニル基類置換フェノール性化合物を含み、 未反応フエノール 性化合物、 未反応ァセナフチレン類又はァセナフチレン類ホモォリ ゴマー 等を含む。 その他、 反応に使用した溶媒や触媒を含むことがある。 これら から、 必要により、 ァセナフテュル基類置換フエノール性化合物を分離、 精製して、 これを本発明のァセナフチレン変性フエノール性樹脂とするこ ともできる。 また、 触媒や溶媒、 未反応ァセナフチレン類等の分離容易な ものだけを分離して、 これを本発明のァセナフチレン変性フエノール性樹 脂とすることもできる。 本発明のァセナフチレン変性フエノール性樹脂は 溶媒を除く 固形分中に、 ァセナフテニル基類置換フ ノール性化合物を 2 0〜 1 0 0 w t %、 好ましく は 3 0〜 9 0 w t %を含み、 その他の成分と しては未変性フ-ノール性樹脂を含むことが好ましく、 両者の合計は 7 0 〜; L 0 0 w t %、 好ましく は 8 0 ~ 1 0 0 w t %の範囲がよい。 残りの固 形分と しては、 未反応ァセナフチレン類ゃァセナフチレン類ホモオリ ゴマ 一等が主である。
ァセナフチレン変性フエノール性樹脂の好ましい 1 5 0°Cでの溶融粘度 は、 5 mP a ■ s力 ら 8 0 0 mP a ■ sであるが、 更に好ましくは 1 0 m
0
P a · s力 ら 4 0 ◦ m P a ' sである。 また軟化点は、 好ましく は 3 0〜 1 5 0 ° ( 、 より好ましく は 4 0 ~ 1 2 0 °Cである。 これよ り低いと保存時 のブロッキングの問題があり、 これよ り高いとェポキシ樹脂組成物調製時 の混練性と成形性に問題がある。 本発明のァセナフチレン変性フエノール性樹脂は、 これをェピクロロヒ ドリンと反応させて本発明のエポキシ樹脂とすることができる。 また、 本 発明のァセナフチレン変性フエノール性樹脂及びエポキシ樹脂は、 ェポキ シ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物の一成分と して使用すること ができる。 本発明のエポキシ樹脂は、 ァセナフチレン変性フエノール性樹脂をェピ クロロヒ ドリ ンと反応させることにより得られ、 優れた耐熱性と不燃性を 有する。 このェピクロロヒ ドリ ンとの反応は公知の方法により行う ことが できる。 本発明のエポキシ樹脂組成物は、 少なく と もエポキシ樹脂及び硬化剤を 含むものであるが、 硬化剤と して前記ァセナフチレン変性フエノール性樹 脂を配合するか、 又は、 エポキシ樹脂と して前記の本発明のエポキシ樹脂 を配合する。
ァセナフチレン変性フエノール性樹脂を硬化剤と して配合するエポキシ 樹脂組成物は、 通常、 エポキシ樹脂中のエポキシ基 1モルに対して、 ァセ ナフチレン変性フエノール性樹脂中の水酸基が 0 . 8から 1 . 2モルの範 囲となるように配合される。 これより小さくても大きくても、 硬化物の架
橋密度が低下するため、 耐熱性、 機械強度及び難燃性が低下する問題があ る。 なお、 上記の配合量は、 本発明のァセナフチレン変性フエノール性樹 脂のみを硬化剤として使用した場合であり、 他の硬化剤が併用されるとき は、 その量が控除される。
このエポキシ樹脂組成物を調製する方法としては、 前記のエポキシ樹脂 と本発明のァセナフチレン変性フエノール性樹脂を配合する方法がある。 これとは別に、 エポキシ樹脂、 フエノール性化合物及ぴァセナフチレン 類を別々に分け取った後に混合し、 エポキシ樹脂の存在する中で、 フエノ ール性化合物とァセナフチレン類を付加反応させる方法がある。 この際、 エポキシ樹脂とフエノール性化合物を混合した後に、 ァセナフチレン類を 加えて混合物と してもよい。 この付加反応を行うには、 これらの混合物を 加熱溶融させる方法があり、 この際の好ましい温度範囲は 7 0〜 2 0 ◦ °C であり、 反応時間は通常、 1 0分から 1 0時間である。 なお、 この際、 ェ ポキシ樹脂とァセナフチレン類が付加反応したものが少量生成してもよい 加熱溶融混合をする方法としては、 攪拌羽根の付いた反応基を用いても良 いし、 ヘンシェルミキサー等の混合機、 ロール混練機、 あるいはエーダー 等の混練機を用いても良い。 また、 加熱混合を行う際には、 エポキシ樹脂. フエノール性化合物、 ァセナフチレン類以外に、 後記の無機フィラー、 触 媒、 難燃剤、 顔料、 ワ ックス、 離型剤、 カップリ ング剤、 低応力化剤、 熱 可塑性樹脂等の添加剤を同時に混合していても良い。 本発明のエポキシ樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂としては、 1分 子中にエポキシ基を 2個以上有するもの中から選択される。 例えば、 ビス フエノーノレ A、 ビスフエノーノレ F、 ビスフエノーノレ S、 フノレオレンビスフ
エノーノレ、 4 , 4 ' —ビフエノール、 2, 2 ' -ビフエノール、 テ トラブロ モビスフエノーノレ A、 ハイ ドロキノ ン、 レゾノレシン等の 2価のフエノーノレ 類、 あるいは、 ト リス- (4 -ヒ ドロキシフエニル) メタン、 1, 1, 2 , 2 -テ ト ラキス ( 4 -ヒ ドロキシフエニル) ェタン等の 3価以上のフエノー ル類、 フエノール、 ク レゾール、 ナフ ト一ル等から誘導されるノボラック 樹脂、 フエノール、 クレゾール、 ナフ トール等から誘導されるァラルキル 樹脂等のフエノール性樹脂から誘導されるダルシジルエーテル化物等があ る。 これらのエポキシ樹脂は 1種又は 2種以上を混合して用いることがで きる。 また、 上記本発明の ポキシ樹脂を使用することもできる。 このエポキシ樹脂組成物に使用する硬化剤と しては、 前記の本発明に関 わるァセナフチレン変性フエノール性樹脂以外にその他の硬化剤を併用し ても良い。 その他の硬化剤と しては、 一般にエポキシ樹脂の硬化剤と して 知られているものはすべて使用でき、 ジシアンジアミ ド、 酸無水物類、 フ エノール類、 芳香族及び脂肪族ァミン類等がある。 これらの中でも、 半導 体封止材等の高い電気絶縁性が要求される分野においては、 フエノール性 樹脂を硬化剤と して用いることが好ましい。 以下に、 硬化剤の具体例を示 す。
酸無水物硬化剤と しては、 例えば、 無水フタル酸、 テ トラヒ ドロ無水フ タル酸、 メチルテ トラヒ ドロ無水フタル酸、 へキサヒ ドロ無水フタル酸、 メチノレへキサヒ ドロ無水フタル酸、 メチル無水ハイミ ック酸、 無水ドデシ -ルコハク酸、 無水ナジック酸、 無水トリメ リ ッ ト酸等がある。
フエノール類と しては、 例えば、 ビスフエノール A、 ビスフエノール F . ビスフエノーノレ S、 フノレオレンビスフエノーノレ、 4 , 4 , -ビフエノーノレ.
2 , 2 ' -ビフエノーノレ、 ハイ ドロキノ ン、 レゾルシン、 ナフタ レンジ才 ール等の 2価のフエノール類、 あるレ、は、 ト リ ス- ( 4 -ヒ ドロキシフエ二 ル) メ タン、 1 , 1 , 2 , 2 -テ トラキス ( 4 -ヒ ドロキシフエ-ル) エタ ン、 フエノーノレノボラ ック、 ο -ク レゾ一ノレノボラ ック、 ナフ トーノレノ ボ ラ ック、 ポリ ビュルフエノール等に代表される 3価以上のフエノール類が ある。 更にはフエノール類、 ナフ トール類又はビスフエノール Α、 ビスフ エノーノレ F、 ビスフエノーノレ S、 フノレオレンビスフエノーノレ、 4 , 4 ' - ビフエノーノレ、 2 , 2 ' -ビフエノーノレ、 ノヽイ ドロキノ ン、 レゾノレシン、 ナフタ レンジオール等の 2価のフエノール類と、 ホルムアルデヒ ド、 ァセ トァ レデヒ ド、 ベンズァノレデヒ ド、 p -ヒ ドロキシベンズァ /レデヒ ド、 p - キシリ レンダリ コール等の縮合剤によ り合成される多価フエノール樹脂等 がある。
アミン類と しては、 4 , 4 ' -ジアミノジフエニルメタン、 4 , 4 ' -ジ アミ ノジフエ二ノレプロパン、 4 , 4 ' -ジアミ ノジフエニノレスルホン、 m - フエ二レンジァ ミ ン、 p -キシリ レンジァミ ン等の芳香族ァミ ン類、 ェチ レンジァミ ン、 へキサメチレンジァミ ン、 ジエチレン ト リ アミン、 ト リエ チレンテ トラミン等の脂肪族ァミン類がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、 これら硬化剤の 1種又は 2種以上を 混合して用いることができるが、 全硬化剤中、 本発明のァセナフチレン変 性フエノール性樹脂を 5 0 w t %以上、 好ましく は 7 0 w t %以上、 更に 好ましくは 9 0 w t %以上とするのがよい。
更に、 本発明のエポキシ樹脂組成物中には、 ポリエステル、 ポリアミ ド. ポリイ ミ ド、 ポリエーテル、 ポリ ウレタン、 石油樹脂、 フェノキシ樹脂等 のオリ ゴマー又は高分子化合物を他の改質剤等と して適宜配合してもよい,
添加量は、 通常、 エポキシ樹脂 1 0 0重量部に対して、 2〜 3 0重量部の 範囲である。
また、 本発明のエポキシ樹脂組成物には、 無機充填剤、 顔料、 難燃剤、 揺変性付与剤、 カップリング剤、 流動性向上剤等の添加剤を配合できる。 無機充填剤と しては、 例えば、 球状あるいは破砕状の溶融シリカ、 結晶シ リカ等のシリカ粉末、 アルミナ粉末、 ガラス粉末、 マイ力、 タルク、 炭酸 カルシウム、 アルミナ又は水和アルミナ等が挙げられる。 半導体封止材に 用いる場合の好ましい配合量は 7 0 。/。以上であり、 更に好ましくは 8 0 wt%以上である。 顔料と しては、 有機系又は無機系の体質顔料、 鱗片状顔 料等がある。 揺変性付与剤と しては、 シリ コン系、 ヒマシ油系、 脂肪族ァ マイ ドワックス、 酸化ポリエチレンヮックス、 有機ベントナイ ト系等を挙 げることができる。
更に、 本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応じて、 従来より公知の 硬化促進剤を用いることができる。 例を挙げれば、 アミン類、 イ ミダゾー ル類、 有機ホスフィ ン類、 ルイ ス酸等があり、 具体的には、 1, 8_ジァザ ビシクロ ( 5 , 4 , 0 ) ゥンデセン- 7、 ト リエチレンジァミ ン、 ベンジ ルジメチルァミン、 ト リエタノールァミン、 ジメチルァミ ノエタノール、 ト リス (ジメチルァミ ノメチル) フエノールなどの三級ァミン、 2 メチ ノレイ ミダゾーノレ、 2—フエニノレイ ミダゾーノレ、 2—フエニル'一 4 —メチノレイミダ ゾーノレ、 2 -ヘプタデシ/レイ ミダゾールなどのィミダゾーノレ類、 トリブチ ノレホスフィ ン、 メチノレジフエ二ノレホスフィ ン、 ト リ フエ二ノレホスフィ ン、 ジフエ二ノレホスフィン、 フエ二ノレホスフィンなどの有機ホスフィン類、 テ トラフェュノレホスホニゥム . テ トラフェュノレボレート、 テ トラフエニノレホ スホニゥム ■ ェチノレトリ フエ二ルポレート、 テ トラブチルホスホニゥム -
テ トラブチルポレー トなどのテ トラ置換ホスホェゥム ' テ トラ置換ポレー ト、 2 -ェチル- 4 -メチルイ ミダゾ一ル ' テ トラフェニルポレー ト、 N -メ チルモルホリ ン ■ テ トラフェニルポレートなどのテ トラフェニルボ口ン塩 などがある。 添加量と しては、 通常、 エポキシ樹脂 1 0 0重量部に対して、 0 . 2〜 5重量部の範囲である。
更に必要に応じて、 本発明の樹脂組成物には、 カルナバワ ックス、 O P ヮックス等の離型剤、 γ -グリシドキシプロビルト リ メ トキシシラン等の カップリ ング剤、 カーボンブラック等の着色剤、 三酸化アンチモン等の難 燃剤、 シリ コンオイル等の低応力化剤、 ステアリ ン酸カルシウム等の滑剤 等を使用できる。
また、 本発明のェ,ポキシ樹脂組成物は、 有機溶剤の溶解させたワニス状 態と した後に、 ガラスクロス、 ァラミ ド不織布、 液晶ポリマー等のポリェ ステル不織布等の繊維状物に含浸させた後に溶剤除去を行い、 プリプレダ とすることができる。 また、 場合により銅箔、 ステンレス箔、 ポリイ ミ ド フィルム、 ポリエステルフィルム等のシート状物上に塗布することにより 積層物とすることができる。 本発明のエポキシ樹脂組成物において、 エポキシ樹脂と して配合するェ ポキシ樹脂が本発明のエポキシ樹脂である場合は、 硬化剤が任意である他 は、 上記の説明が同様に適用される。 本発明のエポキシ樹脂を、 他のェポ キシ樹脂と混合して使用する場合は、 本発明のエポキシ樹脂をエポキシ樹 脂の 5 O wt %以上、 好ましくは 8 O wt°/0以上使用することがよい。 本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させれば、 ェポキシ樹脂硬化物
とすることがでる。
また、 例えば、 フエノール性化合物、 エポキシ樹脂とァセナフチレン類 を加えたエポキシ樹脂組成物を調製し、 1 5 0 °C以上の成形温度を適用し て、 ァセナフチレンとフユノール性化合物への付加反応を進行させながら、 エポキシ樹脂硬化物を作成することもできる。 この場合の成形時間は通常、 1分から 1時間である。
このよ うにして得られる本発明の硬化物は低吸湿性、 高耐熱性、 密着性、 難燃性等の点で優れたものとなる。 図面の簡単な説明 図 1は、 実施例 1 のァセナフチレン変性フエノール性樹脂の FD- MSスぺ タ トル図であり、 図 2は、 実施例 2のァセナフチレン変性フエノール性樹 脂の FD - MSスぺク トル図であり、 図 3は、 実施例 3 のァセナフチレン変性 フエノール性樹脂の FD- MSスぺク トル図である。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明の実施例を示す。 実施例中、 °/ i w t %であり、 部は重量 部である。
以下、 実施例により本発明を更に具体的に説明する。 実施例 1
1 0 0 °Cに溶融させた 1 6 O gのフエノールノボラック (O H当量 1 0
7360
4、 軟化点 4 6 °C、 1 5 0 °Cでの溶融粘度 2 0m P a · s ; フエノール樹 脂 A) 中に、 ァセナフチレン 4 0 gを加えて均一に溶融させた後、 撹拌し ながら 1 0 0 °Cで 1時間反応させ、 ァセナフチレン変性フエノール性樹脂
(変性樹脂 A) 1 9 8 gを得た。 得られた変性樹脂 Aの軟化点は 5 1 °C、 1 5 0 °Cでの溶融粘度は 2 4 m P a · s、 〇 H当量は 1 3 2であった。 G P C測定により求めたァセナフチレンの付加反応率は 4 6 %、 ァセナフチ レンホモオリ ゴマーの生成量は 3 w t %以下であった。 ァセナフチレンの 反応がフエノールノボラックへの付加反応で進行することは、 得られた変 性樹脂 Aの F D - M Sスぺク トルを測定することによ り確認した。 図 1 に 示すように、 原料フェノールノポラックに対応した mZ z - 2 0 0 , 3 0 6、 4 1 2、 5 1 8、 6 2 5、 1分子のァセナフチレンが反応したことに 対応した: m/ z = 3 5 2、 4 5 8、 5 6 5、 6 7 0、 7 7 7が確認ざれた。 それぞれのピークの相対強度から見積もったァセナフチレン付加物 (ァセ ナフチル基がフエノールノボラックのベンゼン環に 1個以上置換したも の) の生成率は 3 3モル。/。であった。
ここで、 粘度は I C I型コーンプレー ト粘度計 (C A P 2 0 0 0 H型、 B R O O K F I E L D社製) を用い、 軟化点は J I S K - 6 9 1 1に従 い環球法で測定した。 また、 G P C測定条件は、 装置 ; H L C- 8 2 A
(東ソ一 (株) 製) 、 カラム ; T S K- G E L 2 0 0 0 X 3本及び T S K- G E L 4 0 0 0 X1本 (いずれも東ソー (株) 製) 、 溶媒 ; テ トラヒ ドロ フラン、 流量 ; 1 m 1 /分、 温度 ; 3 8°C、 検出器; R Iである。 実施例 2
フエノール樹脂と して 1 -ナフ トールァラルキル樹脂 (OH当量 2 0 8、
軟化点 7 4 °C、 1 5 0 °Cでの溶融粘度 3 5 m P a · s ; 新日鐡化学製 S N - 4 7 5 ; フエノール樹脂 B) 1 8 0 g、 ァセナフチレン 2 0 gを用い、
1 0 0 °Cで 1時間付加反応を行い、 ァセナフチレン変性'フエノール性樹脂 を 2 1 8 gを得た (変性樹脂 B) 。 得られた変性樹脂 Bの軟化点は 5 4° (:、
1 5 0 °Cでの溶融粘度は 3 1 m P a ■ s、 OH当量は 2 3 6であった。 G P。測定により求めたァセナフチレンの付加反応率は 9 9 %であり、 ァセ ナフチレンホモオリ ゴマーの生成は認められなかった。 ァセナフチレンが
1 -ナフ トールァラルキル樹脂へ付加反応を行う ことは、 変性樹脂 Bの F D - MSスぺク トルを測定することにより確認した。 すなわち、 原料 1 -ナ フ トールァラルキル樹脂に対応した mZ z = 3 9 0、 6 3 6、 8 8 3、 1 分子のァセナフチレンが付加したことに対応した mZ z = 5 4 2、 7 8 9、
1 0 3 5、 2分子のァセナフチレンが付加したことに対応した m _ z = 6
9 5が確認された (図 2) 。 それぞれのピークの相対強度から見積もった ァセナフチレン付加物の生成率は 3 8モル%であった。 一方、 ァセナフチ レンホモオリ ゴマーに相当する ピーク m/ z = 3 0 4、 4 5 6、 6 0 8、
7 6 0は観察されなかった。 実施例 3
フエノール樹脂と してフエノールァラルキル樹脂 (OH当量 1 6 2、 軟 化点 5 0 °C、 1 5 0 °Cでの溶融粘度 3 0 m P a · s ; 明和化成製 ME H- 7 8 0 0 -4 L ; フエノ一ル榭脂 C) を用い、 実施例 2 と同様に付加反応 を行い、 ァセナフチレン変性フユノール性樹脂 (変性樹脂 C) 1 9 8 gを 得た。 得られた変性樹脂 Cの軟化点は 5 9°C、 1 5 0 °Cでの溶融粘度は 4 0 m P a · s、 ◦ H当量は 1 8 4であった。 G P C測定により求めたァセ
ナフチレンの付加反応率は 9 9 %であ り 、 ァセナフチレンホモオリ ゴマー の生成は認められなかった。 ァセナフチレンがフエノールァラルキル樹脂 へ付加反応を行うことは、 反応後のァセナフチレン変性フヱノール性樹脂 の F D - M Sスぺク トルを測定することによ り確認した。 すなわち、 原料 フエノーノレアラルキル樹脂の mZ z = 2 9 0、 4 8 6、 6 8 3、 8 7 9、 1 0 7 5、 1分子のァセナフチレンが付加したことに対応した mZ z = 4 4 2、 6 3 9、 8 3 5、 1 0 3 1、 2分子のァセナフチレンが付加したこ とに対応した mZ z = 5 9 4、 7 9 0、 9 8 7、 3分子のァセナフチレン が付加したことに対応した m/ Z = 7 4 6、 9 4 2が確認された (図 3 ) c それぞれのピークの相対強度から見積もつたァセナフチレン付加物の生成 率は 4 5モル0 /。であった。 一方、 ァセナフチレンホモオリ ゴマーに相当す るピークは観察されなかった。 実施例 4
フエノールァラルキル樹脂 (フエノール樹脂 C) 1 4 0 g、 ァセナフチ レン 6 0 gを用い、 実施例 3 と同様に反応させて、 ァセナフチレン変性フ ノール性樹脂 (変性樹脂 D) 2 5 5 gを得た。 得られた変性樹脂 Dの軟 化点は 5 9 °C、 1 5 0 °Cでの溶融粘度は 6 4 m P a · s、 OH当量は 2 3 4であった。 G P C測定によ り求めたァセナフチレンの付加反応率は 9 0 %であった。 実施例 5
実施例 2で得た変性樹脂 B、 l O O gをェピク ロルヒ ドリ ン 4 0 0 gに 溶解し、 減圧下 (約 1 0 0 mmH g ) 、 6 0 °Cにて 4 8 %水酸化ナトリ ウ
ム水溶液 3 4. 8 gを 4時間かけて滴下した。 この間、 生成する水はェピ ク ロルヒ ドリンとの共沸により系外に除き、 留出したェピクロルヒ ドリン は系内に戻した。 滴下終了後、 更に 1時間反応を継続した。 その後、 ェピ ク ロルヒ ドリ ンを減圧留去し、 メチルイ ソプチルケ トン (M I B K) 4 5 O gに溶解した後、 濾過により生成した塩を除いた。 その後、 2 0 %水酸 化ナトリ ウム水溶液 1 7 gを加え、 8 0 °Cで 2時間反応させた。 反応後、 濾過、 水洗を行った後、 M I B Kを減圧留去し、 褐色のエポキシ樹脂 (ェ ポキシ樹脂 A) 1 1 8. 3 gを得た。 得られたエポキシ樹脂 Aのエポキシ 当量は 3 0 8. 2 g / e q . であり、 軟化点は 4 8°C、 加水分解性塩素は 6 0 0 ρ ρ mN 1 5 0°Cでの溶融粘度は 3 0 m P a ' s、 であった。 なお. ここで加水分解性塩素は、 樹脂試料 0. 5 gを 1, 4一ジォキサン 3 0 m 1 に溶解させたものを 1 N— KOH/メタノール溶液 5 m 1で 3 0分間煮 沸還流したものを、 硝酸銀溶液で電位差滴定を行うことにより求めた。 実施例 6
変性樹脂 Bの代わりに、 実施例 4で得た変性樹脂 Dを 1 0 0 gを用い、 実施例 5 と同様にエポキシ化反応を行い、 褐色のエポキシ樹脂 (エポキシ 樹脂 B) 1 1 5. 6 gを得た。 得られたエポキシ樹脂 Bのエポキシ当量は 3 0 2. 8 g / e q . であり、 軟化点は 5 2 °C、 加水分解性塩素は 3 5 0 ρ p m、 1 5 0 °Cでの溶融粘度は 4 7 m P a · s、 であった。 実施例 7〜 1 4及び比較例 1〜 4
エポキシ樹脂成分として、 実施例 5及び実施例 6で合成したエポキシ樹 脂 A及び B、 o -クレゾ一ルノボラック型エポキシ樹脂 (エポキシ当量 1
9 7、 軟化点 5 4 °C、 1 5 0 °Cでの溶融粘度 9 0 m P a ■ s ; 日本化薬製 E O CN- 1 0 2 0 ; エポキシ樹脂 C) 、 3 , 3 ' , 5 , 5 ' - テ トラメ チノレ - 4, 4, - ジヒ ドロキシビフエ二ノレのエポキシィ匕物 (エポキシ当量 1 9 5、 加水分解性塩素 4 5 0 p p m、 融点 1 0 5°C、 1 5 0°Cでの溶融 粘度 1 I m P a ■ s ; ジャパンエポキシレジン製 YX- 4 0 0 0 HK ; ェ ポキシ樹脂 D) 、 硬化剤と して実施例 1、 実施例 2、 実施例 3で使用した フエノール樹脂 A〜 C及び実施例 1〜 4で得られた変性樹脂 A〜Dを用い、 充填剤と してシリカ (平均粒径、 2 2 m) 、 硬化促進剤と して ト リ フエ -ルホスフィ ンを表 1に示す配合で混合し、 加熱ロールを用い 1 3 0 °Cに て 4分間、 混練を行い、 エポキシ樹脂組成物を得た。
なお、 実施例 1 0、 1 1においては、 3 0メ ッシュ以下に粉砕したァセ ナフチレンを用い、 表 1及び 2に示す割合で粉体混合した後、 加熱ロール で混練を行い、 エポキシ樹脂組成物と した。
加熱ロール後のァセナフチレンの付加率は、 エポキシ樹脂組成物を トル ェンにてソックスレー抽出を行い、 ァセナフチレンモノマー及びホモオリ ゴマーの抽出量を分析することにより求めた。
ァセナフチレンの付加率二 { (使用ァセナフチレンモノマ一) 一 (ァセ ナフチレンモノマー及びホモオリ ゴマー抽出量) } / (使用ァセナフチレ ンモノマー) X100
このエポキシ樹脂組成物を用いて 1 7 5 °Cで成形し、 1 7 5°Cで 1 2時 間ポス トキュアを行い、 硬化物試験片を得た後、 各種物性測定に供した。 ガラス転移点 (T g ) は、 熱機械測定装置により、 昇温速度 7 °C/分の条 件で求めた。 曲げ試験は、 2 4 0 °Cでの高温曲げ強度、 曲げ弾性率を 3点 曲げ法によ り行った。 接着強度は、 4 2ァロイ板 2枚の間に 2 5 m m X 1
2. 5 mm X 0 - 5 m mの成形物を圧縮成型機により 1 7 5 °Cで成形し、 1 7 5 °C、 1 2時間ポス トキュアを行った後、 引張剪断強度を求めること により評価した。 吸水率は、 本エポキシ樹脂組成物を用いて、 直径 5 0 m m、 厚さ 3 mmの円盤を成形し、 ポス トキュア後 8 5 °C、 8 5 %RHの条 件で 1 0 0時間吸湿させた時のものであり、 クラック発生率は、 Q F P - 8 0 ρ i n ( 1 4 mm X 2 0 mm X 2. 5 mm、 1 9 4ァロイ) を成开 し- ボス トキユア後、 8 5 °C、 8 5 % R Hの条件で所定の時間吸湿後、 2 6 0°Cの半田浴に 1 0秒間浸漬させた後、 パッケージの状態を観察し求めた c 難燃性は、 厚さ 1 / 1 6ィンチの試験片を成形し、 U L 9 4 V- 0規格に よって評価し、 n = 5の試験での合計燃焼時間で表した。 結果をまとめて 表 1及び 2に示す。
産業上の利用可能性
本発明のァセナフチレン変性フユノール性樹脂はェポキシ樹脂の中間体 や硬化剤と して有用であり、 これより'得られるエポキシ樹脂組成物は、 優 れた高耐熱性、 難燃性を有するとともに、 低吸湿性に優れた硬化物を与え. 電気■ 電子部品類の封止、 回路基板材料等の用途に好適に使用することが 可能である。